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“性暴力”を考える Vol. 81~ 写真
“性暴力”を考える Vol. 81~
このページでは、ディレクターや記者の取材で得た情報や番組内容などを発信し、みなさんと意見を交換しながら一緒に考えたいと思っています。

「被害の実態をもっと知ってほしい」「性暴力とどう向き合えばいいのか考えたい」など、あなたの思い、悩み、考えを 各トピックの下の「コメントする」か、 ご意見募集ページより お寄せください。みなさんからの「声」は、取材班が一つ一つ目を通し、取材につなげています。
【毎週金曜日に更新中】
【vol.98】 疋田万理さん みたらし加奈さん 性被害をSNSで伝えるワケ
【vol.97】 バービーさん×えんみちゃん 考えよう!緊急避妊薬のこと
【vol.96】 オンライン・ディスカッション報告③ 性的同意 どう確認しあう?
【vol.95】 オンライン・ディスカッション報告② 今日だけ“ナマ”でやらせて!
【vol.94】 オンライン・ディスカッション報告① キスに同意は必要?
【vol.93】 みなさんの声から生まれた オンライン・ディスカッション 開催報告
【vol.92】 オンラインでディスカッション!「“誰も傷つかない”セックス」参加募集のお知らせ 
【vol.91】 どう考える? “予期せぬ妊娠”と緊急避妊薬 
【vol.90】 現場報告 幼児期からの性教育 
【vol.89】「私が求める“性犯罪・性暴力対策”② トラウマ治療体制の充実」 
【vol.88】「私が求める“性犯罪・性暴力対策”①」 
【vol.87】「13歳」のYES、それは本物? 
【vol.86】被害に遭った あなたへ “どうか あきらめないで”  
【vol.85】性犯罪・性暴力の対策が強化されます
【vol.84】「性犯罪の刑法検討会」始まりました
【vol.83】本で伝えたい “あなたを守る” 法知識
【vol.82】新型コロナでネット利用増… 子どもの性犯罪被害に注意を
【vol.81】あなたの身近にも・・・ 新型コロナで高まるリスク
過去のトピック一覧はこちら
Vol.1~Vol.40
Vol.41~Vol.80
あなたの地域の「性暴力ワンストップ支援センターは」こちら
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0006/topic038.html
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2020年9月18日
【性暴力を考えるvol.98】疋田万理さん みたらし加奈さん 性被害をSNSで伝えるワケ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京都の性暴力ワンストップ支援センターには、今年の4月~7月、去年の同時期に比べて1.5倍の相談が寄せられています。「収入が減ったり、職を失ったりした女性が SNSで見知らぬ男性と出会い、金銭的な弱みにつけ込まれて被害に遭う」、「社会が不安定になったことから結婚して安定した生活を得ようと、焦りから婚活を進める中で被害に遭う」などの相談が増えてきたといいます。また、外出自粛で在宅時間が増えたことから、いつも以上に孤独を感じ、過去の被害について打ち明ける人も多いといいます。

そうしたなか、弁護士や臨床心理士と連携する団体(NPO法人申請中)が、SNSを通じて、被害者に伝えたい言葉や、被害に遭ってしまう前に知っておきたい情報を届ける取り組みを始めました。“自分の心と体を守るための情報を知ることで、もし被害に遭ってしまった時、自分を責めてしまうことが無くなるようにしたい” ——取り組みを始めた人々の思いを取材しました。

(NHK首都圏局 ディレクター 葛原南美)


“SNSを通し、写真や言葉で性被害を伝えたい” mimosas(ミモザ)スタート
花を手にした人たち、そして、それぞれが届けたい言葉。
8月に開設されたmimosas(ミモザ)です。ツイッターやインスタグラムなどのSNSを通し、被害者に伝えたい言葉や、被害に遭ってしまう前に知っておきたい情報を発信しています。

“『男だから/女だから』傷つけてもいい、傷ついても仕方ないなんてことは、決して無い”

(インスタグラム@mimosas_jpより)



(インスタグラムには色とりどりの花束と被害者に寄り添うメッセージが並ぶ)

都内で開かれた撮影会。活動に賛同した臨床心理士や助産師、SNSで活躍するインフルエンサーなどが“ロールモデル”として集まり、投稿する写真や動画を撮影したり、発信する言葉を一緒に考えたりしました。


(撮影会の様子)

“ロールモデル”の中には、自分自身が性被害に遭ったことのあるサバイバーもいます。

“『あなたは大切な存在だよ、あなたが怒れないのなら代わりに私たちが許さない』と、本当は誰かに、社会に、言って欲しかった”

“SNSで見かけた『あなたは何も悪くない』という言葉に私は大きく救われた。だからこそ、今度は私がmimosasを通して辛い体験をして、自分を責めてしまいそうな誰かの味方になりたい、そう願っています”

(インスタグラム@mimosas_jpより)



(インスタグラムより)

さらにmimosas(ミモザ)では、弁護士や臨床心理士の監修のもと、被害に遭ったときにどうすればよいのか、性暴力に関する弁護士費用はいくらぐらいなのか、などの情報も分かりやすく発信しています。


(被害直後に取るべき対処をまとめた記事)

きっかけは 性暴力の絶えない社会への不安と責任感
mimosas(ミモザ)を立ち上げたのは、SNSで発信するニュースコンテンツのプロデュースなどを手がける、疋田万理(ひきた・まり)さんです。これまで、どうすれば若い世代にニュースに触れてもらえるかを意識し、ウェブ動画の企画や編集を行ってきました。


(mimosas代表・疋田万理さん)

mimosas(ミモザ)を立ち上げるきっかけとなったのは、ある日、疋田さんのもとに届いた1人のフォロワーからのメッセージでした。

「性被害に遭ったけど、事前に何も知らず、警察や弁護士に相談しても何も出来なかった。性被害について知っておくべき情報を発信するメディアがあってほしいと思うのですが、どうすればいいでしょうか」

このメッセージを読んで、疋田さんは自分自身が過去に性被害に遭った時のことを思い出しました。当時、どんな行為が性被害になるのかよく分からず、どのように助けを求めればいいのか知識がなかったことから、自分の母親にさえ相談することができず、“なかったこと”にしようとした過去がありました。それから10年以上経った今も、性被害に遭う人たちが後を絶たない社会…。去年、娘が生まれた疋田さんは、恐怖を覚えたといいます。

「この子がもしこの先、性被害に遭っても、やっぱり母親の私には何も言えずに一人で苦しむかもしれない。いま、私がやるしかないと思って mimosas(ミモザ)を立ち上げました」 (疋田さん)


(ミモザの花)

mimosas(ミモザ)という名前に、疋田さんは強い思いを込めました。寒い真冬の時期から春にかけ、小さな黄色い花を頑張って咲かせるミモザの花に、これまで痛みに耐えてきた被害者に寄り添う気持ちを重ねたいと考えたのです。ピンクやブルーの花よりも、ジェンダー(性差)にとらわれない印象があるのも、決め手のひとつでした。SNSのデザインや、メディアに登場する“ロールモデル”たちのセクシャリティーにも偏りが出ないようにして、誰もが自分の“属性”に関わらず性被害を被害として認識し、声を上げられるよう心がけているといいます。

「性被害というと、女性が被害者で男性が加害者ということがすごく多いと思います。でも、LGBTQなど、いまの統計上にはあらわれない、ブラックボックスの部分がたくさんあることも考えて作っています。インスタグラムやツイッターというメディアを選んで発信しているのも、若い人たちが日ごろから何気なくフォローしているところに、必要な情報を入れ込みたいからです。」 (疋田さん)


(読者からのメッセージを読む疋田さん)

mimosas(ミモザ)の発信を始めて1か月。疋田さんのもとには、毎日のようにSNSを見た人からの応援の言葉や、「自分も被害に遭った」「あの時どうすればよかったのか」など、過去の被害の体験を打ち明ける声や質問が届きます。疋田さんは、一つひとつの声すべてに応えられる情報を提供し、被害者を孤立させるような社会を変えていくために、活動を続けていきたいといいます。

「被害者が上げた声がちゃんと然るべきところに届くようになったり、証拠を取ろうと思うようになったりすることが始まるだけで、泣き寝入りさせられていた被害を性犯罪として検挙できる数も増えていくと思うんです。そういうことがきちんとできる未来を作りたいです」(疋田さん)

動画で伝える “あなたの身体はあなただけのもの”
mimosas(ミモザ)で発信する動画を通じて、素顔で過去の性被害の体験を語り、被害者にメッセージを寄せている人がいます。


(mimsoasが撮影した映像より/みたらし加奈さん)

“ロールモデル”を務める、臨床心理士の みたらし加奈さん です。小学生から中学生にかけて、何度も性被害に遭った過去があります。加害者は、兄のように慕っていた、近所に住む男性。みたらしさんは度々、体を触られたり、服を脱がされたりする被害に遭っていましたが、当時は自分がされていることが性暴力だとは分からず、年上の男性を相手に、抵抗することができませんでした。

「ベッドに寝てほしいって言われて、最初は上にのしかかって、なんか上下に運動してるみたいな。顔を見ると自分が知っていた普段のお兄さんじゃない、すごく切羽詰まったような顔でこっちを見ている感じでした。そのことにすごく恐怖心を覚えて、なぜか“この場は否定しちゃいけないかも”みたいな、子どもながらに空気を読んでしまった感じがありました」(みたらしさん)

その後、みたらしさんは当時の記憶をずっと封印して過ごしてきました。しかし、“性的に嫌なことをされた”という体験は、みたらしさんを苦しめ続けました。大人になっていく過程で、自傷行為をしてしまったり、あえて体のラインが出る服を着たり、夜に一人でナンパ待ちをするなど、自分の価値を軽んじるような振る舞いをすることが続いたと振り返ります。


(みたらし加奈さん)

「当時、自分の傷に向き合えなかったからこそ、傷ついている自分を知りたくなかったからこそ、そういう振る舞いをやってしまったっていうところがあります。だからもし早く(性被害だと)気づいていて、適切なケアを受けていたら、自分の価値を軽く見積もってしまう期間がもうちょっと少なかったり、無かったりしただろうなって思うんです」(みたらしさん)

その後、みたらしさんは大学院で臨床心理学を学び、授業の一環で性被害の事例に触れたとき、自身が過去に受けたことも性被害だということを知りました。そして、カウンセリングを受けるようになり、ようやく被害に向き合うことができるようになっていきました。

みたらしさんは、被害者が自分を責めず、「私も傷ついてよかったんだ」と実感できるきっかけになればとの思いで、mimosas(ミモザ)に動画メッセージを寄せることを決めました。自身のSNSや著書でも過去の被害についてカミングアウトしていますが、なぜ素顔で語ることを決意したのかと尋ねると、「もう顔を隠して告発する世の中であってほしくないから」という答えが返ってきました。

「#Metoo運動やフラワーデモによって、私自身がとても救われました。もちろん、顔や名前を隠したい人は隠したままでいいと思いますが、ハンドルネームや仮名を使うことでしか、安心して被害を告白できないみたいな時代はもう終わってほしくて、私が少しでもその力になれたらと思っています。」(みたらしさん)


(mimsoasが撮影した映像より/みたらし加奈さん)

みたらしさんが動画の最後に語ったのは、「あなたの身体はあなただけのもの」という言葉。
今後、mimosasではみたらしさん以外の“ロールモデル”達の動画も発信していく予定ですが、この言葉を共通のメッセージにしていくということです。性被害に遭った人たちが、このメッセージに触れることで、自分の体を同意なく性的に脅かされたことを“仕方がなかった” “自分も悪かった“と感じずに済むようにしたいとの願いからです。



mimosas(ミモザ)を通じて性被害に関する正しい知識を広げようとしている疋田さん、そして、被害の痛みに寄り添おうとしているみたらしさんの言葉に触れながら、取材して伝える私自身にも、苦しさと怒りの記憶があることを思い出していました。レイプ被害に遭った友人が自己嫌悪に陥る姿を前に、何も言えなかった日のこと。もし、あの時ちゃんと受け止めて“あなたは悪くない”と伝えていれば、友人の苦しみを少し減らすことができたかもしれません。知人から無理矢理キスをされた時、NOも言えずその場を立ち去ることしかできなかったこと。もしあの時、私がちゃんと怒っていれば、“加害者は他の人にも同じような行為を繰り返しているかもしれない”と怯え、自分を責め続けることはなかったかもしれません。

性被害は、被害者がその責任を負うべきものではありません。「あなたの身体はあなただけのもの」で、「あなたは悪くない」ということ。これからも取材を続け、伝えていきたいと思います。

<あわせてお読みいただきたい記事>
みなさんは、性被害について、どんな情報が知りたいですか?下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou
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5
2020年9月4日
【性暴力を考えるvol.97】バービーさん×えんみちゃん 考えよう!緊急避妊薬のこと
7月29日(水)放送のNHKニュース「おはよう日本」で、コロナ禍の陰で若い世代の間に“予期せぬ妊娠”への不安が広がっている実態と、“予期せぬ妊娠”を防ぐことにつながる緊急避妊薬(アフターピル)を入手するハードルの高さについて特集しました。

緊急避妊薬とは、性行為から72時間以内に服用することで妊娠を回避する薬です。その阻止率は約84%ですが、性行為から早く飲むほど効果が高いと言われており、 “予期せぬ妊娠”を防ぐため、避妊に失敗した時や性暴力被害に遭った時などに、世界で使われています。アメリカやイギリスなど 多くの国では薬局で購入することができますが、日本では産婦人科を受診して事情を説明し、処方が必要と判断されない限り、手に入れることができません。費用も1~2万円程度と、国際的に見ても高額(※)です。SNSなどを介し、本物かどうか定かでない“輸入品”の売買も横行しています。
(※性暴力の被害を受け、警察に被害届が受理されれば、公費負担となります。)

「おはよう日本」の放送直後から、“緊急避妊薬”がSNSで大きな話題となり、みんなでプラス “性暴力を考える”にも多くの意見が寄せられました。“予期せぬ妊娠”に直面し、思い詰める女性を減らすために、私たちは緊急避妊薬や避妊をめぐる問題をどのように考えていけばよいのでしょうか?
“えんみちゃん”の愛称で 700以上の中学・高校で性教育の講演を行っている産婦人科医・遠見才希子さんと、性に関する話題をYouTubeで積極的に発信する、お笑い芸人・フォーリンラブのバービーさんが語り合いました。

(さいたま局記者 信藤敦子・NHKグローバルメディアサービス ディレクター 飛田陽子)


#緊急避妊薬を薬局で 議論は いま

(産婦人科医・遠見才希子さん)

産婦人科医の遠見才希子さんは、日本の現状に危機感を持ち、2018年から緊急避妊薬の薬局販売を求める署名を集め、今年7月、国に要望書を提出しました。賛同の声は8万8千までに広がり、今も増え続けているといいます。


(バービーさんのツイッターより)

一方、バービーさんもこのテーマに関心を持ち、緊急避妊薬の取り扱いについての厚生労働省の検討会で出た意見に対し、ツイッターで自身の思いを発信しています。

遠見才希子さん(以下、えんみちゃん)
バービーさんがツイッターでつぶやいてくださってから、署名が2万人くらい増えたんです。

バービーさん
私、署名を提出することは知らずにつぶやいていたんですよ。なんか、すごいタイミングですね。緊急避妊薬についてもっと早く議論したほうがいいよと思ってツイートしたのかもしれないですけど、まさかこんなタイミングでドドドっといろんなことが起きると思わなかったです。あの署名フォームはいつからあったんですか?

えんみちゃん
2017年に薬局販売をめぐる国の議論が否決に終わった(※)ので、その後の2018年の9月に署名を立ち上げて、そこから細々と続けてきました。
(※日本で緊急避妊薬を薬局販売するには性教育が不十分であるなどの理由から、薬局販売が見送られることになりました)

バービーさん
へえー、3年越しだったんですね。

えんみちゃん
新型コロナの状況になって、海外では、感染拡大で混乱が広がってきた4月ころにWHO(世界保健機関)や国際産婦人科連合などの様々な国際機関が「避妊は健康を守るために不可欠で、これらのサービスへのアクセスは基本的な人権である」っていう声明を出しているんですね。特に緊急避妊薬は薬局での販売も含めて検討するようにと世界中に提言していた。その一方で、日本では特にアクションがないままで、そうこうしているうちに色んなNPOなどで妊娠不安の相談が増加してきて。今こそ動かなければということで7月末に国に要望書を出すことになりました。


(左・バービーさん/右・遠見才希子さん)

バービーさん
今はどんな感じなんですか?あの、女性に対する性教育が足りないとか、悪用されるかも、みたいな声もありましたが。

えんみちゃん
先日、日本産婦人科医会に要望書と署名を提出に行きました。NHK「おはよう日本」での副会長のご発言が医会の総意であり、性教育は女性だけでなく男性にも必要である一方、妊娠は女性の身体にのみ起こることであるため、産婦人科医の立場として、女性への教育により重きをおいているというようなお話をしてくださいました。

バービーさん
ああ、なるほど…。

えんみちゃん
セックスって本来は対等なコミュニケーションのもとするものだから、知識や教育も男女問わず対等にあったほうがいいと思うんですよね。「避妊に協力してくれない。そういう男性がいたら、女性がその男性に対して性行為を断れるように頑張らなきゃいけない」っていう意見もありますが、いまの女性の立場ってすごく長い歴史のもとあるものだと思うので、そこを踏まえずに「もっと女性がしっかりすればいいんだ」と言われると、すごく難しいなって思います。

バービーさん
要は「流されるなよ」みたいなことですか、なるほど…。
あの、私自身は低用量ピルを20代から飲んでるんですけど、それはいろんな良い作用がたくさんあるから、一石二鳥どころか三鳥四鳥で手放せなくなるような存在だからなんです。でも、やっぱり毎回買いに行くのもしんどいし、受診しなきゃいけないクリニックもあるから、ネットで海外のとか買っちゃったりもしてた時期あるんですよね。そういう、選択肢がないことで、ちょっと危ない方向にさえもいくじゃないですか。だとしたら、こっちのほうは何も取り締まらないのに、なんで良い可能性が広がるほうが許されないんだろう、なぜ議論さえされないんだろうっていうのがすごい不思議で分からなかった。

えんみちゃん
そうですね。最近、「緊急避妊薬」がSNSのトレンドワードに入ったりして、「緊急避妊薬」って検索すると、「欲しい人譲ります。DM下さい」とか、「1500円で売ります!」とか、そういうのがいっぱい出てきてしまっているんですよね。

バービーさん
ですよね。その、薬の市販が認められることでの悪用よりも、アクセスが悪いことで困っている人たちがすがる思いでやってしまうようなことで、結果的に何か、悪い方向に手を出しちゃうっていう事の可能性をかんがみたら、シンプルに「え?何でだろう」って思うんです。

えんみちゃん
そうなんですよね。そういう輸入品を使うって結構グレーゾーンなところがあって、万が一の副作用や、薬自体におかしなところがあったとしても、国の救済制度の対象外になってしまうんですよ。だから、とても危険だと思います。

バービーさん
どんどん(世界との)溝が広がるばっかりで、余計に変な民間療法に飛ぶ人とかが増えてしまいそうっていうイメージがあります。日本だけ島国状態だからこそ起きてしまう弊害もありますよね…。

緊急避妊薬 副作用は?その後の妊娠に影響は?
みんなでプラス“性暴力を考える”には、緊急避妊薬の取り扱いをめぐって、様々な意見が寄せられています。そのうち2人が熱く語り合ったのは、緊急避妊薬の副作用など、薬そのものの知識に関することでした。



バービーさん
実際どういう副作用があるのかっていうのは気になりますよね。私、大学の時に処方してもらったことあるんですよ。その時、もう立ってらんない!っていうか、歩いてられないぐらい気持ち悪かったんです。だから副作用を心配する気持ちはすごく理解できて。いまの薬の副作用はどれくらいのもんなんでしょうか?

えんみちゃん
その時、12時間あけて2回飲みませんでした?

バービーさん
ああ、飲んだ飲んだ!

えんみちゃん
それはヤッペ法といって、いま使われている緊急避妊薬の前のものですね。妊娠阻止率も57%ぐらいしかなくて、吐き気や嘔吐の副作用が強かったと言われています。いま日本で使われている緊急避妊薬はノルレボと言って、1回飲むだけで大丈夫です。副作用は従来のものと比べるとかなり少なくなってて、吐き気と頭痛、あとは不正出血ですね。


(緊急避妊薬)

バービーさん
その瞬間の症状だけってことですよね?何かその後、後遺症的に残るような副作用は?

えんみちゃん
基本的には、ないです。

バービーさん
そうなんだ。ちなみに、いざとなったら緊急避妊薬を飲めばいいって言われたり自分でも考えたりして、毎回飲み続けたらさすがに何か害が出たりしますか?

えんみちゃん
緊急避妊薬を繰り返し飲むことは推奨されていませんが、万が一、1周期に2回以上飲んでも深刻な有害事象は報告されてないですし、その後妊娠したとしても胎児に害を及ぼすことはないと言われています。 でも、緊急避妊薬は100%の薬ではないんですよね。望まない妊娠を防ぐ最後の手段ではあるけれど、それでも阻止率は100%ではない。実際私も医療現場で、コンドームが破れて急いで緊急避妊薬を飲んだけど妊娠したっていう人を診ています。だから「毎回飲めばいい」というものではないです。

バービーさん
確かに。男性が言うことを鵜呑みにしてしまうような女性もいるけれど、そのことと、緊急避妊薬がどう取り扱われるべきかっていう問題は違う問題ですよね。

えんみちゃん
そうなんですよね。なかなか自分のことを大切にするのが難しかったり、無防備なセックスをどうしてもしてしまったり…ということって、あるかもしれないし、そうなってしまうにはいろんな背景があるんだと思います。だからといって緊急避妊薬を手に入りづらくするっていうのは、そういう人も救われないから、どんな人でも手に入れる権利があるんだよっていう薬であってほしいと思います。

避妊や性の話題…もっと語りやすくするためには?


バービーさん
そもそも緊急避妊薬を使わなくても済むように避妊してほしい…まあコンドームも避妊できる確率が100%じゃないにせよ、それさえ協力してくれない人が普通に存在していることが私は怖いです。

えんみちゃん
女性が主体的に避妊できる方法として、低用量ピルや子宮内避妊具(IUD/IUS)という選択肢がありますが、そもそも、避妊に協力しないセックスは性暴力という認識を持つことが大切ですね。

バービーさん
普通に優しいけど、本当にそこだけ(コンドームだけ)しない人とかもいますもんね。

えんみちゃん
性暴力ってすごく身近に存在するんですよね。どんな人でも加害者にも被害者にもなるかもしれないと思います。だからこそ当事者意識を持って考えてほしいし、話し合ってほしいです。 ちなみに、バービーさんって性に関する情報をユーチューブとかに上げてるじゃないですか。あれはどういうきっかけで発信しはじめたんですか?


(バービーさんのYoutubeチャンネルより)

バービーさん
きっかけですか?今年からユーチューブに自分のチャンネルを設けまして。まず生理用ナプキンの使い方を、これから初潮を迎える女の子たちのためにっていうつもりで最初に作ったのがきっかけですけど、それも別に、策を練って出したとかじゃなくて、何でみんな言わないの?って不思議に思っていたことをただやっただけだったんですよね。その、ピルとかナプキンとかに関しても、ちょっとみんな偏見強すぎるし、ちょっと自分たちで語ってる人少なすぎない?みたいな。こんな大事なことなのにっていう、もうシンプルな疑問からやってるだけです。フラットにおかしいなって思ったからって感じ。

えんみちゃん
私、こういう話を、もっと日ごろから女性も男性も考えられる機会があればいいと思うんですけど。

バービーさん
ちっちゃい時からね、男女同じ場所で性教育ができてたらいいと思いますけど、教室を分けて別々に…みたいなことも多いですもんね。もうちょっと、性を含めて自分を大切にするっていう教育を男女ともにしていれば、そんなにセックスがいやらしいこと、隠さなきゃいけないことだっていう認識にならないんじゃないかなっていうふうに思いますけどね。そうなったら男女ともに、パートナーとはちゃんと喋ろうっていう気になれると思う。

えんみちゃん
本当にそうですね。芸能界だとこういう話題は話しますか?

バービーさん
いやー、まったく話さないですね(笑)。女性芸人で言うと、世代ですごく分かれるかもしれないですね。男性社会的な価値観を内面化しないと生きていけなかった上の世代たちと、そういう事に抗いたい下の世代たち…みたいな。でもやっぱり、下の世代でも、抗っててもいいことない、みたいなボヤキを言われることもあって…なんか色々感じます。上の世代だと、「そんなこと言われて当たり前。上手く返そう」っていう発想だったやつが、下の世代にとっては「あの人にこんなこと言われて、ぷう!(怒)」って変わってて。でも、まだ、そこで「ひどくないですか!?」で終わっちゃうっていうことが多いです。 だから、こういう性の話題とかも、私自身は、保守的と思われるような男性芸人さんが触れていくようになるのが一番いいんじゃないかなっていうふうに思ってて、そういう人たちが、なんていうのかな…茶化さないで真摯に話したりする姿って、もし実現したらすごく新鮮じゃないですか。そういう発言や発信があれば、なんか「あっ、俺たちも新時代に合わせなきゃ!」みたいなふうに気がつく人達が、横にパーって現れそうな気がするなってすごく感じています。

えんみちゃん
確かにそれは新時代を感じるかもしれません(笑)


(1時間超、休憩なしで語り合う2人)

バービーさん
私自身、今までのお笑い界とか男性社会に盾つくような気持ちで言ってるわけではないんですよね。困っている人たちにちゃんと必要なことばを届けたいなって気持ちで。だから男性には、「もっと話し合いましょうよ!」ってスタンスで喋って発信しています。

えんみちゃん
教えてあげるじゃなくて「一緒に考えていきましょう」っていう視点、すごく大切ですね。

バービーさん
こういう性の話も、女性たちばかりで盛り上がると「なんだよ!男は全員レイプ魔じゃないぞ!」みたいにキレる人とかいるじゃないですか、攻撃されてる気持ちになってしまう人も。なぜか素直に話し合う土俵に立てなくて、それがしんどいと思う時もあるんですけど。「だからそうじゃなくて話し合いましょうよ~!」ってスタンスで、男性も弱さを見せることが許されない辛さのようなものがあると思いますが、お互い素直に話し合って、でもあれはダメだねとかこうしていこうねって打ち明けあっていけたらベストかなあと思っています。

えんみちゃん
みんなで風穴を開けていけたらいいですよね。私、ぜひバービーさんと、何か動画を作りたいです!ダメですか?

バービーさん
あ、すごい。私、Twitter上で小声でつぶやいてただけのつもりだったのに、すごく大ごとになっちゃった(笑)。でも、避妊については本当にやりたいですね!

(対談:2020年8月28日)


<あわせてお読みいただきたい記事>
みなさんは 緊急避妊薬の取り扱いや避妊をめぐる問題について、どのように感じていますか?あなたの思いや意見を、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou
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2020年8月28日
【性暴力を考えるvol.96】オンライン・ディスカッション報告③ 性的同意 どう確認しあう?
8月5日(水)に開催した、性的同意について考えるオンライン・ディスカッション。「イヤよイヤよも好きのうち?? ~みんなで考える“誰も傷つかない”セックス~」。お笑い芸人のせやろがいおじさん、クリエイターのはましゃかさん、臨床心理士の信田さよ子さんと語り合った内容やオブザーバーとして参加した みなさんから届いた声をお伝えします。最後のテーマは、「性的同意をどう確認しあうか」です。



※この記事では、具体的な性被害の内容にふれています。フラッシュバックなどの症状のある方はご留意ください。
性的同意 スムーズに確認するには?
飛田陽子ディレクター(以下、ディレクター) 
どうやって性的同意を確認しあったらいいのか。相手を傷つけないためにはどうしたらいいのか。オブザーバーのみなさんから、たくさんの質問をいただいています。

40代 女性
    スムーズに性的同意を確認するには、どうすればいいか知りたい。


相手との関係性や、どんなシチュエーションだったのかにもよるので、How to、この場合はこう、というのはなかなか難しいと思いつつも、極力 具体的に話していきたいと思います。

はましゃかさん
最初に、「性的同意を取るのが大好き」と話したんですけど、私がよくやっているのは、ふだんデートをしているときとか、この後どうするのかなと思ったときに、相手に「今日『いちゃいちゃバイブス』ありますか?」って聞いています。

せやろがいおじさん
「いちゃいちゃバイブス」? すごいパワーワードが来たな。

はましゃかさん
「今日って 『いちゃいちゃバイブス』ありますか?」と聞いて、それで相手と今日の予定を決められる。相手からは、「うん、ずっとあるよ」「いぇーい!」みたいな感じで。

信田さん
はましゃかさんのオリジナルの言葉なの?

はましゃかさん
『バイブス』は今の若者言葉で、イチャイチャはただイチャイチャしたいなっていうことで、それを勝手に私が組み合わせて。

ディレクター
それで相手と確認しあっている?

はましゃかさん
「イチャイチャ」とか「触れ合いたい」とか、そういう言い方で「接触をしたいです」と伝えて、接触し始めてから1個ずつ確認をとっていくのもいいんじゃないですか。

ディレクター
性の話をふだんからオープンに話していらっしゃるってことですかね。

はましゃかさん
昼間から「今日は触れ合いたいな」、「今日は夜イチャイチャしたいな」と言っておく。

ディレクター
逆に、したくないときの示し方はあるんですか。

はましゃかさん
私は「今日は下半身がやる気がない」とか言いますね。「お股のあたりが今日は閉店してる」、「今日はちょっと営業してないですね」とか。

ディレクター
どちらにしても、言葉にするんですね。

せやろがいおじさん
性的同意を取るときに、男性が女性にどう確認を取るかみたいな目線もあると思うんですけど、「女性の側が頑張って同意取れ」って言いたいんじゃ全くないので誤解しないでほしいんですけど、社会全体のステレオタイプとして、女性が自分から性の話をしたり、男性に性の話を問いかけたりしたら、はしたないとか、恥ずかしいみたいに思うバイアスや風潮もあるんじゃないかと思うんですよね。例えば女性でも、聞くときに、直球で「事をいたす?」みたいに言うのは難しいじゃないですか。それを絶妙に今風の言い方で「『いちゃいちゃバイブス』ある?」とか言うのは、ある種、発明だし、僕は全く発想がなかったので、新しい希望がすごく見えたなと思った。

はましゃかさん
褒められています?もしかして。

せやろがいおじさん
「こういう言い方だったら、女性も同意取りやすいよ」って言うことで、この社会の中にある「女性が性のことを言うのは、はしたない」みたいなバイアスすら払拭(ふっしょく)できる可能性というか、パワーを感じるワードですよ。

はましゃかさん
いろいろ言い換えしたら楽しいと思うんですけどね。断るときも「メンテナンス中」「アップデート中」とか。断る側、男性も女性もみんな使えるんじゃないかなと思う。

せやろがいおじさん
男性側も、「いけてほしい」と「いけるだろう」が混同してそのままいっちゃうみたいなとこってあると思うんです。それこそ「死ぬこと以外かすり傷マインドで、押せばいける」とか、押しに弱い女性とか、断られても死ぬこと以外かすり傷、ほぼ無敵の人状態みたいな人、いると思うんですけど。かすり傷でも死ぬ人も、いると思うんですよ。

ディレクター
かすり傷じゃないんですよね。

せやろがいおじさん
そうですね。かすり傷ですら死ぬ人もいると思うし、相手にとっては致命傷の可能性もあるから。「いけるだろ」、「オラオラ」みたいじゃなくて、もっとへりくだって、「俺でいいですか?」みたいな。

ディレクター
ツイッターで男性から感想をいただいています。

    男性が肉体的に強い。それが、社会の立場にも反映されている側面がある。
    男性はセックスの場になると、自分の脳がまひすることもある。
    だからこそ同意の習慣が必要だと思う。


はましゃかさん
ごめんなさい、セックスのときに脳がまひするっていうのはどういうことですか。生命活動が維持できていない?息はできているんですよね?

せやろがいおじさん
ある意味、思考がまひしてしまう。

ディレクター
「いけるやろ、押してしまえ」みたいな。相手がどう思ってるかという気持ちが消えちゃうっていうこと。

はましゃかさん
私も行為中、楽しんで脳みそがまひしちゃうなってことはありますけど。でも避妊はすると思うんですけど、そこはどうなんでしょうか。

信田さん
避妊とか感染症の問題もあるけど、「性的同意が必要だ」ということ自体が、男性にとっては革命だったと思うんですよ。さっき、せやろがいおじさんが おっしゃったように、「ゲットする」とか「ものにする」とか、「セックスすることは男性の価値を高める」っていう価値観もあるけれど、女性はそういうものから排除されてきたわけじゃないですか。男女で分けるとね。だから性的同意を取るということ自体が新しい。

はましゃかさん
そうなんですね。

信田さん
そうよ。だから世代によっては、「何それ?」っていう人もいると思うし。私は「性的同意を取るにはこういうことを言ったらいい」っていうことが全く思い浮かばない人間なんで、申し訳ないけれど。これは、はましゃかさんのように、若い人たちが、というより、みんなの中で作り上げられるものかなって。その言葉でまた男性も意識が変わっていくということかなと思います。

はましゃかさん
まっすぐ伝えればいいんじゃないですか、「したいです」って。あとは、2文字だけで「する?」だけでもいいんじゃないですか。「する?」と「する」の2文字ずつだけでも同意取れますよ。

信田さん
性的同意に関しての “はましゃか語録” を作って!本当に面白いと思いますよ。

はましゃかさん
すべての人が使える、男性も女性もそうじゃない人もみな使える言葉がいいですよね。

せやろがいおじさん
英単語を覚えるみたいな感じで。

信田さん
「今日はこれでいこう」とか。

ふだんからの“関係性”が重要
ディレクター
素直な気持ちを言葉にしていくことはとても大切だと思いつつ、こんな声もいただいています。

40代 女性
    相手を傷つけずに円満に断る方法は?
    避妊具を絶対につけてほしいときの伝え方は?


「いざそのとき、どうしたらいい、どう言ったらいいんだろう」。特に、「嫌と言えない」っていう女性からの声が多いと思うんですが、どうでしょうか。

信田さん
その場面でどう言うかというよりも、ふだんの生活からそういうことを話し合えるような関係性を作っておけば、「今日はちょっと疲れているから」とか「今日は無理なんだ」とか、「下半身が閉店中」とかね、そういう言い方でもいいと思うんですよ。だけどDV被害者の方の話を聞くと、ふだん何もそういう話ができなくて、その場面で急に言うとね、男性が怒っちゃう。男性って傷つくと怒るじゃないですか。「じゃあ俺、風俗行っていいんだな」とか。

はましゃかさん
“男性は傷つくと怒る”というよりも、“怒る人もいる”じゃないかなと思います。でも「コンドームをつけてもらう」という意識、「男性につけていただく」っていう考え方を、「つけて当たり前」のところに持っていった方がいい。「つけて」とお願いするのがちょっと・・・ってなる時点で全然平等じゃないから。「え?あなたトイレするとき、トイレットペーパーを使わないんですか、拭かないんですか」ぐらいの気持ちで言ってみるのも。それがみんなできれば困らないんでしょうけど。

ディレクター
そうですね、それぐらいの感覚になってくれたら。こんな声も寄せられています。

50代 女性
    「拒否=自分を否定」の感じになるのは、根底に自信のなさがあるのかも。
    もっとお互いを大切にできる文化が育てば、性的同意にもつながるのでは。


信田さん
男性同士の社会で、性的なことって「男のプライドの一番の根幹」という常識があるんじゃないですか。私たち女性がいないところでそれを確認し合ってるんじゃないんでしょうか。男風呂の中とか。

せやろがいおじさん
おっしゃることは間違いなくあって、例えば「今まで経験した女性は何人だったぜ」みたいな。そういうドヤリ合いみたいな、女性をトロフィーのように扱うみたいなことは、絶対たくさんの所で起こっていると思いますね。

さっきのはましゃかさんの言葉はすごくいいなと思ったんですけど、ある程度の関係性ができたときに言える言葉だったりもして。いきなりやられたときとかに、パートナーとそうじゃない人、たとえば上司とかにやられたときは、どうしたらいいんだろうというのはありますよね。

性的同意を語れる社会に
ディレクター
まだまだ話し足りないんですが、時間が来てしまいました!おひとりずつ今日の感想をお願いします。

はましゃかさん
まず、「性的同意」には2種類あるんだなと話していて気づきました。もともと性的関係にない人たちが、双方の間で初めて、「こういう性的な関係になりたい、なろうか」っていうときに取る性的同意と、パートナー間などもともと性的な関係にある人たちが改めてその場で取っていく性的同意と2つある。性的関係にない人たちが初めて取る性的同意も、パートナー間の性的同意もちゃんとやって、考え直していけたらいいなと思った。

それと、さっきの男性のトロフィーの話。男性がトロフィー的な感じでセックスを扱うと言っていたんですけど、私はそれの逆を自分に反映させていて、「男性から性的に見られることはありがたいことなんだ」とずっと思っちゃっていたんですね、20代前半の頃に。さっきの質問にもあったように、自分に自信がないから断れないんじゃないかと思っていたけど、「男性からとか誰かから性的に見られることは別にありがたいことでも何でもない」、「自分で性的に見せるか見せないかを決めていける」という認識が広まっていけばいいなって思いました。

せやろがいおじさん
まず、性的同意自体を知らない人がまだまだいる。「押せばいけるんじゃないか」とか、「女性も喜んでるんじゃないか」という考えの人たちがまだまだいるということで、性のことは秘めごとだから秘めておくんじゃなくて、今日みたいに話していくことがすごく必要だなと思った。

今まさに、性犯罪の刑法改正の議論がまさにされているタイミングです。2017年に(およそ)100年ぶりに刑法が改正されて、その3年後の2020年に、その積み残された課題について議論されているんですよね。地位の関係性とか性交同意年齢とか、パートナーからの性犯罪とか。今日、その積み残された課題についてお話しできて、400人ぐらいがこの話を聞けたというのがめちゃくちゃ貴重な機会になったと思っています。 

僕もこの件について動画で扱ったり、世間的な関心を高めるようなアクションをしていきたいと思いますので、皆さんも、今行われている議論に目を向けてもいいんじゃないかなと思ったりしました。

信田さん
NHKが性暴力に関しての企画をずっと続けてきたことに、すごく意味があると、お世辞じゃなくて本当に思います。 それから、マルクスの本の中に、あらゆる性的な関係が全ての人間関係の基本であるということが書いてある一節があるんですよ*。だからね、性的同意、性的に合意することは、性の問題だけじゃなくて、はましゃかさん、せやろがいさんもおっしゃったように、ふだんのその人たちの関係性がすごく出るところなんですね。だから、「同意が必要ですよ」って言うことは、ふだんの関係性も変わっていくんじゃないかと。はましゃかさんが「拳」っておっしゃったけど、やっぱり同じ部屋に、身体的に大きい人と小さい人が一緒にいるときの圧迫感は、小さい者にしかわからない。だから想像力を持ってですね、男性女性もしくは同性でも、できるだけ対等な関係を作るようにする1つのきっかけとして、この言葉を使われたらいいなと思います。
(*カール・マルクス著 『経済学・哲学草稿』にある「男性の女性に対する関係は、人間の人間に対するもっとも “自然的” な関係である」。)

ディレクター
今日だけでは話し足りないこと、議論できていないことも多々あるので、これからも伝え続け、みんなで考えていけたらなと思っています。

最後にご案内をさせて下さい。望まない性的な行為はすべて性暴力です。もし、あなたや身近な人が被害に遭っていたら、どうか一人で抱え込まずに誰かに相談していただきたいと思っています。まだ社会の議論が追いついていないこともあって、もしかしたら落ち度を責められたり、さらに傷つけられたりしてしまうということがあるかもしれません。でも、あなたの話を否定せずに聞いてくれる人がきっとどこかにいるはずです。1回ダメだったとしても、もう1回別の誰かに打ち明けてほしいです。

性暴力に関する相談窓口、ワンストップ支援センター*が各都道府県に設置されています。
(*一覧はこちらから 【vol.34】あなたの地域の性暴力ワンストップ支援センター

クロ現プラスのサイト「みんなでプラス」でも、性暴力についての取材、発信を続けていく予定です。継続できるのは、寄せていただいた、みなさんの声の力です。ゲストのみなさん、オブザーバーとして参加してくださったみなさん、今日は本当にありがとうございました。

配信中に紹介できませんでしたが、オブザーバーとして参加された方たちから、こんな声も寄せられました。







<オンライン・ディスカッションに関する記事はこちら>

<性犯罪に関する刑法検討会について詳しくはこちら>
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00020.html(*NHKサイトを離れます)

あなたは、性的同意をどのように取ればいいか、どう語り合えばいいと思いますか。また、この記事への考えや思い、今後みんなで話し合ってみたいテーマがあれば、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから お寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou
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2020年8月21日
【性暴力を考えるvol.95】オンライン・ディスカッション報告② 今日だけ“ナマ”でやらせて!
8月5日(水)に開催した、性的同意について考えるオンライン・ディスカッション。「イヤよイヤよも好きのうち?? ~みんなで考える“誰も傷つかない”セックス~」。先週に続き、お笑い芸人のせやろがいおじさん、クリエイターのはましゃかさん、臨床心理士の信田さよ子さんと語り合った内容や、オブザーバーとして参加したみなさんから届いた声をお伝えします。



※この記事では、具体的な性被害の内容にふれています。フラッシュバックなどの症状のある方はご留意ください。
カップル間の「性的同意」 どんな問題が?
飛田陽子ディレクター(以下、ディレクター)  
2つめのテーマは「今日だけ “ナマ”でやらせて!」。取材したケースをもとに架空の事例をご紹介します。



【1】25歳の社会人カップル、つきあって間もなく半年になるC君Dさん。C君の誕生日に、2人で旅行へ。日中は観光し、おいしい料理を食べて楽しく過ごした。
【2】その夜、2人はセックスをする流れになったが、C君はコンドームを持っていなかった。C君は「誕生日だし今日だけはナマでさせて」と言った。
【3】2人はまだ結婚の予定もなく、Dさんは不安な様子を見せるが、C君は「え?俺のこと好きじゃないの?」と迫ってきて、Dさんは仕方なく応じてしまった。
【4】その後、Dさんはしばらく生理が来ず、ひとり不安な日々を過ごした。

ディレクター
これは、仕方なくではあるけれども応じてはいる。しかし同意を取らなくてもいいのか。どうお考えになるでしょうか。

はましゃかさん
まず、「今日だけ」っていうことに関して、安全なのかってことですよね。それは安全じゃない。コンドームをつけることを、避妊のためにするって教育を受けると思うんですけど、それももちろんだけど、性感染症を防止するうえでコンドームって大事じゃないですか。

きょう話してみたいなと思っていたのが、HPV(ヒトパピローマウイルス)という子宮頸がんを引き起こすウイルスです。女性の検査では(子宮頸部の)異形成になったら分かるけど、男性がHPVを持っているかどうかは検査のしようがないんですよね。それを知らないままコンドームをつけずに性的接触をしてしまうと、もし、その一日だけ避妊をせずにしたことでうつしてしまったら・・・。それを知っていれば、絶対、この彼氏は怖くてそんなこと言えないと思うんですよ。プレゼント的な感じでお願いしたっていうのは、それを知らなかったからだと思うんですよ。彼女の命の危険に関わるっていうことを。

相手の行動 知らぬ間に“翻訳”してない?
ディレクター
彼氏が「俺のこと好きじゃないの?」って言ったというのは、「好きだったらナマでさせてくれるもんじゃないの」と言っているわけですね。

はましゃかさん
自分の命とか自分の健康を引き換えに、愛を証明するわけにいかないと思いますけどね。

ディレクター
そうですね。お聞きいただいてる方から意見がきました。

20代 女性
    性的同意を求めることが、
    「ムードを壊すわけではない」ともっと理解されてほしい。


ディレクター
恋人同士であったとしても、同意もそうですし、避妊をしてほしいとか、今日はしたくないと言うことと、あなたのことを好きだとかおつきあいを続けたいということは別なんじゃないかと思っている方、特に女性を中心に多いんじゃないかなと思うんですが、信田さん、いかがでしょう。

信田さん
そうですね。性的なことって圧倒的に女性の側に8、9割の負担がかかるでしょ。身体的に。はましゃかさんがおっしゃったように、もし妊娠したときにどうなるのか。出産したらどうなるのかっていう。「セックスを楽しむのよ」みたいなことを、みなさん言っているけど、女性の側はすごくそういう不安を、リスクを背負っているわけですよ。ということを知ってもらいたいのと、もう1つは「ナマでさせない」ことが「自分を愛していない」というふうに翻訳してしまう、そういう翻訳機は男性の側に捨ててもらいたいなと。

「性的な行為を今日はできない」っていうことと「あなたを愛していない」ってことは別の問題だから。そこは分けてもらいたいなと思いますね。せやろがいさん、どうですか。

せやろがいおじさん
そうですね。本当にお恥ずかしい話なんですけど、ほぼほぼ これに似たケースをやってしまったことがあってですね。おつきあいしている女性がいて、結婚前提にその方とおつきあいしていて、一緒に住み始めたんですね。僕はコンドームをせずにしようとしたことがあって、その時に拒絶されて。当然といえば当然ですよね。でも僕はその時に、変な自分のプライドを守りたいっていうのと、拒絶された恥ずかしさをどうにかしたいっていう気持ちの行き場を、「何なん?俺と結婚する気ないの?」みたいな形でぶつけてしまったことがあるんですよ。今まさにおっしゃった翻訳機な存在だったと思うんですね。で、はましゃかさんがおっしゃったように、この性感染症のリスクを伝えた時に、彼女にこういう指摘をされているということで、なぜか、別に対等な関係のはずなのにプライドが傷ついて、「何なん?俺が遊んでると思ってんのか」みたいな、出口の求め方をしちゃったことがあるんですけど。

はましゃかさん信田さん
なるほど・・・。

せやろがいおじさん
過去の俺に対して、せやろがい動画を作りたいなぐらいなのがあって。僕はもう結婚するとしても、いつ子どもを産みたいかとか、結婚して自分の仕事のキャリアがこうなってから産みたいとか、キャッチボールした上で決めなあかんのに、ただの自分の変なプライドを守ろうとした、わけ分からん言い訳やったなと、ほんまに思いますね。

ディレクター
せやろがいさん、「俺と結婚したくないってこと?」ってぶつけてしまったところから、どう、今のせやろがいおじさんに変遷していったんですか。

せやろがいおじさん
まさにミソジニー(女性蔑視)の考え方がすごいこびりついていて、でもこういう動画を作り始めて本当にいろんなご指摘の声とか、叱っていただく方と出会うことができて、ウワア!ってなった。ウワアッ!て思いながら、ある種これは「成長痛」だと思ってよかったとは思うんですが。動画をいろいろ上げる中で教えていただいてって感じですかね。

ディレクター
ご意見をいただいています。

30代 女性
    避妊しないセックスは性暴力です。
    避妊しないセックスを求めることは、殴る蹴ると同じですよね。


ディレクター
女性からの悲痛な声、本当におっしゃるとおりだなと思いますし、今、せやろがいおじさんが振り返ってくださったとおり、受けとめられるように、もっとみなさんに知っていただきたいなと私自身も思います。でも、(男性は)プライドの問題ととらえてしまう...。

信田さん
そんなぜい弱なプライドよりも、そういう女性の側の言葉を受けとめられることにプライドを持ってもらいたいですよね。「僕ってこんなに相手のことを思えるんだ、これこそ本当に男らしい」。そういうプライドを持ってほしい。コンドーム無しでやれないなら、俺を愛してないのか」って超ぜい弱っていうか、悲しいよね、そういう男性。せやろがいおじさんのすごい勇気ある発言、すばらしい。

はましゃかさん
そうですね。本当にすごいと思います。

せやろがいおじさん
これを見ている男性の中にも、絶対、「ああ...」って思ってる方いると思うんですよ。でも、そういう人には一緒にアップデートできるところがあったらいいねって。多分ここに来てくださってる方は一方的に怒ったりする方じゃないと思うので。安心してしゃべれましたけど。

日本の現状は?
ディレクター
無理やりやってしまうのがいいだとか、避妊のことだとかも具体的に知る機会が増えていると思いつつも、まだまだ遅れてたりもするのかと思うんですけれどもね。

はましゃかさん
女性はピルを飲んだりして避妊をすることはできる。その選択ができるし、これからどんどん広がっていってほしいと思います。でも、それとコンドームを同時に使わないと性感染症が防げないんだよっていうことは本当に知られていなくて、「ピルを飲んでいるんだったら、コンドームをしなくていいじゃん」みたいな発想になる人もいるので。妊娠する可能性がある性行為の場合は、そこの確認を取れるようになったらいいよなって。

どこでしたっけ。性的同意を取らない性行為は全部、違法になったんですよね。

信田さん
ドイツや、スウェーデン?

ディレクター
スウェーデンだったかな*。でも世界の潮流として、同意のない性行為自体を違法とすることに踏み切っている国はひと頃に比べると増えている。信田さん、いかがですかね。日本もそうなるべきですかね。
(*スウェーデンの刑法改正については、「Vol.78 刑法を知っていますか①YES以外はすべてNO」で詳しく伝えています。)

信田さん
そりゃあ、なった方がいいけど、その前にいっぱいやることもあるよね。安く、薬屋さんで妊娠を防ぐ薬を買えるようになるとか。

ディレクター
緊急避妊薬*ですね。アフターピル。
(*避妊を失敗したり、性暴力を受けたりしたときなどに、予期せぬ妊娠を防ぐための医薬品。性行為のあと72時間以内に服用すれば効果がある。)

信田さん
緊急避妊薬。あれをまずやってもらいたいし、あと中絶する数がすごいじゃないですか、10代の。「精子提供責任」、「精子提供罪」っていうのをしたら、こういうことなくなるんじゃないかとか、いろいろ私も考える。

そして性的同意について、特に多くの若い人には知ってもらいたいなと思いますね。

はましゃかさん
日本の性交同意年齢*も、私は低すぎるんじゃないかなと思うんですね。
(*性交同意年齢については、「Vol.87 13歳のYES、それは本物?」で詳しく伝えています。)

ディレクター
13歳ですね。

信田さん
すごいよね、この年齢。

はましゃかさん
性行為を知らないとか性感染症のことを教わってない状態の13歳がいるという事実が、私はすごいぞっとします。13歳の子がもし避妊に失敗してしまったら、アフターピルを買いに行けないですしね。

ディレクター
そうですね。緊急避妊薬に関してはオンライン処方がようやく解禁されたとはいっても、やっぱりクレジットカード決済しか使えなかったりして、10代の方はカードを持ってないから買えないとか。もうそもそも何が同意かということや、性の話を困った時にどう相談したらいいかということを 大人も子どももなかなか分かっていない中で、本当に追い詰められてしまうんじゃないかなと、すごく心配ですね。こんな声もいただいています。

性別関係なく起きる被害
50代 男性
    男性加害者、女性被害者という先入観がありすぎる。
    女性が「私のこと好きじゃないの?」って迫ることもあるはず。


ディレクター
これについて、いかがでしょうか。

せやろがいおじさん
女性から男性への性暴力も当然あると思うんですね。数で見たら、男性から女性の方が多いという現状も踏まえて、安易に男性と女性の被害を同列にするのもちょっと怖いなとは思いつつ、そもそも男性と女性という、この二項対立みたいなこと自体、もう必要ないのかなとも思うんですよね。個と個の間で起きる性暴力、性被害って目線で見ていったほうが、今、セクシュアルマイノリティーの方がどんどん世の中に認められていく中で、男性から男性もきっとあるだろうし、女性から女性もあるだろうし。女性が声を上げてばっかりみたいな状態で、男性は「いや、そんな事なくて」みたいな言い訳ばっかりしているみたいな状況もあると思うから、男性のほうから声を上げていくっていうのもやっぱり増えていく必要があるのかなとも。

信田さん
今の個と個のって話ですけど、それは一番理想ですよ。それはそう思うけど、(日本の)ジェンダーギャップ指数が世界中でビリから数えたほうが早いくらい、いろんな所で社会的に圧倒的に、女性のほうがこんなに意図と反して弱者になっているという事実を変えずしてして個と個の問題にされると、やっぱり女性のほうに負担が来ちゃうんじゃないかな。力の強い弱いっていうものと、性的な問題ってすごく分かち難いところがある。だから申し訳ないけど男性の方には割を食ってもらいたいな。

はましゃかさん
今回の性暴力の話は、女性と男性の被害の割合だと(被害者は)女性が圧倒的に多いというのは、さっきせやろがいさんも言っていたし、そこを前提として、でも性行為ってすべての生物間で起こることだし、性別を持たない人もいます。だから女性同士でも男性同士でも起こり得ることだよねっていうことを常に話していかないと、「女性が」とか「男性が」っていう言い方になったり、異性同士でセックスをするんだっていう前提で話が進んでいくと、置いてきぼりになっちゃう人がきっといるよなっていうところは気をつけながら話していきたい。

あと、やっぱり拳の問題があると思う。けんか、力で勝てるかっていう話になってくる。断られたときに殴り返して防衛できるかできないか。この人には力で勝てないなって思ってる人にされるときの怖さはあるなって。

ディレクター
圧倒的に女性のほうが分が悪いんじゃないかっていう。

はましゃかさん
そうですね。それで筋力をつけていこうって思ったり、やっぱり筋トレなんじゃないかみたいな。

それと、私が自分自身でも加害者になったことがあるな、今までの人生で、と思うことがあって。同意を取らずにハグしてしまった経験って、今まですごいあるんですね。だから自分も加害者だったし被害者でもあったし。両方の過去を思い返すと、さっきのせやろがいさんみたいにアアアアアってなって、もう全部忘れたいみたいな。教育を全部し直したあとの自分からもう1回やり直したいって思いながら。やっぱり自分の中にも加害性があるんだってことは常に向き合っていきたいし、自分が年をとって権力を持ったりとかしたら、さらに起こりやすくなるんだなと思いました。 

ディレクター
さっき、はましゃかさんの「教育」というキーワードもありましたけれど、こんな声も寄せられています。

    そもそも学校教育で性についての勉強をほとんどしないから、
    性行為やリスクについて全く理解していない人が多すぎると思う。
    どれだけ危ないか分かっていないから性暴力が起こる。


ディレクター
イヤなことを「イヤ」って言い合ったり、男、女ということを乗り越えていったりするためにも、まずは性的同意からかなと思うんですが、次は「性的同意をどう確認しあうか」について話し合っていきたいと思います。

※続きは、次回 紹介します。
配信中に紹介できませんでしたが、オブザーバーとして参加された方たちから、こんな声も寄せられました。






<オンライン・ディスカッションに関する記事はこちら>

この記事への あなたの思いや考えを聞かせてください。また、今後みんなで話し合ってみたいテーマがあれば、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから お寄せください。
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2020年8月14日
【性暴力を考えるvol.94】オンライン・ディスカッション報告① キスに同意は必要?
先週8月5日(水)に開催した、性的同意について考えるオンライン・ディスカッション「イヤよイヤよも好きのうち?? ~みんなで考える“誰も傷つかない”セックス~」。お笑い芸人のせやろがいおじさん、クリエイターのはましゃかさん、臨床心理士の信田さよこさんの3人と語り合った内容や、オブザーバーとして参加した みなさんから届いた声を3回続けてお伝えします。



※この記事では、具体的な性被害の内容にふれています。フラッシュバックなどの症状のある方はご留意ください。

性的同意、どんなイメージ?
飛田陽子ディレクター(以下、ディレクター)  
今夜、語り合う内容はこちら。

きょうのテーマ

この3つのテーマ、全てに共通しているキーワードは「性的同意」です。これ、耳で聞くとなかなか難しい言葉かなと思うんですが、はましゃかさん、「性的同意」って聞いたことありますか。

はましゃかさん
はい。聞いたことあるし、私は性的同意、大好きです!

ディレクター
「大好き!」っていうのは?

はましゃかさん
性的同意って、けっこう堅苦しく思われることが多いと思うんですけど、私は性的同意を積極的に取っていくのが好きというか、すごく楽しくて、セクシーで、面白くなることもあるし、自分はすごく好きという印象があります。

ディレクター
すごく前向きに捉えていらっしゃるっていうことですね。 せやろがいおじさん、性的同意ってどういうイメージをお持ちですか。

せやろがいおじさん
まぁ、私もですね、果たして僕が今までしてきた体験の中で性的同意を全てちゃんと取れていたのかと思うと、自分で振り返ってみた時どうだったんだろうなということがあるので。僕の体験を今日お話ししていく中でひょっとしたら、「うわ!これはやばかったな」みたいなことに出会う可能性があって。なんかすごくみなさんからお叱りを受ける可能性があるんじゃないかなみたいな。ドキドキ感をちょっと感じながら、でも自分のアップデートしなければいけない感覚を見つけられたら、今日はみっけもんだなっていう感じで、参加させていただきたいと思います。

ディレクター
ありがとうございます。私自身もまだまだ勉強中です。今日は包み隠さずオープンに、性的同意についてお話しできたらな、と思っています。まず「性的同意」というのは、キスやセックスなどの性的な行為の時に、お互いの意思を確認し合うことです。

性的同意とは

ディレクター
はましゃかさんが前向きに捉えてらっしゃるように、すごく大切なことではありますが、じゃあいざという時、実際どうしたらいいんだろうっていうことは、私自身も「難しいな」と常日頃、思っています。何が「同意」に当たるのか、認識がすれ違うことでトラブルとか性暴力被害ということにもつながっているんじゃないのかなと思います。

信田さん、先日ツイッターで、「誰も傷つかないセックスじゃなくて、相手を傷つけないセックスをするために、性的同意を今考えておくことが大事なんだ」って発信されていましたが、今この時代に性的同意をみんなで議論することの意義、どのように捉えていらっしゃいますか。

信田さよ子さん(以下、信田さん)
そうですね。「誰も傷つかないセックス」っていうのは、そもそも私はあんまり、ありえないというふうに思っているし、あと「イヤよイヤよも、好きのうち」とか、これ誰が付けたタイトルか分からないけど、いつの話?みたいな。これがNHKのタイトルになっちゃうと、こういうものかって思ったり、こういうふうに思っている人って、やっぱりかなり男性に多いと思うんですよね。だから、「『イヤ』って言われたってやっちゃえばいいんだよ」とか、「絶対そんなの口で言っているだけだよ」とか、ちょっと前に芸人でいたじゃないですか。「ダメダメダメ」とか。

せやろがいおじさん
「ダメよ、ダメダメ」。

信田さん
「ダメよ、ダメダメ」か。あれも、3歳から4歳の子も言っていたじゃないですか。ああいう性的なことに関しては、ダメダメっていうのが裏にあるイエスの表現であるみたいな、こういう常識が日本でけっこう強い中で、この「性的同意」って言葉が入ってきたことの意味は、私はすごくあると思っているんです。そして初めて、男性と女性がある意味で同意をする、性に関して、無理やりではなくて。こういうことが若い人を中心に課題になって、NHKのこういう番組のテーマになるっていうのは、私は画期的なことじゃないかなと思って。すばらしい企画じゃないかなと思っています。

ディレクター
ありがとうございます。最後応援していただいて恐縮です。「イヤよイヤよも好きのうち??」ぐらいの気持ちを込めてタイトルを付けたつもりでして、今日はその辺りも是非話していけたらと。相手だけじゃなくて自分自身も無理して我慢して傷ついちゃうなんてことは悲しいと思いますし。本来キスだとかセックスって2人で、幸せに楽しめるものだったりもするので、どうすればいいのか、ぜひ私自身も考えていけたらなと思います。

突然のハグやキス…
ディレクター
それでは早速、「キスに同意は必要?」というテーマに入っていきたいと思います。各テーマですが、これまでの私たちの取材をもとに作った架空の事例をベースにご意見を交わしていきたいと思います。まず最初の事例が、こちら。

事例1キスに同意は必要?

【1】高校で同じ部活のAくん(高3)Bさん(高2)
【2】たまたま帰り道が一緒になり、AくんがBさんを「気分転換にカラオケに寄ろう」と誘い、Bさんはついて行った。
【3】2人は個室でしばらく歌っていたが、突然、BさんはAくんに抱きしめられた。Bさんは「いやです、やめてください」と言ったが、AくんはBさんを離さず、さらにキスをした。
【4】その後、Bさんは、Aくんと顔を合わせたくなくなり、部活を休みがちに・・・。

ディレクター
同意なく抱きしめられた、同意なくキスまでされた。「イヤ」と言ったのに(相手は)止まらなかったという事例なんですが、みなさん、どんなことを感じますか。

はましゃかさん
さっき「性的同意 大好き」って言ったんですけど、こう思うようになったのも本当に私も最近で、大学生ぐらいまでは全然そういうこと考えたことなかったので、こういうカラオケでとかも自分にも経験ありますし、同意を取られずに抱きしめられたことも確かにあるなって。話を聞くと、「うん、経験があるな」って思いましたね。

信田さん
その経験を今どう思っていますか。

はましゃかさん
その当時はやっぱり自分にも相手にも、情報の共有というか、教育の共有が足りていなかった。お互い(同意が)必要だよねっていうことが分かっていなかったから、自分がされてもそれをイヤだとか、ダメなことをされたって思えなかったし、相手もダメなことをしたんだなというふうに多分思っていなくて、「仲良くなれるチャンス」みたいな感じで来られたのかもしれないし。私も別に、嫌いな人ではないけど、まさかそういうふうな身体的接触されるとは思っていなかったから、びっくりしたけど、そのびっくりがドキドキとちょっと勘違いしちゃって。「これが恋か」、みたいなふうに、ちょっと不安とびっくりが混じっちゃって、自分の中でどういう感情を持っていいか分かんないって、その当時は考えていましたね。

でも最近は性的同意のイメージが広まって、「(性的同意を)取ろう」って思う意識の人が、自分の周りの友達とかにも多いので、そういうことになる時もやっぱり「ハグしていい?」とか、確認し合う癖はつくようになってきているなと思いますね。

信田さん
教育って大事ですね。

はましゃかさん
ですね!教育って大事ですね、ほんとにそう思います。

信田さん
さっき、「びっくりしたのとドキドキっていうのは区別つかない」っておっしゃったじゃないですか。でも今までの日本の文学とか、いろんなものに全部それはドキドキって。「彼女は突然驚いたけれど、うれしげにのけぞった」みたいな。

はましゃかさん
どこの官能小説ですか。(笑)

せやろがいおじさん
少女漫画にそういうシチュエーション、ありますよね。なんかこういきなり、ヒーローの男の人にガッて抱きしめられて、こう目がトゥンク...になっちゃうみたいな。そういうシーンって確かにありますよね。

はましゃかさん
ありますね、ありますね。

信田さん
そうそう。それ大抵ね、描いているのは男性作家だと思うんですよね。

はましゃかさん
まあ少女漫画でも見ますけどね。「壁ドン」とかもけっこうはやったし。突然キスされるとかも けっこうあるシチュエーションかな。キスで同意をとっている少女漫画、あんまり読んだことないなあ。あると言えばあるけど、少ない。

ディレクター
それって多分された側が「これがドキドキっていうことなのか?」っていうふうに、はましゃかさんが思ってしまったみたいに、この事例で言うとAくんの側も、何もBさんを傷つけてやろうってやっているんじゃないんじゃないかなって。メディアも含めてですが、“友達以上 恋人未満”みたいな形で「突然のキスで始まる恋」とか、「2人っきりになったら ちょっとモーションかけないと男が廃る」みたいに、正直思っちゃうのかなって。すごく難しいなって思いますが、せやろがいおじさん、どうですか。

せやろがいおじさん
いやあのね、クラスに「あの女子としょっちゅう目合うから、あいつ俺のこと好きなんちゃうか」みたいな勘違い野郎がいたんですが、僕なんですけど。

信田さん
(笑)

はましゃかさん
自己申告制なんですね。

せやろがいおじさん
僕ね、ちょっとAくんの気持ちを想像した時に、「あいつ部活でもよく俺としゃべってくれるし、俺に気あるんちゃうか」と。で、「一緒に帰ってくれるし、これ俺に脈あるんちゃうか」と。「2人でカラオケ行ってくれたし、これ脈あるんちゃうか」と。ってことはもう、ギュッてするとこまでいけば、もうキスできるだろう、みたいな。相手のことではなく、自分目線での既成事実がどんどんどんどん積み上がっていった結果、相手は全くそんな気ないのに「イヤだ」っていう言葉すら、それこそ今、今回のタイトルになってる「イヤよイヤよも好きのうち、なのか?」みたいな。「押せばなんとかなるのか?」みたいな、そんなふうに思ってしまったのかなと。

僕自身も大変恥ずかしいんですけど、女性と食事に行ってラブホテルに行って、ラブホテルに2人で行ったら もうそれは行為ができるだろうと。とてつもない鼻息の、鼻息の風速が最大瞬間風速記録したんですけどね。

信田さん
ははは、すみません、おかしくて。(笑)

せやろがいおじさん
その時に、でも結局相手はそんなつもりがなかったんですよね。だから男性側が勝手に、既成事実とか、「ここまでいけばいけるだろう」みたいなゴール地点を勝手に決めて、女性の思いに至らないっていうのは、まああるだろうなっていうのはちょっと思いましたね。

上下関係と“同意”  どう考える?
信田さん
高校3年と2年っていう「学年の違い」っていうのもポイントだと思うんですよね。例えばこれ会社だったら、上司。上司からカラオケ誘われて一緒に行って、ちょっと飲んで、なんか抱きつかれたりした時に、部下としてはどうしていいのかとか。そんな話、掃いて捨てるくらいあると思うんですよね。その時って性的同意ってどうなんだろう。

せやろがいおじさん
僕、でもこのAくんね、少なくともめっちゃアホか、めっちゃしたたかか、どっちかだと思うんですよ。

ディレクター
といいますと?

せやろがいおじさん
学年の差があるってことは自分の方が上だから相手が断りにくいっていうシチュエーションは、もう分かるはずじゃないですか。

はましゃかさん
あぁ~。

せやろがいおじさん
それくらい天然ちゃんなのか、もしくは、分かった上で「後輩やから断りにくいやろう」って、こういうシチュエーションに持ち込んでんのか。この二択だと思うんですよね。後者だったらもう本当、ひきょうですよね。

はましゃかさん
さっき年齢差の話が出たんで、私よく「先輩フィルター」って言葉を使うんですけど、先輩ってかっこよく見えるっていう魔法にかかるって自分は思っていて。私はずっと女子校だったんで大学入ってからなんですけど、先輩がやたらかっこよく見えて、ちょっとダメな先輩でも先輩だからかっこいいみたいな。なんか頼み事されても先輩だからついてっちゃうみたいな、なんかそういうのがあったなと思って。

ディレクター
「先輩フィルター」。

はましゃかさん
そう。っていうのもやっぱり断りにくいっていうのも効いてるんだなって。なんか飲みに誘われても「先輩だから行こう」って言って、話も経験が自分よりあるからなんかすごいんじゃないかとか、知らないこと教えてくれるからタメになるんじゃないかとか、「すごいですね」とか言っていると かっこ良く見えてくるみたいな現象が起こるので、「先輩フィルター」に気を付けようって考えてます。

ディレクター
今おっしゃった上下関係って、結構キーワードかなと思います。立場によってはやっぱりはっきり「イヤ」って言ったり、逃げることが難しいっていうことは往々にして起きるのかなと思います。みなさんからも、この上下関係について、すごく声が届いています。

40代 女性
    相手は10歳以上 年上の「先生」と呼ばれる立場の人。
    性行為を強要され 身体が動かず、声が出なかった。
20代 男性
    相手は年上の女性。
    拒否をすると弱い・情けない男と思われ 嫌われると思って応じた。

ディレクター
他にもたくさんのご意見をいただいています。架空の事例では男性が加害者で被害者が女性ということにしているんですが、こうした声を見ていると、性別関係なく、立場や関係性に上下があるだとか、上から下に対して被害が起きてしまうことが伺えるのかと思うんですが、信田さん、いかがでしょう。

信田さん
今、はましゃかさんがね、「フィルター」って言葉使われたでしょ。すごくあれは面白い、いい表現だなと思うんですけど。それって例えばね、すごいIT長者を見る時に、「この人、背は低いけど、すごい何億って年収あるらしい」っていうと、フィルターかかるじゃないですか。やっぱり自分にないものを持っている力のある人、そして自分を包んでくれるだろうっていう、こうフィルターになると思うんですよ。

だから性についてやっぱり力の強い弱いとか、上下っていうのはついて回るもので、今の投稿にもありましたけど、やっぱり先生と生徒とか、あと親と子とか。兄と妹とか。もう超えられないその上下の中で、こういうことって起こったりしていて、相手はだから悪気がなくて、「イヤ」って言わないからいいだろうみたいな・・・。

せやろがいおじさん
今回のケース、上下の立場の差で断りにくいっていうのもあると思うんですけど、ここで断って、ことを荒げてしまったら同じ所属しているコミュニティで過ごしづらくなるっていう、その強迫観念もあったと思うんですよね。ここでワーッてなってしまったら・・・あかんみたいな。親子間での性暴力のときも、今こうやって親の庇護(ひご)を受けないと生活できないってお子さんが、性暴力を受けた時に強く拒否できないみたいなことを、構図としてやっぱ似ているのかなと思ったんですね。

信田さん
それはそうですね。

せやろがいおじさん
上下の立場の差、コミュニティ問題っていう、その2点が言えるのかなと思いましたね。

はましゃかさん
そういう事例はいっぱいあると思うんですけど、大体そういう上下関係があることで、下の人は その上の立場の人が属しているグループとか団体から絶対に追い出されるんですよね。この部活も多分、さっき、せやろがいさんが言っていたみたいに、この人(女性)ももう居づらくなる、結局学校に来づらくなるっていうので、その社会から外されるっていう。で、多分そういう上の立場の人からセクハラを受けた人も、その(被害を受けた)人が去るしかないっていうのがずっとある構造で悲しいなって。被害を受けた人がそのままその場にいて、安心に暮らせるようになっていけばいいのになって思いますね。

信田さん
私たちのカウンセリングには、セクハラの加害者的な人などが、そのコミュニティとか組織の命令で来る人もいるんですね。今、はましゃかさんもおっしゃったように、ほんと不思議ですよね、なぜその女性が我慢して黙っていなきゃいけないのか。した側は守られて、どうして された側だけが黙っていなきゃいけないのかっていうことに対する第一歩が、この「性的同意」という言葉じゃないかなと思うんですよね。

だから「同意がいる」ということを、女性ももちろん知る必要があるけれど、やっぱり(男性も)カラオケに行った時に、「そうだ、性的同意って学校で勉強したな」とかって思えるとね、ちょっと違うのかなって思うんです。あと企業の幹部の人にも勉強してもらいたいですよね。

メディアの影響を指摘する声も・・・
ディレクター
上司と部下にも関係するのかなと思うんですが、今ご覧いただいている方から、「強引に抱きしめたりキスをしたりして、それをされた側がときめく。そういう漫画の影響も、少年漫画でも少女漫画でもありますよね」という感想が来ています。

寄せられた声
    強引に抱きしめたりキスしたりして、それをされた側がときめく。
    マンガの影響って大いにありますよね。
    少年マンガも少女マンガも。

ディレクター
私、この感想をいただいて思ったのが、上司と部下だったり先輩後輩だったり、上下関係があるっていうのも含めて描かれてしまっているのは、漫画だけではなくテレビとかでもあるのかなって。そういうところから考え直すというか、伝え方、表現の仕方を変えていった方がいいんじゃないかなと思うところがあったりします。

信田さん
少女漫画のそういう設定なんですけど、読んでいると自ら相手をそういうふうに誘って、能動性はどこにあるのか。つまり自分を押し倒す人が能動的なのか、押し倒すようにして(誘って)「フフ、はまったわね、この人」っていう女性の側に能動性があるのか。その辺りはね、こういうメディアを通して「壁ドン」とかをやっていると、いわゆる被害を受けるといわれている女性の側もしたたかになって、実はその場を操作するという。私はそれがいいと思わないけど、そういうのもあるんじゃないかと。ある種のSMゲームみたいに楽しむこともできるのかもしれないけれど、でも全く突然にやられたら、それはすごいショックだし、やっぱり女の子も学校行けなくなるっていうこともあったでしょ。その衝撃っていうのはね、想像以上に深いものがあるので、そのことを知ってもらいたいなと思いますよ。

ディレクター
そうですね。された側はいかに傷つくか。

せやろがいおじさん
やっぱこの「壁ドンされてトゥンク...」みたいな。ギュッと抱きしめられたり、突如 花火が上がったらチューされたり、それでトゥンクみたいなのがあって。あ、じゃあこういときこうすればいいのかみたいなこと、例えば「ラブホテルに2人で行ったらOKなんでしょ?」みたいな常識が蔓延すると、「今回のこのケースで言えばカラオケに2人で行った女の人にも非あるよね」、みたいな責め方をする人が現れると思うんですよ。

信田さん
ああ、いるね。

せやろがいおじさん
社会のコンセンサスが生まれて、それによって女性側に非を見いだそうとする人がいると思うんですよ。で、女性はただ2人でカラオケに行っただけなのに、急にやられて不快な思いしたのに、さらに責められて。で、「自分自身も私も悪かったのかな」って。これ三重苦。

ディレクター
せやろがいおじさんのおっしゃってくださった、「責められてしまう」ということのつらさも含めて、もっとお話を進めていきたいと思います。

※続きは、次回 紹介します。

配信中に紹介できませんでしたが、オブザーバーとして参加された方たちから、
こんな声も寄せられました。




<オンライン・ディスカッションに関する記事はこちら>
・vol.93 みなさんの声から生まれた オンライン・ディスカッション 開催報告

この記事への あなたの思いや考えを聞かせてください。また、今後みんなで話し合ってみたいテーマがあれば、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから お寄せください。
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2020年8月7日
【性暴力を考えるvol.93】みなさんの声から生まれた オンライン・ディスカッション 開催報告
「みんなでプラス 性暴力を考える」取材班は、8月5日(水)よる21時から、オンライン・ディスカッションを開きました。タイトルは『イヤよイヤよも 好きのうち?? ~みんなで考える “誰も傷つかない”セックス』。平日の夜にも関わらず、400人以上がオブザーバーとして参加し、たくさんのご意見や質問を寄せてくださいました。ありがとうございました。

※この記事では、具体的な性被害の内容にふれています。フラッシュバックなどの症状のある方はご留意ください。
「性的同意」を語りたい!
議論したテーマは「性的同意」、キスやセックスなどの性的な行為のときにお互いの意志を確認することです。この1年間、みなさんからホームページに寄せられた声を取材し、性暴力が学校や職場など日常生活の沿線上で起きていることや、“顔見知り”からの被害が多いことを知るにつれ、「性的同意」について、みんなで話し、考えることの大切さを痛感しました。そこで、オンライン・ディスカッションを開きました。

ゲストには、さまざまな社会問題について 自分の考えを海で叫ぶ動画をYouTubeで発信している せやろがいおじさん(お笑い芸人)、女性ファッション誌やSNSで、自分のライフスタイルや考えを発信している はましゃかさん(クリエーター)、性暴力や家族間の問題に長年 取り組んでいる信田さよ子さん(臨床心理士)を迎え、「性暴力を考える」ディレクターの飛田陽子と4人で、1時間あまり、ざっくばらんに語り合いました。
キスに同意は必要?
まず話し合ったのは、「キスをするときも、相手の意志を確認する必要があるかどうか」。これまでの取材から作った “友人以上、恋人未満”の高校生の架空の事例をもとに、議論を進めました。









ある日、部活動の帰り道。Aくん(高校3年生)はBさん(高校2年生)をカラオケに行こうと誘います。2人は個室で歌っていましたが、突然、BさんはAくんから抱きしめられました。Bさんは「やめてください」と言いましたが、Aくんはさらにキスしてきました。以来、BさんはAさんに会いたくなくなり、部活を休みがちに・・・。Aくん、Bさんは、それぞれどんな思いから、こうした行動をとったのでしょうか。

「今日だけ “ナマ” でやらせて!」
次に話し合ったのは、「カップルや夫婦間の性的同意をめぐるトラブルについてです。
つきあって間もなく半年を迎えるCくん(25歳)とDさん(25歳)。Cくんの誕生日に2人は旅行に出かけました。









その晩、セックスをする雰囲気になりましたが、Cくんはコンドームを持っていませんでした。「俺の誕生日だし、今日だけはナマでやらせて。外に出すから大丈夫」と言います。 2人はまだ結婚の約束もしていません。妊娠のリスクを負いたくないDさんが不安なようすを見せると、Cくんは「俺のこと好きじゃないの?」と迫ります。Dさんは、仕方なくセックスに応じましたが、その後、生理が予定日になっても来ず、ひとり不安な日々を過ごすことに…。みなさんは、恋人同士でセックスをするときに、同意を確認しあうことは必要と思いますか。避妊についてどのように考えますか。

それぞれのケースについて、3人のゲストやオブザーバーのみなさんは、どう考え、感じたのでしょうか。次回、詳しくお伝えする予定です。

オンライン・ディスカッションを聞いて感じたことや、この記事を読んでの あなたの思いや考えを聞かせてください。また、今後みんなで話し合ってみたいテーマがあれば、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
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2020年7月31日
性的同意について話すオンラインイベント 参加者募集 “誰も傷つかない”セックスは可能? 【性暴力を考えるvol.92】
8月5日(水)21時~ オンライン・ディスカッション「イヤよイヤよも 好きのうち?? ~みんなで考える “誰も傷つかない”セックス~」を開催します。テーマは「性的同意」、“キスやセックスなどの性的な行為のときに、お互いの意思を確認すること”です。日本には「イヤよイヤよも好きのうち…」という言葉があったり、相手の気持ちを“察する”ことが求められたりしやすいだけに、いろいろなトラブルが…。

ゲストは、さまざまな社会問題について自分の考えを叫ぶ動画を発信している せやろがいおじさん、女性ファッション誌やSNSで自分のライフスタイルや考えを発信している はましゃかさん、性暴力や家族の問題に長年取り組んでいる臨床心理士の信田さよ子さんです。性的同意をめぐる“友達以上、恋人未満”の2人、カップルの間の“性的同意”をめぐるトラブルや防止策などについて、自分・相手・周囲、それぞれの視点を交えて、ざっくばらんに語り合います。

今回は、オンラインの配信のみ。事前に登録いただければ、オブザーバーとして参加できます。誰の身近にもある“性的同意”の問題、いっしょに考えませんか?
事前登録はこちらから。↓↓
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2020年7月28日
【性暴力を考えるvol.91】どう考える? “予期せぬ妊娠”と緊急避妊薬
新型コロナの影響が続く中、“予期せぬ妊娠”への不安を抱える女性が増えています。“予期せぬ妊娠”を防ぐ「緊急避妊薬」。WHO(世界保健機関)が誰もが安く 簡単に入手できることが望ましいものとして必須医薬品に指定している薬で、性行為から72時間以内に服用すれば80%以上の確率で妊娠を防ぐことができるといわれています。現在、世界86か国で医師の処方箋を必要とせずに購入することができますが、日本では医師の診察を受けることが必要です。緊急避妊薬の扱いについて、私たちはどう考えればいいのでしょうか。
(あす7月29日(水)の『おはよう日本』でも伝えます。)

(さいたま放送局 記者 信藤敦子・NHKグローバルメディアサービス ディレクター 飛田陽子)


新型コロナの陰で…急増する“予期せぬ妊娠”に関する相談
10代や20代の若者を中心に、性に関するメール相談に応じているNPO法人「ピルコン」では、3月から相談が急増しています。その数は、589件に上ります(6月末現在)。なにが起きているのか。「性暴力を考える」取材班は、寄せられた相談の内容を、名前などの個人情報を伏せた上で、教えてもらいました。


(寄せられたメール)

1通1通のメールから浮かぶのは、パートナーにも、親や先生など身近な大人にも、不安な気持ちを打ち明けられないでいる孤独な姿です。NPO「ピルコン」代表理事の染矢明日香(そめや あすか)さんは、コロナ禍で相談が急増した背景について、休校が続くなか 子どもだけでやりとりする時間が増え、性行為の機会そのものが増えた可能性があると指摘します。さらに「春に予定されていた性教育の出前授業や講演が軒並み中止になったことの影響も感じています。今まで わずからながらあった、10代が性について考える機会が損なわれていることが心配です」と話していました。

#緊急避妊薬を薬局で 声をあげ始めた人たち

(緊急避妊薬)

各国では、避妊の失敗や性暴力被害に遭った時などに“予期せぬ妊娠”を防ぐために、緊急避妊薬が使われています。性行為から72時間以内に服用すれば、80%以上の確率で妊娠を回避することができるといわれている薬です。アメリカやイギリスなど、多くの国では薬局で購入できますが、日本では産婦人科を受診して事情を説明し、処方が必要と判断されない限り、手に入れることができません。かかる費用も1~2万円程度と、国際的に見ても高額(※)です。SNSなどを介し、本物かどうか定かでない“輸入品”の売買が横行しているケースもあり、このまま医師の処方を必須とし続けるべきかどうか、議論を呼んでいます。
(※性暴力の被害を受け、警察に被害届が受理されれば、公費負担となります。)


(7月21日 厚生労働省に要望書を提出)

新型コロナの陰で、“予期せぬ妊娠”への不安がかつてないほど高まっている今だからこそ、緊急避妊薬を薬剤師の関与のもと薬局で買えるようにしてほしい―。今月21日、中絶経験のある女性たちや薬局での購入に賛成する産婦人科医、性に関する相談に応じている支援機関などでつくる団体が共同で、厚生労働省に要望書を提出しました。一方、日本産婦人科医会など 薬の処方に関連する学会からは、薬局で扱うことに対して、「避妊方法などを学ぶ性教育をより充実させるべき」など慎重な声も上がっています。

“予期せぬ妊娠”の不安に直面した時の選択肢である緊急避妊薬。あすの『おはよう日本』で詳しく考えます。

放送予定:2020年7月29日(水)午前7時台
<総合>『NHKニュース おはよう日本』けさのクローズアップ
(※ニュースのため 直前に変更されることがあります。)

みなさんは、“予期せぬ妊娠”の不安に直面したことはありますか?その時の思いや、緊急避妊薬の取り扱いをめぐる議論について、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
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2020年7月22日
【性暴力を考えるvol.90】 現場報告 幼児期からの性教育
政府は、今年度から2022年度までの3年間を性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」と定め、強化する対策のひとつに「教育・啓発活動」をあげています。その中で、子どもを性暴力の当事者としないために、「幼児期や小学校低学年で、被害に気づき予防できるよう、自分の身を守ることの重要性や嫌なことをされたら訴えることの必要性を幼児児童に教える」としています。

実際に、幼い子どもたちが性暴力から自分の身を守るために、何をどのように教えたらいいのか。子どもたちに自分の体の大切さについて伝えている幼稚園を取材し、ヒントを探りました。

(報道局 社会番組部 ディレクター 神津善之)


プールの着替え、男女別なのはなぜだろう?

(授業の様子)

「おはようございます!きょうはみなさんに、体のお話をしたいと思います。」

東京都世田谷区にある私立和光幼稚園。7月上旬、園長の北山ひと美先生が、5歳児のクラスに語りかけました。年に2、3回行っている授業 「こころとからだの学習」です。自分や友だちの「体」を意識するようになってきた子どもたちに、『自分の体は自分だけのもの、自分の体も友だちの体も大切にすることが大事』と教えています。

北山先生はまず、プールの授業が始まったことをきっかけに、「着替え」の場面から話を切りだしました。

北山先生
「プールに入るときって、そのまま入る?入らないよね。水着に着替えるね。着替えるときって、みんなどこで着替えているの?」

子どもたち
「教室、お部屋!」
「女の子と男の子、分かれて」
「恥ずかしくなるといけないから、壁をつくっている」

「恥ずかしい」という子どもの発言をきっかけに、北山先生は、次の質問を投げかけます。

北山先生
「女の子、男の子で分かれて着替えるのは、いっしょだと恥ずかしいから?いっしょだと恥ずかしいのは、なんでかな?」

子どもたち
「お股とか見られると恥ずかしいから」
「裸になると恥ずかしい」
「男の子、女の子、どっちに見られるのも恥ずかしい」



(積極的に発言する子どもたち)

こうしたやりとりを繰り返す中で、北山先生は子どもたちに、「ほかの人に見られたくない、見られたら恥ずかしいと感じる体の部分がある」ということを意識させます。そうした感覚は、自分の体を守るために欠かせないと考えているからです。

大切な体の部位には“名前”がある
続いて、男女の体の違い、性器について話を展開します。「おちんちん」、「おまた」など子ども向けの言い方もありますが、北山先生はあえて、「男の子の性器」、「女の子の性器」と教えています。きちんとした名前で体の部位を認識することは、大切な体の一部だと意識することにつながると考えているからです。そして、性器は他の人が勝手に見たり触れたりしてはいけない場所だと伝えます。


(男女の体の違いについて学ぶ子どもたち)


(授業で使用する人形)

このときに使うのは、オーストラリアで販売されている赤ちゃんの人形。日本で販売されているものとは違い、男女それぞれに性器がついています。この人形を使いながら、服を着ているとほとんど一緒に見えるけれど、赤ちゃんのときから男女で性器が違うことも説明します。

北山先生
「男の子と女の子で性器の形は違いますね。性器は見られると恥ずかしいから、いつもパンツをはいて隠しているし、プールに入るときには水着を着て隠すんだね。自分の体は全部大事だけれど、見られないように隠している場所は特に大事なところです。」

およそ25分間の授業。子どもたちは真剣に北山先生の話を聞いていました。最後に、先生が「ほかに知りたいことは?」と尋ねると、たくさんの子どもたちが手をあげました。「なんで男の子と女の子がいるの?」、「どうして性器はちがうの?」など、体への興味は尽きない様子でした。

北山先生は、男女の体の違いに関心を持ち始め、「知りたい」という気持ちが出てくる幼児期にこそ、しっかり教えるべきだと考えています。そして、性被害から子どもを守るためにも、幼いうちから、「自分の体は大事なもの」という感覚を育むことが大切だと言います。

さらに授業では、誰かから 体を触られたときに、「うれしいタッチ」と「いやなタッチ」があり、「いやなタッチ」をされたときは「いやだ!」「やめて!」と言っていいと伝えています。


(和光幼稚園・園長 北山ひと美先生)

北山先生
「自分の体が大事だと思えば、その大事な体を、他の人から いやな感じで触られたときに違和感を覚え、『やめてほしい』とはっきり言えることにつながると思うんです。大事な体を侵害するものは許さないという感覚を幼いころから育てたいと考えています。」


「からだ観」を育むのは、“日常”から

(左から 岩月達郎先生・冨宇加栄里子先生・堤壽一先生・浦野匡子先生)

幼稚園で「こころとからだの学習」を始めて4年。現場の先生たちはどう感じているのか。話を聞くと、授業はあくまでひとつの機会であり、日ごろから、子どもたちの「からだ観」を育むことが大切と話してくれました。おしりを出したり、性器を出したりして喜んでいる子どもがいたら、どう声をかけるのか。着替えのときにパンツを履かずに靴下から履く子どもにどう説明するのか。先生の胸を触ってくる子どもに、どう対応するのか…。日々、模索を続けていると言います。

5歳児を担当する浦野匡子先生
「その時々の子どもの行動をどう捉えて対応するか、私たちも学びながら、どうやって声をかけようかな、こんなふうに声かけちゃったけどよかったのかな、とか振り返っています。毎日のそういう積み重ねの中で子どもたちも、気がつき、変化していくのではないかと思います。」

「こころとからだの学習」を始めたころは、幼い子どもたちに性について教えることは本当に必要なのかと思う先生もいたそうですが、今では、子どもは放っておいて育つわけではなく、学習して知識を得ることで意識することにつながる、と考えているそうです。

また、一方的に子どもたちに教えればいいというわけでもないといいます。相手とどんな関係であっても、自分がされていやなことは「いや」と伝え、「いや」と言われたことはやめるなど、みんなが気持ちよく生活するためのルールを子どもたちと確かめ合う時間も、性教育につながると考えています。中には、先生が子どもの持ち物を整理するときには、「こうしていい?」、「ああしていい?」と確認することで、「自分のものは自分のもの」という感覚も幼児期から育つように意識しているという先生もいました。

こうした性教育を行うことは、ひとりひとりの子どもを大切にすることにつながると考えるようになったそうです。

5歳児を担当する冨宇加栄里子先生
「子どものことを大事に思っていれば、自ずと性についてなおざなりにできない、と感じるようになりました。人権の中に、性は当たり前のように入っていると思います。子どもたち自身が、人権の感覚を身につけられるようにする教育の中に、当たり前に、性のことは含まれてくると思います。」


保育者たちで学ぶ機会も

(セミナーで発表する和光幼稚園の浦野匡子先生)

いま、乳幼児への性教育に対する関心は高まっています。去年12月に東京都内で開かれた、“人間と性”教育研究協議会「乳幼児の性と性教育サークル」が主催したセミナーには、全国各地から150人以上が参加。保育園や幼稚園の現場で起きた事例の共有や、実践例の検討など、2日間にわたり講演やグループワークが行われました。和光幼稚園の先生も参加していました。

幼児への性教育に取り組む現場から見えてきたのは、子どもへの指導や性教育は、子どもの成長やそのときの状況にあわせて話をするような柔軟な授業に加え、日々の生活の中で子どもの感覚や価値観を育んでいくものであるということ、そして、そのためには、保育者の根気強い取り組みが欠かせないということです。

政府が進める「性犯罪・性暴力対策の強化」が本当に子どもにとって有意義な対策となるためには、こうした子どもたちの教育や保育の現場の声を反映した具体的な実施の方法が検討される必要があると感じました。

<性教育に関するほかのトピックはこちら>

みなさんは、性暴力から子どもを守るために、どんな教育が必要だと思いますか? 下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
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2020年7月17日
【性暴力を考えるvol.89】 「私が求める“性犯罪・性暴力対策”② トラウマ治療体制の充実」
先月(6月)に政府が発表した「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」について、みなさんから寄せられたご意見を、前回に引き続き 詳しく紹介します。(「Vol.88 私が求める“性犯罪・性暴力対策”①」はこちらから。

政府は方針の中で、被害者の中長期的な支援体制の確立に向けて、トラウマ治療体制の充実の検討を挙げています。性犯罪・性暴力の影響がトラウマになり、それが中長期にわたりうること、そして、精神科専門医などによる適切な治療によって回復できるものであることを示す一方、「専門性を備えた医師が不足しており、医師等の専門職の育成と適切な処遇についての検討を行う」としています。

今回は、「トラウマ」への理解や治療体制の整備を求める声を紹介します。

トラウマは 被害から時間がたっていても 現れる
大学生のときに知人の男性から性被害に遭ったという女性が、自身の経験とそのトラウマによる苦しみをメールで寄せてくれました。



この女性に、会って話を聞きました。今年で被害から10年になりますが、女性は今も、双極性障害(うつ状態とそう状態を繰り返す病気)をわずらい休職中で、治療のため 心療内科に通院しているそうです。トラウマの症状は、被害から時間がたっていても現れることを知ってほしいと、次のように話してくれました。

「仕事を休まなくてはならず収入が大きく減りましたが、診察代や薬代はすべて自分で支払っていて、出費はばかになりません。私の場合は被害から7年たってから、フラッシュバックし、トラウマ症状が出ましたが、時間が経過してから影響が出てくることはあまり知られていません。そのため、親もなかなか理解してくれません。

専門的なトラウマ治療を受診したいと考えていますが、そもそも日本には治療を受けられる病院をはじめ、専門機関の数が少ないのが現状です。先月いくつかの病院に電話をかけましたが、“コロナ対策のため、今は初診患者を受けつけていない”と言われ、どこにもつながることができないままです。

加害者にとっては、もう覚えてもいない“軽い”出来事かもしれませんが、被害者にとっては、その後の人生に甚大な影響を与え、全てを奪われるほどの出来事です。加害者を生まない対策とともに、被害者が自分の人生を取り戻すためのトラウマ治療の充実をお願いしたいです。」

治療を求めるすべての人に機会を
トラウマをはじめ、性暴力被害に遭った後に起きる心身の諸症状について専門的な知識を持つスタッフがいる心理臨床機関を自ら探し出し、トラウマと向き合う準備を進めているという別の30代の女性からは、こんな意見が届きました。



女性は3年前、当時 同じ職場にいた年上の男性から性暴力被害を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症して重度のうつ状態に。一時は起き上がったり、通勤したりすることもできなくなるほど追いつめられましたが、雑誌の特集で、アメリカで開発されたトラウマ治療のひとつ、「持続エクスポージャー(PE)療法」について知りました。トラウマを回避しようとするのではなく、繰り返し自身が受けた被害を語り、あえてトラウマと向き合うことで、PTSDの症状を改善する方法です。医療機関でこの治療を受ける場合、健康保険が適用されます。

女性は わらにもすがる思いで、「持続エクスポージャー(PE)療法」を受けることができる医療機関や心理臨床機関を1か月かけて探しあて、そこで、性暴力被害に関する知識も豊富な相談員と出会いました。女性は、今まで接したどの相談機関のスタッフやカウンセラーとも違う、と感じたといいます。

「それまで接してきたカウンセラーの中には、話を十分に聞いてくれないまま、私が性暴力被害に遭ったことについて、自分の意見をぶつけてくるような人もいて、そのことがとても屈辱的だったんです。きちんと耳を傾けてくれる人に、やっと出会えたと感じました。」


(女性が使っているワークブック)

いま、女性は 「持続エクスポージャー(PE)療法」に備えて、自分の心と体に現れるさまざまな症状を書き出したり、PTSDの仕組みや、フラッシュバックや過呼吸などの症状が現れたときに自分でできる対処法などを学んだりしているといいます。

「いま、精神的につらい症状を訴える人には薬で治療する方法が主流だと思います。でも、原因が性暴力被害の場合、薬だけでは苦しみを抑えきれず、根本のトラウマを治療しない限り、心の中の荷物が軽くなることはないのだと、気づくことができました。まずはトラウマを専門的に治療できる医師やカウンセラーと場所を増やしてほしい。ゆくゆくは、ビデオ通話なども活用して、自分の地域に専門の医師などがいない場合でも、治療を必要としている人すべてに機会が行き渡ってほしいです。」

政府の対策強化の方針について、ご意見をお待ちしています
「みんなでプラス 性暴力を考える」は、政府の「性犯罪・性暴力対策の強化方針」(*)の施策について継続的に取材し、みなさんから寄せられた声を紹介していきます。

*6月11日に決定された性犯罪・性暴力対策の強化の方針は、内閣府のホームページに掲載されています。(※NHKサイトを離れます)
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/measures.html

あなたは、政府の「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」について、どう思いますか? 対策を進めるために必要だ、大切だと考えていることはありますか? 下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
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2020年7月10日
【性暴力を考えるvol.88】「私が求める“性犯罪・性暴力対策”①」
先月(6月)、政府は、今年度からの3年間を性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」に定め、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を取りまとめました。関係省庁が連携し、被害者支援や再犯防止、教育・啓発活動など、総合的に対策を強化していくとしています。

みんなでプラス 性暴力を考える Vol.85」で詳しく伝えると、自身が性被害に遭った経験などを踏まえて“政府に求めたい対策”“社会に変わってほしいこと”など多くの声が、ご意見募集ページに寄せられました。その中から いくつか紹介します。

“断れない”被害者の心理を知ってほしい
政府の方針では、先月(6月)、性暴力被害者の支援団体の代表らを委員として始まった「性犯罪に関する刑事法検討会」において、幅広く意見を聞きながら、性犯罪に厳正かつ適切に対処できるよう、速やかかつ丁寧に検討を進め所要の措置を講じることや、検察官等に対し、性犯罪に直面した被害者心理などについて研修を実施するとしています。

これに対し、幼いころから性暴力の被害に何度も遭ってきたという女性が、「“断れない”被害者の心理を知ってほしい」とメールを寄せてくれました。



女性は、学生や社会人になってからも、電車で痴漢に遭ったり、職場の上司や友人から、胸や尻を触られるなどの被害を受け続けてきたといいます。そして、「女性は本能で、男性を『怖い』と思っている人が多いのではないでしょうか。“拒否したら暴行されるのではないか?”“今までの関係を崩したくない”など、いろいろな理由で望まない性行為を許してしまう女性は少なくないと思います」と伝えてくれました。

性犯罪に直面した被害者の心理状態について、刑事法の検討会の委員の一人で公認心理師・臨床心理士の齋藤梓(あずさ)さんは今後の検討に向けた意見(*)として、「性被害に直面すると、多くの人は身体が動かなくなる。それは暴行や脅迫よりも程度の軽い脅しであっても起こりえる」「加害者が被害者よりも地位が上であった場合、明確な暴行や脅迫がなくとも相手の抵抗を抑圧することは容易」と述べています。また、今後の議論で、被害者の心理状態を鑑みて性犯罪有罪が成立する要件を検討していきたいとしています。
(*詳しくは、法務省「各委員から提出された自己紹介および意見」P.17を参照ください。 NHKサイトを離れます。)

再犯防止の徹底を
声を寄せてくれた女性は、さらに、「性犯罪者の再犯防止を強く望んでいる」と話してくれました。



政府の方針では、「性犯罪者に対する再犯防止施策の更なる充実」として、仮釈放中の性犯罪者等にGPS機器の装着を義務付けること等について、2年程度をめどとして、諸外国の法制度・運用や技術的な知見等を把握し、所要の検討を行うことと、出所者情報の把握等による新たな再犯防止対策を検討するとしています。

「人権や個人の尊重を犯す犯罪」という認識を
さらに政府は、「相手の同意のない性的行為をしてはならない」「性暴力はあってはならないものであり、悪いのは加害者である」という社会の意識を醸成することが大切であるとして、3年間の「集中強化期間」に広報啓発活動を徹底的に強化すると、方針で示しています。

これに関連して、ご意見募集ページには、「性暴力は、人権や個人の尊重を犯す犯罪だという認識を皆が持つことが大切」という声も届きました。



男性は、最近の性暴力に関するニュースやSNSでの反応を見て、「刑罰のあり方でなく、今ある常識にもメスを入れ、加害者が罪を問われにくい風潮についても議論してほしい」と、自身の気持ちを語ってくれました。

政府の対策強化の方針について、ご意見をお待ちしています
政府は、性犯罪・性暴力対策の強化方針の施策について、今年7月をめどに具体的な実施の方法や期限などの工程を作成し、毎年4月をめどに進捗状況や今後の取り組みについてのフォローアップを行う予定です。

「みんなでプラス 性暴力を考える」は、施策について継続的に取材し、みなさんから寄せられた声をこのページで紹介していきます。ご意見をお待ちしています。 

※6月11日に決定された性犯罪・性暴力対策の強化の方針は、内閣府のホームページに掲載されています。(※NHKサイトを離れます)
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/measures.html

あなたは、政府の「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」について、どう思いますか? 対策を進めるために必要だ、大切だと考えていることはありますか?下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou
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2020年7月3日
【性暴力を考えるvol.87】「13歳」のYES、それは本物?
性行為に同意する能力があるとみなされる年齢、いわゆる「性交同意年齢」。日本は、13歳です。13歳未満であれば、被害者の同意の有無を問わずに犯罪が成立しますが、13歳以上であれば、脅迫されたか、抵抗したかなどを立証しなければなりません。

一方、世界では「性交同意年齢」を引き上げる動きが進んでいます。韓国とフランスについて取材しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200629/k10012487511000.html

日本では、性犯罪の刑法見直しが必要だとの指摘を踏まえ、性交同意年齢をはじめ、実態に即した刑法の要件などについて議論を始めています。あなたは、日本の「性交同意年齢」について、どう思いますか? 下の「コメントする」か ご意見募集ページから、意見をお寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou
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2020年6月26日
【性暴力を考えるvol.86】被害に遭った あなたへ “どうか あきらめないで” 
性暴力の被害を受けた人の中には、ほかの性被害者が自分の体験を人前で話したり、SNSなどで発信したりしている姿を目にして、「私はあんなに強くなれない」と感じて いっそう傷つき、ひとりでつらい思いを抱えている人も少なくないのではないでしょうか。

そうした人たちに対し、「今の自分を認めてあげてほしい。必ず光があるから、あきらめないでほしい」という思いから、「みんなでプラス 性暴力を考える」にメールを寄せてくれた40代の女性がいます。高校生のとき、知り合いの大学生から被害に遭い、一時は精神科に長期入院を余儀なくされるほどに苦しんだ過去を抱えながらも、いまは中学生と小学生、2人の息子さんを育てながら家族で穏やかな日常を送っています。どのように、つらい過去と向き合ってきたか、語ってくれました。

(NHKグローバルメディアサービス ディレクター 飛田陽子)


※この記事では、被害の内容や被害後の苦しみについて具体的に触れています。フラッシュバックなどの症状のある方はご留意ください。
夏祭りの帰りに…
ことし5月、「みんなでプラス 性暴力を考える」に寄せられたメールです。



メールの送信者は、大阪府に住む美月さん(仮名)。「みんなでプラス 性暴力を考える」vol.12で紹介した「#性被害者のその後」のハッシュタグで多くの性被害者がつらい思いをSNSで発信しているのを目のあたりにして、誰もが性被害に向き合う社会になるためには、被害に遭った人たちの心の叫びを伝えていく必要があると強く思い、新聞やメディアに投書するようになったそうです。


(美月さん/家族が撮影)

美月さんは、これまでどのような日々を過ごしてきたのか。ビデオ通話とメールのやりとりを通して詳しく話を聞かせてもらいました。画面越しに話す美月さんは、明るい声と丁寧な言葉遣いが印象的な女性でした。



高校生だったある夏の晩、美月さんは、知り合いの大学生の男性から夏祭りに誘われました。異性との交際に関心をもつ年頃で、男性と2人だけでお祭りに行くのは初めて。普段よりメイクや髪型も張り切って整えるなど、ふだん着にちょっぴり おしゃれをして、少し緊張しながらも、お祭りで楽しい時間を過ごしました。その日は、青春の思い出になるはずでした。

しかし、帰り道。男性から「公園で休憩する?」と言われ、人目が届かないような一角に連れて行かれて、何気ない会話が途切れた瞬間、襲われたといいます。突然のことに驚いた美月さんは、全身が固まり、声をあげることも、力で抵抗することもできませんでした。今でも、自分がどうやって帰路についたか思い出せないそうです。夏祭りに浴衣を着て行かなかったことが、被害に遭った原因なのではないかと長い間、後悔してきたといいます。

「もし浴衣を着ていて襲われたら、着崩れしてしまうので、相手は襲ったことを疑われるのではないかと恐れて、襲わなかったのではないか。私が ふだん着なんかで行っちゃったから、こんなことをされたんだ。私が悪かったと本気で思っていました」(美月さん)

また、当時、美月さんの両親は夫婦関係があまり良好ではありませんでした。自分が性被害に遭ったことを打ち明けたら、家庭が壊れてしまうのではないかと心配した美月さんは、被害に遭ったことを言えなかったそうです。

終わらない被害
悪夢は、この一夜だけで終わりませんでした。夏祭りの翌日、男性からポケベルで呼び出され、見せられたのは、美月さん自身の被害直後の写真。いつ撮られたのか、美月さんに覚えはありませんが、前の晩に男性が撮ったものでした。男性に「君も逃げようと思えば逃げられたのに、これ、逃げずに受け入れたってことだよね?」と言われたといいます。「体を拘束されていたわけでもないのに死ぬ気で逃げ出さなかったのは、自分が性行為を受け入れたのと同じこと。だから自分が悪い・・・」。また一つ、自分を責める理由が増えました。

それからは美月さんにとって地獄のような日々だったといいます。男性に「人に言われたくなかったら 頼みを聞け」と脅されては、男性の知人などと性的な関係を持たされるようになりました。男性はその度に数万円のお金を受け取り、そこから1万円ほどを無理やり美月さんの手に握らせて「金を受け取っているお前も同罪だよ」と、後ろめたさを植え付けるような言葉を繰り返したといいます。美月さんは毎回、そのお札をそっとコンビニのレジの横に置いてある募金箱や不要なレシートを入れる箱に入れていたそうです。みじめな自分を誰にも知られたくないという思いからでした。



孤独な生活は、次第に美月さんの心と体をむしばんでいきました。1年以上たったある日、歩けなくなるほどの激しい腹痛に襲われて産婦人科を受診すると、骨盤腹膜炎と診断されました。このとき、男性医師も看護師も、「何があったの?」と気にかけてくれることはなかったといいます。それどころか医師は、何も事情を聞かぬまま一方的に、「もっと自分を大事にしろ!」と美月さんを叱責したといいます。このことで、美月さんは周囲の大人に対して いっそう心を閉ざしてしまうようになったと振り返ります。

「自分を大事にするって、どうすればいいのか、分からなかった。詳しい事情を何も知らない人からそんなふうに言われても、素直に聞き入れることはできませんでした。この人は私に寄り添ってくれない、私の気持ちを何も分かっていない、もう誰も信用できない!とすべての人を拒絶したくなるだけでした。」(美月さん)

信じてくれる人たちとの出会いが 回復の支えに
つらい思いをひとりきりで抱えながら、大学に進学した美月さん。加害者の男性とは なんとか距離を置くことができましたが、突然のフラッシュバックや、あまりのつらさから 自分の体と心を切り離す「解離」と呼ばれる症状にさいなまれたり、夏祭りの季節が近くなる度に恐怖心に襲われたり、過食症と拒食症を繰り返し、体重が30kg台まで落ちたこともあったといいます。ほとんど誰にも相談できぬまま苦しい日々を送る中、美月さんは、深い痛みに気づいて寄り添ってくれる友人と出会いました。

「当時の私の不安定な様子を見かねた女友達が、親身になって相談にのってくれる女性の産婦人科医がいないか、必死に探してくれたんです。いま振り返ると、まだスマートフォンもなく、インターネットもそこまで普及していなかったので、すごく大変なことだったろうと思います。」(美月さん)

大学の同級生で、当時の経緯や美月さんを知る由紀さん(仮名)によると、美月さんの被害のことを聞きつけて、「うそをついているのでは」とうわさをするような人もいたといいます。しかし、由紀さんをはじめ親しい友達の間では、「美月ちゃん自身が言っていることを信じる」と固く決めていたそうです。

「美月ちゃんは 同じ年齢ですが、落ち着いていて、恋愛から家族関係のことまで さまざまな相談にのってくれる、お姉さんのような存在でした。そんな美月ちゃんから、ある時、被害に遭い続けてきた話を聞いて、しかも、『誰かが私と同じ思いをするのは嫌。被害に遭ったのがあなたじゃなくてよかった』と言われたことがありました。なんで、美月ちゃんがこんな目に遭ってしまったのだろうと悲しくなり泣きました。お互い若かったから 何が大それたことができるわけではありませんでしたが、とにかく ただ美月ちゃんの話を聞いたり、一緒に病院に行ったりしました。」(由紀さん)

友人がようやく見つけてくれた産婦人科医の先生は、美月さんを一方的に叱ることはなく、被害を受けた ひとりの女性として受け入れてくれました。信頼関係を築くまでに少し時間はかかりましたが、その後もずっと親身になって、美月さんの心と体のことを一番に考えながらケアを続けてくれました。“心の闇”とたたかい続ける中で、美月さんが回復することを最後まで信じてくれたことが、大きな支えになったそうです。



その後、少しずつ前を向き始めた美月さんは、トラウマを専門的に治療してくれる精神科や心療内科を受診しますが、当時は今よりも、性被害による心の傷について理解されにくく、「うちでは手に負えない」と突き放され、気力を奪われることもあったといいます。しかし、相談していた産婦人科の先生から、性被害などを受けた人の心のケアが専門の精神科医を紹介され、美月さんは治療に専念するために大学を休学し、実家を離れて入院。そこで、EDMRという、過去のトラウマの記憶と向き合う治療や、性被害の経験をもつほかの人たちとグループで話しながら自分が受けた被害や過去を客観的に整理することで、心と体の感覚を取り戻していく治療を受けたそうです。

「治療そのものが非常につらく、入院期間も長かったため、不安で押しつぶされそうになり、何度も自ら死のうとしました。でも、精神科の先生も産婦人科の先生も、『この子はもうだめだ』と、さじを投げることは一切ありませんでした。私のことをどこまでも信じて支えようとしてくれた人たちとの出会いに恵まれました。その人たちのおかげで、ここまで生きてこられたのだと思います。」(美月さん)

傷は消えない でも 痛みと向き合った自分も消えない
美月さんはその後、何年にもわたるトラウマ治療を受け続ける中で、被害に遭った過去と向き合い、自分の非を責めることは少なくなっていったそうです。そして、24歳のとき、学生時代に知り合った男性と結婚。現在、2人の子どもにも恵まれ、心身ともに落ち着いた毎日を送っています。

しかし、ひとつ、気がかりなことがあります。それは、ツイッターなどSNSで自分の性被害やその後の生活について発信している人たち自身が、今なお、寄り添い、支援してくれる人に出会っていなかったり、ほかの被害者と自分を比べて、「あの人はこんなに回復しているのに、私はいつになればこの暗闇から出られるのだろう」と感じたり、ひとりでつらい思いをしていることです。

「私は性被害を経験しましたが、幸いにも自分に寄り添ってくれる友人や夫、病院の先生たちに出会うことができました。性被害に理解のある人や環境と巡りあえることは “ラッキー”ではいけないことで、誰もが救われるべきですが、実際の社会はまだまだ性被害に遭った人たちを責め続け、そのことが、孤立に追い込んでしまっていると思います。」(美月さん)

美月さんに、「もし目の前に、今もつらい思いをひとりきりで抱えている性被害者がいたら、どんな言葉をかけますか?」と尋ねると、少しの沈黙のあと「自分がつらい過去と歩んできた時間を、自信につなげてほしい」という言葉が返ってきました。

「最初の被害から20年以上たって、結婚も出産も経験した今の私でも、時々つらい気持ちがよみがえります。こんな思いを抱えてまで生きる意味があるのだろうかと迷うこともあります。被害で受けた傷が消えてなくなることは一生ありません。それでも“その傷と共に歩み、痛みに向き合い続けた自分”というものは、私しか持ちえない財産だと思うようにしています。もし、今もひとりで苦しんでいる人がいたら、生きているだけですごく努力をしているのだから、そんな自分をこれ以上責めないでほしい。必ず光はあるから、どうか あきらめないでほしいです。」(美月さん)

被害から長い時間がたっていても、ひとりきりで苦しみを抱え続けている人たちは少なくないと思います。痛みとともに生きている人たちが、適切な支えを得ることができ、心身ともに安定した日々を取り戻せるようになるために、私たちひとりひとりができることは何か、これからも、みなさんと一緒に考えたいと思います。

あなたは、つらい思いを長く抱え続けている人を ひとりにしないために、どんなことが必要だと考えますか?下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから 意見をお寄せください。
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2020年6月19日
【性暴力を考えるvol.85】性犯罪・性暴力の対策が強化されます
政府は、性犯罪・性暴力の根絶に向けた取り組みや被害者支援を強化する必要があるとして、今年度からの3年間を性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」に定め、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を取りまとめました。方針では、被害者支援、再犯防止、教育・啓発活動などの観点から5つの柱が示され、35の項目が盛り込まれています。政府が性犯罪・性暴力について、こうした総合的な対策の方針を出すのは初めてだといいます。橋本聖子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)は、この方針について「政府としての決意と方針を示す、最初の一歩」と発表しました。

対策が強化されることになった経緯と、今後どんな変化が期待できるのか、方針の取りまとめを担当した内閣府男女共同参画局暴力対策推進室の吉田真晃(まさてる)室長に話を聞きました。

「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」その内容は?
今回の方針は、先週6月11日に開かれた「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」で決定されました。内閣府・警察庁・法務省・文部科学省・厚生労働省の局長級からなる会議で、関係省庁が連携し、被害者支援や再犯防止、教育・啓発活動など、総合的に対策を強化していくことになりました。方針には大きく5つの柱があります。



決定した方針では、具体的に取り組む35の項目があげられています。刑事法については、検察官等に対し、「フリーズ」と呼ばれる症状を含め、性犯罪に直面した被害者心理などの研修を実施すること。被害者支援については、ワンストップ支援センターの体制充実や連携強化として、24時間・365日対応の推進や、都道府県の実情に応じてセンターの増設が検討されることになりました。また、教育・啓発活動については、性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、「学校教育」がより大きな役割を果たす必要があるとされました。具体的には、幼児期・低学年に対して「水着で隠れる部分」は他人に見せない、触らせない、もし触られたら大人に言うことなどの指導が推進されることになりました。


(内閣府男女共同参画局暴力対策推進室長・吉田真晃さん)

こうした方針づくりには、当事者の声が少なからず反映されていると吉田室長はいいます。

吉田さん
刑法が3年前に改正されて、今年が見直しを検討する約束の時期です。この期間、被害者の方からは、刑法の改正の積み残しがあるんじゃないか、まだまだ性暴力についての理解が進んでいないんじゃないか、被害について深刻にとらえられていないんじゃないかというような声がどんどんあがってきています。3年間、政府の方でしっかり調査するということで待っていただいていた期間でもあったので、調査した結果を受けて、次はスピード感をもって、一気に施策をしっかりと進めていこう、あがってきた声に正面から向き合って問題を解決していこうと思います。こういうのは時期とか、政治的な流れを逃してはいけないので、今まで議論してきたことを政策の形でしっかりと表現して、「次はこれやっていきますから」という政府としての意志と方針を示すことが今回の方針の意義だと思っています。

性犯罪被害の当事者を支援する「一般社団法人 Spring(スプリング)」の代表理事で自らも被害経験をもつ山本潤さんが、第1回関係府省会議で「私たち性被害当事者は、加害に遭って傷つけられたあと、日本社会が手を差し伸べてくれなかったことから、日本社会、そして、行政・政治に対して、根強い不信感を抱いている」と話されました。被害後に支援にちゃんとつながれないし、周りの人や社会の理解がなかったり偏見が根強くて、「あなたにも非があった」などと言われて傷つく“二次被害”に遭ったり。そういう「性暴力の被害者に対して冷たい社会」を変えるために、「性暴力をなくす」、「二次被害を生まない」、「被害者をしっかり支援する」ことは重要であるということを社会の価値観としていくことが大事だと思います。

内閣府の仕事は、各省庁の力を集めて全体を動かして政策を練り上げていくことです。これまでも、男女共同参画基本計画で、女性に対するあらゆる暴力の根絶のための目標をまとめるなどしてきました。しかし、性犯罪・性暴力の対策として、支援も教育も強化しようとなると、総合的な対策をまとめなければなりません。そうしないとこの問題は解決していかないし、当事者のみなさんの声にも応えていけないという思いがありました。


方針決定には、刑法見直しの議論の影響も
今回の方針が出された経緯のひとつには、性犯罪をめぐる刑法見直しの議論があります。法務省が先立って設置した「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」が取りまとめた調査結果では、刑法に関する事項だけにとどまらず、加害者の再犯防止の取り組みや被害者支援のあり方、子どもに対する教育についてなど、幅広い事項について検討の必要性が指摘されたのです。こうした指摘が出されるまでには、被害に遭った当事者や支援者の方たちがワーキンググループのヒアリングに参加し、経験を伝えてきた経緯がありました。(vol.79で詳しく紹介しました。

さらに、被害者などが街なかで自分の体験を語るフラワーデモの広がりなど、社会の中で性暴力の根絶を訴える声が高まっていることも、今回の強化方針の決定を後押ししたと言います。方針の決定にあわせて橋本大臣が発表したメッセージです。

<橋本 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)のメッセージ>

今、被害者の方が声を上げ、性暴力の根絶を訴えるフラワーデモが全国に広がるなど、性犯罪・性暴力の根絶を求める声が高まっています。こうした切実な声を正面から受け止めて、性暴力被害という理不尽をなくしていくための具体的な政策を、関係者の力を結集して進めていくことが、私に課せられた責務です。(中略)

「性暴力をなくす」、「二次被害を生まない」、「被害者をしっかりと支援する」。このことを、現場まで浸透するよう、取り組みます。また、「性暴力はあってはならない」という認識を社会全体に広げていくことが、何よりも重要です。

性暴力を、なくそう。
「性暴力は一つあるだけでも多すぎる」という認識の下、性暴力のない社会、誰一人取り残されない社会の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。


対策の強化を推し進めるためには?
今年度から3年間の性犯罪・性暴力の「集中強化期間」に、必要な制度改正や予算確保を通じて、施策の充実を図ると、方針に記されています。そして、まずは今年7月をめどに、具体的な実施の方法や期限などの工程が作成され、毎年4月をめどに進捗状況や今後の取り組みについて確認し、関係者で議論するなど、フォローアップを行うことも決まりました。

一方、性犯罪・性暴力の対策をめぐっては、これまで取り組みがなかなか進んでこなかった現実があります。ワンストップ支援センターの体制を充実させる必要性について指摘されてきましたが、予算の大幅な増加には至っていません。学校での性教育についても、長年、積極的な取り組みがなされてきませんでした。今回、政府として対策を強化することを初めて明確に示したことによって、こうした状況が本当に変化していくのかが問われています。

吉田さん
これからが勝負なんです。方針として文書にはなりましたが、まだ現実の世の中が動いていないので、これから実行していく大事なフェーズになります。

すでに文科省が局長から各県の教育委員長に通知を出したり、内閣府も大臣から知事に通知を出したり、警察庁も局長から県警本部長に出したりと、高いレベルで動きはじめています。今後、予算や政策に反映されていくか、注目してほしいと思います。

対策を推し進めるために大事なのは、勢いを失わないこと、もっともっと性暴力をなくそうという声が広がることと思っています。社会の雰囲気が変わると、ワンストップ支援センターをもっと充実させないといけないということを、当たり前のように みんなが受け入れるようになり、そうなれば予算も通りやすくなるだろうと思います。社会規範と法規範は相互関係に作用します。世の中の雰囲気や社会規範が変わったら、刑法の見直しについても理解が進んでいくだろうと思います。また、こうしたことが出来たら終わりではなく、これをスタートとして、みんなで声をあげ続けていくことが大事です。

※6月11日に決定された性犯罪・性暴力対策の強化の方針や橋本大臣のメッセージは、内閣府のホームページに掲載されています。(※NHKサイトを離れます)
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/measures.html

あなたは、性犯罪・性暴力対策の強化の方針について、どう思いますか? 対策を進めるために必要だ、大切だと考えていることはありますか?
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2020年6月12日
【性暴力を考えるvol.84】「性犯罪の刑法検討会」始まりました
性犯罪に関する刑法の見直しが必要だという指摘を踏まえ、法務省が設置した検討会の初会合が、6月4日にオンラインで開かれました。メンバーは被害者の支援団体代表をはじめ、刑法や心理学の専門家や精神科医など17人。森法務大臣は冒頭のあいさつで、被害者を保護するために、法改正も含めて対応したいという考えを示しました。
↓↓↓

性犯罪被害者保護へ 法改正含め対応 森法相
2020年6月4日 19時17分

性犯罪の刑法の要件などを議論する法務省の検討会は、4日、初会合を開きました。森法務大臣は、被害者を保護するために法改正も含めて対応したいという考えを示しました。

性犯罪の実態に即した刑法の要件などを議論するため法務省は、専門家や被害者の支援団体の代表らが参加する検討会を設け、4日、オンラインで初会合が開かれました。

出席した森法務大臣は「いまこの瞬間も、家庭や学校など本来は安心できる場所でも、性被害を受けている人がいると思うと本当に胸が詰まる思いだ」と述べました。

そして「被害者の保護に必要であれば、検討会の終結を待たずに報告してもらい、法整備が必要なものは法制審議会に諮問するなどして対応したい」と述べ、法改正も含めて対応したいという考えを示しました。

検討会では、今後、被害者などから意見を聴きながら、暴行や脅迫の要件をなくすべきか、時効を撤廃すべきかなどを議論することにしています。



開催にあたって各委員から提出された自己紹介と意見が、法務省のホームページに公開されています。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00020.html(※NHKサイトを離れます)

あなたは、この検討会にどんな議論を望みますか?
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2020年6月5日
【性暴力を考えるvol.83】本で伝えたい “あなたを守る” 法知識
きのう6月4日、法務省では 性犯罪をめぐる刑法の見直しについて、専門家や被害者の支援団体の代表などをメンバーとした検討会が始まりました。この検討会の委員のひとりで、長らく性暴力の被害者支援に関わってきた弁護士の上谷さくらさんと、同じく弁護士で 被害後の法的な手続きについてセミナーを開くなど、被害者のサポートにあたっている岸本学さん(vol.56で詳しく紹介しました)が、先月末に本を出版しました。

その名も『おとめ六法』。デートDVからセクハラ、マタハラ、離婚まで、女性が人生の中で直面しうる さまざまなトラブルに巻き込まれた場合、どのように対処すればいいか、憲法・刑法・民法などの「六法」をはじめ、ストーカー規制法や男女雇用機会均等法など、あらゆる法律を用いて解説しています。挿絵は、女性に人気のイラストレーター・Cahoさんが手がけました。「万が一のときの道しるべになるような本」を目指したという3人に、書籍に込めた思いを聞きました。

(さいたま局 記者 信藤敦子・NHKグローバルメディアサービス ディレクター 飛田陽子)


※この記事では、被害の内容や被害後の対応について具体的に触れています。フラッシュバックなどの症状のある方はご留意ください。
“性犯罪被害だと知ってほしい”

(2020年5月28日出版『おとめ六法』より)

『おとめ六法』では、日常生活で起こりうるトラブルの事例を挙げ、それが法律上、どのように捉えられるのか、また、自分の身をどう守るためにはどうすればいいか、具体的に説明しています。

(CASE) 学校の体育準備室でボールを片付けていたら、担任の先生が入ってきて洋服の上から胸をさわり「内緒だよ」と言った。その後もたびたびさわられている。

(ANSWER) 教師という立場を利用し、暴行や脅迫によってわいせつな行為をすると、強制わいせつ罪にあたります。13歳未満の場合、「暴行・脅迫」は必要ありません。13歳以上でも、いきなり胸をさわることは「わいせつ行為=暴行」と考えられています。

(『おとめ六法』より)


弁護士として多くの性犯罪被害者と向き合ってきた上谷さんと岸本さんがこの本を書いた最大の理由は、性被害に遭うリスクが高い女性たちに、被害がただの「トラブル」ではなく、「犯罪の被害」だということを知っていてほしいからだといいます。

私が相談を受けたいろいろなケースを振り返ると、心の中で「もう少し法律や制度が一般の人にもっと知られていたらな」と思うことが少なくありません。決して 知らないことを責めるつもりはないのですが、性被害の場合は、被害者が “抵抗できなかったのは自分のせい“ “断れなかった自分が悪い“ などと考えて、 それが「犯罪被害」であることに気づくことができなかったという人がとても多いんです。そして、裁判で争わずに当事者間で話し合い、相手から被害弁償金などを受け取る「示談」を、“売春のような悪いこと”だと捉え、そのようなことはしたくないと思う人は少なからずいます。

犯罪・事件として訴えるかどうかは、被害者自身が決めていいことです。ただ、最初から 自分が受けた性被害は「犯罪被害」であることを理解したうえで “私は犯罪・事件として訴えない“と自分で考えて決めるのと、犯罪被害であることを知らずに 被害そのものを“なかったこと”にしたり、“自分も悪かった”と自身を責めたりするのとでは、その後、心身にあらわれる影響や回復の道のりが大きく違うと思います。犯罪被害であることを知ってもらうためにも、いまの法律ではどうなっているのかをあらかじめ知っておくことは重要だと考え、基本的な法知識をこの本につめ込みました。


現在の日本の社会状況は、まだまだ女性にとって厳しいものがあると考えています。私が相談を受けてきたケースだけでも、男性に比べて女性の方が、性犯罪の被害をより多く受けています。その背景に、日々の暮らしの中で、女性が男性よりも弱くて不利な立場に追いやられている実態があることは否めないと思います。大学入試や就職試験、職場の昇進などで男性の方が優位だったり、家庭でも夫より妻の立場が弱かったりすることがあります。女性たちは、一生の中で理不尽な状況に置かれることが少なくありません。私には7歳になる娘がいますが、この子が大人になるとき、今より少しでもよい社会を残せないか…と考えています。

一方で、多くの女性たちが現状を変えようと声をあげ始めています。理不尽な現状を打破しようとする人たちに、法律の知識は“武器”として使えるものではないかと考えました。たとえ、その法律が「建て前」であったとしても、法律は法律です。法にのっとって権利を主張すれば、社会は無視できません。さらに法律の不備の多さが分かれば、それを改善するよう、さらなる声をあげることができるようにもなります。この本が その一助になればと思っています。

性被害に遭ったら “証拠”が大切


本では、レイプなどの性被害に遭ったとき、その場で何をしておけば 後々助けになるのか、細かく説明しています。

気持ち悪いと思いますが、なるべくシャワーを浴びたり口をゆすいだりはしないでください。そのとき着ていた洋服も捨てないでください。体内、体の表面、衣服に、体液など犯人のDNAが残っている可能性があります。それらは有力な証拠になります。(中略)急いでワンストップ支援センターや捜査機関で検査をしてもらいましょう。刑事事件の証拠として役立つ可能性があります。

また、記憶にあることはメモに残しておきましょう。時間、場所、犯人の特徴(体格、洋服の色、顔の特徴など)など、思いつくことを書いてください。できれば、信頼できる家族や友人にメールなどで共有しておくのが望ましいです。もちろん、誰にも言いたくなければ、自分あてにメールしておくのでも大丈夫です。このメモは、事件後できるだけ早い段階で残す方が、刑事事件や民事訴訟になった場合の証拠価値が高くなります。

(『おとめ六法』より)


上谷さんによると、被害のあと、すぐには性犯罪・事件として訴え出ることを判断できなくても、できるだけ多くの証拠や情報を残すことができれば、時間が経過してからでも対処できるケースはあるといいます。

性犯罪・事件として訴えるためにはどんな証拠が必要か、いざというときに分からなかったという人がほとんどです。被害を裏づけるモノや情報をどれだけ残せるかによって、その後にできることが変わってきます。できることの選択肢をたくさん持ってもらうために、証拠となるモノを一つでも多く得るために具体的にどのようなことをすればいいか知っておいてもらいたいです。
被害を打ち明けられたら できること


さらに、『おとめ六法』には、性被害に遭った本人だけではなく、被害を打ち明けられた人ができることや、どう考えて行動すればいいのか、「親」「友だち」「交際相手」それぞれの視点からポイントが書かれています。

自分の子どもから性被害を打ち明けられたら…
絶対に怒らないことが重要です。子どもは勇気を出して親に打ち明けています。「そんな短いスカート履いているから」等、子どもに落ち度があるような言い方はやめましょう。(中略)まずは「よく話してくれたね」とねぎらい、「あなたはなにも悪くないのだから、安心して話してね」と言ってあげてください。(中略)親が動揺する場合もあります。その場合でも、(中略)子どもが嘘(うそ)をついていると決めつけるようなことは絶対言わず、子どもの言い分に耳を傾けてください。

友だちから性被害を打ち明けられたら…
友だちのペースに合わせて、話をよく聞いてあげてください。心配かもしれませんが、事件のことを根堀り葉堀り聞かないでください。(中略)正義感が先走り、「警察に行くべきだ」「泣き寝入りすると、犯人はまた別の人を襲う」「示談などもってのほか。裁判で徹底的に闘って」などの意見を述べるのは控えましょう。深く傷ついていて、警察に行くことも考えられない人もいます、また、自己肯定感が低下していたり、世の中の人がすべて敵に見えたりしている場合もあります。「私は味方だよ」と伝え、友達の気持ちに寄り添ってください。

交際相手から性被害を打ち明けられたら…
キスや性交渉に拒絶反応を示すこともありますが、それは性被害に遭った人に多く見られる症状です。「自分は加害者とは違う」「守ってあげたいのに、なぜ自分を受け入れないのか」などと責めないでください。カウンセリングに付き添ったり、ゆっくりと話を聞いたりして、気持ちに寄り添うようにしましょう。

(『おとめ六法』より)


岸本さんは、この本を通して性被害を打ち明けられたときの正しい対応を知ってもらうことで、被害に遭った人の落ち度を責める“セカンドレイプ(二次被害)”を減らしたいと考えています。

被害を打ち明けられた際にどのように対処するかは、被害者の心身の回復に少なからず影響を与えます。「どうしてそんな場所に行ったのか」「あなたにも隙があったのではないか」などといった発言が、被害者に助けを求めることをためらわせたり、被害後のつらさから立ち直ることを遅らせたりしてしまいます。しかし、現状は、こういう対応をしてしまう人のほうが多いと感じています。打ち明けられた側が被害者の落ち度を指摘したり、責めたりしてしまうのは、「(被害者が)これから二度と被害に遭うことがないように」との願いからだと思いますが、そのことで被害者は自分を追いつめ、さらに深い心の傷を負ってしまいます。性暴力はそれ自体が許されざる卑劣な行為で、被害に遭うことは、決して被害者自身のせいではないのです。そのことを多くの人に知ってもらいたいと切に願います。
“みんなを取り残さない”ために まずは“おとめ”から

(2020年5月28日出版『おとめ六法』)

日常生活でさまざまな“トラブル”に巻き込まれることや、性犯罪の被害に遭うことは、決して 女性だけの問題ではありません。なぜ『“おとめ”六法』なのか。上谷さんと岸本さんは、いまの日本社会で女性たちが置かれている立場に寄り添う視点を持つことが、誰も取り残さない社会を作る一歩になるといいます。

男性やLGBTQ+の人たちにとっては、本で紹介されている事例を自分の身に置き換えてみて、“自分も同じような目に遭っている”と感じる問題と、“全く知らなかった”という問題があるのではないでしょうか。いまの日本では、女性には各ライフステージで必ず何かあると言っていいほど、トラブルに遭遇するリスクが、男性に比べて多いと思います。例えば、女性たちは、学生のときにデートDVや痴漢の被害、就職してからはセクハラ、結婚後にはDV被害や離婚したい気持ちがあっても、十分な収入がなくてすぐには動けない…など。世の中で女性が遭遇しうる、それぞれのトラブルの事例について知り、女性以外の人たちも自分だったらどうするか、ひとりひとりがご自身なりの対応を考えるきっかけにしてほしいです。みんなが考え始める中で、女性のみならず男性もLGBTQ+の方々も、生きづらさを感じることの少ない社会にしていけると思います。

男性もLGBTQ+の人たちも、現代の日本社会の中で生きづらさを抱え、中には、「自分たちの問題が置き去りにされている」と感じる人がいると思います。ですが私は、女性を取りまく生きづらさと、男性やLGBTQ+の人たちの感じている生きづらさは切り離せない関係にあると考えています。男性が中心となって作ってきた社会行動や規範意識が、あらゆる人たちに生きづらさをもたらしている側面があるのではないでしょうか。まずは女性が直面している理不尽さを打ち破っていくことが、すべての人にとって生きやすい社会を作ることにつながると思います。



性犯罪被害、パワハラや詐欺被害といったトラブルについても踏み込んだこの書籍。合計65枚のイラストをすべて手がけたのは イラストレーター、Cahoさんです。描きおろす中で、特に考えたのは、「本を読む人のトラウマになったり、読んでいるうちに怖くなったりしないよう、テーマに沿いながらも柔らかい印象が持てるようなイラストを心がけること」だったといいます。

挿絵の依頼を受けたときは、女性が日々の暮らしで巻き込まれうるトラブルについて、私自身知らなかったことも多く、とても驚きました。たいへん勉強になりましたし、また、自分や大切な人を守ってくれる“お守り”になるような本だと感じました。近寄りがたいテーマかもしれませんが、もっと早く知っておけばよかったと思える内容がたくさんつまっています。少しでも多くの方に手に取っていただけるよう、イラストは一つ一つ、出版社の方々と悩みながら描きました。 いつ、どんなときに何が起こっても不思議じゃない。そんな世のなかで 勇気をもって生きる“お守り”として みんなに読んでほしいと思います。


みなさんは、『おとめ六法』について どう思いますか。記事への感想や意見を、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから お寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou#新型コロナウイルス
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2020年5月29日
【性暴力を考えるvol.82】新型コロナでネット利用増… 子どもの性犯罪被害に注意を
新型コロナウイルスの影響で世界各国で休校措置や外出自粛が続く中、ユニセフ=国連児童基金は、子どもたちがオンラインの性犯罪被害に巻き込まれる危険性が高まっていると指摘しています。SNSなどを通じて知り合った人物から、やりとりを重ねる中で親しさを装って ことば巧みに性的な画像を送るよう脅迫される「グルーミング」といわれる行為の被害に遭うことなどが懸念されています。

ユニセフ=国連児童基金は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界各国で休校措置が続く中、子どもたちがインターネットを使う時間が長くなっていることで、オンライン上の性犯罪被害に巻き込まれる危険性が高まっていると指摘しています。

ユニセフの東アジア・太平洋地域事務所で子どもの保護に関するアドバイザーを務めるレイチェル・ハービーさんはNHKのインタビューに対し、「友達と連絡をとったり授業を受けたりするため、子どもたちはかつてないほどインターネットを長時間利用している。どれも大切なことだが、危険にさらされるリスクも高まっている」と警鐘を鳴らしています。

懸念されるのは、子どもがSNSなどを通じて知り合った人物とやりとりを続ける中で、信頼関係を築き、途中から性的な画像を送るよう脅迫される「グルーミング」といわれる行為の被害にあうことや、異性の友人などと性的な画像を送り合うなかでそれが公開される、といった事例だということです。

また、特に東南アジアなどの貧困地域では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事を失うなど、経済的に困窮した保護者が、自分の子どもに性的な行為をさせ、その画像を売って資金を得ようとする被害などが増える恐れがあると警戒感を示しました。

さらに、外出制限や経済的な不安によるストレスにさらされる中で、家族や親戚、知り合いなど身近にいる人たちからも性暴力を受ける危険性が高まっていると指摘しています。

各国の捜査機関も子どもをターゲットした性犯罪の増加に警戒を強めていて、アメリカのFBI=連邦捜査局やユーロポール=ヨーロッパ刑事警察機構などは、被害の兆候があればただちに通報するよう呼びかけ、取り締まりを強化しています。

オーストラリアでは、新型コロナウイルスの感染拡大で外出制限が続くなか、インターネットを使う時間が長くなっている子どもたちがオンライン上の性犯罪に巻き込まれることへの警戒が強まっています。

オーストラリア連邦警察の関連団体によりますと、オンライン上の性犯罪は、これまでにさまざまな手口が確認されていて、中には加害者が偽のアカウントを作って、子どものふりをしたり共通の趣味があるようにみせかけたりして、ソーシャルメディアや掲示板で子どもに接触してくるということです。とりわけ匿名でやりとりができるチャットは子どもが狙われやすく、オンラインゲームのチャット機能が利用されることも多いと指摘しています。

実際にあった事例では、女性スカウトを装った人物が、ソーシャルメディアを通じて女の子に接触し、撮影のためにモデルを探していると偽って、写真を送るように求めてきたということです。女の子が応じると、確認のためにもっと写真がほしいとして、わいせつな画像も送るように巧みに誘導してきたということです。怖くなった女の子は母親に相談し、警察に通報したことから被害は未然に防ぐことができました。

団体では、知らない人から接触があっても決して応じず、不安を感じる場合は、信頼できる大人に相談するよう子どもたちに呼びかけています。

(報道局国際部 記者 佐藤真莉子、シドニー支局長 小宮理沙)


もし あなたが、家族や身近な人が 性的にいやな思いをしたら…
各都道府県の相談窓口「性暴力ワンストップ支援センター」について、詳しくはこちらから↓
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0006/topic038.html

子どもたちを狙ったオンラインの性犯罪について、どう思いますか? 記事への感想や、あなたが不安に感じていることなどがあれば、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから お寄せください。
#性暴力#MeToo#Withyou#新型コロナウイルス
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2020年5月22日
【性暴力を考えるvol.81】あなたの身近にも・・・ 新型コロナで高まるリスク
「新型コロナウイルスによって社会が変化するなか、性暴力被害が起きるリスクが高まっている。どんな被害が起きているのか、どんな被害が起きる可能性があるのか、多くの人に知ってほしい。」

今月、性暴力の被害者を支援する「性暴力救援センター 日赤なごや なごみ」(名古屋市)から、私たちのもとに声が寄せられました。すでにセンターには、「生活が苦しくなるなか、お金をちらつかせて誘われ、性行為を求められた」という相談があったと言います。さらに、外出自粛で“密室”となりがちな家庭内での性虐待や、SNSでつながった人からの性被害など、子どもたちが性暴力に巻き込まれることも懸念されています。

どんなリスクがあるのか、身近な人が被害に遭ったときに、どう気づき、どう対応すればいいのか、「日赤なごや なごみ」に話を聞きました。    

(報道局社会番組部 ディレクター 村山かおる)



(性暴力救援センター 日赤なごや なごみ 2019年6月撮影 ※現在は、マスク着用やスタッフの人数を減らすなど感染予防対策をして業務にあたっています)

声を寄せてくれた名古屋市にある「性暴力救援センター 日赤なごや なごみ」。緊急事態宣言の発令以降も、感染予防対策を徹底したうえで、性暴力被害の専門知識を学んだ看護師、支援員、ソーシャルワーカー、医師たちが、24時間体制で相談に対応してきました。4月にセンター長に就任した医師の山田浩史さんは、「性暴力被害者の支援を絶やしてはいけない」という強い信念をもって、対応を続けてきたと話します。

山田医師
「阪神淡路大震災や東日本大震災でもそうでしたが、不安やストレスの矛先が、子どもや女性たちなど“弱い人たち”に向かいがちな災害時は、性暴力の被害もたくさん報告されます。今の新型コロナウイルスの感染拡大は、災害後の状況に非常に近く、よりしっかりと相談態勢を整えておく必要があると思っています。」



(日赤なごや なごみ センター長 山田浩史医師)

“生活困窮につけこむ”性暴力
実際に、新型コロナウイルスの感染拡大による経済状況の悪化が懸念され始めた今月から、相談内容に変化が見えはじめたと言います。“生活困窮につけこんで性暴力に及ぶ被害”が出ているそうです。

SNSで知り合った男性から、「お金を渡すので、どこかへ出かけよう」と誘われたという女性。アルバイトの収入が途絶え、日々の食費もままならないような状況に追い込まれていた女性は、男性に会いました。そして突然、性行為を強いられたといいます。女性はなんとかその場から逃げ出して警察に相談。警察からなごみに連絡があり、避妊の処置や性感染症検査のため、女性を産婦人科の受診につなげました。

山田医師
「これは、生活困窮という弱みにつけこむ、許されない性暴力です。今後、経済状況が悪化すれば、こうした相談がますます増えていくのではないかと懸念しています」




“密室化”する家庭内での性暴力
さらに、在宅勤務の推奨や休校措置が続き、ストレスや不安がたまるなか、家庭内の性暴力被害のリスクも高まっていると言います。しかし実際、緊急事態宣言が全国に発令された4月、なごみに寄せられた相談件数は、電話相談が85件、来所面談が25件。1~3月と比べると、半分以下に減ったそうです。それでも山田医師は、「家庭内での被害は、より深刻になっているだろう」と話します。

山田医師
「外出自粛や経済状況の悪化に伴うストレスなどにより、配偶者からの暴力、DV(ドメスティック・バイオレンス)が増えていると最近報じられていますが、DVには性暴力の被害も含まれます。しかし、夫婦や恋人の間で性暴力が起きるということは社会でもあまり認識されておらず、当事者たちも性暴力だととらえづらいため、被害者からの相談件数は実際の被害より少ないと考えられます。」


内閣府は、以下のような行為が「性的なDV」に該当するとした上で、夫婦間の性交であっても、刑法第177条の強制性交等罪に当たる場合があるとしています。


内閣府 男女共同参画局サイトより ※NHKサイトを離れます)

山田医師によると、家庭内では、親から子どもへの性虐待のリスクも高まっているそうです。各家庭が、近所や学校、支援機関などと つながりづらい“閉ざされた密室”になっていると考えています。

山田医師
「自宅待機をするということは、加害者とともに過ごす時間が長くなることです。加害者から常に監視されていることで、被害者がSOSを出すことが難しい状況になっていることが想像できます。また、DVのある家庭では、配偶者も子どもも被害に遭っていることも多く、より外に出づらくなってしまっていると思われます。

また、子どもの場合、学校の先生やスクールカウンセラーにぽろっと打ち明けたことで性虐待が発覚し、被害児童の保護につながるというケースが、なごみでもよくあります。しかし、休校が続いている間はそれも無理です。」


子どもも注意 SNSで知り合った人からの性暴力


さらに、なごみでは、子どもたちが巻き込まれやすい被害として、SNSで知り合った人からの性暴力も懸念されると考えています。

山田医師
「休校が続く中、スマホでSNSを利用する時間が増えた子どもが多いのではないかと思います。過去に、“裸や下着姿の写真を送って”と言われてつい送ってしまった、その写真を使って脅されたという被害がありました。外出自粛中にSNSでやりとりしていた相手と、“緊急事態宣言も解除されたし、一度会おうよ”と誘われ、性暴力の被害に遭うことも出てくるのではないかと心配です。」


子どもの性被害にどう気づく?
しかし、子どもたちは自分がされていることが“性暴力”だとわからなかったり、親に心配をかけたくなくて隠したりすることもあります。親や身近にいる大人たちは、子どもの性被害にどう気づけばいいのでしょうか。なごみでは、次のような兆候があるときには注意するよう、呼びかけています。



山田医師
「多くの県で緊急事態宣言は解除されていますが、人と人との接触をなるべく控える生活はまだしばらく続きそうです。じっくりお互いの話を聞く時間を取ることは難しいかもしれませんが、子どもや身近な人が性暴力で苦しんでいないか、気にかけてほしいです。そして、少しでも気になることがあれば、全国のワンストップ支援センターなどに相談するよう お願いしたいです。」


※あなたの地域の性暴力ワンストップ支援センターはこちらから
※どんなことが性暴力か、子どもも大人も学べる動画はこちらから

新型コロナウイルスの影響で生活が変わる中、性の問題について悩んでいたり、困ったりしていることはありませんか? ご意見や思いを、下の「コメントする」か、 ご意見募集ページから お寄せください。
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