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プライベートゾーンって? からだとこころの話① Vol.14 

”性”と聞くと、身がまえてしまう人も少なくないかもしれません。でも ”性”について考えることは、子どもを、大切な人を、あなた自身を性被害から守るために、そして、誰もが「体」と「心」の健康と幸せを守るために欠かせないものです。

#BeyondGenderでは、子どもも大人もいっしょに性教育を考える動画『からだとこころの話』4本を、放送やインターネットで発信しています。それぞれの内容を連載でお伝えします。

1本目は「プライベート ゾーンって?」。
親子で“性”について、語り始めるきっかけにしてみませんか。

『プライベート ゾーンって?』
「プライベート ゾーン」は、あなただけの特別で大切な体の一部。
自分のを誰かに見せない、さわらせない。
誰かのを勝手に見ない、さわらない。
自分はイヤなのに「見せて・さわらせて」と言われたら、はっきり「イヤ!」と言おう。
そして、安心できる人に話そう。

(監修:順天堂大学 教授 西岡笑子、慶應義塾大学大学院 特任准教授 本田由佳)

2009年にユネスコが発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」をご存知でしょうか。世界の「性教育」に大きな影響を与えている国際的な指針です。このガイダンスに基づいて、アメリカやヨーロッパ各国、アジアでも中国や韓国などで、5~8歳からプライベートゾーンや性器の大切さについて教えています。

最近、日本でも、保育園、幼稚園、小学校低学年などで、子どもたちがプライベートゾーンについて学ぶチャンスが増えています。また、関連する絵本やネット動画なども目にするようになりました。

家庭で、親子で、「プライベートゾーン」について、いつ、どのようなタイミングで話したらいいのでしょうか。ジェンダー平等や性の多様性などを含め、人権の尊重に基づいた包括的な性教育の普及に取り組んでいる順天堂大学 保健看護学部教授の西岡笑子さんに聞きました。

「プライベートゾーン」を話すときのポイント(順天堂大学 教授 西岡笑子さん)

「個人差はあると思いますが、子どもが2~3歳になった頃から、入浴時に『性器は、自分で洗うよ』と、声かけを始めてみてはいかがでしょう。お父さん、お母さんが自分の性器や胸を洗ってみせるという方法もあると思います。

自分の体は自分で洗うことを、子どもたちに生活習慣として身につけさせることは大切です。子どもたちにとって『体は自分のもの」ということを実感する「体(からだ)感(観)」のもとになるからです。

さらに、『プライベートゾーンを大切にできる人は、自分を大切にできる人。そしてプライベートゾーンを大切にできる人は、友だちやまわりの人を大切にできる人なんだよ』と伝えていただけたらと思います。」

プライベートゾーンは、体を守るためだけのものでなく、自分自身を、そして周りの人たちのことを大切に思う気持ちを育むことにもつながるんですね。お父さんが娘さんに、お母さんが息子さんに伝える場合、絵本などを使って言葉や図で補いながら話してみるのもいいそうです。

内閣府の調査*で、「無理やりに性交等された被害経験がある」という人は24人に1人。そのうち、未成年で被害にあった経験をもつ人は49.2%とほぼ半数に上ります。そのうち、「小学校入学前」は8.5%、「小学生のとき」は11.3%です。男性も女性も被害にあっています。(*内閣府2021年3月「男女間における暴力に関する調査」)

性別を問わず、子どもも大人も“性”について一緒に考えていくことが大切です。

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