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未利用魚が食卓を救う⁉【インスタ画像でわかりやすく解説】

量や規格がそろわない魚。利用されず、大量に海に捨てられている現実があります。

海の温暖化や乱獲で漁獲量が低迷し魚の値段が上がる今、「未利用魚」や「低利用魚」に注目が。

そうした魚を使った新たなサービスも行われています。

(NHK「クローズアップ現代」より)

※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。

海に捨てられていた 未利用魚が食卓を救う!?

「未利用魚」「低利用魚」と呼ばれる魚たち。
せっかくとれても、量や規格がそろわなかったり、さばくのに手間がかかるという理由で利用されないことが多く、大量に海に捨てられています。
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界で廃棄され、食卓に上がらない魚は漁獲量の3割になるといいます。

直接漁師から「未利用魚」をお得に購入することができるWEBのサービス。コロナ禍の巣ごもり需要で人気が爆発しました。未利用魚の宅配ビジネスは、家庭では食育を兼ねたイベントにもなるといいます。

サービス利用者

「この量で2,000円は衝撃的な値段です。お魚が届くと家の中にいてもみんなで楽しめています」

秋田県の漁師・千葉北斗さんが未利用魚の販売を始めたきっかけは、人気の魚の漁獲量の減少と売り上げの激減でした。千葉さんは、これまで捨てていた魚の中から食べられるものを直接お客さんに届けることにしたのです。

漁師 千葉北斗さん

「価値のなかったものに価値がついて、救世主です。0円が100円になれば全部プラスです」

魚を味付けしたフードパックを月々定額で届ける「サブスク」も人気に。使用する魚の7割は未利用魚。すぐに加工して真空パックで冷凍することで、鮮度が落ちやすいという未利用魚の弱点を克服しています。

ベンナーズ代表 井口剛志さん

「未利用魚を有効活用していくというビジネス自体は誰も損をしません。漁師さんにとっても、魚を食べるわれわれにとっても、本当の意味で持続可能な水産業の実現につながると思います」

流通にのりにくい魚を数多く取りそろえ、客とのコミュニケーションを大切にしている鮮魚店もあります。かつての魚屋さんのように魚の味や料理方法を細かく伝えて販売。そうすることで、珍しい魚にも興味を持ってもらいたいと考えています。

「未利用魚」を利用するツールは、私たちの目の前に広がっています。日本の漁業と、未来の豊かな食卓のために、たまにはいつも選ぶ魚以外の魚にも手を伸ばしてみては?

5分でできる 未利用魚レシピ

今回は未利用魚のひとつ「カナガシラ」を使ったレシピを紹介します。一部の地域では昔から親しまれているものの、大きくてかたい頭やするどいヒレから「おろすのが大変そう」という意見が多い魚です。

元漁師・元水産庁職員で、魚をおいしく食べる伝道師“ウエカツ”こと上田勝彦さんから5分でできる魚料理のレシピを聞きました。

まず、うろこと内臓を取り出します。

1つ目のポイントは、下処理後に「魚に薄塩をする」こと。
手に塩をつけて魚に揉み込むのではなく、なでるようにします。
薄塩をすることで、魚の身の表面に潜む「生臭み」が出ます。

次に、沸騰したお湯を用意します。

2つ目のポイントは、「ゆでるお湯にさかずき一杯の酒を入れる」こと。
酒が薄塩で出した「生臭み」を中和して、魚の生臭みが完全に消えます。

3つ目のポイントは、「お湯を沸騰させない」こと。
鍋の底に小さな泡がつく状態をキープし、あくが出たら取ります。
グラグラ煮ずに魚の旨味を閉じ込めます。
煮汁が透明になり、尻尾の方から身と骨が離れ始めたらゆで上がり。

最後に、ゆでたことで外れやすくなった身をホロホロと外して味付けをしたら完成です。
ポン酢をかけるだけでも、醤油とレモンを組み合わせても、塩とこしょうにオリーブオイルをかけても楽しめます。

元水産庁職員 上田勝彦さん

「日本は偏った魚に執着し、輸入に頼っています。新型コロナウイルスやロシアによる軍事侵攻の影響で魚が手に入りづらくなりました。北から南まで300種の魚に恵まれている奇跡の島国として、これらの魚たちをまんべんなく味わい楽しむことが日本の漁業を守ることにつながると思います」

魚の価格が高騰しているいまだからこそ生産者や魚を救い、お得に手に入れることができる未利用魚を使って気軽に料理に挑戦してみては?

インスタグラムでも画像を公開中

インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGsの達成に向け、いま課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
インスタグラム「地球のミライ」※NHKサイトを離れます

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