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クロ現+
2019年12月19日

番組ダイジェスト④ SNSのワナ “エコーチェンバー“

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出演者:
MC 中田敦彦さん(オリエンタルラジオ・YouTuber) 葉山潤奈さん(芸能事務所社長・YouTuber) 山本健人さん(外科医) 神田知宏さん(弁護士) 小木曽健さん(ITリテラシー専門家) 平和博さん(桜美林大学教授)

SNSのワナ “エコーチェンバー” どうすれば抜け出せる
不確かな情報を信じてしまうきっかけ。普段使っているSNSにも落とし穴がある。同じ考えの人同士がSNSでつながると、目にする情報が偏ってしまいがちだ。こうした閉鎖的な空間は「エコーチェンバー」と呼ばれ、誤った情報でも信じ込みやすくなる危険がある。

山本亜希子さん(仮名)
「ワクチンは打たない主義でいたんです。フェイスブックとか見てたらそういうのが出てきて、打たないっていう選択肢もあるんだなと思って」

山本さんは、国が乳幼児に推奨するワクチンを、幼い次男に受けさせなかった。「ワクチンは危険」という情報ばかりを信じこんだためだ。出産するまでシステムエンジニアとして働き、自分はネットの世界に詳しいと思っていた山本さん。エコーチェンバーに陥ったきっかけは、子育てサークルの友人に「ワクチンには危険な成分が含まれている」と言われたことだった。

ちょうど引っ越した直後で、さらに夫の単身赴任が重なった時期。子育ての不安を受け止めてくれるのはサークル仲間だけ。山本さんはSNSにかじりついた。その話題の中心はワクチンだった。



山本さん
「どんどん出てきてそれが毎日続いて、ずっと情報入れていたという感じですね。信じてしまったかなと」

その山本さんが、エコーチェンバーから抜け出したきっかけは何だったのか。

山本さん
「大きなきっかけになったのは仕事を始めたこと。普通にワクチンを打ってるママさんとお話したり。全然違う環境なので、あれ?ってなって」




山本さん
「『おかしいと思うよね』『ちゃんと聞いてくれる?』とか何回も何回も言ってくるので。すごく心配してくれてるんだなっていうのが感じ取れたので、だんだん耳を傾けて真面目に受け取るようになっていって。『そう言われると、そういう気もするな』と」



大阪大学大学院の大竹文雄教授。経済学の視点から、人の思考の『癖』を分析。よりよい意思決定を行えるような仕組みを研究している。山本さんが異なる意見にも耳を傾けるようになったのは、「同僚たちの接し方」に理由があるという。

大竹教授
「同僚の方も『お子さんの健康を心配している』という共通の目的を持って説得されている。それを山本さんが理解されたというのが第一歩だったと思います。『あなたの信念が間違っている』と言おうとしている訳じゃない、と入っていかないと信じている人を説得するのは難しいと思います」

自分の考えに疑問を持ち始めた山本さん。改めてワクチンについて調べることにした。すると、これまでは素通りしていた科学的根拠に基づいた情報が次々と目に入ってきた。ワクチンには副反応のリスクがあるものの、それを上回るメリットがあると感じるようになった。特に、目をひいたコメントがある。

『周りの人の多くがワクチンを受けていると受けていない人も守られます』

世の中には病気やアレルギーなどでワクチンを打ちたくても打てない子どもたちがいる。自分の子どもにワクチンを打つことで、こうした子どもたちをウイルスなどから守ることができるというのだ。



山本さん
「自分の子どものことも、一緒に集団生活している他のお子さんたちのことも守ることができる。すごく腑に落ちたというか納得して『打とう』って思いました」

ワクチンに対する考えが大きく変わった山本さん。次男のワクチン接種を再開した。

大竹教授
「周りの人にどんな影響を与えるを考えると人の行動は変わると思います。良い行動を取れば、周りの人にもメリットがあると認識すると、やはりより良い行動を取りたいと多くの人は思います」





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