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東日本大震災から10年 親を亡くした子どもの学習支援団体・相談窓口

東日本大震災の発災から、まもなく10年半がたとうとしています。震災で親を亡くした子どもたちのため、自治体や民間団体などはさまざまな形での支援をこれまで行ってきました。ところが、子どもたちに話を聞くと、「支援や相談の窓口のことを知らなかった」という声を今も耳にします。
「学びたいけれど進学費用に不安がある」「誰にも相談することができない」――そんな悩みに応えてくれる支援の窓口や団体をまとめました。 自分だけでなく、周りにもしそういう方がいたら、ぜひご紹介ください。

(盛岡放送局 記者 市毛裕史)

※2021年8月現在の情報です。

詳しい給付額、申請条件や方法、期間などは各自治体・団体のウェブサイトをご参照下さい。
各支援・相談窓口のウェブサイトへアクセスする際、NHKサイトを離れます。

自治体による支援

▼岩手県・宮城県・福島県では、対象となる子どもに生活や修学のための「月額金」や、学校に入学・卒業したタイミングでの「一時金」の給付をしています。

▼対象となるのは、東日本大震災で保護者を亡くした、あるいは保護者が行方不明になっている児童・生徒など。亡くなられた保護者が、震災時にそれぞれの自治体に住所を有していたことなども条件です。

※詳しくは各自治体のウェブサイトをご覧下さい。

民間団体による支援

一般財団法人 あしなが育英会 https://www.ashinaga.org/

対象:
親が病気や災害(道路上の交通事故をのぞく)、または自死(自殺)などで死亡、あるいは親が著しい障がいを負っている家庭の子ども

内容:
▼奨学金は貸与+給付の一体型で、貸与部分は20年以内に無利子返済です。入学一時金の制度もあります
▼奨学金事業以外にも、心のケア事業などを実施。東日本大震災後には、宮城県仙台市、石巻市、岩手県陸前高田市に子どもたちの安心安全な居場所となる「レインボーハウス」を開設。子どもや保護者が参加できるプログラムも

公益財団法人 みちのく未来基金
http://michinoku-mirai.org/


対象:
▼東日本大震災において被災し両親またはいずれかの親を亡くした子ども
▼高等学校もしくは高等学校に準ずる学校に在学するか、高等学校卒業程度認定試験に合格し、大学及び短期大学、各種専修学校への進学もしくは編入を希望する者

内容:
▼大学や専門学校などへの進学に伴う入学金及び授業料等の給付
▼奨学金を受けた子どもたちどうしの交流の場などを用意

公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン
https://cfc.or.jp/activity/east/


対象:
東日本大震災で被災した小学生から高校生(全国に避難している児童生徒も含む)
※所得制限あり

内容:
塾や習い事、体験活動などに使えるスタディクーポンを提供
(※新年度の募集は毎年2月以降でホームページで公開予定です)

公益財団法人 毎日新聞東京社会事業団「毎日希望奨学金」
https://www.mainichi.co.jp/shakaijigyo/kibo.html


対象:
震災で⽗⺟らが死亡・⾏⽅不明になった⾼校⽣、⾼専⽣、短⼤⽣、⼤学⽣、専修学校⽣、⼤学院⽣など。新1年⽣を中⼼に50⼈程度を毎年募集

内容:
⽉額2万円を、正規の最短卒業年度まで⽀給。返還の必要がない給付⽅式
(※新年度については毎年3月ごろに募集を開始する予定。新聞の社告やホームページなど参照してください)

社会福祉法人 朝日新聞厚生文化事業団「東日本大震災こども応援金」
http://www.asahi-welfare.or.jp/news/backnumber/kodomo_ouen_kin.html


対象:
▼東日本大震災で両親が亡くなったか行方不明状態の、震災時点で満18歳以下の子ども
▼地震発生時に1人親家庭で暮らしていて、その親が東日本大震災で亡くなったか行方不明状態の、震災時点で満18歳以下の子ども
(※原則として震災前に一方の親を亡くしていて、震災でもう一方の親が亡くなったか、行方不明状態の子ども)

内容:
次の金額を子ども一人につき一度、贈ります。返済は不要です
(未就学児)300万円 (小学生)300万円  (中学生)200万円 (高校生)150万円〔※中学校卒業~満18歳〕

社会福祉法人 中央共同募金会「東日本大震災震災遺児修学資金」
https://www.akaihane.or.jp/


対象:
東日本大震災により死亡、又は行方不明の両親、父、母、または親以外の方に養育されていた震災遺児で、小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校、大学(短期大学を含む)に在学中の人

内容:
▼年額28万2千円を給付
▼中学校入学時に入学祝金各10万円・高校卒業時に高等学校卒業祝金10万円

公益財団法人 交通遺児育英会
(東日本大震災被災者子女の交通遺児としての採用)
https://www.kotsuiji.com/


対象:
保護者等が交通事故により死亡又は著しい後遺障害を負い教育費に困っている家庭の、高等学校以上の生徒・学生
(※保護者が車両に乗って出かけ震災の影響で死亡・行方不明となった場合などを含む)

内容:
高校生2~4万円、大学生4~6万円ほかを貸与

公益財団法人 東日本大震災復興支援財団 高校生対象給付型奨学金「まなべる基金」
http://minnade-ganbaro.jp/manaberukikin/


応募資格:
1. 平成14年4月以降に生まれ、令和4年4月1日時点で高校等、またはその他学校に在籍していることが見込まれる生徒
2. 被災3県に居住していた生徒で、かつ、その生徒の家庭で主に家計を支える方も被災3県に居住
3. 被災3県で被災したことを、応募者本人及び保護者の自宅の指定証明書の提出により証明できる
4. 応募者と家計を同一にする方の所得合計が基準を下回っている
5. 他の給付型奨学金と重複受給がないこと


内容:
【給付型】
3年制高校等: 年間190,000円  4年制高校等: 年間142,500円  その他学校: 年間190,000円
(※詳しくは、高校生対象給付型奨学金「まなべる基金」サイト内の応募資格、募集要項にてご確認下さい)

公益信託「JCB東日本大震災に負けない子どもたちの未来を応援する奨学基金」
https://www.kodomo-ouenkikin.jp/


対象:
東日本大震災で被災し、保護者であるご両親が死亡又は行方不明になった小学校、中学校、高等学校、大学、短期大学又は専門学校に相当する学校に在学している児童・生徒・学生
※保護者であるご両親が離別又は死別により既にお一人の場合で、東日本大震災のため死亡または行方不明になられた場合も対象となります
※一つの家庭に複数の対象となる児童・生徒・学生がいる場合は全員が対象となります
※2011年4月1日以前に生まれた児童・生徒・学生が対象となります


内容:
【奨学金】
1. 通常の奨学金
年2回、それぞれ6か月分をまとめて支給します
※小学校または特別支援学校(小学部)に在学する児童と、中学校以上の学校に在学する生徒・学生では奨学金の月額が異なります
2. 入学祝い金
小学校、中学校又は高等学校に相当する学校に入学した児童および生徒に、当該年度の第1回目支給時に、通常の奨学金に加算して支給します
3. 卒業準備金
中学校三年次の生徒および高等学校に相当する学校の最終学年の生徒に、当該年度の第2回目支給時に、通常の奨学金に加算して支給します
(※詳細はホームページでご確認ください)

情報は2021年8月現在のものです

みんなのコメント(1件)

感想
ココア
40代 女性
2023年9月24日
東北大震災の学資支援について詳しく載せて下さり本当にありがとうございます。12年たちますがこのような学資支援があることを今さらながら知りました。誰かが教えてくれることがなく12年たち子供が高校生になり学校からもらってきた奨学金募集のお知らせをみて色々調べてるときにこのNHKさんのこの記事を目にしてはじめて知りました。私達家族は震災関連死で夫を亡くしました。沿岸部ではなく仙台市泉区なのでなんの情報もなく周りで同じような人は誰もいないので周りの話せる人もなく今まで子供二人と暮らしてきました。本当に孤立というか私達だけ取り残されてるような感覚で生きてきたような気がします。高校生に去年入学した子供のおかげで育英基金について知りました。去年申請できることがわかり震災関連死に認定されました。とにかく全く知るすべもなく11年も経ってしまいとても複雑な気持ちです。