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うちらが行きたい「選挙」って?

「投票率の低さ」という日本の大問題を1ミリでも解決するために、私たちは、そのファッションや飾らない発言が、若者から支持を集めるギャルの皆さんに、アイデアを出してもらいました。どうしたら選挙や政治を“じぶんごと”として捉えられるのか…。2時間に及ぶ話し合いの中から、選挙や政治に対する若者の本音が見えてきました。
(1ミリ革命プロジェクト ディレクター 髙田理恵子)

1ミリ革命 「投票率1ミリアップ作戦!」

2022年6月16日(木)夜7:57~ NHK総合
※放送から1週間は見逃し配信をご覧いただけます。

「日常をスペシャルにする」令和のギャルたちが渋谷のカラオケに集結

集まったのは、雑誌やテレビ、SNSなどで国内外にギャル文化を発信している「ブラックダイヤモンド」のメンバー5人。鮮やかなファッションやこだわりのメイクで、毎日を自分らしく楽しむギャルたち。その「日常をスペシャルにする」センスを生かして、「どうしたら投票率が1ミリでも上がるのか?」考えてもらいました。

左から、るなこんがさん、まーちりんさん、あおちゃんぺさん、まみぴいさん、めちょろさん
左から、るなこんがさん、まーちりんさん、あおちゃんぺさん、まみぴいさん、めちょろさん

「センキョ」は堅苦しくて難しい!?

アイデアを出し合う前に、ふだん選挙について、どんなイメージがあるか話し合いました。

あおちゃんぺ:選挙行ったことある人?
まーちりん:(手を挙げる)マジ?
あおちゃんぺ:1回はある。1回はある。1回。
るなこんが:私1回もないわ。
まみぴい:私もないわ。
あおちゃんぺ:まーちりんは、なんで行ってるの?
まーちりん:いや、私、結構政治興味あって。いよいよ選挙権くるってなった時すごいワクワクで。初めての時は、もう本当ワクワクして行きましたね。だけど、本当最初の時だけ。あとからは、いつやってるのかも分かんないしみたいな。

まーちりんさんは、ふだんから夜な夜な友達と税金や政治の行く末について語り合うほど、政治に興味を持っていましたが、「自分の1票」に意味を感じられず、いつの間にか選挙から足が遠のいてしまいました。
さらに、選挙に行ったことがないという他のメンバーも、街なかで選挙に関する情報を目にしていても、選挙に行こうとは思えないといいます。

めちょろ:駅前とかで、たまに私に投票してくださいって言ってる選挙カーが。
まみぴい:あれめっちゃ道路混むし、やめてほしいよね。
あおちゃんぺ:うん。うるさいし、あれ見るとめっちゃ怖くなる。街頭演説。
るなこんが:そう。怖いんだよね。
まみぴい:しかも、こっちが時間ないのにチラシとか渡してくるじゃん。
まーちりん:あと、選挙ポスター、人間味が感じられない。
あおちゃんぺ:みんな同じ顔してて、ちょっと怖いよね。日本を明るくとかって・・・。
まみぴい:しかも、有言実行してくれる人があんまりいないイメージ。
あおちゃんぺ:よけい嫌になるよね。まず政治に興味が持てないんだよな・・・。別に投票しても変わんないっていうか、選挙行った所でどうなるんだろうっていうのがあるかな。あと、普通に面倒くさい。
るなこんが:分かる。面倒くさいし、いつやってるのかも分かんないし、どこでやってるのかも分かんないし、どうやってやるのかも分かんないし、自分にメリットが返ってくると思えないからやらないというかね。
めちょろ:イメージからして堅苦しいっていうか、難しいからどうしたら良いか分からないっていう人多いと思う。
まーちりん:ってか、本当にやる時とか宣伝力が足りないっていうか。いつの間に始まって、期間めっちゃ短いし調べる時間もないし、選挙の日にもう予定入っちゃってるしみたいな。結構、近々で知らされるイメージだからそこは凄いムカつくっていうか、無いなって思う。なんかちょっと古くさい感じしますよね。今の選挙。

うちらに選挙に行ってほしいって思ってる?

左から、あおちゃんぺさん、まみぴいさん、めちょろさん
左から、あおちゃんぺさん、まみぴいさん、めちょろさん

情報が若者向けではなかったり、投票時間や場所が限定されていることで、通勤通学をしている世代は投票に行きづらかったり・・・。ギャルたちからは、そもそも若者は期待されていないのではないか、という意見も出ました。

まみぴい:若者は働いてるから行ける日があんま無いっていうね。
あおちゃんぺ:普通に人数比的に高齢者が多いから、若者が行ってもそれこそ意味なくね?って余計思っちゃった。
まーちりん:なんか負のループですよね。
あおちゃんぺ:若者の方が、これからの日本に関係あるのに。
まーちりん:知らないうちになにか法律変わってたみたいな。知らないうちになんかこれあったみたいな多い。
あおちゃんぺ:そういうのあると思う。全然みんな興味がないから。やりたい放題だと思うよ。どんどんやっても、国民が別に突っ込んでこないから。
まみぴい:だってうちらが払ってる今の国民年金って、将来もらえないっていうよね。
あおちゃんぺ:確かに。だったら払いたくないってなるし。
るなこんが:自分で貯金して良いよね。
めちょろ:なんのメリットもないんだったらね。
まーちりん:自分で貯金したい。
あおちゃんぺ:そもそも負のループになってて、多分ターゲットをそもそも若者にしてないと思うんだよね。投票率が低いから、若者に好かれたところであんま意味ないと思ってるっていうか。結局投票率あげてからじゃないと、そういうことしてくれないと思うんだよね。政治家。

ギャルたちが指摘したのは、「負の連鎖」。期待されていない、生活がよくなるメリットを感じない、という理由で選挙に行かないと言う一方で、若者の投票率が低いから、若者向けの制度や政策、情報発信が少ないのではないかという意見です。この「負の連鎖」を打破するために、そして自分たちの声を聞いてもらうために、若者の投票率を上げるにはどうしたらいいのか、議論を続けました。

自分たちが行きたい選挙とは?キーワードは「楽しむこと」と「親近感」

左から、るなこんがさん、まーちりんさん
左から、るなこんがさん、まーちりんさん

どうしたら若者が選挙に行きたくなるのか?「自分たちが行きたい選挙」ということをポイントに話し合いました。

まーちりん:自分の一票が未来を変えるみたいな感覚がないと行きづらいかなって。
あおちゃんぺ:ないね。確かに。行ったとてっていう感じするもんね。
まーちりん:なんか、私めっちゃAKBの総選挙をお手本にしてお祭り騒ぎみたいにしたらいいのにって思うんだけど。あれって、何かもう自分の一票がもろに誰をセンターにするかに関わるみたいな実感がすごかったから。今の選挙に足りないのって自分が動かしてる感じとか。行っても変わんないみたいな感覚?があると思う。
あおちゃんぺ:今、選挙ってだるいだけだもんね。アニメとか深夜番組とかでも、野球中継とか、そういうのも途中から選挙番組とか始まるから。
まみぴい:そうそう。嫌だ。あれ、めっちゃ嫌だ。
あおちゃんぺ:だからウザいイメージがあるから、もっと楽しい感じになればいいよね。
まーちりん:老若男女、小っちゃい子どもからお年寄り、全員まで楽しめるような楽しいお祭り開催したら良いんじゃない?(投票所の近くで)縁日とか開催して、誰でも来られる場所にして、子どもの時から親と一緒に投票所に行ってるみたいな。今って該当者だけのものじゃないですか。選挙って。でも、子どもの時から親と一緒に行った思い出があったら、大きくなってきてもあの時、親と一緒に行ったなみたいな感覚も根づいていくし、誰でも入れるようにしてたら中間の層とか17歳とかそれこそちょっと前の人とかでも、行って遊べる感じがあるから、そしたら、選挙って行くメリット無いなって思うけど、楽しいっていうメリットは作れるかなって思う。
あおちゃんぺ:確かに。そうだね。自分に得があるとか、楽しいとかそうならないと行かないよね。
るなこんが:思ったのは、最初から選挙は無しで、たまたま行った楽しい所に選挙があるみたいな感じだったら良いんじゃないかな。例えば、飲食店とかネイルサロンとかカラオケとかどこでも良いけど、各場所にボックスみたいなものが置いてあって。たまたまカラオケに遊びに行ったら、そこに投票箱があったからみたいな目的は違ったけどみたいな感じの方がみんな投票するんじゃないかな。

出てきたキーワードは「楽しむ」ということ。はじめから「選挙に行こう!」と呼びかけるのではなく、選挙そのものを楽しいイベントにしたり、楽しいイベントの先に選挙があったら、興味がない若者も足を運ぶきっかけを作れるのではないかという意見です。

まみぴい:そういえば、中学生のやるよね、なんか。生徒会?
あおちゃんぺ:はいはい。
まみぴい:あれが選挙みたいなもんだよね。練習みたいな感じだよね。
あおちゃんぺ:確かに、あの時は強制だったからっていうのがあるのかな…。あと、立候補者に友達がいたっていうのがあったと思う。
めちょろ:誰が出るから、そこに投票してやるよみたいな。
あおちゃんぺ:そうそう。親近感を持たせたもん勝ちみたいなところあるから、やっぱ選挙と生徒会で違うのは、そういうところかもしれない。友達とか身近に感じられるかっていう。
めちょろ:やっぱり顔広めた方が良いと思う。この人はどういう人なのかって。何も知らない人に、とりあえず投票するんじゃ分からないから。
まーちりん:選挙に出る人こういう人だよ、みたいな。まじでAKBのムック本みたいなそういうかわいいやつとか無いなってめっちゃ思った。
あおちゃんぺ:人となりが分からないと、あんま応援しようがないっていうのはあるよね。どんな人なのかっていうのが分かんないと。

2つ目のキーワードは「親近感」。立候補者のことを遠い存在ではなく、すぐ隣にいる人だと感じられるようになれば、「この人に投票したい」「この人にわたしの街を任せたい」という気持ちが生まれるのではないかと考えました。この2つのキーワードをもとに、具体的なアイデアを固めていきます。

選挙×プリントシール!?選挙の日を楽しい思い出に残すアイデア

あおちゃんぺさん
あおちゃんぺさん

さらに議論は続き、楽しむという「キーワード」をもとに、具体的なアイデアを話し合いました。

まーちりん:私が思ったのはギャルだったら、エモいもの好きだから、超昔のプリ機撮れるとか。
るなこんが:ああ。ご当地プリクラみたいな。
あおちゃんぺ:そうそう。ご当地のボロボロプリ機よく撮ってたじゃん。
るなこんが:確かに。そこでしか撮れないみたいな。
めちょろ:行きたいみたいな。撮りたいから行きたいみたいな。
あおちゃんぺ:なんか選挙スタンプ。選挙行ってきたとか、選挙なうとかの落書きができるプリクラ。
まーちりん:てか親子無料とかにしたら、家族で行って楽しそう。家族で撮ったりとかしてほしいな。
あおちゃんぺ:思い出になる。
めちょろ:記念写真。
まーちりん:選挙に出てる人のスタンプがあるプリ機みたいな。めっちゃおもろいな。
まみぴい:あったよね。なんか芸人のスタンプとかあったよね。
めちょろ:あった。ほんとに撮りたくてしょうがない。

盛り上がったのは、「プリントシール」。友達と出かけた日やデートの日など何気ない日々を特別な思い出に残すことができる点に目をつけ、選挙の日も楽しい思い出に残そうというアイデアです。「選挙に行こう!」というのではなく、「プリクラ撮りに行こう!」と楽しいイベントにすることもポイントです。

候補者דプロフ帳” !? 候補者を身近に感じる仕掛け

さらにもうひとつ、「親近感」をキーワードにアイデアを出し合ったところ、議論が盛り上がりました。

るなこんが:やっぱみんなお堅いイメージがあるから、実はこういう一面があったんだみたいなのを知れたらいいんじゃないかなって。
まーちりん:なんか、選挙ポスターとかすごい古くさい感じがあるし、難しそうなやつ多いから、ああいうの全部平成に流行ったプロフ帳みたいなやつに変えて、幼稚園、小学校、中学校、高校、学校、駅とか配置したらいつでもみんな見るものみたいになりそう。
あおちゃんぺ:そうかも。好きな食べ物これですとか言われた方がちょっと取っ掛かりが良いっていうか・・・で、あなたは何をするんだい?っていう話になるわけじゃん。最初からこれやりますって言われても、あんまり興味持てない。

いつの時代も小学生に人気の「プロフィール帳」
いつの時代も小学生に人気の「プロフィール帳」。趣味や将来の夢、好きな食べ物などを書いて、友達どうしで共有するもの。

るなこんが:私と趣味一緒だ。みたいな、そういうのでも親近感湧いたりとか。
あおちゃんぺ:確かに、生徒会のポスターとかって自分たちでみんな作ってたじゃん。ああいうふうな手作り感とかある方が、もうちょっと親近感とか人の個性が出ていいかな。
まーちりん:ステッカーを作りたくなっちゃうぐらい可愛いので盛り上げてほしいね。お祭り騒ぎ的な。
めちょろ:キャラクターになっちゃう、もはや。
まみぴい:マスコットキャラみたいな?
あおちゃんぺ:写真とかいらない気がする、その人の。別に顔で選んでないし、だから、別に顔とかいらないから、もっと中身のことを面白おかしくみたいな。
るなこんが:そうだね。それだと多分、男性だからとか女性だからとかそういうのでも平等にいくから。ちょっと前に選挙の結果を見たら、圧倒的に女性の票がすごい少なくて。私はその人がどういうことをやるとかは知らないから分かんないけど、でも、圧倒的に女の人の方が票数が少なかったから。やっぱ女の人には入れないとかそういう人もいそうだから、性別とかも隠して、で、実は選んだら女の人でしたみたいな。
あおちゃんぺ:そうそう。ABCみたいな。候補者A、候補者Bみたいな感じで、中身だけプロフにして、で、Bの人当選したらこの人でした、みたいな。
るなこんが:名前もニックネームとかでいい気がする。可愛いし親近感湧くし。
あおちゃんぺ:確かに、呼びやすいし。
めちょろ:私この人が推したいみたいな。今推しっていうのが流行ってるから、その方が今の子にも刺さると思う。
あおちゃんぺ:確かに。推しができたら絶対みんなもっと。
めちょろ:推しになれば絶対に勝たせないとみたいになるから。

プロフィール帳に候補者の情報を書き入れて、人となりや主張する政策をまとめようというアイデア。質問項目も自分たちで考えて、オリジナルのプロフィール帳を作ることになりました。

ギャルたちが書いたプロフィール帳のイメージ図

選挙דプリントシール”דプロフ帳”で選挙を身近なものに!

「せん★プリ」プロジェクトが始動!
話し合いの結果決まったのは、選挙期間中に街なかにプリントシール機を設置し、撮影した人にギャルオリジナルのプロフィール帳を見てもらおうという作戦です。

候補者に話を聞いたり、ホームページに掲載されている公約を読み解いたりして、プロフィール帳を完成させ、5月末に行われた「新潟県知事選挙」で実際に試しました。

課題解決に欠かせない「じぶんごと」化

ギャルたちがアイデアを出していく中で大事にしていたのが「うちら」という主語。常に、「うちら」が楽しいと感じること、「うちら」が行きたいと思うことを軸にアイデアを考えていました。はじめは、特に気にしていなかったのですが、アイデアを実現していく中で、どんどん「政治」や「選挙」に対して、ギャルたちが前向きになっていくのを見て、この「うちら」という言葉が非常に大事なのだと感じました。
日々番組制作を行う中で、社会の課題を「じぶんごと」として捉えてもらうことはとても難しいと感じていましたが、常に自分たちを主語にして課題に取り組み、自然とその課題を「じぶんごと」として捉えていく姿勢に、社会課題の解決に取り組む上で大事なことに気付かせてもらいました。

ギャルたちが考えた「せん★プリ」プロジェクトの結果はいかに・・・!? お楽しみに~!

1ミリ革命 「投票率1ミリアップ作戦!」

2022年6月16日(木)夜7:57~ NHK総合
※放送から1週間は見逃し配信をご覧いただけます。

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みんなのコメント(3件)

感想
ここ
19歳以下 女性
2022年12月6日
とても大事なこと!
ひとり一人の存在の大きさを、
か ん じ る 
世に!
なーーーれ!
体験談
30代 女性
2022年6月29日
私は選挙に行きたいです。しかし、私は選挙に行ったところで心からの一票を投じる事ができない現状があります。私は鬱病、パニック障害、双極性障害という病気を抱え、13年が経ちました。今も通院し治療を続けています。私が一票を投じられないと思う理由は、双極性障害の症状にあります。双極性障害は躁と鬱の状態が交互に現れる病気です。ときには混合という躁と鬱が1日の中で両方現れ混乱する状態も起こります。躁であれば、各々の主張を熟読し、心からの一票を投じる事ができる可能性はありますが、鬱や混合状態になると、文字や声が頭に入ってこない場合もあり、各々の主張を理解し心からの一票を投じる事が困難な状態になってしまいます。そもそも、顔色が悪く無表情になる為、人前に出る事すら憚られる状態になってしまうのです。精神疾患で悩む方に寄り添う選挙が行われれば、投票率UPや若者の意見の反映に繋がるのではないかと思うのです。
感想
ブエノスイノリス
20代 女性
2022年6月18日
プロフィール帳懐かしい。小学生の時やってました。何か嬉しい。誰を信用または信頼し投票したら良いか分からなかったので悩み解消になるかもです。
またギャルのツッコミ欄、私の意見を代弁して下さっているように感じるのでナイスです。

これは、あくまでも私の願望ですが政治・投票に興味がある声優さんがいたら政治×声優の何かしらのイベントがあれば、政治がもっと身近なものになるのではないかと思いました。