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2020年11月16日

気候変動に対策を! 日本でも声を上げ始めた中学生・高校生たち

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが、温暖化の問題を訴えてひとりでストライキを始めたのは15歳の時でした。いま日本でも、気候変動に危機感を持った中学生・高校生たちが動き始めています。『2030年の自分たちを幸せにしよう』と、同じ志を持つ仲間とつながり、企業との連携も積極的に行っています。自分たちと地球のミライを守るため、中高生たちがどんなアイデアを持っているのか?オンラインイベントを取材させてもらいました。
(「地球のミライ」取材班 捧 詠一 ディレクター)

”気候変動への危機感”でつながる「中高生」×「企業」
11月1日、日曜日の午前10時。SDGsアクションを行うきっかけ作りを目的としたオンラインイベントに、全国から17人の中高生が集いました。主催したのは、メンバーが全員が中学・高校生の一般社団法人Sustainable Game。高校1年生の山口由人さんが代表を務め、持続可能な世界を作るために行動を起こそうとする同世代を支援しています。
「社会問題に対して行動する人を『かっこいい』と思える社会にしたい」と考え、オンラインコミュニティの運営や、中高生記者が社会課題の現状を取材・発信するメディアサイトの開設、大手電機メーカーやクリーンエネルギー事業を営む企業などに、中高生の思いとニーズを伝える勉強会の開催などを行ってきました。

この日のオンラインイベントでは、環境問題の改善に取り組んでいるアウトドア企業の社員を招いて講演会を開催。参加者はWebで応募した中高生です。気候危機のために企業が行っていることを学んだ上で、「自分たちなら実際の店舗を使って、気候危機問題にどうアプローチするか」を提案します。中高生に学ぶ機会を提供しつつ、中高生の声を企業に直に届けることで、企業活動をより環境に配慮した方向へと導こうねらいです。

Nakazawaさん・高校生
「気候変動や気候危機がもっと身近に感じられないといけない。企業や国が色々やるのも大事ですが、『気候問題に取り組むのは特別なこと』とか『環境問題やってる人すごい』って思ってるだけじゃダメだと思う。その辺の意識が変わってほしい」

mizukiさん・高校1年
「Sustainable(サステナブル)のオプションが増えるといい。オーガニックとか増えだしてきているけど値段が高かったり、選択肢が少なかったりするので。2030年までにはもっとオプションが当たり前にたくさんあって、みんなが手に取れるような価格になっていてほしい」
(思いや願いは強くあっても、1人では変えられない現状を吐露する参加者たち)

まず行われたのは、参加企業の札幌支店からの中継リポート。現地の建物保存に貢献するため、築146年の石蔵を店舗として活用していること。床には、廃屋から切り出した木材を使用していること。札幌市主催のSDGs講座に社員が参加し、学びを深めると同時に地域とのつながりを築いていることなどが紹介されました。

(中継で紹介された店舗内の様子。床は廃屋から切り出した木材を再利用)

また、環境対策の担当者からは、30年以上前に自社商品のコットンTシャツから有害物質・ホルムアルデヒドが放出され、店内にいたスタッフが体調不良になった経験があること。それは、コットン栽培時に大量の殺虫剤を使用したのが原因だったこと。以来、環境への配慮に会社として傾注し始めたことなどが語られました。

「地球のミライを守る」ために あなたのアイデアは?
45分ほどレクチャーを受け、今度は3つのグループに分かれて討議の時間です。企業活動内容を聞いた上で、「どう店舗を活用したら、もっと環境問題解決に寄与できるか」を話し合います。
 …とは言っても、初対面の中高生同士がグループになっても、最初は何から話を切り出してよいのやら。気恥ずかしさもあり、まずは探り探り。
「そもそも同じ店に通うことがある?」という素朴な疑問から。

mizukiさん・高校1年
「私はこれまで結構引っ越すことが多くて、今住んでいる地域にどんな店があるのかもよくわかっていない。一つの店に通い続けるってこともあまりなくて、ちょっと“同じ店に通う”事に対してモチベーションがわかない」

山口さん・高校1年
「僕も同じ店に行くのは多くて3回位ですかね、通ったとしても。美容院だったら家族が同じとこ行ってたりするけど、『この前、お母さんがこんな事言ってたよ!』って店員さんに言われるとちょっとイヤな部分もありつつ…。アットホームなところもあるんですけどね」

  Nakazawaさん・高校生
「僕も、店に通うというのがあまりない。店員さんと仲良くなった経験は今までない…。通えば、交流とかすごくできると思うんですけど…」

ネットで服を買うこともできるし、同じ店員さんに何度も会うのも気が引けて、そもそもあまり店に通わないという意見で一致。
じゃあ、「通いたくなる」×「地球に優しい」店舗とは?
ここで、先ほどのレクチャーで話に出た、「9か月長く服を使えば、服の生産などで使用する水やエネルギー、発生する廃棄物を20~30%減らすことができる」という情報からアイデアを広げていきます。

mizukiさん・高校1年
「1度着古した製品を店舗が回収して、修繕して安い価格で販売して、エコにつなげるとか。安ければ学生とかたくさんの人が手を出せる。もともと高くてもいい製品なら、古着でも長く使える。自分で修理するワークショップ開催もいいと思う!破れてるところにパッチを貼ったりして。『長く使い続けよう』っていうワークショップを通じて、持続可能につなげていくことができると思う」

藁谷さん・高校2年
「いま古着って結構、中高生の間で流行っているイメージがある。結構みんな古着活用して、下北沢とか行っている子が多いから、『古着』っていうワードは中高生が引かれるワードだと思う」

山口さん・高校1年
「店舗で、古着とか、修理したものを例えば学生限定で売るとか。かつ、もっと定期的に来られるように、そこに自習スペースを作るとか。そうしたら気軽に来られるし、忙しいときでも勉強できるならみんな来るし」

藁谷さん・高校2年
「コミュニティを作るってこと?環境に興味がある人同士で話したりもできるね」

山口さん・高校1年
「そう。中高生のコミュニティを作って、心の豊かさを作ることによって、環境に目が向けられるようにするとか。環境に限らず、色んなことをカミングアウトし合える場になっていけばいいし。社員さんもうまく話しかけてくれれば、孤独感を感じている人の救いになるかもしれない」

次第に、考えることが楽しくなってきた参加者達。グループごとの考えを発表する時間が迫る中、協力してスライドを作り上げていきます。

(オンラインで共同編集。手慣れたものでした)

そして、発表の時間に。
1グループ目は、「中高生が通いたくなる、自習コーナーや古着コーナーを併設した店舗」を。
2グループ目は、「店舗を再利用資源で建設し、売れ残った商品のみ安価で販売する古着専門店」を。
3グループ目は、「衣類の交換会などイベントを通じて消費の責任を実感できる店舗」というアイデアをプレゼンデーションしました。

(「現状の課題」や「目的」「メリット・デメリット」など、熟考されていました)

プレゼンテーションを聞いた企業担当者も、「自分たちの目線に立って課題を突きつけてくれて大変参考になりました。是非、社内での提案に、みなさんのアイデアを活かさせていただきたい」と喜びの声が。
学生は学びと考える機会に。企業は持続可能なビジネスのヒントに。互いに有益な時間となったようです。

☟気候変動に立ち向かう若者たちの動き☟
TOPIC㊶目指せ2050年温室効果ガス「実質ゼロ」私たちの声を届けたい
TOPIC㉔ 広がる輪 つながる若者たちの思い
TOPIC⑧ グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2
TOPIC② グレタさんの言葉に触れ、立ち上がった若者



「自分たちのミライを明るくしたい」という中高生たちの想いに、大人たちはどう報いることができるのか。知恵を出し合って、持続可能な社会を作り上げようと葛藤する動きに、どう自分も加わっていくのか。
時代も社会も動き続けています。みなさんは、今、何をすべきだと感じますか?

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。