みんなでプラス メニューへ移動 メインコンテンツへ移動

みんなでプラス

更年期とは いつから?症状は?男性も?ポイントまとめ

生理のある体から、生理のない体へと大きく変化するこの時期。うまく乗り切るためには、更年期について知っておくことが大切です。

そもそも更年期はいつごろで、どんな変化が体に起きているの?
不調を引き起こすメカニズムは?

更年期治療の専門家に聞きました。

「#みんなの更年期」取材班

関連番組の放送予定

NHKスペシャル「#みんなの更年期」

2022年4月16日(土)総合・夜10時放送
※放送から1週間は見逃し配信をご覧いただけます。

記事監修: 寺内公一 日本女性医学学会理事 東京医科歯科大学 教授

更年期はいつごろ?

更年期は、生理がなくなる「閉経」をはさんで前後5年、合わせておよそ10年間を指し、女性は誰もが経験します。閉経する時期は日本人の場合は50歳前後で、更年期はおおむね45歳~55歳と言われています。

ただ閉経の時期は個人差が大きく、さらに生理が12か月間なかったことが確認されたあとになって初めて閉経したことがわかります。40代半ばを過ぎて月経に不順がみられるようになれば更年期に入ったと考えましょう。

どうして不調が起こるの?

更年期症状には、女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっています。

個人差はあるものの、体内のエストロゲンの分泌量は20~30代でピークを迎えたあと、40代後半から大きくゆれ動きながら減少し始め、50代前半までに急激に減少し、60代以降はほとんど分泌されなくなります。

女性ホルモン量の変化

このエストロゲンがゆれ動きながら急激に減少する時期が更年期です。
エストロゲンは卵巣から分泌されますが、更年期になると卵巣の働きが顕著に衰え、分泌が自然と減っていきます。

すると脳は卵巣にもっとエストロゲンを出すよう指令を出します。それによって卵巣が過剰に反応して急激に分泌したり、分泌できずに急激に減ったりと大きくゆれ動きながら減少します。この「女性ホルモンのゆらぎ」が自律神経を乱して体温の調節を難しくしたり、脳の神経伝達物質のコントロールを乱して「うつ」の症状がでたりとさまざまな不調を引き起こします。

こんなにある!更年期の症状

更年期の症状は多岐にわたります。
代表的な症状は、次のようなものがあげられます。

代表的な更年期症状

▼自律神経症状
「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)」「手足の冷え」「どうき」「息切れ」「めまい」

▼痛み
「肩こり」「関節痛」「頭痛」

▼メンタル・睡眠トラブル
「憂うつ」「イライラ」「物忘れ」「記憶力の低下」「不眠」

▼けん怠感
「疲れやすい」「だるい」

▼泌尿・生殖器トラブル
「頻尿」「尿漏れ」「外陰部の違和感」「性交痛」

更年期に現れるこうした症状のうち、ほかの病気によるものではなく、日常生活に支障をきたすほど重いものを「更年期障害」といいます。

更年期症状 疑問に答えます!

症状に関しては取材班にも多くの疑問の声が寄せられています。

Q更年期は10年も症状に耐えなければならないの?

症状は個人差が大きく、ほとんど感じないまま更年期を終える人もいれば、いくつもの症状に悩まされる人もいます。
特に症状が強く出るのは閉経をはさんで前後2~3年、合わせて4~5年の間ですが、こうした時期でも、治療によって症状の改善や緩和は十分に期待できます。症状を完全になくすことはできなくても、生活に支障がない程度にコントロールしながら、うまく付き合っていくことはできます。

Qなぜ生活に支障が出るほど症状が出る人もいれば、まったく出ない人もいるの?

更年期症状 なぜ個人差がある?

症状には環境のストレスもともとの性格が影響します。

真面目で頑張り屋、神経質、完璧主義といった性格の人は、更年期の症状を感じやすい傾向にあると言われています。

この時期の女性は、仕事や子育て、子どもの巣立ち、介護など環境のストレスも多く存在します。そうしたストレスが大きいと、更年期の症状が重くなることが知られています。
また女性ホルモンのゆらぎに対する心身の感受性が人によって違うため、影響を強く受けて症状が出る人もいれば、あまり影響されず症状が出ない人もいるのです。

Q症状が人によって全く違うのはどうして?

症状の出る人、出ない人がいるのと同様に、症状の種類についても女性ホルモンのゆらぎに対する感受性の違いや性格、置かれた環境が影響します。一概には言えませんが、例えば心理的・社会的ストレスが大きい場合は気分の落ち込みなどの精神症状が強くなることがあります。

また海外の文献では、女性ホルモンの分泌量が変化する生理前にイライラや気分の落ち込みを経験した人、妊娠中や出産後にいわゆるマタニティーブルーや産後うつと呼ばれる不安感や気分の落ち込みを経験した人は、更年期でも精神的な不調が出やすいと指摘されています。

Q気分の落ち込みや不眠などの精神症状は「うつ」とどう違うの?

うつ病なのか、更年期の症状なのかをすぐに見分けることはできません。婦人科では50歳前後で精神症状がある場合には、まず更年期症状を疑って治療を始めます。ホルモン補充療法などで改善が見られれば、治療の結果として、更年期症状だったことがわかります。

一方、更年期の治療をしても一向に改善がみられない場合や、気分の高まりと落ち込みを繰り返す双極性障害がみられる場合、それに自殺願望がある場合は、精神科の受診を勧めます。

Q更年期は病気ですか?予防法はありますか?

更年期の症状については保険診療で治療を行うことができるという意味で、国の制度上は病気の扱いだという考え方もできます。

ただ更年期はすべての女性が経験するものです。症状を完全に予防することはできませんが、適切な治療によって症状を軽減することができます

血液検査だけではわからない 診断のポイント

診断にはいくつかのポイントがあります。

これって更年期?診断のポイント

まず生理がある人については、生理が不順になっていること。次に「ほてり」や「イライラ」など、更年期とみられる症状が複数あること。この両方に当てはまり、他に疾患がない場合は更年期症状と診断します。

子宮を摘出した人については、更年期のおおよその年齢に当てはまり、更年期の症状が複数みられ、他に疾患がない場合に更年期症状と診断します。補助的に女性ホルモンのエストロゲンの値が下がっていることと、エストロゲンの分泌を促進するために脳の下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン「FSH」の値が高くなっていることを確認することもあります。

血液検査でエストロゲンの値を調べることはできますが、この時期は分泌量が乱高下するため、その結果だけで診断することはできません。ただし更年期と似た症状が出る甲状腺の異常でないことを確認するために、甲状腺ホルモンの値を測る目的としては有効です。

更年期症状への対処・治療法

症状を改善するには、薬を使わない方法と薬を使う方法があります。

薬を使わない方法としては、
カウンセリングなどで人に話を聞いてもらう、規則正しい生活や食習慣の見直し、運動などによって心身の負担やストレスを軽減したり、体調を整えたりします。
サプリメントで女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするエクオールなどの栄養を補うこともあります。

薬を使う方法としては、
ホルモン補充療法や漢方薬、向精神薬があります。ほてりやのぼせといった症状についてはホルモン補充療法が有効だとされていますが、メリットやデメリットを踏まえて納得感がある形で使う薬を決めるといいでしょう。
また薬で治療する場合でも、生活習慣の改善や運動は重要です。

更年期はセカンドライフの始まり

更年期の症状に悩まされている時は、何でもできていた若い頃の自分が輝かしく思えることもあるかもしれませんが、年齢を重ねれば昔の自分と違って当たり前です。更年期は自分の体や生活などを見つめ直す時期であり、ここからセカンドライフの始まりだと思ってうまく乗り切っていきましょう。

更年期症状のセルフチェックをしてみましょう。

あなたの更年期の状況は?

25点以下   異常なし
26~50点  食事・運動に注意を
51~65点  医療機関(婦人科や更年期外来)を受診
66~80点  長期の計画的な治療が必要
81~100点 各科の精密検査に基づく長期の計画的な治療が必要

男性にも更年期ってあるの?

近年、男性でも女性の更年期と似たような症状が現れることがわかってきています。

記事監修:堀江重郎 順天堂大学教授 日本泌尿器科学会指導医

性ホルモン分泌の変化

男性の場合、男性ホルモンのテストステロンは加齢と共にゆるやかに減少を続けます。女性と違って閉経やホルモンが一気に減る時期はなく、更年期の医学的な定義はありません。ただしテストステロンは環境の変化やストレスによって分泌量が減ることがあり、それによって女性の更年期に似た心身の不調が起こると考えられています。

どんな症状が出るの?

代表的な症状は次のようなものがあげられます。

代表的な更年期症状

▼身体的な症状
「筋肉や関節の痛み」「ほてり」「発汗」

▼けん怠感

▼精神症状
「イライラ」「不安感」「憂うつ」

症状の多くは女性の更年期症状と共通していますが、男性特有の症状もあります。

▼性欲の減退・性機能の低下

いつごろ症状が出るの?

40代以降は環境の変化やストレスによって、いつでも症状が出る可能性があります。また、コロナ禍で在宅勤務が増えたことが原因となっているという指摘もあります。

どうやって治療すればいい?

男性更年期障害?と思ったら

男性更年期の治療は泌尿器科で行われていて、専門外来を設置している医療機関もあります。血液検査でテストステロンの分泌量の低下が確認された場合、漢方薬や注射による男性ホルモンの補充といった治療が行われます。また精神症状に対しては心療内科でのカウンセリング、抗うつ剤の処方といった治療が行われることもあります。

男性更年期のセルフチェックをしてみましょう。

これって男性更年期障害?

26点以下 「特に問題はありません」
27~36点 「食事や生活習慣を見直してみましょう」
37~49点 「更年期外来の受診をおすすめします」
50点以上 「専門医による治療が必要な可能性があります」

関連番組の放送予定

NHKスペシャル「#みんなの更年期」

2022年4月16日(土)総合・夜10時放送
※放送から1週間は見逃し配信をご覧いただけます。

記事に対する感想やご意見、体験談、取材してほしい内容などをこの記事のコメント投稿フォームか、ご意見募集ページからお寄せください。