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#Beyond Gender
2021年3月5日

Vol.11 ジェンダーをこえて考えよう みなさんの声②

ジェンダーについてご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。10~20代のみなさんから多くの声が届いています。その中から、性別や性的役割が押しつけられることへの違和感、そして“生きづらさ”の解消・解決の手がかりを紹介します。
“性別”への違和感…
“結婚こそが幸せ”ではない

10代・女性・福井

私は高校生で大学への進学を考えています。将来的には自分の就きたい職に就いて、定年まで働きたいです。ですが、中学生の時から父に「おまえは女の子やからな~どうせ結婚して家庭を持つんやから大学で勉強せんでもいいしな~」や「いい旦那さんと結婚して幸せな家庭を持ってくれればそれでいい」と言われました。もちろん親孝行はしたいです。それでも「女の子=結婚」という考え方、そして結婚こそが幸せだという考え方は間違っていると思います。来年、私は生徒会長に立候補するつもりです。そこでの公約として、女子が上に立ちやすい活動を考えています。

人間は 男性と女性だけではない

20代・性別/男女以外

自分がLGBTQ当事者になって、日本のジェンダーへの意識、特に『男性と女性』だけのくくりの性的役割の意識の根深さに、がく然としています。そもそもなぜ「人間は男性と女性だけ」と思っていて、なぜ「同性は好きにならない」と思っているのか。先入観だけで生きてきたのではないか。

自分の性自認について、こんなに悩んで考えることがない社会が一刻も早く来てほしいです。 "男性"と"女性"だけを過剰に求めないでほしいです。相談することや打ち明けることすら勇気のいる社会で生きていくのはつらいです。

女子学生限定の会社説明会に疑問

20代・女性・福島

現在、就職活動中です。女子学生限定の会社説明会などがあり、人事の方は、「うちの会社は育休が取りやすい」などと話します。しかし、女性(女性に限らず)は、出産や育児をすることになれば、会社が育休を取りやすい雰囲気だろうとそうでなかろうと取得しなければいけない、と思います。

育休や急な早退などの時に、心の中で「申し訳ない」と思う必要がない環境を会社でつくることが大切なのであって、そのためには女子学生だけに話すのではなく、性別関係なくすべての学生に話すことで理解が深まると思います。育休を取得する男性が多くなっている現代で、女性だけなどと性別を限定して話す必要があるのか疑問に思います。会社がどのような意図でそのような説明会を開催しているのか知りたいです。

自分らしくいたい

10代・性別/男女以外・東京

トランスジェンダー*のFTM**ですが、学校では「足を閉じなさい」、「『僕』と言うのはやめなさい」、「女らしくしなさい」と言われます。制服もズボンにしたかったけど、スカートを履かされました。いつも恥さらしを受けてるみたいで、すごく嫌です。家でも「行動や口調を女らしく」とかいろいろ言われます。モヤモヤして、とても嫌です。

僕は、メンズ服を着たり、口調も「僕」とか「俺」にしたいんです。遊ぶ時も、「男子と二人きりはダメ」って言われますが、僕は二人きりでも平気。逆に女子が少し苦手なので、女子と二人きりは苦手です。 男になりたいといつも思います。「男・女」と分けないで自分らしくしたいです。
*トランスジェンダー…心と体の性が一致しない人
**FTM(Female to Male)…体は女性で、本人が認識する性「性自認」が男性。体が男性で、性自認が女性の場合はMTF(Male to Female)


体は女性、心は中性 親に打ち明けられない

10代・性別/男女以外

今、ジェンダーレスが広まり、多くの学校で女子のズボンが認められてきています。すごくいい取り組みと思いつつ、それで満足していいと思えません。男子のスカートは?女子のズボンよりも認められていないですよね。僕としてはそこが気になります。

僕は、体は女で心は中性。(相手が)男でも女でもそれ以外でも好きになります。打ち明けた友達は気にせずに接してくれます。普段スカートを履いて学校生活を送っています。まだ親にはっきりと打ち明けられていません。そこがずっとモヤモヤしています。

心は女性、体は男性 社会に出たら居場所がない

10代・男性

私は心が女性で、体が男性です。高校生の頃、ジェンダーについて悩み、とてもしんどく生きていました。当時、それを打ち明けた友達がいて、今もその友達とは仲良くしています。 ですが、やっぱり親というのは、男として生きてほしいのか、「自分は女だ」と言っても、どうしても認めてくれません。

洋服屋とかに行くと、レディースの服の方に目が移るし、「あの服かわいいな」と思いながら、いつも前を通り過ぎています。髪の長い女性を見ても、「あんなふうに伸ばしたい」と思います。自分はどうして女の子に生まれなかったのかな、と心が苦しいです。「私」という言葉を使うだけで、「〇〇さんは、『俺』とか『僕』とか使わないの?」と聞かれ、答えにも困ります。それって個人それぞれだと思います。 そして、もう一つ、高校生の頃は、居場所があったのに、社会人になったら居場所がないと気がつきました。

男性のような格好いいものになりたい

10代・女性・香川

私の好きなゲームに、ピーコックというキャラクターがいて、女の子なのに男性のような服装をして、男性のような言動をとっています。私自身のジェンダーがどうなっているのかはよく知りません。多分異性愛者の女性で間違いないです。でも、ピーコックを見つけたとき、なぜか「私を見ていてくれた人がいたんだ」と涙があふれました。

このキャラクターのファンたちのツイッター投稿を見ていると共通点があります。みんな、女性でありながら「格好いいものへの憧れ」が強いのではないかと思いました。それは「格好いい男性と恋愛をしたい」というものではなく、自分が男性を含めた「格好いいものになりたい」という憧れなのだと思います。

性別の悩み 親世代に受け入れられない

10代・女性・神奈川

漫画やアニメなどで自分の性別について悩んでいる人たちの話をよく見るので、そういった知識や考えを理解している人は私の高校では多いと思います。一方で私たちの親の世代はまだ受け入れられていないようで、ズボンを履いている女子生徒を変わった子と判断したり、自分の子供は同性愛者になってほしくないと考えているようです。

男性への圧倒的・無条件な信頼に疑問

10代・女性・愛媛

書類に家族の名前を書くことになったときに必ず、先に父(男性)の名前から書くこと、未成年のことで書類に親・保護者の名前を求められたときも、母ではなく父(男性)の名前を書くことが当たり前になっていることにずっと違和感を感じています。何かを新しく作ったり、契約したり、買ったりするときに必要な書類にも、女性が自分の名前を書こうとしても「ご主人様の名前でお願いします」という要求の言葉を目の当たりにします。

日常生活に必要な物事に出向くことを求められるのは、仕事中の男性に比べて、大部分は女性だと思います(これも違和感ですが)。なのに、その場にいない男性への圧倒的な無条件な信頼の大きさに疑問や不安が募ります。

“生きづらさ”を解消するために…
「こうあるべき」から「こうでもいい」へ

10代・女性・山形

「これって、おかしくない?」とジェンダー問題を問いかけても、「それが当たり前なんだから仕方ないよ」と、変化することをあきらめたような返事ばかり来ます。考えてすぐに大きな変化が生まれるわけでもなければ、深く考えたこともないことを聞かれたら「仕方ない」にたどり着くかもしれません。私は何より、ジェンダーへの関心が薄いことが日本の弱点だと思います。もっと皆が男女のあり方を考えて、「こうであるべき」という視点から、「こうでもいいし、こうでもいいよね」といったように、肯定的に考えられたらいいなと思います。

ジェンダーにとらわれない価値観 広げるアクションを

20代・女性・東京

「女性の活躍推進」が謳(うた)われるとき、想定されているのは『結婚し、子どもを産み育てる女性』という、ジェンダーにならったロールモデルばかりであることに強い違和感をもっています。 「結婚して子どもを産まない女性は社会に必要ない」と暗に言っているかのようです。今は父権的な慣習から抜け出すための最初の数歩であり、市民も社会も、より高い視座を持つ準備ができていないのかもしれません。

確かに子どもを産むのは生物学的な女性に特有の機能ですが、それを望まない・できない「女性」もいることを忘れてはならないでしょう。今後、ジェンダーやロールモデルにとらわれない価値観がもっと広がっていくためにどんなアクションが必要かを、自分自身も考え続けたいと思っています。

性を強要せず、個人を尊重する

20代・東京

私の見た目は女性です。しかしふたを開けると、ホルモンバランスの障害で妊娠出産は難しいと診断されている身体です。男性ホルモンが女性の平均以上 分泌されているためと伺いました。世間は女性に妊娠出産を求めます。それに応えられず、ホルモン値だけを見るなら男性的ですらある私は何者か、と自問自答した時期があります。

しかし、考えたところで私は私です。容(い)れ物こそ女性であれ、私が私らしくいられれば世間に呼応せずともそれで良い。個人は個人、性別は個性のひとつでしかない。 男性にも女性にも、性を持たない方に対しても、性を強要されず、求められない社会であってほしい。「性別」という要求にすんなり応えられる人間はそう多くない。まずはそれぞれが「個人」をきちんと尊敬し、尊重し、向き合えるようになってくれれば、多くの方が抱える生きづらさを少しだけ和らげられるんじゃないかと期待しています。

学校でLGBTQについて学ぶ機会を

10代・東京

僕の場合、学校で「キモい」「意味わからない」「〇〇ってLGBTなんだってw」「どうせ気分でしょw」とさんざんばかにされます。いちばんつらいのが信用してた友人にカミングアウトした次の日に「〇〇はジェンダーレスってヤツなんだって」と、悪気がないのは分かるんですが、ばらまかれてしまった。まだまだ学校で取り扱ってもらえないので、肩身が狭いです。学校教育の必修でLGBTQについてもっと学ぶ機会がほしい。そうすれば少しでもこのような問題を防ぐことができると思います。

カテゴリー化しなければ、排除されない

10代・東京

私はXジェンダー*でアセクシュアル**と自認しています。自分は男でも女でもないですし、恋愛をしません。仲の良い人との関係に、「恋人」や「友達」というような区別や名前はいるのか疑問に思います。人間という上で大きな共通点があるのにも関わらず、体が男だから女だから、肌の色が違うから、容姿が良くないから、などという理由で人々を区別するのはどうかと思います。

カテゴリー化という概念が、差別という概念を生み出すのであれば、区別しなければ排除される人間もいない。なぜそんな簡単なことができないのか。そもそも性を自認せずとも、誰もが自分らしく、自分の生きやすい生き方で生きていける社会になってほしい。人は誰でも1人きりだけど、だからこそ唯一無二の自分を探したいです。
*Xジェンダー…自分を男でも女でもないと感じる人
**アセクシュアル…誰かに恋愛感情をもったり 性的魅力を感じたりしない人、無性愛者


自分の特権に気づき、違いを認める

20代・女性・静岡

森会長の会見を見て感じたのが、他人が何を言っても、本人が自分で自主的に意識的に気づいたり学んだり変わるという思いがなければ、本質的な変化は期待できないということ。しかし、特権を持っている人が、その特権に気づくことはとても難しい。男性優位な社会で生きてきて、差別的な発言や行動が許されてきたような人に関しては、より難しいのだと思う。もちろんあのような発言は許されるべきではないが、そのような発言を許してきた社会を変えていかなければ根本的な解決にはならないと感じる。

もっと多くの人が問題意識を持ち、自分が持つ特権に気づき、それを自分のためではなく他人のために使い、違いが認められ、尊重され、個性が輝く社会になってほしいと強く願っている。自分の力はちっぽけかもしれないが、RBG*のように、どんな困難にもめげずに、明るい未来を信じて、自分の信念を強く持って、戦い続けたいと思う。
*RBG…2020年に亡くなるまで、アメリカ連邦最高裁の判事を務めたルース・ベイダー・ギンズバーグ。男女平等やマイノリティーの権利などの概念を一般に浸透させた。

自分のアイデンティティに名前をつけない

20代・性別/男女以外

私は、世間一般ではXジェンダーのパンセクシュアル*というアイデンティティに分類されるのかもしれません。 社会では、アイデンティティに特定のイメージが付きます。「Xジェンダーはこういう人である」というような。それは「男らしさ、女らしさ」といったところからも見て取れます。でもそれが窮屈です。自分で主体性を持って自認するアイデンティティのはずが、いつの間にか社会で表象されるアイデンティティによって自分がコントロールされてしまうから。

だから私は自分のアイデンティティに名前を与えるのをやめました。そうしたら、しがらみから解放されました。自由になりました。特定のアイデンティティに勝手にイメージを結びつけて、他人を、そして自分を縛るのはやめませんか。もっと自由で、多様でいいのではないですか?
*パンセクシュアル…男女ふくめ、あらゆる性の人に性的魅力を感じる人

ニュース番組で使う色やイラストに注意を

10代・女性

NHKや他の放送局のニュース番組で、男女別のグラフが表示されるとき、男性が青系統、女性が赤系統の色で表現されることがしばしばある。色によって、無意識のうちにステレオタイプの男女像を、より強化しているように見える。強い違和感と反感を覚える。このような色分けは、時代遅れだと思う。ニュースで使うイラストにも注意を払ってほしい。

性の多様性を学ぶ

10代・性別/男女以外・奈良

父さんには「女のくせに口答えをするな」と言われたり、先生には「どうして女のお前がリーダー的な行動を取るんだ」とどなられたり。母にはこう教え込まれました。「女が露出の多い服を着ていたら、胸が大きければ性被害にあっても仕方がない」「女の人はたくさんの男性とつき合って、その中でいい人を見つけて、結婚して子どもを産んで幸せになるものだよ」。 生まれたときに割り当てられた性別が女であったことで、どうしてこんなに苦しまなければならないのか、生き方まで決まってしまうのか。そんなモヤモヤを中学生のときから抱えていました。

大学生になって性の多様性を学びました。性のあり方は男女2択だけではなく、他人に強要されるものではない。「自分らしく生きていけばいい」という考えに出会えました。

1年に1つ、“生きづらさ”に目を向け、解消

10代・性別/男女以外・静岡

正装と呼ばれるような服は、現代ではメンズかレディースという2つの選択肢しかないに等しく、どちらにもしっかり当てはまらない不定性の自分はどの服を着れば良いのか、自分の着たいものを選べば礼儀がなっていないとばかにされないかなど相当な量の心のエネルギーを奪われます。

ジェンダーレスな正装がもっとたくさん流通して一般的になれば、オープンキャンパスや面接などの場へ向けた準備につらさや不安などの暗いイメージが先行せず、自分の未来への明るいイメージを持つことができたろうと思います。それは不安が先行してしまう現状と比べ物にならないほどの生きる意欲になると思います。

生きづらいことを完全になくすのはとても難しいとは思いますが、1年に1つ、生きづらさを解消していけ、10年後には10個解消できます。 少しずつでも、まずはどんなネックになること、つらいことがあるのかに目を向け、改善への歩みを進めることのできる優しい世の中であってほしいと思います。 いつか1人残らず楽しくて心地いい生活ができるように…。


“性別・性的役割の押しつけ”について、10~20代のみなさんが抱いている違和感や“生きづらさ”について、あなはたどう思いますか? どうすれば解消・解決されると考えますか?下の「コメントする」か、ご意見募集ページからお寄せください。





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