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持続可能な社会へ “地球のミライ”は私たちの手に Vol.2

持続可能な社会へ “地球のミライ”は私たちの手に Vol.2

いまや待ったなしの「温暖化対策」。このままでは2030年にも地球は“後戻りできない状態”になると言われています。どうすれば持続可能な社会を実現できるのか。次の世代のために私たちは何をすべきなのか。”地球のミライ”を一緒に考えませんか?

“地球のミライ”インスタグラム(@nhk_sdgs)☟
※下から飛べます(NHKのサイトを離れます)


“地球のミライ” Vol.1☟
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0008/


新着記事
チコちゃんと考えるCOP26 「わたしたちのみらい どーなるの」?


【シリーズ:グラフィックでわかるSDGs】
①持続可能な世界のために“健康にも地球にも優しい食事”とは?”
②肉の大量消費が水不足を引き起こす!?
③私たちが輸入する食料 水に換算すると…?
④IPCC報告書 解説1IPCCって?
⑤IPCC報告書 解説2地球温暖化で日本の気象は?
⑥もったいない!弁当など13万食が廃棄…
⑦日本の宝を生かせ 森林から考える持続可能性
⑧私たちの地球温暖化対策 どのくらい効果が?
⑨チコちゃんと考える「地球温暖化」
⑩チコちゃんと考える 「COP」ってなーに?
⑪チコちゃんと考える 温暖化って止められるの?
⑫チコちゃんと考える COP26のポイントって?
⑬チコちゃんと考えるCOP26 「わたしたちのみらい どーなるの」?

▼地球のミライ「インスタグラム」始めました

気候変動問題
▼目指せ!持続可能な林業 注目の「自伐型林業」とは?
▼”1.5度の重み” 若者とNHKが動画制作でコラボ
▼削減目標「46%は不十分」? 温暖化対策 若者たちの訴え
▼「ウチらの未来がやばい。」ライブで気候危機を訴える若者たち
▼環境への"意識が高い" なぜ敬遠されるの?
▼『持続可能な未来』がもっとも先進的でクール ジャーナリスト・国谷裕子さんが“地球温暖化の権威”に聞く
▼地球温暖化なのに なぜ寒波?
▼『環境クイズ王』決定戦! 未来をになう若者たちが真剣勝負
▼「モリウイルス」「メタンガス」永久凍土が溶けると起きること
▼持続可能な社会 2050年の未来予想図
▼地球温暖化と“異常気象”の関係とは?
▼地球温暖化で寿司(すし)が食べられなくなる?
▼アメリカ大統領選挙 “バイデン氏勝利”と温暖化対策の関係は?
▼気候変動に対策を! 日本でも声を上げ始めた中学生・高校生たち
プラスチック問題
▼ごみの王様が挑むプラごみをなくす新ビジネス
▼プラスチックで覆われた河原 ごみ拾いのデータが示すもの
▼あなたの知らないプラスチックの行方
▼胃袋から276個のプラスチック片が…世界遺産の島で何が
エネルギー政策
▼脱炭素先進国・オーストリアと比べてみた!日本と何が違うの?
▼「グリーンリカバリー」が世界で加速 欧米も中国も
持続可能な取り組み
▼朝ドラ「カムカムエヴリバディ」主題歌を歌うAIさんと考えるSDGs
▼人を襲撃し駆除されたヒグマ SDGsの目標は両立する?
▼サステイナブルファッションが示す“地球のミライ”
▼「食品ロス」をアプリで削減へ 飲食店と消費者をつなげる
▼食品ロスを減らせ 大学生が営む“おすそわけ食堂
専門家に聞く環境問題
▼『持続可能な未来』がもっとも先進的でクール ジャーナリスト・国谷裕子さんが“地球温暖化の権威”に聞く
▼『日本は二流国に』”知の巨人” ジェレミー・リフキン氏の警告
シリーズ「2030未来への分岐点」
▼「常田大希 構築と破壊」ドキュメンタリー ダイジェスト保存版

▼常田大希さん作曲「2992」 スタジオ収録に密着
▼テーマ音楽を手がけた音楽家・常田大希 ロングインタビュー
▼NHKでSDGsキャンペーン始めます!

☟“地球のミライ” Vol.1はコチラから

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2021年11月19日

チコちゃんと考えるCOP26 「わたしたちのみらい どーなるの」?

イギリスで開かれていた「COP26」。
世界の平均気温の上昇を「1.5度に抑える努力を追求する」とした成果文書を採択して
閉幕しました。

  評価する声もある一方、二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電については、
「段階的な廃止」という表現から「段階的な削減」に弱められました。

心配になったチコちゃんが、「地球のミライは大丈夫なの?」と、記者に突っ込むと…

           【そもそもCOP26ってなに?と思った方はこちら









COP26の成果を聞いて少し安心したチコちゃんでしたが…



”地球のミライ”が心配になったチコちゃんは…







チコちゃんと一緒に考えてきたCOP26 グラフィックはこちら↓
チコちゃんと考える COPってなーに?
チコちゃんと考える 温暖化って止められるの?
チコちゃんと考える COP26のポイントって?

この記事のテーマ、「地球のミライ」に戻る

ここまで、チコちゃんと一緒にCOP26について考えてきましたが、COP26で採択された内容について、あなたはどう思いましたか?
評価できる?それとも、まだまだ足りないと感じましたか?

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年11月18日

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」主題歌を歌うAIさんと考えるSDGs

11月から始まった連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の主題歌、「アルデバラン」を歌うAIさん。実はことし6月、SDGsをテーマにするインスタグラム「TAP:Take Action for Peace」立ち上げ、SDGsの達成に向けて起こせるアクションについて発信も行っています。 11月21日(日)には、「未来に残したい地球の姿」をテーマに行われるNHK音楽祭2021「地球のミライコンサート」に出演。SDGsについて発信する思いや、ふたりの子どもたちのためにこれからどんな未来を作っていきたいかなどお話を聞きました。

(「地球のミライ」取材班 伊藤加奈子、酒井利枝子)



AIさんは、ことしSDGsについて発信するインスタグラムを立ち上げられましたが、
SDGsに関心を持つようになったきっかけは何だったのですか?
AIさん:実は、SDGsっていうことばが出てきた時に、「何の話だろう?」と思ったのが最初で。どういうことか分からない中で、取材で「どれかやっていますか?」と聞かれて「どれかやっているってどういうことだろう?」と思っていました。「エコ」っていうことばが出てきた時もそんな感じだったんですよね。「みんなエコエコ言っているけど、なんだエコって?」みたいな。

でも、SDGsの中身を見ていくと、環境によかったり、人の幸せにつながったり、平和につながったり、すごくシンプルなことだなと思って。そういうことにはもともと興味があったんです。なので、SDGsに興味を持ったって言うより、ふだん自然とやっていることに、ただ「SDGs」っていう名前が付いているんだなと思うようになったという感じです。

SDGsは難しいことではなくて、ふだん関心を持っていることや、やっていることそのものだったんだという気づきがあったんですね。インスタグラムは、なぜ立ち上げようと思ったのですか?
AIさん:SDGsって何個もあるじゃないですか。「17個全部分からない」とか「何番と言われても、何の話ですか」みたいな人も、まだ知らない人も絶対いっぱいいるし、私の友達なんか「は?」って感じだと思うんです。それで、SDGsについて私も含めて一緒に学べていけたらなというのがきっかけでインスタグラムを立ち上げて、そこからいろんな人に会って話を聞いたりするようになりました。「これもSDGsなんだ」とか、「こんなことをやっている人もいるんだ、こういうことにつながるんだ」とか、すごく楽しくいろんなことを教えてもらっていますね、今。


(AIさんが発信するインスタグラム)

「Take Action for Peace」に込めた思い

AIさんが立ち上げたインスタグラムの名前は、「TAP:Take Action for Peace」で、SDGsに対して起こせるアクションについても発信しています。「Take Action for Peace」ということばには、どんな思いを込めたのでしょうか。

AIさん:まず、「Peace(平和)」ということばには全部が入るなと思っているので、「Peace」は入れたかったんです。それから、わかりやすい方がいいと思って「Take Action(アクションを起こす)」。それを略して、「TAP(タップ)」って言えば、覚えやすいかなと思いました。子どものころ、タップダンスをやっていたということもあって(笑)

「Peace」ということばに関しては、子どものときに見た、ごはんが足りなくて汚い水を飲んで、おなかがポッコリになって子どもが亡くなっていく映像とか、アメリカのアーティストたちが行った「USA for Africa」のチャリティーソング「We Are The World」が印象に残っていて、ずっと世界が平和になったらいいなと思ってきました。そうすると全部がクリアになると思っていて、環境破壊も、亡くなる子どもたちも、差別とかも、いろんなことがなくなっていくかなと思って。

私の子どもも上の子が「平和」っていう名前で、平和ということばもいいし、呼ぶたびに思い出すかなと思ってつけました。たまに怒っている時は、全然思い出さないんですけどね(笑)でも落ち着いている時は、やっぱり名前を呼ぶと思い出しますよね、平和に育てないとなと。

主題歌を歌っている「カムカムエヴリバディ」で、まさしく戦前、戦争中、戦後が描かれますが、もうどれだけ今の時代が、なんというか、恵まれているかというのを感じたりもしています。



「Take Action(アクションを起こす)」ということに関しては、AIさん自身は、ふだんどういうアクションを心がけていますか?
AIさん:何か特別なことをしなくても、みんな自然とやっていることがいっぱいあると思うんですよね。だから、ただ回数を増やすとか、いつもよりちょっと意識をするだけで、何かさらにいいことにつながると、自分では思っていますね。子どもたちに優しくする、ちゃんと子どもを育てる、食べ物や健康を意識するとかもそうですよね。

「意識がある」というだけでも大事かなと思います。こうしないといけないとか気合いを入れすぎると続かないし、疲れるよね。みんなだって、毎日自分の生活があるから、それだけで十分。コロナというだけでも気をつけないといけないし、子どもがいたら何でも触るし、なめるしね。自分に加えて、家族の健康を守るというだけでもやっぱり大変なので。

あとは、自分が毎日、普通に暮らしていくために、なるべく自分の感情をコントロールしていきたいなというのは意識しています。家ではよく夫とか子どもとかとよく言い合っていますけど、そんなのはいいんですよ。そうじゃなくて、「憎しむ」とかそういう気持ちにならないように。そういうことが全部、平和や多様性につながっている感じがします。

おふたりのお子さんを育てていらっしゃいますが、そのことがAIさんがアクションをする上でのモチベーションになっている部分はありますか?
AIさん:子どもたちからは、パワーももらうし、かわいくてしょうがないですけど、やっぱり大変っていう、そのどっちもが同時にあるんですよね。でも、そのおかげですごく鍛えられていて。私が適当にぱぱってやると見ているからね、あの人たちが。小さい時は、よく親に「神様が見ているとか誰かが見ているから、罰が当たるよ」と言われたりしていたけど、今は、子どもが見ているから
上の子の平和は6歳ですけど、すごくしっかりしているんですよね。ちゃんとよくなさそうなことを注意されますし。だからしっかりやらないとなと、やっぱり鍛えられていますね。下の子は博愛(はくあ)って言うんですけど、全然「博愛感」がなくて、何にも欲張りで、やっぱ下の子なんでね(笑)。「シェアしないと!」っていつも言っているんです。まだ2歳ですけどね。

(子育ての話でも盛り上がりました)

環境問題への関心は?

私たちはSDGsの中で、主に環境問題について取り上げる「地球のミライ」というWEBサイトとインスタグラムを運営しているのですが、AIさんは、環境問題について何か関心を持っていることはありますか?
AIさん:知り合いがプラスチックごみを拾いに行っていたり、海外の友達から「プラスチックを減らす取り組みをしているからコメントちょうだい」と言われたり、プラスチックに関してそういう話が一気に来るようになりましたね。対応しているうちに、自分でもプラスチック使わない方がいいんだっていう感じにだんだんなるんですよ。どうしてもレジ袋を買わないといけない時に、罪悪感を覚えるようになりました。商品のパッケージも含めて、プラスチックを使わないように変えられないのかなとも思います。

環境の問題を見えるようにすることで、それをみんながたまたま見て、「ああこんなにやばいんだ」って思って、ちょっとずつ変わってくるかもしれないから、すごくいいことだと思う。自分がいいことだと思うことをするときって、やっぱり危機感を感じる時だと思うんですよね。

罪悪感とのバランスは難しくないですか?
AIさん:あー難しいですよね。多分もうほとんどの人たちがいいことをいっぱいしていると思うんですよね。これも、あれもしないとって思うと罪悪感も出てきたりするけど、だったら次に倍やればいいとか、私はそういう感じ。ちょっとずつでいいと思うんですよね。 あとは、自分が楽しまないと。これしないといけないってなると苦しいし疲れるから。いいアイデアだなとか、自分のためになるなと思えば苦がない。ポジティブでいないとね。

SDGsのことを発信する上で意識していることや、ここは難しいなと思うことはありますか?
AIさん:あんまり難しいとは思ってなくて。難しいことはないから、難しく言わなければいいかなと思って。単純に何でも自分がいいと思うことをやればいいんだと思いますね。私だったら、優しくなりたいなとか、ごみを拾うかとかそういう感じで。人が見ていない時に、どれだけ自分がちゃんとやれるかも大事ですよね。
それから、やっぱり自分とのつながりを考えます。自分がいいことをすると何かいいことが返ってくる、悪いことすると悪いことが返ってくるっていう考えなので。



「地球のミライ」のために歌が持つ可能性とは?
NHKでは、11月21日にSDGsキャンペーン「未来へ 17action」の一環としてNHK音楽祭2021「地球のミライコンサート」の8K公開生放送を行います。「未来に残したい地球の姿」をテーマに、音楽の力で、未来に向けて「持続可能な地球環境」を引き継いでいくことの大切さを伝えるコンサートです。
AIさんも「地球のミライ」コンサートに出演し、「アルテバラン」と「ハピネス」を歌われる予定です。どんな思いを込めて歌いたいと考えているのかうかがいました。


AIさん:曲たちも歌う時によって、毎回感情が違うんですけど、「地球のミライ」のためと言われたら、そういうことを気持ちに込めないとなと思うので、「ハピネス」だったら「君が笑えば この世界中に もっともっと幸せが広がる。君が笑えばすべてがよくなる。この手でその手でつながる」という歌詞があるので、どっちかというと世界中に向けて、未来に向けて歌いたいな。「ハピネス」は、本当にぶわっとみんなを喜ばせたいっていう感じで、「アルテバラン」は逆にひとりひとり近い人に対して、元気がないとか、毎日苦しいという人に向けて歌いたいですね。その2つのバランスがちょうどいいかなと思いますね。


森山直太朗さんが書かれた「アルデバラン」のサビは、「笑って笑って愛しい人、不穏な未来に手をたたいて」という歌詞です。「誰ひとり取り残さない」というSDGsの精神にもつながっているようにも感じられるこの歌詞。AIさんはどう捉えて歌っているのかを聞いてみました。

AIさん:歌詞で、すごくすてきだなって思ったのが、本当に「今のこの世の中の感じ」がすごく出ているなって思っていて。みんなある意味、このウイルスのせいで自由じゃないというか、やりたいことがスムーズにいかないですよね。やろうとしても人の命が懸かっていると思ったら制限されるとか、いろいろ自分の気持ちがモヤモヤして。その感じにすごく「アルデバラン」ってぴったりだなと思っていて。

「不穏な未来に手をたたいて、君と君の大切な人が幸せである そのために」というのは、ハピネスも似たような歌詞ではあるんですけど、全然違うんですよね。直太朗くんがどんな感じで書いたかは分からないですけど、「アルデバラン」ってひとりの人に向けてっていう感じがすごく伝わってきて、「目の前のこの人だけに言いたい」というパワーっていうのがすごいと思うんですよね。私はそういうふうに歌っていますね、気持ちは。私も自分がやっぱり音楽と歌に救われてきたので、自分もそういうふうにできたらいいなって思っています。

「地球のミライ」のために

これから、インスタグラム「Take Action for Peace」をどういう場にしていきたいなど、目指していることはありますか?
AIさん:今コロナ禍であんまり頻繁に人に会ってしゃべれないけど、もっとSDGsについていろいろ頑張っている人や何かやっている人たちとか、いろんな人のところに行って、見て、経験するのが一番いいなと思っています。それをみんながインスタグラムで見て、これなら自分でもできると思ってもらえたらいいと思います。あとは、例えばネット上の募金に協力するとか、何かの情報を拡散するだけでも力になるとか、いろいろなやり方があると思っています。


お話の中で、ふたりの子どもたちのこともたっぷり語ってくれたAIさん。子どもたちのために、これからどういう未来を作っていきたいと考えているのでしょうか。

AIさん:一番はやっぱり平和が続いてほしい。子どもがいるとだんだん自分というよりも子どもたちが楽しんでほしいな、長生きしてほしいなと思うので。子どもたちに対してはみんな、ぜいたくなことじゃなくていいから、ただもう普通の生活ができるようにしてあげてほしいなとは思いますね。普通に家があって、普通にごはんが食べられて、普通に遊び行けて、普通にお風呂に入れて、普通に起きて、外に行って・・・っていうその「普通」っていうのが、すごく今でも難しいと思うんですよ。だって問題がちょっと出てくるとそれでみんな普通ではいられなくなるし、余裕も無くなるし、そうなると崩れやすくなるから、やっぱり普通の毎日が過ごせるような、そういう環境とか未来であってほしいなと思いますね。

(AIさんが色紙に書いてくれたのは・・・?)

最後に「地球のミライ」のために、AIさんがこれからやっていきたい「アクション」について、色紙に書いていただきました。



AIさん「いい事を思うことをする」これです。
単純ですけど、結局これが全部つながってくる。子どもに対しても、いいことと思うことをやったり、町に対しても、人に対しても、これならできるかなと。「私は毎日こうする」とか具体的に書くと、それをしないといけなくなって、苦しくなってできないわけよ・・・!自分のハードルを上げたくないので、よけいなことは書かない(笑)。だから「いい事と思うことをする」。この大ざっぱなこの感じで、ちょっとずつやっていきたいです。

合わせてこちらも!↓
のんさん流SDGs「身近なところから始めよう」
「サステナブル」やってみました 新型コロナをきっかけに暮らしを考え直す

NHK音楽祭2021「地球のミライ コンサート」

放送:2021年11月21日(日)午後6時〜午後7時40分<BS8K・生放送>
放送日時未定<BSプレミアム>
※決まり次第NHKホームページでお知らせいたします。
(札幌、秋田、仙台、大阪、広島、鹿児島、沖縄など全国各地の放送局で、パブリックビューイングも行われます。詳しくは各局のHPをご覧下さい)

司会: 清塚信也(ピアニスト/Eテレ「クラシックTV」MC)、林田理沙NHKアナウンサー
出演:AI、池田綾子、大木伸夫(ACIDMAN)、三浦透子、ミドリーズ、MORISAKI WINほか(五十音順)
ゲスト出演:油井亀美也(JAXA宇宙飛行士)

AIさんの記事を読んだ感想や、あなたがふだん心がけているアクションについて、ぜひコメント欄からコメントをお寄せ下さい!

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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年11月12日

COP26のポイントって?

イギリス北部・グラスゴーで行われている気候変動対策の国際会議「COP26」。
最新の情報をチコちゃんと一緒にわかりやすく考えていきます。
今回はこの4つのポイント

ポイント1☞COP26のポイントは?
ポイント2☞COP26 リーダーたちは何を話したの?
ポイント3☞どうする?脱石炭
ポイント4☞声をあげる世界の若者たち

COP26が開かれているグラスゴーの様子や、環境に配慮した会場内でのさまざまな取り組みも、現地で取材する記者がお伝えします。

COP26のポイントは?
「COP26」の大きなポイントは、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて「1.5℃に抑えること」を参加国が一致して目指せるかという点です。
その理由を5枚のグラフィックでお伝えします





ではその目標の達成に向けて現状はどうなっているのでしょうか。







COP26 リーダーたちは何を話したの?

11月1日、2日には各国のリーダーたちの会合が行われ、112人が演説しました。
そのポイントを7枚のグラフィックでお伝えします。









一方、先進国の対応はー?









COP26が開催されているイギリス北部のグラスゴー。街やCOPの会場で記者が目にした環境に配慮した取り組みも紹介します。









COP26の会場内でも至る所で環境への配慮がみられました。











どうする?脱石炭

COP26での議論のポイントのひとつは、「脱石炭」です。
議長国のイギリスは、温室効果ガスの排出削減対策がとられていない石炭火力発電所の新規建設中止などを盛り込んだ声明を発表し、ヨーロッパ各国など40か国あまりが賛同しました。

しかし、日本は含まれていません。どうしてなのでしょうか?









当分のあいだ、日本が石炭火力を維持するとした理由は・・・?





声をあげる世界の若者たち

COP26に集まってきたのは、世界のリーダーたちだけではありません。
世界中の若者たちもグラスゴーにやってきました。現地の集会で気候変動対策の強化を訴えた若者たち。その輪が広がり、イギリスの地元紙によれば、世界各国のあわせて300か所でデモが行われました。











※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年11月5日

チコちゃんと考える 温暖化って止められるの?

10月31日に、イギリス北部・グラスゴーで開幕した気候変動対策の国際会議、「COP26」。

チコちゃんが抱いた素朴な疑問。それはー、

「そもそもおんだんかってとめられそうなの?」

「実は、かなり難しい状況なんだ・・・」と答えたのは現地で取材する田村銀河記者。チコちゃんの質問に記者がわかりやすく答えます。

【前回、チコちゃんが抱いた疑問「COPってなーに?」】









温室効果ガスを減らさなくてはいけないのに、
このままでは増える見込みだという話を聞いたチコちゃん。






前回の疑問「COPってなーに?」に戻る

インスタグラム「地球のミライ」でも発信中!
https://www.instagram.com/p/CVu--letmUs/
※NHKサイトを離れます

この「地球のミライ」のサイトでは、環境問題解決につながるヒントを視聴者のみなさんと一緒に考えています。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年11月5日

チコちゃんと考える 「COP」ってなーに?

10月31日からイギリス北部のグラスゴーで開催されている気候変動対策の国際会議、「COP26」。
COPの期間中、チコちゃんと一緒に「COPとは何か?」「どんなことが話し合われているのか」など考えていきます。

ーーー

チコちゃんが持ったのは「COP」ってなーに?という疑問。

「COP(こっぷ)って、なんでCとOとPなの?」

この素朴な疑問に、現地で取材するNHK記者が答えます。













※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

クロ現+
2021年11月8日

人を襲撃し駆除されたヒグマ SDGsの目標は両立する?

SDGsを通して、今回考えるのがヒグマの問題です。
17あるSDGsの目標のうちの一つ「陸の豊かさも守ろう」(目標15)。
北海道に生息するヒグマは豊かな自然のシンボルと位置づけられ、守るべきものとして考えられています。

一方で、ことし6月札幌の中心部にヒグマが出没し、人を襲いました。
SDGsには「住み続けられるまちづくりを」(目標11)という目標があるように、野生動物によって安全な暮らしを脅かされることがあってはなりません。

SDGsの目標それぞれが相反する事態になった北海道。猛獣としての顔ももつヒグマとどう共生をはかるか考えます。
(札幌拠点放送局 ディレクター 越村真至)
ヒグマと人間 変化を続けてきた関係性
北海道では明治以降、ヒグマを根絶する政策がとられていました。1962年に発生した十勝岳大噴火による降灰の影響などで、ヒグマによる被害が増加したため、66年から冬眠明けで動きが鈍いヒグマを駆除する対策も行われました。

ところが80年代以降、生物多様性の保全を訴える声が世界的に高まります。北海道では1990年にクマの積極的な駆除を廃止。

一方で、約20年前からは市街地への出没が問題視されるようになってきました。



そして今年、予想外の場所にヒグマが出没しました。
小学校や商業施設、住宅がたち並ぶ札幌の中心部に、オスのヒグマが突如現れたのです。 次々と住民を襲い、4人が負傷。なかには、ろっ骨を折る重傷を負った人もいました。

ヒグマが人通りの少ない場所に移動し、周辺住民の避難が完了した後、ハンターによって駆除されました。



札幌市の熊対策担当・鎌田晃輔係長
「想定外。ヒグマが生息できるような、定着できるような山があるわけではない。こんなところにヒグマが出るはずがないという思いが根底にありました」

境界で急増 ヒグマ出没
一方、取材を進めると、ヒグマを駆除するハンターにも葛藤があることがわかってきました。
札幌近郊の岩見沢市にすむ原田勝男さん(81)。市からの委託を受け、野生動物を駆除しているハンターのひとりです。
左目は21年前、ヒグマに襲われて失いました。


(原田さん)

原田さんによると、罠にかかるヒグマの数が、すでに去年の倍以上に達しているといいます。取材した日も体重200キロを超えるオスのヒグマが、山林と田畑の境界に設置した罠にかかっていました。

「殺さずにヒグマを山奥に放すべき」という意見が原田さんたちに寄せられることもありますが、一度人里近くに現れたヒグマはまた戻ってくる恐れがあるため、駆除せざるをえないのです。

(ヒグマを駆除する原田さんたち)

北海道の豊かな自然の象徴であるヒグマ。この日、原田さんは一頭のヒグマを銃で駆除しました。
地域を守りながらも、ヒグマの命を奪うことには常に葛藤を抱えています。

(駆除した後、手を合わせる原田さん)

原田さん
『「命を奪って悪かったな。だけど、こんなところに出てくるお前たちも悪いんだぞ」と心のなかでヒグマに言い聞かせながら手を合わせています。ヒグマを撃つ時の気持ちは複雑です』。
ヒグマを呼び込んだ "緑地"整備計画
ヒグマが市街地の中心部まで侵入してきた背景には、札幌市が進めてきた“緑地化“が関係している可能性を指摘する専門家がいます。
ヒグマの足取りを調査している酪農学園大学の佐藤喜和教授です。



佐藤教授はヒグマのもともとの生息地は札幌の市街地から10キロ以上離れた山地だと考えています。
ヒグマは山をくだったあと、川を泳いで渡り、札幌市に入ったとみられていて、その場所には40ヘクタールに及ぶ緑地が広がっていたのです。ここに、2週間以上いた可能性があると佐藤教授はみています。

佐藤教授
「自分の身が隠せるような場所で、人目につきにくい場所を移動してきた。川沿いや水路、そういうところの可能性が高い」

(山地とヒグマが出没した場所の位置関係)

ヒグマが潜伏したとみられる緑地はもともと木々がほとんどない荒れ地でした。

しかし、80年代から始まった札幌市の都市計画で、緑地が整備されました。さらに、河川・街路に沿った緑を連続的に整備することで、野鳥や小動物が生息する自然豊かな都市を目指したのです。


(荒れ地を緑地化 しかしそこがヒグマの潜伏場所になった可能性が)

こうした緑地や河川沿いの緑が、今回市街地に現れたヒグマの通り道になった可能性があると佐藤教授は指摘します。

佐藤教授
「植樹によって生態系の豊かさを復元し、かつての姿を再生する目的で行ってきた。それが生物多様性の保全にも貢献する。そこにはクマも入ってくるようになった。そこまで想定されていなかったと思うが、そういう時代になってきた」
SDGsの視点でヒグマとの共生を
佐藤教授は、SDGsの複数の目標を両立させ、ヒグマと共生していくためには、「棲み分け」という考え方が重要だといいます。


(酪農学園大学 佐藤教授)

佐藤教授
「共生といっても市街地に出てくるヒグマと一緒に生きていくわけではない。森の中ではヒグマが生きていて、市街地や農地では人が優先に暮らす。そういう棲み分けを実現する必要がある」
ヒグマと人間が出会うことを未然に防ぐ対策を進め、市街地に出てしまうような危険な個体は駆除をする。そうしたヒグマの適切な「管理」を実現するためには、野生動物問題を専門とする人材の育成が急務だといいます。

佐藤教授
「ヒグマをはじめとした野生動物問題に取り組む“専門的人材”を行政のなかに配置するべきです。この問題に対処するためには、ヒグマの習性だけでなく、SDGsのようなグローバルな視点、各地域の事情などさまざまなことを理解していなければなりません。そうした人材を育てていくためには時間がかかります」
市民の力で模索する共生
待ったなしの状況のなかで、人とヒグマの共生を目指し“できること”から始めている地域もあります。札幌市南区です。

札幌市のなかでもこの地域では、市街地のすぐ近くまでヒグマがすむ山林が迫り、近年、出没情報が相次いでいます。ここで、行われているのが「草刈り」「放棄された果樹の伐採」です。


(ボランティア、町内会の有志、札幌市の職員が川沿いのヤブを刈り取っている)

参加するのは、自治体職員やNPOの職員をはじめ、地域住民や大学生などさまざま。
ヒグマの食べ物となりうる果樹を伐採することでヒグマが民家に近づくことを防ぎ、河川敷のヤブを刈り取ることでヒグマの通り道をたつのが狙いです。

活動のきっかけを作ったエコ・ネットワーク代表・小川巌さん
「クマを恐れるだけではなく、われわれ人間の側が何をしたら考える番だと思っています。クマの通り道となるうる場所は他にもありますから、草刈りの活動が少しずつ広まっていくといいです」


取材を終えてー

当然ながら、ヒグマの習性が短い時間で変化することはありません。しかし、ここ数十年だけ見ても、私たち人間の社会が変化することで、両者の関係は大きく形を変えました。

佐藤教授は「いまやヒグマ対策でもSDGsというグローバルな視点は無視できない」と指摘しています。
一方で、地形、ヒグマの個体数、行政の担当者やハンターの人員など、ヒグマ対策に関わる状況は地域によってバラバラです。

時代の要請に応えながら、それぞれの地域に合った対応策を導き出す。そんな緻密で、実効性のある取り組みが今求められているのだと感じました。

(札幌拠点放送局 ディレクター 越村真至)

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年10月29日

チコちゃんと考える「地球温暖化」

環境問題について考えるNHK「地球のミライ」
今回からチコちゃんと一緒にシリーズで「地球温暖化」について考えます。

ーーー

なんでも知りたいチコちゃん(5さい)は、ある日、疑問を持ちました。
「ちきゅうおんだんかってなに?ちきゅうにいったいなにがおきているの?」
この素朴な疑問に、あなたは答えられますか・・・?

知らないでいると、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られますよ。
(「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ「ちきゅうおんだんかってなに?」より)





チコちゃんが「温暖化」に疑問を持ったのは、強力な台風が近づいてきたある日のことー。





地球の一大事に無関心な大人たちの姿を見て、チコちゃんが一言。









10月31日から、温暖化を食い止めるための重要な国連の会議「COP26」がイギリスで開幕します。
地球のミライでは、「チコちゃんに叱られる!」とコラボして、COP26の最新情報もお伝えしていきます。

インスタグラム「地球のミライ」(@nhk_sdgs) でも発信しています。ぜひ、ご覧ください。※NHKサイトを離れます

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年10月22日

私たちの地球温暖化対策 どのくらい効果が?

地球温暖化を研究する世界の専門家がまとめたIPCCの報告書について報じられた際、ネット上には、「大変なのは分かったけど、どうすれば?」「自分1人だけ頑張っても…」という声も。

「地球のミライ」にも「わたしたちにできることを具体的に書いて発信してほしい」という声をいただきました。

今回は、温暖化対策を「見える化」した最新の報告書などから、3つのポイントで考えます。

ポイント1☞私たちの温暖化対策を「見える化」 どのくらい効果が?
ポイント2☞衣服を「長く着る」ことの効果は?
ポイント3☞電気自動車の「カーシェア」広がる


ポイント1☞私たちの温暖化対策を「見える化」 どのくらい効果が?
国立環境研究所などによる研究が発表されました。
住宅や移動、食などに関する57の対策について、温室効果ガスをどのくらい減らす効果があるか、具体的な数値で示されています。
57すべての対策も今後掲載しますが、今回は上位20の対策について見ていきます。

詳しい記事はこちら↓
「57の温暖化対策 『見える化』してみた」

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住宅や移動、食などに関する対策のうち、効果の大きい20位までの対策を一覧で紹介します。







温暖化対策を取材している記者が、みずからの対策を「見える化」してみました。







ポイント2☞衣服を「長く着る」ことの効果は?

気軽に始められそうな温暖化対策のひとつが、衣服を「長く着ること」
大手アウトドア用品店では、期間限定で古着を販売。 そこには「必要ないモノは買わないで。」と大胆なキャッチコピーも。
ファッションの中心地と言われるイタリアでも、衣服を長く着てもらうための キャンペーンが広がり始めています!





「衣服を長く着る」取り組みを行った大手アウトドアメーカーのキャンペーンを取材すると・・・









さらに、ファッションの中心地といわれるイタリアで広がる「衣服を長く着る」取り組みを取材しました。





ポイント3☞電気自動車の「カーシェア」広がる

温暖化対策の中で効果が高いのが車に関するものですが、マイカーを買い替えるのはコスト面でハードルが高いように思えます。
そこで、紹介するのが電気自動車のカーシェア!今、広がりを見せているんです。





電気自動車のカーシェアが行われている現場に行ってみると・・・





カーシェアの利用者や、事業を行う企業に聞くと・・・



※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年10月15日

日本の宝を生かせ 森林から考える持続可能性

日本は国土の3分の2が森林に覆われた「森林国」。
持続可能な社会を実現するためには、森林資源を活用しながら森の豊かさを守っていかなければなりません。 そのキーワードの一つが”森林の循環”です。

おかえりモネ で見つけるSDGs
連続テレビ小説「おかえりモネ」では ”森林の循環”などSDGsの重要性を伝えるシーンが登場します。 その場面とは・・・





きっかけとなるのは、主人公・モネが祖父から山と海について教えてもらったことを思い出すこのシーン



さらに森を守るために必要な「キーワード」も登場します。それは・・・









知っていますか?日本の山の現状
いま日本の山に異変が起きていることをご存じでしょうか?
この10年、林業は成長を遂げてきましたが一方で、一部地域で一定の範囲にある木をすべて伐採する方法が広がっています。
再び植林されないまま放置されると、災害につながる可能性を指摘する専門家も…
(NHK「クローズアップ現代+」)より









皆伐が災害につながる可能性を指摘する専門家も…







持続可能性で注目「自伐型林業」
一方、持続可能で社会貢献が出来る!?と全国の中山間地で広がっているのが
「自伐(じばつ)型林業」といわれる林業です。

目指すのは次世代に山の資源を残すこと。効率最優先ではなく、山への負担を抑える伐採の方法を取り入れ、大雨でも崩れにくい作業道も整備しています。

「自伐型林業」に携わる人のなかには生活が一変、いままで持てなかった家族との時間を持つことができるようになったという人も。







丁寧な作業で、大雨にも耐えられるような作業道を作りました。





全国から担い手を集めるために持続的に働ける仕組みも導入。 グラフィックで解説します。









※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年10月8日

東京オリンピックで弁当など13万食が廃棄…もったいない!

10月は食品ロス削減月間です。日本の食品ロス量は600万トン(平成30年度推計値)で、
1人あたりにすると年間 約47kg。
これは、日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じ量。

食品ロスは、地球環境や持続可能性に配慮した運営が求められた東京オリンピックでも問題になりました。大会組織委員会は、13万食もの弁当などが廃棄されたことを発表したのです。
また、東京オリンピック・パラリンピックではボランティアのユニフォーム、少なくとも1万300人分が使われずに保管されたままになっていたり、新型コロナウイルス対策として用意していたマスクや医療用ガウンなど合わせて約500万円分が廃棄されていたことも明らかになりました…。







食品ロスの問題だけでなく、ボランティアのためのユニフォームが大量に余っていた問題も発覚…。









パラリンピックの聖火の燃料は生ゴミ!?
「持続可能性」がテーマになっている東京オリンピック・パラリンピック。食品ロスの問題はありましたが、前向きな取り組みもありました。
全国から880か所以上から集められた東京パラリンピックの聖火。そのうちの一つ、仙台市で行われた集火式では聖火の燃料に生ゴミなどの廃棄物から作られる「バイオガス」が使われていました。
そこには、東日本大震災をきっかけに再生可能エネルギーを広げていきたいと活動を続けてきた研究者の思いも。







「バイオガス」を使えるようにと、活動するきっかけとなったのは、2011年に発生した東日本大震災でした。







あなたの携帯電話がメダルに!?
東京オリンピック、パラリンピックで選手たちに贈られたメダルにも、持続可能性に配慮した取り組みがありました。実は、大会に必要な約5000個のメダル、すべてがリサイクル素材から作られたのです。
材料となったのは、携帯電話などの小型家電。2年間かけて全国から集めました。







活用されてこなかった都市鉱山から金などを回収してきました。





※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年9月29日

IPCC報告書を解説②地球温暖化で日本の気象は?

世界の科学者でつくる国連のIPCCが公表した地球温暖化に関する報告書。「地球のミライ」では、報告書の内容や日本の将来の気象についてイラストで解説しています。
(報告書の解説①温暖化の原因についてなどはこちら→https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/topic037.html
今回は、こちらの3つのポイントから考えます。

ポイント1☞地球温暖化で日本の気象は変化?
ポイント2☞ 日本の温暖化対策 経緯と課題は?
ポイント3☞ 温暖化対策 世界の動きと私たちにできることは?


ポイント1☞地球温暖化で日本の気象は変化?
地球温暖化によって、将来の日本の気象はどう変化するのでしょうか?
気象庁と文部科学省が行った猛暑日や大雨に関する予測の結果や、国立環境研究所の研究グループが行った海面水温についての将来予測を8枚のイラストで解説します。





温暖化が進むと、日本では35度以上になる日や非常に激しい雨の頻度が増加、海面水位があがり、高潮や高波による浸水被害のおそれも懸念されています。









10年後から30年後には、海面水温が異常な高温になることが頻発するとの解析もー。





ポイント2☞日本の温暖化対策は?
温室効果ガスの排出量が世界で5番目に多い日本。世界で対策が進む中、去年から、排出削減に向けた新たな目標を表明してきました。

💡温室効果ガス排出量 削減目標は?
💡再生可能エネルギーの割合は?
💡石炭火力発電については?
対策の概要を5枚のイラストにまとめました。











ポイント3☞世界の動きと私たちにできること
IPCCの報告書を受け、国連のグテーレス事務総長は、「これは人類に対する警鐘だ」としたうえで、「今、力を合わせれば破滅的な状況は回避できる」と直ちに行動することを強調しました。

💡国際社会の動きは?
💡私たちひとりひとりにできることは?
6枚にまとめました。









今世紀後半に、世界全体の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするために、わたしたちには何ができるのでしょうか。



記事はこちら↓
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210809/k10013191801000.html

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2021年9月24日

IPCC報告書 解説1 IPCCって?

8月、世界の科学者でつくる国連のIPCCは、地球温暖化に関する報告書を公表しました。SNS上で番組でIPCCの報告書を解説してほしいとの声をいただいていたので、「地球のミライ」では報告書の内容や日本の将来の気象について、グラフィックで解説することにしました。
2回に分けてお伝えしていきます。 今回、考えていくのはこちら3つのポイントです。

ポイント1☞IPCCの報告書の役割は?
ポイント2☞ 温暖化の原因は?
ポイント3☞ 温暖化が進むと・・・


IPCCってどんな組織?






では、そうした世界の研究者が出した最新の研究結果をもとに作られた報告書は、どんな役割を果たしているのでしょうか?





COP26での議論の“指針”になるという報告書。なぜIPCCの報告書は信頼されているのか?
報告書の執筆に携わった専門家に聞きました。




温暖化の原因は?
国連IPCCの最新報告書の特徴のひとつは、地球温暖化の原因が人間の活動によるもの初めて断定したことです。
なぜ、そう断定することになったのでしょうか?グラフを交えて解説します。





「温暖化が人間の活動によるもの」と初めて断定した理由のひとつに、人間活動がなければ説明がつかない世界平均気温の急激な変化があったことがあげられています。









「温暖化の原因は人間の活動によるもの」と断定された今回の報告書。実は、20年前から人間の活動による影響の可能性が指摘されてきました。



温暖化が進むと・・・
国連IPCCは、最新の報告書で、温暖化が進むほど熱波、大雨、干ばつ、熱帯低気圧といった「極端現象」の頻度や強さが増すと指摘しました。
今年も世界各地で、「極端な高温」が観測されましたが温暖化が進むと具体的には、どうなるのでしょうか?





温暖化が進むと、「極端な高温」や10年に1度の「大雨」が観測される頻度も高くなる可能性があると考えられています。









今回の報告書から私たちはどんなメッセージを受け取ればよいのでしょうか?



記事はこちら↓
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210809/k10013191801000.html

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2021年9月17日

私たちが輸入する食料 水に換算すると…?

1つの食品を輸入した際に、輸入国の資源がどれくらい節約されたかを水を指標として表す「バーチャルウォーター」
言いかえれば、食料の輸入は、形を変えて「水」を輸入していることと考えられます。 食料自給率が38%の日本が各国から輸入するバーチャルウォーターは、どのくらいになるのでしょうか・・・?

SDGsをグラフィックで解説していくシリーズ、3回目は私たちが輸入している食料の環境負荷について、2つのポイントから考えます。

ポイント1☞“バーチャルウォーター” 私たちが輸入する食料 水に換算すると?
ポイント2☞ ワインを1本飲むとスラムで使う水 何日分に?
ポイント1☞“バーチャルウォーター” 私たちが輸入する食料 水に換算すると?




そして、大量に「バーチャルウォーター」を輸入する食料は「牛肉」です。



世界中から食料を輸入している日本。
それを「バーチャルウォーター」に換算して見てみます。




専門家は、水の枯渇は世界規模の課題になると指摘します。



ポイント2☞ワインを1本飲むとスラムで使う水 何日分に?
世界有数のワインの産地 南アフリカ。大量の水を使って生産されるワインの輸出が続く一方で、深刻な水不足に陥っている住民もいます。
しこう品の消費の拡大も、「食料資源」の偏りを大きくする一因となっています。





ワイン1本で650リットル。その量が、何日分の水にあたるかというと・・・・



一方、ため池に大量の「水」を確保する企業もあります。





専門家は、水をめぐる現状に危機感を募らせています。



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クロ現+
2021年9月15日

目指せ!持続可能な林業 注目の「自伐型林業」とは?

全国の中山間地で広がりを見せているのが、「自伐型林業(じばつがたりんぎょう)」と呼ばれる林業です。
持続可能で社会貢献もできる!?と注目される「自伐型林業」についてご紹介します。
(クローズアップ現代+取材班)

「自伐型林業」特徴は・・・

①対象区画の木をすべて切る「皆伐」ではなく、将来、残したい木を決めて、その支障となる木を間引く「間伐」を長期に渡って繰り返す。「間伐」により残した木の品質は上がり、高く売れるようになるため、将来の山の価値も高まる。
「壊れにくい作業道」の整備も行うなど、山へのダメージを最小限に抑え、災害の起きにくい山づくりにもなる。


NPO「自伐型林業推進協会」によると、自伐型林業は、日本では54の自治体が支援していて、山を持っていなくても、林業を始める若者や移住者が増えているそうです。
個人や少人数で山を持ち、生計を立てるケースもあるそうです。
また、間伐によって一度に伐採する面積を一定以下に抑えられることで、自然環境を守ることにもつながります。自然の中でほどほどに稼ぎながら、環境保護にも貢献できる。環境への意識が高いといわれる今の若者の価値観にマッチした働き方であるとも言われています。

自治体が行っている林業講座



自伐型林業の実践者はいま全国で推定2500人(NPO「自伐型林業推進協会」調べ)。
どんな思いを持って取り組んでいるのか。作業の現場を見せてもらいました。

自伐型林業=100年ものの盆栽!?
大谷訓大さん
「美しいものは長く残ると思うんですよ。なので、美しいものを長くつくっていきたい。
木の配置であったり、道の路線の曲線であったりだとか、そういうものが山になじんでくれば、人工林がつくりだす景観美みたいなものができあがるんじゃないかな。」


こう話すのは、生まれ育った鳥取県・智頭町で、自伐型林業に取り組む大谷訓大さん(39歳)です。
きれいに枝打ちされ、まっすぐな幹が整然と立ち並ぶ杉林。自伐型林業の特徴のひとつ「間伐」を丁寧に繰り返してつくりあげた大谷さんの作品です。



大谷訓大さん
「100年、200年と残るような木を育てていきたいというところで、一番最初に、残す木を決めます。」


美しい森をつくるため、意識するのは、切る木ではなく、次世代に残すべき質の高い木を見極めること
太陽を目指してしっかり枝をつけている幹や、均一で傷がない樹皮をもつ「素直で生命力のある木」が良い木だといいます。 別の木に圧迫されて曲がっていたり、「カン割れ」と呼ばれる傷が入っている「生存競争に負けた木」を切ることで、残した良木がより大きく育っていく。 自伐型林業には、幹に対して醜い枝を切っていく盆栽のような美学があるのです。

大谷訓大さん
「丁寧に間伐された木の配置だったりとか、それに下草が、緑が覆い茂って。動物とか虫たちが生物多様性としてあるという。
そういうものが美しさだと思うので。で、美しいものには資産価値がある。我々は、その資産を高めるための作業をしているっていうところです。」


地域を守る「壊れにくい道」
滝川景伍さん
「できるだけ山を壊さずに、ここに道があるおかげで砂防になるような、砂防効果があるような道づくりをしたいですね。」


砂状の地層が積み重なり、貴重な化石が出土することでも知られる高知県・佐川町。
滝川景伍さん(37歳)は7年前、この町に移住してきました。
林業には欠かせない作業道づくり。崩れやすい山に最初は四苦八苦しましたが、先輩の林業従事者に、「壊れにくい道」をつくる技を教わったといいます。



滝川景伍さん
「(法面の切り高は)大体1.5メートルぐらい。僕170センチなので、これぐらいですよね。これぐらいまでにすると、これ以上崩れてこない。 何でかっていうと、ここ根っこが覆ってくれるんですよ。そうなると(地盤が)強くなる。高すぎると、根っこが届かなくなってしまうので。」


土を切り取る際は、法面を斜めではなく直角にすることもポイントだといいます。こうすることで、水や空気が抜け、崩れにくくなるそうです。
道幅も小型の重機がやっと通れる程度に留めます。何重もの緻密な計算を施した作業道。下手な道のつけ方をすれば、大きな災害につながりかねない。 そんな緊張感をもって、山と向き合っているのです。

滝川景伍さん
「やっぱ自分も地域に住んでるので、防災とか減災に一役買ってるっていう反面、そういう(土砂災害が)すぐに出た時に対処できないと、こちらの信用問題というか、同じ地域の人に良く思われなくなってしまうので、 そこはちゃんとこまめにメンテナンスしたいなと思っています。」


丁寧な間伐や作業道づくりの工程からは、山の価値を高めながら、災害からも地域を守るという自伐型林業の奥深さが見えてきます。 従事者たちは、こうしたことを10年周期で繰り返し、100年、200年先の山をつくっているのです。

一方で、林業の未来を支えるのは、男性だけではありません。 いま全国各地で「林業女子」が増えているというのです。

半数は林業関連職 林業女子たち
日曜日の朝。オンラインで集まっているのは、森林率・全国1位(84%)の高知県に住む林業女子たちです。メンバーは、10~60代のおよそ40人。
このうち半数は、林業に関わる仕事をしているといいます。
この日も、林業に携わる女性を研究しているという大学教員や木材生産の補助金を管轄しているという県庁職員、木材卸しの会社で丸太を売買している人など、多彩な顔ぶれが集合。「現場の本音」「働きやすい林業」といったお題で、定期的なトークイベントなどを開催しているそうです。

オンラインで参加する大学生


ちょうどこれからが本格的に進路を決める時期と話す大学2年生はー

「林業といっても色々な仕事があります。すごく迷っているんですが、自然に囲まれてやる仕事がいいなと思うので、現場職に行きたいなと思っています」


また、最近、県外からUターンしてきたという女性は、実家が山林を所有しているといいます。

「今の時代すごい管理が大変で、お金もかかってしまう。せっかくつけた道が、ちょっとした雨で潰れたというのはよく聞いていた。 昔は手放してしまえと心の中で思ったこともあったんですけど(笑)、高知で育っているので、森林あってこそ。絶対大変だとは思うんですけど、少しずつでも管理に関わっていきたいと思うようになった」



林業女子会のHPより



林業女子会は11年前、京都で生まれました。
立ち上げたのは当時、大学院で森林科学を学んでいた井上有加さん(34歳)。 今は夫と一緒に、木造住宅をつくる会社を経営しています。
京都から始まった会は、その後、自然発生的に各地に波及。 今では海外を含む25か所にグループがあり、それぞれに10~20人のメンバーがいるそうです。

井上さん(真ん中)



井上さんは、こうした盛り上がりを「SNSによって、林業に興味をもつ人たちがつながりやすくなった」と肯定的に捉える一方、「SNSで可視化されるようになっただけで、統計的には(11年前と比べて)林業に興味のある人が増えているわけではないのかな」と、冷静に分析しています。

いま、これまで林業女子会がなかった2つの県で、新たに立ち上げの動きが進んでいるといいます。 100年、200年先を見据える林業のように、「ゆる~く、なが~くやっていきたい。」と井上さんは話していました。

井上有加さん
「メンバーにはもうZ世代の子もいる。いろんな才能を持った女性が林業に関わっていけるように発掘していきたい。」


〈リンク〉
■林業を始めるための詳細マニュアル
→「自伐型林業の手引き 小さな林業で稼ぐ」 作成:ふくおか自伐型林業経営研究会
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/jibatsu.html

■林野庁の給付金制度
→緑の青年就業準備給付金事業
https://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/koyou/03.html
問合せ先 林政部経営課林業労働・経営対策室・林業事業体育成班
ダイヤルイン:03-3502-1629

■NPO法人 自伐型林業推進協会
https://zibatsu.jp/

■林業女子会ポータルサイト
https://forestrygirls.wixsite.com/portal

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年9月10日

肉の大量消費が水不足の原因に⁉

私たちが出しているプラスチックごみ、本当にリサイクルされている・・・?
私たちが大量に肉を消費することと、水不足には関係がある・・・?

いま起きている環境問題は、どこかで私たちとつながっています。

SDGsをグラフィックでわかりやすく解説していくシリーズ、2回目は、私たちが食べているについて。
2つのポイントから考えます。

ポイント1☞ 私たちの肉の大量消費が水不足を引き起こす?
ポイント2☞ 日本でも広がり始めた”人工肉“
私たちの肉の大量消費が水不足を引き起こす?

SDGsの目標6は、「安全な水とトイレを世界中に」です。
ところが、今、全世界で地下水の枯渇が進んでいます。 その一因と考えられているのが、
肉の大量消費です。 なぜ、肉と水不足が関係するのでしょうか?

6枚のグラフィックにまとめました。











日本でも広がり始めた”人工肉“

欧米で広がっている人工肉
日本でも、ハンバーガー店やカフェなどで目にするようになってきました。
アメリカ・シリコンバレーの会社が開発した人工肉は、肉汁も再現!
環境への負荷も大幅に減らせるといいます。

4枚のグラフィックにまとめました。







みなさんは、環境への負荷を考えて、食生活で何か気をつけていることはありますか?
ぜひ、コメントで教えてください。

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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年9月3日

持続可能な世界のため“健康にも地球にも優しい食事”とは?

私たちが出しているプラスチックごみが、外国で火事の原因となっている・・・?
世界の飢餓の原因は、私たちの日々の食事と関係がある・・・?

いま起きている環境問題は、どこかで私たちとつながっています。
問題を「ひと事」にせず、一緒に考えていければと、
SDGsをグラフィックでわかりやすく解説していくシリーズを始めることにしました。

1回目は、私たちに欠かせない食料についてです。
2つのポイントから考えていきます。

ポイント1☞ 8億人が飢餓状態 原因は私たちに?
ポイント2☞“健康にも地球にも優しい食事”とは?
8億人が飢餓状態 原因は私たちに?

SDGsの目標2「飢餓をゼロに」です。
しかし、8億もの人々が飢餓状態にあるとみられ、国連が「飢餓のパンデミック」と警鐘を鳴らす危機となっています。
食料は十分に生産されているのに、なぜ「飢餓のパンデミック」が起こるのでしょうか・・・?

その原因は、私たちにも関係がありました。
6枚のグラフィックで解説します。













“健康にも地球にも優しい食事”って?


持続可能な世界を築いていくため、今、食料システムを根底から見直そうという動きが始まっています。

注目を集めているのが、食料問題に取り組むEAT財団が発表した
「地球を守りながら100億人を健康的に養える食事」です。

持続可能な食事の姿とはどういうものなのか。
4枚のグラフィックにまとめました。









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2021年8月20日

脱炭素先進国・オーストリアと比べてみた!日本と何が違うの?

レジ袋有料化が昨年7月に始まり、1年が過ぎました。
ことし8月からは大手コンビニの一部店舗で、使い捨てスプーンを木製のものへ試験的に切り替えるなど、身近なところでの環境対策が進んでいます。
一方で、「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」が政府目標になる中、他国と比べて日本の気候変動対策の遅れを指摘する声は少なくありません。
では具体的に、海外と日本で何が違うのでしょうか。
積極的に脱炭素政策を実施する国の一つ、オーストリアと比べてみました。
現地在住の有識者や日本人が知る、オーストリアの現状とは?
(地球のミライ 取材班 ディレクター 捧詠一)


オーストリアの人口は約880万人

‟脱炭素競争“での先駆けを目指すオーストリア
ヨーロッパ中部に位置し、北海道とほぼ同じ国土面積を有するオーストリア。
首都ウィーンは音楽の都として知られ、日本とは音楽分野での交流が活発です。

世界の先進国の首脳が近年、「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を次々と宣言する中、オーストリアはより野心的な目標を掲げています。
それは、「2040年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」「2030年までに国内で生産される電力をすべて再生可能エネルギーで賄う」というもの。
オーストリアの環境相は、「欧州で100%再生可能電力を生産する先駆者となる」と強調しています。

日本の現状からすると、そんなことが可能なのかと驚く気持ちもありますが、オーストリアでは既に具体的な達成の道筋を描いています。


オーストリアで生まれ育ったデアシュミットさん



ジェトロ・ウィーン事務所にて、20年以上にわたりエネルギー政策について調査・分析を続けるエッカート・デアシュミットさん。
オーストリアでは、再生可能エネルギーを活用する土壌が長年かけて培われてきたといいます。


デアシュミットさん
第二次世界大戦で甚大な被害を受け、早期の復興を余儀なくされたオーストリアでは、必要なエネルギーを得るために、国内の豊かな自然に目を向けました。
国土の地勢を生かした水力発電に力を入れる政策が打ち出されたのです。

オーストリアのエネルギー政策の大きな特徴は、なんといっても水力発電の割合の高さ。 発電電力量の57.9%を水力発電が占めており、その結果、再生可能エネルギーの割合77%に上ります。
日本の水力発電量は全体の7.8%。再生可能エネルギーの割合は18.1%
無論、全体の発電量にも差があるので単純比較はできませんが(オーストリアの年間発電量650億kWh、日本の年間発電量10238億kWh)、水力発電に頼る度合いの差を実感します。



オーストリアにはアルプス山脈が広がり、国土の実に3分の2を急しゅんな山岳地帯が占めています。
さらに、ドナウ川をはじめとした豊かな河川が数多くあるため、川の流れを生かした水力発電を重視した施策が長年続けられてきました。 国内には3,000か所を超える水力発電所があり、得られた電力は国内消費だけでなく、他国に輸出もしています。

協議を重ね模索しながら “脱炭素“への道を歩み続ける
長年かけ、自然に頼った発電を強化させてきたオーストリアですが、過去には原子力発電導入を進めようとした時期もありました。
国内での発電量を早期に増やそうとしたためです。国内初の原子力発電所建設が開始されたのは、1972年のこと。

しかし、原子力発電に対する懸念が次第に広がり、1978年に発電所稼働の是非を巡って国民投票が行われます。結果は反対が多数を占め、以来、脱原発の政策が続けられています。

再生可能エネルギーへの完全移行も、順風満帆というわけではありません。
数多くの水力発電所を建設した結果、これ以上の建設は環境への負荷が大きすぎるとして、別の再生可能エネルギーを増やす方向へと舵を切っています。
特に太陽光発電については、市民からの投資も奨励する形で積極的に建設が行われ、発電量を大幅に増やす政策が進められています。




デアシュミットさん
オーストリアは、脱原発を徹底してきました。
放射性廃棄物の処理問題や安全性への不安が国民の間で大きかったからです。
一方で日本は、福島第一原子力発電所の事故を経験したにも関わらず、今もエネルギー政策の中に原子力発電が含まれています。オーストリアに暮らす私たちから見ると、理解に苦しむところです。 持続可能な脱炭素社会構築を見据えた長期的なプランを、妥協せず選び取ることが必要ではないでしょうか

現地で暮らす日本人にはどう見える?
オーストリアで生まれ育ったデアシュミットさんに、オーストリアの脱炭素事情を伺いましたが、日本人の視点からはどう映るのでしょうか。
オーストリア・ウィーンに移り住んで10年になる、飯野福哉さんに話を伺いました。


国際連合工業開発機関(UNIDO)で働き、開発途上国の産業開発を支援する飯野福哉さん



オーストリアでは街中を歩くと、気候変動に対する配慮を至る所で目にするといいます。
例えば、スーパーへ買い物に行ったとき。
積まれた果物や野菜を手にとり買い物カゴに入れる際、備えつけのビニール袋に入れますが、素材は自然に還りやすいとされる生分解性プラスチックです。

また、日本では昨年7月からレジ袋が有料化されましたが、オーストリアでは既に5年前から主要スーパー・小売りチェーンが自主的にレジ袋有料化を開始。
そして昨年からは生分解性以外のプラスチック袋の使用自体が法律で禁止されました。


スーパーに並ぶのは紙製の有料レジ袋



飯野さんは2年前からプラグインハイブリッド車を利用していますが、購入にあたっては政府から減税措置を受けることができました。街を走ると充電ステーションが各地に配備され、‟充電難民“になることはありません。






飯野さん
ウィーンでは、普段から「環境負荷が高いことはできるだけ避けよう」という空気を感じます。政治でも争点になりやすいですね。
環境配慮に関して、どのような政策を考えているのか。
選挙での当落にも大きく関わってきますので、政治家も熟慮していると感じます。


海外では声を上げるのが当たり前 ぜひ議論・行動を!

2019年にデモに参加したジョジィさん(右から2人目)



飯野さんの娘・ジョジィさんは高校2年生。これまでに何度か学校を休み、政府に気候変動対策を訴えるストライキを行ってきました。
「学校には欠席連絡をしているのだろうか」と単純な疑問が湧いたのですが、ジョジイさんが学校に相談したところ、むしろ「ストライキを勧められた」そうです。


飯野さん
ストライキをすることで、環境問題について深く考える機会になる。政治について学ぶきっかけになる。そういった前向きな視点で、学校から「金曜日に学校を休んでストライキをしてみてください」と言われたそうです。
学校が休むように言うなんて、ちょっとびっくりしますよね。


さまざまな分野について議論し、意見発信することを尊重する教育現場。
そうした土壌があるため、地球環境が危機的状況にあることがわかれば、積極的に声を上げ、社会全体が持続可能な方向へと舵を切っていく。
社会をよりよくするために「声を上げるのが当たり前」であり、それを受け止める文化がある。 飯野さんは、日本に暮らす人々も臆することなく、「声を上げる」ことに積極的になるべきと感じています。

気候変動対策強化を求め声をあげる若者たち(今年6月10日)
全国122か所で同様のアクションが行われた




飯野さん
日本は声を上げる人を奇異な目で見がちではないでしょうか。
でもそれでは変化は生まれません。
よりよい社会のイメージが掴めているのであれば、実現のために動くべきです。 実際に行動に移している人々が世界にはたくさんいます。

ためらっていては、海外との差は開く一方で、取り返しがつかなくなる恐れもあります。 日本は道筋が定まれば、実行力は高いと海外から見て感じます。
実現性あるロードマップを早期に固めれば、活路は開けるはずです。

国土の地勢を生かした再生可能エネルギー政策を長年かけて取り組み、ライフスタイルも積極的に変えていくことで、早期の脱炭素化を実現させようとするオーストリア。

2030年、そして2040年、2050年を見据え、目指すべき社会にするために声を上げ行動する。
日本政府も温室効果ガス排出の削減量を分野ごとに試算する中、海外から学ぶべき事例を間髪を入れずに実行するスピード感が求められているのではないでしょうか。
あなたはどう思いますか?

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年8月20日

「地球のミライ」 インスタグラムでも発信中です

地球のミライ🌏ではこれまで記事や動画を通じて、地球環境を守るために私たちに何ができるのか、みなさんと考えてきました。
今回、もっと多くの方にこの問題を知ってもらいたいと思い、インスタグラムのアカウント@nhk_sdgs (※NHKサイトを離れます)を新たに開設しました。
NHKの番組で取り上げた環境やSDGsの情報を、写真やグラフィックでご紹介していきます。

世界の動き編はこちら↓
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/topic025.html


\好きな人と好きな場所で暮らしたい③地方で暮らす同性カップルの悩み/

地球のミライでは今、#BeyondGender とコラボして、ジェンダーやLGBTQ+のことについても発信しています。
LGBTQ+の人たちの居場所作りをしている松中権さんによると、①で紹介したカップルのように、「周囲にオープンにしにくい」という地方に暮らす同性カップルはたくさんいるそう。

みんなが暮らしやすい社会にするため、松中さんは、「制度」と「風土」両方が必要だと指摘します。
(NHK「バリバラ」から)
「バリバラ」はEテレで毎週木曜 午後8時~放送中(再放送は毎週日曜午前0時・土曜深夜)















\好きな人と好きな場所で暮らしたい②地域に溶け込む男性カップル/

地球のミライでは今、#BeyondGender とコラボして、ジェンダーやLGBTQ+のことについて発信しています。
三重県伊賀市に移住した男性カップル。周囲にカップルであることをオープンにし、地域のイベントなどにも積極的に参加しています。
2人が関係をオープンにしようと思った決め手となったのは…?
(NHK「バリバラ」から)






















\好きな人と好きな場所で暮らしたい①ふるさとで暮らす女性カップル/

SDGsの理念は、「誰一人取り残さない」ことです。
「好きな人と好きな場所で暮らしたい」。そんなシンプルな望みが同性カップルにとっては、難しい場合も…。

ふるさとで暮らす女性カップルは、周囲にカップルであることをオープンにせずに暮らしています。それは、過去に苦い思い出があるからでした。
(NHK「バリバラ」から)


















\LGBTsのわたし③性別による“壁”/

島根県の小さな集落で暮らす藤彌葵実さん。
藤彌さんは、性別で区別されることに違和感があり、恋愛感情もない、LGBTsの「s」の1人です。
かつて隣の家が火事になった経験があり、現場で役立ちたいとの思いから消防団に入ります。

しかし、そこで男女による役割の“壁”にぶつかりました。
(NHK「目撃!にっぽん」より)



















\LGBTsのわたし②小さな集落で始めた新しい生き方/

島根県の小さな集落で暮らす藤彌葵実さん。藤彌さんは、LGBTsの多様な性を表す「s」。
性別で区別されることに違和感があり、恋愛感情もありません。

東京から移住し、地元の活動に積極的に参加。そうしたなかで次第に地域に溶け込んでいきました。
しかし、ある日、藤彌さんが地元の人に、LGBTsであることをカミングアウトするとー。
(NHK「目撃!にっぽん」より)






















\LGBTsのわたし①都会で感じた生きづらさ/

今回は、「LGBT」という4つの定義ではくくれない性、「s」について考えます。
「女性、男性という性別で区別されることに違和感があり、恋愛感情もない」、
LGBTsの「s」の1人、藤彌葵実さん。

藤彌さんは社会人になって東京から島根県の小さな集落へ移り住みました。その地域では、「女性は結婚して、子を産み育てる」考えが根強く残っています。
藤彌さんは何を感じながら暮らしているのか、3回シリーズでお伝えします。
(NHK「目撃!にっぽん」より)


















\誰もが安心して使えるトイレって?/

性別に関係なく、誰でも使えるトイレ、「オールジェンダートイレ」って知っていますか?実は今、日本でも公共の場でこうしたトイレの設置が増えているんです。

誰もが安心してトイレを使えるようになるためには、どうすればいいのか?
トランスジェンダーの人が直面するトイレの問題を、6月に放送したトランスジェンダーの主人公のドラマ『ファースト・デイ わたしはハナ!』から考えます。
主人公・ハナの日本語の吹き替えを担当したモデルなどで活躍する井手上漠さんにも話を聞きました。






















\“ありのままの自分”で生きられる社会へ/

SDGsの理念は、地球上の“誰一人取り残さない”こと。そのために重視されるのが「多様性」です。ジェンダーのことやLGBTQ+のことも注目されています。

NHKでは、誰もが“ありのままの自分”で生きられる社会になるように#BeyondGender プロジェクトを進めています。次回から、ジェンダーやLGBTQ+に関する投稿も発信していきます。

男らしさ・女らしさに縛られてない・・・? 性のあり方って・・・?
一緒に考えてみませんか?
(NHK「公共メディア通信」などから)







 








\東京五輪・パラで考える「多様性と調和」/

東京オリンピックの開会式で歌手のMISIAさんが性の多様性を象徴するレインボーカラーのドレスで、国歌を斉唱したことを覚えていますか?
そう、東京オリンピック・パラリンピックでテーマの1つに掲げられていたのが「多様性と調和」です。

東京オリンピックでは、性的マイノリティーであることを公表した選手は過去最高に(8月11日時点)。アメリカのスポーツ専用サイトによると、パラリンピックでも過去最高になりました。

また、東京五輪では人種差別などへの抗議をポーズで表明する選手などの姿も。 いままでにない大会となった東京大会、イラストで振り返ります。


















\【わたしの防災対策】今田美桜さん/

NHKが行っている「水害から命を守る」キャンペーンでは、連続テレビ小説「おかえりモネ」のキャストの皆さんに【わたしの防災対策】を紹介して頂いています。ぜひ参考にしてください!

=====
神野マリアンナ莉子 役、今田美桜 さんがやっておきたい対策は?
避難場所までの経路、みなさんも今すぐチェック!
▼動画 安全な避難対策
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/video/182.html

災害時は刻々と状況が変わります。避難場所までの経路を何パターンか考えておきましょう。




\大雨で避難するとき ここに注意!/

台風14号は18日午後、温帯低気圧に変わりましたが東日本と北日本を中心に大気の不安定な状態が続いています。局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあり、引き続き、注意・警戒が必要です。

災害に備える準備の時間、「リードタイム」を考慮して、必要な対策を進めてください。

=====
💡ハザードマップを見るときのポイント
💡歩いて避難するときの注意点
💡車で避難するときの注意点 をまとめました!

浸水が始まる前の早めの避難が大切です









\【わたしの防災対策】斉田季実治さん/

NHKが行っている「水害から命を守る」キャンペーンでは、連続テレビ小説「おかえりモネ」のキャストの皆さんに【わたしの防災対策】を紹介して頂いています。ぜひ参考にしてください!

=====
おかえりモネ の気象考証を担当、気象予報士・#斉田季実治 さんの対策は?

なにごとも、シミュレーションが大切ですね!

▼1分動画 地域で避難マップ作成
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/video/158.html




\ 【わたしの防災対策】高岡早紀さん/

NHKが行っている「水害から命を守る」キャンペーンでは、連続テレビ小説「おかえりモネ」のキャストの皆さんに【わたしの防災対策】を紹介して頂いています。ぜひ参考にしてください!

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おかえりモネ・高村沙都子 役、高岡早紀 さんがやっておきたい対策は?
みなさんも家族と一緒に、いざという時のこと、話してみてくださいね。

▼動画 マイ・タイムラインの作り方
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/video/150.html

=====

【連絡手段を複数決めておく】
災害時には、携帯がつながらないかも!家族と避難について話しあう際に、集合場所や時間・連絡手段を決めておくと安心です!




\「非常用持ち出し袋」の作り方/

台風14号の影響で、ふだん雨が少ない地域でも雨量が多くなるおそれがあります。災害に備える準備の時間、「リードタイム」を考慮して必要な対策を進めてください。

===== 非常用持ち出し袋は、3日の旅行に出かけるつもりで準備すると良いそうです。
作り方のポイントをまとめました。家族ひとりひとりにあわせてカスタマイズを!

▼動画 非常用持ち出し袋の作り方
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/video/334.html

▼水害から命を守るHP
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/








\【わたしの防災対策】西島秀俊さん/

NHKが行っている「水害から命を守る」キャンペーンでは、連続テレビ小説「おかえりモネ」のキャストの皆さんに【わたしの防災対策】を紹介して頂いています。ぜひ参考にしてください!

気象予報士・朝岡覚 役の西島秀俊さんがやっておきたい対策はー
「非常用持ち出し袋を準備しておく」
いざという時に自分が必要な物を考えておきたいですね。




\兵士との文通/

 あちこちのすずさん で考えるSDGs

今回、ご紹介するのは、#あちこちのすずさん に出演しているHey! Say! JUMPの伊野尾慧さんが心に残ったというエピソードです。
戦地に赴いていた兵士と文通をしていた溝渕栄美さん(95)。伊野尾さんは2年続けて溝渕さんを取材しました。

そこで見たのは、当時溝渕さんが兵士と文通していた手紙の現物です。溝渕さんが戦地でも笑えるようにと書いた日常の面白いエピソードに兵士が心を開いていく様子も。 しかし、終戦4か月前のはがきを最後に兵士の消息がわからなくなりました。
一度も会うことがなかった2人の物語です。

(NHK「#あちこちのすずさん」より)














\戦争直後の盆踊り/

あちこちのすずさん で考えるSDGs
日本の夏の風物詩 盆踊り。
今回のエピソードは、久保田幸子さんの終戦直後の盆踊りのエピソードです。幸子さんは、戦争で父を亡くし、終戦後、叔母夫婦の家で母と弟と5人で暮らしてきました。 仕事が見つからず、食べられるものを得ようと必死に生きる日々。

そんなある日、幸子さんは聞こえてきた音のほうに行くと、10人以上が盆踊りを踊る姿がありました。誘われるがままに、幸子さんも日常を忘れて、踊りの輪に加わっていました。

幸子さんは、「いつかどこかに希望があることを信じていたい」とせつに願っていたといいます。

(NHK「#あちこちのすずさん」より)


















\戦争中の美容院/

あちこちのすずさん で考えるSDGs
「おしゃれがしたい」と願う人たちは、戦争中にもいました。投稿を寄せてくれたのは、 大塚良江さん(84)。良江さんのお母さんは、戦争中、パーマのお店を開いていました。
「空襲がくる」と避難しても警報が解けると、お店の前にはお客さんの列がー。

実は、お客さんにとって美容院は思いを吐き出す場でもあったのです。

(NHK「#あちこちのすずさん」より)


















\戦争でなくした右足 義足で生きる/

あちこちのすずさん で考えるSDGs

今回、ご紹介するのは、戦争で右足を失った浅井ます代さん(93)のエピソードです。 明るくて、活発だったます代さん。学校では休み時間になるたびに 友だちと歌ったり、踊ったりしていました。
しかし、空襲によりそんな日常が奪われます。親しい友人は亡くなり、 自身の右足も失いました。

「死んだ方がまし」と思い詰めていたます代さん。そんなます代さんに生きる希望を もたらすことになったのが義足を作ってくれた職人との出会いでした。

(NHK「#あちこちのすずさん」より)


















\戦時中は英語が禁止に…/

あちこちのすずさん で考えるSDGs。いま、英語が使えないとしたらあなたはどうしますか?いまでこそ、当たり前のように使われている英語ですが太平洋戦争中、「敵性語」として、排斥する動きが広がり、自主的にその使用が規制されていきました。

今回は、そんななかでも、英語を学びたいと勉強し続けた刀根雅江さん(90)のエピソードをご紹介。英語で勉強したアンデルセンの童話は、刀根さんの戦争中の「心の逃げ場」にもなっていました。

(NHK「#あちこちのすずさん」より)

NHK for School では、このエピソードを動画で掲載👀
https://www.nhk.or.jp/school/suzusan/movie/


















\ #あちこちのすずさん で考えるSDGs/

戦争を生き抜いた庶民の生活を描いた映画、『この世界の片隅に』(2016年製作/ 監督 片渕須直/原作 こうの史代)
NHKでは、映画の主人公「すずさん」のように、戦時中も毎日を懸命に暮らしていた人たちのエピソードをシェアする「 #あちこちのすずさん 」 プロジェクトを続けてきました。
あすからは、みなさんから寄せていただいたエピソードをイラストで紹介していきます。

SDGsの目標16は、「平和と公正をすべての人に」です。身近な「すずさん」たちと話をするなど平和について考えるきっかけになれば幸いです。










\ポトスと世界自然遺産の意外な関係!?/

先日、世界自然遺産に登録された沖縄島北部の「やんばる」🌳
実は、あなたが観葉植物として育てているポトスなど、身近な植物の中には「やんばる」にとっては、影響を与えかねない外来種もあります。

世界自然遺産の登録によって観光客が増えれば、訪れる人の服や靴に種などがくっついて外来種が運ばれてくる可能性があります。「やんばる」の自然を守るために私たちに出来ることを考えます。
クローズアップ現代プラス
「やんばる世界遺産へ 奇跡の森の光と影」
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4568/
















\沖縄「やんばる」 米軍の訓練場だった森に残るのは?/

世界自然遺産に登録された沖縄島北部の森「やんばる」 実は、世界遺産に推薦された森のうち、4割を占めるのが、5年前、米軍から返還された場所なんです。
返還地の森では、いまも暗い影が・・・。
米軍に関係すると思われる廃棄物が相次いで見つかっているのです。専門家は、「やんばるには、日本が抱える複雑な問題が凝縮されている」といいます。

クローズアップ現代プラス
「やんばる世界遺産へ 奇跡の森の光と影」

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4568/


















\「やんばる」が世界自然遺産に登録決定!/

鹿児島県の奄美大島と徳之島、それに沖縄県の沖縄本島北部と西表島にある森林などが世界自然遺産に登録が決まりました。

沖縄島北部「やんばる」🌳には、この地域にしかいない生き物がたくさん!日本で最も美しいといわれるオキナワイシカワガエル、飛ばない鳥ヤンバルクイナなどの貴重な生き物。
そして、「やんばる」の生物多様性を支える独特の自然のメカニズムもご紹介。

クローズアップ現代プラス
「やんばる世界遺産へ 奇跡の森の光と影」もチェック👀
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4568/


















\♪「SDGsのうた」目標⑮♪/

SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標がどんなものかを伝える「SDGsのうた」。
きょうは、【目標15】「陸の豊かさも守ろう」です。
歌っているのは、神木隆之介 さんと二階堂ふみ さん!

 

\アメリカで広がる「使い捨てない」新ビジネス!/

リサイクル技術を次々に開発し、"ごみの王様"の異名をもつアメリカの起業家トム・ザッキーさん。国連の『世界を変えるリーダー賞(2012年) 』をはじめとする数々の賞を受賞してきました。
そんなザッキーさんがたどり着いたのは、「ごみという概念をなくすこと」。ザッキーさんが考案し、日本でもサービスが始まった「容器を使い捨てない」新しいビジネスの仕組みとは?

(NHKスペシャル「2030未来への分岐点」より)
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/topic026.html














\マレーシア連続火災 私たちのプラごみが 原因の一つになっている可能性も・・・?/

マレーシア北部のスンガイプタニという街で続いた火災。この火災、もしかしたら、私たちが捨てたプラスチックごみも一因となっている可能性があるんです。

先進国で出たプラスチックごみは、自国内では処理しきれず、世界中に流通・・・。しかし、「リサイクルがコストに合わない」と判断した業者が敷地内に放置し、火災につながるケースが後を絶ちません。

さらに、今回の取材で、日本からのプラスチックごみが、マレーシアで 大量に不法投棄されていることも明らかに。
分別して、適切に捨てたはずのごみが、地球のどこかで悪影響を及ぼしている可能性があるとわかったのです。
(NHKスペシャル「2030未来への分岐点」より)
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/topic019.html











\プラスチック汚染 私たちの体に影響も?/

夏といえば、海🌊ですが、このままでは、2050年には、魚の総重量よりも海中のプラスチックの重さが上回り、海が“プラスチックのスープ”のような状態になる可能性が・・・。
そして、海洋プラスチックが海の生き物たちだけでなく、回り回って私たちの体に影響が出ることも懸念されていて、プラスチックごみの削減が求められています。
(NHKスペシャル「2030未来への分岐点」より)
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/topic018.html

オーストラリア発祥の「プラスチックフリージュライ」という運動も広がっている7月。 みなさんは、プラスチックを減らすための取り組みどんなことをしていますか?












\♪「SDGsのうた」目標⑭♪/

SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標がどんなものかを伝える「SDGsのうた」。
きょうは、【目標14】「海の豊かさを守ろう」です。
歌っているのは、神木隆之介 さんと二階堂ふみ さん!

 

\環境分野の「ノーベル賞」23年ぶり受賞/

「環境分野のノーベル賞」とも呼ばれる「ゴールドマン環境賞」って知っていますか?
実は6月、23年ぶりに日本人が受賞したんです。

選ばれたのは、日本の環境NGOで20年以上活動する平田仁子さん。平田さんは、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電所の問題などを発信してきました。
受賞の理由として、平田さんの活動がきっかけとなり、2019年までに新設や増設が計画された石炭火力発電所50基のうち13基の計画が中止となったことや、金融機関の「脱石炭」につなげるため、株主提案を行ったこともあげられています。














\温暖化で水蒸気量が増加
専門家 “土砂災害のリスクは今後東日本で高まる”/

土砂災害のリスクについては、「今後、東日本で高まるのではないか」との専門家の指摘があります。
その理由は、温暖化によって大気中の「水蒸気の量」が増えているという解析結果にありました。











NHK「クローズアップ現代+」記事はこちら☟
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4566/index.html

\集中豪雨ではなくても土砂災害に注意/

7月3日に静岡県熱海市で起きた土石流。
災害から身を守るために知ってほしいことがあります。 短時間で局地的に降る集中豪雨だけでなく、「長雨蓄積型」の雨にも注意が必要だということです。

熱海市の現場付近では、激しい雨は降っていませんでしたが積算降水量でみると、わずか2日で400ミリを超え、平年の7月の1か月分にあたる量になっていました。














\♪「SDGsのうた」目標③♪/

SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標がどんなものかを伝える「SDGsのうた」 きょうは、【目標3】「すべての人に健康と福祉を」です。
歌っているのは、神木隆之介 さんと二階堂ふみ さん!







今回、目標1~3までのうたを紹介しましたが、17目標のうたがすべてそろうのは 10月ごろの予定です。

\♪「SDGsのうた」目標②♪/

SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標がどんなものかを伝える「SDGsのうた」
きょうは【目標2】「飢餓をゼロに」を紹介します。 歌っているのは、神木隆之介 さんと二階堂ふみ さん!ぜひ動画でご覧下さい!








\♪「SDGsのうた」ができました♪/

SDGs(持続可能な開発目標)には17の目標がありますが、それぞれの目標がどんなものかを紹介する「SDGsのうた」ができました♬
歌っているのは、神木隆之介 さんと二階堂ふみ さんです!
子ども向けの歌ですが、SDGsについてよりよく知るヒントになればと思います。

きょう紹介するのは【目標1】「貧困をなくそう」です。









詳しくは、NHK「ひろがれ!いろとりどり」HPをご覧下さい👀
https://www.nhk.or.jp/irotoridori/ https://www.nhk.or.jp/irotoridori/

\災害から大切な人を守るために/

雨の降り方が急激に強まり、短時間で状況が悪化することもあります。
あらかじめ「ハザードマップ」などを確認して危険が差し迫る前に避難するなど 早めの安全確保を心がけてください。

少しでも参考になればと、「災害から大切な人を守るためにできる7つのこと」をまとめました。離れている家族に、避難を呼びかける連絡をすることも、とても大事なことです。











▼動画はこちら☟
https://www.nhk.or.jp/d-garage-mov/movie/238-77.html
▼NHK「水害から命を守る」HP☟
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/

\温暖化による豪雨被害の増加を可視化/

大雨への警戒が欠かせない季節ですが、地球温暖化は豪雨被害をより深刻化させています。

温暖化によってどのくらい被害が拡大したのかー
NHKと気象庁、水害の専門家で独自に分析🔍

各地に甚大な被害をもたらした2019年の台風19号のケースでシミュレーションしました。
(NHKスペシャル「2030未来への分岐点」より)
















\日本各地で海藻が消えた・・・/

地球温暖化は、日本の海にも大きな影響が・・・
去年夏には、各地で観測史上最高の水温を記録。30℃を超えるところもありました。

水温上昇によっていま各地で起きているのが、「海藻が消える」という事態です・・・。
専門家は、「たかが海藻と思うかもしれないが、陸上でいえば、森林がなくなったのと 同じことが海で起きている」と生態系への影響を指摘します🐟🐙🐡
(NHK「ニュースウオッチ9」から)












\木の活用で脱炭素!/

樹齢50年以上が経過した「人工林」🌲
これを伐採して、若い木を植えなおすことが、二酸化炭素の吸収量を増やすことにつながることを前回の投稿でご紹介しました
今回ご紹介するのは、伐採した木材の使い道。木の使い道を広げようという取り組みです。

スギの木くずから取り出した新素材。
炭素繊維などと組み合わせれば、軽くて強度のある素材に
自動車🚗の外装や飛行機✈の翼での使用を目指して開発が進んでいます。
商品化されれば世界初!という木を原料にしたお酒🍶も。
(NHK「おはよう日本」より)









\なぜ?木を切ることで”脱炭素”/

『木🌲』は温暖化の原因となる二酸化炭素をたくさん吸収してくれる貴重な存在ー
なのですが、成長のピークをすぎると、その吸収量は年々減少してしまうんです。

日本には、人の手で植えられた『人工林』がたくさんありますが、その中の樹齢50年以上になる木を切り、新しい木に植え替えれば、二酸化炭素の吸収量を回復させることが できると言われているんです。

切った木がどんな風に活用されているのかについては、次回の投稿でご紹介!










\日本でも注目!ブルーカーボン/

「ブルーカーボン」知っていますか?
海草など海の植物が大量の二酸化炭素を吸収し、温暖化防止対策に役立つことがわかってきています。日本でもブルーカーボンを活用するための仕組み作りが始まっています。

福岡市では、博多湾の藻場を独自に調査。 二酸化炭素の吸収量を算出して企業などに販売しているんです。
そこで得られた利益は、海の植物を増やす資金にもなっています。
(NHK「国際報道2021」から)












\「プラスチック資源循環法」って?/

先日、「使い捨てプラスチック製スプーン有料化されるの!?」というタイトルの投稿で、 プラスチックについての新しい法律が「国会で審議中」とお伝えしました。
その新しい法律、「プラスチック資源循環法」が6月4日に成立しました
プラスチックごみを減らすとともに、回収やリサイクルを強化することが目的です。
どんな法律なの?何が変わるの?わたしたちに関わる部分を中心にまとめました!










\わたしたちができる5つのこと/

6月5日は「世界環境デー」。
環境保全についての関心と理解を深めるとともに積極的に保全活動を行う意欲を高める日です。日本では、この日を「環境の日」と定め、6月からの1か月間を「環境月間」としています。

「地球のミライ」 では国立環境研究所の 江守正多 さんに教えて頂いた「わたしたちができる5つのこと」を1つずつご紹介していきます。
記事はこちら↓
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0008/topic037.html

画像のビジュアル化&デザインは環境活動家でモデルの小野りりあん さんとデザイナーの 平山みな美 さんみなさんが担当しました。






\冨永愛さん 「応援する気持ちで服を買う」/

サステイナブルファッションを目指した新たな素材や新技術が開発されていますが、わたしたちにできることって、あるのでしょうか?
世界で活躍するモデルの #冨永愛 さんに伺うと、返ってきたのはシンプルな答えー

「自分の好きなブランドを応援する気持ちで服を買う」

サステイナブルファッションを進める最後のカギは、”わたしたち消費者”だと、冨永さんは話しました。
(「クローズアップ現代+」から)










\製造現場が激変!?進む技術革新/

「世界第2位の環境汚染産業」と国連から批判されたファッション業界が変わりつつあります.
たとえばデニムに使う綿糸。製造過程で大量のお湯と洗剤を使うのが当たり前とされてきました。

危機感を抱いた老舗の工場が“常識”を覆し、環境に優しく染める新技術を開発✨ お湯・洗剤ともに大幅に減らすことができ、「エコ染色」と世界でも高く評価されています
(「クローズアップ現代+」から)














\パリコレで高評価 ドレスの素材はなんと!?/

このカラフルなドレス、使われているのはポリエステルやナイロンとは違い石油をまったく使わない新素材「人工合成タンパク質素材」です。
開発のきっかけとなったのはーなんと、くもの糸!
しなやかで、しかも、鋼鉄のワイヤーをしのぐ強さがあると、世界中で研究が進んでいるんだそう。

サステイナブルファッションの最前線から、地球のミライを考えるヒントになる 情報をお届けします
(「クローズアップ現代+」から)














\プラスチックスプーン有料化!?その背景に…/

コンビニやお店でお弁当を持ち帰るときに「いらないな」と思ってもつい、アレをもらっていませんか?そう、無料でもらえる#プラスチックスプーン

プラスチックスプーンをめぐってはことし3月、小泉環境大臣がこう発言。

「無料・無条件で使い捨てプラスチックのスプーンやフォークが配られることもなくなっていく」

これがきっかけでネット上では「スプーンが有料化?」と話題になりました。
背景にあるのは、国会では審議中の「プラスチック資源循環促進法」その狙いとは?
環境省担当のNHK・岡本記者がわかりやすく解説します














\達人に学ぶ #zerowaste /

「zero waste」とはごみをゼロにすることを目指す考え方。#zerowaste を使って世界中でごみを減らす工夫が発信されています。
日本の達人、野村蘭さんの1週間のプラごみは驚きの少なさ!
プラごみを減らすことで出費も大幅に節約できたそう。い技をまとめました

そして、本が世界的ベストセラーになったアメリカの達人 ベア・ジョンソンさんは「変化は消費者にかかっている」と語ります。
(「あさイチ」から)


















\プラごみ処理 ポイントは?/

日本人が出すプラスチックごみはなんと 1人あたり年間32kg!「ステイホーム」でさらに急増しています。

▶きちんとリサイクルするには?
▶どこまで洗えばいい?
▶分別など「小さな努力」って意味あるの?

そんなモヤモヤに答えた「あさイチ」の放送内容をぎゅぎゅっとまとめました!


















\2100年 +4℃の“暗黒未来”!?/

もし有効な温暖化対策をしないで大量の二酸化炭素を排出し続けた場合、2100年には地球の平均気温は産業革命前と比べ+4℃になる可能性が。
もし+4℃となったらどんな未来が待ち受けているのでしょうか・・・? 地球温暖化について詳しくお伝えしたNHKスペシャル「2030未来への分岐点」では、 「こんな未来はイヤだ!」と叫んでしまうようなシミュレーション結果が・・・


















\なぜ進んだ?地球温暖化/

2020年の地球の平均気温は、産業革命前と比べ約1.2℃上昇。 昨日の投稿でもご紹介したように世界各地で異変も起きています。

地球温暖化研究の世界的権威、ヨハン・ロックストローム博士は「私たちは壊滅的な危機に直面し、緊急事態のまっただ中にいる」と警告します。 なぜ、こうした事態に陥ってしまったのか。
地球温暖化について詳しくお伝えしたNHKスペシャル「2030 未来への分岐点」から 知っておきたいポイントを投稿します。
















\地球は壊れている!?/

「地球は壊れているのです」
去年12月、国連のグテーレス事務総長は異例とも言える強い言葉で世界に訴えました。その背景には、山火事、大洪水・・・といった各地で起きる異常気象があります。

今、地球で何が起きているのか・・・。
世界が直面する気候危機についてお伝えしたNHKスペシャル「2030未来への分岐点」からぜひ知っておきたいポイントを投稿していきます。


















\NHK×若者 動画制作でコラボ!/

気候変動に対して「自分たちの未来を守りたい」と声を上げる若い世代のみなさん。
その真剣な声を聞き、NHKが一緒にできることはないかと考えました。
「気候危機を訴える動画📺を一緒に作りましょう!」と呼びかけると、6人の学生が参加してくれました。
(「首都圏情報ネタドリ!」から) 
















\北欧発!楽しいリサイクルって?/

「飲んだ後のペットボトルや缶がお金に!」
「古着のジーンズが、 おしゃれな●●に生まれ変わる!?」

そんなリサイクルの仕組みがあるのが、北欧・スウェーデン
50年前ほど前に『酸性雨』が大きな社会問題となり、そこから「環境を守ろう」という意識が人々の間に根付いていったそうです。
今では“リサイクル先進国”として世界のお手本といわれるようになりました👀

リサイクルをするのがちょっと楽しくなる、そんなスウェーデンの取り組みについて 在日大使館の方に聞きました💬
(「未来スイッチ」から)




















\2人の”脱プラ活動”が世界に拡大/

インドネシア・バリ島の海岸に散乱する大量のプラスチックごみ。
その様子に心を痛めたメラティ・ワイゼンさんは、妹・イザベルさんとともに、 「バイバイ プラスチックバッグ」キャンペーンを開始。
プラスチックのレジ袋の使用禁止を求めて、10万人分の署名を集めました。

その結果、バリ島ではレジ袋、ストロー、食品容器などの使い捨てプラスチック製品が禁止になりました。
2人の活動の輪はネットを通じて世界中に広がり、29か国・50団体が賛同し、仲間になっています。
( (NHKスペシャル「2030未来への分岐点」から)
















\大型連休はクイズで環境問題を学ぼう⑥/








\大型連休はクイズで環境問題を学ぼう⑤/







今週は、「クイズで環境問題を学ぼう」と題してことし2月に放送した「未来王2030」からクイズを出題しています。
きょうの問題はこちら!

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【問題】
「人間が海に捨てた網などの『釣り具』。それに魚が捕らえられてしまう現象を 何というでしょうか?」(ヒント『○○フィッシング』)
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ちなみに、クイズを出題したフィッシャーズのみなさんは、この番組の中で、“昆虫食”について体当たりリポート!
”昆虫食”は、養殖時に温室効果ガスを出しにくく「地球に優しい」と注目されているんです。


\大型連休はクイズで環境問題を学ぼう④/







連休が終わったという方も、まだお休みという方も、今週はクイズで環境問題を学んでみませんか?
ことし2月に放送したクイズやゲームで環境問題を学ぶ番組「未来王2030」
番組には、NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」でナビゲーターをつとめた森七菜さんもスペシャルゲストとして出演し、クイズを出題しました。
その問題がこちら!

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【問題】
「海の中のプラスチックごみの量(重さ)は2050年には『あるもの』を上回ると予測されています。それは何でしょうか?」
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\大型連休はクイズで環境問題を学ぼう③/







外出が難しい大型連休・・・。クイズで環境問題を学んでみませんか?
ことし2月に放送したクイズやゲームで環境問題を学ぶ番組「未来王2030」
番組には、ローラさんもスペシャルゲストとして出演し、クイズを出題しました。
きょうの問題はこちら!

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【問題】
「地球上で1分間に失われる森林の面積はサッカーコート何面分でしょうか?」
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\大型連休はクイズで環境問題を学ぼう②/







外出が難しい大型連休・・・。クイズで環境問題を学んでみませんか?
ことし2月に放送したクイズやゲームで環境問題を学ぶ番組「未来王2030」
13~24歳の若者たちが集まり人類と地球の未来を救うリーダー“未来王”の称号をかけクイズに挑戦しました。
きょうは「未来王2030」MCの田村淳さん(ロンドンブーツ1号2号)からクイズを出題!

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【問題】
「温暖化の影響でひと冬に日本全国に降る雪の量は増える?減る?」
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\大型連休はクイズで環境問題を学ぼう①/





外出が難しい大型連休・・・。クイズで環境問題を学んでみませんか?
ということで今週は、毎日クイズを出題していきます💡
きょうは、未来リナさんからの出題!

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【問題】
「日本の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は約何%(2019年度)でしょうか?」
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\Climate Live Japanリポート②/

Climate Live Japanでは、音楽ライブの合間に気候変動について学ぶトークセッションも行われました。
アクションの大切さを伝えるセッションではモデルの長谷川ミラさんやこのインスタでおなじみの未来リナさんも登壇!
リナさんのコメントは、「1人が100アクションを背負うのではなく 100人が1つずつ行えば大きな変化が起きるのでは」










\Climate Live Japanリポート①/

「気候変動対策の必要性を音楽で訴えたい」
4月24日に世界で同時開催されたClimate Live。高校生・大学生たちが主催して、 日本で行われたライブの様子をリポートします。
学生たちに共感してライブに出演した一青窈さんやermhoiさんのコメントも!









このイベントの様子は「首都圏情報ネタドリ」で放送予定です。


\『46%』では不十分?/

対策が待ったなし地球温暖化。
日本が新たに打ち出した温室効果ガスの削減目標は『46%』。
従来の目標から大幅に引き上げましたが、気候危機を訴えてきた若者たちからは、「46%では不十分」とさらなる引き上げを求める声も。
若者たちの訴え、専門家の見解を取材しました。
















\みんなでアクションwith 未来リナさん/

渋谷のNHKプラスクロスで開催された環境問題の企画展「2030 あなたはどうする?」では、【今日からアクションクリップ】というコーナーで、わたしたちにできるさまざまなアクションが紹介されました。

ふだんから、🌎再生紙を使う、🌎マイボトルを持ち歩くなど、小さなアクションを積み重ねるように心がけているという、モデルの未来リナさん。
パネルの中で、さらにやってみたいと思ったことは・・・?












\未来リナさんがNHKステラに📖/

渋谷のNHKプラスクロスで開催された環境問題の企画展「2030 あなたはどうする?」
未来リナさんが企画展を訪れたリポートとインタビューがNHKウイークリーステラ 5/7号で記事になりました!小さくて見えにくいですが雰囲気をご紹介しますね。





緊急事態宣言に伴う施設の臨時休業で企画展は終了となってしまったのですが、 NHKプラスクロスのHPでも展示内容を見ることができます!
https://www.nhk.or.jp/plusx/event/2030sdgs/


\with未来リナさん データで学ぶ地球環境🌏/

渋谷のNHKプラスクロスで開催された環境問題の企画展「2030 あなたはどうする?」を今月上旬、モデルの未来リナさんが訪問!

その後、緊急事態宣言が出て施設が臨時休業となり企画展は終了してしまったのですが、「行きたかった~」という方のために展示内容の一部をご紹介していきます。

きょうのテーマは「データで学ぶ地球環境」。
さまざまな数字のなかで、リナさんが、特に気になったのは・・・?











「NHKプラスクロス」のHPでも展示内容を見ることができます!
もっと知りたい方は、ぜひチェックしてみて下さい。 https://www.nhk.or.jp/plusx/event/2030sdgs/

\温室効果ガスの新たな削減目標/

アメリカのバイデン大統領の主催で4月22日から行われている「気候変動サミット」。
これに先立ち菅総理大臣は、2030年に向けた【温室効果ガスの削減目標】について2013年度に比べて【46%削減】を目指すと表明しました。
まずは、これまでの経緯や専門家がどう受け止めているかをまとめました。








\気候変動を音楽で訴えたい/

2030年に向けた温室効果ガスの削減目標について、菅総理大臣は2013年度にくらべて『46%削減を目指す』と表明しました。

「地球の将来のためには、もっと大幅な引き上げが必要」
そう求めてきた若者の一人が、高校3年生の山本大貴さんです。連日、経済産業省の前で訴えてきました。

その山本さんたちが、今週末に企画しているのが、「Climate Live Japan」 音楽を通じて地球環境を考えよう、というオンラインイベントです♬
NHKスペシャル「2030未来への分岐点」のテーマ曲を歌っているermhoiさんや このインスタグラムにも登場している未来リナさんも参加予定!
今回のイベントに込めた思いを聞きました!














\4月22日はアースデイ🌏/

アースデイとは、「地球のことを考え 行動する日」。
世界各地でさまざまなアクションが行われています。
「だれでも自由に それぞれの方法で」というのがアースデイの方針。
「地球のミライ」インスタグラムでは、のちほど、気候変動を止めるために 行動を続ける高校生をご紹介する予定です。
みなさんも、自分の好きなやり方で地球や環境のことを考えてみませんか?






\このシャツ、素材は…/

4月22日(木)夜10時放送のクローズアップ現代+は「サステイナブルファッション」がテーマ。
出演者の衣装も当然サステイナブル・・・ということで、収録前に撮影!
井上裕貴キャスターのTシャツ、見た目は普通ですが実はー







ちなみにクロ現+は今月からフルバーチャルスタジオで収録しています。
一面緑のセットが放送ではどう見えるのかにもご注目を!
4月22日(木)NHK総合 夜10時 クローズアップ現代+
「あなたの服選びも変わる!?~サステイナブルファッションが示す”地球のミライ”~」

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4538/index.html

\靴の生地、染料は?/

続いては、クローズアップ現代+の保里小百合キャスターをパシャリ!
保里キャスターは3月までは、#あさイチ のリポーターであさイチインスタにも登場していました。







注目は、足元のピンク色の靴です!この色合い、染料に使われているのは・・・?
さらに、靴だけではなく、衣装もサステイナブル。
素材が再生繊維のワンピースを着用しています。

国連から「世界第2位の環境汚染産業」と批判されたファッション業界。
番組では、環境への負荷を減らすさまざまな取り組みを紹介します。


\このジャケットの秘密は…/

4月22日(木)夜10時のクローズアップ現代+でサステイナブルファッションの最新状況をリポートしてくれる慶応義塾大学教授・宮田裕章さん。







「世界にひとつ」しかないこちらのジャケットは
、 ☆サステイナビリティー ☆多様性 ☆インクルージョン をテーマにデザインしたものとか。

番組では、このジャケットのさらなる秘密が明らかになります!


\未来リナさんとクイズでSDGs💡/

リナさんがやってきたのは渋谷にある「NHKプラスクロス」。
環境問題についての企画展「2030 あなたはどうする?」が 行われています。








いま地球でなにが起きているのか?
リナさんが動画でクイズを出題します!

企画展の内容を見たい方は「NHKプラスクロス」のHPで 360°カメラを使ったバーチャル体験もできますよ~!
https://www.nhk.or.jp/plusx/event/2030sdgs/

回答をコメントしてくださったみなさん、考えてくださったみなさんありがとうございました!

正解は・・・

みなさんの予想どおり、③800メートル です。
①333メートル=東京タワーよりも
②634メートル=東京スカイツリーよりも
はるかに高くまで水につかる・・・。

想像すると本当に怖いですが、温暖化の影響で、それだけ膨大な氷が毎年のように失われているということなんです・・・。


\ムダなく食べることが温暖化対策に💡/


世界で大量に廃棄される食料・・・。
食品ロスをなくすために工夫していることはありますか? 実は、ムダなく食べるその工夫は「温暖化対策」にもつながっているんです!その理由をイラストにしてみました🎨















もっと知りたい方は国立環境研究所の三枝信子さんに 監修していただいた詳しい記事もご覧下さい👀
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0008/topic010.html


\廃棄されるはずの野菜がおいしい料理🍳に/














日本の食品ロスの量って1人あたりにすると年間で約48㎏にも及んでいるんです。
この問題をなんとかしたいと立ちあがったのが高知県の大学生、陶山智美さん。
売れ残ったり、形や大きさが規格外という理由で捨てられる予定だった野菜🥬を使って、料理を提供する食堂を営んでいます。 陶山さんの取り組みに賛同した農家は10軒以上にもなったということです。

この春大学を卒業した陶山さん。「地域の人に恩返ししたい」という強い思いから4月からは、“おすそわけ食堂”の経営に 専念することになりました。


\のんさん「楽しくサステナブルに」/


もしあなたが「SDGsは難しい」とか「何だかわからない」と感じていたらー

俳優・のんさんも以前は「自分に何ができるの?」と思っていました。
のんさんは手芸が好きで、着なくなった服を自分で作りかえていましたが、ある時服を捨てずに使い続けることは「環境にいい」と知り、「わたしにもできることがあったんだ!」とうれしくなったそうです。
写真のジャケットは長い間着ないまま、のんさんの自宅に眠っていた一着。
袖にギャザーを入れたり、ポケットに刺しゅうをほどこして、魅力的な一着に生まれ変わりました👔









そんなのんさんがとても共感しているというのがSDGsの目標のひとつ「つくる責任 つかう責任」。製品を作る企業も、それを使う消費者も、「持続可能な取り組み」をする責任があるというものです。

のんさんのコメントです↓

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エコバックを持って買い物に行った時、「わたしは地球に貢献しているぞ」って何か得した気持ちになるというか、“うぬぼれ”をすごく感じるんです。
「地球に恩が売れた」みたいな(笑)。そうやって楽しく始めることが突破口になって、みんながサステナブルなことにつながっていけたらいいなと、思っています。
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「頑張らず、できるところから楽しくやる」。これから取り組みたい、ちょっと興味がある方、一緒に楽しく考えていきませんか?

写真:仁科勝介


\プラスチックごみからアクセサリー!?/


岐阜県の20代のグループが手作りするプラスチックごみを材料にしたアクセサリー💍 イベントやショップで販売しています。
大事にしているのは「かわいい💛」「すてき✨」を通じて、多くの人に環境問題に関心をもってもらうこと。
最近は各地から声がかかり活動の幅が広がっています。








 






\未来リナさんと考える地球のミライ🌏/


日本人の父とスペイン人の母をもつモデルの未来リナさん(21)。
10代のときにヴィーガンに興味を持ったのをきっかけに環境やサステナブルな暮らしを 意識するようになったそうです。

⭐マイストロー、⭐再利用可能なラップを使うなど
身近なところから“気負わずに”プラスチックごみを減らす工夫を続けているとのこと。















インスタグラム(@nhk_sdgs)では今後も定期的に、未来リナさんと地球のミライ🌏を考えていきます✨

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【未来リナさんからのメッセージ】
地球は、みんなでシェアしている“たったひとつのHOME”
今の自分にできるベストなことを楽しく実践して、みんなで支え合いながら「地球のミライ」をどんどん明るくしていきましょう!!
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\SDGs “ウェディングケーキ”/


最近よく話題になる「SDGs(持続可能な開発目標)
「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、2030年までの達成が目指される17の目標が設定されています。
こちらの3段重ねの「ウェディングケーキ」のようなイラストは、17の目標がそれぞれどんな関係にあるのか示したものです。







もとの3段の図は、スウェーデンの研究機関「ストックホルム・レジリエンス・センター」の研究者などによって発表されたものです。
よりイメージがわくようにイラストを加えました
イラストを拡大してじっくり見てみてください。
一番下が「環境」、その次が「社会」、
一番上が「経済」に関わる目標になっています。
つまり「環境」がわたしたちの生活の土台・基盤となっていることを意味しています。





プラスチックゴミや食品ロスを減らす工夫などわたしたちにできることを一緒に考えていきましょう!













※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年5月13日

”1.5度の重み”  若者とNHKが動画制作でコラボ

地球温暖化の影響を最も受ける若い世代。
自分たちの将来、そしてさらにその次の世代のために次々に声を上げ始めています。 そうした若者たちと取材を通じて知り合う中で私は、「NHKが一緒にできることはないか?」と思うようになりました。
「気候危機を訴える動画を一緒に作りませんか?」と呼びかけたところ、6人の学生が参加してくれました。3か月間に計11回のワークショップを行い、4本の動画を制作しました。若者たちの“真剣勝負”の様子をご紹介します。
(地球のミライ ワークショップ班 榛葉里佳)

※ワークショップの様子は5/14放送「首都圏情報ネタドリ!」で詳しくお伝えします


6人の若者が集結 どうすれば自分たちの考えが伝わる?

ワークショップに参加してくれたのは高校生から大学院生までの6人です。それぞれ気候変動対策について様々な活動を行っています。
どうすれば自分たちの考えが広く伝わるのか?
どうすれば社会全体でこの問題に取り組めるようになるのか?
強い思いをもっている強力なメンバーです。

大学院生の能條桃子さんは、若い世代の政治参加を促すメディア「NO YOUTH NO JAPAN」の代表です。

能條桃子さん
「デンマークに留学したとき日本とのギャップを知りました。 日本に住む1人として、今できることをしないと、将来後悔すると考えるようになりました」


高校3年生の山本大貴さんは「Fridays For Future Tokyo」の代表です。
Fridays For Futureは、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが一人で座り込みをしたことをきっかけに始まった温暖化対策を求める若者たちの運動です。 日本でも全国各地で、企業への働きかけや情報発信を行っています。

山本大貴さん
「気候変動への対策は、自分にどうこうできるレベルの話じゃない…そう感じる人も少なくないと思います。
この問題の原因である温室効果ガスは、目に見えません。
でも、それを言い訳にして何も変えようとしなければ、気づいた時には取り返しのつかない事態になってしまうのです」


大学で「国際資源・エネルギー会議(IRESA)」という団体に所属する松田響生さんは、資源やエネルギー問題について学び、「持続可能な社会」の実現をめざす活動をしています。

松田響生さん
「環境対策とは、同じ生活の質を保ちながら地球への負荷を減らすことです。 私たちが今後数百年にわたって豊かな暮らしを送るために、そのような取り組みが必要なのだという「肌感覚」が共有できたらと思います」


若者のSDGsについての認知度を上げる活動をしている学生団体「KAKEHASHI」からは、大学3年の浅田舞さんが参加してくれました。

浅田舞さん
「今回NHKさんと協力することによって、環境問題やSDGsの問題について、日頃私たちの団体ではアプローチできない、より幅広い層に対してアプローチしたいと思っています」


高校3年生のナイハード海音さんは環境など社会問題に関心がある人たちが情報交換をするコミュニティー「Green TEA」のメンバーです。

ナイハード海音さん
「気候危機は他人事ではありません。地球に住んでいる以上自分事なので、みんな、危機だと知れば変わろうと思うはずです。いい映像を作って、より多くの人に見てもらいたいです」


高校3年生の木村晃子さんは、中学生・高校生が企業とともにサステナブルな社会を「共創」していくことをめざす団体「Sustainable Game」に所属しています。

木村晃子さん
「環境問題やSDGsをテーマにした活動をしている若い世代の中にも、多様な考えを持った人がいるので、そんな人と対話をすることで新しい価値が創造できるのではないかと思いました」


この6人で週に1回オンライン上で集まり、動画制作に取り組むことになりました。

動画のテーマは何? 思いがあふれて・・・

1月30日、ワークショップの初回は「どんなテーマで、何本の動画を作るか」を話し合うところから始まりました。
皆さん緊張した様子・・・でしたが、司会進行役のディレクターもNHK入局1年目の“超”若手ということで、一気に場が和みました。

議論の内容は、グラフィックレコーディングで記録。


それをワークショップが終わるごとに、各自が所属している団体に持ち帰ってメンバーと共有し、それぞれの意見を反映させます。



『動画でどんなメッセージを届けるのか』。
まずは、自分たちの言いたいことを整理することから始めましたが、みんな気候変動に対する強い思いから、伝えたいことが山ほどあり・・・


山本大貴さん
「私たち自身が強く影響を受けたファクトをつたえたらどうだろう??例えば、山火事や台風、豪雨など」



木村晃子さん
「気候変動の対策は、地球のため?人間のため??より自分事として考えてもらうことが必要なのでは」



松田響生さん
「とにかく正しい情報を伝えたい。その上で何をするのか考えてもらうのはいいのでは」

キーワードは「1.5度」

一番伝えたいことは何か・・・6人で話し合う中で出てきたのが、2015年のパリ協定で示された「1.5度」という数字です。
パリ協定では、世界の平均気温の上昇を「産業革命以前に比べて1.5度に抑える努力をする」ことが掲げられています。気温上昇が1.5度を超えさらに進むと、地球温暖化は後戻りできない事態に陥るとも言われています。

今回の動画でも1.5度のもつ重みと、目標達成に向けた対策の重要性を伝えよう、ということでまとまりました。
そして少しでも「1.5℃」の重みを伝えるため、山火事や台風などの災害が気候変動で深刻化していることを伝え、その上で対策として何が足りていないのかを指摘することにしました。

※「1.5度」についてはこちらの記事でもくわしく


“NHKは若者たちの声を伝えてきたのか?”

去年から「地球のミライ」プロジェクトの様々な展開を担当するようになった私は、恥ずかしながら、学生のみなさんや研究者の方々と話すようになって初めて、気候変動の深刻な状況に危機感を抱くようになりました。

学生たちは切実な思いを語りました。

「NHKに気候変動をもっと報道してほしい」「世代を超えて、対話できる環境を作りたい」「自分事にするためにはどうしたらいいのか」

私たちは今まで、こうした若者たちの声に耳を傾け、社会的課題を一緒に考える機会を作ってきたのか?
彼らと真摯(しんし)に向き合い、若者たち学生のメッセージを、世代を超えて広く届けることで、社会を少しでも変える一助になりたいと切に思いました。

SDGsの取材を続けている、同僚のディレクターの言葉です。
「10年たったとき、“自分はあの時気づいていたのに何もしてこなかった、大人として責任を果たしてこなかった”と後悔だけはしたくはない」

私も今がまさに責任を果たすべき時だと思い、学生たちと向き合いました。

いよいよ試写、ところが・・・

4月3日、2度目の緊急事態宣言が明け、新年度になって迎えたワークショップは、初めて対面で行われました。

まもなく授業学校もスタートするため、この日中に動画の完成をめざします。今までの議論をもとに編集した動画を試写して、意見を述べ合いました。
するとー


ナイハード海音さん
「しっくりこない。数字が多くて頭に入らない」



浅田舞さん
「感情が伝わらない動画になっている」


「私たちだからこそ作れる動画とは何か?そんな声が次々に上がりました。



ここにきて、イチから動画の構成を考え直すことになりました。
紹介する内容を付箋に書き出し、それをボードに張りながら、映像、ナレーション、インタビューなどの順番を整理していきます。
実はこれは、NHKのディレクターがみなやっている、通称“ペタ貼り”と呼ばれる作業です。

そしてついにでき上った動画がこちら!


いかがでしたでしょうか?
動画を見た人が“地球のミライ”について考えてほしい、問題に気づいてほしい。
そんな願いが込められています。



能條桃子さん
長い期間かけて、まとまってよかったと思います。
この数か月間で日本のニュースも変化しているし、自分たちとしても、こういうことを本当に求めていたんだと、考える機会にもなりました。 気候変動に関心がある若い世代には当たり前なことも、他の人に伝えるのは難しいと改めて感じました。でも、やっていくしかないと思っています。


行動のヒントに!さらに3本の動画も

伝えたいことがあふれている6人は、さらに個人でも実践できる具体的な対策を紹介する動画を3本も制作しました。
資源やエネルギー問題について学ぶ団体に所属する松田さんは、ある建築士が建てた“環境に超優しい家”を訪問し、太陽光発電だけで、電力会社からの供給は一切受けずに暮らす工夫をリポートしました。



SDGsの認知度を上げる活動をしている浅田さんは、大学の学食で始まった“食”で温暖化効果ガスの排出を抑える取り組みをリポートしました。
そして高校生の木村さんは、環境への負荷が少ないファッションについて取材しました。



学生たちが制作した4本の動画は下記に掲載しています。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/selection/mirai/

今回のワークショップの様子は、こちらの番組で紹介予定です(一部地域)

5月14日(金)夜7時30分~「首都圏情報 ネタドリ!」


「地球のミライ」のために、私たちが今できることは何でしょうか。
これからも若い世代のみなさんと一緒に、考えていきたいと思います。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年4月28日

温室効果ガス削減目標『46%』は不十分? 若者が声を上げ続ける理由

『46%』ー 地球温暖化への対策が待ったなしの中、日本が新たに打ち出した温室効果ガスの削減目標です。従来の目標から大幅に引き上げ、菅総理大臣も「決して容易ではない」としています。
その一方で、気候変動への危機感を訴えてきた若者たちからは、「46%では不十分」だとしてさらなる引き上げを求める声が上がっています。一体なぜなのでしょうか?

<日本の新たな削減目標>
「2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46パーセント削減することを目指す。
さらに、50パーセントの高みに向けて、挑戦を続ける」

(※従来の目標=2013年度に比べて26%削減)

「60%以上削減」を求める若者たち


4月22日午後、菅総理大臣が新たな削減目標を表明するのを前に、東京・霞ヶ関に高校生や大学生などおよそ30人があつまりました。地球温暖化が自分たちの将来、さらにその次の世代に及ぼす影響への危機感から、削減目標の大幅な引き上げを訴えるためです。

参加者の多くが掲げていたのが「60」や「62」という数字を書いたプラカードです。温室効果ガスの削減目標を「60%以上」に引き上げることを求めるものでした。


「62%」への引き上げを訴える山本さん


参加者のひとり高校3年生の山本大貴さんは、この4月から毎週金曜日に学校を休んで経済産業省前に立ち、目標の引き上げを訴えてきました。


山本大貴さん
「日本にはいままでたくさんCO2を排出してきた責任があります。不公平さだけを考えても日本の責任として62%削減が必要です。僕たち未来に生きる世代にも公平さと保ってほしいです」

“水と塩だけ”で
削減目標の引き上げを求めて、ハンガーストライキを行った人もいました。
環境活動家の小野りりあんさんたちは、4月19日から23日までの4日間、水と塩しか口にせず、気候危機を訴えてきました。
削減目標が発表された日は、経済産業省の前で削減目標を60%以上に引き上げるよう求めました。


左・小野りりあんさん 右・ハンガーストライキを一緒に企画したeriさん


ハンガーストライキという手段を選んだのは、ふだんは気候変動にそれほど興味がない人にも、関心を向けてもらえると考えたからです。

ハンガーストライキ中の小野さん(SNSより)


文字通り体を張って温暖化対策を訴える姿に、SNSでは「意識するきっかけになった」「一歩踏み出す勇気をもらえた」といったメッセージが寄せられていました。


小野りりあんさん
「今回、ハンガーストライキをしたことで、いままで行動していなかった人 たちが動きだす大事な一歩、二歩につながったことは本当にうれしく思います。」

「46%」の発表を聞いて…
削減目標を60%以上に引き上げることを求めてきた若者たち。「46%」という発表を聞いたときは、落胆を隠せなかったといいます。


山本大貴さん
「46%という低い数字にはとても驚きました。 世界では50%以上の削減目標を掲げていて、日本でも削減目標は50%に達するだろうと 思っていました。日本は先進国として責任を果たしていくべきです。」


小野りりあんさん
「削減目標が46%だと聞いたときは、悔しさと悲しさで泣いてしまいました。
自分たちの未来のためにがんばっている若い子たちに、希望を持てる数値目標にはならなかったからです。

若者たちが「60%以上」を求める理由とは?
なぜ「60%以上」の削減目標が必要なのか?
若者たちが強く訴えているのが、パリ協定が“努力目標”として掲げた「地球全体の気温上昇を産業革命前から1.5度以内に抑える」ことです。1.5度を超えて気温が上昇し続けると、温暖化は後戻りできない事態に陥るとも言われています。

では「1.5度以内に抑える」ためには、温室効果ガスをどのくらい削減すればいいのか。

今年3月、各国の気候変動対策を調査している海外の分析チーム「クライメート・アクション・トラッカー」が報告書を公表しました。その中で世界の国別で5番目に多く排出している日本には「2013年に比べて62%の削減が必要」だと分析しています。
若者たちの主張はこの数字が元になっていると言います。

この数字について、地球温暖化に詳しい国立環境研究所の江守正多さんに聞きました。


国立環境研究所 地球システム領域 副領域長 江守正多さん
いま世界中が「脱炭素化」を目指し始めていますが、どの国の目標もまだ「何としても気温上昇を1.5度に抑えよう」という数字には至っていません。
「1.5度以内」という目標との整合性を考えれば、若者たちが主張する「60%以上」という削減目標は意味のある数字です。若者たちは今の常識から考えるのではなく、常識そのものを変え、社会のあり方を見直すことを求めているのだと思います。

若者たちの主張に理解を示す江守さんですが、一方で日本の現状については、厳しい見方をしています。

2013年度から2019年度までの6年間に削減された排出量を見ると、年2%強のペースにすぎません。今回政府が掲げた「2030年度に46%削減」を達成するためには、この先、毎年約3%のペースで減らす必要があるといいます。

江守正多さん
今回示された46%でも日本にとって大変な数字です。
削減の計画を積み上げている行政の担当者からすると極めて野心的数字なのです。10年間でどれだけ社会経済や産業の構造転換ができるのかが勝負でしょう。
ただ世の中の常識は確実に変わってきており、さらなる常識の変化を後押しするために、高い目標を掲げる若者たちの存在が非常に重要だと思います。

発表の翌日も・・・声を上げ続ける若者たち


新しい削減目標が発表された翌日、若者たちは総理大臣官邸の前に立ち、改めて「60%以上」への引き上げを訴えました。

若者の政治参加をうながすメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、あきらめずに政府に対して、声を上げ続けていきたいと話しました。



能條桃子さん
「引き続き62%への引き上げを求めていきます。いまも新たな石炭発電所が作られていますが、できることから削減目標を考えるのではなく、そもそもエネルギーのあり方を変えていかなければいけないと思います。
一緒に行動する人たちの輪を広げていくことや、政府への働きかけを強めていきたいと思います」


翌4月24日、毎週金曜日に気候変動対策を訴えてきた山本大貴さんは、仲間とともに「Climate Live Japan」というオンラインの音楽イベントを開催しました。

音楽の力で「気候変動対策の必要性を多くの人に訴えよう」というもので、10か月前から準備を重ねてきました。


右・山本大貴さん


イベントには、一青窈さんやermhoi(エルムホイ)さんなど、5組のアーティストが出演しました。アーティストたちは山本さんたちの思いに共感したといいます。


演奏するermhoiさん


演奏の間には、学生たちと、気候変動の専門家や企業担当者などによる対談が行われました。
地球温暖化の進行によって、台風や熱波など被害がますます深刻化していくことや、「高い」と言われてきた再生可能エネルギーの価格が、最近は下がってきていることなどが紹介されました。


専門家たちとのトークセッション


またSDGsに関心高いモデルの長谷川ミラさんや未来リナさんも登場し、ものを長く使うことや、買い物をするときには「本当に必要なのか」確認するなど、毎日の心がけを大事にしようと呼びかけました。



山本大貴さん
「イベントはとても楽しかったです。
今回のイベントでは、楽しみながら気候変動の問題を解決していくことを伝えられたのではないかと思います。
気候変動対策という言い方をするとハードルが高いと思いますが、これから新しい社会をどう作っていくかと考えれば、楽しいと思えると思います。 今後もできる限りアクションをやっていきたいです。」

今後も様々な形で気候変動対策を訴えていくという若者たち。次の目標としているのが11月にイギリスで開催される予定の「地球温暖化対策の国連の会議(COP26)」です。
世界の若者たちと連携し、日本の機運を高めたいと考えています。

『自分たちの未来のために、自分で考え行動する』

彼らの活動を今後も取材していきたいと思います。

(「地球のミライ」取材班 ディレクター 酒井利枝子)


※気候変動対策を訴える若い世代については、「首都圏情報ネタドリ」でも詳しくお伝えする予定です。


※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

クロ現+
2021年4月22日

サステイナブルファッションが示す“地球のミライ”

ファッション産業が、石油産業に次ぐ「世界で2番目に環境を汚染する産業」と言われているのをご存じでしょうか。大量にごみとして捨てられているだけでなく、衣服の生産には大量の水が使われ、CO2も多く排出されています。
こうした中、業界内では地球環境への負荷を抑える取り組みをする「サステイナブルファッション(=持続可能なファッション)」への意識が急速に高まっています。
私たちの暮らしに欠かせない「衣服」を通して、持続可能な地球の未来を考えるヒントを探ります。

《つづきを読む》


※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年4月21日

「ウチらの未来がやばい。」 ライブで気候危機を訴える若者たち

4月24日、温暖化対策の必要性を訴える音楽ライブイベント「Climate Live」が世界23か国で行われます。
目的は「音楽を通して気候危機を世界中に訴え、11月に行われるCOP26(地球温暖化対策の国連会議)成功への機運を高める」こと。企画を立ち上げたのはイギリスの高校生で、世界各国の若者がその思いに共感し、独自にイベント開催の準備を進めてきました。掲げた言葉は「このままだと、ウチらの未来がやばい。」何が彼らを駆り立てるのか、中心メンバーの1人である高校3年生の山本大貴さんに聞きました。

(地球のミライ 取材班 ディレクター 捧詠一)



色塗りされた国でClimate Live 開催予定(Climate Live Japan サイトより)



各国のClimate Live実行委員会メンバー 毎週ミーティングを行い近況を共有


日本の中心メンバーのひとりは高校3年生
日本での開催準備を進める「Climate Live Japan実行委員会」が始動したのは昨年6月のこと。イギリスのClimate Live発起人から声がかかり、趣旨に賛同した学生たちによって組織されました。

共同代表を務める山本大貴さんは高校3年生。小学生のとき、授業で気候変動について学んだことがきっかけで関心を持つようになりました。


山本大貴さん


山本さんは高校1年生の時、台風19号で被害にあった栃木県を訪ね、ボランティアで被災住宅内の片付けなどを行いました。気候変動により自然災害の被害が甚大化している様子を目の当たりにし、強い危機感を感じたと言います。

その後、国内外の同世代が、気候変動を食い止めようと行動している姿に背中を押され、山本さん自身もSNSでの情報発信や署名活動、国会前でのアクションなどを続けるようになりました。

音楽の力で、多くの人に関心を持ってもらいたい
この4月には、毎週金曜日に学校をストライキし、政府に強力な気候変動対策を求めるスタンディングアクションも始めました。「2030年度までの温室効果ガス排出削減目標」が近々決まるとされる中、日本政府に高い目標設定を促すため、大胆な行動に出ることにしたのです。

批判されることも覚悟の上で、「いま行動せず、将来に後悔したくない」という一念で行動し続けています。
4月2日に行ったストライキの様子(ONにしてご覧ください)


そんな山本さんが、Climate Live Japanの共同代表を担う決心をしたのは、「音楽の力で、より多くの人々に気候変動に関心を持ってもらえるのではないか」と期待したからです。これまでの経験から、企業や政府に働きかけるだけでは、気候変動にあまり関心をもっていない人々を巻き込むことはできず、大きなムーブメントを作るのは難しいと、感じていたといいます。



機会さえあれば、アクションを起こしたいと思ってくれるポテンシャルのある人は多いと思います。今回のライブが多くの人たちのアクションを起こすきっかけになるとうれしいです。持続可能な社会にするために、必要なのは「我慢」ではなくて、「よりよくする」ことだと感じています。問題解決の手段を前向きに一緒に考えて、アクションしていければと願っています。


目指すは 第2の「ライブエイド」
山本さん自身も、音楽の力で救われた経験があります。
気候危機を訴える活動を続ける中で、活動に対するネガティブな反応をSNS上で何度も目にしてきました。

「そんなことをしても意味がない」
「温暖化はしていない。ほかにやるべきことがあるのでは」


スタンディングアクションをしている時も、多くの人は素通りで、時には冷たい目で見られることもあると言います。

自分がやっていることに、どれだけ意味があるんだろう」。
時に、自信をなくし悩むこともありましたが、そんな時、歌手・Anlyさんの『エトランゼ』という曲に励まされました。


「1秒先になにが起きるか誰もわからない」「想いままに歌うこと 誰も止められない」という歌詞を聴いて、気持ちがふっきれたんです。自分が今、「これをやりたい!」と思うことはやっていけばいいし、これからどうなっていくかわからないから、自分が信じる道を進もうと前向きになれました。


AnlyさんはClimate Live Japanの趣旨に賛同し、出演を決めた


1985年に行われたライブ・エイドの映像からも、大きな影響を受けています。「1億人の飢餓を救う」というスローガンのもと行われたチャリティーコンサート。多くのミュージシャンが趣旨に賛同し、音楽を通して熱狂の渦が巻き起こりました。


「憧れがあって。自分もこんな風に、音楽の力で多くの方と気持ちを同じくしていきたい。だから、Climate Liveのプロジェクトを自分で引っ張っていきたいと感じたんです。」


Climate Live Japan実行委員会メンバーによる決意表明


アーティストたちから賛同の声が続々
今回のClimate Live Japanの企画には、多くのアーティストや専門家などが若者の想いに共感し、賛同する声が上がっています。

Little Glee Monsterのみなさん、音楽プロデューサー・亀田誠治さん、音楽家・小林武史さん、歌手・コムアイさん(水曜日のカンパネラ)、俳優・TAOさん、国立環境研究所 地球システム領域 副領域長 江守正多さん、モデル・小野りりあんさん。動画やメッセージで応援の言葉を寄せてくれ、イベントを盛り上げる大きな力となっています。



もちろん準備ではうまくいくことばかりではありませんでした。アーティストの所属事務所への賛同依頼から、企業に電話しての協賛依頼、イベント概要の企画など、初めて経験することばかり。仲間内で意見が衝突することも幾度とあり、対話を重ねて、合意点を見いだしてきました。

実行委員会によるミーティングの様子



活動資金を賄うためクラウドファンディングを行ったところ、目標金額の150万円をわずか2日で達成。趣旨に賛同する企業も次々と現れるなど、支持の広がりを実感したと言います。



一方で特に悩んだのは、イベントをリアルで開催するのか、オンラインにするかどうかの判断でした。

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、このイベントで、誰かの命を危険にさらすべきではない。とはいえ、1つの会場に集まっての熱狂なくして、思いを結実することはできるのか。

仲間内で意見は真っ二つに分かれましたが、最終的には安全面を優先し、オンライン開催を決定しました。

迫る「気候サミット」若者の声にどう応える?

配信会場を下見し 運営計画を詰めていく



そして4月。開催月に入り、準備も追い込みです。オンライン配信場所での、当日に向けた機材チェックや打合せ。参加アーティストとの、演奏曲やトーク内容についてのすり合わせ。イベントをより多くの人々に認知してもらうための広報活動。試行錯誤を続けながら、本番の日を迎えます。

イベントはオンラインで開催予定。無料配信で行います。老若男女、年齢問わず。気候変動に関心がない人も、気軽に参加してほしいと呼びかけています。



まず、ぜひClimate Live自体を楽しんでもらいたいですね。アーティストのみなさんの歌を聴いて、素敵な時間を過ごしてもらいたいです。その上で、僕たちが伝えたいメッセージも届いてくれたら嬉しいです。気候変動問題への危機感を共有したいし、前向きな気持ちで、希望を持って、よりよい社会になるよう一緒に取り組んでいけたらと思います。


今月22日・23日にはアメリカ主催の気候サミット、そして24日にはClimate Liveが世界23か国で開催されます。各国の温室効果ガス排出削減目標が定まろうとする中、各国政府は音楽を通しての若者たちの声にどう応えるのか。
地球に住む私たち一人一人は、どう行動すべきなのか。あなたはどう思いますか?

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年4月19日

“ごみの王様”が挑む プラごみをなくす新ビジネスとは

みなさんは『トム・ザッキー』という名前を聞いたことがありますか?
日本では知らない方がほとんどかと思いますが、リサイクル技術を次々に開発し“ごみの王様”の異名をもつ起業家です。
2年前にはプラスチック容器の利用を減らすための新しいビジネスモデルを発案し、世界から注目を集めています。一体どんなサービスなのか?そして「社会システムそのものを抜本的に変えよう」と語るザッキーさんの信念とは?
(NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」取材班)
“ごみの王様”の異名を持つ起業家
アメリカ・ニュージャージー州に拠点を置くトム・ザッキーさん(39)は、国連の『世界を変えるリーダー賞(2012年) 』をはじめとする数々の賞を受賞するなど、次世代を担う若き起業家です。



プリンストン大学の1年生だった2001年、リサイクル企業・テラサイクル社を1人で立ち上げ、大学の寮で『ミミズの糞(ふん)から肥料を作る』ことから事業をスタートさせました。

その後、たばこの吸い殻や歯ブラシ、使用済みおむつなど、リサイクル困難と言われるプラスチックごみのリサイクル技術を開発していきました。いまや世界21か国に支社を持つまでに成長し「ごみの王様(Gabae Mogul)」の異名もとるようになりました。



オフィスにお邪魔すると、ザッキーさんのユニークなこだわりに驚かされます。
ペットボトルで出来た壁、古い冷蔵庫のドアとワイン樽で出来た机、レコード盤で出来た間仕切りなど、100%捨てられるはずだったごみを再利用しています。

古い冷蔵庫のドアとワイン樽を再利用した机


リサイクルだけでは限界・・・たどり着いたのは「ごみという概念をなくす」こと
半世紀に渡り、人類は利便性、経済効率を優先させ、金属やガラス・陶器で作られていたものを急速にプラスチックに置き換えてきました。結果、大量消費・大量廃棄の構図を生み、あふれ出したプラスチックが生態系の脅威となりつつあります。

この状況に立ち向かうためリサイクル技術を追究してきたザッキーさんですが、実は1950年以降に世界で生産されたプラスチック83億トンのうち、リサイクルされているのはたった9%(2015年の推計) しかありません。
リサイクルだけでは限界があるのではないかー

2019年1月、各国の政財界のキーパーソンが集まる「世界経済フォーラム(ダボス会議)」に参加したザッキーさんは、これまでとはまったく違うアイデアを発表し、世界を驚かせました。

「リサイクルがゴミ問題の本当の解決策か考えてきました。
リサイクルは重要ですが、ごみ問題の根本的な解決にはなりません。辿り着いたのは、“ごみという概念をなくすこと”。これを最も皆さんが納得してくれる方法、つまり、持続可能なビジネスを通して広げたいのです。」

(テラサイクル トム・ザッキーCEO)
「容器が循環し続ける」新しいサービスとは
ザッキーさんが考案したのは『Loop(ループ)』という名のサービスです。ひとことで言えば、シャンプーや洗剤などの消費財やアイスやジュースなどの食品のネット通販ですが、ポイントは使い捨て容器に頼らず『容器が循環し続ける』ことです。
「使い捨て容器をなくすにはどうしたらいいか」という、抜本的な問いに挑戦するものです。

その仕組みがこちら
1. 消費者がインターネットで商品を注文すると、専用のバッグに入った商品が自宅へ配達される。
2. 容器はガラスやステンレス製などの容器や瓶で、繰り返し使える耐久性の優れたもの。
使い終わったら玄関に置いておくと、容器は配達員によって回収され洗浄。
3. メーカーに容器が戻り、新たに中身が充填され、再び消費者の元へ送られる。




新しい“循環型ショッピングプラットフォーム”として注目を集めるこのサービスですが、消費者としては、容器を捨てたり洗浄したりする手間が省け、洗練されたデザインの容器や使い心地を今まで以上に楽しめるというメリットもあります。

またアマゾンやウーバーイーツのように消費者が利用しやすいプラットフォームであるため、企業としても相乗りしやすい利点があります。P&G、ユニリーバ、ネスレ、コカ・コーラ、ハーゲンダッツなどのグローバル企業が、その先進性に期待し参加しています。

すでにアメリカでは3万5千世帯が利用し、世界7か国で導入が決定。日本でも2021年、25ブランドと提携し、サービスを開始する予定です。



「私たちは買い物を通して、未来に対して投票しています。考えなければならないのは、持続可能な未来に対してどう投票するかです。買う量を減らすのか長く使えるものを選ぶのか、この投票に今こそ向き合うべきなのです。」 
(テラサイクル トム・ザッキーCEO)
脱プラスチック 日本はどうする?


ところで日本のプラスチックごみの現状はというと、廃プラスチックの有効利用率は84%と高水準に見えます。しかしそのうち56%が燃やされて熱エネルギーとして回収されています(プラスチック循環利用協会2018)。見た目上はエネルギーとして再利用されているものの、温室効果ガスを生み出す温床となっているリスクが指摘されているのです。

残りの廃プラスチックの多くは東南アジアを中心に輸出していましたが、国際条約により2021年1月より原則輸出は禁止になりました。廃プラスチックの処理に行き詰まりを迎えた今、自国で大幅に削減する必要性が急速に高まっているのです。

マイボトルやマイバッグなどで使用量を減らす『Reduce(リデュース)』も重要な解決策の1つです。廃プラスチックを再利用した新素材の開発も有効な手立てとなり得るでしょう。

Loopだけでなく、環境に配慮した商品・サービスは世界中に次々に生まれ、買い物の選択肢は増え続けています。私たち一人一人の消費行動がプラスチック汚染とどうつながっていくのか、買い物の時に一瞬でも考えてみてはいかがでしょうか。持続可能な未来への1票として地球を救う力になるかもしれません。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年4月12日

ジャーナリスト・国谷裕子さんが “地球温暖化の権威”に聞く

「クローズアップ現代」のキャスターを長年務めたジャーナリストの国谷裕子さんは、数年前から環境問題やSDGsに関する取材を続けています。今年1月に放送したNHKスペシャル「2030未来への分岐点 暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦」では、地球温暖化研究の世界的権威・ヨハン・ロックストローム博士にインタビューを行いました。
地球は「後戻りできない状況に陥りつつある」と警告する博士に対し、「どうすれば十分なメッセージを伝えられるのか?」と問う国谷さん。放送では紹介しきれなかった二人の対話をご紹介します。


インタビューはオンラインで実施


国谷裕子さん ジャーナリスト
大阪府出身 米ブラウン大学卒業
1993年4月から2016年3月まで「クローズアップ現代」のキャスター
東京藝術大学理事、国連食糧農業機関(FAO)日本担当親善大使などをつとめる

ヨハン・ロックストローム博士 環境学者
スウェーデン出身 ポツダム気候影響研究所・所長
SDGsにも大きな影響を与えた「地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)」理論を提唱

「自然に対する戦争」国連・事務総長発言の意味は?
オンラインでのインタビューが行われたのは2020年12月。
その直前、国連のグテーレス事務総長が演説で「簡単に言えば地球は壊れているのです。人類は自然に対して戦争を仕掛けています」と発言し、注目を集めていました。

グテーレス国連事務総長


国谷さんは最初の質問で、この発言に関する博士の意見を聞きました。

国谷裕子さん:
最初におうかがいしたいのは、最近のグテーレス事務総長の発言についてです。事務総長は、気候変動によって地球は破壊され、『人類は自然に戦争を仕掛けている』と語り、これは『自殺的だ』と訴えました。このコメントについてどのように思ったかお聞かせください。

ロックストローム博士
なぜ私たちは緊急事態を宣言するのでしょうか?それは壊滅的な危険があるからです。
同時に、残り時間がわずかなことを意味しています。

今、私たちは非常に重要な10年に入りました。
この10年で、未来の人類のすべての世代に影響する結果が決まる可能性が高いのです。私たちは流れを変えなければなりません。
壊滅的な危険に直面しているだけでなく、残り時間がわずかになっているのです。


国谷裕子さん:
これまで地球は、驚くほどのレジリエンス(回復力)と強さを備えていました。それにも関わらず、私たちはどうしてこのような状況に陥ってしまったのでしょうか。

ロックストローム博士
産業革命が始まってから150年間、私たちは大きな恩恵を受けてきました。
人類の幸福、好調な経済成長、平均寿命の延長や生活の質の向上をもたらす目覚ましい進歩です。そして今日のような文明を手に入れました。
私たちは地球を犠牲にして成功の道のりを歩み、その結果、地球のシステムの回復力が少しずつ失われてきたのです。




ロックストローム博士
ここ5年間で多くの科学的エビデンスが示しているのは、私たちが飽和状態に達しているということです。
森林は吸収できる容量をこれ以上増やし続けることができません。
そして、予想していなかったさまざまな影響が現れ始めています。

オーストラリア、カリフォルニア、アマゾンでますます多くの森林火事が発生しています。さらには、北極圏の泥炭地が(主に温暖化による乾燥により)延々と燃え続けていて、消火することができません。
今、われわれ人類は地球の変化を引き起こす、もっとも大きな原動力になっています。
その明白な科学的証拠があるということです。

国谷裕子さん:
人間の活動の規模があまりにも大きくなったことが原因ですね。人類が地球に大きな負荷を与えて地球のシステムを変化させてしまった。

ロックストローム博士
それは、この10年間でもっとも重要な人類への科学的メッセージだと言えます。
私たちは、1万2000年前から続いていた完新世*から人新生(アントロポセン)*という時代に入りつつあります。
人類が新しい地質年代を生み出し、地球における変化を引き起こす支配的な勢力になったのです。人類の変化のペースと振幅が自然の変動を超えています。

幸運なことに、科学は地球のシステムを理解しており、まだ間氷期(氷期と氷期の比較的温暖な時代)の状態から離れたわけではない。
しかし、温暖化が連鎖的に暴走するティッピング・ポイント(臨界点)に近づいています。どこにあるか正確にはわかりませんが、臨界点に近づいているとわれわれは結論づけています。
それを超えると、不可逆的にホットハウス・アースに向かう危険があります。
*完新世…地層などから決められる地質年代の区分の1つで、人類が大きく発展を遂げたおよそ1万年前から現在までの期間を表す。
*「人新世」は、20世紀後半以降に爆発的に増大した人類の活動が地球環境を大きく変えた結果、地質年代も完新世の次の時代に突入したという考えから作られた造語。


「+4℃」灼熱地球は本当に起きるのか?
ロックストローム博士が3年前に発表したのが「ホットハウス・アース理論」です。
産業革命前に比べて地球の平均気温が「+1.5℃」を超えてさらに上昇すると、温暖化が連鎖的におき、後戻りできない状況になるとしています。

シベリアなどの永久凍土が溶けて、二酸化炭素の25倍の温室効果を持つメタンガスが大量放出されます。アマゾンが枯れた草原へと変化し、熱帯雨林に蓄えられていた二酸化炭素が大気中へ。
たとえ人類が温室効果ガスの排出をやめたとしても、数百年かけて「+4℃」というきわめて危険なレベルに到達してしまう、『灼熱地球』へのシナリオだと警告しているのです。

温暖化対策の“防衛ライン”とも言われる「+1.5℃」は、早ければ2030年にも到達すると予測されています。



国谷裕子さん:
温暖化が進んでいくと、不可逆的な状況が次々とドミノ倒しのように起こり、ホットハウス・アースに陥ると博士は主張されています。そのプロセスは、実際にどのようなものになるのでしょうか?

ロックストローム博士
崖から転げ落ちるように、直ちにアルマゲドンに陥るわけではありませんが、地球のシステムがその方向へ押し流され始めて、気候による強制力が増加し、温暖化がますます進み、私たちはそれを押し戻すことができなくなります。

永久凍土が溶け始め、氷が溶け、森林が失われ、すべてのシステムが自ら温暖化を進めるようになるため、2℃を超えて4〜6℃の気温上昇が起こり、『ホットハウス・アース』と呼ばれる状態になるのです。
地球は熱帯の惑星となり、熱帯の大部分はデッドゾーンになります。気温が非常に高く、熱波に襲われるため、暮らせない地域となるでしょう。


国谷裕子さん:
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2018年10月に1.5℃に関する報告書を出して以来、パリ協定の2℃目標*は、世界的に1.5℃未満へと、その目標を変えつつあります。
この1.5℃という目標の重要性をどのように考えますか?

ロックストローム博士
1.5℃は地球物理学的に見た地球の限界だということを裏づける科学的証拠が増えています。2015年のパリ協定の時、そのエビデンスは揃っていませんでしたが、今は1.5℃を超えれば、すべての人々の暮らしは非常に困難になることを科学的エビデンスが強く示しています。

2℃の気温上昇によって今後500年で起きる6メートルの海面上昇は、とても懸念される問題です。もし私たちがパリ協定の目標を達成できなければ、この海面上昇によってニューヨークを失い、東京の一部を失い、ストックホルムを失うことになるでしょう。

ですから、どのような角度から見ても、2℃は避けるべきだと思います。不可逆的に6メートルの海面上昇に向かう地球を自分の子供たちに引き渡すことは容認できることではないと思います。

多くの人が心配しているのは30年後か、せいぜい今世紀の終わりまでに何が起こるかだと思います。しかしそれは間違いです。
私たちは、2000年前までさかのぼる過去の物語や歴史的事実にもとづいた価値観や信仰、文化のなかで暮らしています。
私たちも500年、1000年、2000年先の文明のことまで考え、責任を持つべきではないでしょうか。
*パリ協定の目標:世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする

もっとも先進的でクールなのは『持続可能な未来』


国谷裕子さん:
IPCCは1.5℃未満が私たちの目指すべき安全圏だと言っています。そのためには、2030年までに二酸化炭素を45%削減し、2050年までに排出実質ゼロにする必要があります。
日本を含む多くの国が2050年ゼロエミッションを目指すと約束していますが、それはどれくらい大きな挑戦となるのでしょうか。

ロックストローム博士
30年後までにゼロエミッションにすることは革命にほかなりません。
平均して10年毎に排出量を半分にしなければならないのです。これは持続可能性のための世界的な転換であり、大規模な挑戦です。

強調したいのは、今や希望的観測ではなく、実際に達成できるということです。少なくとも、達成できないことを示すエビデンスはどこにもありません。


国谷裕子さん:
私たちはこの10年が非常に重要な10年であることを日本の視聴者に伝えたいと思っています。しかし今のところはそのメッセージを広く浸透させることができていないと感じています。
どのような語り口を用いるべきでしょうか。何が人々を納得させ、行動を取りたいと思わせるのでしょうか?

ロックストローム博士
これまでは環境の話をすると、『洞窟に住んでいた時代に戻る』と受け止められたり、『時代を逆行する語り口だ』と批判されたりしました。
問題を解決するにはある程度の代償や犠牲が必要であり、行動を抑制しなければならないというナラティブ(語り口)が支配的でした。

しかしいま新しいナラティブが出現しています。
それは、『持続可能性こそが成功の入り口だ』というものです。私はこれこそが多くの人々を仲間に引き入れることができるものだと確信しています。

いまは持続可能性へとギアチェンジをして、先進的な未来への旅が始まっています。もっともハイテクで、もっとも先進的でクールな未来は『持続可能な未来』です。これが突破口になると思います。
持続可能性が、今よりはるかに魅力的な未来への道です。




ロックストローム博士
私たち科学者や環境保護論者だけではなく、ビジネスリーダーやスポーツ・文化・音楽の世界の人々も「持続可能性は未来への道である」というメッセージを伝えることができます。私たちは時代のヒーローになることができます。
そしてこの瞬間に、私たちは立ち上がって困難に立ち向かうことができます。
私たちが一緒に創造する未来がとても明るいものになる。少なくともそれが私の希望です。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年6月30日

サステイナブルな世界の動きを 写真とグラフィックでご紹介

番組や記事でご紹介した「持続可能な社会」に向けた世界の動きを、写真とグラフィックでわかりやすくご紹介していきます。
「地球のミライ」のインスタグラム(@nhk_sdgs)にも掲載しています。※NHKのサイトを離れます


\カンヌ映画祭でも"環境"がトレンドに!/

世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭🎬7月に2年ぶりに開かれ、濱口竜介監督と大江崇允さんが脚本賞を受賞したことで話題となりました。
今回、もうひとつ注目されたのが映画祭の環境対策。環境をテーマにした部門が新設されたりあの名物のレッドカーペットや送迎の車にも変化がー

(NHK BS1「国際報道2021」より)


















\アメリカ西部の干ばつ 私たちの食卓に影響も?/

降水量が少ない状態が続き深刻な干ばつに見舞われるアメリカ西部。カリフォルニア州では、水の供給が足りず、畑の作付けを断念した農家も・・・。

日本はアメリカ西部から、果物や米、ジャガイモ・牛肉・アーモンドなどを輸入。
私たちの食卓に影響が出る可能性もあるんです。

(NHK BS1 「国際報道2021」より)














\アメリカ西部で54.4℃を記録 なぜ?/

日本でも連日の暑さに警戒が必要ですが、北米では、アメリカ・カリフォルニア州デスバレーで54.4℃(7/11)。カナダ・ブリティッシュコロンビア州では、49.6℃(6/29)を記録するなど熱波が猛威を振るっています。

この猛烈な暑さは、「ヒートドーム」という現象が原因だと考えられています。どんな現象なのでしょうか?
(NHK BS1 「国際報道2021」より)
















\🐄牛も「脱炭素」って?🐄/

牛のげっぷには、温室効果ガスのひとつ「メタン」が大量に含まれていて、温暖化対策を進める上で無視できない問題となっています。
海外では「地球温暖化防止のために牛肉や乳製品を食べることを控える」運動が広がっていますが、一方で、「メタンの排出が少ない牛」の研究なども進んでいます💻
「牛の脱炭素」を目指す3つの動きをまとめました!
(NHK「おはよう日本」より)




















\ブルーカーボンを知っていますか?/

地球温暖化を防ぐためには、二酸化炭素の排出量を減らすことが必須。
そのために再生可能エネルギーの普及や、脱プラスチックなどが大切なのはもちろんですが、忘れてはいけないのが森林など二酸化炭素を『吸収』してくれる自然の力です。

その中でいま注目されているのが海草など『海の植物』による吸収。
「ブルーカーボン」と呼ばれ、大量の二酸化炭素を吸収し、温暖化防止に大きな役割を果たすことがわかってきています
(NHK「国際報道2021」から)















\バナナの葉がプラスチック容器代わりに!?/

プラスチック容器の代わりに使われているのは、なんとバナナ🍌の葉!タイにある、学校の食堂でのお話です。
タイでは昔から食べものを包んだり、蒸したりするのにバナナの葉が使われてきましたが時代とともにその需要が減っていました。
しかし「脱プラ」の流れもあり、ふたたびバナナの葉が脚光を浴びているのです。

丈夫で自然由来のため、子どもが使っても安心と評判。
地元政府にも評価され、支援を受けています。
それぞれの国が習慣や伝統を生かして、”サステイナブルな暮らし”を模索しています。私たちにできることは?
(「国際報道2020」より)















\余った生地を再利用♲して新たな服👗に/

イタリアのあるファッションブランドでは、捨てられるはずだった生地を再利用し、洋服をつくっています。
ファッション業界は「環境への負荷が大きい」と指摘されますが、あまった生地を有効活用することで二酸化炭素の排出を減らすなど、業界の改革を目指しています。

取り組みが評価され、去年12月にはブランドを立ち上げたアンナ・フィスカレさんに イタリア共和国功労勲章が送られました👏
<NHK・BS1「国際報道2020」より>

















詳しくはこちらの記事も👀

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年4月5日

環境への“意識が高い”なぜ敬遠されるの? 

みなさんは「意識高い系」という言葉を使ったことがありますか?
新語が収録されている年鑑を開くと「ソーシャルメディア上で意識の高い発言をする(中略)が、実力がともなわず空回りする人のこと」(「現代用語の基礎知識2019」より)とされています。
初めは主に就職活動中の一部の学生に対して使われていたようですが、最近は、環境問題について積極的に発信している人たちにも、投げかけられることがあります。
地球温暖化やプラスチックごみ問題への対策が待ったなしの状況の中、環境への「意識が高い」ことはとても大切に思えます。
「なぜ共感してもらえないの?」地球のミライを真剣に考えているのに・・・。
色々な思いを抱えながら活動する若者たちに話を聞きました。
(社会部 環境省担当記者 岡本基良)

“歯ブラシは竹製” モデル・トラウデン直美さん
大学に通いながらモデルやタレントとして活動するトラウデン直美さんは、高校時代に授業で学んだのをきっかけに環境問題に関心を持つようになり、それ以来さまざまな発信を続けています。

トラウデン直美さん


多数のフォロワーを持つSNSでは、身近な取り組みを紹介しています。

「お家の中のプラスチック製品、自然素材で代替できるものは少しずつ変えています。歯ブラシは竹製のものに、スポンジはヘチマに、ボディソープは容器のいらない石鹸(せっけん)に」
(インスタグラムより)

ファッション業界では、新しい服の半分が一度も着られないまま大量に廃棄されたり、コットンの生産過程で大量の水が使われていたり、環境に負荷をかけていることが問題視されています。

トラウデンさんはファッションショーで再生素材を使った服を紹介し、リメイクやリユースをもっと活用するよう呼びかけるなど、業界全体への働きかけも行っています。

また、2020年6月には、レジ袋の有料化にあわせて「環境省プラごみゼロアンバサダー」にも就任しました。

トラウデン直美さん
「私はもともと、不便で面倒くさいことは大嫌いなんです。でも、例えばレジ袋だったらみんな同じ白いポリ袋に入れて持ち歩くよりも、自分のお気に入りのマイバッグを使った方がおしゃれで楽しいですよね。また、ボディソープをせっけんに代えると、詰め替える手間がなくてむしろ便利だと感じています。“環境配慮=我慢“と思われがちですが、環境に配慮していても便利に生きられることを、多くの人たちに気付いてもらいたいです」


ファッションショーでマイバッグを紹介するトラウデンさん



行動を呼びかけたら・・・突然の“炎上”
そんなトラウデンさんですが、あるニュースをきっかけにネット上で批判を受けました。 2020年12月に総理大臣官邸で行われた「2050年カーボンニュートラル・全国フォーラム」に出席した時のことです。

菅総理大臣やノーベル賞受賞者の吉野彰さん、経団連の杉森務副会長などが出席する中、トラウデンさんは若い世代の1人として考えを述べました。

「買い物をする際、店員に『環境に配慮した商品ですか』と尋ねることで、店側の意識も変わっていく」この発言がニュースで取り上げられました。


当時のニュース映像




トラウデンさんが会議で説明したスライド



これに対してSNSでは、「意識高すぎ」「めんどくさい客だ」といった批判の声が相次ぎました。一部のメディアには「トラウデン直美、意識高すぎて炎上!」という見出しのネット記事が掲載されました。

トラウデン直美さん
「環境問題について話すと『意識高い系』などと言われてしまう空気感が変わって、もっと自然に話し合える社会になればと思って発言しましたが、違う趣旨で受け取られてしまって残念です。ただ、自分のSNSのアカウントには、励ましのメッセージも数多く寄せられました。声に出さないだけで、共感してくれた人たちも多かったのではないかと思います」


どうすれば環境への配慮を求めるメッセージを、敬遠されずに受け取ってもらえるのか。 トラウデンさんは、環境配慮に対するハードルを下げ、完璧を求めすぎないことが大切なのではないかと考えています。

トラウデン直美さん
「100%環境に配慮した生活をしてないと偽善っぽく見えるから、なかなか環境に配慮していると言いづらいのではないでしょうか。でも全くそんなことはなく、1%でも2%でも取り組めばすばらしいと思います。
私は『プラごみゼロアンバサダー』ですけれども、マイバッグが足りなくなった時、お金を払ってレジ袋をもらうこともゼロではありません。私自身100%は無理だと思っているので、1人1人できることから少しずつやろうよ、と呼びかけたいです」


“気候変動対策を訴える” 新入社員
次に話を聞いたのは、横浜市の印刷会社に勤める宮﨑紗矢香さんです。大学生だった1年前まで、社会や政府に地球温暖化対策を求める若者の運動「Fridays For Future」に加わり、デモ行進を企画するなど積極的に活動してきました。


「気候マーチ」に参加する宮﨑さん(前列左から2番目)(2019年)



就職活動でも温暖化対策に積極的な会社を探したところ、創業140年の老舗企業「大川印刷」に出会いました。社長自らが「環境印刷」を経営方針に掲げ、石油を原料に使っていないインクや、適切に管理された森林から生まれた紙の利用、再生可能エネルギーの導入などを積極的に進めています。

宮﨑紗矢香さん
「ほかの企業の面接で気候変動問題について思いを話しても、『君の思うようにはいかないんじゃないか』などと言われ続けました。でも、大川印刷では社長も同じ問題意識を持っていることがわかり、共感することができました」

“ただプラカードを掲げていてもダメなんだ”
しかし入社した直後、宮﨑さんは壁にぶつかります。環境配慮をPRし、国から表彰もされた会社なのに、社内で意識に温度差があると感じたのです。

大きな期待を抱いていた宮﨑さんは、新入社員ながら、それぞれが気候変動に対して問題意識を持って行動するよう呼びかけました。しかし初めは、なかなか思うように話を受け入れてもらえなかったといいます。

宮﨑紗矢香さん
「自分の問題意識をなかなか理解してくれない先輩社員もいて、直接電話をかけて相手の考えを尋ねてみたこともありました。学生時代は、同じ年代、同じ考えの集まりでしたが、社会人になると親くらいの世代とやりとりするわけです。
そうなると、思いを感情のままぶつけても空振りしてしまう。ただ『プラカード』を掲げていてもダメなんだ、と気づきました」


悩んだ末、宮﨑さんはある行動に出ます。全社員出席の勉強会で「気候変動」をテーマにみずから講演したいと提案したのです。社長や社員の理解も得て、2021年2月、前例のない最年少社員による勉強会が実現しました。


社内勉強会で講演する宮﨑さん



「理想をふりかざしているだけでは、相手は話を聞いてくれない」
そうした反省から、宮崎さんは自分の気持ちを、できるだけ素直に伝えることを心掛けました。

地球温暖化に関心をもったきっかけから、就職活動で感じた社会への不満、そしてスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの言葉に衝撃を受けたことなどを率直に語りました。そして今、社員1人1人が将来の地球環境のことをより意識し、みずから社会に働きかけていくことが大事ではないかと呼びかけました。


勉強会を聞く従業員



勉強会後のアンケートでは、「宮﨑さんの考え方や取り組んできた経緯を聞けて、自分たちにもできる事があると感じられました」「いまの会社の取り組みについて宮﨑さんがどう思っているのか知りたい」といった声が寄せられました。

宮﨑紗矢香さん
「自分とは考えが違っても、まずは相手の考えを知り距離を縮めたうえで、自分の思いも理解してもらうことが大事だと思っています。最近『持続可能な社会』『脱炭素』といった言葉をよく聞きますが、どれも主語が大きすぎて身近に感じられないと思います。まずは自分の言葉で思いを語り、周囲の人たちに共感してもらうことから始めつつ、社会全体に向けても危機感を訴え続けていきたいです」


意識が高い“3.5%”が社会を変える!?
色々な思いを抱えながら活動を続ける若者たち。地球温暖化に詳しい専門家は、そうした“意識が高い”人たちの存在が、「地球のミライ」を守るためには欠かせないと話します。
そのカギとして挙げるのが「3.5%」という数字です。



国立環境研究所 地球システム領域 江守正多 副領域長
「全国民の『3.5%』が非暴力の抗議活動をすると、必ず社会の大きな変革が起きたという研究結果があります。これは市民運動によって独裁政権を打倒した、といったケースの研究ですが、環境問題についても当てはまるかもしれません。
現状で積極的に活動している人は1%にも満たないように思います。しかし環境を意識して生活している人はもっと多いはずです。この人たちが声を上げれば社会は変わるかもしれません」


江守さんは、少数の活動が広がって社会が変わった例として「分煙化」を挙げます。

もともと日本社会では、オフィスや列車内などでも構わず喫煙が行われていました。受動喫煙の影響を懸念する声などが徐々に広がり、規制や法律が設けられました。東海道新幹線で全席禁煙の列車が走り始めたのは2007年。最近のことなのです。

国立環境研究所 地球システム領域 江守正多 副領域長
『分煙』は社会運動を発端にいつの間にか当たり前になりました。環境に関する運動が成功すれば、近い将来、当たり前に電気自動車を買ったり、自宅の電気契約を再生可能エネルギー由来に切り替えたりしているかもしれません。トラウデンさんや宮﨑さんのような人たちが、まずは身近なところで意識を広げる事例を積み重ねていくことで、社会の大きな変化につながっていくはずです」



“分煙化”は少数の声から規制・法律制定につながった



“まずアンテナを立てることから始めてみる”
地球温暖化対策は喫緊の課題となっています。
世界の科学者は、「いまのままでは早ければ2030年には世界の平均気温が1.5度上昇し、異常気象がさらに増加する」と予測しています。これから環境に配慮した行動を始めたい人は、どうすればいいのでしょうか。

国立環境研究所 地球システム領域 江守正多 副領域長
「まずアンテナを立ててみることを提案します。例えば、気候や環境に関するニュースをフォローして、世界で起きている事実を知ることから始めてみて下さい。そうすることで、現在の社会の何が問題で、自分がいま何をするべきなのか、おのずと見えてくると思います」


異常気象が増えるなど、地球温暖化の影響は身近にも感じられるようになってきています。環境配慮のアクションの始め方は人それぞれ。
「意識高い系」と敬遠せず、できることから始めてみませんか。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年3月29日

プラスチックで覆われた荒川・河川敷 ~ごみ拾いのデータが示すもの~  

私たちの生活からあふれ出るプラスチックごみ。このままの状態が続けば、2050年までに海に漂うプラスチックごみの量は、魚の量を上回ると言われています。
「海のごみは、海で出たもの」
そんなイメージもあるかもしれませんが、元をたどれば街で出たごみが川を経由し海に流れ着いたものです。都内を流れる荒川には、大量のプラスチックごみが流れ込み、深刻な状況を引き起こしています。 (地球のミライ 取材班 ディレクター 三木健太郎)




埼玉から東京湾へ注ぐ流域人口1,000万人の荒川。ひとたび河原に踏み込んでみると、一面プラスチックごみというショッキングな光景が広がっています。 そのほとんどは、様々な理由で川に流入したごみが、台風などで水かさが増したときに河原に打ち上げられたとみられています。

荒川河口域をすみかにしているトビハゼ(環境省準絶滅危惧種)も、巣の上にレジ袋が被されれば貧酸素状態になってしまう可能性があります。
クロベンケイガニがマイクロプロチックを噛み砕いて食べている姿もたびたび目撃されています。
私たちの暮らしから出たごみが荒川流域の生き物の命を脅かし始めているのです。





こうした現状に危機感を募らせているのが、NPO法人『荒川クリーンエイド・フォーラム』です。クリーンエイドは「clean:きれいにする」+「aid:助ける」という造語、“ごみを拾ってきれいにして自然が回復するのを助ける”をモットーに、1994年から荒川流域のごみ拾い活動を続けています。

その特徴は国土交通省荒川下流河川事務所や沿川の自治体と連携し、365日いつでも活動できる仕組みを整えている点です。市民団体や自治体、企業、学校などと共に活動し、回収したごみを行政が処理する、流域一丸となった活動モデルを構築しています。これまで延べ23万人が参加、2019年には190回のごみ拾い活動を実施し、『現場体験の場』を提供しています。



「“拾って変える未来”をスローガン掲げ、現場体験を大切にしているのですが実際に現場を見て拾ってみて、それぞれの人がプラスチック問題の解決策を考えるきっかけになったらいいなと思っています」
  (荒川クリーンエイド・フォーラム 今村和志 理事/オフィスマネジャー)
AFCのごみ拾いには、年間30~50ほどの企業が啓発活動の一環として参加しています。
取材した2020年10月には、大手水産会社・ニッスイ(日本水産(株))の新人社員が研修としてごみ拾いをしていました。

参加者が特に驚いていたのは、土を少し掘り返すとマイクロプラスチックと土が細かく混ざり合っているという悲惨な状況です。



「もう土と一緒になっちゃって全然取れないですね。回収しきれないし、手の施しようがないんじゃないかなと思います。自分の身の回りもこうだったらと思うとぞっとするというか怖いですね」
(ニッスイ 新人社員)
ごみを集計することが状況の把握に
ただごみを拾うだけではありません。
荒川クリーンエイド・フォーラムでは5、6人のグループに分かれ、拾ったごみの種類や数を細かに記録し集計しています。

ごみを減らすにはどうすれば良いかを考える「調べるごみ拾い」と呼んでいます。実はこの手法は、国際的に定められたごみ拾いのルールにのっとったやり方で、その結果は研究者たちも参考とする貴重なデータとなっています。

 

荒川で回収されたごみ上位20(2019)提供 荒川クリーンエイド・フォーラム

2019年のデータを見ると、断トツで多いのがペットボトル、次いで食品のポリ袋、プラスチック容器と続き、食品に関するプラスチックごみが上位を占めています。
私たちのライフスタイルを映し出す鏡とも言えます。
ごみ拾いがプラスチック汚染解決に!?
ごみ拾いなんて地球規模プラスチック汚染の解決には無力だと思うかもしれません。
しかし研究者の試算によると、ペットボトル1つ拾うだけで1平方キロメートルに散乱するマイクロプラスチックを回収したことになり、レジ袋1枚拾うだけで数千個から数万個のマイクロプラスチックの流入を抑えたことになるといいます。

あなたの行動ひとつが海へプラスチックが流出する前の砦(とりで)となり、一匹でも多くの生き物の命を救う可能性があるのです。まずは近くの川へ足を運んでみて1つでもプラスチックごみを拾ってみてはいかがでしょうか?ごみと共にプラスチック汚染の問題について考えるきっかけを拾うことにつながるかもしれません。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月26日

あなたの知らない プラスチックごみの行方

燃えさかる炎。火元となったのは不法に廃棄されたプラスチックごみ。何者かが放火したことで燃え広がりました。ひょっとしたらあなたが捨てたごみが原因の一つになっている可能性があるのです。(地球のミライ 取材班)

世界有数のプラスチックごみ輸入国に
火災が発生したのは人口40万のマレーシアの街・スンガイプタニ。2019年頃から次々とリサイクル工場が建てられています。そのひとつの敷地内でした。燃えていたのは、世界中から輸入されリサイクルされるはずだったプラスチックごみです。

先進国で出たプラスチックごみは、自国内では処理しきれず、世界中に流通しています。かつては世界のおよそ50%を中国が引き受けていましたが、環境悪化を理由に2018年に受け入れを禁止しました。今は、その役割を東南アジアが担い、マレーシアは世界有数のプラスチックごみの輸入国となりました。

国は規制を強化していますが、「リサイクルがコストに合わない」と判断した業者が敷地内に放置し、火災につながるケースが後を絶ちません。



健康被害を訴える住民たち
地元の医師、ティオ-さんによると、肺や気管支の不調を訴える患者が増えていると言います。ティオ-さんはその原因は、プラスチックごみの火災によって発生した化学物質にあると考えています。我々が取材したこの日も、健康被害を訴える親子が受診しにきました。

マレーシアの街・スンガイプタニで診療を続けるティオー医師

患者の親
「学校に行って5分も経たないうちに目が赤くなり、鼻血も出ます」 症状から、近所の煙によるアレルギーと診断されました。
ティオ-医師
「2019年の3月頃から、呼吸の不調を訴える人が15%増えました。マレーシアは外国からのあらゆる種類のごみ捨て場になってしまいました。自分たちのごみは自国で処理するべきであり、マレーシアにごみを持ち込んで欲しくはありません。」

日本も毎年およそ100万トンのプラスチックごみを輸出しています。分別して適切に捨てたはずのごみが、地球のどこかで悪影響を及ぼしている可能性があるのです。大量生産、大量消費の便利さを享受する社会システムのしわよせが、こうした場所で起きているのです。

バリ島の海岸を埋め尽くした プラスチックごみ
火災だけではありません。野外に放置されたプラスチックごみは、風雨にさらされて、やがて海に流出します。今も地球上では、年間3000万トンが新たに海に放出されていると考えられています。

インドネシア・バリ島にすむメラティ・ワイゼンさん(20歳)は、12歳の頃に海岸に散乱するプラスチックごみに衝撃を受けました。心を痛めたメラティさんは、2つ下の妹・イザベルさんとともに、「なにか行動を起こさなくては」と決意しました。

メラティ・ワイゼンさん(左・当時12歳)と、妹のイザベルさん(当時10歳)提供:D'LIME

ワイゼンさんが調べると、バリ島では、毎日、14階建のビル1棟分のプラスチックごみが排出されていました。まずは、このごみをなくすことができないかと考えましたが、2人の思いだけで、世の中が動くとは到底思えません。

そこでワイゼンさんは「仲間作り」を始めることにしました。注目したのは教育です。小冊子を作り、学校や地域のコミュニティーでワークショップやごみ拾い活動を始めました。


プラスチックごみ問題を描いたカラフルな絵本を作成

世界に広がる『バイバイ プラスチックバッグ』
キャンペーンの名前は「バイバイ プラスチックバッグ」。「レジ袋を使わない」という目標のわかりやすさと具体性から、その輪は一気に広がりました。7年間でのべ20万人に語りかけ、一緒に活動を行いました。拾い集めたプラスチックごみは100トン以上になります。さらに、インターネットを通じて海外の人にも活動の様子が伝わり、29か国・50の団体がメラティ姉妹の活動を賛同し、仲間になっていきました。

草の根活動は、次第に大きなムーブメントに 提供:Bye Bye Plastic Bags

地元、バリ島でも「プラスチックのレジ袋」禁止に賛成する署名は10万人にのぼります。活動を始めて6年。バリ島では袋だけではなく、ストロー、カップや食品容器などの発泡スチロール製品を含む、使い捨てプラスチック製品が禁止されました。



活動開始当初、「プラを使わない生活なんて」と考えていた人たちが「プラを使わなくても全然大丈夫」という意識変化を起こしたことを目のあたりにして、メラティさんは、手応えを感じています。



メラティさん
「子どもの人口は世界の25%ですが、未来の可能性の100%を握っています。それは、私達の行動を伴ってすでに始まっているのです。」


「大人になるまで待てない」
メラティさんは、活動を通じて繋がった同世代の仲間達と「YOUTHTOPHIA(ユーストピア)」というネットワークを作りました。持続可能な地球を目指して、新しい活動を実現しやすい環境作りを続けています。従来の教育ではなく、こういったネットワークによる仲間同士の教育や学びの空間が『若者の変化を後押しすること』に繋がることを目指しているのです。

メラティさん
「私達の世代には緊迫感があり、大人になるまで待っている時間はありません。若者は皆、変化を加速させる力を持っている、そう信じています。」


米TIME誌などに「最も影響力のある10代」として選出されたメラティさんとイザベルさん

 
思うだけではなく、とにかく行動に移す。簡単なようで難しいことを、メラティさんは仲間をつくることで実現してきました。小さな事だとしても、私たちにも出来ることがあるのではないでしょうか。


2/28放送のNHKスペシャル 2030 未来への分岐点 (3)「プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界」でこの問題を考えます☟



今起きているプラスチック問題☟
「胃袋から276 個のプラスチック片が…世界遺産の島で何が」

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月26日

「常田大希 破壊と構築」 ドキュメンタリー ダイジェスト 保存版

2021年1月8日に放送したドキュメンタリー「常田大希 破壊と構築」。 番組では、音楽家・常田大希(つねた・だいき)さん(millennium parade/King Gnu)が作曲したNHKスペシャル シリーズ「2030 未来への分岐点」のテーマ音楽「2992(にきゅうきゅうに)」の創作現場に長期密着しました。

常田大希さん作曲「2992」 スタジオ収録に密着のコメント欄にも「とてつもなくかっこいい常田さんを惜しみなく見せて頂きありがとうございました」「常田さんの作る曲の世界観だったり、彼の基盤となっている価値観を知れた気がして、とても見応えのある番組でした」など多くの反響がありました。

また、NHKスペシャル シリーズ「2030 未来への分岐点」は、第3回 プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界がNHK総合で2月28日(日) 夜9時から放送予定で、番組内で「2992」がどう使われているのか注目されます。

3月5日(金)夜11時15分からは、BSプレミアムで常田さんのドキュメンタリーの拡大版(89分)も放送予定で、鋭意制作中です。今回は、放送したドキュメンタリーの内容をテキスト化しました。
(ディレクター 高橋 隼人)




いま、音楽シーンを席けんする男のプライベートスタジオ。曲づくりの現場に初めてカメラが入ることが許された。
若者から絶大な支持を集め、またたく間に頂点に上り詰めた。男の名は常田大希(つねた・だいき)、28歳。 日本を代表するロックバンド King Gnu(キング・ヌー)を率い、その楽曲制作すべてを担っている。「白日」 はストリーミング回数、3億を超える大ヒットとなった。

 常田大希(King Gnu/millennium parade)

惜しげもなくカメラにさらした創作の一部始終…。
音楽の深き森に分け入り、答えとなる音を探し続けていた。

東京藝術大学に収まり切らなかった異才(器楽科チェロ専攻 中退)。チェロやドラムなど10以上の楽器を操り、音をくみ上げていく。クラシックの要素も大胆に取り入れる。生み出されるのは、誰も聞いたことのない世界。

常田:
「今までをどう変えていくかという魅力を芸術に感じていたので。破壊と構築を繰り返していくじゃないけど」




クリエイターの仲間とともに、常田の世界は映像にも広がる。新境地を切り拓く新たなプロジェクト millennium parade(ミレニアム・パレード)。常田の限界を、まだ、誰も知らない。

MTV VMAJ 2020 最優秀アーティスト賞 最優秀オルタナティブビデオ賞
SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2020 BEST CREATIVE PARSON
PEN クリエイター・アワード2020


俳優 綾野 剛:
「クリエイティブ暴走族みたいなもんですよ。あと優しいよ」
常田:
「優しいを売りにはしたくないよね(笑)」




3か月に及んだ完全密着。私たちはある楽曲の制作過程をつぶさに追った。
そのタイトルは 「2992」(にきゅう きゅうに)

常田:
「それが2992年に残ってたら面白いっすよね。その作品が。頑張んないと」


はるか地球の未来に、常田は何を投影したのか…。

常田:
「いろんな人たちがいて、いろんな価値観があってというものを肯定できる作品というか」

完成を目前にしてもなお…。

常田:
「一回きれいなものができあがったから、壊し出さないと」
常田:
「まだできる、まだできるの連続で、何をそんなに焦っているのか」

終わることのない破壊と構築の繰り返し。その日々を、追った。

ミュージシャンの力を引き出す音楽プロデューサー 常田大希
左・江﨑文武(WONK/millennium parade)中央・新井和輝(King Gnu/millennium parade)

撮影が始まったのは、 2020年9月

「お疲れ様です。お願いします」

常田が都内のスタジオに到着した。

この日はmillennium paradeのレコーディングだった。millennium paradeは新たな音楽的挑戦として、常田が同世代のミュージシャンと2019年に立ち上げた。
テレビカメラを連れてきた常田に「すごい密着感あるじゃん」と声をかけたのは、ピアノ・シンセサイザーを担当する江﨑文武、28歳(WONK/millennium parade)。東京藝術大学の同級生だ。

メンバーはそれぞれが独自に音楽活動をする多彩な顔ぶれだ。
ベースを担当するのは、新井和輝、28歳(King Gnu/millennium parade)。10代からジャズ・ファンクシーンで活動してきた。新井が常田の横で曲に合わせてベースを弾き始める。



常田:
「おもろいけどね」
新井:
「最後のフィル(フィル・イン=即興のアレンジ)はああいうのがはまりそう」
江﨑:
「うん。模範的だよね。ラシドレミソミって」
常田:
「これキープしよう」
新井:
「もう一回いきます」

再び、新井がベースを弾く。ふつう、プロデューサーが入り指揮をとるが、ここにはいない。常田がすべての判断を下している。

―常田さんからああしろこうしろって感じではない?
常田:
「そんなにないよね」
江﨑:
「大希は、最終判断は自分で握っているけど、それぞれのプレイヤーの良さを引き出すタイプの作り手かな」
新井:
「特に今のこのセクションはその極みですね。他の現場でこんなにベースを弾くことはまずないくらい」
常田:
「(millennium paradeは)そういう意味ではミュージシャン勢が本当に羽ばたけるプロジェクト
江﨑:
攻めの表現をやれる場所っていう感じだよね」


King Gnu 新曲のレコーディング 頭の片隅には…


9月22日
この日はKing Gnuの新曲「千両役者」のレコーディングだ。ドラムとベースのレコーディングの様子をモニター越しに見ながら常田が意気込みを語る。

常田:
「なんせKing Gnuが今年初リリースなんで。
(ファンに)待たれている感をビンビン背中に感じるから。もうちょうどツアーのタイミングでどんぴしゃでコロナ始まっちゃったから。
明けてからが楽しみですね。秋のツアーたぶんやる予定ではあるんですけど」


視線の先にいるのはレコーディング中のドラム担当、勢喜遊、28歳(King Gnu/millennium parade)

常田:
「髪型に合わせてプレースタイルも渋くなってる」


右・勢喜 遊(King Gnu/millennium parade)

半年ぶりにレコーディングを再開したばかりだった。録り終えてブースから出てきた勢喜に常田が声をかける。

常田:
「(髪)いつ切ったの?」
勢喜:
「昨日くらい」
マネージャー:
「前髪の高さとか絶妙だよね」
勢喜:
「前髪だけちょっと長い。下ろしたらめっちゃきもいよ。耳にかけたら普通になるのよ」(一同爆笑)
マネージャー:
「普通ではない」


イスに座った常田がパソコンを取り出し、文字を打ち始めた。

―何を書いているんですか?
常田:
「いまダーッと韻を踏む言葉を書き出している。言葉をマシンガンのようにはめているから文字をいくら出してもなかなか終わらない」




レコーディング中のこの曲の歌詞を、まだ書き終えていなかった。

常田:
「なかなか1サビはいい感じになっちゃったから。
“生への渇望”と“生きるきらめき”みたいなテーマですかね。
照れてきた(笑)。おおよそそんな感じで。すごい恥ずかしい」


サビの最後のフレーズについて語り始めた。
パソコン画面には「ただ生きるための 抗体を頂戴」と表示されている。

常田:
「“抗体を頂戴”と。早く抗体を作ってくれないと俺らも大変なんで、科学者の人たちに頑張ってほしいですね、ほんとに。
俺たち何もできないんでね。っていう切実な歌詞ですね」


常田が気にかけていることがあった。スタッフに問いかける。

常田:
「最近どうなんですか?(新型コロナの影響が)緩和されてきたイメージは」
スタッフ:
「緩和されてきたイメージはある。ただツアーでたくさん(チケットの)本数を切るっていうのはすごいリスクある。チケット売って(ツアー)一本目でコロナが出たりスタッフが感染しても…」


常田はテレビカメラのほうに向き直り、「という意味でも“抗体を頂戴”っていう、切実な曲が出来上がりましたね」と笑った。

音楽一筋な28歳の青年


レコーディングを終えてスタジオを出る常田。
駐車場で「こっち乗って行きます?」とテレビクルーを誘った。

常田:
「夏が終わってきましたね」


常田が運転席でそうつぶやいた。

常田:
「最初20歳くらいで車買って維持費が高いってなって、車検のタイミングで手放しました。なんとも言えない。金稼ぎてぇみたいな」


常田の愛車は70年代の国産車だ。

常田:
「メシ食います?あんまり高くなさそうなところがいいな」




焼き肉店に入った常田。好きな食べ物は卵かけご飯らしい。
「いただきます」とさっそく豪快にかきこんだ。

常田:
「箸の持ち方も俺やばいし、一切マナーの教育受けてない」
―あまり家は厳しくなかったですか?
常田:
「全然厳しくない。米津玄師のレコーディング現場でみんなで弁当食ってたんですけど、米津が『文明で育ってきたのか』って驚愕していたくらい。
食べ方がきたないって言われて以来、気を付けていますね。箸の持ち方も練習して」




この夜、帰ったのは自宅ではなくプライベートスタジオだった。歌詞の続きをここでまた考える。1人、アコースティックギターを弾きながら口ずさみ続けていた。
「本来ならイケイケ」そんな中で直面した 2020年という時代
井口理(King Gnu)

9月26日
King Gnuの「千両役者」のボーカルレコーディングの日。常田は歌詞を仕上げてきた。 ブースで歌うのは、井口理、27歳(King Gnu)
「一世一代の大舞台…」と早いテンポで言葉を畳みかける。
一連のフレーズを歌い終わると、井口が声を上げた。

井口:「これやばいかも、息継ぎできない問題」


するとブースの外で聴いていた新井がリズムを取る。
言葉と音のタイミングをずらしてブレスを取れるように歌ってみせる。
常田も「いいね」と復唱する。歌い直す井口。
チームワークでレコーディングが進んでいく。

休憩中のことだった。マネージャーからツアーを縮小して開催するという話があった。

マネ:
「(全国ツアー)縮小してやります」
常田:
「なんで?やばくなってるの?」
マネ:
「やばくなってないけど色んなリスク含めて」
マネ:
「(集客は)4万人くらい。元々は10万人くらい」
井口:
「半分か」
常田:
「半分以下だ。うわ、やば。残念やな、普通に」




話し合いが終わったあと、別室で常田に気持ちを聞く。

常田:
「いや残念だよね、普通に。ことし本来イケイケだったから。とはいえ、できることをやるだけです。
コロナがみんなの時間の感じ方をすごく変えていますよね。
冷凍保存されているじゃないけど、2020年が来年もう一回来ても、たぶん違和感ないというか。そっちの方がしっくりくるというか。
(冷凍保存された時間を)力ずくで動かすためにこういう曲を作って世間に出すっていう作業を本能的にやっている。どうにか動かそうとしていますね」

常田がブースに入って歌う。

「一世一代の大舞台 有名無名も関係ない 爽快だけを頂戴 あなたと相思相愛で居たい 好き勝手放題の商売 後悔なんて面倒臭いや 青臭い野暮くさい生涯を ただ生きるための抗体を頂戴」

「もう一回」と常田。

「生涯をただ生きるための抗体を頂戴」

「あ、もう一回もう一回」


納得いくまで同じフレーズを繰り返す。

「生涯をただ生きるための抗体を頂戴!」

若き日に繰り返した破壊と構築


常田の原点となった場所があるという。
生まれ故郷・長野から18歳で上京し、7年間、祖母と暮らしていた家だ。祖母はすでに他界し、3年前から空き家になっている。常田が家の中を案内してくれた。

「これとかいい絵じゃん」


部屋の隅に置かれていた風景画とスケッチブックを手に取る。

「ばあちゃん絵描きだったから。服とかも作っていた。
変わったおばあちゃん。俺に一番近いかな家系的には」


続いて和室に入る。

「ここはね、親父が一時期住んでいたんじゃないかな、たしか」


アルバムを見つけた。

「初めて見たんだけど。結婚式の写真で。これ母ちゃんでこれ父ちゃん。
これ、ばあちゃんだ」




両親がともにピアノを弾き、自然と楽器を覚えた常田。
音楽を突き詰めて学ぼうと東京藝術大学に進学。
世界的指揮者、小澤征爾のオーケストラにも参加。そこが大きな転機となった。

常田:
「そこでの感動は今も痛烈に残っていますね。
ホールの鳴り、お客さんの感じ、指揮者の表情、鳴っている音、自分の美しいと思う基準の幹になっている感じはありますね。
でも、今までをどう変えていくかとかという魅力を芸術に感じていたので。
破壊と構築を繰り返していくじゃないけど」




大学は1年で辞めることにした。常田が使っていた部屋の天井には…。

「やばいね。ミラーボールだけ残っている。気分を盛り上げたかったんでしょうね」


この部屋で破壊と構築を繰り返し自らの音を探し始めた。当時、レコード会社に送ったデモ音源が残されている。19歳の常田が作ったものだ。

ソニー・ミュージックレーベルズ 新人発掘担当(当時)田口 実

当時、この音源を聴いたレコード会社の新人発掘担当(当時)、田口実はこう振り返る。

田口:
「牙をむいているサウンドだな。純粋な10代最後の叫び。
でも、その才能がどうやればビジネスになるかっていう、ひも解きがやっぱり難しくて」


常田は自身の将来をどう考えていたのか。

常田:
「音楽の歴史とすごい向き合って楽器と向き合って、何でこんなに世の中に必要とされてないんだって。
アーティストとしてのプライドもあるから別にそこ(音楽業界)にウケるものがアーティストとして優れていると思ったことは一度もないし、やっぱり音楽には嘘はつけないと思って生きているわけですよ。
だからこそ勝ち取らなきゃいけないものがあるというか、評価されないといけないものがある」


妥協の音楽は作りたくない。だからこそ自らの音楽を認めさせたい
曲を作っては自らミュージックビデオも制作、地道に配信を続けた。

そして2019年。King Gnuでメジャーデビューをつかむと、常田は人々を熱狂の渦へと巻き込んだ。

常田の夢 現代の音楽とオーケストラの融合


2020年、常田はひとつの夢に挑んでいた。オーケストラと現代の音楽を融合させる楽曲制作だ。それはまさに常田の28年の歩み、そのもの。

かつてmillennium paradeで作った「DURA」(デュラ)という曲を一からつくり直す。

常田:
「いい感じで聞いたことないようなバランスになったら面白いんですけど。
美しいものも汚いものも全部入れたい。それが人生だし。
土臭くもあり美しくもあるものになったらいいですね」


常田がプライベートスタジオでアレンジを行う様子を定点カメラで撮影した。
まず、ピアノでアレンジを始めた常田。しばらくすると今度はチェロを取り出す。
このようにオーケストラの楽器を次々と組み込んでいく。
常田の原体験となった「美しさ」を表現するためだ。

「ああ、違うな」。


チェロを置く。今度は曲に合わせてベース音を口ずさむ。30分後。
エレキベースを手に取り、オーケストラとは異質のサウンドを探る。
ロックやファンクっぽいものを試してみるが…。

「うーん、違うな」。


リズムを取りながらスタジオをうろうろしたり、鍵盤を弾いたり…。
再びエレキベースを手に取っては、「おおこれだ」「いらねえか」の繰り返し。

伴走する仲間 クリエイティブ集団「PERIMETRON」


試行錯誤を続けるさなか、常田はふと隣の部屋にむかった。
そこでは男たちが議論を交わしていた。

彼らはPERIMETRON(ペリメトロン)というクリエイター集団。常田を中心にした10人からなり、2016年から本格始動した。「Fly with me」「lost and found」に代表されるように、常田は音楽を、彼らはその映像を一緒に作ってきた。

映像作家のOSRIN

ミュージックビデオの衣装の構想を常田に見せるのは、映像作家のOSRIN(オスリン)

オスリン:
(和装の写真を示して)「こういう格好もありだな」
常田:
「ああ、すごい(イメージが)浮かぶね。“三文小説”っぽいし」


彼らは、駆け出しの頃からともに歩み、常田の支えになってきた存在だ。

常田:
「King Gnuの最初のころなんてファミレスとかで編集してたからね」
オスリン:
「ファミレスで編集してた。朝5時までやって終わらなくて、その後近くの漫喫(漫画喫茶)に行って」
常田:
「そうそう地獄やマジ」
オスリン:
「で、ファミレスに戻るみたいな。ファミレスが開いて」
常田:
「それ考えたらすげえ俺たち頑張ってきたな」
オスリン:
「まじ頑張ったよな。ずっとエビとトマトのスパゲッティを大希は食ってたから」


そしてまた、創作に戻る。

難航を極める1000年後への楽曲制作


King Gnu「三文小説」のミュージックビデオの撮影が行われたこの日。撮影を終えた深夜3時、常田が思わぬことを話し始めた。

常田:
「明日は何にせよ大事ですからね。
「DURA」、「2992」ってタイトルに変わったんですけど。
要は1992年生まれがミレニアム・パレードしていったら千年後だから「2992」っていうタイトル。
規模がでかい話になっちゃいました。音楽もけっこう規模でかいんで。それが2992年に残っていたら面白いですよね。頑張んないと」


こうして、曲のタイトルは「2992」と決まった。



10月12日
「じゃあ頭からいきます」。


常田の合図で「2992」の音のバランスを整える作業が始まった。

「すみません、サイドチェイン(エフェクト)を入れるとどうなるのか?大味ドラムの」


ここから、さらに楽器ごとにアレンジを加えるという。ところが…。

「素材変えても良さそうだね」


一度レコーディングした音を差し替えようと言い出した。パソコンで打楽器の音を探る。
「これとかいいんじゃない」とエンジニアにUSBを渡す。

「これ全セクションでやるの、やべえ作業になりそうだな」


―この曲、楽器をいくつ使っているんですか?
常田:
「トラック何個あるの?」
エンジニア:
「150くらい」
―このくらいのトラック数って当たり前なんですか?
常田:
「全然当たり前じゃないでしょ」
エンジニア:
「当たり前じゃないですね。なかなかないですね」


10月22日
最終形が見えないまま迎えた「2992」のボーカルの収録日。
やってきたのは、ボーカルを担当するermhoi(エルムホイ)、28歳(Black Boboi/ millennium parade)

常田:
「ここの言葉足りていない感」
エルムホイ:
「ここに『all』 足してるんだよ」


作詞を担当したermhoiと直前まで歌詞を考え続ける。

常田:
「俺たち1992年生まれだし、ちょうど千年後ってことで」
エルムホイ:
「私たちが1000歳になってたらくらいの感覚で、その時に生きている人に今こういうことを考えてますみたいな感じの(歌詞)」




混とんとした現代から、千年後の未来へ。音と言葉を紡いでいく。
ブースで歌詞の序盤を歌ってみたermhoiがマイク越しに常田に問いかける。

エルムホイ:「どんな感じでしょうね。もっとストーリテラーな感じなのか、主人公系なのか。あー、この曲つかみきれてないんだよね」
常田:「むずいよね」


ブースから出てきたermhoi。ソファにもたれる。常田も何とも言えない表情。

常田:
「もうすでにサウンズグッドではあるけどね。お行儀よすぎる気がする。
オケ(オーケストラ)のちょっとよくできた感じとかも」
エルムホイ:
「きれいなね。ポップスオーケストラアレンジの爽やかな感じ。
空気によどみがない」
常田:
「もっと汚したい。まだまだ長そうですよ、今日は。(夜の)12時までには終わりたいですね」


完成間際まで終わることのない破壊と構築


11月4日
迎えた「2992」のミックスチェック。いわば完成前の仕上げ段階…。
聴き終わった常田がエンジニアに提案する。

「1サビに『FAMILIA』(別曲)で使っている花火の音を(ドラムの)スネアにもってこよう。ちょっとしょぼく感じたわ」。


ここに来てもなお、音を差し替えるという。しかも使う音は、花火。

―ドラムのスネアがなじんでいないということ?
常田:
「そう、ドラムのスネアを」
(花火の音「ドーン」)
常田:
「おおー。(ドラムの)フットも探そうよ。やべえ作業始まったっぽい」
(打ち上げ花火の音)
常田:
「イントロでピューン使いたいからピューンもいいのがほしいね」


深夜1時30分
エンジニアがシンセベースを持ってきた。ここからさらに作っては壊し、究極の音楽を探し続ける。常田大希の創作に、終わりはない。

そして1ヶ月後。「2992」は完成した。

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《「2992」がテーマ音楽の番組を見る》
NHKスペシャル シリーズ「2030 未来への分岐点」
▼第3回「プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界」
【放送予定】2月28日(日)[総合]後9:00~9:50

《常田大希の関連記事を読む》
▼常田大希さん作曲「2992」 スタジオ収録に密着
▼テーマ音楽を手がけた音楽家・常田大希 ロングインタビュー
▼NHK「SDGsキャンペーン」始まります!

《NHKオンデマンドで放送を見る》
▼「常田大希 破壊と構築」
▼NHKスペシャル 2030 未来への分岐点(1)

《環境問題に関心をもったら読みたい》
▼今こそ、環境問題と向き合おう
 NHK・SDGsキャンペーン「未来へ 17アクション」

▼『モリウイルス』『メタンガス』 永久凍土が溶けて起きること
▼持続可能な社会 2050年の未来予想図
▼明らかになる『地球温暖化と“異常気象”の関係』
▼地球温暖化で寿司(すし)が食べられなくなる?

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月25日

胃袋から276 個のプラスチック片が…世界遺産の島で何が


オーストラリアとニュージーランドの間にある、小さな島、ロード・ハウ島。澄んだ空気は鳥のさえずりで満たされ、緑豊かな自然、そして、透明度の高い海が広がっています。世界遺産にも選ばれ、人気の観光スポットですが住民は350人、許可されている訪問者は常時わずか400人と、往来する人を制限し、自然環境の保護にも力を入れている場所です。



実はこの島で子育てをすることで知られる『アカアシミズナギドリ』が、プラスチックの脅威にさらされていることがわかってきました。

ひな鳥の体内に大量のプラスチック

タスマニア大学のジェニファー・レイバース博士が調べたところ、胃袋に、プラスチック片がぎっしり詰まっているひなが続出。15年の調査で調べたひなから明らかになった数は、最大で1羽当たり276個。体重の15%を占める(体重60㎏の人で9㎏に相当)量に上っていました。

提供:Ian Hutton (Lord Howe Island Nature Tours)

提供:Ian Hutton (Lord Howe Island Nature Tours)

親鳥が、海に浮かぶプラスチック片をイカや魚などのエサと勘違いし、ひなに与え続けてしまったことによるものです。さらに、血液を分析したところ、カルシウム濃度が低下していました。カルシウムは卵の殻をつくる成分でもあり、将来、繁殖時にたまごが割れやすく、うまく育たない可能性があります。

こうしたプラスチックは、世界中で廃棄されたゴミが長い年月をかけて、徐々に砕けて小さな破片となったものが海を漂いつづけているものです。プラスチックは環境の影響を受けにくい極めて安定した性質を持つため、こうしたプラスチックが消えることはありません。 いま世界中の研究者たちが、生態系への影響を懸念しています。

ジェニファー・レイバース博士
「この5年で、海鳥の体内のプラスチック量は増加している。彼らは非常に重要なメッセージを伝えている。それに耳を傾けるかどうかは私たち次第です。」


私たちは 年間4kgのプラスチックゴミを海に捨てている


軽くて丈夫で、あらゆる形に加工できる上に、安い。
プラスチックは1950年代に使用されるようになって以来、瞬く間に私たちの生活に浸透しました。2015年の推計値では、4億トンのプラスチックが使用されたと考えられています。

そのほとんどが使い捨てで、リサイクルされるのは全体の9%。焼却処理されるのは12%です。実は廃棄されたプラスチックのおよそ8割は、埋め立てなど「ごみ」のまま地球上に積み上がっています。その一部が海へ流れ出続けています。

トロント大学のロシュマン博士の推計によると、その量は2020年で年間3000万トンに達しており、一人当たり年間約4kgのプラスチックごみを海に捨てていることになるのです。

SDGsでは「14 海の豊かさを守ろう」という目標の中で、海洋プラスチックの問題が取りあげられています。日本でも2020年7月に、プラスチック製の買い物袋が有料化されるなど、「ごみに繋がるプラスチック量を抑制」する動きが始まっています。

動き出したファッション界 切り札は『再生ナイロン』



その一方で産業界では、根本的な解決策を模索する取り組みが活発化しています。「すでにあるプラスチックを循環させていく」という挑戦です。

2019年8月、フランスで「ファッションパクト」というファッション協定が結ばれました。アディダスや、ナイキ、H&M、シャネル、アルマーニ、プラダ、フェラガモなど、32グループが参加を表明。今では66グループ200以上に増えています。『気候変動』『生物多様性』『海洋』の3分野で、実践的な目標を協力して達成するとしました。

そうした企業が続々と採用を決めている素材があります。漁網や使い古したカーペットなどの廃棄物から作る「再生ナイロン(ECONYL)」です。





イタリアのアクアフィル社が開発したもので、加工の過程で使う溶剤も無害とされるものを選び、使用後に何度でも素材に戻せることから、「素材循環」のモデルの一つになると、考えられています。

今回のファッションパクトを牽引する、ケリングのブランドでも、すでに商品化を進めています。こうした取り組みは、イメージ戦略としても今後重要になると考えています。

ケリング チーフ・サステナビリティ・オフィサー マリー=クレール・ダヴ―さん
「天然資源の枯渇の観点からもサステナビリティーの考えは必須で、企業の発展にも不可欠です。若い世代は特に環境問題に敏感ですから、その需要に応えることも必要です」


『リサイクル100%』へ 4つの視点


自社製品を「廃棄」するのではなく「もう一度再利用する」動きは、他の産業にも広がっています。家具やインテリア製品で知られるIKEAもそのひとつ。IKEAでは2030年までにプラスチックを含むすべての材料で、リサイクルまたは再生可能な素材へ100%切り替えることを目指しています。

現在は再生可能な素材がおよそ6割、リサイクル率1割と言うので、かなり野心的です。この目標を達成するために「サーキュラー(循環)チーム」と呼ばれるコアグループが既存の1万以上の製品について一つ一つサーキュラー度を検討し、改善を始めています。


サーキュラーチームの4つの視点です。
①材料をリサイクルまたは再生可能なものに置き換える
②耐久性の向上&製品の規格化
③中古家具のレンタル・売買など、製品を循環させ続ける
④他企業との連携し、社会システムとして達成する


例えば、家具は、痛みやすいところがある程度決まっています。回収して、使用できるものをもう一度使えば、新規の材料は大幅に減らせることになります。その他、クッションやカーテンなどは、材料をペットボトルを原料とした再生素材にしたり、子供用の食器は環境負荷の少ないトウモロコシやサトウキビなどを原料にしたり、製品そのものの規格をあらかじめ別の製品とそろえることで、再利用しやすくするなど、製品の設計から見直す作業が続けられています。

サステナビリティ・ディべロップ・マネージャー キャロライン・リードさん
「事業を完全な『循環型』に転向するのは、野心的かもしれません。しかし、それは、事業を発展させることにつながると考えています。」


これまで「安さ・便利さ・かっこよさ」を追求するあまり、製品の「使用後」に想像力が及んでいなかったと、企業の当事者たちが感じていることが取材から見えてきました。これはひょっとしたら、私たちにも共通する問題かもしれません。

2/28放送のNHKスペシャル 2030 未来への分岐点 (3)「プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界」でこの問題を考えます☟



プラスチックの問題を『自分事として』考える☟
「海が好きな高校生が挑む プラスチックごみ問題」
「バナナの葉でプラスチックごみ削減!?」
「世界中の海からプラスチックをなくす」

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月22日

地球温暖化なのに なぜ寒波?


SNSの投稿より


1月9日に放送したNHKスペシャル「2030 未来への分岐点」では、温暖化がもたらすさまざまな影響についてお伝えしました。するとSNS上では、冒頭のように番組の内容に懐疑的な投稿がいくつも見られました。
今年は寒波や大雪の被害を伝えるニュースも目立ち「地球は本当に温暖化しているの?」と思う方も多いかもしれません。 『大雪が降る』『寒波が来る』 ということは、『温暖化していない』ことを意味するのでしょうか?その疑問を解消するため専門家に取材しました。
(「地球のミライ」 取材班 ディレクター 山下健太郎/捧 詠一)

「温暖化してる」はウソですか?
まずお話をうかがったのは、異常気象・気候変動の研究を30年以上にわたって続けている、東京大学先端科学技術研究センター・中村尚教授です。「温暖化はウソだ!」という意見に対しては、明確に否定できるデータがそろってきているといいます。

東京大学先端科学技術研究センター 中村尚教授


中村尚教授
100年以上にわたる長期的な観測の積み重ねによって「着実に温暖化し続けている」ことがわかってきました。とくにここ30年ほどは顕著です。
海面水温も上がり続けている。例年より気温が下がったり、降雪量が増える年はありますが、それは「自然のゆらぎ」の範囲内。数十年、数百年単位でデータを解析することで、真実が見えてくるのです。


気象庁のサイトを見てみると「世界の年平均気温(陸上のみ)」というページに、1880年の統計開始以降の気温の変化がグラフとして記されています。それによると、変動を繰り返しながら100年あたり0.96度の割合で上昇を続けています。
一時的に"寒冷化“したように感じても、長期観測データは温暖化の傾向を明示しています。


気象庁のサイトより

今年はなぜ寒かったのか?
ではなぜ、今年の冬は強い寒波に見舞われ、各地で大雪となったのでしょうか。
北日本から西日本の日本海側を中心にしばしば大雪となり、19地点で72時間の降雪量が過去最高を記録しました。1月上旬の平均気温は北日本で36年ぶり、西日本で35年ぶりの低温を観測しています。

厳しい寒さをもたらした要因としては「2つのジェット気流の蛇行」が考えられます。
『寒帯前線ジェット気流』と『亜熱帯ジェット気流』がともに日本付近で南に蛇行し、寒気が流れ込みやすくなりました。また『寒帯前線ジェット気流』の蛇行とともに、北極域に存在していた『極渦(きょくうず)』が分裂して南下したことで、日本の上空に極渦および周辺の強い寒気が流入しました。
その結果、”驚くべき寒さ“がもたらされたと考えられています。
(※詳しくは、気象庁発表資料をご覧下さい)

気象庁報道発表資料より



サハラ砂漠でも、1月に異例の降雪が観測されましたが、これも”寒冷化“ではなく、今年特有の理由があったといいます。

中村尚教授
当時の天気図から察すると、ヨーロッパの東に強い寒気がやってきて、さらに偏西風が異常に南下してきました。その影響で寒気がイタリアの上空を通ってアフリカ北部に到達し、雪を降らせたようです。これも自然変動です。いくつかの気象条件が重なれば、例年雪が降らない場所でも、雪が降る可能性ゼロではないわけです。

日本の雪はどうなるの?
温暖化が進んでいても、自然変動によって大雪になる年があることはわかりました。一方でどんどん温かくなっていく以上、降雪量は次第に減っていくのでしょうか?
つづいて話を伺ったのは、温暖化が大雨や大雪に与える影響について、コンピューターシミュレーションを活用して研究している、気象庁気象研究所の川瀬宏明主任研究官です。

川瀬宏明主任研究官
『温暖化すると雪は減るだろう』と思っている方もいるかもしれませんが、そう単純には言えない複雑さがあります」


気象庁気象研究所の研究では、このまま温暖化が進むと今世紀末の⽇本では、全体の降雪量が減るとともに、雪が降る期間も短くなると考えられています。ところが⼀部の地域では、むしろ局地的に集中して降る“ドカ雪”が増えるという予測もあるそうです。なぜでしょうか?



温暖化によって海⾯⽔温が上昇すると「日本海が出す⽔蒸気量」が増加します。また気温が上昇すると「⼤気が取り込める⽔蒸気量」が増えることになります。日本海から出た水蒸気は、大陸から吹く北西の風に乗って日本列島に運ばれてきます。
冬場の気温が低い北陸地方の山沿いや北海道の内陸部などでは、温暖化によって増えた⽔蒸気が雪として降るため、強い寒気が流れ込んだ際に降る極端な⼤雪がかえって増えるというのです。

川瀬さんは、こうした温暖化による影響が、すでにこの冬の降雪にも現れている可能性があるとして、スーパーコンピューターを使った検証を始める予定です。

川瀬宏明主任研究官
「地球温暖化というと夏の暑さや豪雨・台風のことに目を向けがちですが、冬の気候にも大きな影響をもたらすのです。」

目標達成はすでに危機的な状況

WMO(世界気象機関)は、2020年の世界の平均気温が観測史上2番目に高かったと発表しました。去年1年間の世界の平均気温は14.9度で、産業革命前の水準と比べておよそ1.2度上昇していることがわかっています。
国連は「地球温暖化の深刻な被害を防ぐために、平均気温の上昇を1.5 度以内に抑える必要がある」と呼びかけていますが、すでに目標達成は危機的状況にあるのです 。

中村尚教授
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書が示しているのは、温暖化の未来予測のシナリオです。一番の不確実性は「人類が気候変動にどう対処するか」。それが読めないので、報告書はいくつものシナリオを用意しているわけです。ここから先は、我々がどうするかにかかっています。


理想のミライを具体的にイメージし 実現のために動こう

どうすれば、危機を回避できるのか。すでに具体的な動きが各地で始まっています。
札幌市では昨年の11月と12月に「気候市民会議さっぽろ2020」と題して、10代から70代までの市民20人による会議を4回にわたり開催しました。
このまま温暖化が進めば、北海道独自の文化やまちづくりにも大きな影響を及ぼします。降雪量が減ると「雪まつり」開催の断念・スキー場の閉鎖などにもつながる可能性があり、市民にとっても大きな関心事となっています。
会議では各分野の専門家に最新の温暖化の状況や対策について話をしてもらい、多様な背景や意見を持つ市民同士が、計16時間にわたりじっくりと議論を重ねました。その結果を札幌市における気候変動対策やまちづくりの議論に活用していきます。

オンラインで開かれた「気候市民会議さっぽろ2020」


こうした気候市民会議は、フランスやイギリスを始めとした欧州の国や自治体で、2019年頃から広く行われるようになっています。

国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多副センター長は、政府が昨年10月に「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」方針を表明したことで、温暖化対策への考え方が劇的に変わったと感じています。

(国立環境研究所 地球環境研究センター 江守正多 副センター長)


江守正多 副センター長
「菅首相が具体的な数値目標を打ち出しました。その結果、産業界が大きな変革を始めています。私たち一人一人も、「できること」(☞わたしたちができる5つのこと )をするだけでなく、『脱炭素化した未来はこうなってほしい』という具体的なイメージをしっかり抱いて、そのミライを実現するために議論や行動を重ねていく「やるべきことを実行する」フェーズに入ったといえます」


脱炭素化した未来を想像するために☟
持続可能な社会 2050年の未来予想図
地球温暖化で何が起こっているかを知る☟
明らかになる『地球温暖化と“異常気象”の関係』
『モリウイルス』『メタンガス』 永久凍土が溶けて起きること

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月15日

『環境クイズ王』決定戦! 未来をになう若者たちが真剣勝負


突然ですがクイズです!


【問題】
地球上で1分間に失われる森林の面積は、サッカーコート50面分よりも大きい? 小さい?

どうです、わかりますか?








正解は…『小さい』
地球上で1分間に失われる森林の面積は、およそサッカーコート16面分。開発のための伐採や火災などが主な原因です。2010年までの30年間で、日本の面積の4.7倍にあたる森林が失われました。


つづいて第2問!


【問題】
ひと冬で日本全国に降る雪の量は、温暖化の影響で増える? 減る?

いかがでしょうか?








正解は…『減る』
温暖化によって平均気温が上がると、雪にならず雨が増えるため、ひと冬あたりの降雪量は減ることになります。
しかしその一方で「“ドカ雪”は増える」という予測もあるんです。温暖化で海面の温度が上昇すると、大気中の水蒸気量が増加します。その大量の水蒸気が上空で冷やされるため、短期間に降る⼤雪はかえって増えるというのです。
先日も日本海側で記録的な大雪となりましたが、やはり海水温の高さが原因のひとつと見られています。


若者100人×豪華出演者×「QuizKnock」渾(こん)身の難問
こうした地球環境に関するクイズの解答を競い合う番組が、2月23日に放送されます。 題して「未来王 2030」。なぜ『未来王』かというと、解答者は13歳から24歳までの若者たちおよそ100人! 10年後、2030年の地球の未来をになう世代が集まってくれました。



スタジオにはMCの田村淳さんのほか、平祐奈さんファーストサマーウイカさんが出演し、さらにクイズのゲスト出題者として、ローラさん森七菜さん、人気YouTuberのフィッシャーズなどの豪華メンバーが登場します。



今回出題するクイズは「QuizKnock(クイズノック)」の手によるものです。「QiuzKnock」は”クイズ王”として知られる伊沢拓司さんを中心とした東大発の知識集団で、ハイレベルなクイズ制作に定評があります。今回のクイズ制作にかけた時間はなんと10時間以上。同世代の解答者を悩ませる、数々の難問をお楽しみに!

(人気YouTuber・QuizKnockが大会に全面協力)

『意識高い』と思われがちだけど…若者100人の熱い思い
「未来王 2030」には、環境クイズ王を決める以外にもう1つ目的があります。
実は、クイズ大会の参加者は、環境問題やSDGsなどに高い関心を持ち、日頃から学生団体などで積極的に活動している若者たちです。しかし「温暖化対策が重要!」と訴えても、なかなか周囲の人に伝わらず歯がゆい思いをしていました。

そこで今回、クイズ大会というエンターテインメントを通じて、より多くの人が環境問題を考えるきっかけにしてほしいと、およそ100人もの若者が番組に協力してくれたのです。
その中からほんの一部ですが、参加者の熱い思いをご紹介します。



松田響生さんは現役の東大生。「国際資源・エネルギー会議」という学生団体の代表を務めています。資源やエネルギー問題について議論し『持続可能な社会』の実現をめざす活動をしています。

松田 響生さん(大学3年生)
「日頃から、団体の活動を通して気候変動やエネルギーについて学んでいることもあり、『自分の知識がどこまで通用するか試したい』という気持ちで大会に参加することを決めました。」


(所属する学部でも、電力系統などエネルギー関連を中心に学んでいます)

強い意気込みの一方で、松田さんはこんな悩みも…

松田 響生さん(大学3年生)
「気候変動などの問題に向き合う人があまり周りにいないので、"意識高い"というレッテルを貼られないよう、そういった話題を口にすることを控えてきました。この番組への参加案内メールをもらった時に『同じ問題に向き合う若者が、全国にたくさんいるんだ』とうれしくなりました。番組参加をきっかけに、同世代とつながり連携していきたいと思っています。」


関西学院大学4年の北川美乃里さんは、SDGsの認知向上を目指す学生団体「KAKEHASHI」に所属しています。自分たちの活動を理解してもらうために、いつも試行錯誤しています。
北川 美乃里さん(大学4年生)
「『社会のために』『地球のために』と声高に言っても関心を持っていない人には響きにくいと感じています。インスタで情報発信をするときも、『服×環境』などの身近な話題を、おしゃれなイラストや柔らかい表現を使って、”意識が高い”と敬遠されないように工夫しています。」


北川さんは番組への参加を通じて「もっと活動に自信を持ちたい」と話します。所属している学生団体は発足して1年足らずと歴史が浅く、知識やノウハウを学んでいる途中。昨年11月には、アフリカ・モザンビークへの農業支援を行うクラウドファンディングを実施しましたが、目標金額に届かず悔しい思いをしました。

北川 美乃里さん(大学4年生)
「まだまだ自分は未熟だということを痛感しました。番組で同じ志をもつ仲間から刺激を受けるとともに、ほかの団体のノウハウも吸収し、自分たちの活動にもっと自信を持ちたい。大きな転機にしたいです。」


(SDGsに特化した雑誌を熟読し、クイズに備える北川さん)

琉球大学エコロジカル・キャンパス学生委員会の大城悠生さんは、海岸でのゴミ拾いなどを通じて、環境問題の解決を目指す活動を続けてきました。


しかし新型コロナウイルスの感染拡大により、メンバーが集まることが難しくなったり、県外の団体との交流も行えなくなるなど、大きな危機感を感じています。

大城 悠生さん(大学2年生)
「もともと私たちの委員会は学内の知名度がなかったので、、活動規模が縮小すると誰にも気づいてもらえないんです。だから新メンバーも入らず人員不足に陥っています。このままでは本当にヤバい。何か打開策はないかと悩んでいたんです…」


そんな時に舞い込んできたのが、番組からの『参加依頼メール』。千載一遇のチャンス!とばかりに参加を決めました。

大城 悠生さん(大学2年生)
もう『これしかない!』と。大会に出場して、優勝したり、目立つ活躍をすれば、全国に私たちの存在を知ってもらえるかもしれない。学内知名度も上がるでしょう。ほかの参加者に、モチベーションでは負けていない自信があります。」


(QuizKnockの本を読み漁り、傾向と対策はバッチリの大城さん)

前代未聞!? VR空間でのクイズ大会 栄冠は誰の手に

「未来王 2030」の収録はVR(バーチャルリアリティー)空間で行われました。 解答者の若者は『アバター』となって登場。100人が集まった様子は壮観です。



(松田さん、北川さん、大城さんの元気な姿も発見!)

MCの田村淳さんたちが見守る中、QuizKnockによる「環境クイズ」が次々と出題されていきます。第1ステージでの基本問題から始まり、第2、第3、第4と進むにつれてどんどん難易度がアップ。100人いた解答者も、決勝の舞台にたどり着くまでにわずか3人に絞られます。
『未来王』の栄冠を勝ち取ったのは誰なのか?ぜひ放送で確かめてください!

【放送について】  
「未来王2030」【総合テレビ】2月23日(火・祝) 午後10:15~11:15


3時間に及んだ収録の翌日、松田さん・北川さん・大城さんに参加した感想を聞きました。

松田 響生さん(大学3年生)
『みんな結構正解するなぁ…』と、正直驚きました笑。同世代の中では自分はかなり勉強している方だと思っていましたが、まだまだだということを痛感しましたね。僕も負けてはいられません。もっと学びつつ、これからは同世代の力にも積極的に頼っていきたいと思います。

北川 美乃里さん(大学4年生)
「参加者の中に13歳の中学生もいて驚きました!しかも強い思いと確かな知識を持っていました。これまでは強い言葉で発信することに葛藤もあったけど『もっと自信を持って発言していいんだ!』と思えたので、参加して本当によかったです!」

大城 悠生さん(大学2年生)
「結構、目立つことができたかなと思っています。番組を色んな方にシェアして、アピールしていきたいです。参加者の方で、連携したいと思った方もたくさんいたので、連絡を取り合って、活動をさらに拡げていきたいと感じました。この大会、次回もあれば、ぜひまた参加したいです!」

最後にせっかくなので、番組で出題しきれなかったクイズをご紹介します。
QuizKnockからの挑戦状、あなたはわかりますか?


【問題】
人間が海に捨てた網などの釣り具。それに魚が捕らえられてしまう現象を「○○フィッシング」というでしょう?



正解は『ゴースト(フィッシング)』

海に捨てられた釣り具が、回収されないまま海中を漂ったり、沈んだりすることで起きる問題です。イルカやウミガメが絡まって身動きが取れず、死に至ることもあるなど、海の生物たちの命を脅かしています。



【問題】
世界でリサイクルされているプラスチックは、プラスチックごみ全体の何割くらいでしょう?



正解は『1割』
プラスチックを種類別に分ける手間、再利用するための施設も必要になるなど、労力とコストがかさむため、なかなかリサイクルは進んでいません。


環境問題の解決に向けて、若者たちはこんな活動も行っています☟
?気候変動の対策求め声を上げ始めた中学生・高校生たち
?世界に自分たちの意見を届けたい
?若者たちがつながることで自分たちの声を力に

(『地球のミライ』 取材班 ディレクター 捧 詠一)

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月13日

『日本は二流国に』”知の巨人” ジェレミー・リフキン氏の警告

「このままでは日本は “二流の国”になる」と警鐘を鳴らす”知の巨人”がいます。世界各国の政策アドバイザーを務めてきた文明評論家・ジェレミー・リフキンさんです
いま世界ではヨーロッパを中心に温暖化対策と経済成長を同時に進め、持続可能な社会を実現ようとする動きが加速しています。この動きをリフキンさんは“新しい産業革命”と表現します。
その一方で日本は、優れた技術力という大きなポテンシャルを持っているものの、再生可能エネルギーへの転換を進めなければ、いまの経済大国としての地位を失うと警告します。
厳しい分析の理由を聞きました。( NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」取材班)

ジェレミー・リフキン Jeremy Rifkin

アメリカ出身の文明評論家。
特に経済やエネルギー問題の分野に明るく、著書『限界費用ゼロ社会』では、再生可能エネルギーやIoTなどの先進技術によって生産性が極限まで高まり、将来的にモノやサービスが無料になると予想している。
未来を展望する確かな議論が世界各国から評価され、ヨーロッパなど世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを務めてきた。

「市場が示している」風力・太陽光への転換
「いまから私が話すことを聞かなければ、日本は20年で先進国の座を失い、二流の国になってしまいます」

リフキンさんが強く訴えているのが、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)への転換です。その理由はエネルギーをめぐる「お金」の大きな変化です。詳しく見ていきましょう。


まずは発電コストの変化です。

「太陽光と風力が安くなっているのに、化石燃料に依存して効率性を高められるはずがありません。太陽光発電や風力発電のコストは今後も下がり続けるでしょう。風と太陽は(燃料代として)請求書を送ってくることはないのですから」

太陽光発電と風力発電の電力の価格は、どのくらい変わっているのでしょうか?
この10年で欧州やアメリカなどでは、発電コストが原子力や火力(石炭など)の発電コストを逆転するようになってきており、世界平均でも再エネが最も安い発電方式となっています。

日本は化石燃料から抜け出せていない
一方で、日本は先進国(ここではOECD加盟国)のなかでも大きく化石燃料に依存している状況です。現在、石炭や天然ガスなど化石燃料を利用した火力発電の割合76%。これは先進国37か国のうち、6番目に高い数字になっています。



一方、再エネ(水力含む)18%で、先進国37か国中で下から8番目と、低い水準にとどまっています。2030年には22%~24%まで上げるべく目標値を定めています。
ヨーロッパでは再エネを積極的に取り入れてきました。ドイツはすでに発電量の42%が再生可能エネルギー。2030年には65%という数値目標を掲げています。



現在、日本政府は再エネの割合を高くしようと目標値の引き上げを行おうとしています。2021年内にも2030年度の再生可能エネルギーの割合を引き上げるか議論される見通しです。
「座礁(ざしょう)資産」 化石燃料から投資が引きはじめている
そして、「投資」にも動きがあります。再エネが安くなるにつれ、市場が変わりつつあります。

「すごいことが起きています。アメリカの太陽光発電・風力発電会社のネクステラ・エナジーの時価総額が、(2020年10月に一時的に、石油大手の)エクソンモービルの時価総額を上回ったのです。世界のフォーチュン500のランキングで1位だった企業が抜かれたのです」

一方で、化石燃料では再エネとは逆の評価が起きています。これもリフキンさんが再エネへのいち早い転換を勧める理由です。

化石燃料による発電にかかわる設備や権利は「座礁資産」と呼ばれるようになってきました。特に石炭からはどんどん投資の手が引かれているといいます。
安い太陽光発電や風力発電に切り替えが進んでいくと、火力発電所やパイプライン、採掘権などの費用の“もとが取れなくなる”と考えられるからです。

すでにドイツ大手電気会社の化石燃料発電部門が売りにでたものの、買い手がつかなかったといいます。

「(巨大な運用資産をもつ)公的年金基金が、化石燃料から手を引いています。日本も含め世界各地の基金が、です。化石燃料業界から11兆ドルがこの5年間で流出しています。民間年金基金や保険業界も同じ方向に進んでいて、大きな変化が起きています。
ただ日本は、市場が“(化石燃料は)間違っている”と示す転換点が来ているにもかかわらず、石炭火力発電所や液化天然ガス発電所を建設していますが。再生可能エネルギーは新しい産業革命なのです」

すでに始まっている 電力システムの変革
リフキンさんの言う新しい産業革命。どんな形なのでしょうか。
その一つが、ネットワークでつながった新しい発電システムです。すでにドイツなどでは、一般家庭まで参加する新しい発電ネットワークが始まっています。

「情報通信、電気、物流のすべてで私たちがネットワークで相互につながり、シェアリングする社会が来ます。これまでの“グローバル”化から“グローカル”化する新しい産業革命です。集中管理されず、すべての人がインフラの一部、そしてプレーヤーとなるのです。例えば自宅の太陽光発電もインフラになります」

それぞれが持っているものを地域や国で共有する。壮大な話にも聞こえますが、すでにドイツで構築されているのは国内全土に広がる巨大な“発電ネットワーク”。大規模に設置されている太陽光発電や風力発電の施設だけでなく、1万を超える個々の住宅や工場などの太陽光発電・風力発電・蓄電池をつないで全体で管理しています。



天気が悪くても、大丈夫です。太陽光発電や風力発電は、天候に大きく左右され、不安定ですが、それを解消しようと、電力をデジタル管理することで一つの発電所のように安定させています。
発電量が多いときには蓄電池に分散して貯蔵し、悪天候などで電気が足りなくなると蓄電池から給電する、いわば、「仮想発電所」ともいえるシステムです。家庭にある太陽光パネルや蓄電池もネットワークに参加していて、市民一人ひとりの力が社会を変えていく時代が始まっています。
こうした取り組みは、ドイツだけでなく、欧州の他の国や中国・アメリカの一部で導入が始まっているといいます。

日本への提言 「今すぐ動き出してほしい」
価格も、市場の評価、そして電力システムにまで大きな転換が起きている再生可能エネルギー。リフキンさんは、日本にはまだ大きな可能性もあるとして、急いで変革を起こしてほしいと訴えました。

「日本には今、新しい産業革命を主導するチャンスがあります。必要となる情報通信、モビリティ・物流の技術の分野でワールドクラスの企業が多くあります。そのうち、通信やモビリティ・物流ではすべて次の時代の技術へと移行しています。電力システムも変わるべきです。今が日本にとって正念場です」




「日本は世界第三の経済大国であり、アジアや世界で大きな発言力を持っています。その知識と文化的な力を活かせば、次の時代への革命のリーダーになれます。
変革を進め、日本にこの新しい時代をリードさせるべきです。
私たち次第です。始めましょう。明日の朝からです」


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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年2月9日

「グリーンリカバリー」が世界で加速 欧米も中国も

新型コロナウイルスで落ち込んだ経済をどう回復させるのか?いま欧米でこの議論の中心になっているのがグリーンリカバリーというキーワードです。直訳すると「緑の復興」ですが、従来型の景気刺激策ではなく、脱炭素型社会に向けた投資によって経済を復興させよう、という考え方です。(こちらの記事も☞ 「グリーンリカバリーと“持続可能な”再エネ」
 就任と同時にパリ協定への復帰に署名したアメリカのバイデン大統領は、4年で200兆円を越す巨額のグリーンリカバリー投資を表明しています。アメリカだけではありません。イギリスもEUも、そして中国もー グリーンリカバリーをめぐる各国の動きをお伝えします。
(『地球のミライ』取材班 プロデューサー・堅達京子)

次々に打ち出される『グリーンリカバリー政策』
 去年12月12日、各国の首脳級会合「国連気候野心サミット」がオンラインで開催され、首脳級の会合「国連気候野心サミット」では、次々と新しい政策が発表されました。



最大の排出国である中国は、9月の国連総会で「CO2排出量を2030年までにピークにし、2060年までに実質ゼロをめざす」と宣言していましたが、習近平国家主席は、中国が2030年までにGDP(国内総生産)単位あたりの二酸化炭素排出量を2005年に比べ65%以上減らすなど、新たな自主目標を発表しました。



トランプ政権だったアメリカはこのサミットには参加しませんでしたが、大統領就任を控えていたバイデン氏は、同じ日、改めて気候変動対策の強化を表明しました。 バイデン大統領は、選挙公約として任期となる4年で200兆円を超す規模をグリーンリカバリー に投資し2035年までに電力の脱炭素化を目指すとしています。

EUも2030年までの削減目標を40%から55%以上に引き上げました。中でも、今年11月に開催される温暖化対策の国際会議「COP26」のホスト国・イギリスは、率先して野心的な目標を打ち立てました。



ジョンソン首相は「イギリスは、2030年までに1990年比でCO2を少なくとも68%削減します。コロナ禍から抜け出しながら、地球を救い、膨大な雇用を生み出すためです」と訴えました。まさにこれがグリーンリカバリーの考え方です。

イギリスは着実に実現するための具体策を発表しています。「グリーン産業革命に向けた10の計画」と名付け、洋上風力の強化や、2030年ガソリン車の新規販売禁止さらには建築や農業分野の脱炭素政策まで分かりやすく国民に示しました。蒸気機関から始まった元祖「産業革命」の国として、今度は「グリーン産業革命」を主導するという強い決意が表れています。

フロントランナーをめざすEUの対策
EUも負けていません。27か国・人口4億5千万近い市場が一丸となって、脱炭素革命をめざします。新型コロナからの復興予算の30%を、気候変動対策などのグリーンリカバリーに当てることを発表し、今後10年間で120兆円規模をグリーン分野に投じると宣言しています。中心になっているのは、排出量の75%を占めるエネルギーの転換です。



EUの電力業界は2020年以降の石炭火力の新規建設を禁止し、風力や太陽光など再生可能エネルギーへの転換を進めていきます。この他にも、電気自動車などの普及を一気に進めるため2025年までに百万基もの充電設備を整備します。
さらに、エネルギー消費を抑えるため2030年までに住宅や公共施設の断熱化を推し進める計画です。

もう一つ力を入れているのは、サーキュラーエコノミー (循環経済)への転換です。EUでは、排出量の20%を占める製造業などの産業部門も循環型に変革。生産・輸送・廃棄などの工程で、大量の温室効果ガスが発生する繊維産業に対しては、古着から繊維を取り出して再利用することなどを強く求めています。

しかしこうした様々な対策には費用がかかり、コスト高となるため、製品の競争力としては不利になります。そこでEUが2021年に具体案を示す予定なのが「国境炭素税」です。



温暖化対策を取っていない企業に対価として税金を支払わせる大胆な制度です。それを支払わない限りEUの中で製品を流通できなくします。

(脱炭素化の動き、動画でもご覧になれます、ONにしてご覧ください)

『炭素税』各国の動きは?
 炭素税と聞くとアレルギー反応を示す方もいるかもしれませんが、それは制度設計しだいではないかと、個人的には思っています。気候危機を進めてしまう炭素の排出には、平等に税をかけて徴収する。ただし、そこで集めた税源をどう配分するかについては、脱炭素社会への公正な移行に役立つ、きめ細かい目配りが必要です。
 例えば、燃料税の引き上げに反対している車を移動に使わざるを得ない人々をはじめ別の産業への転換を迫られる炭鉱や石炭火力発電などの産業で働く人々への補償や、他にも様々な人々に公正に資金が還元される仕組みを整えることはとても大事な視点です。

 そこをきちんと設計できれば、炭素税をはじめとするカーボンプライシング(排出される二酸化炭素に価格をつけ、排出量に応じたコストを負担してもらう)という考え方は、気候変動を食い止める大きな力になるはずです。



 国連の気候野心サミットでは、カナダのトルドー首相が連邦炭素税を2030年にCO2排出量1トン当たり170カナダドル(約14,000円)にまで大幅に引き上げると発表しました。これまでは毎年10カナダドルずつ引き上げ、2023年には50カナダドルにするとしてきましたが、今回2030年までの長期目標を掲げることで、産業界への強いメッセージを送ったのです。

日本企業も『再エネ導入目標』の引き上げ求める
 1月18日、気候変動対策を求める大手企業の集まりJCI(気候変動イニシアティブ)に参加する192社が、2030年までの再生可能エネルギーの導入目標の大幅引き上げを求めるアピールを行いました。「2050年カーボンニュートラル実現の鍵として、欧州各国や米国の州は『2030年までに40〜74%』という高い再生可能エネルギー電力導入目標を決めているのに、日本の現在の2030年度目標は『22~24%』に留まっています。今年策定される次期エネルギー基本計画では『2030年度の再生可能エネルギー電力目標を40~50%とすることを求める』」というものです。

 痛みを伴うカーボンプライシングの議論は、長年たなざらしになってきました。しかし脱炭素というのは経済利害も関わる重要な問題です。2050年にカーボンニュートラルを実現し、特に正念場と言われる2030年までの具体的なロードマップを考えるには、様々なステークホルダーを巻き込んだ国民的な議論が必要です。脱炭素社会の構築のため、いまこそ、国を挙げて議論をすることが求められていると思います。



 いま世界中で、野心的な目標引き上げやビジネス界の動きを後押ししているのが、気候変動対策を求める若い世代の訴えです。グレタ・トゥーンベリさんをはじめとする若者たちは、政治家たちに働きかけるだけでなく、個別の企業やプロジェクトに対して抗議の声をあげるなど、プレッシャーを強めています。 (こちらの記事も☞『バイデン氏支持した若者たち』

 こうした声に、世界の先進的なグローバル企業はどうこたえようとしているのか?脱炭素に向かうビジネス界の最新の動向については、次の機会に詳しくご報告したいと思います。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年1月25日

『モリウイルス』『メタンガス』 永久凍土が溶けて起きること

2020年は、観測史上最高の平均気温であったことが判明しました。産業革命前と比べると1.25℃上昇していることも明らかになり、地球温暖化の加速による“気候危機”の被害もすでに出始めています。
いま世界の科学者たちがもっとも懸念しているが、シベリアなどの永久凍土の融解が止まらなくなることです。永久凍土の中には数多くの“未知のウイルス”が眠っているとみられ、実際に『モリウイルス』という高い増殖能力を持つ新種のウイルス が発見されています。さらにCO2の25倍の温室効果を持つ『メタンガス』が大量に放出される恐れもあります。
これは決して「遠い将来」の危機ではありません。いま、まさに瀬戸際の状況でこの10年の私たちの対策にかかっているという正念場に突入しているのです。
私たちには何ができるのでしょうか? (地球のミライ取材班 プロデューサー 堅達京子)
大雪被害 海水温の上昇が原因の一つか


今年は、東北や北陸地方で大雪の被害が相次ぎ「温暖化どころではない」と思った人が多いかもしれません。でも実は、この異常な大雪にも温暖化が影響していると言われています。
気象庁は今回の日本海側の大雪について、日本海の海面水温が平年より1~2℃高く、大気中に含まれる水蒸気が多い状態で、強い寒気が水蒸気を取り込んだことが原因の一つだとしています。今後、温暖化に伴ってこうした極端なドカ雪が増えると予測する科学者もいます。

⇒こちらの記事も 「地球温暖化と異常気象の関係は?」

EUの気象観測機関「コペルニクス気候変動サービス」は1月、去年の世界の平均気温は、2016年と並んで史上最高を記録したと発表しました。特に北極圏で38℃を記録するなど、シベリア北部の一部で記録的な高温になり、1980年―2010年の平均と比べて6℃以上高い地域も観測されたといいます。


2020年の年平均気温を示す図。赤色が濃いほど1981~2010年の平均気温よりも高かったことを示す(コペルニクス気候変動サービス・欧州中期予報センター提供)
世界の科学者が懸念 永久凍土が溶け続けたら…
こうした中、世界の科学者たちがもっとも懸念を示しているのは、永久凍土の融解が止まらなくなることです。怖い理由は2つあります。

一つは、溶けた永久凍土から未知のウイルスが拡散されること。

新型コロナウイルスによるパンデミックは、人類が免疫を持たない未知のウイルスによる感染爆発ですが、永久凍土にも数多くの未知のウイルスが眠っているとみられます。
実際にフランスのウイルス学者のチームは、溶け始めた永久凍土から「モリウイルス」という新種のウイルスを発見しました。生物の細胞に入ると12時間で1000倍に増殖し、その高い増殖能力に脅威を感じたといいます。
(NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より)

もう一つは、数万年にわたって溶けずに永久凍土に封じ込められていたメタンガスが大気中に放出されること

メタンCO2の25倍の温室効果を持つガスで、その大量放出は温暖化をより一層加速させ、手のつけられない暴走状態に陥れる危険性があります。(University of Alaska Fairbanks, Go Iwahana)

(CG・メタンガスが噴き出すイメージ/NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より)

温暖化研究の世界的権威であるヨハン・ロックストローム博士(ポツダム気候影響研究所・ドイツ)たちが提唱しているのが 「ホットハウスアース(灼熱地球)理論」です。
気温上昇が産業革命前から1.5℃を超えてさらに上昇していくと、温暖化の進行が後戻りできないティッピングポイント(臨界点)を超えてしまい、ドミノだおしのように暴走していくリスクが高まるというのです。
地球の防衛ラインと言われる+1.5℃に抑えることは、パリ協定の目標でもありますが、 このままでは早ければ2030年にも突破しそうな勢いなのです。

『2100年には4℃上昇も』 悪夢のシナリオ
では、もしこのまま気温の上昇が続いていけば、私たちにはどんな未来が待ち受けているのでしょうか?IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、温暖化対策を取らなかった場合、2100年には4℃前後気温上昇するリスクが指摘されています。

東京で見てみましょう。 気温が35℃を超える猛暑日は、2020年の約4倍に増加、47日もあります。(環境省/文部科学省/気象庁/国立環境研究所)

(CG・NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より)


屋外で労働できる時間は3割から4割も減少します。外出することが死につながるような暑さです。熱中症のリスクは東京23区で現在の13.5倍に高まり、一夏に24万人が緊急搬送、医療は危機に瀕します。(筑波大学研究チーム) (CG・NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より)

⇒こちらの記事も 「地球温暖化で寿司が消える⁉」

また高温のため、アジアでオリンピックが開催可能な都市は、標高の高いモンゴルのウランバートルとキルギスのビシケクの2か所だけになってしまいます。(データ提供:Kirk R. Smith et al. 2016, The Lancet)
(NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より)


そして台風の脅威はさらに増し、首都東京はかつて体験したことのない大水害に見舞われる危険があります。2019年の台風19号が+4℃上昇した条件で上陸した場合をシミュレーションすると、広い範囲で赤い色の非常に激しい雨が降り、全体の降水量は30%以上増加することが新たに分かりました。
(2019年の台風19号をシミュレーション 気象庁気象研究所/文部科学省統合プログラム)


1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る地域も、現状よりも広い範囲に広がります。 首都圏を流れる荒川では、国が想定する最大規模に匹敵する水量が押し寄せる可能性があり、荒川の右岸で堤防が決壊した場合のシミュレーションでは、浅草も秋葉原も水没。死者は約2300人。浸水が広範囲で2週間以上続く恐れもあるのです。(国交省荒川下流河川事務所)
(CG・NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より)


危機を避けるためには『カーボンニュートラル』しかない
こうした人命に関わる重大な危機は、日本に限りません。
海抜の低い島嶼国では、国そのものが水没するリスクがあります。さらに、干ばつなどで食料生産が厳しくなり飢餓や環境難民の増加につながる地域もたくさんあります。

  (動画でも見ることができます。ONにしてご覧ください)

すでに気温が1℃上昇している現在でもこれほどの異常気象や災害に見舞われているのですから、4℃上昇なんてとんでもない。危機を避けるには、上昇を1.5℃に抑えるしかありません。

気温上昇を1.5℃に抑えるためには、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を、植林などで人為的に吸収する量を差し引いて実質ゼロにする“カーボーンニュートラル”という状態にしなければならないのです。

日本政府は去年10月、2050年のカーボンニュートラルを宣言しましたが、その背景には地球温暖化がここまで悪化し、追い込まれている厳しい現実があるのです。



でも、カーボンニュートラルへの道は簡単ではありません。科学者たちは「2030年までに温室効果ガスの排出量を半減させる必要がある」と警告しています。箱根駅伝に例えれば、今すぐ、山登りではなく山下りに転じて、猛スピードで駆け下りてゼロをめざさなければなりません。
大事になるのは産業システムそのものの変革です。
つまり“脱炭素”を頑張った企業が得をする仕組みに変えることですが、そのためには、企業に影響力のある私たち消費者の行動を変えることが大切です。

⇒こちらの記事も 「2050年の未来予想図」

新型コロナウイルスの危機で思い知らされたのは、一人一人が科学的な意味を分かった上で「マスクをする」「3密を避ける」という“行動変容”することで、感染リスクを減らし危機を乗り越えることができるということでした。気候危機も同じです。

ワクチンや治療薬・医療体制の整備に匹敵するシステムの変革も必要ですが、一人一人が“脱炭素”に役立つ行動に変える!という積み重ねも大事です。 まさに“正念場の10年”、全員参加の総力戦で一緒にチャレンジしていきましょう!

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年1月18日

持続可能な社会 2050年の未来予想図

「温室効果ガス排出ゼロ」社会とは?
去年10月、日本政府は 温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にする方針を表明しました。 では実際に「温室効果ガスの排出ゼロ」が実現したら、社会のあり方や私たちの生活はどのように変わるのでしょうか?
地球のミライ取材班では“2050年の未来予測”を行ったある報告書を元に、「脱炭素化」した社会の姿をビジュアル化しました。 協力してくれたのは、若者向けのメディア「NO YOUTH NO JAPAN」のみなさんです。2050年には社会の中心になっている世代です。


左から 吉井紗香さん(21)/川添由貴さん(20)/黒住奈生さん(23)/グラフィックデザイナー 平山みな美さん(33)

今回の“ネタ元”になったのは「ネット・ゼロという世界 2050年日本(試案)」という報告書です。持続可能な開発や環境対策について研究している「地球環境戦略研究機関(IGES)」が去年発表したものです。石油化学や建設業界など様々な企業や研究機関にヒアリングを行い、温室効果ガスの削減に向けて今後導入される技術や、それぞれが目指している未来の姿などを調査しました。
その上でエネルギー需要と温室効果ガスの排出量の変化を試算し、2050年の社会や暮らしについて “未来予測”を行いました。



まずは、温室効果ガス排出の「実質ゼロ(ネット・ゼロ)」とは?
(※画像はすべてダウンロード可能です。SNS投稿などで自由にお使い下さい)










「トランジッション・シナリオ」が描く未来
「ネット・ゼロという世界 2050年日本(試案)」にはネット・ゼロを達成するための「2つのシナリオ」が示されています。

1つは、社会の変化がほとんど起きず、エネルギーも石油などの化石燃料を使い続けながら、ネット・ゼロを達成するというものです。これは排出されたCO2を『地下に埋め込む』ことを想定していますが、いまの段階では不確実性が高い技術です。
もう1つは、社会制度や経済構造などに“変革”がおき、再生可能エネルギーがこれまで以上に使いやすくなることで、「化石燃料を使わない社会」が実現するというものです。
報告書では「トランジション・シナリオ」と呼んでいます。

この「トランジション・シナリオ」が実現した場合、わたしたちの暮らしはどう変わるのでしょうか。
















もちろん、こうした社会を実現するのは決して簡単ではありません。
私たち一人一人に何が求められるのでしょうか?











「ネット・ゼロという世界 2050年日本(試案)」を中心となって作ったのは、30代の研究員です。メンバーの一人、栗山昭久さんは以前、温室効果ガスの排出を80%減らすことすら難しく、ましてや「ネット・ゼロ社会は不可能」と感じていたといいます。
しかし今回の調査を通じて、排出削減が難しいとされる鉄鋼業界などもヨーロッパでは、ネット・ゼロへの道筋を描いていることを知り「達成は可能ではないか」と思うようになりました。

栗山昭久 研究員(地球環境戦略研究機関)
  「持続可能なネット・ゼロの世界を実現するためには、CO2を排出しない再生可能エネルギーへの転換、そして、それを効率的に使っていくデジタルトランスフォーメーション電化を進めることがカギだと感じています。
実現させるために欠かせないのが変革です。エネルギーを始め、人々の行動・価値観が変わっていく必要があります。 これからの10年が大きな分岐点だと思います」



もし「トランジション・シナリオ」によってネット・ゼロが実現したら、
2050年の街の姿はどうなるのでしょうか?
「NO YOUTH NO JAPAN」のメンバーが、報告書の内容に自分たちの希望を重ね、 “未来予想図”を作ってくれました。



平山みな美さん(グラフィックデザイナー)
「ただ『脱炭素化』した街を描くのではなく、自分たちが30年後に住みたい街を描きたいと考えました。幾何学的なグラフィックだと実際に住むイメージがつかないので手描きのイラストにしました。わたしが育った家の近くには林があり、よく虫を観察していたのでそうした原体験から意識的に緑を増やしました。」


今回の企画に参加してくれた大学生のメンバーからは「めざすべき社会の形が具体的にイメージできるようになった」と、前向きな言葉がよせられました。

吉井紗香さん(大学3年生)
「いままでは地球が大変なことになっていることを聞いていて、努力したとしても、 よい未来にはならず、現状維持がギリギリなのではないかと思っていました。 ですが、いまはより環境に配慮した生活に変えれば、良い未来になるのだと 希望が持てました」

川添由貴さん(大学2年生)
「2050年の未来は想像がつかないことが多いのかと思ったのですが、いまある技術を 使って新しい生活様式になっていくところがあり、とてもワクワクしました。
環境を守ることの先に、ワクワクする未来があるところがいいなと思いました」

黒住奈生さん(大学4年生)
「いままで、気候変動というと話すのにはハードルが高く、このNOYOUTH NOJAPAN以外の友人と話したことがありませんでした。しかし今回、身近な暮らしにおいての考え方や、将来像を思い描くことができたので、こうしたところからなら、環境問題の話をすることができると思いました。」





先日放送したNHKスペシャル「2030未来への分岐点 暴走する温暖化“脱炭素”への挑戦」のなかで、気候変動研究の世界的権威であるヨハン・ロックストローム博士は、次のように話していました。
これまでの環境活動は「時代に逆行している」と批判されてきました。
しかしいまやギアチェンジをして、先進的な未来への旅が始まっているのです。 もっともハイテクでクールな未来こそ、持続可能な未来なのです。」


2月7日のNHKスペシャル「2030未来への分岐点 大地は人類を養えるのか(仮)」では、温暖化とも大きくかかわる『食料と水』の問題を考えます。ぜひご覧ください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年1月13日

明らかになる『地球温暖化と“異常気象”の関係』

日本で相次ぐ記録的豪雨や海外の大規模な山火事。冬には、雪の降り方も変わっていると言われています。こうしたニュースが報じられる際、最近では「地球温暖化による“異常気象”」という言い方がよくされるようになったかと思います。
では温暖化が進んでいなかったときと比べ、実際にどんな変化が起き、どのくらい被害が増えたのでしょうか。最新の研究であきらかになりつつあります。
自然災害の研究が専門の、京都大学防災研究所・中北英一教授にお話を伺いました。
NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」取材班)

(京都大学防災研究所 中北英一教授)


中北英一教授
『数年前から温暖化の影響は出始めている』と自信をもってお話します。『温暖化の世界』に足を突っ込んでいてもう待ったなしです。災害が多くなり、豪雨が強くなって、世界が新たなフェーズに入っていると思ってもらった方がいいと思います」

「温暖化の世界」は始まっている
ここ数年相次いでいる大規模災害は温暖化とどのような関係があるのか。
NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」(1月9日放送)では、中北教授をはじめ気象学・河川工学・水工学など様々な分野の専門家と独自に検証しました。

シミュレーションしたのは、2019年に九州地方から東北地方にかけて広い範囲で猛威を振るった台風19号です。“温暖化が進む前”の気候条件と比較していくと、明らかな違いがあることが浮き彫りになりました。 温暖化が進む前の1980年ごろの気候で台風19号が発生したと想定すると、降水量は全体で10%ほど増えることが明らかになったのです。

≪温暖化による気温上昇の雨量への影響 台風19号でシミュレーション≫
※赤で示した部分は、非常に激しい雨が降っている部分
(気象研究所 川瀬宏明 文科省「統合的気候モデル高度化研究プログラム」)

中北英一教授
「もし温暖化が進んでいなかったら、2019年の台風19号はそこまで大雨にはならず、長野市の千曲川も堤防決壊を起こすまでの水位にはならなかったということです。今回の解析結果は、温暖化の怖さをより如実に語ってくれています」

『雨量10%の差』で被害が大きく変わる
雨量が増えれば、もたらされる被害も甚大なものになります。2019年の台風19号では多くの山間部で総雨量が600mmを超えました。西日本豪雨などでの経験から、600mmを超えると山の斜面が地盤から崩れる『深層崩壊』が起きることがわかってきたと、中北教授はいいます。

中北英一教授
「総雨量が1.1倍になると、河川の流れる量は1.2倍になります。そして浸水するリスク、確率がさらに1.4倍になるんです」

今回のNHKスペシャルでは、異なる分野の専門家がデータを共有し合い、具体的に踏み込んだ解析を行いました。温暖化平均気温が約1℃上昇したことで、どれほど被害が増え、命が奪われることにつながったのかも可視化しました。

≪千曲川(ちくまがわ/長野市)からの浸水をシミレーション≫

(東京理科大学 二瓶泰雄 京都大学防災研究所 佐山敬洋 文科省「統合プログラム」と連携)

上の2つの地図は川からの浸水をシミュレーションしたものです。1つめは温暖化していなかった場合の被害予想地域です。堤防を越水したとしても床上浸水はほとんどありませんでした。しかしいまの気候(2つめの地図)では、堤防が決壊しておよそ9平方キロメートルにわたって浸水、家屋の85%が床上浸水し、2人が犠牲となりました。

こうしたシミュレーションの意義を、中北教授は次のように語ります。

中北英一教授
「実際に起こったことを科学で再現できて『温暖化があった時はこうなります』『より温暖化が強くなればこうなります』『温暖化がなかったら堤防はあふれませんでした』といったことを目のあたりにしてもらうことによって、より多くの方に『温暖化がもう始まっている』という認識をもっていただきたい。また、温暖化の恐さ自体も認識いただきたい」

2030年にも「1.5度上昇」
台風19号のシミュレーションでは地球の平均気温が『1度上昇』したことで、これまでの想定をはるかに超えた被害が出たことが明らかになりました。しかしIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の報告によると、早ければ2030年には『1.5度上昇した世界』になる可能性があるされています。
私たちは、これからどのように対策を考えていけばよいのでしょうか。

中北英一教授
「『将来、さらに被害が大きくなっていく』ことを共通認識とし、いま対策を始めなければいけません。『いまはまだ温室効果ガスの影響がわからないから、わかるまで待っておこう』。そんな悠長なことを言っている時期ではありません。いま始めないといけません

これからの防災はどうあるべきか?
温暖化の影響で、台風や豪雨の被害は今後さらに大きくなると予測される中、私たちはどんなことを考えていかなければならないのでしょうか。

(2019年10月 長野市)

中北英一教授
「温暖化の影響はこれからの10年はまだ続くと思いますし、さらに大きくなっていきます。そのことをわかったうえで対応する必要があります。いままで逃げられたところが逃げられなくなることも、出てきます。行政の施策だけでなく、地域に住む人々の防災への意識を高めることが大事になります」

さらに中北教授は国が取り組むべきこととして「治水の目標を早く達成すること」「中小河川・流域に対する洪水対策」をあげています。
温暖化の影響で被害が起きやすくなるため、まずは以前からの治水の目標を達成していないところから充分な手を打つことが、予防的な意味でも重要だと言います。そして大規模な河川だけではなく、流域も含めた中小河川に対する洪水対策を進めていかなければ、被害がどんどんふえていくことになると警告します。

「命を守る」ために 一人一人が行動を

(京都大学防災研究所 中北英一教授)

中北英一教授
「防災を意識する人々がもっともっと増えることが、治水や災害への大きな対策になると思います。住む場所を考える時などに、危険なところではないか、あるいはどう逃げるかを考える。自分で命を守るという意識を高めることがとても重要です。
もちろん行政は国民の命を守るため、精いっぱいの使命を果たしますが、もはやそれだけでは足りない世界になってきます。ひとりひとりの意識が高くないと、今後、災害に対して太刀打ちできません。日本人は自然の厳しいところで自然の懐に抱かれながら、色々な災害を生き抜いてきていますので、本来そういう力を持っているんですね。だから、いままでの治水や災害に対する考え方や力をもう一度発揮する時期がきているのだと思います
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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年1月8日

地球温暖化で寿司(すし)が食べられなくなる?

「地球温暖化の影響で寿司が食べられなくなるかもしれない」
寿司好きの人にとっては、まさに衝撃的ともいえる話ですが、このまま温暖化が進めばその可能性は決して否定できないそうなんです。海水温の上昇などによって、イクラ・ホタテ・タイなど寿司ネタに欠かせない魚介類が、日本の海に生息できなくなる恐れがあるからです。
いつ、どのネタが食べられなくなる可能性があるのか?専門家に話を聞きました。
NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」から (「地球のミライ」取材班)
食べられなくなる寿司ネタは?

伊藤進一教授(東京大学 大気海洋研究所教授)
「もしかしたら、こうしたネタが食べられなくなるかもしれません。
早くて30年後くらいから始まります。」

今回お話をうかがったのは、東京大学の伊藤進一教授。海の環境と生物の関係について研究しています。まず伊藤教授は「おことわり」として次のように話します。

“寿司ネタになる身近な魚であっても、海洋生物の特性はわかっていないことが多く、環境の変化がどんな影響を与えるのかを予測するのは、いまの段階では不可能に近い”

その上で伊藤教授は、これまでに国内外で発表された海や温暖化に関するおよそ30本の論文をベースに、80年後の2100年までに考えうる可能性を考察しました。その結果、このまま地球温暖化が進めば、海水温の上昇海水の酸性化などが起こり、日本の海に住めない生き物がでてくる可能性が見えてきたというのです。

では、具体的にどの寿司ネタがいつ頃消えてしまうのでしょうか?
30年後には早くも? シャコ・イクラも消えている可能性
先日、日本政府は「温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」と宣言しましたが、その目標とされているのが30年後の2050年です。しかし温暖化が続けば、その頃までに4つの寿司ネタが食べられなくなっているかもしれません
その4つとは、シャコ、サケ・イクラ(国産)、イカナゴ
それぞれ詳しく見ていきましょう。


江戸前寿司の代表格のシャコ
東京湾のシャコは川から海に流れ込む水の量が多いと、沖に流されてしまうと考えられています。また、豪雨は海水の塩分濃度を下げます。シャコの幼生は低い塩分濃度に対して弱く、集中豪雨がより多く発生すると、将来シャコは東京湾で取れなくなるかもしれません。


国産の主な天然サケといえば、北海道や東北でとれる「シロザケ」です。シロザケは水温の低いオホーツク海やベーリング海など、北の海で成長する魚です。 海水温の上昇が続けば、シロザケの分布は北上します。21世紀末には日本周辺での回遊が困難になり、それにともなって国産のサケ・イクラの入手は困難になると予想されます。
(※「サーモン」として提供されているものは輸入や養殖が一般的です)


つくだ煮で出てくることが多いイカナゴ
えさが少なくなる夏に”夏眠”といって砂の中で冬眠のような状態になります。温暖化で海水温が上がると、夏眠の期間が長くなるうえ、熱さでえさが減って栄養を蓄えられません。栄養が足りないと産卵ができないまま夏眠をむかえ、次の世代を残せなくなります。紹介したなかで、最も早く消えてしまう可能性が高いでしょう。

つまり、2050年ごろには…

2050年~2080年ごろ 次々と高級ネタも消滅?
次の30年ではさらにネタの消滅が続きそうです。
2050年、2060年、2070年…と聞くと遠い未来の話に聞こえるかもしれませんが、例えばあなたがいま20歳なら、子どもや孫と一緒に寿司屋に行き「昔はもっといろんなネタがあったんだよ…」と話しているかもしれません。
そのころまでに消えていく可能性のあるのは、高級ネタのホタテ、ウニ、アワビ
複数の要因が重なって深刻な影響が出る可能性があります。


ホタテガイは海水温が23℃を超えると生理的に障害が起こり、傷を負っても治癒しないことが確認されています。
海水温の上昇による影響が比較的穏やかな深い水深でも、酸素が少なくなった海水が多いところが出てくる可能性があり(貧酸素化)、養殖できる領域には限界が生じます。
さらに海は二酸化炭素を吸収して酸性化するので(海洋酸性化)貝殻を作るエネルギーが多く必要となります。成長にまわるはずのエネルギーが、貝殻を作ることに取られてしまうので、成育が悪くなったり、養殖が困難になったりすることが考えられます。


ウニアワビは海水温の上昇による直接の影響と、それによるえさの消失という間接的な影響の2つが同時に起きる可能性があります。
ムラサキウニは生息できる限界水温が25℃、エゾアワビやクロアワビの稚貝は24~25℃です。海水温が上昇すると高水温期(8月)に、その温度を超える海域が日本でも多くなります。
さらに、ウニやアワビが食べる海藻類も同じ水温帯を適水温としているため消失する恐れがあり、より深刻な影響が危惧されるのです。
また、殻の形成に海洋酸性化が影響する可能性もあります。

たくさんあったネタも…

2080年~2100年ごろ あれ、お寿司屋さんが…?

私たちの孫やひ孫の世代が社会の中心になり、22世紀が近づくころになると、 いま食べている寿司そのものが消滅している可能性も否定できません。 かろうじて残っていたヒラメ、マダイ、ズワイガニにも消え、日本近海で取れるネタをそろえたお寿司屋さん自体がなくなってしまうかもしれないのです



もう聞きたくないかもしれませんが、理由はこちらです。


ヒラメマダイはほとんど同じ水温帯で、高水温期の8月には27.5℃以下の海水温に分布しています。
海水温の上昇が続くと、21世紀末までに九州、瀬戸内海、近畿、そして東京湾でも成育が難しくなると考えられています。


深い水深に生息するズワイガニ
他の生き物より水温の影響は受けにくいのですが、別の要因で消滅する可能性があります。貧酸素化によって、生息できる水深が狭くなる恐れがあります。また、海洋酸性化の影響で殻を作るためにエネルギーが割かれてしまい、成長が悪くなる危険性もあります。深いところに住むズワイガニも、地球温暖化の影響からは逃れられないと考えられます。

なぜこんなことに? 解説:温暖化による海への影響
「地球温暖化の影響で、寿司が食べられなくなるかもしれないー」
あくまで可能性の話ではあるものの、現実味を感じた方も多いのではないでしょうか。 ここで改めて伊藤教授に、特に海の生き物への影響が大きいと考えられる環境変化について教えてもらいました。
①海が熱くなる(海水温の上昇)
地球温暖化は海でも起こっていて、海水の温度が上がっています。海面の温度は世界でおよそ130年の間に平均で0.5度上昇(※)。日本近海での海面の水温は、この100年で1度以上熱くなりました。
今後、21世紀末までにおよそ1度~3度の上昇が予想されています。 海が熱くなると、それまでいた場所には住めなくなる生き物がでてきます。
※1880~2012年の間での上昇

②海が酸性化する(海洋酸性化)
地球温暖化を引き起こす二酸化炭素は、森だけでなく海にも吸収されています。
吸収された二酸化炭素は、水と結びついて酸性の物質に変化します。影響が出やすいと考えられるのは、アルカリ性の物質をもとに殻をつくる貝類などの生き物です。酸性化が進んだ海では、殻を作るのにより大きいエネルギーが必要になるため、成長が悪くなったり、住めなくなったりする生き物がでてくると考えられます。

③海中の酸素が少なくなる(貧酸素化)
海水温が上昇すると、海の中に酸素が運ばれにくくなります。今後も海水温が上がると考えられているので、海水に溶けている酸素はさらに減少すると見られます。そうすると、生き物の住める領域が小さくなると考えられます。

④豪雨などの影響(極端現象)
大気中にある水蒸気の量が増えていることで、集中豪雨が多発するようになっていて、これが海にも影響を与えます。極端な豪雨が増えると、大量の土砂が海に流れ込み、沿岸部の生き物が大打撃を受ける年が頻発することが考えられます。

実は海の生き物はまだまだ分からないことが多い  資源の保護へ!
取材の最後に、伊藤教授はもうひとつお話をされました。

伊藤進一教授(東京大学 大気海洋研究所教授)
「普段食べることの多い海洋生物でさえも、わかっていない基礎的な特性がまだまだあります。今回、研究者のわたし自身があらためて感じました。」
「温暖化は進行していきます。海洋生物資源の保護は、生き物自体の研究や適切な資源管理、そして環境問題への一人一人の努力にかかっています。」

ほかの食べ物も心配になってきました…
今回の伊藤教授のお話は国産の寿司ネタに限ったものでしたが、他の料理でも起きる可能性があります。あるいはもしかすると、すでに影響が出始めている食材もあるかもしれません
このまま温暖化が進むとどのような危機が待っているのか。 そして、危機を回避するために私たちは何をしなければならないのか。
番組ではより広い視野で詳しくお伝えします。

NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
第1回 暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦
1月9日(土)夜9時~[総合]




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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2021年1月7日

常田大希さん作曲「2992」 スタジオ収録に密着

音楽家・常田大希(つねた・だいき)さん(millennium parade/King Gnu)が作曲したNHKスペシャル「2030 未来への分岐点」のテーマ音楽「2992(にきゅうきゅうに)」が公開されました。
制作を担ったのは、常田さんが率いる音楽プロジェクト「millennium parade(ミレニアム・パレード)」。その名前には「ミレニアム=1000年後にも残る作品を生み出したい」という思いが込められていますが、新曲のタイトル「2992」も、1992年生まれの常田さんが、自分が生まれた年から1000年たってもこの曲が残っていてほしいという願いをかけて名付けられました。

強く激しいバンド演奏と壮大で美しいオーケストラの音色が調和した「2992」。去年12月、メンバーがNHKに集まってパフォーマンス収録が行われました。今回は、その収録当日の様子をお伝えします。(取材:髙橋 隼人 ディレクター/構成:新井 直之 ディレクター)

※この曲の創作現場に長期間密着したドキュメンタリー番組「Tokyo Chaotic 音楽家 常田大希」が3月5日(金)にBSプレミアムで放送されました。

バンドとオーケストラの融合 出演者は30人以上


12月13日午後、NHK放送センターの西口玄関に到着した常田大希さん。白いスウェット姿に革のジャケット、黒いリュックを肩に提げスタジオへ向かいました。

―いよいよですね
「そうですね。ようやく納得するかたちで迎えられてよかったです」
―手応えはいかがですか?
「うん。すごくライブ映えするというか、いい演奏が撮れるんじゃないかと思います」

収録を行う101スタジオでは、スタッフによる準備が慌ただしく行われていました。重い扉を開いた先には、無数のライトに照らされた円形のステージ。
その中央には、常田さんが演奏するアップライトピアノが置かれています。それを取り囲むように2つのドラムセット、グランドピアノ、オーケストラの楽器などがびっしりと配置されていました。


午後4時半ごろ、常田さんを含む演奏者たちが一斉にスタジオ入りしました。このパフォーマンス収録の大きな特徴のひとつは、バンドとオーケストラ合わせて30人以上の出演者がいることです。

millennium paradeのバンドメンバーは、常田さんがKing Gnu(キング・ヌー)でも活動をともにする、ベースの新井和輝さん、ドラムの勢喜遊さん、ピアノの江﨑文武さんのほか、ボーカルにermhoi(エルムホイ)さん(“2992”の作詞も担当)、今回はベースを担当したアジテーターの佐々木集さん(常田さん率いるクリエイティブ集団「PERIMETRON」のプロデューサー/クリエイティブディレクター)、ドラムの石若駿さん(King Gnuの前身Srv.Vinciの元メンバー)、シンセベースのMELRAW(メルロウ)さん、そして今回はサンプラー/コーラスを担当したアジテーターの森洸大さん(「PERIMETRON」のアートディレクター/デザイナー)が参加しています。

一方、総勢23人からなるオーケストラは、常田さんの兄、常田俊太郎さん(King Gnuやmillennium paradeのオーケストレーションバイオリンも担当)がコンサートマスターを務め、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、ホルン、トランペット、フルート、クラリネット、ファゴット、ハープ、オーボエを率います。
各方面で活躍するプロの音楽家たちが一堂に会してサウンドチェックを行う様子を、常田さんはスタジオの端からうれしそうに眺めていました。

―どんな気持ちですか?
「絶景ですね。想像よりもずっといい。みんな演奏が上手だし。曲作りを始めた当初は1人で大変だったけど、いろんな人が参加してきてくれて、徐々に曲が発展していくのを見るのは楽しいですね」

タイトルに込められた ”千年後まで残る楽曲を”


常田さんは、こうした才能のある仲間と一緒に新しい作品を生み出すことにこだわりを持っています。10月に行ったインタビューではこう語っていました。

常田大希さん(10月21日)
「すごく恵まれているなと思うのは、世間の評価とまったく関係なく、自分たちの尺度で作品を作れるチームのメンバーがいること。彼らからしたら、世間からどう思われるかとか、どう評価されるかというのはどうでもよくて、単純に『これかっこいい』とか『この作品ヤバいね』ということしかない連中なので、俺にとっての「財産」であり、本当に「救い」みたいな感じですね。お金ではなくて、かっこいいものが作りたいというところで繋がっているから、すごく尊いことです」

常に信頼する仲間と新たな挑戦を続ける常田さん。この「2992」という曲のタイトルについても思い入れがあるといいます。

常田大希さん(10月21日)
「1992年生まれが、“ミレニアム・パレード”していったら1000年後だから、“2992”というタイトル。規模がでかい話になっちゃいました。音楽もけっこう規模がでかい。この曲が2992年に残っていたら面白いですよね。この作品頑張らないと」

世間の評価ではなく自らが納得できる作品づくりに徹した結果、1000年後まで残る作品ができたらいい。目先の利益に惑わされず、普遍的な価値を追求する真摯な姿勢に共感しました。

”想像をはるかに超える曲”


午後5時。スタジオの準備が整い、収録本番の時間を迎えました。中央に立つ常田さんの指揮で演奏が始まります。
激しいドラムとオーケストラによる、物語の始まりを予感させるプロローグ。一拍間を置いて常田さんが腕を振り下ろすと、2人のベースが低音を響かせるアップテンポな演奏が始まります。常田さんもピアノで加わり、女性ボーカルの歌い出しを迎えました。

You won’t believe what I saw
(私が見たこと、あなたには信じられないでしょう)
There are no words to make you believe me
(あなたに信じさせる言葉が見つからない)



ボーカルを務めるのは、女性シンガーのermhoi(エルムホイ)さんです。以前、たまたま彼女の歌を聴いた常田さんがその才能に惚れ込み、知人を介して会ったことがきっかけで自身の作品バンドに招いたと言います。今回、「2992」の作詞も担当しました。
最初にこの曲を聴いたとき、「規模感が大きすぎて私の想像をはるかに超えた曲だったので焦りました」と語っていたermhoiさん。歌詞については、「そのとき(2992年)に生きている人に、いまこういうことを考えていますと伝えたい」という思いで書いたといいます。



当初、ermhoiさんはレコーディングブースで、「この曲をつかみ切れていない」と嘆いたこともありました。ささやくような優しい声、無機質な声、いらだちを加えた荒々しい声…。どんな音色で歌えばいいのか、何度も試行錯誤を重ね、常田さんたちと“答え”を探し続けてきました。

そして迎える曲のサビです。
In this life we live everyone is made to feel confused
(私たちが生きるこの人生では皆 混乱するように仕組まれている)
I just wanna break free and see
(私はただ自由になって自分の目で見たいの)
Like we all used to do in the old days
(その昔私たちがしていたように)

憂いを帯びながらも力強いermhoiさんの声にバンドとオーケストラが呼応しながら、スケールの大きなメロディが奏でられました。
明け方、スタジオからの帰路で語った言葉ー


分厚い音の層の中心で、無心に鍵盤をたたく常田さん。バンドとオーケストラを両立させるために、これまで苦労を重ねた日々があったといいます。

常田大希さん(11月4日)
「いわゆるバンドミュージックじゃないから、バンドのプレイをするとお互いけんかしてしまう。おいしいところが出てこない。どっちかに偏るとどっちかが死んでしまう」

常田さんは今回、ポップスでバラード系の曲によく取り入れられるオーケストレーションとは一線を画したいと考えていました。後ろで少し弦が鳴っていればいいというものとは違い、今回はオーケストラも主役だと考えていたからです。両者をどう調和させるか、収録のギリギリまでアレンジに手を加え続けてきました。



なぜ、ここまでストイックに曲作りができるのか。楽曲の制作が佳境を迎えたある日の明け方、帰路につくため車を運転している常田さんに、その疑問を投げかけたことがありました。

常田大希さん(11月5日未明)
「なんでですかね。強迫観念みたいな感じがありますね。何かに突き動かされている感じ。俺が止まったら全部が止まるんじゃないかという“動力”として今までやってきたから」

「芸術とは破壊と構築を繰り返すこと」だとも語っていた常田さん。いま、バンドとオーケストラのそれぞれのよさを最大限に引き出し、まったく新しい音楽を生み出そうとしていました。そして、曲はクライマックスへと向かいます。

“いい景色が見られた” 理想的なかたちでのフィナーレ


I'll go ahead and start this run into space
(先に宇宙へと走り出すわ)
While I still have the plan in my mind
(まだ頭の中の計画があるうちに)

スタジオの熱気は最高潮に達し、演奏が終わりました。その後も別アングルでの撮影を繰り返し、収録は約4時間にわたる長丁場となりました。
夜9時、収録の成功を拍手でたたえ合うと、全員そろっての集合写真。仲間に囲まれた常田さんの笑顔には、安堵の色がにじみ出ていました。スタジオを去ろうとする常田さんに最後のインタビューを行いました。

―収録を終えていかがですか?
「最初の構想どおり、いろんなタイプの人たちがこうやって集まってくれて、ひとつの音楽をみんなで作り上げられたのは、すごく自分が思い描いている理想的なかたちで、いい景色が見られました。この曲が1000年後に残るかどうかは分からないですけど、1000年続けたいパレード、そういうマインドでこれから過ごしていくには本当に素敵な機会でしたし、いい曲ができてよかったという日でしたね。よかったです」



NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」のテーマ音楽、「2992」。常田さんは「自然や宇宙との親和性も高い」と前回のインタビュー( Topic㊻テーマ音楽を手がけた音楽家・常田大希 ロングインタビュー)でも語っていました。
あなたは、この曲からどんなメッセージを受け取り、どう未来につなげていきますか?ぜひ、放送とともにお楽しみください。

放送予定
「Tokyo Chaotic 音楽家 常田大希 」NHK BSプレミアム 3月5日(金)夜11:15ー(89分)
NHKスペシャル 2030 未来への分岐点
第3回 プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界 2/28(日) 夜9:00ー

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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年12月25日

『食品ロス』をアプリで削減へ 飲食店と消費者をつなげる

食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」
SDGs(持続可能な開発目標)では『目標12』の「つくる責任 つかう責任」の中で、世界全体の一人当たりの食品ロスを2030年までに半減させることなどが盛り込まれています。日本でも2019年に「食品ロス削減推進法」が施行され、全国の自治体で食品ロス削減に取り組みことが求められています。
そんな中、飲食店の食品ロス削減を掲げているスマホアプリが注目を集めています。消費者にもメリットがあるというこのアプリ、つくった人を取材すると食品ロスに対する強い思いが見えてきました。
新型コロナでも注目 1500の飲食店が参加


このアプリをつくったのは、料理イベントや食のワークショップなどの企画運営を行っている川越一磨さんです。飲食店と協力して2018年にサービスを立ち上げました。

飲食店側があまった食品を割安でアプリ上に出品し、希望する人が購入できるというもので、新型コロナウイルスの影響で飲食店の需要が減っている中、利用する飲食店が増えていて、現在およそ1500店が参加しています。大阪府や福岡県など16の自治体とも連携しています。

スマホアプリ「TABETE」

飲食店と消費者、双方にメリットが
サービスを利用している飲食店を取材しました。東京都心にあるこの店では、チキンや野菜などを使ったカレーの食べ放題ランチを提供しています。



営業中に料理を切らさないためには多めに作らざるを得ず、その結果どうしてもあまりが出てしまいます。以前はあまった分は捨てるしかなく『食品ロス』になっていました。
しかし川越さんのアプリサービスを利用するようになってからは、あまったカレーを弁当にして、ひとつ500円で出品しています。
取材したこの日は、出品するとすぐに購入され、買った人がお店にお弁当を受け取りにきました。

購入した人
「500円でカレーセットが買えて、しかも食品ロスを減らせるのがいいと思いました」

店のスタッフ
「捨ててしまうものを買ってもらえて、おいしく食べてもらえるのはうれしいです」


アルバイト時代に大量の『食品ロス』を目撃

(大学時代の川越さん)

サービスを立ち上げた川越さんが『食品ロス』の問題に関心を持ったのは、大学時代に飲食店でアルバイトをしたことがきっかけでした。食べ残ったものなどが毎日大量に捨てらているのを目の当たりにして、大きな衝撃を受けました。

川越さん
「なんでこんなに残すんだろうと、怒りもあるし悲しみもありました」


いま川越さんは、若い世代に食品ロスの削減に関わってもらいたいと、定期的に学生たちと話し合う機会を持っています。未来のことを一緒に考えていくことが大事だと、考えているからです。

(学生との話し合い *新型コロナウイルス感染拡大のためで今はオンラインで行っています)


川越さんの取り組みを動画にまとめました。ぜひご覧下さい!
「食品ロスを減らそう」こちらの記事も
▼大学生が営む“おすそわけ食堂
▼私たちができること「食品ロスを減らす」

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年12月21日

食品ロスを減らせ 大学生が営む“おすそわけ食堂”

新型コロナウイルスの影響で「食品ロス」の問題が注目を集めました。飲食店の利用が減ったことなどから、使われる予定だった食品が多く廃棄されたためです。以前から食品ロスは環境負荷への配慮などから、減らすことが求められてきましたが、日本の食品ロスの量は年間612万トン(平成29年度推計値)、1人当たりにすると約48kgにのぼります。

 (出荷できなくなった野菜を廃棄する様子
  画像は、5/27放送のクローズアップ現代プラス「“新型コロナ” 日本の食に異変あり!?」から)


この問題をなんとかしたいと、高知県の大学生が、捨てられる予定だった野菜をつかって料理を提供する食堂をオープンさせました。高知放送局の取材です。
「おすそわけ食堂」で捨てるはずの野菜もらいます


高知県香美市にオープンした、夜だけ営業する食堂。開いたのは大学4年生陶山智美(すやま・ちみ)さんです。スタッフもすべて大学生です。
かぼちゃの煮つけや地元特産のりゅうきゅうの酢の物など、料理に使われている野菜のほとんどは、捨てられてしまう予定だった野菜です。
売れ残ったり、形や大きさが規格外といった理由で捨てられてしまう野菜を、農家から譲り受けているのです。定食が600円と手ごろな値段ということもあり、学生から親子連れなどから人気を集めています。
直売所でも売れ残れば、野菜が捨てられる現実
陶山さんが食堂を開こうと思ったきっかけのひとつが、大学2年生で体験した中山間地域の農業実習でした。農家の出荷作業などを手伝う中で、直売所に出しても、売れ残ってしまえば野菜が廃棄されるという現実に衝撃を受けたといいます。
その後も何とかできないか考えた結果、捨てられてしまう野菜を活用して、食堂が開くことを思いつきました。農家に相談してみたところ、野菜などを提供してくれる人が現れました。



いまでは陶山さんの取り組みに賛同して「おすそわけ」してくれる農家は10軒以上になり、なすやきゅうりなど25種類の野菜をほぼ無償で分けてもらえるようになりました。
「いつか地域の人々に恩返しがしたい」。陶山さんの取り組みを動画にまとめました。

陶山さんは、食品ロスを減らすだけではなく、この食堂が、仕事で忙しいお母さんが食事を通して、子どもとゆっくり過ごす時間が持てるという場所になったり、地域の人々が気楽に集まって話ができるような、「よりどころ」になることを目指しています。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年12月14日

テーマ音楽を手がけた音楽家・常田大希 ロングインタビュー

12月3日、音楽家・常田大希(つねた・だいき)さん(millennium parade/King Gnu)が、地球環境について考えるNHKスペシャル「2030 未来への分岐点」のテーマ音楽を制作することが発表されました。制作を担うのは、常田さんが率いるプロジェクト「millennium parade」(ミレニアム・パレード)です。多彩な才能が常田さんのもとに集結し、オーケストラと現代の音楽を融合させた楽曲づくりに挑みました。

コチラも☞常田大希さん作曲「2992」 スタジオ収録に密着(1月7日公開)

今回は、テーマ音楽に込めた思いに加えて、「芸術とは破壊と構築を繰り返す」ことだという常田さんの信念や、幅広いジャンルの音楽を吸収してきたことが現在の創作活動につながっているといったエピソードなど、貴重な言葉が詰まったインタビューを番組の放送に先がけて公開します。(2020年10月13日収録)
(聞き手:「常田大希 破壊と構築」担当 髙橋隼人 ディレクター)



常田大希(つねた・だいき)
ロックバンド「King Gnu」(キング・ヌー)の作詞作曲を担当。2019年にソロプロジェクト「millennium parade」(ミレニアム・パレード)も本格稼働。同世代のクリエイターで構成されるクリエイティブチーム「PERIMETRON(ペリメトロン)」とともに音楽・映像・アートワーク・ライブのすべてで独自の世界観を築き上げ、若い世代から熱狂的な支持を集めている。


テーマ音楽は「自然や宇宙との親和性」の高い楽曲に

――今回のオファーを受けた時、率直にどう思いましたか?

常田
硬派な案件きたなぁと思いましたね。NHKスペシャル、渋いなと(笑)10年後の地球の未来がテーマとして設定されていることが大事だなと思いました。環境問題は大事なことですが、自分にとってリアリティがあるかと言われると、正直あまりないかもしれません。でも、あまり普段そういった将来の大きな問題を意識することがないからこそ、これを機に勉強させていただきたいという気持ちで引き受けました。

――テーマ音楽はどういう思いで制作されたのでしょうか。

常田
「地球を表現した」なんて寒いことは言いません。説教臭くなるし、絶対につまらなくなるので。だから、単純に音がかっこいいかどうかでつくりました。自分が持っている問題意識やアーティストとしての追求に素直に反応してつくった感じですね。

――完成したテーマ音楽のイメージを教えてください。

常田
オーケストラを使うこともそうですけど、広い音響というか、大きな空間を意識していますね。自然や宇宙との親和性は高いんじゃないかな。番組で取り上げるテーマや映像に乗ったときに初めてリンクするのではないかと思っています。

――新型コロナウイルスの感染拡大で、春に予定していたKing Gnuの全国ツアーもすべて延期になりました。どう過ごしていたんですか?

常田
今年1月に『CEREMONY』というアルバムを出して、これからという時期で残念な部分はもちろんありました。でも音楽家として世間に対してできることはほとんどないと思ったので、単純に自分たちが信じるものと向き合って作品を作るということをストイックにやっていました。

芸術の魅力は「破壊と構築を繰り返すこと」



――そもそも常田さんはいつごろから音楽をやっていこうと意識されたんですか?

常田
両親が音楽をやっていたこともあり、家に楽器やCDが山ほどあったんです。親が弾くピアノの音が家じゅうにあふれているような環境だったので、そういうものを聴いて育つ中ですごく自然に音楽に興味を持ちました。中学、高校くらいのときには自分の曲みたいなものは作り出していたので、そのころには意識して始めていましたね。

――その後、長野から上京して東京藝術大学に入学しましたが、どんなことを感じましたか?

常田
もともと音楽や絵画などの芸術の魅力は「破壊と構築を繰り返し、今までのものをどう変えていくか」というところにあると感じていました。でも大学に入って周りの学生を見たら、習い事を続けるというマインドが強いと感じました。藝大の音楽は伝統芸能に近い気がして、そういう再現芸術のようなものにはあまり興味がなかったんです。だからここで4年間を過ごすよりは、腹をくくるためにポンと外の世界に出てみることにしたんです。

――実際に大学を辞めて活動を始めていかがでしたか?

常田
当時、2010年代前半は世界各地のクラブシーンでビートミュージックが盛り上がってきている時期でした。新しい音やカルチャーが次々と作られていく中で、特にジャズやヒップホップをベースにしたLAのミュージシャンたちにけっこう影響を受けましたね。リアルタイムに音楽の進化を体感したことで、自分もこういうことがしたいというアーティストとしてのスタンスも見えてきて、日本のアーティストとしてどうすればいいんだろうみたいなことを考える日々でした。

“食わず嫌いをしない”ことから生まれた幅広い音楽性



――そうした試行錯誤があったからこそ、常田さんのジャンルを超えた音楽づくりにつながっているのでしょうか。

常田
当時は、いろんな情報をとりあえず飲み込んで、体の中に残ったものを大事にするという作業をひたすら繰り返していました。飲み込むというのは、食わず嫌いをしないということです。別に好きじゃないけど何かあると感じたら1回食べてみる。その中で「このジャンル、この人たちにはこういう良さがある。この部分は好きではないけど理解はできる」みたいなことを確かめる作業ですね。

―常田さんが手がける楽曲を昔から知っている人にとって、「King Gnu」の『白日』などは、かなりポップで大衆向けの印象があります。何かねらいがあったんでしょうか?

常田
たくさんの情報を吸収している時期にJ-POPにも触れていたので、それがKing Gnuの活動にもつながっています。僕たちは本来ヒットチャートを賑わせるようなシーンの人間ではないから、日本の音楽業界がすごく客観的に見えたんです。試行錯誤する中で、自分の知らない景色を見たいと思って、そういうポップな表現もしてみたくなったという感じです。ただ、J-POPで成功することが、音楽家としての成熟や進化を意味するかと言えばそれは違うと思うので、これが正解だとは思っていません。

――一方で音楽業界の真ん中にいて、売れるものも作ってほしいという周囲からの期待と、自分が本当にやりたい音楽との間で悩むことはありませんか?

常田
もちろん悩むことも多いです。自分が価値があると思うものと世の中のニーズは必ずしもリンクしないというのは子どものころから染みついていることなんです。文化祭で何か演奏したときの反応を見れば一目瞭然で、流行の曲を演奏したらお客さんはすごく沸くのに、自分がかっこいいと思うものを演奏してもぽかんとされるみたいな。それでも、僕は音楽ってコミュニケーションだと思っているんです。自分の芯があって行くべき道はありながらも、それ以外を排除する必要はない。ちゃんとコミュニケーションをとればそこで得るものは絶対にあると思うので、あまり視野を狭めないように意識しています。

“多数決”に縛られない自由な音楽づくりへ



――常田さんは、King Gnuと同時にmillennium parade やPERIMETRONなど、複数のプロジェクトで活動されていますが、それはどうしてですか?

常田
1個の箱で全部をやろうとするとすごく中途半端なものができてしまうというか、どちらにも振り切れないものになってしまう。それが気持ち悪くて、しっかり活動を分け始めたんです。アーティストは多数決をとる作業じゃないのに、大勢の意見に引っ張られてしまうことがよくあるんです。だから自分を強く持っていないと、どんどん多数決の作業になってしまう。例えば、音楽をしっかり勉強した身からすると10人中 9人がいいと思うものを作ろうと思えば作れるんですよ。ただ、最近は10人いたら10人とコミュニケーションがとりたいという性質の作品を作ることもありますし、10人いたら誰も理解できないようなものだって作る意味があると思って、腹をくくるようになりました。自由自在に飛び回りたいという気持ちになっています。

――常田さんは同世代のクリエイターの仲間と一緒に仕事をすることが多いと思いますが意識していることはありますか?

常田
仲間と仕事をする上では、ポジティブな面がある一方で、甘えが生じるなどネガティブな面もあるので、お互いに仲間であることの意味や強みをちゃんと意識しなきゃいけないと思っています。それによって、この仲間でしか作れない作品や仕事ができるし、思いもよらないレベルに到達できるんじゃないでしょうか。

過去の芸術の文脈に敬意を払い「納得できる作品づくり」を



――最後に、常田さんがアーティストとして一番大切にしたいことと、最終的な目標を教えてください。

常田
一番大切にしたいことは、自分が今まで積み上げてきた芸術の文脈、音楽の文脈にちゃんと敬意を払うことです。自分のやることは、そういう文脈の上に構築されているので、自分が納得できるかどうかをいちばん大事にしています。だから、アーティストとしての目標も納得できる作品を作り続けることです。人間として目標は、自分の葬式で愛する人たちが自分の死を悲しんで弔ってくれることでしょうか。

――ありがとうございました。NHKスペシャルで放送されるテーマ音楽、楽しみにしています。



記事☞ 常田大希さん作曲「2992」 スタジオ収録に密着

鬼才音楽家・常田大希の創作現場に長期密着したドキュメンタリー番組。人気ロックバンド「King Gnu」(キング・ヌー)のメンバーとして作詞作曲を担い、若者たちの熱狂を集めている常田。その彼が純粋に創造性を追求するために結成したプロジェクトがある。それが「millennium parade」(ミレニアム・パレード)だ。多彩な才能が集結するこのチームを率い、今回、NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」のテーマ曲制作を担当。オーケストラと現代の音楽を常田にしかできないバランスで融合させた楽曲で挑んだ。そこには“ミレニアム”=1000年後にも残る作品を生み出したいという壮大な“夢”が込められていた。


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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年12月7日

アメリカ大統領選挙  “バイデン氏勝利”と温暖化対策の関係は?

世界が注目したアメリカ大統領選挙。大接戦の末、民主党バイデン氏が勝利を確実にしましたが、その要因の一つに「若者たちからの支持の大きさ」があったという分析があります。「地球のミライ」取材班は、バイデン氏の温暖化対策を支持して投票を呼びかける活動を展開した若者グループに密着。若者たちのムーブメントはどう作り上げられたのか、取材しました。
(地球のミライ 取材班 ディレクター 山下健太郎)

(米大統領選挙への投票を訴えるサードさん)
バイデン氏の温暖化対策に共鳴した若者
「地球が壊れかかっているときにすべきこと、それは投票だ」。ニューヨークの街頭でそう演説していたのは、「plus1vote」という団体の創始者サード・アメールさん(26)。大学卒業後、自然公園の整備を訴えて議員へのロビー活動をしたり、環境活動家のゴア元副大統領とイベントを行ったりするなど、環境問題に取り組んできました。今回、温暖化対策をめぐって両候補が真っ向から対立するなか、地球の未来を左右する重要な選挙になると考え、活動を始めたと言います。

サードさん
「温暖化対策というと『プラスチックを使わない』など小さな行動を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、個人が生活のなかでいくら温暖化に配慮しても限界があります。企業の活動を一変させるような強力な力が必要です。そして、それができるのは政府です。気候政策に大きなチェンジがなければ、この気候危機に対処することはできないのです」

大統領選挙 争点の1つとなった「温暖化対策」
下の図はトランプ大統領とバイデン氏の温暖化対策へのスタンスです。バイデン氏が2050年温室効果ガス排出実質ゼロを公約に掲げる一方、トランプ大統領は、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱するなど、否定的な姿勢を鮮明にしています。


ムーブメントの鍵は「SNS」と「対話」
バイデン氏を支持し「温暖化対策を重視する候補者に投票して欲しい」と訴えるサードさん。ミレニアル世代(1981年以降生まれ)ならではの発想で、SNSを駆使した活動を展開しています。ひとつがインスタグラムのアプリを使って自らの顔に「VOTE」(投票)とペイントした画像をシェアしてもらう取り組み。「投票」というと身構える人が多いなか、オシャレなデザインで気軽に関わってもらおうと考えました。

(インスタグラムに投稿したサードさんの画像)

(plus1vote のインスタグラムより)


この活動にはインスタグラムで世界3600万人のフォロワーを抱える有名モデルなど著名人も参加。結果、全米20万人以上が「VOTE」画像をアップするほどの広がりを見せました。さらに投票を巡る課題解決でもネットを駆使しました。ライドシェアサービス企業の「Lyft」と提携。投票所までの移動手段がない人に無料で送迎する取り組みを進め、投票率の向上を目指したのです。

(オンラインミーティングより)

ネットの拡散力を活用することと同じくらいにサードさんが大事にしていることが、一対一の「対話」です。新たに活動に参加したメンバーとのオンラインミーティング。16歳ケイリー・シェリーさんは、古着を活用したり、プラスチックを使わずマイボトルを持ち歩いたりするなど、普段からサステナブルな生活を実践してきましたが、政治への働きかけが重要だと考えるようになって、活動に参加しました。選挙権のない彼女にサードさんが伝えたのは、周りの誰か1人でいいから投票に行くよう語りかけて欲しいということでした。

サードさん
「運動というと何か大勢の人に働きかけなければならないと思うかもしれませんが、そうではありません。身近な人の誰か1人の行動を変えるだけでも大きな変化を生み出すことができます。過去の選挙もわずか数百票の差が勝敗を左右したこともありました。私たちの団体plus1voteという名前もそういう思いを込めています」

若者たちの声は未来を変えた
(投票を呼びかけるサードさんたち)

投票日まで1週間を控えたこの日。サードさんは、街頭で投票を呼びかける最後のイベントを開きました。家族を期日前投票に連れて行った後、ケイリーさんも合流。サードさんに促され、彼女も拡声器を手にしました。

ケイリーさん
「私は16歳です。投票権はありません。では私の声は大切ではないのでしょうか。そんなことはないはずです。みなさんにお願いです。投票することができない人のためにも、私たちの声を届けるためにも、投票して下さい」



そして、開票後の混乱を経て、勝利宣言を行ったバイデン氏。地球温暖化対策に取り組むことを明言しました。
投票結果の分析を行っているタフト大学のグループによると、今回の大統領選で18歳~29 歳の52~55%が投票。前回2016年の42~44%を大きく上回りました (11月18日時点) 。またアリゾナ、ペンシルバニア、ミシガン、ジョージアなどの激戦州でバイデン氏が勝利したところにおいては、若者のバイデン氏に対する投票はトランプ大統領よりも高い結果となりました。(ミシガンはバイデン62%トランプ35%など)。
バイデン氏支持の若者が優先順位が高いとした争点が、1位 コロナ対策2位 人種差別3位 気候変動、と温暖化対策が3位に位置していたことからも、サードさんたち温暖化対策に関心を持つ若者たちの行動が、大統領選挙の結果に少なからず影響を与えていたと推測できます。



サードさんは選挙の次を見据えています。

サードさん
「ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏を選出することができて、とても嬉しく思っています。しかし、投票して終わりではありません。彼らが本当に温暖化対策を実行するように声を上げ続けることが必要です。私たちはようやく温暖化対策のスタートラインに立ったばかりなのです。」

このまま温暖化が進むとどのような危機が待っているのか。そして、危機を回避するために私たちは何をしなければならないのかー。
1月9日(土)放送のNHKスペシャル 2030 未来への分岐点・第1回「暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦」で詳しくお伝えします。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年12月3日

NHK「SDGsキャンペーン」始まります!

地球環境、ジェンダー、貧困問題、生物多様性・・・
持続可能で多様な社会の実現にむけて、NHKが一丸となって取り組むSDGsキャンペーン「未来へ 17アクション」が来年(2021年)1月から、スタートすることになりました。
キャンペーンの第1弾は、このサイト名と同じ「地球のミライ」 プロジェクト。各番組が集結し、さまざまな角度から地球環境について考えていきます。

メインとなるのはNHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
地球環境が”後戻りできなくなる分岐点”とされる2030年まで残り10年を切った中どうすれば危機を回避し、持続可能な未来を実現できるのか?「温暖化」「水・食料問題」「プラスチック汚染」について世界の最前線を取材します。そして、番組のテーマ曲を手がけるのはー
常田大希×「NHKスペシャル」


NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」のテーマ音楽は、いま注目を集める音楽家・常田大希さん(millennium parade/King Gnu)が制作しました。人気ロックバンド「King Gnu」のメンバーとして、作詞作曲を担い、若者たちの熱狂を集めている常田さん。その彼が、純粋に創造性を追求するために結成したプロジェクト「millennium parade」を率い、今回の楽曲作りに取り組みました。その思いを常田さんに聞きました。



―今回のオファーを受けた時、率直にどう思いましたか?

硬派な案件きたなぁと思いましたね(笑)

―それでは、なぜオファーを引き受けようと思ったんですか

10年後の地球の未来がテーマとして設定されていることが大事だなと思ったんですよね。普段、あまりそういった将来の問題を意識することがないからこそ、これを機に勉強させていただきたいっていう気持ちで引き受けました。



―テーマ音楽はどういう思いで制作されたのでしょうか。

自分が持っている問題意識やアーティストとしての追求に素直に反応してつくった感じですね。地球を表現したなんてことは言いません。説教臭くなるし、絶対つまんなくなるので。今回のNHKスペシャルで取り上げるテーマや映像と合わさったときに、初めてリンクするのではないかと思っています。

―テーマ音楽のイメージを教えてください。

広い音響というか、大きな空間は意識していますね。自然や宇宙との親和性は高いんじゃないかな。




また、常田さんの創作現場に長期密着したドキュメンタリー番組「常田大希 破壊と構築」1/8(金)午後10:00-10:44 総合も放送。今回のNHKスペシャル「2030 未来への分岐点」のテーマ曲は、オーケストラと現代の音楽を、常田さんにしかできないバランスで融合させた楽曲。そこに込めた“ミレニアム”=1000年後にも残る作品を生み出したいという壮大な“夢”への思いに迫ります。

常田大希さんコメント
今回、NHKスペシャルの主題歌と劇中音楽のオファーを頂きました。NHKスペシャルの思い出はアウシュビッツ収容所の特集回が特に印象に残っていまして、世界大戦時の人間の愚かさや恐ろしさを浮き彫りにしたそのドキュメンタリー映像を今でも鮮明に覚えています。社会問題と真摯に向き合うNHKスペシャルに協力が出来て、とても光栄に思います。
それに伴い、私のアーティスト活動に完全密着したNHKドキュメンタリーも放送されるということで、最近毎日のように密着されてる訳ですが、ただ黙々と作品制作を進めるだけの地味な日々ばかりにも関わらず(音楽家の日常なんて基本的にはそんなものなのです)、ドキュメンタリーチームは朝から晩から、時には朝から晩から朝まで中々しぶとく食らいついてきますね。お互い本気ですね。


地球のミライを考え、森七菜が若者を後押し



NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」では今、注目の若手俳優、森七菜(もり・なな)さんがナビゲーターを務めます。環境意識が高まっていると言われる若い世代の後押しをして、行動する人々を増やしていくことを目指します。

森七菜さんコメント
台風や大雨など、大きな災害は毎年のように起きていて、 地元・大分県で暮らしているときにも大雨などを頻繁に経験して、怖い思いをしました。
でも、そのときは高台に逃げて時が過ぎるのを待つことしかできず、 もっと十分な知識があったら、そう思いました。例えば、地球温暖化の問題。
普段、街中を歩いていると地球温暖化防止のポスターなども見かけたりもするけれど、 多くの人が見慣れてしまい、なんの気無しにその前を通り過ぎてしまう。 麻痺(まひ)してしまっているのかもしれません。
でも、それは決して慣れてしまってはいけないこと。
今、何を学び、何を大切にするか、私も皆さんと一緒に学び考えていきたいと思います。


今後の放送について☟

NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
①暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦 1/9(土) 夜9:00-
②飽食の悪夢~水・食料クライシス~ 2/7(日) 夜9:15-
③プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界 2/28(日) 夜9:00-

※「NHKスペシャル」はNHKワールドJAPANで英語版を全世界に放送配信
※気候変動のデータを映像化したインフォグラフィックの一部は、NHKアーカイブスポータルサイト内でダウンロード提供します。https://www.nhk.or.jp/archives/creative/

☞1月からのプロジェクトに先駆けて、さまざまな番組でも「地球のミライ」を考えます。
?不可避研究中「#地球、詰んだ? 私たちはずっとクリスマスを祝えるんだろうかSP」 12/25(金) 夜11:45-
?BS1スペシャル「グリーンリカバリーをめざせ!ビジネス界が挑む脱炭素」 1/3(日) 夜10:00-
?BS1スペシャル「クライメート・ジャスティス パリ"気候旋風"の舞台裏」 1/3(日) 夜11:00-
?「チコちゃんに叱られる!」 1/8(金) 夜7:57-

ウェブサイトやSNSでも☟

?みんなでプラス「地球のミライ」:関連記事を多数掲載予定 
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0019/
?YouTube:NHK公式チャンネルにて配信予定
https://www.youtube.com/user/NHKonline
?Twitter:各番組の公式アカウントから関連情報を発信予定
クローズアップ現代+@nhk_kurogenNHKスペシャル@nhk_n_sp
NHK MUSIC@nhk_musicjp不可避研究中@nhk_fukahi広報局@NHK_PRなど。

?世界同時アンケート「未来計画Q」
NHKワールドJAPANでは、世界の放送局やNGOと若い世代の環境問題への意識について、世界同時アンケートを実施しています。(12月17日まで)これまでのアンケート結果はこちらから↓
TOPIC㊷世界同時アンケート「未来計画Q」新型コロナ後の社会と環境問題
TOPIC㉙ 世界で同時にミライを考えよう

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年11月16日

気候変動に対策を! 日本でも声を上げ始めた中学生・高校生たち

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが、温暖化の問題を訴えてひとりでストライキを始めたのは15歳の時でした。いま日本でも、気候変動に危機感を持った中学生・高校生たちが動き始めています。『2030年の自分たちを幸せにしよう』と、同じ志を持つ仲間とつながり、企業との連携も積極的に行っています。自分たちと地球のミライを守るため、中高生たちがどんなアイデアを持っているのか?オンラインイベントを取材させてもらいました。
(「地球のミライ」取材班 捧 詠一 ディレクター)

”気候変動への危機感”でつながる「中高生」×「企業」
11月1日、日曜日の午前10時。SDGsアクションを行うきっかけ作りを目的としたオンラインイベントに、全国から17人の中高生が集いました。主催したのは、メンバーが全員が中学・高校生の一般社団法人Sustainable Game。高校1年生の山口由人さんが代表を務め、持続可能な世界を作るために行動を起こそうとする同世代を支援しています。
「社会問題に対して行動する人を『かっこいい』と思える社会にしたい」と考え、オンラインコミュニティの運営や、中高生記者が社会課題の現状を取材・発信するメディアサイトの開設、大手電機メーカーやクリーンエネルギー事業を営む企業などに、中高生の思いとニーズを伝える勉強会の開催などを行ってきました。

この日のオンラインイベントでは、環境問題の改善に取り組んでいるアウトドア企業の社員を招いて講演会を開催。参加者はWebで応募した中高生です。気候危機のために企業が行っていることを学んだ上で、「自分たちなら実際の店舗を使って、気候危機問題にどうアプローチするか」を提案します。中高生に学ぶ機会を提供しつつ、中高生の声を企業に直に届けることで、企業活動をより環境に配慮した方向へと導こうねらいです。

Nakazawaさん・高校生
「気候変動や気候危機がもっと身近に感じられないといけない。企業や国が色々やるのも大事ですが、『気候問題に取り組むのは特別なこと』とか『環境問題やってる人すごい』って思ってるだけじゃダメだと思う。その辺の意識が変わってほしい」

mizukiさん・高校1年
「Sustainable(サステナブル)のオプションが増えるといい。オーガニックとか増えだしてきているけど値段が高かったり、選択肢が少なかったりするので。2030年までにはもっとオプションが当たり前にたくさんあって、みんなが手に取れるような価格になっていてほしい」
(思いや願いは強くあっても、1人では変えられない現状を吐露する参加者たち)

まず行われたのは、参加企業の札幌支店からの中継リポート。現地の建物保存に貢献するため、築146年の石蔵を店舗として活用していること。床には、廃屋から切り出した木材を使用していること。札幌市主催のSDGs講座に社員が参加し、学びを深めると同時に地域とのつながりを築いていることなどが紹介されました。

(中継で紹介された店舗内の様子。床は廃屋から切り出した木材を再利用)

また、環境対策の担当者からは、30年以上前に自社商品のコットンTシャツから有害物質・ホルムアルデヒドが放出され、店内にいたスタッフが体調不良になった経験があること。それは、コットン栽培時に大量の殺虫剤を使用したのが原因だったこと。以来、環境への配慮に会社として傾注し始めたことなどが語られました。

「地球のミライを守る」ために あなたのアイデアは?
45分ほどレクチャーを受け、今度は3つのグループに分かれて討議の時間です。企業活動内容を聞いた上で、「どう店舗を活用したら、もっと環境問題解決に寄与できるか」を話し合います。
 …とは言っても、初対面の中高生同士がグループになっても、最初は何から話を切り出してよいのやら。気恥ずかしさもあり、まずは探り探り。
「そもそも同じ店に通うことがある?」という素朴な疑問から。

mizukiさん・高校1年
「私はこれまで結構引っ越すことが多くて、今住んでいる地域にどんな店があるのかもよくわかっていない。一つの店に通い続けるってこともあまりなくて、ちょっと“同じ店に通う”事に対してモチベーションがわかない」

山口さん・高校1年
「僕も同じ店に行くのは多くて3回位ですかね、通ったとしても。美容院だったら家族が同じとこ行ってたりするけど、『この前、お母さんがこんな事言ってたよ!』って店員さんに言われるとちょっとイヤな部分もありつつ…。アットホームなところもあるんですけどね」

  Nakazawaさん・高校生
「僕も、店に通うというのがあまりない。店員さんと仲良くなった経験は今までない…。通えば、交流とかすごくできると思うんですけど…」

ネットで服を買うこともできるし、同じ店員さんに何度も会うのも気が引けて、そもそもあまり店に通わないという意見で一致。
じゃあ、「通いたくなる」×「地球に優しい」店舗とは?
ここで、先ほどのレクチャーで話に出た、「9か月長く服を使えば、服の生産などで使用する水やエネルギー、発生する廃棄物を20~30%減らすことができる」という情報からアイデアを広げていきます。

mizukiさん・高校1年
「1度着古した製品を店舗が回収して、修繕して安い価格で販売して、エコにつなげるとか。安ければ学生とかたくさんの人が手を出せる。もともと高くてもいい製品なら、古着でも長く使える。自分で修理するワークショップ開催もいいと思う!破れてるところにパッチを貼ったりして。『長く使い続けよう』っていうワークショップを通じて、持続可能につなげていくことができると思う」

藁谷さん・高校2年
「いま古着って結構、中高生の間で流行っているイメージがある。結構みんな古着活用して、下北沢とか行っている子が多いから、『古着』っていうワードは中高生が引かれるワードだと思う」

山口さん・高校1年
「店舗で、古着とか、修理したものを例えば学生限定で売るとか。かつ、もっと定期的に来られるように、そこに自習スペースを作るとか。そうしたら気軽に来られるし、忙しいときでも勉強できるならみんな来るし」

藁谷さん・高校2年
「コミュニティを作るってこと?環境に興味がある人同士で話したりもできるね」

山口さん・高校1年
「そう。中高生のコミュニティを作って、心の豊かさを作ることによって、環境に目が向けられるようにするとか。環境に限らず、色んなことをカミングアウトし合える場になっていけばいいし。社員さんもうまく話しかけてくれれば、孤独感を感じている人の救いになるかもしれない」

次第に、考えることが楽しくなってきた参加者達。グループごとの考えを発表する時間が迫る中、協力してスライドを作り上げていきます。

(オンラインで共同編集。手慣れたものでした)

そして、発表の時間に。
1グループ目は、「中高生が通いたくなる、自習コーナーや古着コーナーを併設した店舗」を。
2グループ目は、「店舗を再利用資源で建設し、売れ残った商品のみ安価で販売する古着専門店」を。
3グループ目は、「衣類の交換会などイベントを通じて消費の責任を実感できる店舗」というアイデアをプレゼンデーションしました。

(「現状の課題」や「目的」「メリット・デメリット」など、熟考されていました)

プレゼンテーションを聞いた企業担当者も、「自分たちの目線に立って課題を突きつけてくれて大変参考になりました。是非、社内での提案に、みなさんのアイデアを活かさせていただきたい」と喜びの声が。
学生は学びと考える機会に。企業は持続可能なビジネスのヒントに。互いに有益な時間となったようです。

☟気候変動に立ち向かう若者たちの動き☟
TOPIC㊶目指せ2050年温室効果ガス「実質ゼロ」私たちの声を届けたい
TOPIC㉔ 広がる輪 つながる若者たちの思い
TOPIC⑧ グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2
TOPIC② グレタさんの言葉に触れ、立ち上がった若者



「自分たちのミライを明るくしたい」という中高生たちの想いに、大人たちはどう報いることができるのか。知恵を出し合って、持続可能な社会を作り上げようと葛藤する動きに、どう自分も加わっていくのか。
時代も社会も動き続けています。みなさんは、今、何をすべきだと感じますか?

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。