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2020年12月31日

「Hey! Say! JUMP 山田涼介さんが聞く 医療現場の最前線はいま」

12月31日に放送された第71回NHK紅白歌合戦。 番組のなかでHey! Say! JUMPの山田涼介さんが日本赤十字社医療センター救急科の鷺坂彰吾(さぎさか・しょうご)医師に、医療現場の現状を聞きました。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、若い世代に伝えたいメッセージとは?未公開シーンも含めたインタビューの内容をまとめました。
緊急事態宣言の頃と比べ いまの状況は

Hey! Say! JUMP山田涼介さん(以下、山田さん):
鷺坂彰吾先生、よろしくお願いします。
いま新型コロナウイルスの“第3波”が来ていると言われていますけれども、医療現場の最前線はどうなっているのでしょうか。

日本赤十字社医療センター 救急科 鷺坂彰吾医師(以下、鷺坂医師):
私は救命救急センターという部署に所属する医師です。この数か月、新型コロナ対応は当然のこと、交通事故などで重傷の外傷患者さんや、あとは心筋梗塞、脳卒中とかですね。命の危険が迫っているような患者さんに対して、集中治療、24時間体制の治療を提供しています。


(リモートインタビューに答える 日本赤十字社医療センター 鷺坂彰吾医師)

現状は、正直、非常に厳しい状況と言わざるをえないかなと思っています。いわゆる“第1波”と言われていた4月の頃は、緊急事態宣言が出され、お店が閉まったりとか、移動を自粛してくださったりとかで、人の動きや経済の動きがある程度止まっていたので、それに合わせて、コロナ以外の患者さんもかなり減っていました。

それがいまの状況は、人の移動や経済活動が、通常に近い形で再開されていますので、必然的に交通事故やコロナ以外の重症な患者さんも発生しています。通常の医療を守りながら、増加する新型コロナウイルスの患者さんの対応を同時にしていかなければならないという状況です。


(救命救急センターの初療室で患者の処置にあたる鷺坂医師(中央)/映像提供 日本赤十字社医療センター)

山田さん:
なるほど。4月に緊急事態宣言が発令されたとき、新型コロナの患者数は都内で100人、200人という数字だったと思います。それが先日は800人を超える人数が発表されました。(編集部注:12月17日、東京都は都内で新たに821人の感染が確認されたと発表) そういった点で、4月と比較して深刻な状況になっているということはありますか。

鷺坂医師:
4月、5月で何が大変だったかというと、この新型コロナウイルス感染症がどれほど恐ろしいのか、どのくらいの死亡率で、どういった治療法があるのかとか、私たち医療者自身が感染を防ぐためにどういった対応をすればいいのか、ということを日々、模索しながらの状況でした。患者さんの数がたとえ少なかったとしても、一人ひとりに対応する手間暇や、治療のすすめ方とかは、いま以上に大変だったと思っています。一方で、半年以上が経過して、この感染症そのものがどういう病気なのか、どういう人たちのリスクが高いのか、どういった行動が危ないのか、だんだんわかってくるようになりましたし、私たち自身にもノウハウが蓄積されてきたというのはひとつあります。
かといって患者さんの数が減っているわけではなく、むしろ患者さんの数は、人の移動や経済活動が再開するにつれて、どうしても増えてきてしまっています。さらに12月とか1月という寒い季節は、心臓や脳卒中などの血管系の病気が増えてきます。救命救急センターとしては、もともと忙しい時期なんです。そのなかでこのコロナの対応をしないといけない。


(24時間体制で救急患者を受け入れる/映像提供 日本赤十字社医療センター)

新型コロナウイルスがここまで流行してしまうと、例えば、全然関係ないご病気で病院にやってきた方、緊急手術を受けなればならないような方が、念のため行った検査で新型コロナの陽性が発覚したとか。あとは交通事故でやってきた方や、意識の状態が悪く、頭の病気を疑うような症状でやってきた方が、実は新型コロナウイルスに感染していたということがあり得ます。ですので、私たちは運ばれてくる患者さんに対して、ある意味全ての人に対してコロナを疑ってかからないといけない。そういう状況になってしまっているというのが大変なところですね。
感染予防にはシンプルに手洗いとマスクを

山田さん:
医療崩壊を招かないためにも、ご高齢の方から僕たちの若い世代まで、いま何ができるのかということが大切なポイントのひとつだと思っています。先生からいまの若い世代に届けたいメッセージ、お伝えしたいことはありますか。

鷺坂医師:
やっぱりSNSとかを見ていると、比較的若い世代の方々は、コロナに仮に感染したとしても「私たちは死なないから」「重症化しないから」と思っている方が多いなと感じます。実際には、若い人も少ないながら重症化していますし、何より若い方が外で感染してしまって、ご両親やおじいちゃんおばあちゃんとか、同居されている方にうつしてしまう家庭内感染もあります。あるいは、会社とか学校とかでより年配の方にうつしてしまうことを疑われている事例がいくつも発生しています。
若い方は、症状がほぼ出ない方、あるいは出ても極めて軽い方が一定の割合いらっしゃいます。でも若い方が年長の方にうつしてしまうことによって、結果的にそちらの方が重症化してしまうと。そういうことを考えると、決して若い方がかかっていいわけではなく、一人ひとり、若い人もご年配の人も含めて、この時期だからこそ感染管理を徹底していただく。具体的には、本当にシンプルで原始的なんですけれども、手洗い。そして人前とか、外に出るときにマスクをしっかりとつけていただくとかですね。本当にそれで予防できるのかって、みなさん思うかもしれないんですけど、私たちも実際、新型コロナの対応を100件以上対応しているようななかで、かかってないわけです。それはきちんと手洗いといった手指衛生(しゅしえいせい)を徹底しつつ、必要なマスク等を身にしっかりつけて予防していることが、いちばん寄与していると考えています。ちゃんと予防すればある程度は防げる病気ですから。



山田さん:
症状が分かりづらいところも、新型コロナの怖いところではないかと思うんです。僕たちのメンバーも、一時期コロナにかかりましたが、そのメンバーも症状が分からなかったと。においや味覚がなくなってというのはあったけれど、熱は出なかったようです。僕たち若い世代にとっては、怖くないって考えてしまうかもしれないけれど、本当に一人ひとりの気持ちを変えていくことから、まずは始めてほしいところですよね。

鷺坂医師:
そうですね。本当におっしゃる通り、症状が軽い、あるいはないからいいというわけではなくて、他の方にうつしてしまうというのが、社会全体としても大きな問題になってしまうので。大前提として、調子が悪いときは外に出ない、人に会わないというのを徹底していただくのはもちろんですし、症状がなかったとしても、マスクとか手洗いっていうのを本当に一人ひとり、徹底していただきたいなと思います。

山田さん:
ことしだけでなく、2021年も気持ちを引き締めて。今まで以上に、一人ひとりが手を取り合って、意識を高めていってほしいですね。

鷺坂医師:
そうですね。あとはもうこれだけステイホームを継続してくださっている方が大勢いるなかで、少しは出かけたいなと思っている方もいらっしゃるかもしれないのですけれども、私は日赤に所属している医師ですのであえて申し上げますと、献血は不要不急の外出ではないです。ぜひ、行ける方には献血には行っていただきたいなと思っております。
大みそかにも医療を守る人たちを思って


山田さん:
僕たちは紅白で、メッセージ性の強いメドレーを歌わせてもらうので、先生もお忙しいと思うんですけど、もしお時間があればご覧いただければと思います。

鷺坂医師:
大みそかは、ちょうど勤務のはざまでお休みをもらっていますので、ぜひみせていただきます。元日は勤務なんですが。感染が広がって、急きょこれ以上追加で働くことがなければいいなと思っています。
あとは、紅白のある大みそかの日も、病院とか、救急車の救急隊とか、本当に必死で何とか医療を守っている人たちがいることを心の片隅に覚えておいていただければと思います。コロナにかからないにこしたことはないですし、人にうつさないための感染対策をしていただく。このウイルスの皮肉なところは、やっぱり人との接触だとか、そういったことがリスクになってしまう。人間がいちばん大切にしたい部分に影響してしまうウイルスだなと思っているんです。ですので、帰省などもよく考えてもらって、するのであれば感染対策をしっかりした形でやってもらいたいなと思います。

山田さん:
本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

鷺坂医師:
ありがとうございました。

(この記事は2020年12月18日に収録されたインタビューを元に構成しました)

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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。