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「誰かの生きる力になってほしい」 “いじめの古傷”寄せられた声

前回の記事では、20年以上前に受けたいじめの古傷が、今も生活に影響を与え続けているというとしさん(仮名)のインタビューを掲載しました。
(記事「いじめの古傷 20年たった今も...“怒り”の先に見つけた生きる道」)

その後、「自分も同じように悩み続けている」という投稿、コメントを多く寄せていただきました。としさんは、そんなみなさんのコメントを読んで、新たな気づきがあったそうです。

“今も古傷に悩まされている”寄せられた声

投稿で多く寄せられたのは、学校生活でいじめられた経験から、何十年にもわたって人生に影響を受けてきたという声でした。他人への不信感から関係を築くことができず、孤独感を抱き続けていたり、今もいじめに悩まされているという切実な思いでした。

ひなぼん 50代 女性

小学校でいじめにあい、不登校になりほとんど小学校いってません。40対1というクラスでの孤立。友人のひどい裏切りに絶望しました。

いま58歳。会社もムリなので、個人で仕事を始めて仕事できるようになったのは35歳すぎてから。その間人間関係はなかなか作れず、苦労しました。いまだに壮絶ないじめの夢をみたり、人から裏切られる夢をみるし、芯から人を信じられませんので、何度かしてきた恋愛もうまくいかず結婚していません。人は裏切るという呪縛から結局のがれられず、素晴らしい友達がいながらいつかダメになると思ってしまい、距離感も非常に気を使ってしまい、自分みたいな人間に付き合ってくれて申し訳ないと思ってしまいます。

ですのでやはり孤独感がつねにあります。人に甘えられません。この先もこういう生き方しかできないかと思うと寂しいです。本当は家族やパートナーが欲しいです。

まーちゃん 女性

私は、子供のころよりイジメを受けてました。社会人になっても、見た目やアレルギーのため、イジメの対象になっています。汚い、不潔、気持ち悪い、見た目が良くないから、相手にしたくない、という理由です。

学生時代の人からは「イジメられてたから、今もイジメの対象。相手にしたくない」と言われてます。私と会っても無視。少し離れたとこで、「あれは、イジメられてたから、無視している。早く死ねばいい」と聞こえる声で言われてます。言い返すと、余計に言われています。

おっこ 20代 女性

私は、子供のころからイジメにあい、友達もいません。家族からも見放されてます。心が疲れ果てて、ひきこもってしまいました。

本当に辛いです。暗闇の中にいるようです。

一人一人の声が力に 広がった共感

また、「職場でのいじめ」や、「幼少期の家族との関係」、「ネグレクトされた経験」など、「学校でのいじめ」とは状況は異なるものの、心の傷に共感し自身の経験を共有して下さる方も多くいました。

印象に残ったのは、この記事や皆さんのコメントを通じて「自分が声を上げることで、誰かの力になるのでは」という思いを抱いたという言葉や、「傷を認めることができて楽になった」という言葉です。

アオミカン 30代 女性

(としさんの記事にあった)「当時の自分に引き戻されてしまって、人格を乗っ取られる感覚がある」。自分も全く同じで、人間関係で何かトラブルが起こるたびに苦しんでいます。

私は幼少期に家族から人格否定をされた経験があり、その影響で今でも自分の存在をないがしろにされると意に反して感情的になってしまいます。

自分が発達障害なのか真剣に悩んだこともありますが、今回「後遺症」という言葉を目にして、私もずっと後遺症を抱えていたのだとふに落ちました。

私はひきこもりでもないし、社会参加もできていますが、一方で自分の傷を認めてシェアする事がなかなか出来ずにいました。
私は幼少期に存在を否定された事で自分の人生に長く影を落とすほどの傷を負いました。私の経験は、誰が何と言おうと私にとって重要なものです。

「自分で自分のことを“当事者”と認めても良いのかもしれない。私は後遺症を抱えているのだ」と思うと、少し楽な気持ちになりました。

はち 50代 女性

私はバツイチ女性、58歳。はっきりとしたいじめは受けたことはないように思いますが、女子校で、ネグレクトのなかで3年間過ごしました。

一番多感な時期に身をおき、経験した環境は、後々引きずることは解ります。
そして、人から受けた傷は、きっとどこかで人との出会いによって救われる瞬間があると信じたいし、信じて生きていきましょう。

そして、痛みを知っている人間だからこそ分かる、他者の痛みを感じられる心があるはずです。それはきっと、今勉強に励んでいる福祉分野にも生かしていけると思います。
順風満帆ではなかった経験が、生きるときが来ると信じて自分を生かしてください。

さらに、いじめの古傷による“怒り”を原動力に、いじめをなくすために福祉の資格を取ろうとしているとしさんの生き方に対して、応援のメッセージもいただきました。

ママ 40代 女性

ひきこもりで失われた時間は長くやり直すには根気がいると思いますが、今は仕事にも就き大学卒業、資格取得目指しているとの事で安心しました。社会人になってから夢に向かって頑張る人もいます。あなたが目的を果たしたときトラウマが少し軽減される事を願います。あなたの人生応援しています。

コメントに触れて…としさん「世間は“敵”だけでないと感じられた」

取材を受けてくれたとしさんに、寄せられたコメントをどのように受け止めたのか、改めてお話を伺いました。

前回の記事では、理不尽な出来事があると、周囲が突然敵だらけになったいじめ体験と重なり、怒りと不信感があふれてしまうという悩みを語ってくれた、としさん。同じように、いじめの古傷に今も苦しんでいる人たちの声に触れて、「一人ではない」と改めて感じることができたと言います。

としさん

「普段の生活の中では、自分みたいな経験って他に誰もしていないんじゃないか、そもそも自分みたいに思っていないんじゃないかって思うことのほうが多いです。寄せてくれたコメントを通じて、自分と近いことを感じていたり、体験している人がいるんだということが実感できることで、力になります。本当にありがたく思いました」

「ひきこもり」や「いじめ」の体験はないものの、同じような孤独感を抱いている人からもコメントを寄せてもらったことで、意外な心境の変化もあったと言います。

としさん

「普段は、自分自身の感情や経験を世間に隠して生きていますし、逆に言うと世間の人の気持ちというのもよくわからない。自分は世間に対する共感性が極めて低いというのが正直なところです。でも今回コメントを通じて、“世間”の中でもいろんな思いをしている人がいたり、もしかしたら自分よりももっと厳しい状況にいる人がいるんだということを実感できました。日々の生活にすごく疲れ切ってしまっているので 、ほんの一瞬なんですけど。一瞬でもそういうふうに思えるのは、自分にとって救いだと思います」

また、今回の取材を通して、“本当の自分”が望む、なりたい姿があることに気づいたと話してくれました。

としさん

「前回の取材では、“怒り”を原動力に、いじめをなくすために動くことが生きる目的になっている、というようなお話をしました。でも、本当に望んでいるのは怒りに満ちた自分の人生ではなくて、もっとゆるゆるとしていた本来の自分なんだと、気づくことができました。運転免許をとって両親をドライブに連れて行ってあげたり、何か趣味やものづくりをしているような自分ですね。今は、いつかそういう本当の自分を取り戻せたらいいなと、そんな風に思えるようになりました」

みなさんの声が「#となりのこもりびと」を作ります!

みんなでプラス「#となりのこもりびと」では、それぞれの記事にコメントしていただくことができます。感想やご自身の体験談はもちろん、「こうしたら生きやすくなった」という知恵、「こんなテーマを取材してほしい」「専門家にこんなことを聞いてほしい」といったアイデアやリクエストも歓迎します。

もちろん、当事者、ご家族、支援者など、誰でもご参加いただけます。
みなさんの「知りたい」に私たちが応える形で、今後の取材を進めていきたいと考えています。みなさんの声が、私たちを動かす力になります。どうぞよろしくお願いします。

この記事の執筆者

首都圏局 ディレクター
森田 智子

「#となりのこもりびと」担当。

みんなのコメント(8件)

体験談
メロンパン
女性
2023年9月19日
私は、不登校、ひきこもりをしていました。進学して、学校で精神的に苦痛になってしまったことがきっかけです。先生は、気づいてくれませんでした。結局、その学校でイジメに合い、昔の同級生からも嫌がられました。その上、父親の母親に対しての暴力を目の前で見せられてきました。これでも、母親は、あなたは恵まれていると言うのです。母親が言う恵まれているとは、金銭面だけのことです。だからと言って母親は、大人しい訳ではなく、父親には負けないぐらい立ち向かう強さを出します。
そんな母親と話すせいか、何故か、私には楽しい学生生活がないと、悩み始めてしまいます。実際に、色んな友達がいたのに、卒業したら私だけ取り残されました。
悩み
般若
20代
2023年8月28日
私は現在、いじめ後遺症に悩まされています。幼少期の頃からずっといじめという犯罪に苦しんでいました。

今悩まされているのは、小学校の頃のクラス全員、教員全てから陰湿ないじめです。休み時間に教室から追い出され鍵を閉められたり、臭い匂いがうつる、死ねなど毎日でした。黒板に死ねなど毎日。いたずら電話なんかしょっちゅうでした。教員は助けずそれを見て見ぬふり。

当時のいじめの主犯格は医療関係に繋がるITエンジニアの仕事をしています。それを知った時怒りが湧いてきました。正確には言えませんが、彼の会社のスローガンには、人と繋がりや安心等を意味する事が書いてあり当時の行為から見たら矛盾している事に怒りが湧いてきます。

私を自殺に追い込もうとした当の本人は、当時の事と裏腹にそんなスローガンを立ち上げているんです。

今現在、私は怒りが爆発したり、寝不足、体調不良に悩まされています。
体験談
wba
2023年4月11日
穏やかな夢を取り戻すまでに20年以上、今も途上です
中学は荒れていました。私はいじめられた兄弟を守らなくてはならなかったし、同じクラスに私を毎日いじめる人間が何人もいた。担任は荒くれ者達に寄り添い私の事を冷遇した。そんなクラスで担任が、事前にアンケートした全生徒の父の下の名と職業を一覧にして全員に紙で配った時は息が止まる程驚いた。
今でこそ個人情報漏洩。
その後父は仕事中に執拗につけ回されたり悪徳顧客にいじめられ精神を病み、全く仕事出来ないばかりが家族に当たったり私に襲い掛かったりする程病状が悪化。どういう訳か母は可哀想だと言い何の対策も取らず、しかしその分母が働かなくてはならなかった。
私はその後学費の負担を無くす選択をせざるを得なかった。
何故か高校でもいじめ首謀者が同じ組になった。不当に成績が悪い科目があり、そいつが何か私の事を悪く言いふらしたのではと疑心に駆られた。
体験談
でこ
50代 女性
2023年3月12日
ひなぽんさん、いとおしく感じます。頑張られましたのですね。
同年代、独身。社会が怖くいまだ非正規です。
中学二年間、主にクラスでいじめを受けました。バイ菌扱いです。
「あいついじめられてるんだぜ」は、クラスの外に言いふらされれば関係無い生徒も加わって、学校の外でもどこでも私が通ると「うー、○○(私の名前)だ、気持ち悪りー」と言ってくるので外に出て自分の姿をさらすのが恐怖でした。
みじめで親にも言えませんでした。
その恐怖は今でも克服出来ていません。
その後、見た目だけ華やかに見せかけてみても心はその頃のままでみじめさが増すだけでした。
その後、勤め先でもいじめてくる人がいたり家の中にも居場所が無くなったり(今も同じ家にはいますが。)どんどん孤立しますが、すべてはいじめから始まっていると感じます。何か失われているものを埋めようとすることが全てずれていたのです。いい年した幼稚な甘えと思われても
体験談
キティ
2022年9月19日
中学の時に担任からのパワハラを受けていた。暴言、他の教師がいる前で怒鳴り散らす毎日ように高圧的な態度で注意をしてきた。集団いじめを受けた事を知っていながら団体行動をしない方が悪いと言われ理不尽に怒られている。対人恐怖症のため集団行動をするのが困難である人間に対して集団行動するように強要してきた。いじめを教頭にも言ってSOS を出していたのに何もしてくれなかった。国語の教師と担任にも知っている事なのにこちらの言い分は無視された。教師は勉強を教えるだけが仕事ではない。
提言
ファファ
40代 女性
2022年5月20日
本当にいじめってやめてほしい。
陰湿ないじめをしてる人、自分に返ってきますよ。
悩み
石ころ
50代 男性
2022年5月18日
女子にいじめられた男。誰も話を聞いてくれません。すべての人に見下されるだけです。だから外に出られません。
体験談
甘夏
50代 女性
2022年5月18日
今59歳です。
幼少期から両親に完全否定されて育ちました。常に他人と比較され、ダメ出しされて育ちました。
近所の人や親戚にいかに私自身が困った子供か、愚痴をこぼされて育ちました。
良いところがあると、たまたまだ、出来て当たり前だと言い放ち、けして認めてはくれませんでした。
私は自分に自信がなく、常に人の目を気にする、常に人をためす、おどおどした卑屈な人間になってしまいました。
実家に嫁が来てからは、嫁がいかにできた人間か、嫁と比較されるようになりました。
父が死んでから、あろうことか母は、その嫁の父親とデキてしまいました。
昨年母は心筋梗塞で倒れましたが、一命を取り留め今も生きています。
もう母とは金輪際関わり合いを持ちたくない。私を否定し、やることなすことケチをつけ、ありのままを認めることを一切しなかった。
母への憎しみでいっぱいです。