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笑いで社会を変えろ!「1ミリ革命大喜利」リポート

暮らしの困りごとを社会実験で解決する「1ミリ革命」プロジェクト「自転車事故をどう減らす?」という課題を1ミリでも解決するために、今回は芸人の皆さんに声をかけ、大喜利スタイルでアイデアを出してもらいました。
判定基準は、おもしろさよりも本当に事故を減らせるかということ。3時間にも及ぶ大喜利で出た「楽しみながらルールを守り、事故を減らすためのアイデア」の数々を収録現場の雰囲気そのままに、テキストでご紹介します。(1ミリ革命 ディレクター 髙田理恵子)

「人を楽しませるプロ」お笑い芸人がNHKスタジオに集結

集まったのは、賞レースでも大活躍の4組のお笑い芸人たちです。

マヂカルラブリー 野田クリスタルさんと村上さん
相席スタート 山﨑ケイさんと山添寛さん
おいでやす小田さん
GAG 福井俊太郎さん


抜群のお笑いセンスを生かして「どうしたら自転車事故を減らせるのか?」柔軟な発想でアイデアを出してもらいました。

大喜利の回答をジャッジするのは、
交通工学の専門家で中央大学 研究開発機構 准教授の稲垣具志さんと、
行動経済学の専門家、東北学院大学 経済学部 准教授の佐々木周作さん
あくまで「自転車事故を減らすための大喜利」であるので、判定基準は「おもしろさ」よりも「本当に事故が減らせるのか?」だけを冷静に判定してもらいました。
「芸人にとっては地獄だ」という声も・・・。

稲垣具志さんと佐々木周作さん

最初のお題はこちら!

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

こちら、信号のない交差点での事故を減らすアイデアを考えるというものですが、鮮やかな回答をお願いします。

野田:どっからか、「あ、虹だ」っていう声が聞こえてきた。

ケイ:すてきー。
野田:絶対見るじゃん。
ケイ:すてき(笑)。
野田:こいでて「虹だ」。虹?ってなる。
村上:見ますか? 急いでるときとか。
ケイ:すごいすてき。
野田:なんかさ、スピーカーみたいの用意してさ。スピーカーを隠して。
野田&村上:「あ、虹だ」
小田:いいかもしれん。
村上:機械的な声になるかなと思うんですけどね。
村上:書いてますよ、審査員。何か書いてますよ。笑
野田:ありがたいなぁ。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

ケイ:モニターに嫌いな友達のSNSが映し出される。

野田:うわぁ、見ちゃうな。
村上:なるほどね。今どういうことやってんのっていう。
ケイ:そうです。好きな友達より、やっぱ嫌いな子のほうがつい見ちゃうんですよね。
村上:うわっ、カフェ行ってんじゃんみたいな。
ケイ:そうです。拡大してイライラを探しに行くっていう。
村上:ハハハハハッ。結構個人に寄り添った感じの対策ですねえ。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」


山添:道路に立体カルガモ親子お引っ越しのマークが付いてる。

村上:いいじゃん。かわいいじゃん。
野田:かわいい。これみんな止まりますよね。
ケイ:止まる。
村上:立体?
山添:立体に、なんかこの、三角形が見えるみたいな印とかあるじゃないですか、道路に。
ケイ:トリックアート的な?
山添:トリックアート的な。立体カルガモ親子が見える。
村上:ちょっと離れたとこから見たら立体に見えてしまう。
山添:あーあー、お引っ越し中やって。
村上:なるほど。かわいいじゃないですか。
野田:止まると思うな。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」


福井:祖父母の時代から辺りの小学校で「交差点」という授業がやってる。

一同:ハハハハッ
小田:どういう授業?

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」


野田:うなじ辺りに水滴足らして、「雨?」ってなる。

一同:ハハハハハッ。
村上:それ、全員分用意できるんですかねえ。
野田:スポイトみたいのを垂らして。ポンって、ちょんと垂らして。
村上:まあまあ、でも、いいです。いいです。やれるかやれないかはあとあと判断でございます。
野田:止まっちゃう。
小田:虹とか雨とか自然現象多いな、なんか。文句じゃないですよ、文句じゃない。
村上:今までの回答、えー、専門家のお二人、いかがでしたでしょうか。
1つでも、いいな、脈がありそうだなっていうものがあればマルをお出しください。それではお願いします。
村上:マル2つ。(拍手)
小田:え、マジで?ええーっ。
野田:じゃあもう終わりじゃん。
村上:僕にはね、〇がなかったように思えたんですが・・・。ちょっと詳しく聞いてみましょうか。

佐々木先生の判定 ○

個人的に好きだったのは、福井さんの交差点の授業。教育で変えるというのはすごく長期的な話なので1番大事だし、たぶん最も力が入れられていることだと思う。しかし、今回は止まらないといけないってことがわかった上で、それでも守れない人をどうやって止めるかって話なのですみません。
アイデアとしては、野田さんが出された「虹だ」っていうのと、雨っていうのもおもしろいなと思いましたし、山添さんの立体カルガモも、錯視というか、見る場所によってこういうふうに見えるっていうのはすごくおもしろいなと思いました。大阪で、無断駐輪をどうやってなくすかという施策を考えたときに、花のイラストを無断駐輪がよくあるところに描いたのがあります。そういう見て楽しいものをうまく使うというのは、1つの方向性かと思いました。

稲垣先生の判定 ○

どこからか「虹だ!」って聞こえたっていうのは、道路をすごく大きく変えるようなことではないし。実際にそういうことやることによって、気を止めさせるといったようなやり方は、ありえるのかなと僕は思いました。

村上:というわけで、専門家様からのフィードバックを受けて、改めて皆さん大喜利に戻りましょう。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」


ケイ:電気屋さんとかにあるやつみたいな、大型モニターに自分の姿が映るやつ。わかります?

ケイ:あれ?おっおっおっ、あれ?みたいな。
野田:竹下通りのやつでしょ?
ケイ:そうです。「あれ、あれ、あれ、オレオレオレ?」ってやつです。
村上:いったん停止をしない自分が映ってしまうっていうね。
ケイ:そのとおりです。
村上:ありがとうございます(笑)。恥ずかしい自分が映ってしまう。おっ、小田さんいきましょう。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

小田:ガードレールのポールの上に足跡を置いて。こう、こうやって止まれるようにする。

一同:ハハハハハッ。
小田:これよくない?ほんまに。
村上:あるあるですね。僕、そうやって止まるときあります。
小田:そやろ?で、足跡置いといたら、そこに合わせて。
村上:「どうぞ」っていう。
野田:1回置いてみるもん。
村上:あるある。小学生とかそれで止まってますから。
小田:これ、ほんま止まんちゃう?これ。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

福井:横断歩道の白いところに、居酒屋のおやじの小言みたいな感じで、「地に足つけろ」「1度立ち止まってもいい」みたいな、そういうメッセージを。

一同:ハハハハハッ!
野田:いいね。
村上:いいですね。これは止まるかもしれないな。すばらしいですねえ。ちゃんと止まらせるような言葉が書いてあるっていうのもいいですね。
小田:止まるな、確かに。読んでまうな。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」


山添:ノンブレーキで止まったところでポイントが書いてある。

一同:ああー。
野田:・・・
村上:ウケてこそないけど。いいんです。これで(笑)
山添:意外と初めて出ましたよね。おもんなくてアイデア出たよっていうの。
村上:ノンブレーキはいちばん怒られるんじゃない?
山添:あー、そうか。

村上:さあ、専門家のお二人に聞いてみたいと思います。

佐々木先生の判定 ○

いちばん好きなのは「地に足つけろ」だったんですけれども。ケイさんの大型モニターの案は、立ち止まらない自分が客観化されて、それを恥ずかしく思うことで、他人の目を意識させるというのがすごくいいアイデアだなと思いました。小田さんのガードレールの足跡はですね、コロナ禍でも、例えばスーパーマーケットで距離を開けて並ぶために足跡マークとかあって。足跡のマークがある場合とない場合とだと、やっぱりあったほうがちゃんと等間隔で並ぶっていうのがあるんです。そのアイデアに近いなと思いました。(山添さんのノンブレーキポイントは)ちょっとよくわからなかったんですけれども・・・(笑)

稲垣先生の判定 ○

福井さんのおっしゃった横断歩道におやじの小言を書くといった話がありました。横断歩道に字を書くのは現実的には難しいと思うんですけど、そこで止まることによって得られるその人の利益がありますよね。おやじの小言、きょうはなんだろうみたいな感じで止まりたくなる。別に横断歩道じゃなくても、止まったときに見える範囲内にそういったようなものを仕掛けることに関しては、僕は全然丸じゃないかなと思いました。横断歩道に書くのは、たぶん警察が許してくれませんけれども。ちょっと山添さんのノンブレーキのポイントっていうのは僕もわからない・・・(笑)

他にも爆笑アイデアが次々と・・・
自転車の左側通行を促す仕掛けについても実演を交え、大喜利で挑戦しました。

「なぜかみんなが道路の左側を走っている。どうして?」

「なぜかみんなが道路の左側を走っている。どうして?」

「なぜかみんなが道路の左側を走っている。どうして?」

課題解決に欠かせない「楽しむ」ということ

「社会問題」や「社会課題解決」というと、難しい顔をして、難しい話をするとか、とっつきにくいというイメージが強いですが、ここはそんなイメージとは無縁。終始笑い声が絶えない現場となりました。

お笑い芸人さんたちの回答は、笑いはもちろんのこと「なるほど」と膝を打つ回答も。ふだんの取材では見つからない解決のヒントがたくさん見つかりました。楽しみながら社会の課題に向き合い、誰の意見も否定せず笑い飛ばすお笑い芸人さんたちの姿に、新しい課題解決の在り方が見えた気がします。(自分の職場の企画会議もこんなふうだったらいいのになぁ・・・と思ったのは、ここだけの話です)

番組では、この大喜利の中から生まれたアイデアを専門家やアーティストたちと一緒に、実際の街や公園で実験!一体、どのアイデアが選ばれたのでしょうか?お楽しみに~!

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