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2021年10月1日

ぺこぱが聞く医療現場のリアル① 感染者数減でも若手看護師の本音は…

9月30日をもって緊急事態宣言が解除されました。

感染者数が過去最高を更新し続け”医療崩壊”の危機にあった現場は、9月に入り感染者が減る中でどんな変化があったのか―。
お笑いコンビ「ぺこぱ」の2人が、最前線に立つ若手看護師にインタビュー。
本音を伺いました。

(インタビューは9月15日に実施)



ぺこぱ
左:シュウペイ 右:松陰寺太勇
同じバイト先で先輩と後輩であった2人が2008年コンビ結成
2013年より「ぺこぱ」として活動


「いつまで続くんだろう」 第5波で襲ってきた不安


今回ぺこぱの2人が話を聞いたのは、横浜市立みなと赤十字病院のICU(集中治療室)で働く看護師の金城櫻さんです。看護師として働き始めて4年目、去年から新型コロナの治療現場に立ち続けています。


松陰寺太勇(ぺこぱ)
「金城さんは今も現場に出ていらっしゃると思いますが、仕事内容を簡単にご説明してもらえますか。」

金城櫻さん
「私はICUに所属していて、重症化した新型コロナの患者さんはもちろん、それ以外の集中治療を必要とする方たちの看護をしています。」

松陰寺
「どうですか、現場の今の感じは? 」

金城さん
「第5波では患者さんの数も重症の方も増えて、スタッフや医療従事者のマンパワーが必要になりました。それまでは感染する方は70代、80代が多かったんですけど、第5波は40代、50代、60代と年齢層も変わってきた感じです。

シュウペイ(ぺこぱ)
「看護師さんたちの中では、患者さんが増えるんじゃないかという見込みはあったんですか?」

金城さん
「それは何とも言えないんですけど…やっと患者さんが少し良くなって一般病棟のほうに移れたと思ったら、「また新しく重症の患者さんが来ます」という感じで。“とめどない”と言うか、「これがいつまで続くんだろう」という不安はありました。

感染者数が下がったから「わーい!」という気持ちはない

(金城櫻さん)

松陰寺
「第5波がちょっと下り坂になってきたと思うんですけども、世の中と医療現場とのギャップってありますか?」

金城さん
「それは常にあります。感染者数が減っているというニュースを見ても、やっぱり目の前にいる患者さんの重症度や必要なケアは変わらないので。感染者が減ったからといって私たちがやることはそんなに変わらないです。」

シュウペイ
「いま伝えられている以上に、現場では『収束していない』という感覚なんですか?」

金城さん
「そうとは言えないんですけど…感染者がゼロにはならないので。ちょっと下がったからって『わーい!』という気持ちは全くないので。」

松陰寺
「“コロナ禍”が始まってから1年半以上たったわけですけども、どうですか、『長いな』という感じですか?」

金城さん
「最初に新型コロナの患者さんが来た時は、まさかここまで続くとは思ってなかったので。初めの頃は感染対策だったり、未知の病気だったのでいろいろ試行錯誤をしたりしながらやってきました。慣れてきたところもあるんですけど、大変さは変わらないと思います。

新型コロナに感染すると、家族に会えないなどどうしても隔離が必要になってしまいます。タブレット端末を使ってリモートで面会をするなどの工夫もしてるんですけど、われわれのマンパワーが足りないこともあって毎日はできません。

家族や患者さんご本人も不安があるだろうし、それをうまく軽減できるような工夫をしているところです。」

最期を一緒に看取れない


金城さん
「一度重症化してしまうと、亡くなってしまう方もいます。新型コロナ以外の病気であれば最期お看取りする時に、亡くなっていく過程、例えばどんどん心拍が下がって…というような過程をご家族と一緒にお看取りすることもあるんです。新型コロナだと、その過程を一緒に看ることができなくって…最終的に納体袋に入ったお顔をちょっとだけ見ることしかできません。」

松陰寺
「あー…」

金城さん
「40代で重症化する人もいらっしゃいます。お子さんがまだ小さくて、これからやりたいことがたくさんあるだろうなとか、お子さんと一緒にこうしたいとか色々あったと思うんですが、結果的にお亡くなりになったり…。そういう方々を看護してると、やるせないというか悔しいというか、われわれもつらいです。

もちろん日々の業務も大変なんですけども、重症化した時に家族に会えなかったり、お話ができなかったり、それは普通の病気の対応とは違うので、そこがつらいです。」



松陰寺
「お話を聞いていると、医療現場の方々の体調やメンタル面を心配してしまうんですけれど、大丈夫ですか?」

金城さん
「みんな自分自身の体調を管理して、チーム一丸となって頑張ってるところです。」

シュウペイ
「看護師さんや医療従事者の方って本当に必要とされているじゃないですか。一方でどこかで心が折れそうになるとか、『ちょっともう辞めようかな』みたいな瞬間はありましたか?」

金城さん
「私自身はそんなになくて。心が折れたりとかは大丈夫です。」

松陰寺
「『折れそうになった時に、ぺこぱのネタを見て元気になった』とか言ってもらえると思ったんですけど…何かすみませんでした。」

金城さん
「すみません(笑)」

いま知ってほしいこと 改めて基本の感染予防を


松陰寺
「いま現場にいる立場として、どんなことを皆さんに知ってほしいですか?」

金城さん
「新型コロナに感染して入院してしまうと、なかなかご家族とも会えなくなり、患者さんご自身の不安が増すと思います。重症化して人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)をつけるのも苦しいし、苦しさをとるために鎮静剤などを使うと眠っているような状態なので、そうなるとお話できないし…。

自分自身はもちろん自分の大切な人を守るためにも、”手洗い・うがい・3密を避ける”といった基本的なところをしっかり守っていただきたいです。」

松陰寺
「当初から言われている事ですね。根気強く頑張っていきたいと思います。」

金城さん
「ですね。コロナが始まって約1年半、ずっと『感染対策』って言われてきたと思うんですけど、まずは手を洗うだけでも感染予防になりますので、一緒に頑張っていきましょう。」

金城さんとぺこぱの対話は動画でも公開中です。
[新型コロナウイルス] ぺこぱが聞く 最前線の医療現場の今 | 命を守る行動を

(NHKどーがレージ)


※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。