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体力、教育費、キャリア…どうする?“予期せぬ妊娠” あさイチアンケートに集まった切実な声

「すでに3人子どもがいて、仕事も昇進したばかり。産めないと思った」
「パートナーから『産むの?俺はいつまで仕事をすればいいの?』と言われた」

12月19日(月)放送の『あさイチ』では、アラフォー以上の「“オトナ世代”の予期せぬ妊娠」を特集。番組でアンケートを行ったところ、深刻な戸惑いや苦悩、夫との問題など、たくさんの声が寄せられました。「ママ友には話せないけど、誰かに聞いてほしかった」という声も。

40代以上の避妊法、パートナーとのコミュニケーションの取り方など、“オトナ世代”に必要な性の知識とともに詳しくご紹介します。

(あさイチ「#自分のカラダだから」取材班)

あさイチ「“オトナ世代”の予期せぬ妊娠」

12月19日(月) 午前8:15~9:55放送予定
※放送から1週間はNHKプラス(見逃し配信)でご覧いただけます

経済力、体力… 予期せぬ妊娠で直面する不安

10月からおよそ1か月間、『あさイチ』ではLINEを通じ「予期せぬ妊娠」についてのアンケートを行いました。回答を寄せてくださったのは 10代~70代の134人。そのうち、「予期せぬ妊娠をしたことがある」と答えた人は78人でした。予期せぬ妊娠をした年齢について尋ねたところ、「40~44歳」と答えた人が最も多く、31人に上りました。

Q予期せぬ妊娠を経験したのは何歳のときですか?
『あさイチ』アンケート調査より

40歳前後で予期せぬ妊娠をしたとき、どのような心境になるのか?アンケートの声からは、アラフォー世代の女性たちが若い世代とは異なる切実な不安を抱えることが見えてきました。まずは年齢にともなう、体力や健康の問題です。

最初の妊娠中に妊娠中毒症になり入院したため、年齢的にも妊娠中の体調に耐えられるとは考えられず産めないと思った。(40代)

すでに子どもが3人いて、上から14歳、12歳、10歳と歳が離れることや、今さら子育て最初から?!と不安に思った。(40代・東京都)

高齢出産のリスク。 2度の子宮筋腫開腹手術。(50代・広島県)

年齢も高くハイリスクだらけで周りに祝福されるのか?産んで良い自分なのか。(40代・北海道)

パートナー共に40代だったので20歳の時には親が60代というのが漠然と不安だった。 年齢的に妊娠がわかった時にちゃんとお腹(なか)の中で発育するのかという不安もあった。(40代・沖縄県)

経済的な見通しが立つかどうかも、最初に頭をよぎる不安の1つ。夫から反対される理由も、金銭的な問題が大きいようです。

すでに3人いて、コロナ禍の中、仕事が激減。大丈夫か不安。(30代・広島県)

本当は子どもがたくさん欲しかった私ですが、やはり経済的な面が心配になったり、仕事が軌道に乗り始めた頃であったため子育てが上手くいかないかもと不安になりました。(40代・青森県)

夫が年なので、定年してから経済的に養っていけるのか、ずっと元気で働けるか不安だった。(40代・大阪府)

妊娠したこと自体、夫がまるで他人事だった件。開口一番の「どうすんだよ」に始まり、「早期退職したかったのに!」「20歳になる前にオレ退職だよ無理」 まるで私が独断で赤ちゃんを連れてきたみたいな言いぐさが続き、最初から絶望的な気分で泣きたくなりました。(50代・東京都)

夫が詐欺まがいの投資で1600万円強を失っており、経済的に不安しかありません。産むとなればパートも辞めなくてはならず、再就職は40歳から。乳児持ちで雇ってもらえるか、新しい仕事探しも不安です。(30代・愛知県)

キャリアにも影響が…

40代前後は、キャリアの面でも大事な時期。予期せぬ妊娠で仕事を諦めなければならない、計画を変更せざるを得ないなど、自らのキャリアを犠牲にしなければならないことへの葛藤の声も多く寄せられました。

子育て期間が長期にわたることになり、自分のキャリアパスが描けなくなった。 大学卒業まで、経済的に大丈夫か不安。(40代・愛知県)

転職して半年ちょっとだったので仕事はどうしようかと悩んだ。1年たたないと色々な制度が使えなかったから。(40代・神奈川県)

キャリアと収入を考えて時短勤務からフルタイムに戻ることを考えていた矢先で、また一から出産、子育てすることに戸惑った。(40代)

せっかくパートも軌道に乗ったかと思った矢先だったので、心配だった。(40代・千葉県)

仕事も7年ぶりに復帰し、新しいチームとも楽しく始めた矢先のところだったので、いずれ産休に入らないといけないし、まして臨時採用だったので、産休後はもう続けられないのかと正直戸惑った。(40代・埼玉県)

自分のカラダなのに…

アンケートの声からは、予期せぬ妊娠に夫や親も動揺し家庭内でさまざまな本音が飛び交う様子が浮かび上がってきました。周囲の反応が自分の気持ちとは異なり自分の身体のことなのに自分で決めることができず、不安や悩みが更に深くなるケースも少なくないようです。

産んで良い自分なのか。産んで良い世間なのか。(40代・北海道)

周りにこの年でまた妊娠?!と驚かれる反応されるだろうなと不安に思った。(40代・東京都)

その時、パートナーとの離婚も考えていたので産めないと思った。(60代・静岡県)

正直私は育てられないので中絶を希望しましたが、旦那やお義母さんから頑張ってほしいと言われてしまい、出来ませんでした。(30代・長野県)

夫や義父母の最初の反応がつらかったです。『 出生前検査を受けた方がいいのでは?』とか、『もう若くない』というのを何度も言われました。(30代・東京都)

義母に『さっさと始末しな』と心無い言葉を浴びせられた。主人は『どっちでもいいけど』と言った。不安だったが自分の姉や母に支えられて産む決心をした。(50代・静岡県)

旦那の暴力で悩んでいたからショックで 自殺を何度も考えた。(30代・大阪府)

女性たちが悩みを深めている現状に産婦人科医の池田裕美枝さんは、日本の中で“ある考え方”が広がることが必要だと言います。

産婦人科医 池田裕美枝さん
産婦人科医 池田裕美枝さん
産婦人科医 池田裕美枝さん

「どの声にも生命と真正面から向き合い、自分と周囲と真剣に取り組んでおられる様子があって胸に刺さります。

日本では、“産む”のも“産まない”のもどちらも対等な選択肢としてあるという考え方があまり浸透していないと思います。海外へ視察に行って感じるのは、日本は諸外国と比べても“私のカラダのことは私が決める”という『からだの自己決定権』があまり語られていないということです。

理由の1つには、性や生殖についての情報や選択肢が少ないことがあげられます」

“40を過ぎたら妊娠しにくい”は誤解!? オトナ世代の避妊法

アンケートで予期せぬ妊娠に至った経緯を差し支えない範囲で教えて下さいと質問したところ、多くの方が「40歳を過ぎたら妊娠しにくくなると思っていた」と回答しました。

年齢的に妊娠することはないと思いコンドームを付けなかった。(40代・沖縄県)

もう妊娠しないと勝手に思っていた。何年もレスだったため避妊の準備もなかった。(50代・神奈川県)

卵巣嚢腫(のうしゅ)に子宮筋腫に39歳という年齢で、まずないとたかをくくっていました。(50代・山梨県)

しかし産婦人科医の池田さんは、閉経しない限り妊娠する可能性はあると諭します。

産婦人科医 池田裕美枝さん

「不妊治療に関する報道などで、“年齢とともに妊娠しにくくなる”という情報によく触れるようになりました。それは事実ですが、一方で妊娠する人はたとえ更年期であっても50歳を過ぎていても、閉経するまでは妊娠しうるということも知っておいてほしいと思います。

ちなみに閉経は、“現在から振り返って1年以上生理が来ていない状態”となって初めてわかるので、最近生理が来てないなあ…と思っても1年は避妊を続けてください」

では40歳以上の“オトナ世代”に適した避妊法には、どのようなものがあるのでしょうか?日本ではコンドームが主な避妊方法となっていますが、コンドームは現代的避妊方法の中で最も効果が少ないものの1つとされています。池田さんによると、世界的にはホルモンを使った避妊法や手術が一般的だといいます。

ホルモンを使った避妊方法

「低用量ピル」は、日本でも普及していて特に若い世代で使用する女性が増えています。しかし加齢とともに血栓症のリスクが上がるため、40歳を超えて新たに使用開始する場合には慎重に投与することとされています。黄体ホルモン(プロゲストーゲン)のみで女性ホルモン(エストロゲン)を含有していない「ミニピル」はそうしたリスクがないとされていますが、日本ではまだ未承認です。

子宮に入れる「子宮内システム(IUS)」と呼ばれる方法もあり、これは日本でも使用することができます。一度入れると、数年にわたり高い避妊効果が保たれます。ただし、出産(自然分娩)経験のない人などでは入れるときに痛みを感じることもあります。そうした人向けに「小型の子宮内システム(IUS)」もありますが、こちらは日本では未承認です。

さらに海外では、子宮ではなく膣にいれるリング、肌に貼るパッチ、皮膚に埋め込むインプラント、注射なども承認されていて多くの選択肢があるそうです。

産婦人科医 池田裕美枝さん

「日本では避妊方法の選択肢が少ないことに加えて今あるものもすべて保険適用外で高い費用がかかるため、全ての人が手軽に使用できるわけではありません。

海外では、避妊薬を薬局でしかも低価格で購入できるようになっているところも多いです。性や生殖にまつわる方法へのアクセスを悪くしてはいけないという意識が社会にあるからです。日本も、多様な避妊法を選択できる状況が必要だと思います」

“避妊どうする?” パートナーとのコミュニケーションの取り方

“私のカラダのことは私が決める”という「からだの自己決定権」。それには、パートナーと性についてしっかりコミュニケーションを取ることが大切だと言われています。あさイチが行ったアンケートには、夫やパートナーと避妊についてしっかりと話すことができないという声も多くありました。

性交渉をしたくないと言うと、どなられたり機嫌が悪くなったりしたので、避妊などの話もできなかった(60代・静岡県)

「大丈夫」と押し切られる。雰囲気を壊して後で修復するのは私になるから。(40代・東京都)

昔からしない人なのでもう自分で対策するしかなくピルを使用しています。(40代・宮城県)

産婦人科医 池田裕美枝さん

「夫やパートナーと対等で信頼しあえる関係を構築できれば、2人のセックスはどうすればもっと豊かになる?という目線から話し合ってみるのはいかがでしょうか。豊かな妊娠のために安心は大切なので、自然と避妊についても話し合えるといいですね。

例えば、「コンドームすると気持ち良くない」というのならば「挿入しないで楽しめる方法もあるかな?」とか、「だったら私がホルモン剤で避妊をするね」など。

そして困ったら、産婦人科医を頼ってください。もっと気軽に病院で性のことを相談してもいいんですよ」

『予期せぬ妊娠』に“複雑な気持ち” 解決へのヒントも…

「“オトナ世代”の予期せぬ妊娠」というテーマは、これまであまり触れられてこなかった話題ではないでしょうか。アンケートには、「今日まで誰にも言えず言うつもりもなく、ずっと苦しかった」と記した人もいました。実は多くの“オトナ世代”が、性や生殖に関して悩みモヤモヤを抱えていたのです。

不妊治療で通院しながら やっと授かることが出来た身としては予期せぬ妊娠という言葉に複雑な気持ちになりますが、知っておきたいです。(30代・高知県)

妊娠したくてもできないのにこんなテーマを扱うなんて…見たくもない番組です。(30代・東京都)

(すでに子どもが2人いて)産んでもワンオペで3人を見ることは目に見えていて、妊娠も出産も産後のキャリアの断絶も体の負担も私だけ。予期せぬ妊娠は、30後半より上のほうが男性の理解が乏しくつらいと思う。(40代・福岡県)

中学生からしっかりとした性教育が必要だと考えます。妊娠、中絶、流産するのは全て女性です。女性だけの問題と捉えず生死に関わる事を男性にもっと学ぶ場所が必要だと思います。(40代・神奈川県)

今は高齢出産が多くなっているが、周りの目からもどう思われているか気になるし、やはり専用の相談場所などあればよいなと思う。(40代・千葉県)

妊娠3か月になりました。 最初は戸惑い、産まない選択も考えました。でも、上の子どもたちが大変喜んでくれたこと(事の重大さがわからないだけかもしれませんが)、両家の母が一言も否定せずに「よかったね、おめでとう!」と言ってくれたことで、事態を受け止められました。無事にこの子を抱ける日が来るよう、ただ祈っています。(30代・愛知県)

心身ともに、一番大変な思いをするのは女性本人。でも、パートナーの方と話し合いができており、協力的なパートナーであれば、彼らもとても苦しむこと。私の場合、子どもたちとも話し合った。彼らも母体、母親の妊娠のことをとても考えてくれて、悲しみの中でも家族全員から認められ、自分のことのように受け止めてくれた家族だった。亡くなった胎児には謝罪の気持しかないが、生きている家族にとってはよい時間だったと思う。(50代・海外在住)

いま、性や生殖を取り巻く環境は大きく変わっています。SNSを通じた出会いが当たり前となっている若い世代と“オトナ世代”の間では、性についての常識も大きく異なっているようです。NHKでは「#自分のカラダだから」と題したプロジェクトとして、性や生殖について皆さんと一緒にさらに考えたいと思っています。よろしければ あなたの体験や思いを聞かせてください。

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あさイチ「“オトナ世代”の予期せぬ妊娠」

12月19日(月) 午前8:15~9:55放送予定
※放送から1週間はNHKプラス(見逃し配信)でご覧いただけます