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1ミリ革命 暮らしの困りごとを“社会実験”で解決しよう

1ミリ革命 暮らしの困りごとを“社会実験”で解決しよう

「社会は自分たちの手で変えられる」そう思える世の中にするためのお手伝いをNHKがします!悩めるあなたと専門家をつなげ、あっと驚くアイデアとワクワクする実験を通して、一緒に社会課題を解決することを目指します。コメント欄から暮らしの困りごとを投稿してください。解決のアイデアも募集します。それらを放送やこちらのページでお伝えします。


Topic07 高校生の自転車事故を減らすには?3つのポイント 2021.10.15公開
Topic06 その手があったか!自転車事故を減らすための“発明キッズ”のアイデア 2021.9.22公開
Topic05 笑いで社会を変えろ!「1ミリ革命大喜利」リポート 2021.9.22公開
Topic04 子どもを乗せた電動アシスト自転車 転倒をどう防ぐ? 2021.8.25公開
Topic03 300件を超える自転車“ヒヤッと体験” 2021.8.25公開
Topic02 車道と歩道 どこを走る?自転車事故を減らすために 2021.7.29公開
Topic01 「1ミリ革命」という新プロジェクトを始めました 2021.7.29公開

自転車にまつわる困りごとやヒヤッとした体験募集中です。
こちらから投稿ください☟
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2021年10月14日

高校生の自転車事故を減らすには? 3つのポイント


自転車の事故発生率が最も高い都道府県、知っていますか?
実は、静岡県なんです。年中温暖で、平坦な海沿いの土地に2つの政令市を抱える静岡。中でも、とりわけ目立つのが「高校生の事故」です。高校生の自転車事故を防ぐためのポイントを静岡県から全国のみなさんにお伝えします。

(NHK静岡 アナウンサー 高柳秀平)

高校生の事故が多い静岡県 なぜ?
「静岡は、自転車に乗っている学生やサラリーマンが本当に多いな…」

制服を着た5~6人の学生たちが一列になって自転車をこぐ様子を目にしながら、静岡に住んで3年目の私(取材者)は、日々そんなことを考えていました。

そこで全国の自転車に関するデータを調べていると…気になるものを見つけました。





事故件数は年々減少しているようですが、残念なことに、静岡県は自転車事故の発生率が全国1位。県内では令和2年、自転車事故で2934人が負傷。最も多いのは高校生で、全体の22.6%に上ります。

なぜ、静岡県では高校生の自転車事故がこれだけ起きてしまうのか? さっそく静岡県警察本部の長倉隆一警視に聞きました。


(静岡県警察本部・長倉隆一警視)

静岡県警 長倉隆一警視
「静岡県は1年を通して温暖で、雪が降ることもほとんどないため、1年を通して自転車に乗れます。さらに静岡市や浜松市は、駅を中心に平坦な道が続き、周囲に学校や企業が集まるコンパクトな町です。そのため、高校生も通学のために自転車に乗る機会が多く、事故の数が増えやすいんです」

“実は、自転車に慣れていない?” 高校生の通学事情
自転車事故にあいやすい高校生。何か事情を抱えているのかもしれないと思い、 静岡市内で自転車に乗る高校生に話を聞いてみることにしました。

しかし、高校生たちも急いでいるのか、なかなかペダルをこぐ足を止めてくれません。 信号待ちを見計らって声をかけ、なんとか8人の高校生に話を聞くことができました。 自転車通学で困っていることを聞いてみると…。

「自宅から学校まで、自転車で20分くらいかけて通っています。夏は暑くて大変だし、雨の日も自転車です。雨が降っていたらバスに乗る手もあるけれども、家を出る時間がだいぶ早くなって大変なので、自転車で通うことにしています。自転車に乗るときは傘を差せないので、雨具を着ていくしかないですね」

「部活によっては、ラケットが入った大きなバッグを背負って登校している同級生もいます。重い荷物を持ったまま自転車に乗るのは大変そうだなって思います」

「自転車通学を始めたのは、高校に入ってからです。中学までは家から学校まで近かったので歩いて通っていました。高校だと、自転車通学と電車通学の人が多いですかね」

高校生からは様々な声があがりました。その中で、8人全員に共通していたのは「自転車通学を始めたのは、高校生から」という点でした。

静岡県内の全体の統計を調べてみると…。



「自転車で通学しているこどもの割合」は、小中学生は5.8%。
しかし高校生になると、75.7%に急激に増加しています。
このデータをどう読み解けばいいのか、自転車事故の研究が専門の大阪市立大学大学院の吉田長裕さんに聞きました。


(左:筆者 右:吉田長裕 准教授)

大阪市立大学大学院工学研究科 吉田長裕 准教授
「高校生になって自転車で通学を始める人は全国的にも多く、実は“自転車通学に慣れていない高校生”がほとんどです。実際、全国のデータを見ても、高校に入学したばかりの1年生の事故件数が最も多くなっています。さらに、事故が一番多い場所は、自宅から2km以上離れた所=“通い慣れていない場所”です。つまり“慣れない場所”を“慣れない自転車”で走ることが、高校生が事故にあう要因の1つになっているといえます」

“実は、高校生は自転車通学に慣れていない”

確かに、私も自転車に乗れるようになったのは小学校でしたが、頻繁に利用するようになったのは高校生からでした。自宅近くの道は慣れていても、通い始めたばかりの高校の近くなどの道はまだよく分からない。でも、朝は遅刻しないよう急いで登校する。

こんな経験、みなさんにもあるのではないでしょうか?
“自転車通学に慣れていない”という高校生ならではの事情。
静岡県だけでなく、他の都道府県でも同じ傾向があるかもしれません。

事故率トップの静岡市 “事故が特に多い場所”に行ってみた!
では、具体的にどんな場所で事故が起きやすいのでしょうか?
静岡市の高校生の自転車通学率は85%。静岡県警の調査で特に事故が多い現場を、長倉隆一警視に案内してもらいました。



向かったのは、静岡市でも、特に自転車事故が特に多い通りです。

JR静岡駅北口から徒歩15分ほどの場所ですが、周辺500mほどの範囲で、5年間で15件以上の自転車事故が発生しています。ほとんどが交差点での出会いがしらの事故で、うち2件は高校生が関わる重傷事故(腰や足の骨折)でした。

上の写真は、通りにある交差点の1つです。信号機はありませんが、車道と歩道もしっかりと区切られています。左右の路地には「止まれ」の一時停止標識もありますし、極端に見通しが悪いというわけでもありません。

しかし長倉さんによると、事故を起こしやすいポイントがいくつかあるといいます。

自転車事故を防ぐ 3つの注意ポイント

① 広い歩道こそ要注意



長倉警視が最初に指摘したポイント、それは「広い歩道」です。

自転車は基本的に「車道」の左側を走るルールですが、歩道が広いと「歩道」を走ってしまう人が多いといいます。



上の図は、自転車が「車道」を走る場合と「歩道」を走る場合を比較しています。 青い矢印で示した、車道を走る自転車。左側から歩行者が飛び出してきたとしても、接触するまでに少し、距離があります。一方の赤い矢印。自転車が「歩道」を走ると、交差点の角で歩行者に接触してしまい、自転車も歩行者もお互いの存在に気付くのが遅れ、事故につながりやすくなります。さらに、自転車はスピードを落としきれないため、大けがにつながりやすいといいます。

静岡県警 長倉隆一警視
「歩道の幅が広い時ほど、自転車に乗る人には注意してほしいです。特に、交差点に進入する時、歩行者の間をすり抜ける様に走るのは危険です。中には、自転車の走行が認められている歩道もありますが、基本的には自転車は歩道ではなく車道の左側を走ることを覚えておいてください」

自転車事故を防ぐ 3つの注意ポイント

② 自転車の通行表示がある道路を走ろう!

次は、自動車との事故を防ぐためのポイントです。



長倉警視が指さしているのは、「自転車通行」と書かれた路面標示。矢羽根(やばね)ともいわれ、自転車が走るルートを示すものです。この表示があることで、自動車のドライバーは「このあたりは自転車が走る場所だ」と考え、自転車に注意を向けやすくなるといいます。

さらに、自転車が矢羽根に沿って通行すれば車道の左側を走ることになり、「自転車の列」が自然にできます。すると、自動車のドライバーにとっては意識を向ける方向が明確になり、気を付けやすくなるそうです。

一方、先ほど訪ねた交差点はどうでしょうか。自転車通行の路面標示はなく、信号機もないような“裏道”です。長倉警視は、裏道では自転車の流れが不規則になることで事故につながりやすいと話します。

静岡県警 長倉隆一警視
「高校生に限らず、大通りで信号に捕まることを嫌って、裏道を自転車で走る人もいます。しかし、自動車のドライバーにとっては、裏道は自転車がいろいろな方向から飛び出してくる可能性があって注意を向ける方向が定まらず、事故につながることもあります。 自転車に乗る際は、急ぐ気持ちも分かりますが、裏道ではなくて自転車通行の表示がある大通りを走るようにしてほしいです」

自転車事故を防ぐ 3つの注意ポイント

③ 一時停止の標識は、自転車も「止まる」

そして、事故を防ぐために最も重要なのにもかかわらず、なかなか守られていないルールが、交差点での「一時停止」です。

今回訪ねた交差点にも、一時停止の標識がありましたが、ほとんどの自転車が交差点にそのまま侵入していました。



そこで、交差点で一時停止する人と、しない人の数を私(取材者)が数えてみました。 (一時停止は、「ペダルをこぐ足を地面につけて止まること」と定義します)

平日の午前8時からの1時間。通勤や通学の時間帯を狙った調査の結果がこちらです。



一時停止した自転車の数は1時間に4人。(左側の計測器)

一方、一時停止せずにそのまま交差点に進入した自転車の数は192人。(右側の計測器) 一時停止した人の数は、たった2%でした。
(足を地面につかなくても歩くスピード程度に減速した人を含めると、およそ16%)

そして、1時間現場に立ち続けて感じたのは自転車のスピードの速さ。 自転車が歩行者や車とぶつかりそうになり、ヒヤッとした場面も4回ほどありました。 静岡県警では、一時停止の標識がある場合はもちろん、標識がない場合でも見通しの悪い交差点では一度止まって左右の安全確認をしてほしいと呼びかけています。



静岡県警 長倉隆一警視
「一時停止の標識は、すべての車両に適用されます。左の写真のように、「自転車も止まれ」と書いていなくても一時停止してください。一時停止の標識が連続する場合もあり面倒だなと思うことがあるかもしれませんが、一度の油断が大きな事故につながることがあります。一時停止をして左右の安全確認をする。このことを、標識が無い場合でも見通しの悪い交差点では徹底してほしいです」

静岡県に限らず、みなさんの街にも同じような道路や交差点があるのではないでしょうか。

あらためて、自転車に乗るうえで気を付けてほしい3つのポイントです。

自転車事故を防ぐ 3つの注意ポイント

① 広い歩道こそ、要注意
② 自転車の通行表示がある道路を走ろう
③ 一時停止の標識は、自転車も「止まる」

“楽しく交通ルールを考える” 静岡市の自転車教育
高校生の自転車事故を1件でも減らすため、静岡市では、様々な現場で、新たな自転車教育が始まっています。



静岡市清水区にある静岡サレジオ高等学校では、高校生2年生が小学3年生と5年生に「自転車の交通ルール」を教えるプログラムが来月予定されています。

以前からプレゼンテーション能力の向上に重点的に取り組んできたこの学校。
そこに静岡市が「小学生に教える側になることで、高校生にとっても学びが多いのではないか」とこのプログラムの実践を持ちかけました。

静岡市生活安心安全課
「高校生が小さな子供たちに教える側になるため、交通ルールを自分たちで調べることになります。プレゼンテーションに必要な情報を探し、子供たちに分かりやすく教える方法を考える過程で、交通ルールについて主体的に考えてくれるはずです。交通ルールを守るよう人から言われるだけでなく、どうすれば事故を防げるか自分たちで考えることでさらなる啓発につながると思います」

生徒たちは6つの班に分かれ、「自転車の交通ルールを小学生に教える」というテーマで 自由にプレゼンテーションを行います。





こちらは、あるグループが制作した資料の一部です。

小学生にも興味を持ってもらえるようクイズ形式にしたり、難しい漢字はひらがなに変換したりしています。

高校生たちは、インターネットなどで自転車の交通ルールについて調べ、数ある情報の中から「子供たちに必要だ」と思った情報をピックアップ。地域の交通安全協会のサポートも得ながら、資料を完成させました。

担任の先生によると、プレゼンテーションの準備を進める過程で、生徒たちの意識にも変化があったようです。

「今回調べ学習をしていく中で、いろいろな気づきもありました。自分が今まで気が付かなかった点で無意識のうちに周りの歩行者や車に迷惑をかけていたのかもしれないし、マナー違反をしていたのかもしれない。そう考えるととても怖いなと感じました」

「誤った情報を小学生に教えるわけにはいかないので、自分で自転車のルールを調べてみたのですが、意外と知らなかったものもあり良い機会になりました」

「小学生に教えるだけでなく、自分も正しい自転車の乗り方を見つめ直し、安全運転を心がけるきっかけとなりました。免許なしに誰でも簡単に乗れることができる自転車ですが、ルールを知らずに乗ってしまう人が多いと思います。それを理由に事故を起こさないよう、できることから私たち高校生も取り組んでいきたいと思います」

話題にすることが自転車事故防止の第一歩に
プレゼンテーションを行った高校生のように、自ら自転車事故について伝えたり、話し合ったりすることが、自転車の乗り方を理解する、大きなきっかけになると、今回の取材を通して、強く感じました。私自身も、多くの方と交通ルールについて議論を重ねることで、日ごろ自転車に乗るときに「この交差点は危ないな」とか「ここは自転車を降りて通った方がいいな」と思うことが増えました。これまでと変わらない道を通っているはずなのに、感じることや捉え方が少し変わったように思います。

新型コロナウイルスの影響もありますが、徐々に対面授業が増えてきた学校も多くなっています。高校生のみなさんには自転車に安全に乗ることで、学校生活を楽しく、より充実したものにしてほしいと思います。

そして、高校生以外の方にも、ご紹介した注意点やルールを少しでも日常生活に活かしていただければ幸いです。一緒に、自転車事故を減らしていきましょう!

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年9月22日

その手があったか!自転車事故を減らすための“発明キッズ”のアイデア

暮らしの困りごとを社会実験で解決する「1ミリ革命」プロジェクトどうしたら自転車の事故を減らすことができるのか? この課題にたくさんのアイデアを寄せてくれたのが47都道府県にある「少年少女発明キッズクラブ」に所属する子どもたちです。

子どもが一時停止や左側通行といった自転車の交通マナーをどうしたら守りたくなるのか、子どもの目線で考えてもらいました。寄せられたアイデアは全部で38。いずれも常識にとらわれない自由な発想のもと、その手があったか!と思える仕掛けばかりでした。その一部をご紹介します。(1ミリ革命プロジェクト)

今回、「1ミリ革命」プロジェクトでは、自転車事故を減らすためのアイデアを募集しました。



【募集文】
NHKでは、“視聴者のお困りごとの解決のアイデアを探り、実験してみる”というコンセプトの「1ミリ革命」という番組を作っています。日本では毎年8万件を超える自転車事故が起きています。そこでNHKでは、みなさんと一緒に自転車事故を減らしたいと思っています。専門家いわくカギとなるのは、 「道路の左側を走ること」「スピードを出しすぎないこと」「交差点で必ず止まること」「車の運転者に気づいてもらうこと」の4つです。 どんなアイデアであれば、自転車事故が減らせるのか? 絵で自由に表現してください。皆さんの自由な発想を楽しみに、お待ちしています!!

1週間後、子どもたちから続々と投稿が寄せられました。4つのお題のうち、投稿があった3つのお題についてご紹介します。
お題① 自転車が走るべきは基本的には道路の左側。でも自転車を乗る人も、車を運転する人も、歩道を歩く人もあまり知らないです。どうしたらみんなにわかってもらえる?

大澤桃香さん
今ある道路の自転車レーンに、朝の通勤通学時間帯などにガードレールのような可動式の仕切りが出てくるようにし、自転車は基本的に車道を徹底する。自転車レーンは入口は広く、出口を狭く作る。出口が狭いため嫌でも交差点ではスピードを落とすことになるし、逆走は入口が狭いため入りにくくなる。



自転車利用者の多い時間帯にだけ仕切りが出てきて安全に走行ができる大澤桃香さんのアイデア。しかも出口を狭くすることでスピードの出し過ぎや逆走する自転車を防げるというのも新しい発想です。

板谷越 湊さん
自転車に乗る人に限るが、画像のような道路の左側を走行することを示すステッカーを自転車のハンドル部などに取り付け、目に入るようにする。



ハンドルの左側にステッカーを貼るだけで乗る人が常に左側通行を意識できるという、誰でも始めやすい板谷越湊さんのアイデア。さらに手書きの意見には、個人の努力も大切だけど、多くの人にとって安心できる法整備の必要性も書かれていました。

お題② 自転車を乗る人が、安全にゆっくり走るにはどうすればいい?

小荒井 奏樹さん
自転車に『ブザー付き速度計』(ある一定の速度が出るとブザーが鳴る)を付ければ、スピードをいつも気にしながら走れると思う。



小荒井奏樹さんの車やバイクについている速度計を自転車にも取りつけるアイデア。確かに自転車はどれくらいの速度で走っているか、わからずに乗っている人も少なくないかもしれません。スマートフォンのアプリで速度計を作れば気軽にたくさんの人が使えるかもしれません。

杉江 芽依さん
動物のしりとりになっている看板を左側走行の進行方向順につける。左側を走行すると左側に順にしりとりが続いていく。歩道や右側走行では、看板の絵が見られない。



しりとりを見るために自転車の速度が自然と下がるという杉江芽依さんのアイデア。スピードを落とせるだけでなく左側通行をする人が増えやすいよう設置の仕方にも工夫しています。

神谷海里さん
メロディーロードのように安全な速度で走ると音楽が聞こえるようにする。早く走るとガタガタするような道にする。



車道に設置されている速度超過をおさえる仕掛けを自転車にも応用する神谷海里さんのアイデア。メロディーロードにすれば音楽を聴きたくて自然と速度をおさえる人も増えそうです。場所ごとに色々な曲が聞ければ、話題のスポットにもなるかも?

お題③ 自転車を乗る人が、交差点で必ず止まるためにはどうすればいい?

高木 蓮仁さん
停止線の手前にセンサーを付け、車や自転車が近づいたら、標識に音と光で注意喚起して、停止線の上にのるとメロディーが流れて、聞き終わるまでバーが上がらない仕組みにすることで、楽しく必ず一時停止する仕組みにする。



センサーを使った音と光、さらに遮断器で確実に交差点で自転車を停める高木蓮仁さんのアイデア。電車の踏切にも似ていますが、ポイントはメロディーが流れて楽しく一時停止ができること。発明キッズたちのアイデアにはみんなが進んで安全運転に取り組めるような発想がたくさんあります。

ほんだえれさん
交差点に、お花や道路標識やストップしてる手などの「トリックアート」を描くと止まると思います。

衣斐 菜月さん
白線の内側に訴える顔をした動物のイラストを描く。

杉江 芽依さん
「止まれ」の標識にキャラクターがあることで、標識を意識させる。

柏田 奏子さん
停止線に目を描くと誰かに見られている感じがして、注意して止まると思う。



「現実的ではない」と最初から否定するのではなく、これらのアイデアのタネをどう実現に向けてみんなで育てていけるかが今後の課題解決のカギだと感じました。

その後、アイデアを送ってくれた子どもたちとオンラインワークショップを開催。 交通工学と行動経済学の専門家からのアドバイスを元に、実際の公道で実証実験を行いました。 その様子は9月23日(木・祝)19:30放送の1ミリ革命でお伝えします!

【放送のお知らせ】
「1ミリ革命 自転車事故をどう減らす?」2021年9月23日(木・祝)夜7:30[NHK総合]
番組HPはこちら☟
https://www.nhk.jp/p/ts/172ZQKG7JM/episode/te/26V992PV3V/
同時・見逃し配信はこちら☟
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2021092334823/?cid=gendaihk-06-210923

子どもたちのアイデアがみんなにとって暮らしやすい生活をつくるための一歩になるかもしれません。たくさんのアイデア、本当にありがとうございました!

今後も1ミリ革命プロジェクトでは自転車事故を減らすために大人や子どもを問わず、一緒に考えながら取り組みを進めていきたいと考えています。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年9月22日

笑いで社会を変えろ!「1ミリ革命大喜利」リポート

暮らしの困りごとを社会実験で解決する「1ミリ革命」プロジェクト「自転車事故をどう減らす?」という課題を1ミリでも解決するために、今回は芸人の皆さんに声をかけ、大喜利スタイルでアイデアを出してもらいました。
判定基準は、おもしろさよりも本当に事故を減らせるかということ。3時間にも及ぶ大喜利で出た「楽しみながらルールを守り、事故を減らすためのアイデア」の数々を収録現場の雰囲気そのままに、テキストでご紹介します。(1ミリ革命 ディレクター 髙田理恵子)

「人を楽しませるプロ」お笑い芸人がNHKスタジオに集結

集まったのは、賞レースでも大活躍の4組のお笑い芸人たちです。

マヂカルラブリー 野田クリスタルさんと村上さん
相席スタート 山﨑ケイさんと山添寛さん
おいでやす小田さん
GAG 福井俊太郎さん


抜群のお笑いセンスを生かして「どうしたら自転車事故を減らせるのか?」柔軟な発想でアイデアを出してもらいました。



大喜利の回答をジャッジするのは、
交通工学の専門家で中央大学 研究開発機構 准教授の稲垣具志さんと、
行動経済学の専門家、東北学院大学 経済学部 准教授の佐々木周作さん
あくまで「自転車事故を減らすための大喜利」であるので、判定基準は「おもしろさ」よりも「本当に事故が減らせるのか?」だけを冷静に判定してもらいました。
「芸人にとっては地獄だ」という声も・・・。


                      稲垣具志さんと佐々木周作さん 


最初のお題はこちら!

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

こちら、信号のない交差点での事故を減らすアイデアを考えるというものですが、鮮やかな回答をお願いします。


野田:どっからか、「あ、虹だ」っていう声が聞こえてきた。



ケイ:すてきー。
野田:絶対見るじゃん。
ケイ:すてき(笑)。
野田:こいでて「虹だ」。虹?ってなる。
村上:見ますか? 急いでるときとか。
ケイ:すごいすてき。
野田:なんかさ、スピーカーみたいの用意してさ。スピーカーを隠して。
野田&村上:「あ、虹だ」
小田:いいかもしれん。
村上:機械的な声になるかなと思うんですけどね。
村上:書いてますよ、審査員。何か書いてますよ。笑
野田:ありがたいなぁ。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

ケイ:モニターに嫌いな友達のSNSが映し出される。



野田:うわぁ、見ちゃうな。
村上:なるほどね。今どういうことやってんのっていう。
ケイ:そうです。好きな友達より、やっぱ嫌いな子のほうがつい見ちゃうんですよね。
村上:うわっ、カフェ行ってんじゃんみたいな。
ケイ:そうです。拡大してイライラを探しに行くっていう。
村上:ハハハハハッ。結構個人に寄り添った感じの対策ですねえ。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

山添:道路に立体カルガモ親子お引っ越しのマークが付いてる。




村上:いいじゃん。かわいいじゃん。
野田:かわいい。これみんな止まりますよね。
ケイ:止まる。
村上:立体?
山添:立体に、なんかこの、三角形が見えるみたいな印とかあるじゃないですか、道路に。
ケイ:トリックアート的な?
山添:トリックアート的な。立体カルガモ親子が見える。
村上:ちょっと離れたとこから見たら立体に見えてしまう。
山添:あーあー、お引っ越し中やって。
村上:なるほど。かわいいじゃないですか。
野田:止まると思うな。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

福井:祖父母の時代から辺りの小学校で「交差点」という授業がやってる。




一同:ハハハハッ
小田:どういう授業?

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

野田:うなじ辺りに水滴足らして、「雨?」ってなる。




一同:ハハハハハッ。
村上:それ、全員分用意できるんですかねえ。
野田:スポイトみたいのを垂らして。ポンって、ちょんと垂らして。
村上:まあまあ、でも、いいです。いいです。やれるかやれないかはあとあと判断でございます。
野田:止まっちゃう。
小田:虹とか雨とか自然現象多いな、なんか。文句じゃないですよ、文句じゃない。
村上:今までの回答、えー、専門家のお二人、いかがでしたでしょうか。
1つでも、いいな、脈がありそうだなっていうものがあればマルをお出しください。それではお願いします。
村上:マル2つ。(拍手)
小田:え、マジで?ええーっ。
野田:じゃあもう終わりじゃん。
村上:僕にはね、〇がなかったように思えたんですが・・・。ちょっと詳しく聞いてみましょうか。



佐々木先生の判定 ○
個人的に好きだったのは、福井さんの交差点の授業。教育で変えるというのはすごく長期的な話なので1番大事だし、たぶん最も力が入れられていることだと思う。しかし、今回は止まらないといけないってことがわかった上で、それでも守れない人をどうやって止めるかって話なのですみません。
アイデアとしては、野田さんが出された「虹だ」っていうのと、雨っていうのもおもしろいなと思いましたし、山添さんの立体カルガモも、錯視というか、見る場所によってこういうふうに見えるっていうのはすごくおもしろいなと思いました。大阪で、無断駐輪をどうやってなくすかという施策を考えたときに、花のイラストを無断駐輪がよくあるところに描いたのがあります。そういう見て楽しいものをうまく使うというのは、1つの方向性かと思いました。

稲垣先生の判定 ○
どこからか「虹だ!」って聞こえたっていうのは、道路をすごく大きく変えるようなことではないし。実際にそういうことやることによって、気を止めさせるといったようなやり方は、ありえるのかなと僕は思いました。

村上:というわけで、専門家様からのフィードバックを受けて、改めて皆さん大喜利に戻りましょう。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

ケイ:電気屋さんとかにあるやつみたいな、大型モニターに自分の姿が映るやつ。わかります?




ケイ:あれ?おっおっおっ、あれ?みたいな。
野田:竹下通りのやつでしょ?
ケイ:そうです。「あれ、あれ、あれ、オレオレオレ?」ってやつです。
村上:いったん停止をしない自分が映ってしまうっていうね。
ケイ:そのとおりです。
村上:ありがとうございます(笑)。恥ずかしい自分が映ってしまう。おっ、小田さんいきましょう。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」
小田:ガードレールのポールの上に足跡を置いて。こう、こうやって止まれるようにする。



一同:ハハハハハッ。
小田:これよくない?ほんまに。
村上:あるあるですね。僕、そうやって止まるときあります。
小田:そやろ?で、足跡置いといたら、そこに合わせて。
村上:「どうぞ」っていう。
野田:1回置いてみるもん。
村上:あるある。小学生とかそれで止まってますから。
小田:これ、ほんま止まんちゃう?これ。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」
福井:横断歩道の白いところに、居酒屋のおやじの小言みたいな感じで、「地に足つけろ」「1度立ち止まってもいい」みたいな、そういうメッセージを。



一同:ハハハハハッ!
野田:いいね。
村上:いいですね。これは止まるかもしれないな。すばらしいですねえ。ちゃんと止まらせるような言葉が書いてあるっていうのもいいですね。
小田:止まるな、確かに。読んでまうな。

「交差点で信号もないのに自転車がストップ。どうして?」

山添:ノンブレーキで止まったところでポイントが書いてある。




一同:ああー。
野田:・・・
村上:ウケてこそないけど。いいんです。これで(笑)
山添:意外と初めて出ましたよね。おもんなくてアイデア出たよっていうの。
村上:ノンブレーキはいちばん怒られるんじゃない?
山添:あー、そうか。

村上:さあ、専門家のお二人に聞いてみたいと思います。

佐々木先生の判定 ○
いちばん好きなのは「地に足つけろ」だったんですけれども。ケイさんの大型モニターの案は、立ち止まらない自分が客観化されて、それを恥ずかしく思うことで、他人の目を意識させるというのがすごくいいアイデアだなと思いました。小田さんのガードレールの足跡はですね、コロナ禍でも、例えばスーパーマーケットで距離を開けて並ぶために足跡マークとかあって。足跡のマークがある場合とない場合とだと、やっぱりあったほうがちゃんと等間隔で並ぶっていうのがあるんです。そのアイデアに近いなと思いました。(山添さんのノンブレーキポイントは)ちょっとよくわからなかったんですけれども・・・(笑)

稲垣先生の判定 ○
福井さんのおっしゃった横断歩道におやじの小言を書くといった話がありました。横断歩道に字を書くのは現実的には難しいと思うんですけど、そこで止まることによって得られるその人の利益がありますよね。おやじの小言、きょうはなんだろうみたいな感じで止まりたくなる。別に横断歩道じゃなくても、止まったときに見える範囲内にそういったようなものを仕掛けることに関しては、僕は全然丸じゃないかなと思いました。横断歩道に書くのは、たぶん警察が許してくれませんけれども。ちょっと山添さんのノンブレーキのポイントっていうのは僕もわからない・・・(笑)

他にも爆笑アイデアが次々と・・・
自転車の左側通行を促す仕掛けについても実演を交え、大喜利で挑戦しました。

「なぜかみんなが道路の左側を走っている。どうして?」


「なぜかみんなが道路の左側を走っている。どうして?」


「なぜかみんなが道路の左側を走っている。どうして?」


課題解決に欠かせない「楽しむ」ということ

「社会問題」や「社会課題解決」というと、難しい顔をして、難しい話をするとか、とっつきにくいというイメージが強いですが、ここはそんなイメージとは無縁。終始笑い声が絶えない現場となりました。

お笑い芸人さんたちの回答は、笑いはもちろんのこと「なるほど」と膝を打つ回答も。ふだんの取材では見つからない解決のヒントがたくさん見つかりました。楽しみながら社会の課題に向き合い、誰の意見も否定せず笑い飛ばすお笑い芸人さんたちの姿に、新しい課題解決の在り方が見えた気がします。(自分の職場の企画会議もこんなふうだったらいいのになぁ・・・と思ったのは、ここだけの話です)

番組では、この大喜利の中から生まれたアイデアを専門家やアーティストたちと一緒に、実際の街や公園で実験!一体、どのアイデアが選ばれたのでしょうか?お楽しみに~!



芸人たちのアイデアで実現した実験の様子は9月23日(木・祝)19:30放送の1ミリ革命でお伝えします!

【放送のお知らせ】
「1ミリ革命 自転車事故をどう減らす?」2021年9月23日(木・祝)夜7:30[NHK総合]
番組HPはこちら☟
https://www.nhk.jp/p/ts/172ZQKG7JM/episode/te/26V992PV3V/
同時・見逃し配信はこちら☟
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2021092334823/?cid=gendaihk-06-210923

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年8月25日

子どもを乗せた電動アシスト自転車 転倒をどう防ぐ?

買い物や子どもの送迎に便利な電動アシスト自転車
ところが、「1ミリ革命」プロジェクト「自転車事故」をテーマにご意見を募集したところ、電動アシスト自転車について「転倒しそうで怖い」「転倒して子どもにケガをさせてしまったことがある」「周りから見ると電動自転車が怖い」といった声が集まりました。 転倒事故を防ぎ、子どもをケガから守るにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

(1ミリ革命 ディレクター 岡田 歩)


【放送のお知らせ】
「1ミリ革命 自転車事故をどう減らす?」2021年9月23日(木・祝)夜7:30[NHK総合]
番組HPはこちら☟
https://www.nhk.jp/p/ts/172ZQKG7JM/episode/te/26V992PV3V/
同時・見逃し配信はこちら☟
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「多く寄せられた電動アシスト自転車の悩み」


35歳 女性
「歩道が狭く、通学時間帯などは歩道を通れない。車道も狭く、子ども2人を乗せて車の横を通る時とても怖い。いつか車に3人一緒に轢(ひ)かれるのでは?と思う」

「大きな幹線道路は車道を怖くて走れない。歩道は電柱が邪魔して電動自転車には狭くて危険。子どもを乗せて安全に走れない。法律通りに車道を走ると怖い」

今回、「自転車事故を減らすには」というテーマでご意見を募集したところ、幼児用座席をつけた電動アシスト搭載の自転車を利用する人からの投稿が、27件寄せられました。

その多くが、「『自転車は原則車道』『歩道を通行する場合は徐行で』というルールは知っているけれど、子どもを乗せていると守りたくても難しい」という深刻な悩みでした。

私(ディレクター)も子どもの保育園の送り迎えや通勤で、毎日電動アシスト自転車を使っています。2人の子どもを前と後ろに乗せ、荷物を抱えての走行は、バランスを保つのも難しく、気を抜いた隙に転倒してしまった経験もあります。

特に雨の日はレインコートを着るため視界が狭くなり、商店街の坂を下るときに滑るのではないか、後方の車と接触するのではないかと不安がつきまといます。

今回の取材で自転車マナーやルールを学んだものの、道路状況によってはルールに従うほうが危ないのでは?と思うこともしばしばです。

「子どもを乗せて車道を走るのが怖い」

(提供 世田谷区)

電動アシスト自転車を含めて、今回の投稿で最も多かった悩みは、車道での走行が怖いという声です。

31歳 女性
「車道を走ることが原則であるにも関わらず、狭い車道を走っていると、車の方からクラクションを鳴らされる。車道の端を自転車で走っていたら、ギリギリで追い越してきたタクシーが急に停車してぶつかりそうになった」

京都市 40歳 女性
「京都市在住だが、車道も狭いし、歩道だと人に当たりそうで、子どもを乗せて保育園送迎がつらい。いつも、車にあたりそうでひやひやする」

車道の中でも、青い「矢羽根」(自動車だけでなく自転車やバイクも走ることができることを示すマーク)が表示されていたり「自転車専用道路」があったりと、走りやすい道もあれば、車列にまではみ出して走らざるを得ない道もあります。

では、どういう時に歩道を通行してもよいのでしょうか。交通工学の専門家で、中央大学 研究開発機構 准教授の稲垣具志さんに聞きました。


(中央大学 稲垣具志 准教授)

中央大学 稲垣具志 准教授
「自転車は原則、車道の左端を走るのがルールですが、自転車通行可の標識がある歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行して通ることができます。車道にバスやトラックなどの大型車が行き交っている、路上駐車の車が連なっているなどの場合は、無理せず歩道を選びましょう」

歩道での徐行が難しければ押し歩きを、歩道を通る際は「徐行」が基本です。
しかし、電動アシスト自転車の場合、逆に徐行が怖いという声も寄せられました。

神奈川県・38歳女性
「子どもを乗せながら車道を走るのはよろけた時などを考えると怖い。危ないために歩道を進むことがありますが、子ども2人乗せの電動自転車は非常に重たく、減速や徐行するとかえって不安定で危険なことがあります」

一般的な歩道での徐行の定義は、時速6~8キロと言われています。狭くて歩行者の多い歩道であれば、時速4キロ以下が望ましいです。しかし電動アシストの場合、一定のスピードを出さないと、かえって重みでハンドルを取られ転倒してしまう危険があります。

そこで稲垣准教授は状況に応じて自転車から降りて、「押し歩き」をすることを薦めています。

中央大学 稲垣具志 准教授
「人がたくさんいる場所では無理に徐行運転をするとバランスを崩し転倒につながるので、押し歩きをしましょう」

とはいえ、子どもを乗せた電動自転車を押して歩くのも至難の業です。NHKにはこんな切実な声も届いています。

「後ろに3才の子どもを乗せて、0歳の子どもを抱っこ紐で前抱っこにして自転車に乗っています。保育園に行く時は荷物も多く、子どもの保育園の荷物2人分をカゴに乗せて、私の荷物はリュックに入れて背負っています。橋を渡るのですが、自転車専用レーンはありませんので、歩道を走っています。そんなある日、警察官に自転車から降りて押してくださいと言われ、押しましたが、自転車の重さと自身の重さで転倒しそうになりました。転倒すると子ども2人がとても危ないです。私に力がないのもありますが、なぜ自転車専用のレーンを作らないのでしょうか。自転車利用者が多いところなのに」

転倒をしない押し歩きの方法はあるのか。稲垣准教授に聞きました。

中央大学 稲垣具志 准教授
「押し歩きの際の注意点としては、ハンドルをしっかりと両手で持ち、車体を少し自分の方に傾け、サドルを自分の腰に押し当てるように3点で支えることです。車体が重いので、向こう側に倒れ始めたら、自力では立て直せず転倒につながるということを理解しましょう」


(提供:世田谷区 イラスト:まちとこ)

こぎ出し・走行中・停止中・・・常に潜む転倒リスク

電動アシスト自転車に子どもを乗せる保護者から1番多く寄せられた声は、転倒の怖さです。

一般的な電動アシストの本体はおよそ30キロ。前方のチャイルドシートに10キロの子ども、後方のチャイルドシートに15キロの子どもを乗せ、自分も乗ると総重量は100キロを超えます

これは通常の自転車の2倍。バランスをとるのが難しく、こぎ出しの時にふらついたり、走行中、段差にハンドルを取られたりと、転倒の危険があらゆる状況で潜んでいます。

ここからは、「こぎ出し時」「走行中」「停車時」それぞれの場面で注意点を考えていきます。

1.こぎ出し時のポイント:平坦な道で、ハンドルは水平に

電動アシスト自転車は、発進時に思い切り踏み込むと予想以上のスピードが出て、転倒することがあります。

東京都町田市に暮らすM.O.さんは、毎日利用する公園でも、焦ってこぎ出したことで、転倒。当時5歳の娘がケガをしてしまった体験を寄せてくれました。

M.O.さん
「幼稚園の帰り道、娘のお友達と公園で遊んで夕方、家に帰るところでした。後ろのチャイルドシートに娘を急いで乗せて、こぎ出したところ段差にハンドルが持っていかれて、勢いよく倒れてしまいました」

娘さんはヘルメットをしていましたが、倒れた際に、おでこを花壇にぶつけました。

M.O.さん
「慌てて自転車を起こして、娘をみると目をつむっていました。ヘルメットを外したら顔の半分を覆うぐらいの出血でびっくりしました。その時は段差に意識はいっていなかったです。いつもは押して歩いていた段差を、その日は仕事帰りで疲れていたこともあり、つい焦って自転車に乗ってしまったんです」

すぐに救急車で運ばれ、5針を縫う手術となりました。頭蓋骨を骨折してしまったため、その後1ヶ月は幼稚園を休み、療養しました。

M.O.さん
「娘には申し訳ないの一言です。二度とママの自転車に乗りたくないだろうと思って『怖かったね。ごめんね』と何度も謝りました。ヘルメットをしていても100%安全ではないこともすごく感じましたし、こぎ出しの時のスピードをコントロールできず、怖かったですね」

それでも日々の通勤や幼稚園の送り迎えで電動自転車は手放せない生活だったM.O.さん。その公園には自転車で乗り入れず、押し歩きをしたり、こぎ出しの時にハンドルをまっすぐ持つこと、そして何よりも焦って自転車をこぎ出さないことを意識するようになったといいます。

稲垣准教授は、発進時は特に加速するのでハンドルが取られがちだと指摘します。気をつけた方がよい、3つのポイントを伺いました。

① 電源をONにする時はペダルに足を乗せない
② 発進時には思いきり踏み込まない
③ あらかじめサドルは両足のかかとがつく高さに調整しておく

特に注意が必要なのは、M.O.さんのような段差での転倒事故。親子ともに大けがするリスクがあります。

中央大学 稲垣具志 准教授
「特に段差はハンドルを取られてバランスを崩しやすくなっています。段差に浅い角度で進入しないことが大切です。縁石に乗り上げるときなど、段差がある場所ではスピードを落とし、段差に対してできるだけ直角にタイヤを当てて、正面から乗り越える、余裕があるならば押し歩きするようにしましょう」


2.走行中のポイント:曲がるときは大回りで



走行中の転倒で多いのは、無理な右左折やUターン時です。電動アシスト自転車の特徴を理解することが大切です。

中央大学 稲垣具志 准教授
「電動アシストの自転車は通常の自転車よりも長めのスパンで作られているため、小回りがききにくいのです。自転車の重さから一度バランスを崩すと持ち直せず子どもを乗せたまま道路に投げ飛ばされていまいます。曲がりたい時やUターンをしたいときは道幅の広いところで大回りをするか、迂回して戻るようにしましょう」

雨の日は視界も悪くなり、マンホールや点字ブロック、坂道や石畳などでスリップすることも増えます。鉄板やタイルなど滑りやすいものの上を避けるなどすることでも転倒を防げます。

3.停止時のポイント:子どもは最後に乗せて最初に降ろす

転倒事故は、走行時だけでなく停車時にも起きています。

まずは、サドルの高さはやや低めにし、両足が地面につくよう調整することで自転車そのものを安定させましょう。そして、信号などで停止するときには、常に両足をしっかりと地面につけて自転車を支えることで停止時の転倒を予防できます。

駐輪時は平らで安全な場所に停め、子どもを乗せるのは親の乗車直前に、降ろすのは親の降車直後に行い、子どもが乗っている時間を極力短くしましょう。

特に買い物や保育園の送迎で荷物が多い時は、つい荷物を優先させたくなりますが、まず子どもを降ろしてから荷物を降ろすことを意識しましょう。

子どもが自分で乗降したがることもありますが、乗せ降ろしは必ず大人が手伝いましょう。


(提供:世田谷区 イラスト:まちとこ)

停止時も急ブレーキではなく、早めのブレーキが転倒を予防することにつながります。

中央大学 稲垣具志 准教授
「自転車は重たくなればなるほど、ブレーキを踏んでから止まるまでの距離が伸びるので、急には止まれません。大人1人が乗っている自転車に比べてブレーキを踏んでから止まるまでは時間がかかるので、通常の自転車より早めのブレーキを意識しましょう」

周囲の迷惑にも・・・「歩行者のすり抜け」

最後に商店街や抜け道など、歩行者を縫うように走る、“蛇行運転”への注意点です。
この時に後ろのチャイルドシートの雨避けカバーがどうなっているか考えたことありますか?実は、大きく左右にしなり、気づかぬうちに周りの歩行者にあたっていることがあるといいます。

中央大学 稲垣具志 准教授
「蛇行すると、自転車は自分が思っている以上に傾いています。特にプラスチックの雨カバーは自転車の軸よりもぶれ、これは子どもが乗っていなくて軽いときほど顕著になります。つまり、自転車をこいでいる本人は歩行者を避けているつもりでも、後ろのチャイルドシートの一部が歩行者にあたっている可能性があるのです。人通りが多い場所での蛇行運転は控えましょう」

「30秒待てない?」自分自身にきいてみよう


子どもを乗せた自転車に乗っている人は、とにかく急いでいる方が多いと思います。「保育園のお迎え時間に間に合わせないと」「電車に乗り遅れないように」「早く夕飯を作らなければ」・・・

だからこそ、ルールはわかっているけれども、ついつい一時停止を忘れて車とぶつかりそうになったり、歩行者を縫うように蛇行してしまったり、ぐずって暴れる子どもを急いで自転車に乗せて転倒なんてことも。

稲垣准教授の話を通して私が感じたのは、一つ一つのリスクを知ることが安全運転への一歩だということ。「ちょっとだけなら大丈夫」「これまで危ないことはなかったから」の先に大きな事故につながること、そして自分だけでなく子どもも巻き込んでしまう可能性があることを想像することが大切なのではないでしょうか。

特に子どもを乗せた電動アシストの総重量は100キロ。これをわかって運転するだけで、慎重に運転しようという気持ちになりました。

焦って出会い頭の事故にあったり、転倒して子どもにケガを負わせてしまったりしたら、残るのは後悔と自責の念です。焦っている時こそ深呼吸。「あと30秒本当に待てない?」と自分自身に問うようにしたいです。状況に応じて押し歩きをしたり、子どもの機嫌が直ってから自転車に乗せたり、もしくはいつもより5分早く行動することも意識することで、日々のヒヤヒヤは防げるかもしれないと思いました。

ドライバーや歩行者の方からは「電動アシスト自転車との接触が怖い」といった声も寄せられています。今後、ドライバー・歩行者の視点からの記事も掲載を予定しています。ご意見・ご感想をお待ちしております。
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【放送のお知らせ】
「1ミリ革命 自転車事故をどう減らす?」2021年9月23日(木・祝)夜7:30[NHK総合]
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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年8月25日

300件を超える自転車“ヒヤッと体験”

「NHKを使って世の中 1ミリ変えてみる」がコンセプトの「1ミリ革命」プロジェクト
「自転車事故」をテーマに自転車にまつわる困りごとやヒヤッとした体験談を募集したところ、これまでに300を超える投稿をいただき、多くの人が自転車走行で危険な思いをしていることがわかってきました。今回は集まった声の一部をご紹介します。

(1ミリ革命 取材班)


子どもに勢いよく追突 実際に事故も

北海道・40代女性
「子どもが小学生のとき、大学生くらいの男性が速いスピードで歩道を前からきて危ない、と思ったら勢いよく追突した」
  
40代男性
「高齢の母が家の前の歩道で自転車にぶつかり怪我をした。加害者は謝罪するどころか『ベルを鳴らしたのになぜよけないのか!』と怒鳴ってきた。母は耳がほぼ聞こえない。自動車と違いナンバープレートがないので加害者の特定も難しい」

神奈川県・60代男性
「以前、歩道を歩いていたら、後ろから走ってきた自転車のハンドルが自分の腕にぶつかり、大変痛い思いをしました。運転者は謝りもせず逃げて行きました」


歩道を走る危険な自転車



神奈川県・30代女性
「歩行者や車のいる道で、すれ違う際に全くスピードを緩めずに我先にと通ろうとする場面にヒヤッとします」

福岡県・30代男性
「ルールを守らないことが常態化している。車両であるという認識がほとんどないため、歩道を勢いよく走ったり、車道を逆走してきたりする」

埼玉県
「イヤホンを入れて周りの音が一切聞こえていない状態で、交差点を停止なし、猛スピードで曲がってくる。曲がった道には子どもや障がい者が歩いているのにお構いなし。子どもを二人以上乗せているうえに買い物の荷物をたくさん抱えて走行しているので周りが一切見えていない状態で歩道を走行してくる人もいる。歩道を飛ばしてきて後ろからベルを鳴らす。老人や障がい者はすぐ反応してよけられない」

神奈川県・50代男性
「スマホを操作しながら運転する自転車にぶつけられそうになった。電話しながら運転、夜間無灯火、並列走行、信号無視、一方通行無視、人ごみの中をすり抜け高速走行、など『ルール無視走行』が目立つ。全年代を問わず『交通教育』の必要性を感じる」

30代女性
「傘差し運転は禁止になったはずなのに差している人を見かける。女性だけではなく日傘を差すおじさんも見た。風のある日に乗りながら傘を畳もうとした女性がフラついてこっちに突進しそうになって怖かった」

東京都
「そもそも自転車に乗っている人たちが、道路交通法を知らないと思う。どこを通行するべきか、通行しちゃいけないのか、一時停止するところ、歩行者優先であることなど、基本的なことが守られていないのを、毎日のように見る」


でも車道も狭いしどこを走れば…


京都府・40代女性
「子どもを乗せて保育園送迎がつらい。歩道だと人に当たりそうで、でも車道も狭いし、いつも車にあたりそうでひやひやする」

東京都・60代男性
「歩道を走ると歩行者に迷惑、車道では車に邪魔者扱いをうける。一体自転車はどこを走ればいいのだろう」

50代 女性
「自転車には乗るし、車にも乗るのでお互いの気持ちはわかりますが、やはり道幅が充分に確保されていない道での自転車と車の併走が怖いです。いつ事故が起こってもおかしくないですし、路肩の段差があって、自転車に乗っていて、その段差で横にすべったことがあるので、その時に車が来ていたらと思うと怖かったです」

幅寄せ…車側のマナーの悪さも

埼玉県・30代女性
「わざと幅寄せしてくる車がいる。車の迷惑にならないよう、車道の白線の内側を走るようにしているが、それでも幅寄せしてくる。バランスが取れなくなって転びそうになったことが何度もある。大型トラックや大型バスにもよくやられるが、風圧で道路に引っ張られるので本当に怖い」

神奈川県・40代男性
「自転車を抜いてすぐさまコンビニやガソリンスタンドに入るために左折する車が多く、危うく衝突しそうになることが何度もあります」

東京都・40代男性
「都心在住ですが、自転車専用通行帯に路駐が多すぎて全然使い物にならない。新宿通りや青山通りはひどい有様」

ルールをどう徹底すれば?

40代女性
「私は子どもに自転車を乗るときにはヘルメットを被ってほしいのですが、嫌がって被ってくれません。小学校高学年くらいから友達が被っていないから一人だけ被るのはイヤだ、と言われてしまいます。また高校生の娘も8キロほどの通学ですが、朝は特に交通量も多いため、ヘルメットを着用してほしいのですが『誰もそんな子はいない』と拒否されてしまいます」

30代女性
「危険運転が多すぎますし、車両であるという意識がない方が多いように思います。お子さんにヘルメットを与えていないのは論外ですが、子どもと一緒に乗っている家族の方にも、ヘルメットをつけて命を守る姿勢を示してほしいな、と思います。海外では自転車もヘルメットが義務の国もあると聞いたことがあります。日本もヘルメット着用が義務化されれば、安全意識が高まるように思います」

自転車にまつわる、あなたのヒヤリハット/お悩みを教えてください

「1ミリ革命」では、いただいた投稿をもとに、こうした危ない状況をどうしたら少しでも良くできるのか、具体的な対策もお伝えしていきます。

次回は、接触事故や転倒をどのように防げるかお伝えします。

幼児用座席を搭載した電動アシスト自転車の安全な乗り方とは
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0027/topic004.html

自転車事故をテーマにした番組「1ミリ革命」は、9月23日(木・祝)19:30~ NHK総合で放送予定です。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年7月29日

車道と歩道 どこを走る?自転車事故を減らすために

「NHKを使って世の中 1ミリ変えてみる」がコンセプトの「1ミリ革命」プロジェクト。第1回のテーマは「自転車で安全に走れるにはどうすればいいの?」です。自転車事故を減らすために、具体的な解決策を考えていきます。

(1ミリ革命 取材班)

1件でも自転車事故を減らしたい
取材のきっかけは、NHK北海道の夕方のニュースの課題解決コーナー「シラベルカ」に寄せられた1通の投稿でした。

札幌市・40代女性
「自転車は車道の左側を走るものと決められていますが、実際は路上駐車している車が多く、安全に走れる状態ではありません。どうすればいいでしょうか?」



コロナ禍で利用者が増えている自転車。全国のNHKには自転車が車道を走行する上での悩みや、交通ルールの疑問が寄せられていました。手軽な乗り物である一方、ルールに関して迷いながら自転車に乗っている方が多いようです。

全国の自転車事故は67,673件、交通事故全体の中で自転車が関与しているのは21.9%。自転車乗用中の死者数は419人にのぼっています。(警察庁交通局調べ・2020年)

今回、NHK北海道の「シラベルカ」とNHK福岡の「追跡!バリサーチ」が、「どうすれば自転車が安全に走れるか」をテーマに、交通ルールや走行方法を調べました。

路上駐車をしている車が多くて、車道を自転車で安全に走れない!
「自転車で車道を安全に走るのは難しい」と投稿を送ってくれたのは札幌市内のカラスの生態を研究するNPOで働く中村さん。毎日カラスの研究のため市内を自転車でまわっているといいます。車道を走行中、路肩に駐停車している車を追い越そうとして、至近距離に迫ってきた車に身の危険を感じることがよくあるといいます。


(投稿者 中村眞樹子さん)

中村さんが特に怖い思いをするというのが、行政の建物や商業施設が建ち並ぶ地域。私たちが調べた時も、車道上に駐停車している車を多くみかけました。駐車禁止の場所で駐車している車や、長時間にわたって停車している車が多く、自転車が車道を走行するのは難しいように思えます。



中村眞樹子さん
「中心部はいつも路肩に車が止まっていて、安心して走れる場所がありません。たまに車にあおられたり、クラクションを鳴らされたりすると、怖くなって歩道を走ってしまいます。歩行者に怖い思いをさせたいわけでないけど、自転車はどこにいけばいいんでしょうか」

歩道を走行する自転車は歩行者にとって大迷惑!?
中村さんのように「車道で怖い思いをするならば、やむを得ず歩道を走ろう」という方も多いのではないでしょうか。

NHK福岡には、歩道を走る自転車のマナーに悩む、歩行者からの声が届いていました。

ペンネーム求人48号さん 40代
「福岡は自転車のマナーが悪すぎる。歩道を横一列。猛スピードで走る。車道を逆走など、軽車両という意識が欠落していると言わざるを得ない」

NHK福岡「追跡!バリサーチ」が街で聞き込み調査をしてみると・・・



「あります。歩道を歩いていても スレスレで来るときあるじゃないですか、シャッて来たとき」

「歩行者の間を通って、通り抜けていきます」

「信号無視、それから歩道を通っていても、ほとんどゆっくり行く方おられんですもんね」

「ぶつけられたこともありますね」

実は福岡県は自転車の事故発生率が全国3位。福岡県警察本部・交通企画課の井上さんに、県内の現状を聞きました。


(福岡県警察本部 交通企画課 井上秀晴課長補佐)

福岡県警察本部 井上秀晴課長補佐
「実はここ10年、自転車事故の総数は減少していますが、歩行者との事故は年間100件ほどと横ばいになっています」





福岡県警察本部 井上秀晴課長補佐
「自転車側の脇見運転によって歩行者と衝突する事故が発生したり、また歩行者の間をすり抜けようとして衝突をしてしまったりする事故があります。自転車側が、そもそも歩道をバンバン走っているのが、自転車は自動車と同じ『車両』なんだという意識の低さだと思うんですね」



福岡県で歩行者との事故が減らないのはなぜか?福岡特有の都市整備の状況があると、福岡の交通計画を長年研究してきた福岡大学の辰巳浩教授はいいます。


(福岡大学 辰巳浩教授)

福岡大学 辰巳浩教授
「車道に自転車が走るスペースが十分にあればいいんですけれども、なかなかそれが福岡の場合はなくてですね。走るには少し危険を感じるということで、歩道を走ってしまう自転車が多いというのがその理由かなと思います。自転車の走行空間を捻出するというのはなかなか難しい状況にあります」

行き場のない自転車 どこを走ればいいの?
車道はスペースが狭く安全に走行できない、一方で歩道を走るとついスピードを出しすぎてしまい衝突事故など危険と隣り合わせ。

専門家によると、自転車事故の6割が交差点で起こっていて、そのうち8割以上が自動車との事故だといいます。(2019年)

道路交通法上、「軽車両」扱いとなっている自転車。原則として車道の左側を走らなければいけません。しかし、身の危険を感じてまで、車道を走行し続けなくてはいけないのでしょうか?

NHK北海道「シラベルカ」が北海道警察に問い合わせたところ、「自転車が歩道を走っても許される場合」が3つだけありました。 

1. 歩道に普通自転車歩道通行可の標識や標示があるとき。
2. 13歳未満の子供や70歳以上の高齢者や身体の不自由な人が、普通自転車を運転しているとき。
3. 道路工事や連続した駐車車両などのために車道の左側部分を通行することが困難な場所を通行する場合や、著しく自動車などの交通量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車などとの接触事故の危険がある場合など、普通自転車の通行の安全を確保するためやむを得ないと認められるとき。

ただし、あくまでも歩道は歩行者が優先。自転車は歩道の車道寄りの部分を、いつでもすぐ停止できる速度で走行しなくてはならない。

また福岡県警察本部では現在、少しでも事故を減らすために、一方通行の逆走や片手運転など、取り締まりを強化しているといいます。

自転車にまつわる、あなたのヒヤリハット/お悩みを教えてください
「1ミリ革命」では、「安全に自転車が利用できるアイデア」について、みなさまと一緒に考えていきます。

自転車と一口に言っても、子どもを乗せて走る電動ママチャリ・通勤で使うスポーツタイプ・通学で使うかごつき自転車・子ども用自転車までさまざま・・・どんな状況で危険を感じているか、「ルールはわかっていても、こういう場合は難しい」など悩みや疑問をお寄せください。

今後、「1ミリ革命」では集まったお悩み投稿も記事にしてご報告します。その後、解決のアイデアも募集。具体的な解決策を読者の皆様と探っていきたいと思います。

投稿はこちら⇒https://post.nhk.or.jp/pxfnpg5mhz/bicycle_citizens_voice/image/registrations/input

自転車事故をテーマにした番組「1ミリ革命」は、9月23日(木・祝)19:30~ NHK総合で放送予定です。

投稿をお待ちしています!

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年7月29日

「1ミリ革命」という新プロジェクトを始めました

はじまりは、ひとりひとりの小さな疑問から
私たちNHKはどうしたらもっとみなさまの役に立つことができるだろうか・・・? 
社会の課題を伝えるだけで本当に世の中は良くなっているのだろうか・・・?

そんな議論を重ねた有志たちで立ち上げたのが「1ミリ革命」という新プロジェクトです。

少しでも世の中が良くなるために、みなさまと対話をして、一緒に手を動かしたい。
一つ一つの成果は小さくても、仲間が集まれば大きなムーブメントになるかもしれない・・・

「1ミリ革命」というタイトルには、“はじまりは、小さな疑問から。仲間を集めてムーブメントに”という思いが込められています。

プロジェクトのロゴにも「世の中をブロックを積み上げるように、1ミリずつ(少しずつ)暮らしやすくしていきたい」という思いを表現しました。

このページでは地域の課題解決のアイデアをみなさまから募集。
「釣った魚をさばいたら小さなプラ片が出てきた・・・」
「歩道を爆走する自転車どうにかならないの?」
「近所の公園はどこもボール遊び禁止。子どもの遊ぶ場所がない」
など日々の暮らしの中でのモヤモヤや困りごとをテーマにします。みなさまから届いた解決のアイデアを専門家がブラッシュアップ。アイデアの原石を育てながら、課題解決を目指します。一朝一夕にはいかない大きな課題でも、1ミリずつ進んだり、新たな課題にぶつかったりする・・・。その様子をこちらのページで随時報告していきます。

また、全国47都道府県にあるNHKの地域放送局では、ニュース番組やWEBコンテンツで、みなさまのお悩みや困りごとをきっかけに、解決策を探るコーナーが次々と立ち上がっています。ぜひ、地元のNHK放送局のHPもご活用ください。



NHK札幌 シラベルカ⇒https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n985d28ceb3c1
NHK福岡 追跡!バリサーチ⇒https://www.nhk.or.jp/fukuoka/baresearch/index.html
NHK静岡 たっぷりリサーチ⇒https://www.nhk.or.jp/shizuoka/program/tappuri/tappuri_research.html
NHK京都 はてなリサーチ⇒https://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/hankei/
NHK津  まるみえニュースポスト⇒https://post.nhk.or.jp/pxql45gjjz/tsu_bosyu/image/registrations/input


実は、福岡県にお住まいの方が寄せてくれた課題を調べてみると、同じ悩みを静岡県にお住まいの方も抱えていたりなんてことも・・・。全国の方々の声を繋げることで、みんなで解決の糸口を探っていきたいと思います。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。