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2019年12月17日

命に関わる“震災デマ” 惑わされないための3つのポイント

ネット上のデマやフェイク情報と戦う“バスターズ”、小木曽健さん。大手IT企業の情報教育部門の責任者を務めていて、「SNSとの向き合い方」や「ネットで失敗しない方法」などをテーマに、年間300回以上の講演を行っています。ITリテラシーの専門家として、全国の学校や企業、官公庁から依頼が殺到しています。

いま小木曽さんがもっとも危機感を持っているのが、地震などの災害時に出回る「震災デマ」。間違った情報を多くの人が信じ、拡散されることで、避難や救助の妨げになる可能性があるからです。今回は“震災デマ”に惑わされないための心得について、小木曽さんが寄稿してくれました。


震災デマは怖くない
2011年の東日本大震災の頃から、少しずつ見かけるようになった「震災デマ」。最近では大きな災害が起きると、必ずと言ってよいほど、フェイク情報が投稿されますが、震災デマは「明らかなウソ・間違い」の代表選手です。2016年の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた!」という震災デマが拡散しました。実は震災デマって、手順を踏んで確認すれば、すぐにフェイクを見破れるんですよ。

その①:科学的にあり得ない
 「明日、大地震が発生するらしい」
 「今回の地震は●●の陰謀」

言うまでもなく、地震の発生を、事前に正確に予知できる人、意図的に地震を引き起こせる人は、地球上にいません。冷静に考えれば、すぐに分かるレベルの話ですが、災害時には冷静さを失いがち。こういったフェイク情報には、当たり前の科学的知識で冷静に対処して下さい。慌てて拡散させると、あなたが恥をかくのはもちろん、多くの人に迷惑をかけることになります。

その②:情報源が曖昧、その後の続報がない
 「友人から連絡あり。●●駅で電車が転覆したらしい」
 「●●地区は今夜から断水。自衛隊から聞きました」

こうした書き込みは、一見、情報源が明確のように見え「あの人にも教えてあげよう」という親切心から拡散したくなります。しかし、「●●から聞いた」「現場に居合わせた人からの伝聞」は必ずしも正確な情報源とはいえません。
そもそも大きな事故や重要な情報には、運営会社や行政からのアナウンスが必ず存在しますから、それらの「情報源」が書かれていなければ高確率でフェイク情報。たとえ現場に居合わせた一般の人からの情報のほうが早くても、そのすぐ後に、正式な発表がされるはずです。いつまで待っても「正式発表」がされないものは、やはり高確率でフェイク情報です。

その③:画像付き
 「●●スーパーが燃えてる!」(デパート火災の画像)
 「動物園から動物が逃げたぞ!」(動物が逃げ出している画像)

私たちは、なぜか「画像」が添えられているだけで、その情報を信じてしまいがちです。だから、「それっぽい画像が添えられたフェイク情報」は相当たちが悪いのです。だって信用させる為、拡散させる為に、わざわざそれっぽいニセ画像を添付しているんですよ。もし拡散して大きな問題になったとき、「悪気はなかった」なんて言い訳は通用しないでしょう。熊本地震の「ライオンが逃げた!」というフェイク情報にも、ライオンが町中を歩く写真が添えられていました。

でも安心してください。悪質な「画像フェイク」は、最も白黒つけやすいフェイク情報でもあります。この手の画像フェイクで使われているのは、たいていネット上から適当に拾ってきたもの。だったらその逆の作業をすれば良いのです。

ちょっと怪しい、と感じた投稿に画像が添付されていたら、その画像を検索エンジンで「画像検索」してみて下さい。すぐに元ネタとなった「全く無関係の画像」が見つかるでしょう。無関係の画像が添付された情報なんて、100%フェイクに決まっています。だから白黒つけやすいんです。

熊本地震の「ライオンが逃げた!」という投稿でも、「南アフリカの街中で撮影された映画のロケ風景」を勝手に使っていました。

震災時に出回る様々なフェイク情報には、慌てず落ち着いて、この①②③チェックで対処して下さい。卑劣なフェイク情報に負けてはいけません。


小木曽さんの著書より引用


震災デマは、極めて違法性が高く、しかも多くの人命にかかわる深刻なフェイク情報です。そのせいで、必要のない「問合せ対応」や「安全確認」に費やされる稼働が発生し、消防や救急などの緊急対応に支障が出る可能性もあるからです。また、そのデマを単に「リツイート」「転載・転送」しただけでも、場合によっては責任を問われることがあります。
情報リテラシーとは「読解力」・「記述力」
そもそもリテラシーとは「読解力」「記述力」という意味。情報リテラシーは、情報の本質を理解し、その情報を適切に使うことができる能力と言えるでしょう。フェイク情報と戦うためには、この「情報リテラシー」が必要なのです。「フェイク・バスターズ」という番組をきっかけに、多くの方が「情報リテラシー」に興味を持ってほしい、そう強く願っています。

小木曽さんへのメッセージや聞きたいことなど、ぜひコメント欄に書き込んでください!

★小木曽さんには、この他にもITリテラシーで重要な「疑似相関」や子どものスマホのフィルタリング機能についても教えていただいたので、またご紹介したいと思います。

★小木曽さんが出演する「フェイク・バスターズ」は12月19日(木)夜10時半から放送します。 詳しくは「番組の放送予定」 をご覧ください。