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Vol.2 次々登場“フェムテック” 生理用ショーツに更年期対策も

女性の“生きづらさ”をテクノロジーで解決!

「ん、漏れてる?…あ、ヤバイ!」 仕事中、ふと股間を伝う違和感にドキッとしてしまうこと、ありますよね。

私も仕事に没頭しすぎて、気づいたら経血漏れでイスが大惨事という経験が・・・その後はイスにじっと張り付いて、同僚たちが帰るのをひたすら待ちました。夜、静まりかえったオフィスで座面の赤いシミを拭いていたら、涙がこぼれてしまって・・・。

ところがそんな私の日常に最近、革命が起きました。それが「ナプキンの要らない生理用ショーツ」です。半信半疑でしたが、試してみると本当に1日経っても漏れがなくて、まさに目からウロコ。小6以来の悩みの一つがあっさりと解消されたのです。

「生理」「更年期」など女性特有の様々な悩みを、新たなアイデアや科学技術を用いて解決する・・・こうした商品を「フェムテック」と言います。(Female(女性)とTechnology(技術)をかけ合わせた造語です。)

社会の中で生きる女性たちを応援してくれそう!と期待高まる「フェムテック」、その最前線をお伝えします。

(クローズアップ現代プラス 浅岡理紗ディレクター)

スタートアップが続々登場 “フェムテック”

いま世界中で、フェムテックの新たなアイテムが続々と登場しています。 2020年7月、そうした製品を取りそろえた生活雑貨店が東京・港区にオープンしたので、行ってきました。

■冒頭で紹介した、ナプキンが要らない生理用ショーツ
何層にも重ねた特殊な生地が経血を吸収し、表にしみ出すのも防ぎます。国内外のメーカーからデザインも性能もさまざまなショーツが登場していて、自分にあった商品を選べます。
■妊娠しやすいタイミングを教えてくれる機器(アメリカ製)
白くて丸いデバイスを膣の中に入れると、おりものの成分を測定し、妊娠しやすいタイミングを教えてくれます。妊活中の女性のニーズから誕生しました。
■尿漏れを防ぐトレーニンググッズ(イギリス製)
更年期の女性に多い「尿漏れ」の悩み解消のための製品。楕円形のボールを膣の中に入れてキュッと閉めると、連動したスマートフォンの画面でボールがポーンと跳ね上がります。排尿コントロールに大切な骨盤底筋を、キュッ、ポーン、キュッ、ポーンと、ゲーム感覚で鍛えることが出来ます。

「生理」「妊娠」「更年期」といった女性特有の悩みを、テクノロジーで真っ向から解決していこうというフェムテック。それは、これまでタブーとして見過ごされてきたこれらの課題を明るみに引き出し、具体的な問題解決はもちろん、人々の意識までも変化させて、社会に革新をもたらそうとしています。

(店のプロデューサー 小尾奈央子さん)
小尾さん

「女性の社会進出が進み、こうした(女性特有の)悩みが社会全体で解決すべきことになってきています。もうタブーではない!タブーのままではいけないのです。お店にはカップルで来店される人もいます。男性も、生理のことを女性に聞いてはいけないという概念があったかと思いますが、こうしたフェムテック製品を一緒に手に取ることで、話してもいい、共有していい話題なんだと認識する方もいます。」

体の悩みと深く関わる女性ホルモン

フェムテックが解決をめざす女性ならではの体の悩みと深く関わっているのが性ホルモンです。女性ホルモンの分泌量は10代で急上昇し、毎月の生理のたびに変動、そして40代から急降下します。その動きに伴って、生理痛や更年期症状などさまざまな不調が起きます。そのジェットコースターのような変動は、現役世代の間はホルモン分泌がほぼ一定の男性とは対照的です。

(女性と男性のホルモンの変化)

「漏れない生理用ショーツ」 オンナの実体験にビジネスチャンスあり!

女性たちに立ちはだかる課題を新ビジネスの舞台ととらえフェムテックを生み出しているのは、一体どんな人たちなのでしょう。私の悩みを解消してくれた「生理用ショーツ」を開発した企業を東京・渋谷区に訪ねました。

(中央の左が山本未奈子さん、右が髙橋くみさん)

社員30人はすべて女性。「女性の輝く社会」をコンセプトに、化粧品など様々な商品開発を行っています。

この会社を率いる、山本未奈子さんと髙橋くみさん。
働く女性として、二人も「生理」の悩みを切実に感じてきました。

(山本さん)
山本さん

「会議が長引いて仕事に入り込んでしまうと、トイレに行くタイミングを忘れてしまうんです。 会社の椅子が白いのもあって結構シミに・・・。私もよく漏れてしまってアッ!ということがあります。」

2人がショーツ開発を始めたのは3年前。アメリカで「ナプキンの要らない生理用ショーツ」を目にしたのがきっかけでした。「これこそ働く女性が求めている商品だ」と確信し、日本人のニーズに合わせた商品を自分たちで開発すると決意します。 製造を依頼したのは山陰地方にある小さな縫製工場です。

(縫製工場)

もともと高齢者向けの尿漏れパンツを得意とし、布に水分を吸収させる豊富なノウハウを持っていました。でも工場側は、「生理用ショーツ」という思いもよらない依頼に、最初は戸惑ったそうです。

縫製工場社員

「難しいと、一旦はお断りしたんです。どうしても女性の生活を変えたいということを何度も口説かれて、気持ちが動いたといいますか、やってみようという気持ちになりました。」

難しかったのは、吸水量の大幅UPでした。通常の尿漏れパンツでは、吸水量は多くても50ml程度ですが、今回のショーツは120mlの性能を持たせました。それは、生理2日目の経血量の3倍にあたります。

吸水体は、性質の異なる5枚の特殊な布を組み合わせたもので、身体からずれないように、縫い付け方も工夫されています。2年半をかけて、漏れを防ぐ工夫を結集したショーツが出来上がりました。

(募ったクラウドファンディング)

実は、 山本さんと髙橋さんはショーツ開発の過程で、ネット上から投資を募るクラウドファンディングを行ったのですが、1か月で9000人以上が参加し、なんと1億円以上の資金が寄せられました。商品への期待の高さがうかがえますよね。

このファンドに参加し、ショーツを使い始めた女性に話を聞きました。

洗濯は基本的に手洗いをしていて、しっかりキレイにしたいときには、そのあと他の衣類と一緒に洗濯機にかけているそうです。使い心地を聞いたところ・・・

女性

「普通に生活して歩いたり動いたりしても漏れないし、寝ている時も漏れないので驚きました。仕事で外を歩き回ることも多く、そんなときはトイレに行けず困っていました。これでもっと活動的になれると思う。」

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みんなのコメント(21件)

体験談
未完(みかん)
2023年1月21日
自分も生理中は、ズボンの前に色々履いてますね。腹巻きだとかでもやっぱり親には言いたくない人間だったのでwやっぱり女性の中でも一番辛いと言っていいと思います。やっぱり女性はすごい??
wba
2020年12月10日
女性の社会進出度が日本で課題になっている今少しでも障害を無くせればと技術で貢献する試みとみました。女性の毎月のホルモンの影響に勝る乱高下による発汗、代謝亢進、血圧変動、体型の変化、そして最大の、滝のように多量に出る不定期月経血。女性の更年期の症状です。女性に生まれれば特定の年齢でほぼ起きるでしょう。(男性も男性更年期はあるが) 当事者の孤独や恥じらいが和らぎ落ち着いて対処出来ればと願う。
ツナ
30代 女性
2020年11月28日
帝王切開で産んだんですが、いつ生理が来るか心配です
けん
40代 男性
2020年11月27日
男性なので女性の身体のことは分からないので勉強のために見ました。女性には聞きにくいことと思っていましたがこれからは共に話し合いながら解決していくことが大事なことだということが分かりました。女性の身体は男性の身体より繊細で大変なことが分かりました。女性を大事にしようと思うことがより強くなりました。このような番組は参考になります。これからも宜しくお願い致します。ありがとうございました。
あかうしのウーくん
20代 男性
2020年11月27日
男女平等という意味で難しい部分ですね。僕は障がい者ですが、男性の障がい者の視点からみると、女性の甲高い声や「なによ!」的な表情とかを見ると哀しくなります。「障がい者だから理解して」とは強く言いませんが、自分は顔や体型にコンプレックスがあって、片目の視力がないのもあり、多くの女性、もしくは男性からも、あまり好かれない存在だろうなぁと思います。 武田アナウンサー。頑張れ!。
あおば
女性
2020年11月27日
男性視聴者が多そうな番組で、こうしたテーマを取り扱ってくれて心強いです。私の職場も圧倒的に男性社会、体調最悪でも気付かれないように笑顔作って仕事してます。性差や個人差に応じた、誰もが働きやすい職場なんて実現できるのかな、とため息が出ます。武田アナのように、理解しようと向き合ってくれる男性が職場で増えれば(特に上司世代)つらさも打ち明けやすいのかな、と思います、でも私の職場では厳しいかな…
かに
40代 男性
2020年11月26日
車のLEDライト(恐らくヘッドランプ)についてのコメントが出ていましたが、女性特有の問題ではない気がしますね。自転車で外出すると、向かってくる車がハイビームのままということが多くなって、強烈な光を向けられるのは男性から見てもストレスだし(夜間にサングラスが必要かと思うくらい)、注意したら"あおり運転"にされそうなので大変困っています。一度調べる必要がありそうですね。
ゆっち
40代 女性
2020年11月25日
生理痛が酷い方でしたので、今まで働いてきた日々を振り返ると、無理して仕事していたな、しんどかったら休めば良かったという後悔があります。人の体は無理をすると必ず後で反動がきます。しかも、男性上司<場合に寄っては年下>には言いづらいのと、理解してくれない。まだまだ日本は声をあげにくい社会です。これは、個人より社会全体で働きやすい環境にしていかないと、少子化は当然です。特に男性は知ろうとしないので、困る
働く男子
男性
2020年11月24日
男性の自殺率や平均寿命は考慮しないのですね。
のらねこ
20代 女性
2020年11月24日
女性の問題取り上げていただきありがとうございます。月経付近は仕事が手につかない、でも仕方ないと思っていました。たしかに仕方ないことではありますが、やっぱり労働損失につながっているのですね。 男性にはなかなか想像しにくいと思いますが、ぜひ今一度周りの女性が悩んでいる現実に目を向けて欲しいです。
すみね
50代 女性
2020年11月24日
53歳なのにいまだ生理があります。更年期障害なのか排卵痛がひどくなり経血量も増加。激しい出血でナプキン30分程度で真っ赤になる事もしばしばあります。 仕事がら思う通りにトイレにかけ込めないことも多く、遠出も苦になります。 早く閉経してほしい。
ラッちゃん
30代 女性
2020年11月24日
女性が生理で辛いことに社会が配慮し始めたのは良いことだと思いますが、男性は男性で中年に差し掛かると前立腺肥大で頻尿になるなど男性にしかない辛さがあると聞きます。フェムテックだけでなくメルテック?も必要だと思います。女性ばかりが辛いという印象を与えるのは誤解を与えかねないと思います。
キャサリン
2020年11月24日
女性が社会に進出していくためには、男性と同じように働くのではなく、お互いの性を理解することが男女雇用均等につながると思う。
spunkM
40代 女性
2020年11月24日
月経の出血量が異常に多い。都度都度診て頂いたが筋腫もなく、原因はわからない。 貧血にもなるしバセドゥにもなるし、更年期かバセドゥの症状なのかわからない。 あさイチの月経特集で個人の1ヶ月の生理用品の量を見て愕然とした。自分の使用量と画面で見る量とは全く違った。以前は二日目が酷かったが最近は5日目が1番ひどい。自分の体に何が起きていてどうしたらいいのかわからない。
40代 女性
2020年11月24日
男女ともに認識を変えないと、様々な問題(少子化、虐待、働き手等)が解決されないと思います。不妊治療費や待機児童解消だけでは根本問題は解決しないと思います。
マル円
50代 女性
2020年11月24日
看護職をフルタイムで働いています 医療職であっても、心無い言葉が同じ職場で同じ看護職から平気で、( 更年期じゃないの? )と、まるで使い物のならない様な言動が横行しているのは事実です。 産婦人科の先生でも専門分野でなければ解らないと言われるのも事実です。 紹介された情報を一番理解しなければいけない看護職からももっと発信して欲しいと 更年期のど真ん中の私も節に思いました。
まちだ
50代 男性
2020年11月24日
武田アナウンサーはいつも女性問題のテーマになると、男性側が配慮しなければならない、理解が足りなかったなど、あたかも男性側の無理解が女性を苦しめてきたというスタンスで進行している。それはあなただけですよね? 女性問題を扱う時にこれまでの男社会に問題ありの前提で番組作りをする事はかなり意識高く生活している男性に対し差別的・侮辱的なのでは?
ぽぽ
50代 女性
2020年11月24日
シートベルトがこの時代にまだ男性標準で設計されていると聞き、耳を疑いました。で、気がつきました。最近の車の眩しすぎるLEDライト。起伏の多い日本の道路ではちょっとした角度で、ロービームでも目に刺さります。交差点でライトを消さない車も多く、ハレーションを起こして全く何も見えないまま交差点に進入せざるをえません。歩行者としても許せない眩しさ。もしや170cm男性標準で設計されているのでは?(怒)
りんご
50代 女性
2020年11月24日
番組を見て涙が出ました。今、まさに更年期で、周りの理解を得られず、苦しい思いをしています。休職をし、昇進も諦めました。更年期障害に理解がないのは男性だけではありません。同じ女性でも、気持ちの持ちようと考えている人は沢山います。月経による体調不良や不妊などについても、同様に無理解から当事者を傷つけている事があると思います。どうか、この問題を多くのメディアで取り上げてください。
I LOVE
40代 女性
2020年11月24日
女性の身体と働き方について取り上げてくださってありがとうございました。女性は特別に優遇してほしいのではなく、まず女性が抱える悩みを理解してほしいのです。そして、身体の変化や、家事育児など多くを負担する人たちが、余裕を持って働けるよう、夜勤や勤務時間、働き方などの見直しを社会全体で考えていけるといいなと思います。
ひろ
40代
2020年11月24日
更年期のせいか、月経の量が急激に増え、仕事に支障がでるほどです。仕事がら、お昼休憩まではトイレに行く事ができないので、夜用のナプキンにタンポンをしながら仕事をしています。そんな中でファムテックのショーツを知り、ぜひ試したいと思っていました。男性に理解して貰うのは難しいので、女性自身が声を上げていかなくてはならないんでしょうね。