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「フェイク・バスターズ」

8月20日(木)放送

8月20日放送の番組 ダイジェスト版
Vol.1 もしも身近な人がひぼう中傷を受けたら…
Vol.2 ひぼう中傷の被害者を救う 第三者がカギに!
Vol.3 ひぼう中傷をなくすために…プラットフォームの役割は?

番外編 ― 番組で紹介できなかった内容をウェブで公開中
番外編vol.1 こんな被害も…“なりすまし”の実態
番外編Vol.2 未公開トーク「表現の自由」と「表現の責任」
番外編Vol.3 「匿名だからこそ傷つく」10代 20代にとってのひぼう中傷 ―みたらし加奈さん

対談記事「ツイッタージャパン社長に聞いてみた」
【前編】 ひぼう中傷対策に使える機能
【後編】 「表現の自由」は守れる?

ネット上で拡散されるデマやフェイク情報、いわれのないひぼう中傷の言葉…
その向き合い方について、被害の実態など取材した内容を載せていきます。事件や災害、医療情報など、様々な偽情報や偽画像がSNSなどで拡散され、誰もが被害者・加害者になる可能性があります。専門家や番組ディレクターと一緒に、“フェイクニュース”に立ち向かう「バスターズ」の一人として議論しませんか?あなたが感じていることやご意見を、ぜひコメント欄に書き込んでください。

★被害の体験談や真偽の分からない情報は、下記のリンクからも募集しています。
https://www.nhk.or.jp/gendai/request/fakebusters.html

「フェイクニュース」にまつわる過去の記事はこちら
“フェイクニュース”に立ち向かう
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2020年8月24日
ネットのひぼう中傷に「匿名だからこそ傷つく」若者の価値観 ―みたらし加奈
ネット上のひぼう中傷にあったらどうしたらいいのか――
SNSで匿名の人から攻撃的な書き込みをされ、傷ついた経験のある人は少なくないと思いますが、10代・20代の若い世代は、上の世代にくらべ「より傷つきやすい」傾向があるそうです。デジタルネイティブならではの感覚について、臨床心理士のみたらし加奈さんに聞きました。


みたらし加奈さん
1993年生まれ 臨床心理士 NPO法人mimosas理事
SNSを通して 精神疾患やメンタルケアの認知を広める活動を行っている
大学院修了後は 総合病院の精神科にて勤務


10代~20代の心に重い影響 ネットのひぼう中傷
――みたらしさんが普段カウンセリングされている10代や20代の人たちからの、ネット上のひぼう中傷についての相談には、どんな特徴がありますか?

最初から「ネットのひぼう中傷に遭いました」と言ってくる人は少なくて、眠れないとか、食べられないとか、気分が落ち込む、といった症状を抱えていて、よくよく聞いてみるとネット上の人間関係やコミュニケーションが原因のようだということがよくあります。

ひぼう中傷というものには大きな破壊力があるのに、なぜか当事者以外から見ると“小さなこと”として処理されてしまうケースがありますよね。ひぼう中傷について誰かに打ち明けたとしても、「気にしなければいいじゃん」「無視すればいいよ」といった反応をされてしまう方も多いのではないでしょうか。当事者のほうも、そういう社会的な認識を知っているので、「ネットの言葉なのにこんなことで落ち込む自分が悪い」と思ってしまいがちです。自分で抱え込んで、救いを求められないままになっている人が多いと感じます。

匿名でも同じくらい辛い デジタルネイティブのアイデンティティー
――10代、20代はデジタルネイティブなので、ネット上の不特定多数の人からのひぼう中傷はスルーできるのかなと思っていましたが?

今の時代では匿名のネットユーザーが世論を変えたり、大きな影響力を持つ場面も多いですよね。だからこそデジタルネイティブ世代の中には、匿名と実名の影響力の差がないように感じている方も多いため、「匿名で寄せられたことば」こそ、すごく強く感じてしまうこともあるのです。
そして、そういった“ネット上のアイデンティティー”への認識を、上の世代と共有できないことが悩みになるケースもあります。上の世代の中には「実名のほうがインパクトが強い」と思っていらっしゃる方も多いので、親や先生などに相談すると「匿名でしか投稿できない人のことなんて気にしなくていいよ」と言われてしまったりすることも…。
私たちカウンセリングをする側も、その世代間ギャップを認識しながら、苦しんでいる当事者の置かれた状況を理解するように努力しています。


取材はウェブ会議で行った

自分の輪の外からアンチがやってくる
――みたらしさんご自身は、普段ひぼう中傷とどう向き合っていますか?

私はふだんから「精神疾患は特別なことではなく、自分や身近な人、誰でもなる可能性がある。」ということを伝えたいと思って、ネットでの発信を積極的に行っています。 有り難いことに、私の発信を支持してくれている方もいらっしゃって、普段のコメント欄は比較的平和なんです。そこまで酷い人格否定などの攻撃を受けたことはありません。ただ、特定のツイートがバズることによって、心ないコメントがくる時もあります。

例えば以前、「#伊藤詩織さんを支持します」というハッシュタグとともに、「性的同意のない性行為は、性暴力と一緒だ」と書いたときには、多くの反対意見やひぼう中傷のようなメッセージが寄せられました。その時には、「これを毎日のようにされてしまったら、本当にしんどいだろうな…」と思いましたね。

ひぼう中傷を見なくて済む設定をし 見ない習慣を付ける
――ご自身が実践している、ひぼう中傷から身を守るためのノウハウはありますか?

ツイッターの機能はいろいろ使っています。たとえばリアクションが一定数を超えたツイートについては、リプライが来ても自分のタイムラインに表示されないように「ミュート」をするようにしています。ツイートがある程度広がると、「攻撃のため」だけのリプライも増えてきます。そういった攻撃的なリプライは「対話」を目的としているものではないため、自分にとってのプラスはありません。
それから、ツイッターでは、メールアドレスを登録しなくてもアカウントが作れるのですが、メールアドレスと連携していないアカウントは「捨て垢」の場合が多く、そういったアカウントからのリプライについては、通知が来ないように設定しています。


――書かれていることが気になって見てしまうということはありませんか?

私はもう「見ないクセ」がつきました。でも、見てしまう心理は仕方ないんです。人間の初期設定として、未知の危機から自分の身を守るために、危機を敢えて把握しようとしてしまうという本能があると言われています。だからこそ、「自分の知らないところで悪く言われている」のをチェックしてしまうのは自然なことなのです。「自分の心が弱いから、気になって見てしまうんだ」と思う必要はありません。攻撃を見てしまったときは「これは私の本能なんだ」と思って、見ないように意識するほうが心理的安全性を保てるかもしれません。

痛みを受け入れて 相談してみて
――いまネット上のひぼう中傷や人間関係に苦しんでいる人へのメッセージはありますか?

先ほどお話しした「見ないクセをつけること」は1つの方法ですが、例えアンチコメントを見てしまったとしても、あなたが罪悪感を覚えたり、自分を責める必要は一切ありません。私はあなたの味方ですし、あなたが思っている以上に、あなたの味方は沢山います。どうか1人で抱え込まないでください。
もしネット上でのコミュニケーションで傷ついてしまった時は、痛みを感じないようにしたり、自分から切り離そうとしたりせず、しっかり受け入れてみてください。あなたが傷ついたり、痛みを感じることは恥ずかしいことではありません。あなたが傷ついていることを「私は傷ついている」と認識することこそが、セルフケアの第1歩だと考えています。もしそれができた時には無理のない範囲で、信頼できる身近な人や、専門機関に相談してみてください。相談機関には守秘義務があり、相談者の気持ちを楽にすることが一番の目的なので、安心して相談してみてほしいと思います。



8/20放送 「フェイク・バスターズ」番組ダイジェスト版
Vol.1 もしも身近な人がひぼう中傷を受けたら…
Vol.2 ひぼう中傷の被害者を救う 第三者がカギに!
Vol.3 ひぼう中傷をなくすために…プラットフォームの役割は?



「フェイク・バスターズ」

8月20日(木)夜10:00放送(総合テレビ)

#フェイクバスターズ#フェイクニュース#誹謗中傷をなくそう#SNS
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2020年8月21日
8/20放送「フェイク・バスターズ」番外編 Vol.2 未公開トーク「表現の自由」と「表現の責任」

8月20日に放送された「フェイク・バスターズ」、番組で紹介できなかった内容を番外編として公開する。2回目は、“バスターズ”たちの未公開トークを紹介。
「ネットは匿名だからひぼう中傷が起きるのか?」そして放送後多くの反響が寄せられた「表現の自由と責任」についての議論をまとめた。

「匿名」か「実名」か… ひぼう中傷をなくすには

――リアリティ番組に出演したことがきっかけで、SNS上で激しいひぼう中傷にあい、ことし5月に亡くなったプロレスラーの木村花さん。投げかけられた攻撃的な言葉の多くは、匿名のユーザーによるものだった。ネット言論の特徴でもある「匿名性」がひぼう中傷を生む原因なのか?


「フェイク・バスターズ」スタジオ出演者
左から ITリテラシー専門家 小木曽健さん・YouTuber 葉山潤奈さん・評論家 宇野常寛さん・弁護士 神田知宏さん・心理学者 関屋裕希さん


弁護士 神田 知宏さん(以下、神田)
「実名だったら書かない、匿名だから書いた」という部分はあると思います。というのも、木村花さんが亡くなった後に「自分も訴えられるんじゃないか」「自分が書いたことは違法なんじゃないか」という相談が多く寄せられています。相談に来る人の多くが「非常に反省しています。もう2度としませんから、教えてください」と言っています。

評論家 宇野 常寛さん(以下、宇野)
「インターネットは匿名社会なので、何をやってもいい」という思い込みが、この世界を覆っていることが一番問題な気がします。
ひぼう中傷の被害を受けた人の立場で考えてみると、どこの誰だかわからない不特定多数の人に群がられるのは、ものすごく苦痛だと思います。「自分が生きている社会が本当にフェアにできているのか」「この社会は信頼するに値するのか」という問題にまで関わってくると思います。僕は「実名主体」のインターネット社会に再編していくことには、ある程度の意味はあると思います。



ITリテラシー専門家 小木曽 健さん(以下、小木曽)
私は、実はネットに「匿名」というのはないと思っています。法的手段を踏めば特定できますし、たまたま実名がばれていないだけの状態を、みんな匿名だと思ってるだけで、実際はばれるような行動やきっかけがあれば、必ず身元は判明すると思います。

心理学者 関屋 裕希さん(以下、関屋)
「ばれる・ばれない」「匿名か実名か」に関係なく、まずは自分の口から発することに自分で責任を持つ、そもそもそこからという気もします。その一方で私は、「匿名」にも良い面があると思っています。例えばマイノリティーの人や、発言力を持つのが難しい人でも同じように発言できる。社会的な立場とかハンディを気にせずに発言できるというのは、良いことですよね。「匿名性をどうするか」という話よりも、すぐシェアやリツイートができてしまうとか、すぐダイレクトメッセージが送れてしまうとか、SNSの仕様を見直していく手もあるのかなと思います。

YouTuber 葉山 潤奈さん(以下、葉山)
私は攻撃的な言葉で傷つく人をなくしたいと考えています。「実名」になれば、顔を合わせて話すのと変わらない感覚になり、関屋さんが言うように、自分の言葉に責任を持って発言するようになるのではと思います。「実名」での発信になれば、「匿名」のときよりは、明らかにひぼう中傷の被害は減るのではないでしょうか。





「表現の自由」と「表現の責任」

――スタジオトークでは、ひぼう中傷をなくすためには「発信に制限が必要ではないか」という意見も出た。「表現の自由」を守りながら、ひぼう中傷はなくすことはできるのか?
率直な意見を交わした。


葉山
最近「表現の自由」だったり、「これは“意見”です」というのを盾にして攻撃する人が多いと感じています。例えば、TikTokで子どもがくすぐられて笑っているだけの動画があったんですね。それを見て「窒息死させようとしているのか」というコメントが何百件と寄せられて、投稿した人が叩かれていたんです。子どもは苦しんでいるわけでもないのに。
大勢が一斉に書いてしまうと、「攻撃してもいい」とスイッチが入ってしまいます。 発言の自由というのもわかるんですが、意見を言える関係性や立場のある人が言えばいいと私は思っています。例えば芸能人の不倫に関しても、第三者がつべこべ言わず、周りの友達がアドバイスをすればいいはずなのに、「誰でも自由に言えばいい」というのは私はちょっと間違っているなと思います。

小木曽
「表現・言論の自由」というのは「言論の責任」をとることでもあります。「自由になんでも言うけど、必ず責任をとりますよ」と。本来意見を言うことを我慢してはいけないはずですが、ひぼう中傷をめぐる状況が良い方向に向かわないと、「言論統制」が起きてしまうのではと心配しています。例えば、みんなが萎縮して意見を言わない、あるいは「何か言うと律で罰せられます」というような空気になるかもしれません。「ひぼう中傷は法律で全部取り締まりましょう」「“誹謗中傷警察”です」というのは、僕は“言論の自由の自殺”だと思うんです。

宇野
小木曽さんの言うことはよくわかるんですが、逆の事も言えると思うんです。何かを失敗した人が、大勢から“炎上”という形で攻撃を受けるという状況は、それ自体が「言論の多様性」を損なっていると思うんです。例えば、僕がワイドショー出ていた時によくこう言われていたんです。「MCのタレントさんが上手くまとめようとしているのに、余計なことを言うな」と。僕は、「お前の意見は間違っている」ということは、いくら言われても構わないと思うんです。それは当たり前の事だし、それがないと議論が世の中に生まれなくなります。でも、「お前は意見を言うな」は絶対アウトだと思うんですよね。
今インターネットは、「今こいつは叩いていい」という空気になった瞬間に、異論を許さない空気が増幅される構造になっていると思うんです。だから僕は、発信に一定の“枠”がないと、逆に言論の自由って成り立たないと思っています。

小木曽
ここ何年か、ネット社会は少しずつ良くなっていると僕は思います。10年前には、Twitterに書いた内容で訴えられるとか、リツイートで損害賠償責任を負うとか、みんな夢にも思っていなかったし、僕も認識していませんでした。でも今、「情報発信は責任を負うケースがあるんだ」とみんなが知り始めています。飲酒運転って減ったじゃないですか。みんなが痛ましい事故のことを知り、法改正もあり、道徳と仕組みの両方で改善していったんですよね。
インターネットも、今まで我慢してきた人たちが声を上げて、法律の仕組みを活用して、ひぼう中傷はダメだとみんなに伝える経験を、どんどん重ねていってるわけです。だから、去年よりは今年、今年よりは来年、絶対にひぼう中傷でつらい思いする人が減っていくと思っているし、そうじゃないとネットが生まれた意味がないと思います。

宇野
「今の状況は問題だから、変えていこう」と声を上げることが大事になると思います。誰もが発信する道具を手に入れ、その一部が制御不能に陥ったことで色々な問題が起きていますが、我々が声を上げることで状況を多方面から変えていく。それが唯一の道なのかなと思います。

スタジオトークの収録は2時間を超えるほど白熱した

8/20放送 「フェイク・バスターズ」番組ダイジェスト版
Vol.1 もしも身近な人がひぼう中傷を受けたら…
Vol.2 ひぼう中傷の被害者を救う 第三者がカギに!
Vol.3 ひぼう中傷をなくすために…プラットフォームの役割は?



「フェイク・バスターズ」

8月20日(木)夜10:00放送(総合テレビ)

#フェイクバスターズ#フェイクニュース#誹謗中傷をなくそう#SNS
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2020年8月21日
ネット上のなりすまし 被害に遭ったらどうする? ――8/20放送「フェイク・バスターズ」番外編vol.1 
8月20日に放送された「フェイク・バスターズ」。
番組で紹介できなかった取材内容を「番外編」として紹介していく。1回目は、子どもたちの間で広がる“なりすまし”の被害について、その実態と解決策をお伝えする。

子どものネットトラブル “なりすまし”による被害
子どものネットトラブルの中でも多いのが“なりすまし”の被害。
なりすましとは、自分の名前や写真を、他人が勝手に使って偽のアカウントを作り、SNSなどに書き込まれてしまうことだ。



高校2年生のダイスケ(仮名)も“なりすまし”の被害にあった1人だ。
ダイスケはユーチューブに動画を投稿するのが趣味。フォロワーは直接知っている友達など数十人で、特に目立つ行動はしていなかった。



しかし、ある日突然、投稿した動画のコメント欄に、自分の名前を使ったアカウントが現れた。

プロフィールに使われていたのは、中学時代に友達がふざけて撮影したダイスケの顔写真。
偽アカウントは、ダイスケや友達に対し、攻撃的で卑猥な書き込みを繰り返した。

友達には直接説明して理解してもらえたが、偽アカウントの攻撃は続いた。
それでも、ダイスケは「大ごとにしたくない、自分で解決したい」と親には相談しなかった。

ダイスケ
「友達にも味方してもらえたので自分たちで片付けられるんじゃないかなって思って。自分たちの問題だから自分たちで解決しなきゃいけないかなって思った」


今回の取材をきっかけに、ダイスケは初めて両親に被害にあっていることを打ち明けた。

ダイスケの父親
「”なりすまし”というトラブルを抱えていることを知らなかったことが正直ショックでした。息子からは言われておりませんでした。特に不仲ではないので、もうちょっと早く相談してくれてもよかったかなと」


“なりすまし”被害から身を守るには? “バスターズ”が議論

評論家 宇野 常寛さん(以下、宇野)
僕も昔、“なりすまし”をやられた事があります。運営しているウェブメディアの偽物を作られたり、ツイッターで僕の偽アカウントが作られたりしました。特にツイッターでは、その偽アカウントが当時の総理大臣に「死ね」などのリプライ(返信メッセージ)を送っていました。悪質だなと思い、ツイッター社にも伝えて、そのアカウントを停止してもらいました。


宇野 常寛さん
評論家 インターネット社会への鋭い批評で知られる


ITリテラシー専門家 小木曽 健さん(以下、小木曽)
子どもたちの世界では、“なりすまし”の被害がすごく多いです※。
「自分の名前を使ったアカウントを勝手に作られて、炎上するような投稿をされた」とか、女の子だったら「画像をねつ造・合成されて、わいせつな投稿をされた」ということもありました。もう完全にいじめです。 身近な人が加害者であることがほとんどなんです。問題のある行動だし、法にも触れる可能性があるケースも中にはありますが、なかなか被害が表に出てきていないのが現状です。

※取材班追記:小木曽によると、子どもは自分が被害に遭っているという風に周りから思われたくないので、自分から親や先生に積極的に相談することはほぼないという。普段から親が、ネット上のトラブルについて子どもに話し、心の準備や対策を知らせておくことが大切だと小木曽は指摘する。


小木曽 健さん
ITリテラシーの専門家
全国の学校や企業から招かれ、ネットトラブルへの対策について講演を行っている


宇野
ダイスケくんの例はYouTube上で行われた“なりすまし”でしたが、テキストを使うほかのSNSでも被害が大きいんでしょうか?

小木曽
例えば、LINEの場合は電話番号の紐づけなどで複数のアカウントが作りづらい仕組みを作っています。ところが、ツイッターだと複数のアカウントを好きなだけ作れることが、いろいろな問題が起きる要因の1つとなっています。
問題行動をする時に、「捨てアカウント(削除されることを念頭に置き、素性を明かさないアカウント)」を使う方法がありますし、未成年に対してわいせつな行為を行う際に、自分の身分がばれないように複数のアカウントを使い分ける犯罪者もいます。ここは仕組みを考える必要があるんじゃないかと私は思っています。

宇野
“なりすまし”は法的には問題はないのですか?

弁護士 神田 知宏さん(以下、神田)
“なりすまし”のアカウントの削除請求や発信者情報開示請求をしたいという相談は結構ありますが、“なりすまし”の法的な解釈については議論があります。ポイントは「なりすました上で何をしてるか」です。そのアカウントが他人を罵倒していれば、“なりすまし”による名誉棄損と言えますし、あたかも本人であるかのような合成写真を載せていれば、プライバシー侵害というような考え方をします。
先ほどの宇野さんの“なりすました”ですが、「見たこともないアニメを評論をしている」というだけでは、名誉毀損やプライバシー侵害をしているとまでは言えず、違法だと言うのはなかなか難しいのかなという印象でした。


神田 知宏さん
弁護士
ネット関連の案件を2000件近く扱ってきたスペシャリスト。元IT企業社長。


宇野
マジですか。僕はアニメの批評などを書いて仕事としているわけだから、自分の責任が持てない文章を僕の文章・意見だと発表されたら、ものすごく不利益だと思うんですが、それは通用しないんですか?

神田
例えば、その“なりすまし”をする時に写真を使っているはずなので、本人の写真を使っていることによる肖像権侵害であるとか、著作権侵害であるとか、そちらの方で問うしかないかなという感じはします。

宇野
ハードルが高いですね。あくまで名誉棄損とかではなくて、自分の本来の所有物を盗まれた、という文脈では違反になってくるということですね。
小木曽さんが、今まで見てきたなりすましの実例ってどんなものがありましたか?

小木曽
子どもの世界では、自分のフルネーム、学校、顔写真など、本人が自分のアカウントで載せていないものも偽アカウントでどんどん載せられて、本人の名誉が損なわれるような投稿がされた例があります。そうした偽アカウントが他人にケンカは売る、問題のある写真は載せる、「どうしたらいい?」と相談を受けるケースです。

実際に“なりすまし”の相談を受けた時、私が伝えているのは「宣言」すること。「私のなりすましがいます。今こういうアカウントが自分になりすましています。偽者で今法的な対処を検討中です」と自分のアカウントで宣言すると、偽のアカウントがパッと消えることがあります。わざわざ法的な手段をとらなくても、子どもが困った時にこういうふうにやるといいんだよ、という対処法はある程度、子どもの世界でも通用しています。




8/20放送 「フェイク・バスターズ」番組ダイジェスト版
Vol.1 もしも身近な人がひぼう中傷を受けたら…
Vol.2 ひぼう中傷の被害者を救う 第三者がカギに!
Vol.3 ひぼう中傷をなくすために…プラットフォームの役割は?



「フェイク・バスターズ」

8月20日(木)夜10:00放送(総合テレビ)

#フェイクニュース#フェイクバスターズ#SNS#なりすまし#誹謗中傷をなくそう
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2020年8月20日
「フェイク・バスターズ」番組ダイジェストVol.3 ひぼう中傷 プラットフォームの役割は?

ネットのひぼう中傷 プラットフォームの役割は?
ひぼう中傷対策を考える上で欠かせないのが、グーグルやツイッター、フェイスブックなど、ネット上でサービスを提供する大手プラットフォーム企業の役割だ。
ユーザーから書き込みの削除などを求められた場合は、それぞれの企業の方針に基づいて判断しているが、被害者からは対応が不十分だという声も上がっている。

木村花さんの事件を受け、国も専門家による研究会を開いてプラットフォームのあり方を検討している。

総務省 総合通信基盤局 課長補佐 中川北斗さん
「(プラットフォームが)苦情の受け付け体制をしっかり確保しているのか。そういう対応をしっかり行うとともに、その対応に対する透明性や説明責任がしっかり果たされることが重要なんじゃないか。そういう議論を重ねているところです」




ツイッター社長に聞く ひぼう中傷どう減らす?
プラットフォーム企業は、ひぼう中傷の問題をどう受け止めているのか。今回、ツイッター・ジャパンの笹本裕・代表取締役が取材に応じた。ひぼう中傷を受けた経験のある葉山潤奈が疑問をぶつけた。



YouTuber 葉山 潤奈さん
「ひぼう中傷について、ツイッターさんの方で何か対策を打ったり、今後はこうしていきたいとを考えていらっしゃることはありますか?」

ツイッタージャパン 代表取締役 笹本裕さん
「そうですね。問題があるということは、我々本当に常に感じております」
「特に数年前から機械学習を使って、攻撃的なツイートを検知していく技術を強化しております。その上で365日24時間対応できるように、様々な国で、実際に人間の目で、そういったツイートを確認しています」


今月、ツイッタージャパンは新しい機能を追加した。
これまでは、ツイートを読んだ人は誰でも コメントを書き込むことができたが、新たな機能では、コメントできる人をアカウントの持ち主が選べるようになった。ひぼう中傷を防ぐ一定の効果があるとしている。



一方で、ツイッター社が強調したのが「表現の自由」。

ツイッタージャパン 代表取締役 笹本裕さん
「やはり表現の自由の重要性というのは、我々としてはすごく尊重したいと思ってます」
「例えば日本では『#検察庁法改正案に抗議します』というムーブメントが起きました。またアメリカでは『#MeToo』というムーブメントが数年前に起きました。こうしたことが起きるのもツイッターの特性であり、力でもあると思います」

YouTuber 葉山 潤奈さん
「自由な発言を大事にしたいという気持ちはすごく分かるんですが、実際それだけではもう止めようがないほどひぼう中傷がエスカレートしています。そこははかりにかけてみると『発言の自由』の方を大事にされたいということですか?」

ツイッタージャパン 代表取締役 笹本裕さん
「苦しいところではあるんですが、そういった部分と悪意のある部分を、我々としてはどう向き合っていくかということが非常に大きなテーマとして、まだまだ続いていくかなと思います」


プラットフォームの役割は
プラットフォームの役割について、バスターズからも様々な意見があがった。



弁護士 神田 知宏さん
プラットフォームが人の人生を左右する力を持っているのは、私は問題だと思っています。悪い口コミを書かれたり、悪い評価を書かれたりすることによって、自分はもうこの仕事ができないというふうに思う人がなんと多いことかと。

ITリテラシー専門家 小木曽 健さん(以下、小木曽)
私個人の考えとしては、SNS事業者がSNS上に載せるべきもの、載せてはいけないものをジャッジするような世界は作っていけないと思っています。あくまで情報の発信者が責任を負わなければいけないものであって、そこをSNS事業者がどうこうするというのは、言論統制なんじゃないか。

評論家 宇野 常寛さん(以下、宇野)
SNSというのは社会インフラの一部なので、プラットフォームに内容まで踏み込んだ削除権利みたいなのは与えすぎないほうがいい。その一方で、やっぱり仕様をどうにかした方がいいというのは間違いなくあると思うんですよ。

心理学者 関屋 裕希さん(以下、関屋)
SNSは人と自分を比較しやすいツールだと思うんですよね。つい攻撃したくなってしまう、ついやってしまうことを喚起しやすい仕様になってる部分はあると思っています。そうした仕様の工夫というのは、言論の自由に配慮しながらだとしても、行っていくべきだと思います。

YouTuber 葉山 潤奈さん(以下、葉山)
私としてはプラットフォーム側からもアクションを起こしていただき、使っている利用者側からも意識を変えていくという両者でやっていかないと、(ひぼう中傷対策は)もう間に合わなくなるのではないかと思います。

誰もが気軽に発信できる時代。自分がひぼう中傷の加害者にならないためには、何に気をつければいいのか?

関屋
SNSを使う時に、自分がどういうことをしてしまいやすいのか、どういう感情を抱きやすいのか、もう少し知っておくことがすごく大事だな思います。

小木曽
一人で車を運転している瞬間に『早く行けよ』とか、『腹減ったな』とかブツブツ言いますよね。SNSで一人でポチポチ投稿している時間は、車の運転の心理状態そっくりなんですよ。その人が丸裸になるんです。だから普段はいい人なのに、SNS上でだけ攻撃的だとか自慢が好きだとかいうことがある。このことは知ってほしいですね。

宇野
ちょっと目立ちすぎた人や、何か失敗した人に対して、みんなで石を投げてすっきりすることによって、安心するという文化が根づいてしまっていると思います。ここにメスを入れることが、大事なんじゃないかなと思うんです。

関屋
自分の口から発することや書き込むことは、自分が責任を持つべきことだという、そもそもそこからかなという気もします。

小木曽
「表現の自由」だけでなく「表現の責任」を考えてほしいと、あと100回くらい言いたいです。



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Vol.2 ひぼう中傷の被害者を救う 第三者がカギに!



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2020年8月20日
「フェイク・バスターズ」番組ダイジェストVol.2 ひぼう中傷の被害者を救う!第三者がカギに

あなたもできる 被害者を救う“ひと言”
ひぼう中傷に関する興味深いデータがある。
多摩大学情報社会学研究所によると、ネットの炎上に加担したことのある人は、ユーザー全体の1.1パーセント。このことから、実際に攻撃的なコメントを書き込む人は、ごく一部だと分かる。そしてそれ以外の、多数を占める第三者こそが、被害を減らすカギを握っているのだ。



新型コロナウィルスに感染した経験を発信し、ひぼう中傷を受けたリョウスケさん。
被害が止まず、精神的に追い詰められる一方だった。そんな状況を大きく変えたのが、一部のフォロワーから寄せられた、リョウスケさんの味方をする書き込みだった。





リョウスケさん
「気分が沈んでいく状況の時に、自分を応援してくれる人や、励ましてくれる人がたくさんいることで、すごく嬉しくて頑張ろうっていう気持ちになりました」


取材をすると、リョウスケさんの味方をしたフォロワーの中には、中高生の子どもを持つ親たちも複数いた。

リョウスケさんに味方したフォロワー
「みんなのために発信している子がひぼう中傷を受けているのを見て、黙っていられませんでした」
「自分の娘と同年代の子が攻撃されているのを見過ごせませんでした」


リョウスケさんに対するひぼう中傷はいまも続いているが、こうした声のおかげもあり、以前のように気に病むことはなくなったと言う。

リョウスケさん 「こんな人がいたんだっていう程度に、(ひぼう中傷を)流せるようになりました。『発信している内容を見て、より一層感染対策に気をつけるようになった』という、DMやリプライをたくさんいただくので、発信を続けていこうかなと思っています」

困っている人には応援を


YouTuber 葉山 潤奈さん
友達やフォロワーさん、会ったことのない人たちでもいいので、声を上げていくことを本当にしてほしいです。叩かれて困っている人に、「私たちは応援しています」と愛が伝わる書き込みをする人が増えれば、ひぼう中傷しにくい環境ができるのではないかと思います。文章じゃなくハートマークだけでもいいと思う。こうした一言を投げるのはSNSのすごくいい使い方だと思います。

心理学者 関屋 裕希さん
そこはすごく大事なところで、ひぼう中傷を書かれている人は、世界が全部敵のように見えてしまう。例えば30件ぐらいコメントがついて、その中で1件だけでもネガティブなコメントがあると、人はそっちに注意が向きやすい。これは心理学で「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれるものです。そこにハートマークのコメントや応援メッセージが来ると、『何か違う、一人じゃないんだな』と思えて、孤立から抜け出せると思います。

評論家 宇野 常寛さん
ひぼう中傷を受けた人は傷つきすぎないでほしいし、気にしすぎないでほしい。こんなものは世間で一部なんだということをはっきり言っておくことが大事だと思う。さっきのリョウスケくんのような立場に置かれた人も、過剰に絶望しないですむのではないかと思いました。



「フェイク・バスターズ」番組ダイジェストを読む
Vol.1 もしも身近な人がひぼう中傷を受けたら…
Vol.3 ひぼう中傷をなくすために…プラットフォームの役割は?



「フェイク・バスターズ」

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2020年8月20日
「フェイク・バスターズ」番組ダイジェストVol.1 もしも身近な人がひぼう中傷を受けたら…

プロレスラーの木村花さんの死によって、被害の深刻さが改めて浮き彫りになったネット上のひぼう中傷。大人だけでなく、中高生など、子供たちへの被害も広がっている。指先一つで誰もが簡単に人を傷つけてしまう時代。もし、あなたやあなたの子どもが、SNSでひぼう中傷の被害にあったら…

まさか息子が 新型コロナでひぼう中傷
関東地方に住む高校生のリョウスケさん(仮名)は、ことし3月、新型コロナウイルスに感染し2週間入院した。PCR検査で陰性になった後も熱や倦怠感などの症状が続き、学校は長期間休んでいる。この間、症状の変化や病院での治療の様子などを、ツイッターで匿名で発信してきた。



リョウスケさん
「僕が情報発信することで、何か手助けになればいいなと思い、始めたのがきっかけです」
















リョウスケさんが反論するとコメントはさらに攻撃的になり、複数の匿名アカウントから1日数十件のひぼう中傷が書き込まれた。中には、リョウスケさんがウソの投稿で収入を得ているという、事実無根の書き込みまであった。

リョウスケさん
「ひぼう中傷は目に入ると流せない。無視したつもりでも心に残って、長い間続くと、どんどん心が削られて、精神もすり減っていった」

母・アケミさん(仮名)
「ひぼう中傷が来ている時は、息子は本当に落ち込んで、泣いたりすることもありました。(ひぼう中傷は)他の世界の話だと思っていたんですが、こんなに身近に起こり得るんだと」


「投稿者を特定したい」 裁判を起こした親子
もしひぼう中傷を受けたら、被害者や家族はどうすればいいのか。
ことし5月、プロレスラーの木村花さんが、リアリティ番組に出演したことがきっかけで激しいひぼう中傷に遭い、亡くなった後、ひぼう中傷に対して裁判を起こして立ち向かおうという声がわき起こった。



裁判をしたら、被害者はどこまで救われるのか?実際にそれを経験した親子がいる。
マモルさん(仮名)は、中学1年生の頃からいじめを受け、その延長でネットでも激しいひぼう中傷を受けた。「爆サイ」という匿名掲示板に専用のスレッドが立ち上がり、悪口などが次々と書き込まれたのだ。



母・ユウコさん
「息子はウソつきだとか、虚言癖があるとか。最初は、何でこんなこと書かれるんだろうって思って。みんな匿名なので誰なんだろうって。ただ学校関係者なんだろうというのは内容を見てわかった」




学校は全学年の保護者を集めて、説明会を開催。
しかし、掲示板の書き込みは、かえってエスカレートしていった。
中には、マモルさんの行動を監視しているような書き込みも現れた。



母・ユウコさん
「自転車でどこを走っていると、書かれているものがあった。息子は『もう外に出るのも怖い、誰かが見てる』と。部屋にいるのに、外から誰かに見られているかもしれないと。そんな状態になっちゃったんです」


もはや自力では解決できないと思ったユウコさんは、弁護士に相談した。





荒生裕樹弁護士
「印象としては、掲示板の内容が相当異常だと思ったんです。取り返しのつかない事態に陥る前に、なんとか事態をくい止めたいと」


荒生弁護士が提案したのは「発信者情報開示請求」という手続き。匿名で書き込みをした人の情報を明らかにするよう、サイトの運営会社やプロバイダーに求めるものだ。しかし、そこには厳しい条件がある。



手続きでは、特定の書き込みを指定して、その投稿者の情報を請求する。認められるには、誰に対して書かれたのかがわかり、かつ、明らかに、名誉毀損や侮辱、プライバシー侵害にあたる表現が含まれている必要があるという。
たとえば、先ほどの、「自転車に乗っていた」という書き込みは、本人にとっては辛い内容でも、裁判で情報開示が認められる可能性は極めて低いという。



荒生弁護士
「ご本人としては本当に見ていてつらいものでしょうけども、法的な観点でいうと、そういった権利侵害までは認められないという判断もあります」


スレッドの書き込みは全部で3千件近く。弁護士が検討したところ、そのうち裁判所に認めてもらえそうなのは、わずかに9件だった。
さらに、プロバイダーのアクセス記録が消去されているものを除くと、書き込んだ人をたどれるのは、9件のうち4件。その4件が裁判所に認められ、投稿者を特定することができた。



その後、謝罪してきた人を除く1人を相手に、損害賠償を求める裁判を行い、和解が成立した。最初の相談からここまで1年9ヶ月がかかった。

実際に特定できたのはわずかだったが、裁判がメディアに取り上げられるなど、影響は大きかった。裁判を起こしたあと、マモルさんの悪口が書かれていたスレッドは、掲示板から消えた。

母・ユウコさん
「やっぱり、匿名でひぼう中傷をしている人たちに対して、匿名だってバレるんだよっていうことが発信できたかなと。そこは一番よかったところだと思う」


マモルさんは、不登校のまま中学を卒業。高校は地元の人が少ないところを選び、今は毎日通学している。

マモルさん
「(中学時代は)色んなことがあって、悲しいときが多かったです。またいつ書かれるかわからないので、そこは怖いです」


知っておきたい もしひぼう中傷を受けたら
ひぼう中傷から身を守るには、どうすればいいのか。フェイク情報と戦う専門家「バスターズ」が議論しました。



評論家 宇野 常寛さん(以下、宇野)
スレッドの書き込みが3千件あって、実際に裁判所に認められそうなのが9件というのは、かなりシビアな判断基準に見えるんですが、仮に裁判をしようと思ったらどのような手続きを踏んだらいいんですか?

弁護士 神田 知宏さん(以下、神田)
まずは、書き込まれた画面の「証拠化」をしていただきたいです。
画面を印刷したりスクリーンショットを撮るなどして、ひぼう中傷を受けた証拠を残すことが重要です。その際重要なのが、URLがわかるようにすることです。スマホのブラウザだとURLが全部映ってない場合が多いので、パソコンに転送したり、メモアプリにコピーするなどしてURLをすべて残しておくようにしてください。



神田
もう一つ重要なのが、手続きのスピード。プロバイダーなどが保存しているアクセス記録は通常3ヶ月から6ヶ月で消去されてしまう。情報開示請求をするならなるべく早く弁護士に相談する必要がある。

宇野
裁判というと結構お金がかかるというイメージがありますよね。その辺はどうなんですか?

神田
1つ悪口を書かれて、書き込んだ人を最後まで特定しようと思うと、裁判費用が50万~100万円くらいはかかります。(※投稿者への損害賠償請求も含めた概算です)
「慰謝料で元がとれますか?」と聞かれる方がいるんですが、慰謝料はいまそんなに高くないんです。

YouTuber 葉山 潤奈さん(以下、葉山)
私は、加害者に賠償してほしい、謝ってほしいという気持ちももちろんありますけど、ひぼう中傷された時に「争う姿勢を打ち出すのも1つの手なんだ」と発信していく。これしかないんじゃないかなと思っています。

ITリテラシー専門家 小木曽 健さん(以下、小木曽)
ひぼう中傷をすると訴えられることがある、って知らない人もいるし、反撃できるって知らない人もいっぱいいる。なぜかというと、過渡期だからだと思います。今、我々がこうやって話をして情報発信をすることがその先に進むきっかけにもなる。

いま発信者情報開示請求を、被害者がより使いやすい仕組みに変えようという動きが進んでいる。開示する内容に、これまで含まれていなかった、書き込んだ人の電話番号を追加することや、より短い時間で情報開示が進む新たな裁判手続きについて検討されている。


被害者をサポートするため、裁判以外の相談窓口も整えられてきている。国が作った相談センターのほか、ネット企業の業界団体が作った窓口や、子どもの被害を専門に扱うところもある。どこに相談すればいいか迷ったら…

小木曽
もし「どの窓口に相談すればいい?」と聞かれたら、私は「全部に連絡してごらん」と言います。色々な人が色々なアドバイスをくれるから、その中で自分が「これは使えるな」と思うところを選んでいいんだよと。



「フェイク・バスターズ」番組ダイジェストの続きを読む
Vol.2 ひぼう中傷の被害者を救う 第三者がカギに!
Vol.3 ひぼう中傷をなくすために…プラットフォームの役割は?



「フェイク・バスターズ」

8月20日(木)夜10:00~10:30(総合テレビ)

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2020年8月20日
ひぼう中傷を受けたら… 困ったときの相談窓口
ひぼう中傷の被害が深刻化するなかで、被害の相談ができる窓口も増えています。
放送でも紹介した窓口など、主な窓口を詳しくご紹介します。
※各相談窓口のリンクをクリックすると、NHKサイトから離れます。

違法・有害情報相談センター
https://www.ihaho.jp/

総務省が運営する相談センター。サイトから相談内容を投稿すると、ひぼう中傷など人権を侵害する情報への対処や書き込みの削除方法をアドバイスしてくれます。
誹謗中傷ホットライン(一般社団法人セーファーインターネット協会)
https://www.saferinternet.or.jp/bullying/

ネット企業の業界団体「セーファーインターネット協会」が、今年6月に開設した窓口。サイトから相談を投稿すると、専門のスタッフが吟味したあと、相談者に代わりプラットフォームやサイトの運営者に対してひぼう中傷などの削除依頼を行ってくれます。
法務省 人権擁護局
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html

法務省では、インターネット上の人権侵害の救済措置としてアドバイスを行っています。人権侵害が明らかなケースなどは法務省が直接、削除依頼をする場合もあります。

子どもが被害者の場合は、子どもの問題に精通しているスタッフが対応
「子供の人権110番」 0120-007-110
(フリーダイヤル・平日8時半~17時15分)


※8月28日~9月3日は「子どもの人権110番 強化月間」。相談受付時間を延長して、平日8時半~19時に延長。土日(午前10時~17時)も受け付けています。

ほかにも、最寄りの法務局や、「みんなの人権110番(0570-003-110)」、「女性の人権ホットライン110番(0570-070-810)」などからでも同じアドバイスを受けることができるので、相談しやすいと感じるところに相談してみてください。
法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

0570-078-374 平日9時~21時、土曜9時~17時
国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。
警察 相談ホットライン #9110
(電話機のシャープと、数字の9110)

犯罪の可能性がある場合は警察に。相談ホットライン#9110は、相談の内容に応じて適切な窓口を紹介してくれます。

その他、民間のインターネット企業や携帯電話会社による相談窓口、各地のNPOや教育委員会などによる相談窓口もあります。


どこに相談すればいい?

小木曽 健さん
ITリテラシーの専門家
全国の学校や企業から招かれ、ネットトラブルへの対策について講演を行っている

ITリテラシー専門家の小木曽健さんによると、大切なのは複数の相談窓口に相談してみること。
ネットの問題は必ず正解があるとは限らず、相談員の方もそれぞれの経験により答えがまちまち、という場合もあるそうです。もし「どの窓口に相談したらいいか」迷ったら?

小木曽さん
「全部に連絡してみてください。色々な人が色々なアドバイスをくれるので、その中で『これは使える』と思ったものを選んで下さい」。

ひとつに絞らず複数に相談することで、自分に合った対処法を見つけて下さい。そして何より、自分で悩みを抱え込まないことが大切です。
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2020年8月19日
“ネット上のひぼう中傷” プラットフォームはどう考えている?【後編】

SNSを運営するプラットフォーム企業は、ネット上のひぼう中傷の問題をどう受け止めているのか――
ツイッタージャパンの代表取締役 笹本裕さんが8月20日放送「フェイク・バスターズ」の取材に応じた。聞き手は、自身もひぼう中傷を受けた経験のある、葉山潤奈さん。芸能事務所社長、モデル、YouTuberなど多彩な顔を持ち、ひぼう中傷をなくすための発信を続けている。

対談の後半、ツイッター側の発言からは、プラットフォームとして「ひぼう中傷対策」と「表現の自由」を両立させるための苦悩が垣間見えた。

「ツイッタージャパン代表に聞いてみた」対談の前編はこちら




笹本 裕さん
ツイッタージャパン 代表取締役  複数の外資系企業で要職を歴任。2014年から現職。


「表現の自由を守る」と「ひぼう中傷をなくす」…両立できる?

ツイッタージャパン代表 笹本 裕さん(以下、笹本)
(プロレスラーの木村花さんが亡くなった)事件の時は、社員それぞれが本当にすごく心を痛めました。社内の会議でも「なぜこういう事が起きてしまったのか」「我々ができる事は何だったのか」議論し合いました。その時にも話をしたのですが、日本にいる我々は自由に発言ができることの尊さや重みを忘れがちではないかと。
日本は「言論の自由」が担保されている一方で、それを悪意をもって使う人がいることがすごく残念です。言論統制にならないようにしつつ、利用者のリテラシーの向上や、倫理に反することにはしっかりと対応していきます。

葉山 潤奈さん(以下、葉山)
私も普段、ユーザーのリテラシーを高められるような発信をしているつもりですが、それだけでは、ひぼう中傷を防ぎきれないと感じています。発言する側に「自由のはき違え」がすごく多いと思っています。私としては、攻撃的なコメントを被害者が消せるようになってほしいとか、複数のアカウントを持つことに制限をかけてほしいと思うんですけれど、ツイッターとしては、それらを秤にかけた場合、「言論の自由」を大事にしたいということですか?

笹本
発言の自由はとても大切だと思っています。
例えば日本では「#検察庁法改正案に抗議します」というムーブメントが起きました。またアメリカでは「#MeToo」というムーブメントが数年前に起きました。こうしたことが起きるのもツイッターの特性であり、力でもあると思います。
誤解してもらいたくないのですが、我々も決して、悪意を持って人を攻撃したり、ひぼう中傷する人を守りたいわけではないんです。一方で、権力と対峙するような弱い立場の方々が、自分を守りながら自由に発言できることも担保したいと。


ネット上の「表現の自由」 日本とは事情が異なる国も

――世界中で1億8600万人が利用するツイッター。日本から海外に目を向けると、そもそもネット上の発言に「自由」が認められていないことも多いと笹本さんは語る。

笹本
ムーブメントが起きる時は、まず弱い立場の人が発信をして、それがだんだん広がっていくことが多いと思いますが、国によっては言論統制があって、発信者が特定され処罰されることもあると思います。
ある国では、中央政府がツイッターを閉鎖しようとしたことがありました※。
我々はグローバルなプラットフォームであるがゆえに、そうした動きにも日々触れています。
自由に発信できない国にいる人たちからすると「日本はすごく自由でいいね」と言われます。

葉山
うらやましい、というわけですね。

※イランでは2009年に、反政府デモの呼びかけに使われることを警戒し、政府がツイッターやフェイスブックの閲覧を禁止。 またトルコでは、政権への批判をおさえるため、2014年に政府がツイッターを遮断する措置を取った。その後、裁判所が憲法違反との判断を示し、遮断は解除された。

“日本の会社”として何ができる?


葉山 潤奈さん
芸能事務所社長、モデル、ユーチューバーなど多彩に活動。
過去にネット上で悪質なデマを拡散されたり、動画の生配信中にひぼう中傷が殺到するなどの被害に悩まされてきた。同じような被害に遭った人の相談に乗ったり、被害を減らすための発信を続けている。


葉山
ひぼう中傷をなくすために、グローバル企業としてではなく、「ツイッタージャパン」として、日本国内で何かやれることはないのでしょうか。

笹本
日本国内で対応できることも数多くあると思います。
グローバル企業だからと言って、日本と海外をすべて同じように考えているわけではありません。当然日本で起きている問題には、しっかりと対応していこうとしています。日本語のコンテクスト(前後の文脈)がわかる人材を強化し、その知見を機械学習に反映させるなど、日本から世界に対してしっかり声を出しています。
例えば、日本は自殺が多い国ですが、そういった方々をできるだけ多く救おうと、自殺に関する検索をした方に、注意喚起をする機能を追加しました。これは世界の中で日本が最初にスタートさせたものです。

もう1つは「※ソーシャルメディア利用環境整備機構」の発足です。国内のSNS事業者でつくる団体で、デジタル上の問題にいかに対峙していくのか議論を始めています。今後SNSに関する政策にも関わってくると思います。

※「ソーシャルメディア利用環境整備機構」
ツイッターやフェイスブック、LINEなどのSNS事業者がことし4月に設立した団体。5月には、プロレスラーの木村花さんがSNS上でひぼう中傷に遭い亡くなったことを受け、緊急声明を発表。嫌がらせや名誉毀損などを禁止事項し、違反があった場合のサービス利用停止などを徹底するとしている。




ひぼう中傷をなくすために必要なことは?

葉山
ユーザーとプラットフォーム、いろんな分野で対策をしないとどうにもできないというところは、私たちユーザー側もわかっています。
「もし法律が変わったら…」「プラットフォームの利用制限がかかったら…」ではなく、もともと道徳の話でもあると思うので、「やってはいけないことをやっている」という認識をもっと広めていきたいと思っています。

笹本
そうですね。今まさに葉山さんがおっしゃったように、リテラシーというのはまだ伸びしろがあります。「あの人と意見が違うから」と攻撃する人もいるので、多様性の大切さを知ってもらうことも必要だと思います。
また、SNSやYouTubeなどでビジネスをしている人の中には、炎上させることで注目を集める手法をとっている場合もあると思います。そういったことも「それがかっこいいことではないんだ」ということを、みんなで共有していくことも必要ではないかと、私も思っています。
「こういう課題がある」と発信することにぜひ力を入れたいと思うので、そういった取り組みをご一緒させていただけるとありがたいです。

葉山
そこは共感します。ぜひ、よろしくお願いします。


インタビューは8月5日にツイッタージャパンのイベントスペースで行われた

対談の内容は番組内でも紹介します。

「フェイク・バスターズ」

 8月20日(木)夜10:00~10:30(総合テレビ)

指先一つで誰もが簡単に人を傷つけることができる時代。
ひぼう中傷の被害を防ぐための具体的な方法を考えていきたいと思います。

あなたの思いや考えをこのページへのコメントや #誹謗中傷をなくそうでツイートしてください。みなさんから寄せられた「声」は取材チームが一つ一つ目を通します。

#フェイクバスターズ#フェイクニュース#SNS#誹謗中傷をなくそう
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2020年8月18日
“ネット上のひぼう中傷” プラットフォームはどう考えている?【前編】

SNSを運営するプラットフォーム企業は、ネット上のひぼう中傷の問題をどう受け止めているのか――
ツイッタージャパンの代表取締役 笹本裕さんが8月20日放送「フェイク・バスターズ」の取材に応じた。聞き手は、自身もひぼう中傷を受けた経験のある、葉山潤奈さん。芸能事務所社長、モデル、YouTuberなど多彩な顔を持ち、ひぼう中傷をなくすための発信を続けている。

ツイッター上でのひぼう中傷を考える中で、葉山が日頃から感じていた3つの疑問をぶつけた。
● ひとりが複数のアカウントが持てるのはなぜか?
● ツイートの削除依頼への対応基準は?
● 被害者自身が書き込みを消せるようにできないか?



笹本 裕さん
ツイッタージャパン 代表取締役  複数の外資系企業で要職を歴任。2014年から現職。


ひぼう中傷 ツイッター社の対策は…

葉山 潤奈さん(以下、葉山)
よろしくお願いします。早速ですが、ひぼう中傷の被害を減らすために「こういう取り組みをしていきたい」など、何か考えていらっしゃることはありますか?

ツイッタージャパン代表 笹本 裕さん(以下、笹本)
まず前提としてツイッターの中には様々な会話があります。例えば震災が起きた時に、ツイッターで情報発信したことで救助された方々もたくさんいますし、ひぼう中傷だけがツイッター上にあるわけではないと。

葉山
もちろんそうですね。

笹本
それを前提で申し上げますと、そうした(ひぼう中傷に関する)課題は我々としても当然認識していて、特に数年前から機械学習・深層学習などを活用して、攻撃的なツイートを検知する技術を強化しています。その上で365日24時間対応できるよう、様々な国で実際に目検で(目で見て)ツイートを確認しています。

葉山
人がやっているのですか?

笹本
ええ、組み合わせでやっています。機械学習は一朝一夕で完璧なものはできないので、我々も決して今の状態で満足しているわけではなく、人員も強化しなければいけないと認識しています。残念ながら、情報開示請求の数は日本がアメリカに次いで世界で2番目に多く、我々としてはユーザーの嫌な思いを、できるだけ少なくしていきたいと思っています。
苦しいところではあるんですが、そういった“悪意”の部分とどう向き合っていくのかが非常に大きなテーマとして、まだまだ続いていくかと思います。

複数のアカウントが持てることは問題?


葉山潤奈さん
芸能事務所社長、モデル、ユーチューバーなど多彩に活動。
過去にネット上で悪質なデマを拡散されたり、動画の生配信中にひぼう中傷が殺到するなどの被害に悩まされてきた。同じような被害に遭った人の相談に乗ったり、被害を減らすための発信を続けている。


葉山
私はツイッターを長く愛用していて、いい出会いにつながったこともあったり、自分にとってすごく大事なツールなんですね。その中で不思議に思っているのが、1人のユーザーが匿名で複数のアカウントを作れることなんです。私はそのことが、ひぼう中傷が起きる理由の1つではないかと思うんですが、仕組みを変えることは難しいんですか?

笹本
仕組み自体はどんどん進化していくと思うので、将来も同じかどうかは何とも申し上げられないんですが、同じ人が複数のアカウントを持てるというのは、他のSNSとの生い立ちや考え方の違いと関係があります。
多くのSNSは、人と人の「つながり」を中心に設計されていると思いますが、ツイッターはどちらかというと、人の「興味・関心」を発信してもらうことを前提に作られています。例えば、1人の方が「アイドルを追いかけたい」という趣味のアカウントと、「学校の友人たちとつながりたい」というアカウントを複数持つことで、多様な趣味・思考が発信できるのがツイッターかなと思っています。

ツイートを削除する基準は?

葉山
ひぼう中傷を受けたユーザーから、書き込みの削除依頼が送られてくると思うんですが、その場合「削除する/しない」の基準はどうなっているんですか?

笹本
まず、ツイッターのポリシー自体は開示されているので、ご参照いただければと思います。しかし、ひぼう中傷の定義は言語によっても違うでしょうし、文化によっても異なると思うんですね。異なる文化・言語・コンテクストを、人間の目でしっかりと見て、その前後の文脈なども含めて理解し対応していく形になるので、それを全部明文化して皆さんにお見せするのは非常に難しいところがあるんです。
例えば、他人から見るとすごく攻撃的でひぼう中傷に見えるケースであっても、実際は友人同士の“他愛もないやりとり”というケースもあるので。

葉山
そこまで見ていると…

笹本
日本に関するツイートであれば、世界各国に日本語ができて、かつコンテクスト(前後の文脈)を理解できる人材を配置して、できるだけ365日24時間対応できるようにしています。ただ、完璧に対応できているかというと心苦しいところで、そう申し上げられる状況ではないと思うんですが、日々進化させていかなければならないと責任は感じています。


インタビューは8月5日にツイッタージャパンのイベントスペースで行われた

「ブロック」「ミュート」機能で十分?

葉山
ツイッターには、「ブロック」や「ミュート」の機能がありますよね。それを使うと、書かれた本人はその投稿を見なくて済むと思うんですが、私は、ひぼう中傷というのは、それを第三者に見られてしまうことも被害者が傷つく原因の1つだと思うんです。例えばアカウントの持ち主が、書かれたコメントを削除できるようにはならないんでしょうか?

笹本
ご自身が?

葉山
そうです。本人の判断でリプライ(返信コメント)を消せるようにするのは、難しいんですか?

笹本
今は難しいと思います。機能が進化していくことは約束できるので、いろいろな形でそういった言葉を自分の目から遠ざけることには力を入れたいと思っています。
私自身もツイッターの利用者なので、いろいろな言葉や批判をもらって、心が傷つくことも当然あるんです。「ミュート」「ブロック」機能を使ってみた経験からも、葉山さんの気持ち・ご意見は、個人的にはすごく共感します。
その一方で、例えば私に対して、その方のご意見として発信されることに関しては、「個人の自由な発言」と捉えなくてはいけない時もあるのかなと思います。「表現の自由」の重要性は、我々としてはすごく尊重したいと思っています。
もちろん、誤解していただきたくないのは、批判や自分の意見を言うための自由と、攻撃する自由をはき違えてしまっていることが往々にしてあります。この線引きは難しいですが、我々としては、ツイッターとして何かを判断して行動に起こすより、警察など法的機関の法律に基づいた判断をまずは望みたいと思っています。もちろん、明らかなポリシー違反については対応してまいります。

葉山
平和に使って、楽しくいいものをシェアしてもらいたいと。

笹本
ツイッター創業者のジャック・ドーシーも常々言っていますが、我々としては「健全な会話」を、ツイッターの「1丁目1番地」にしたいと。もちろん民間企業ですので投資対効果を考えた上で色々な決断をしますが、この「健全な会話」を維持して、皆さんが意見や興味関心を安全に発信できる場にすることに、一番投資をしています。「ツイッターを健全に使ってもらいたい」という思いを、強く持っています。

ツイッター側が主張する「表現の自由」に対して、葉山は…
後日公開する【後編】へと続きます。

新機能で“特定の人だけ返信”が可能に
このインタビューが行われた数日後、ツイッタージャパンは新しい機能を追加した。
これまでは、ツイートを読んだ人は誰でも コメントを書き込むことができたが、新たな機能では、コメントできる人をアカウントの持ち主が選べるようになった。
ひぼう中傷を防ぐ一定の効果があるとしている。


ツイッターの新機能 アカウントの持ち主が選んだ特定の人にだけ返信をもらうことが可能に

対談の内容は番組内でも紹介します。

「フェイク・バスターズ」

 8月20日(木)夜10:00~10:30(総合テレビ)

指先一つで誰もが簡単に人を傷つけることができる時代。
ひぼう中傷の被害を防ぐための具体的な方法を考えていきたいと思います。

あなたの思いや考えをこのページへのコメントや #誹謗中傷をなくそうでツイートしてください。みなさんから寄せられた「声」は取材チームが一つ一つ目を通します。

#フェイクバスターズ#フェイクニュース#SNS#誹謗中傷をなくそう
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2020年8月17日
#誹謗中傷をなくそう
プロレスラーの木村花さんの死によって、被害の深刻さが改めて浮き彫りになったネット上のひぼう中傷。8月20日(木)放送の「フェイク・バスターズ」では、被害から身を守る方法や、ネット上でサービスを提供するプラットフォーム企業の役割などについて5人の専門家(=バスターズ)とともに考えます。

今回は放送に先立ち、出演者の紹介と、収録したトークを一部お伝えしたいと思います。


ネット社会の方向性 今が舵を切るタイミング
番組の進行役は評論家の宇野常寛さん。インターネット社会への鋭い批評で知られています。実は宇野さん自身も、これまで何度もSNSでひぼう中傷を受けてきました。

Q 自身の経験も踏まえて、今のネット社会をどう感じていますか?
宇野:以前民放のワイドショーに出演していたんですが、放送が終わる度にひぼう中傷の嵐でした。「こんなキモイやつテレビ出すな」みたいな罵詈雑言だらけで、人格をおとしめることを平気で言われる。さすがに「これは世の中に知らせた方がいいだろう」と思い、そうした攻撃的な書き込みを、僕のコメントをつけて引用リツイートしたんです。そうしたら今度は「お前は何万ものフォロワーに対して、一般人の俺をさらすのか」という罵倒が飛んで来たんです。これにはびっくりしました。僕が「こんなひどいことをされている」と世の中に訴えたことを、相手は「過剰防衛だ」と受け止めて攻撃してくるんですよね。

残念ながら「インターネットは、匿名だから何をやってもいいところなんだ」「これくらいのことは許されることなんだ」といった、どう見ても間違ったコンセンサスが、半分定着しつつあると思います。ですので今はまさに、きちんとアクションを起こし、間違った方向に行かないよう舵を切るべきタイミングなのだと思います。


ネット上での情報発信には必ず「責任」がともなう
大手IT企業の社員でITリテラシーの専門家・小木曽健さんは、全国の学校や企業から依頼を受け、ネットトラブル対策についての講演を行っています。ひぼう中傷の被害を減らすには、「情報発信には責任がともなう」ことをすべてのSNSユーザーが認識すべきだと、強く訴えました。

Q 私たちがネット発信するとき意識すべきことは?
小木曽:「表現の自由」ではなく、「表現の責任」を考えてほしいと言いたいです。ネットに書いた内容は書いた人が責任を負わなければいけない。好きなことを書いて、訴えられたり罪に問われる場合もあるかもしれないけど、それも含めて全部自分で責任を負いなさいというのが、本来の表現の自由だと思います。私は、ツイッターなどのプラットフォーム企業が、載せていい内容かどうかジャッジする世界は作ってはいけないと思っています。それは言論統制につながるものであり、あくまで情報発信者が責任を負うべきです。

一方でいま、これまでひぼう中傷を我慢してきた人たちが声を上げ始めています。法律の仕組みも活用して、「これはダメ」なんだという声が世の中に広まってきています。だから、去年よりは今年、今年よりは来年、絶対にひぼう中傷でつらい思いする人が減っていくと思っているし、そうじゃないとネットが生まれた意味がないと思います。


SNSのコメント ネガティブな意見にとらわれないで
心理学者の関屋裕希さん。東京大学大学院の客員研究員としてメンタルヘルスについて研究をするかたわら、社会人を中心に幅広い世代にカウンセリングを行っています。ひぼう中傷を減らすためには、SNSを使う際、「自分がどういう感情を抱きやすいのか」を知っておくことが大事だと話してくれました。

Q 批判的なコメントを見て落ち込んだら、何に気をつける?
関屋:例えば30件ぐらいコメントがついて、その中で1件だけでもネガティブなコメントがあると、人はそっちに注意が向きやすい。これは心理学で「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれるものです。ネガティブな情報は対策をしないとリスクになることがあるので、ポジティブな情報よりもネガティブ情報に注意が向くようにできているんです。まずそのことをよく知ってほしいと思います。ネガティブな情報に意識がいくと視野が狭くなりがちです。そんな時は「ポジティブなコメントもたくさんある」など意識的に違う情報にも目を向けましょう。また、あえてリアルな友達と会う時間を増やしたりして、ポジティブな情報に触れる機会を自分で作ることも大切だと思います。


「応援しています」のメッセージが大きな救いに
芸能事務所社長、モデル、ユーチューバーなど多彩な活動をしている葉山潤奈さん。過去にネット上で悪質なデマを拡散されたり、動画の生配信中にひぼう中傷が殺到するなどの被害に悩まされてきました。その経験から、同じような被害に遭った人の相談に乗ったり、被害を減らすための発信を続けています。

Q もしタイムラインで、攻撃されている人を見たら…
葉山:叩かれて困っている人に向けて、「私たちは応援しています」と愛が伝わる書き込みをする人が増えると、ひぼう中傷しにくい環境ができるのではないかと思います。文章じゃなくハートマークだけでもいいと思う。私の経験だと、ひぼう中傷やよくない意見が10件中3件くらいの数になると、コメント欄全体がそちらの流れに持っていかれてしまいます。たとえそうなってしまった時でも、コメント欄にハートマークがあるのを見つけると、ネガティブなコメントを流すことができるんです。他の人たちも、ただ見ているだけじゃなくて、困っている人がいたら怖がらずに助けてあげてほしいです。

書き込んだ人を訴える場合 すぐに弁護士に相談を
神田知宏さんは、弁護士になる前はIT企業社長としてプログラミングやウェブデザインもこなしていたという、異色の経歴の持ち主。その経験を生かして、ネットに関する案件をこれまで2000件近く扱ってきました。プロレスラーの木村花さんが亡くなったあと、「裁判を起こしてひぼう中傷に立ち向かおう」という声が高まりましたが、神田さんの元には被害にあった人だけでなく、書き込んだ人からも「訴えられたらどうしよう」などの相談が増えているそうです。

Q 裁判を起こして、ひぼう中傷を書き込んだ人を特定する場合、まず必要なことは?
神田:まずは、書き込まれた画面の「証拠化」をしていただきたいです。画面を印刷する、スクリーンショットを撮るなどして、ひぼう中傷を受けた証拠を残すことが重要です。その際重要なのが、URLがわかるようにすることです。スマホのブラウザだとURLが全部映ってない場合が多いので、パソコンに転送したり、メモアプリにコピーするなどしてURLをすべて残しておくようにしてください。また、プロバイダーなどへのアクセス記録は通常3~6ヶ月間しか保存されません。記録が消去されると書き込んだ人を特定できなくなります。Twitterの場合は、アカウントごと消去されると1か月ぐらいしか記録が残りません。相手を特定しようと思ったら、すぐにでも弁護士に相談していただければと思います。


「フェイク・バスターズ」
 8月20日(木)夜10:00~10:30(総合テレビ)

#フェイクバスターズ#フェイクニュース#誹謗中傷をなくそう#SNS
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2020年8月14日
「フェイク・バスターズ」第3弾放送! テーマは“ネットのひぼう中傷”
ネットに出回るデマやフェイク情報などの実態を取材し、情報との向き合い方を考える番組「フェイク・バスターズ」。 去年12月、今年5月に続き、第3弾が今月20日 夜10時からNHK総合テレビで放送!

今回のテーマは、ネット上のひぼう中傷。
もしあなたの家族が、SNSでひぼう中傷を受けたら…? 中高生など子どもたちへの被害も相次ぐ中、身を守るための具体的な方法を、様々な分野の専門家=フェイク・バスターズとともに考えます。

今回の「フェイク・バスターズ」は…
「フェイク・バスターズ」―それはネット上の問題と、日々戦っている人々のこと。 IT、弁護士、心理学者など、様々な分野で “情報との向き合い方” を伝えようと奮闘するバスターズたちとともに、デジタル時代を生き抜くための具体的な方法を考えていきます。

【出演者】

フェイク・バスターズ 第3弾の出演者


宇野 常寛さん(MC)
評論家
インターネット社会への鋭い批評で知られる

小木曽 健さん
ITリテラシーの専門家
全国の学校や企業から招かれ、ネットトラブルへの対策について講演を行っている

神田 知宏さん
弁護士
ネット関連の案件を2000件近く扱ってきたスペシャリスト。元IT企業社長

葉山 潤奈さん
芸能事務所社長、モデル、ユーチューバーなど多彩な顔を持つ
ネット上のひぼう中傷をなくすための発信を続けている

関屋 裕希さん
心理学者
メンタルヘルスの専門家として、社会人を中心に幅広い世代にカウンセリングを行う
東京大学大学院客員研究員・臨床心理士

スタジオトーク 収録は2時間超!
今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、お互いに距離を取り、アクリル板で仕切られたスタジオでの収録でした。「お互いの声が聞こえづらい?」と心配するスタッフをよそに、トークは大盛り上がり。収録は2時間以上に及びました。

アクリル板の使用など感染拡大防止対策をした上で収録


今後このページでは番組でお伝えする内容以外にも、30分に収まらなかったトークやインタビューなどを紹介していきます。

#誹謗中傷をなくそう
指先一つで誰もが簡単に人を傷つけることができる時代。
ひぼう中傷の被害を防ぐための具体的な方法を考えていきたいと思います。

――もしあなたや家族がひぼう中傷を受けたら、どう身を守りますか?
――世の中からひぼう中傷をなくすために、何が必要だと思いますか?


あなたの思いや考えをこのページへのコメントや #誹謗中傷をなくそうでツイートしてください。
みなさんから寄せられた「声」は取材チームが一つ一つ目を通します。


「フェイク・バスターズ」
 8月20日(木)夜10:00~10:30(総合テレビ)

#フェイクバスターズ#フェイクニュース#誹謗中傷をなくそう#SNS
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“性暴力”を考える Vol. 81~

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