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“フェイクニュース”に立ち向かう
★トピック一覧はこちら
⑰ フェイク情報に立ち向かう「次の一手」は?
⑯ 番組ダイジェスト【4】SNSのワナ “エコーチェンバー“
⑮ 番組ダイジェスト【3】ネットの医療情報 どう見分ける?
⑭ 番組ダイジェスト【2】ディープフェイク動画の脅威
⑬ 番組ダイジェスト【1】誰もが被害者・加害者に…
⑫ もしかしたらあなたも…?医療情報ネット検索の落とし穴
⑪ 【小木曽健さん】命に関わる“震災デマ” 惑わされないための3つのポイント
⑩ 【平和博さん】忍び寄る“ディープフェイクス動画”の驚異
⑨ 【葉山潤奈さん】人気ユーチューバーが語る デマ被害の恐ろしさ
⑧ 【山本健人さん】不確かな医療情報で「命の危険」も 外科医けいゆうの危機感
⑦ 【神田知宏さん】リツイートしただけで訴えられる!?ネットデマ訴訟の最新事情
⑥ もしSNSで“なりすまし”の被害にあったら・・・
⑤ “フェイク・バスターズ” 番組のお知らせ!
④ “デマいじめ”やネットトラブルに巻き込まれていませんか?
③ その拡散 ちょっと待って!【動画2分19秒】
② 突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【後編】
① 突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【前編】

ネット上で拡散されるデマやフェイク情報について、被害の実態など取材した内容を載せていきます。事件や災害、医療情報など、様々な偽情報や偽画像がSNSなどで拡散され、誰もが被害者・加害者になる可能性があります。専門家や番組ディレクターと一緒に、“フェイクニュース”に立ち向かう「バスターズ」の一人として議論しませんか?あなたが感じていることやご意見を、ぜひコメント欄に書き込んでください。

★被害の体験談や真偽の分からない情報は、下記のリンクからも募集しています。
https://www.nhk.or.jp/gendai/request/fakebusters.html

あなたのご意見募集しています!
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2019年12月19日
フェイク情報に立ち向かう「次の一手」は?
12月19日に放送した「フェイク・バスターズ」。スタジオトークの最後に、フェイク情報に立ち向かうための「次の一手」を出演者の皆さんに書いてもらいました。番組をきっかけにバスターズ同士が「コラボしよう!」という提案も。
中田 敦彦さん


「メディアの情報は『良質だけど難解』と『分かりやすいけど雑』のどちらかになりがちだと思います。この間をうまくとるという作業ができればいい」

神田 知宏さん(弁護士)


「法律家として色々な案件を扱って裁判例や判例を作る。それによって国会に新しい法律を作ってもらう。そういう流れになればいいかなと思っています」
小木曽 健さん(ITリテラシー専門家)


「『フェイクではない情報って全部本当なんですか?』というのが、本来の情報リテラシー。お互いの意見を認め合いながら議論ができる世界にしたいです」
平 和博さん(大学教授)


「フェイク情報が拡散される背景のひとつに、メディア不信があると指摘されています。メディアがしっかりと情報を収集し、それを視聴者や読者に説明して納得してもらうことが、非常に重要だと思います」
葉山 潤奈さん(芸能事務所社長/YouTuber)


「自分が発信できるところで、自分の言葉で落とし込んで分かりやすく発信していきたい。この番組にたどり着かないかもしれないユーザーに呼び掛けをして、見てもらうこととか、そういうことができればいいなと思っています」
山本 健人さん(外科医)


「SNSで情報啓発しても医療に興味がない方には届いていない状況です。中田さんや潤奈さんのようなエンターテインメントのプロと、コラボレーションというか力をお借りしたいと思います」

バスターズの皆さん、本当にありがとうございました!
#フェイクバスターズ
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2019年12月19日
番組ダイジェスト④ SNSのワナ “エコーチェンバー“
★あわせてこちらも★
番組ダイジェスト① 誰もが被害者・加害者に…
番組ダイジェスト② ディープフェイク動画の脅威
番組ダイジェスト③ ネットの医療情報 どう見分ける?

出演者:
MC 中田敦彦さん(オリエンタルラジオ・YouTuber) 葉山潤奈さん(芸能事務所社長・YouTuber) 山本健人さん(外科医) 神田知宏さん(弁護士) 小木曽健さん(ITリテラシー専門家) 平和博さん(桜美林大学教授)

SNSのワナ “エコーチェンバー” どうすれば抜け出せる
不確かな情報を信じてしまうきっかけ。普段使っているSNSにも落とし穴がある。同じ考えの人同士がSNSでつながると、目にする情報が偏ってしまいがちだ。こうした閉鎖的な空間は「エコーチェンバー」と呼ばれ、誤った情報でも信じ込みやすくなる危険がある。

山本亜希子さん(仮名)
「ワクチンは打たない主義でいたんです。フェイスブックとか見てたらそういうのが出てきて、打たないっていう選択肢もあるんだなと思って」

山本さんは、国が乳幼児に推奨するワクチンを、幼い次男に受けさせなかった。「ワクチンは危険」という情報ばかりを信じこんだためだ。出産するまでシステムエンジニアとして働き、自分はネットの世界に詳しいと思っていた山本さん。エコーチェンバーに陥ったきっかけは、子育てサークルの友人に「ワクチンには危険な成分が含まれている」と言われたことだった。

ちょうど引っ越した直後で、さらに夫の単身赴任が重なった時期。子育ての不安を受け止めてくれるのはサークル仲間だけ。山本さんはSNSにかじりついた。その話題の中心はワクチンだった。



山本さん
「どんどん出てきてそれが毎日続いて、ずっと情報入れていたという感じですね。信じてしまったかなと」

その山本さんが、エコーチェンバーから抜け出したきっかけは何だったのか。

山本さん
「大きなきっかけになったのは仕事を始めたこと。普通にワクチンを打ってるママさんとお話したり。全然違う環境なので、あれ?ってなって」




山本さん
「『おかしいと思うよね』『ちゃんと聞いてくれる?』とか何回も何回も言ってくるので。すごく心配してくれてるんだなっていうのが感じ取れたので、だんだん耳を傾けて真面目に受け取るようになっていって。『そう言われると、そういう気もするな』と」



大阪大学大学院の大竹文雄教授。経済学の視点から、人の思考の『癖』を分析。よりよい意思決定を行えるような仕組みを研究している。山本さんが異なる意見にも耳を傾けるようになったのは、「同僚たちの接し方」に理由があるという。

大竹教授
「同僚の方も『お子さんの健康を心配している』という共通の目的を持って説得されている。それを山本さんが理解されたというのが第一歩だったと思います。『あなたの信念が間違っている』と言おうとしている訳じゃない、と入っていかないと信じている人を説得するのは難しいと思います」

自分の考えに疑問を持ち始めた山本さん。改めてワクチンについて調べることにした。すると、これまでは素通りしていた科学的根拠に基づいた情報が次々と目に入ってきた。ワクチンには副反応のリスクがあるものの、それを上回るメリットがあると感じるようになった。特に、目をひいたコメントがある。

『周りの人の多くがワクチンを受けていると受けていない人も守られます』

世の中には病気やアレルギーなどでワクチンを打ちたくても打てない子どもたちがいる。自分の子どもにワクチンを打つことで、こうした子どもたちをウイルスなどから守ることができるというのだ。



山本さん
「自分の子どものことも、一緒に集団生活している他のお子さんたちのことも守ることができる。すごく腑に落ちたというか納得して『打とう』って思いました」

ワクチンに対する考えが大きく変わった山本さん。次男のワクチン接種を再開した。

大竹教授
「周りの人にどんな影響を与えるを考えると人の行動は変わると思います。良い行動を取れば、周りの人にもメリットがあると認識すると、やはりより良い行動を取りたいと多くの人は思います」





★放送では詳しくお伝えできなかった、バスターズたちの「次の一手」はこちらをご覧ください。
#SNS#フェイクバスターズ
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2019年12月19日
番組ダイジェスト③ ネットの医療情報 どう見分ける?
★あわせてこちらも★
番組ダイジェスト① 誰もが被害者・加害者に…
番組ダイジェスト② ディープフェイク動画の脅威
出演者:
MC 中田敦彦さん(オリエンタルラジオ・YouTuber) 葉山潤奈さん(芸能事務所社長・YouTuber) 山本健人さん(外科医) 神田知宏さん(弁護士) 小木曽健さん(ITリテラシー専門家) 平和博さん(桜美林大学教授)

あなたや家族に体調の異変が起きたとき、症状や治療法をネット検索していませんか?日本医科大の研究チームがネット上のがんについての情報を調査した結果、診療ガイドラインに基づくなど、医学的に信頼できるサイトはわずか1割しかなかったと報告しています。あなたが検索で見つけた情報、もしかしたら人生を狂わせることになるかもしれません。
夫が末期がんに ネットの情報信じた結果…


轟浩美さん
「500万以上かかってますよね。こんなにやっていたんだと思うと書いていて悲しくなります…。」

轟さんは、3年前に夫をがんで失った。がんと告知された後、ネットで見つけた「がんに効果がある」とうたわれた多くの方法を試した。その数、15種類以上。





轟さん
「そのときエビデンスって言葉をたくさん言われて。エビデンスって何?エビ?って。言ってることはただ一つ、『助けられない』って言うことなんだっていうことしか分からなかった。もう突き放されたんだって思って」



轟さん
「検索のときに『がん』と入力すると、サジェスト(予測変換)で『治る』とか『消える』って出てくるんです。それで、ああそうか、ここに諦めない人がいるじゃないかと。自分の聞きたい言葉を言ってる情報を信じちゃうっていう」

轟さんが最ものめり込んだもの。それは、にんじんジュースだ。アメリカで治療法が存在しているという情報を、ネットで目にしたのがきっかけだった。

轟さん
「夫に背を向けて、ずっとニンジンジュースを作り続けてるって日々が続いたんです。毎日朝昼晩って。もう狂ってきちゃってるので、冷蔵庫を開けると全部ニンジンなんですよ。50本くらい入ってるんじゃないですか」

街を歩いていても、気づけばがんの治療法を探していた。



一度抜いた血液にオゾンを混ぜ、体内に戻すという「血液クレンジング」。そこで待っていたのは、医師の優しい言葉。ここで30万円を費やした。



島根大学医学部の大野智教授。厚生労働省の研究班として、さまざまな医療情報の科学的根拠を調査してきた。轟さんが試したものは「補完代替療法」と呼ばれ、大野医師によるとその市場規模は今、推計で年間2兆円近くに達しているという。(※1)
特に最近では、比較的若い世代がネット検索をきっかけにのめり込むケースが多いという。(※2)

大野医師
「がん患者さんあるいはご家族は、不安でたまらない。そこにちょっと救いの手を差し伸べるかのように商品を持っていけば、手間をかけずに売れるというような状況がある。」

去年、世界的な医学雑誌に掲載された論文がある。補完代替療法を利用する患者は、利用しない患者よりも、国の保険が適用される標準治療を拒否する人が多いため、生存期間が短くなると報告されている。(※3)

大野医師
「生活の質を少し改善してくれる、少し良くしてくれるって意味では、補完代替療法が少し役立つ場面ってのもあるかもしれない、というような考え方も最近言われてはいるんですけども、ガンを治すっていう意味では補完代替療法で効果が証明されたものはひとつもない」

轟さんのもとには、知人や友人からも、さまざまな情報が寄せられ、そのほとんどを試した。ところが、夫の体調は悪化していく一方。主治医からは、「この体調では抗がん剤を投与できない」と告げられた。それでも轟さんは、食欲もなくなった夫に、にんじんジュースを作り続けていた。



轟さん
「きっともう耐えられなかったんだと思うんです。私が狂ったようになってる姿を見るのもつらいし。夫の名誉のために言いますと、夫は何も信じてませんでした。とにかく、抗がん剤だけをやりたかったんです」

思わず家を飛び出した轟さん。一晩中外を歩く中、自分が情報に踊らされ、夫の求めるものに頭が回らなくなっていたことに気づいた。この日を境に、轟さんは試していたすべての補完代替療法をやめた。
不確かな医療情報 どうすれば見分けられる?
潤奈:私の父親はあれやってるんですよ、血液クレンジング。心臓がすごい弱くて手術に耐えられないから「この治療法しかない」という勧められ方をして。

けいゆう:代替療法を完全に否定するつもりはないです。そういうものに希望を見いだして治療意欲を高める方もいます。希望を奪ってしまう権利は我々にはないです。ただ標準治療を否定したり、標準治療を受ける機会を奪ってしまうものに傾倒してしまうことだけは避けてほしい。

山本健人(やまもと・たけひと)。またの名を、「外科医けいゆう」。
消化器専門の外科医として手術、外来、がんの治療研究などを行うかたわら、ネットで、根拠のある医療情報を発信。ツイッター、ブログ、ユーチューブを駆使し、誤解されがちな医療情報をわかりやすく解説している。


けいゆう:完全に信じ込む人というのは、すごく情報収集力が高かったり頭が良かったりするんですよ。自分で一生懸命調べて、努力をして情報を集めて行き着いた結論というのは、本人にとっては揺るぎないんですよね。

中田:VTRで経験を語ってくださった轟さんにもお越しいただきました。外側から見ていると、「それが効くのか」という疑う目線で見ることはできるんですけど、どうして疑えずにのめり込んでしまったとお思いですか?

轟:今から思うと、検索で表示されたところに小さく「広告」と付いてるんですけど、そんなものは目に入らないし、検索の順番がエビデンスがあるものから順に並んでるんだと思ったので。ページの下の方に表示されるものは信頼できなくて、上の方にあるものが信頼できると思い、すがりました。

小木曽:検索って、すごくフラットに見ているように見せかけて、自分が欲しい情報にどんどん近付いていくんですよ。がんの標準治療がどれだけ信用できるのか、というところにはいかないんですね。医療に関してはネット検索はしない方がいいと思います。病院を調べるとか、標準治療の知識を得るためにはネットは非常に有効ですけれども。

中田:けいゆうさん、がん治療とか健康情報があまりにも色々な情報が飛び交ってるじゃないですか。科学的根拠というのはそもそも何なんですか?

けいゆう:科学的根拠という言葉がそもそも難しいんですけど…。



けいゆうさんが取り出したのは、お医者さんにとっては常識というこちらの図。難しい専門用語が並んでいるが、簡単に言うと、ピラミッドの上に行くほど医学的に信頼度が高くなることを表しているという。国の保険が適用される治療は、たくさんの研究や検証に基づいているので上の部分に限られている。逆に一番下、具体的なデータに基づかない意見は、たとえお医者さんの言葉でも信頼性が低い、というのが医学の常識だという。

けいゆう:「白、黒」「ある、ない」「効く、効かない」の2択ではなくて、医療の難しいところは、そこがグラデーションになっていること。どの程度「白寄り」なのかを調べるのが医療の歴史。

中田:真っ黒っぽいものから、ちょっと濃いめのグレーとか色々混ざってるから、難しい。

けいゆう:我々としては、科学に誠実であればあるほど「あなたを絶対に治します」とは言えないんですよ。

中田:だから冷たく映っちゃうんだ。

轟:(情報を集めるために)最初に行ったのは図書館なんです。がんのコーナーに並んでいるものはほとんどが体験談なんですね。「こうやって私は末期のがんを克服した」とかというのが並んでいた。

中田:テレビでもよくやってますよね?これをやると健康にいいとか。

けいゆう:テレビも同じですよね、同罪というか。だから、そういう情報を発信するのであれば、出典を明示しないといけない。どの程度の根拠があるのか。何を参考にしてつくったのかということですよね。

中田:いわゆるエビデンス、証拠、正確性、そういうもののためにプロのお医者さんたちはいろんな論文や実験を裏付けにしているけど、毎週画期的な情報をオンエアしているその番組は、一体どこにエビデンスがあるんだと。そういうことですね?

けいゆう:はい。攻めてますね(笑)。

中田:テレビ…!!



★番組の続きはこちらから
番組ダイジェスト④ SNSのワナ “エコーチェンバー”

(※1)「Hyodo et al. Journal of Clinical Oncology 23;2645-54,2005」 を元に推計
(※2)厚生労働省がん研究助成金「我が国におけるがんの代替療法に関する研究」より考察
(※3)出典:Johnson SB, et al. JAMA Oncology2018;4(10):1375-1381
#SNS#医療#フェイクバスターズ
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2019年12月19日
番組ダイジェスト② ディープフェイク動画の脅威
★あわせてこちらも★
番組ダイジェスト① 誰もが被害者・加害者に…
出演者:
MC中田敦彦さん(オリエンタルラジオ・YouTuber) 葉山潤奈さん(芸能事務所社長・YouTuber) 山本健人さん(外科医) 神田知宏さん(弁護士) 小木曽健さん(ITリテラシー専門家) 平和博さん(桜美林大学教授)
最新AIで「顔」だけが… ディープフェイク動画
つづいては、最新のAI技術によって生み出されたフェイク動画について。 顔の部分だけを別の動画に合成した「ディープフェイク動画」と呼ばれているものが、いま世界中で次々に作られている。

中田:面白いけど、ものすごい精巧作られたら被害は相当大きいですね。こんなことできると思ってないですもん。

平:今から2年ぐらい前に、アメリカの大手のネット掲示板から出てきたものなんです。そのとき“ディープフェイクス”というハンドル名を使った人が、AIを使ってハリウッドの女優さんの顔をポルノ動画に合成しちゃった。

中田:写真ではなく動画でそれを…?
ディープフェイク動画 「ポルノ被害」が急増中


オーストラリアに住むこの女性。以前から自分の顔を使った「偽のポルノ写真」が拡散される被害に悩まされてきた。サイト運営会社に削除申請をするなど対策に追われてきたが、去年、写真に加え動画も拡散されているのに気づいた。

ノエルさん
「ショックでした。何が起きているのか全く分かりませんでした。吐き気がしました。とにかく怖かったんです」



ディープフェイクによる「ポルノ動画」だった。ノエルさんがSNSにあげていた動画を、誰かが別のポルノ動画と合成したものとみられる。すでに3万回近く再生されている。

ノエルさん
「将来パートナーができたら、まず被害について話すことになるでしょう。悲しいことに私の裸のフェイク動画が世界中に流れてしまっているのですから」

オランダのサイバーセキュリティ会社の最新調査によると、これまでネット上で確認された「ディープフェイク動画」のうち、実に96%がこうした「ポルノ動画」だという。ディープフェイクの脅威に、我々は、どう向き合えばいいのか。



中田:一般の人をディープフェイク動画にして、デマとして拡散してしまう。そういうことも日本でも起こり得る?

小木曽:起こり得ると思います。このスピード感でいうと。

潤奈:非常にやばい時代ですよね。非常にやばい。

中田:どうしたらいいんだろう。ディープフェイク動画をそもそも作られないためには何かできないんですか。

平:これは難しいですよね。一切、自分の画像(動画)をネットに上げない。

中田:私ユーチューブを毎日投稿している。何百本出していると思うんですか!手遅れじゃないですか
ディープフェイク動画 AIで被害は防げるか
AI技術が生んだ、ディープフェイク動画。その対策の鍵を握るのもAIだ。去年、ネット上で公開されたオバマ前大統領のディープフェイク動画。実際には行っていない、トランプ大統領を「ののしる」演説をしている。一見しただけでは分からないが、瞬きの回数が少ないなど、本物と比較すると不自然な箇所があるという。
ロサンゼルスにあるシステム開発会社では、人の目では見抜けない、こうしたわずかな違いをAIに判別させようとしている。本物の映像を解析し、顔の動きなどの特徴を学習させている。研究の中心となっているのは日本人エンジニアだ。

日本人エンジニア
「例えば口がどれくらい開いているか、瞬きをどれくらいの頻度でするかなど、全部で20個くらいの特徴が相互にどういう相関があるかを解析すると、本物か偽物かを見分けることができる」

まだ開発段階だが、政府機関などからも複数の問い合わせがあるという。
フェイク動画 政治利用の危険も
平:例えばフェイスブック、グーグル、ツイッター、マイクロソフトなどのIT企業が、フェイク動画を拡散する前に検知して、排除しようというような取り組みも出始めています。その背景には、この技術が政治的に使われる可能性もあるというのが一つ。政治的に対立している相手が、発言していないようなことを発言させる。実際にインドでは、政権に批判的な女性ジャーナリストの顔をポルノ動画に貼り付けて、ネットで拡散させるということも起きているんですね。

中田:恐ろしい社会ですね。政権側の動きでそうさせられているってことですか?

平:恐らく政権の支持者が、そういうことをしてるんじゃないかと思いますけれども。

けいゆう:技術の進歩で確実に本物に近づいてくる。それを止めることはできないですが拡散するのは人間なので。だからまずは「そういう技術が存在する」ことを知ることが大事ですよね。医療も全く一緒なんですけど、見る側のリテラシーが高まっていくことで拡散は食い止められるのかな。僕ら今までこういう技術があることを全く知らなかったので、全く無防備というか100パーセント信じちゃう。

中田:「こういうものがあるんだよ」という理解があると、ディープフェイク動画かもしれないという目線を、みんなが持てるわけですね。

デジタル時代のバスターズノート。



★番組の続きはこちらから
番組ダイジェスト③ ネットの医療情報 どう見分ける?
#SNS#ディープフェイク#フェイクバスターズ
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2019年12月19日
番組ダイジェスト① 誰もが被害者・加害者に…
「フェイク・バスターズ」それは、現代社会にはびこるフェイク情報と、日々戦っている人々のこと。「デマの拡散を防ぐ方法はある?」「正しい医療情報の見分け方は?」「最新フェイク動画は見破れる?」などをテーマに、オリエンタルラジオ・中田敦彦さんが、弁護士や医師などの専門家と徹底討論。フェイク情報の被害者・加害者にならないための“新常識”とは!?

出演者:
MC 中田敦彦さん(オリエンタルラジオ・YouTuber) 葉山潤奈さん(芸能事務所社長・YouTuber) 山本健人さん(外科医) 神田知宏さん(弁護士) 小木曽健さん(ITリテラシー専門家) 平和博さん(桜美林大学教授)
ネットのデマやフェイク情報 誰もが被害者・加害者に
中田:ネット上のデマやソースが分からない情報を毎日目にするけど、何が本当なのか何を信じたらいいのか困ってるという方も多いと思うんです。そこで今日は、色々なフェイク情報と戦っている5人の「バスターズ」と一緒に、自分の身を守る具体的な方法を考えていきたいと思います。
番組では、フェイク情報で人生を狂わされてしまったという人たちを取材しています。まずは、全く身に覚えがないのに事件の犯人だというデマを流されてしまった、ある女性の体験です。
ある日突然“犯人”に 被害者の告白
笹原さん
「笹原です。仕事は、WEB制作だったり、デザイン作成をしています。ことしの8月に根拠のないデマ情報の拡散で被害に遭いました」





その翌朝。SNSのコメント欄を見ると…
「出頭しろ」「殺したろか」「ガラケー女、謝って」



ニュースで伝えられていた「常磐道あおり運転事件」。暴行する男の隣で、携帯電話で写真を撮る女が、笹原さんだというデマが流れていた。「服装や顔の輪郭が少し似ている」「笹原さんのSNSが男にフォローされていた」というのが理由だった。全く身に覚えのないこのデマは、リツイートやシェアによって一気に拡散。一晩で犯罪者に仕立て上げられた。笹原さんのSNSアカウントにも、デマを信じた人たちから人格を否定するようなダイレクトメッセージが殺到。その数は1000件を超えた。

笹原さん
「『死ね』『殺す』『家から出たらどうなるか分かっているな』とか。それを見て、外へ買い物に行ったら隣の人かもしれないという怖さはありました。ここまで人を攻撃できる人たちに対しての恐怖でした」



小沢一仁弁護士
「笹原さんからの電話で『どうしたらいいか分からないからアドバイスが欲しい』と。いったん広まると元に戻すのは大変。『なるべく早く正式なものを出した方が良いでしょう』と話したら、『私もそう思います』と」

ネットの炎上案件を数多く扱ってきた小沢弁護士。これまでの経験から「デマは強く否定することが何よりも大事」だと考えていた。笹原さんから電話を受けたその日に「声明文」を作り、笹原さんの会社のホームページですぐさま公開した。

「当該情報は、全く事実無根のものです」
「笹原の名誉権を、著しく侵害するものです」

すると、狙い通り書き込みを削除する動きが相次いだ。

小沢一仁弁護士
「第1段階としてはあのタイミングで結構消えた感じ。その次はやっぱり記者会見。『本人ではない』ことを正式な場でもう1回明確にしておく必要があると思った」

記者会見を提案した小沢弁護士。削除された投稿はまだ一部に過ぎず、残りの膨大な量を消すには、次の一手が必要だと考えたのだ。炎上から6日後。笹原さんの顔を撮影しないことを条件に、2人は記者会見に臨んだ。






これが事態をさらに大きく動かす。すぐに300通を超える謝罪のメールが送られてきたのだ。

特に悪質な投稿をした人に対しては慰謝料を請求、和解が成立した。デマの書き込みはほとんど削除され、いまは検索にもヒットしなくなっている。

笹原さん
「ものすごく嫌ではありましたけど、記者会見はやって良かったと思います。“デジタルタトゥー”って言いいますけど、あんなに一気に消えるんだと思った。手のひらを返したように謝ってきて、人間の二面性みたいなものをすごく実感しました」

炎上から4か月。笹原さんと小沢弁護士はいま、謝罪の連絡がない数百人を相手に訴訟をおこす準備を進めている。もし、あなたが同じような被害にあったら、どうすればいいのか。

もしあなたが被害者になったら
中田:潤奈さんも同じように完全なデマを流されて、否定したんですよね?

潤奈:そうです。ネットニュースに色々なスレッド立っちゃって。その頃ツイッターで10万人ぐらいフォロワーがいたんですけど、1万人ぐらい消えたんですよ。

葉山潤奈。芸能事務所社長、歌手、アパレル経営など多彩な顔を持つ。ユーチューバーとしてもチャンネル登録者数は20万人。そんな彼女がネットデマの被害にあったのは2年前。事故で愛犬を失った際、「犬を殺し、骨を販売した」というデマや偽画像を拡散されたのだ。その経験から、デマ被害にあった若者たちの相談に乗っている。

潤奈:応援してくださる人が減ったのもそうですし、実際に商売にもすごい響きました。決まっていた仕事もなくなりましたし。動物愛護団体とかに通報されて「二度と犬を飼うな」みたいな。弁護士の先生にお願いして削除依頼と謝罪文をいただけないかやったんですが、記者会見とまではいかなかった。

中田:VTRで取材した笹原さんが来てくれています。まだ闘いは終わってないっていうことですよね?

笹原:今回私の場合、拡散が10万件超えてると言われていて。

中田:すごいですね、10万件なんて僕リツイートされたことないですよ。どれだけ発信したって。

笹原:どこかで誰かがやらないと、また同じことが起きたときに同じ進め方をされてしまう。被害者も加害者も何も学ばない。誰かがやるしかないなら私がやってもいいのかなと思いました。

中田:泣き寝入りした前例にはなりたくないと。

潤奈:犯人の特定ってめちゃくちゃ難しいですよね。特定できました?

笹原:今、調べてる最中です。

中田:まだかかってるんだ。難しいんですかそんなに?

潤奈:私、特定できなかったんです。

神田:見つけたら早く動かないと、誰が書いたか特定できなくなるんです。3カ月、6カ月という時間的な制約があるのでなかなかたどり着かないですね。

ネット炎上に関する案件を数多く扱っている神田知宏弁護士によると、匿名で書き込みをした人を特定し訴えるにはスピードがとても重要だという。多くの携帯電話会社やプロバイダは、ユーザーのアクセス履歴を3か月から6か月しか保存していないからだ。データが消されてしまうと、相手を訴えることはとても難しくなる。

中田:弁護士さんに相談しようと思えず、右往左往して自分で悩んでしまう人も多いんじゃないですか?

神田:来るまでに時間がかかってる人は多いと思います。ネットの問題を扱ってる弁護士は非常に増えていますけど、「ネットで悪口書かれたから弁護士のところに行こう」という人は、そんなに多くはないと思います。

中田:かかる費用もかなり大きいですよね。お金がない人はどうしたらいいんですか?

小木曽:かわいそうなのが、こういうのって子どもが多いんですよ。デマ情報に直面してるのって。

ITリテラシーの専門家・小木曽健。年に300回以上、全国の学校や企業などで講演を行い、ネット炎上の被害者・加害者にならない方法を教えている。デマの拡散を止めるため、お金がなくても「自分で出来る対策」があるという。

小木曽:自分のSNSアカウントのトップに「警察関係・法律関係の方に相談して対応中です」と書かせるんですね。嫌がらせしてる子たちは、本人が困ってるのを見たがるんですよ。だから絶対それを見てびっくりしてバーッと消します。SNS上で「ミニ記者会見」をやっちゃうんです。



リツイートだけで慰謝料も デマ加害者にならないために

中田:リツイートって色々な人がやるじゃないですか。

小木曽:根っこの部分には「情報発信に責任があるということを、みんなが知らな過ぎる」ということがある。正義感とか善意、悪意はどうでもいいんですよ。これは全部情報発信です。そして全部責任があるんです。

平:スマホでポチッと押すだけだから些細なことだとつい思ってしまうんですけれども、それによって、間違えたときの影響力というのもある。例えば「新聞が誤報を出す」「テレビが間違ったニュースを流す」のと同じぐらいの影響を与えてしまうんだ、ということがどうしても体感として理解できてないところはあるのかもしれない。

小木曽:言ってみれば、みんながネット使い始めたのは長くても20年ちょっとなんです。みんな「二十歳過ぎの青二才」がネットを使っているのが今の地球の状況ですよね。

中田:みんな初心者マークの自動車みたいなものなんですね。

平:リツイートする人の6割が、(記事の見出しだけで)中身を見ないでリツイートしてるという…

中田:僕それで一回、先輩芸人さんとちょっともめましたもん。ユーチューブをやってるカジサック(キングコング・梶原)さんのことを「批判した」みたいな記事が出たんですよ。ネットニュースやネット記事って、タイトルだけ激しくて中身はそうでもないということがある。タイトルだけ読んでリツイートしてる人、めちゃくちゃ多いんですよ。

平:それが6割。

中田:カジサックさんその6割に入っちゃってたんですよ。それで怒っちゃったんですから(笑)

デマを拡散した場合、被害者に慰謝料を請求されることも増えている。いくらくらいになるのか?

神田:悪質であれば慰謝料は30万円、50万円、70万円どれかになると思います。先日、判決があったものも、リツイートした人への慰謝料請求は30万円でした。

中田。なるほど、そういう時代になってきてるんですね。

潤奈:加害者にも被害者だけでなく、何もしない人たちもどうなんだろって、すごい疑問に思ってたりして…。「この情報、どう考えたっておかしいでしょ」っていう一言を発する人がいない。

中田:リツイートしたり罵詈雑言を浴びせてくる人たちに対して、「それは違うよ」って言ってくれる人がいたら助かりますよね。



★番組の続きはこちらから
番組ダイジェスト② ディープフェイク動画の脅威
#SNS#フェイクバスターズ
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2019年12月17日
もしかしたらあなたも…?医療情報ネット検索の落とし穴
あなたや家族に体調の異変が起きたとき、症状や治療法をネット検索していませんか?日本医科大の研究チームがネット上のがんについての情報を調査した結果、診療ガイドラインに基づくなど、医学的に信頼できるサイトはわずか1割しかなかったと報告しています。あなたが検索で見つけた情報、もしかしたら人生を狂わせることになるかもしれません。

★12月19日(木)放送「フェイク・バスターズ」の内容を、特別に少しだけご紹介します。

轟浩美さん
「500万以上かかってますよね。こんなにやっていたんだと思うと書いていて悲しくなります…」

轟さんは、3年前に夫をがんで失った。がんと告知された後、ネットで見つけた「がんに効果がある」とうたわれた多くの方法を試した。その数、15種類以上。

始まりは、6年前の12月。





轟さん
「『助けられない』って言うことなんだっていうことしか分からなかった。もう突き放されたんだって思って」





轟さん
「検索のときに『がん』と入力すると、サジェスト(予測変換)で『治る』とか『消える』って出てくるんです。それで、ああそうか、ここに諦めない人がいるじゃないかと。自分の聞きたい言葉を言ってる情報を信じちゃうっていう」

轟さんが最ものめり込んだもの。それは、にんじんジュースだ。アメリカで治療法が存在しているという情報を、ネットで目にしたのがきっかけだった。

轟さん
「夫に背を向けて、ずっとニンジンジュースを作り続けてるって日々が続いたんです。毎日朝昼晩って。もう狂ってきちゃってるので、冷蔵庫を開けると全部ニンジンなんですよ。50本くらい入ってるんじゃないですか」

街を歩いていても、気づけばがんの治療法を探していた。

一度抜いた血液にオゾンを混ぜ、体内に戻すという「血液クレンジング」。そこで待っていたのは、医師の優しい言葉。ここで30万円を費やした。



医師の大野智さん。厚生労働省の研究班として、さまざまな医療情報の科学的根拠を調査してきた。轟さんが試したものは、補完代替療法と呼ばれるもので、大野によると、その市場規模は今、推計で年間2兆円近くに達しているという。(※1)
特に最近では、比較的若い世代が、ネット検索をきっかけにのめり込むケースが多いという。(※2)



医師・大野さん
「がん患者さんあるいはご家族は、もう不安でたまらない。そこにちょっと救いの手を差し伸べるかのように商品を持っていけば、手間をかけずに売れるというような状況がある」

去年、世界的な医学雑誌に掲載された論文がある。補完代替療法を利用する患者は、利用しない患者よりも、国の保険が適用される標準治療を拒否する人が多いため、生存期間が短くなると報告されている。(※3)

医師・大野さん
「生活の質を少し改善してくれる、少し良くしてくれるって意味では、補完代替療法が少し役立つ場面ってのもあるかもしれない、というような考え方も最近言われてはいるんですけども、ガンを治すっていう意味では補完代替療法で効果が証明されたものはひとつもない」



轟さんのもとには、知人や友人からも、さまざまな情報が寄せられ、そのほとんどを試した。ところが、夫の体調は、悪化していく一方。主治医からは、「この体調では抗がん剤を投与できない」と告げられた。それでも轟さんは、食欲もなくなった夫に、にんじんジュースを作り続けていた。



轟さん
「きっともう耐えられなかったんだと思うんです。私が狂ったようになってる姿を見るのもつらいし。夫の名誉のために言いますと、夫は何も信じてませんでした。とにかく、抗がん剤だけをやりたかったんです」

思わず家を飛び出した轟さん。一晩中外を歩く中、自分が情報に踊らされ、夫の求めるものに頭が回らなくなっていたことに気づいた。この日を境に、轟さんは試していたすべての補完代替療法をやめた。

ネットにあふれる根拠のない医療情報、一体どう見極めればいいのか。
12月19日放送の「フェイク・バスターズ」でオリラジ・中田敦彦さんが専門家と議論します。ぜひご覧ください。
「番組の放送予定」

(※1)「Hyodo et al. Journal of Clinical Oncology 23;2645-54,2005」 を元に推計
(※2)厚生労働省がん研究助成金「我が国におけるがんの代替療法に関する研究」より考察
(※3)出典:Johnson SB, et al. JAMA Oncology2018;4(10):1375-1381

#SNS#医療#フェイクバスターズ
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2019年12月17日
命に関わる“震災デマ” 惑わされないための3つのポイント
ネット上のデマやフェイク情報と戦う“バスターズ”、小木曽健さん。大手IT企業の情報教育部門の責任者を務めていて、「SNSとの向き合い方」や「ネットで失敗しない方法」などをテーマに、年間300回以上の講演を行っています。ITリテラシーの専門家として、全国の学校や企業、官公庁から依頼が殺到しています。

いま小木曽さんがもっとも危機感を持っているのが、地震などの災害時に出回る「震災デマ」。間違った情報を多くの人が信じ、拡散されることで、避難や救助の妨げになる可能性があるからです。今回は“震災デマ”に惑わされないための心得について、小木曽さんが寄稿してくれました。


震災デマは怖くない
2011年の東日本大震災の頃から、少しずつ見かけるようになった「震災デマ」。最近では大きな災害が起きると、必ずと言ってよいほど、フェイク情報が投稿されますが、震災デマは「明らかなウソ・間違い」の代表選手です。2016年の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた!」という震災デマが拡散しました。実は震災デマって、手順を踏んで確認すれば、すぐにフェイクを見破れるんですよ。

その①:科学的にあり得ない
 「明日、大地震が発生するらしい」
 「今回の地震は●●の陰謀」

言うまでもなく、地震の発生を、事前に正確に予知できる人、意図的に地震を引き起こせる人は、地球上にいません。冷静に考えれば、すぐに分かるレベルの話ですが、災害時には冷静さを失いがち。こういったフェイク情報には、当たり前の科学的知識で冷静に対処して下さい。慌てて拡散させると、あなたが恥をかくのはもちろん、多くの人に迷惑をかけることになります。

その②:情報源が曖昧、その後の続報がない
 「友人から連絡あり。●●駅で電車が転覆したらしい」
 「●●地区は今夜から断水。自衛隊から聞きました」

こうした書き込みは、一見、情報源が明確のように見え「あの人にも教えてあげよう」という親切心から拡散したくなります。しかし、「●●から聞いた」「現場に居合わせた人からの伝聞」は必ずしも正確な情報源とはいえません。
そもそも大きな事故や重要な情報には、運営会社や行政からのアナウンスが必ず存在しますから、それらの「情報源」が書かれていなければ高確率でフェイク情報。たとえ現場に居合わせた一般の人からの情報のほうが早くても、そのすぐ後に、正式な発表がされるはずです。いつまで待っても「正式発表」がされないものは、やはり高確率でフェイク情報です。

その③:画像付き
 「●●スーパーが燃えてる!」(デパート火災の画像)
 「動物園から動物が逃げたぞ!」(動物が逃げ出している画像)

私たちは、なぜか「画像」が添えられているだけで、その情報を信じてしまいがちです。だから、「それっぽい画像が添えられたフェイク情報」は相当たちが悪いのです。だって信用させる為、拡散させる為に、わざわざそれっぽいニセ画像を添付しているんですよ。もし拡散して大きな問題になったとき、「悪気はなかった」なんて言い訳は通用しないでしょう。熊本地震の「ライオンが逃げた!」というフェイク情報にも、ライオンが町中を歩く写真が添えられていました。

でも安心してください。悪質な「画像フェイク」は、最も白黒つけやすいフェイク情報でもあります。この手の画像フェイクで使われているのは、たいていネット上から適当に拾ってきたもの。だったらその逆の作業をすれば良いのです。

ちょっと怪しい、と感じた投稿に画像が添付されていたら、その画像を検索エンジンで「画像検索」してみて下さい。すぐに元ネタとなった「全く無関係の画像」が見つかるでしょう。無関係の画像が添付された情報なんて、100%フェイクに決まっています。だから白黒つけやすいんです。

熊本地震の「ライオンが逃げた!」という投稿でも、「南アフリカの街中で撮影された映画のロケ風景」を勝手に使っていました。

震災時に出回る様々なフェイク情報には、慌てず落ち着いて、この①②③チェックで対処して下さい。卑劣なフェイク情報に負けてはいけません。


小木曽さんの著書より引用


震災デマは、極めて違法性が高く、しかも多くの人命にかかわる深刻なフェイク情報です。そのせいで、必要のない「問合せ対応」や「安全確認」に費やされる稼働が発生し、消防や救急などの緊急対応に支障が出る可能性もあるからです。また、そのデマを単に「リツイート」「転載・転送」しただけでも、場合によっては責任を問われることがあります。
情報リテラシーとは「読解力」・「記述力」
そもそもリテラシーとは「読解力」「記述力」という意味。情報リテラシーは、情報の本質を理解し、その情報を適切に使うことができる能力と言えるでしょう。フェイク情報と戦うためには、この「情報リテラシー」が必要なのです。「フェイク・バスターズ」という番組をきっかけに、多くの方が「情報リテラシー」に興味を持ってほしい、そう強く願っています。

小木曽さんへのメッセージや聞きたいことなど、ぜひコメント欄に書き込んでください!

★小木曽さんには、この他にもITリテラシーで重要な「疑似相関」や子どものスマホのフィルタリング機能についても教えていただいたので、またご紹介したいと思います。

★小木曽さんが出演する「フェイク・バスターズ」は12月19日(木)夜10時半から放送します。 詳しくは「番組の放送予定」 をご覧ください。
#SNS#震災デマ#フェイクバスターズ
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2019年12月16日
忍び寄る“ディープフェイクス動画”の驚異
メディア論の研究をしている桜美林大学の平和博教授は、本人曰く「“フェイクニュース”の収集家」。国内国外を問わず、ネット上に拡散した様々なデマやフェイク情報について分析しています。その平さんがいま強い危機感を抱いているのが、最新のAI技術によって作られた「ディープフェイクス(ディープフェイク※)動画」の急増です。いったい何が起きているんでしょうか?



「ディープフェイクス動画」とは、ある動画の顔部分だけを、他の動画と合成した「偽動画」です。最新のAI技術によって、表情の動きなどもきわめて精巧に作られていて、合成と見破るのはきわめて困難です。平さんによると2年ほど前から、ディープフェイクス動画による被害が急増しているというのです。

知っておきたい ディープフェイクス動画から身を守るには
Q どんな被害が出ているの?
ほとんどは「ポルノ」による被害です。実在するポルノ動画の顔の部分だけを、全く別の女性の顔にすげ替え、拡散するのです。その女性を狙った嫌がらせやリベンジポルノなどに使われていて、各国で被害者が相次いでいます。日本でも、芸能人のディープフェイクスのポルノ動画が出回り始めています。

Q 誰が作っているの?
AIに詳しい人なら、その気になれば簡単に作れてしまうと言われています。ネット上にある動画などを元に、様々な表情や顔の動きも再現できます。動画合成の技術は、近年めざましいスピードで進化していて、ハリウッド映画などでも多用されていますが、それを低価格でつくることが可能になり、悪用されているのです。

Q 見分ける方法はあるの?
本物と比べるとディープフェイクス動画は「まばたきが少ない」「鼻の向きがわずかにずれる」などの特徴があると言われています。しかしAI技術の進歩でどんどん精巧になっており、人の目で見分けるはますます難しくなるでしょう。一方で、AIによって作られたディープフェイクスですから、AIを使った対策が期待されています。AIを活用し、自動的にディープフェイクス動画を判別する技術の開発が進められています。

Q 自分のディープフェイクス動画が出回らないように、できることはある?
残念ながらできることは限られています。ただし、ディープフェイクス動画をつくるためには、材料となる画像や動画が必ず必要です。SNSなどに自分の動画をアップする人は多いと思いますが、それが悪用されるリスクは知っておくべきです。もちろん家族や友人の動画も同様です。

ディープフェイクスで民主主義が脅かされる?
平さんによると、いま懸念されているのは「政治」や「選挙」に関するディープフェイクスです。去年、ネットで公開され話題となったのが、オバマ前大統領のフェイク動画。実際には発言していない、「トランプ大統領をののしる」内容を口にしているものでした。

このようにディープフェイクスの技術を使えば、ある政治家の演説動画で、実際には発言していない内容をしゃべらせる、といったことも可能です。それを多くの人が信じて選挙で投票するようになれば、民主主義の大きな危機です。アメリカでは来年大統領選挙がありますが、グーグルやフェイスブックなどの大手ITプラットフォームもディープフェイクス対策に本腰を入れ始めています。

まるで“特ダネ合戦”!? リツイートの6割は「中身を見ていない」
元々平さんは、新聞記者としてメディアやIT業界の取材を担当していました。Windows95の登場以降、パソコンやネットの普及で社会が急速に変化していく様子を目の当たりにしてきました。アメリカのシリコンバレーに駐在した経験もあります。その中で、「ネット上のデマやプロパガンダがどう生み出され、社会にどんな影響を与えているか」について大きな関心を抱くようになったと言います。そして、トランプ大統領が当選した2016年のアメリカ大統領選で、フェイクニュースが民主主義の脅威になっていることを実感し、このテーマを本格的に追いかけるようになりました。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの調査によると、フェイクニュースのほうが、事実を伝えるニュースより20倍速く広がってしまうといいます。
またアメリカとフランスの共同研究チームによると、ツイッターでニュースをリツイートした人の6割が、記事のリンクをクリックしておらず、つまり中身を見ていなかったという、調査結果もあるそうです。

こうした状況について、平さんはこう分析します。

「まるで新聞記者が特ダネ争いをするように、『自分が一番にこの情報を見つけた』という心理に陥っているのではないでしょうか。フェイクニュースの拡散に加担しないためには、リツイートする前に深呼吸をして、立ち止まって考えることが必要だと思います。」
メディアは「しっかりしろ」
その一方で、フェイクニュースが拡散する背景には、新聞やテレビなどマスメディアの信頼度が落ちていることがあると、平さんは考えています。人手と費用と時間をかけて取材しているメディアが信用されなければ、ますます“正しい情報”が伝わらなくなると危機感を抱いています。そのため今こそメディアは、信頼性を高める努力をすべきだと訴えます。

「メディアが何かを隠しているんじゃないか、真実はネットの中にしかないと思っている人も少なくないと思います。メディアがしっかりと情報を収集して、その裏付けをとってきちんと、それをユーザーに説明していく、理解してもらうことが非常に重要ではないでしょうか」

平さんへのメッセージや聞きたいことなど、ぜひコメント欄に書き込んでください!

★平さんが出演する「フェイク・バスターズ」は12月19日(木)夜10時半から放送します。 詳しくは「番組の放送予定」 をご覧ください。

※番組では「ディープフェイク」という表現を使っていますが、この記事では平さんの著書などの表記に合わせて「ディープフェイクス」を使用しています。「ディープフェイクス」の名称は、2017年にアメリカの掲示板サイトにフェイク動画に関する投稿をした、ユーザーのハンドル名に由来しています。
#ディープフェイク#AI#フェイクバスターズ
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2019年12月16日
人気ユーチューバーが語る デマ被害の恐ろしさ
ネット上のデマやフェイク情報に立ち向かう“バスターズ”の一人、葉山潤奈さん。芸能プロダクション社長、歌手、アパレルブランドのプロデュースなどいくつもの顔を持ち、ユーチューバーとしても10~20代を中心に人気を集めています。その潤奈さん、実は、過去にネット上で悪質なデマを拡散され「死にたい」と思ったことがありました。一体、何があったのでしょうか?
「死にたくなった」 愛犬について根も葉もないデマが拡散
ユーチューブのチャンネル登録者数が20万人を超える潤奈さん。「なぜ中卒になったのか」「婚約破棄の理由」など自分のこれまでの経験を赤裸々に語ったり、おすすめのメイクやファッションを紹介したりしています。熱狂的なファンがいる一方で、アンチの人からは、しばしばネット上でデマを流されるなどの嫌がらせを受けてきました。特に悪質で、潤奈さんが精神的に追い詰められたのが、2年前の愛犬に関するデマです。

当時、潤奈さんは、生後4ヶ月になるチワワの「ジェス」を我が子のように大事にしていました。しかし、ある日潤奈さんが家の中で座っていると、ジェスが勢いよく走ってきて、潤奈さんのひじに頭を強くぶつけしまいました。そのまま動かなくなり、死んでしまったのです。

「目の前でパタッと倒れたときに、私も冷静さを失ってパニックを起こしたし、泣いてしまって『どうしよう、どうしよう』って。すごい自分を責めて、何をしているんだろうっていう気持ちでした。」

その直後、潤奈さんはジェスの死を伝えるブログを公開しました。すると、「葉山潤奈が犬殺しちゃった」という書き込みが相次いだのです。その内容は日に日に過激さを増し、「愛犬の遺骨をネックレスにして販売している」との悪質なデマが拡散されるようになりました。潤奈さんがプロデュースした新作バッグを紹介する投稿に、全く別の犬の遺骨の画像を合成したフェイク画像まで出回りました。さらに、韓国人の父親を持つ潤奈さんに対し「韓国人は犬を食べるから、食べたんでしょ」と中傷する、差別的な書き込みまでありました。

「そんな性格じゃないんですけど、私はやっていないのに、なんかいけないことをしてしまったと思ってしまうぐらい、心理状況がおかしくなるというか。本当に死にたいなって思ったくらいきつくって。どれだけ巻き返そうと思っても、フェイクのほうがどんどん、どんどんでかくなっていっちゃって。」


(左:潤奈さんと愛犬ジェス 右:実際のネット上の書き込み)
デマはスルーしない 私は戦う
ネットの世界では、スルースキルという言葉があります。デマや嫌がらせの被害にあった場合、あえてスルー、無視したり受け流すことで騒ぎが収まるのを待つことを指します。しかし、潤奈さんは、自分が泣き寝入りしてしまうと、社長をつとめる芸能事務所に所属するモデルやアーティストにも迷惑がかかってしまうと考え、デマと戦うことを決意しました。

「ネットの中で言われているスルースキルは、嫌がらせを受けても無視しなさいとされているんですよね。それができない人は子どもっぽいみたいな。でもひたすら言われたことに対して我慢して言いたい放題にさせる、それもおかしいなってすごく思う。」

潤奈さんは、拡散されている情報が根も葉もないウソであり、こうした投稿を今すぐやめてほしいと繰り返し発信しました。さらに、弁護士に相談し、悪質な書き込みの削除や、書き込んだ人の特定を依頼しました。すると、潤奈さんの話を支持する人が増え始めました。「潤奈ちゃんはそんなことする人じゃない」とSNSで発信し、一緒に戦ってくれるファンも現れました。

被害者に愛のある言葉を


潤奈さんは今、同じような被害にあった人の相談に乗る活動を行っています。先月、都内のカフェで開いた相談会には、10代から40代の8人が集まりました。

大学生の大崎はるかさん(仮名)は、高校時代に仲のよかった友人が自殺してしまいました。その後、同級生の間で「大崎さんが殺した」「大崎さんが見捨てたからだ」というデマを流されたといいます。大崎さんは当時、相手のことが怖くてそのデマをはっきり否定できなかったと話しました。

また別の女性は、自分の娘がSNS上で同級生にデマや悪口を書かれて登校拒否になった経験を語りました。学校や同級生に対し強く抗議しましたが、娘からもうそっとしておいてほしいと言われたといいます。

デマに対して「スルーはよくない」と考えている潤奈さんですが、参加した人の話を聞くと、しかたなく我慢している人が多いことを痛感しました。被害を受けた人がこれ以上傷つかないよう、周囲の人たちは味方になってほしいと感じたといいます。

「傷ついてる人がいたら、別に友達じゃなかったとしても、愛のある言葉を投げてあげるとことが増えるといいなって。私は分かってますよっていう言葉をかけるだけでも全然違うと思うし。みんながそういう風に変わってほしいなって、すごく思う。」

潤奈さんへのメッセージや聞きたいことなど、ぜひコメント欄に書き込んでください!

★潤奈さんが出演する「フェイク・バスターズ」は12月19日(木)夜10時半から放送します。 詳しくは「番組の放送予定」 をご覧ください。
#SNS#フェイクバスターズ
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2019年12月13日
不確かな医療情報で「命の危険」も 外科医けいゆうの危機感
ネット上の不確かな医療情報に立ち向かう“バスターズ”・山本健人さん。外科医けいゆうのニックネームで、ツイッターのフォロワーは5万人を超えます。外科医として忙しい毎日を過ごす傍ら、“正しい医療情報”の発信を続けています。SNSやネットの医療情報を参考にする患者が増える中、不確かな治療方法を信じて、命が危険にさらされるケースをいくつも目にしてきたからです。

「今は、もうスマホを使って、簡単に膨大な情報にアクセスできる。その中で専門的知識がない人に取捨選択が委ねられているという現状ですよね。そういう状況に患者さんがさらされているということを十分認識した上で、対応策を変えていかないといけない時代になっていると思うんですよ。」

けいゆうさんが、いつも訴えている医療情報の見極め方がこちらです。
これだけは知ってほしい 医療情報の見分け方
①「○○すれば必ず治る」など、大げさな表現を鵜呑みにしない
医療情報は、ある人には当てはまっても、他の人には当てはまらないということもある。専門家同士でも意見が合わないことがあるほどグレーなものが多いので、「絶対」など断言している情報には注意!

② 医師や薬剤師などの専門家であっても個人の意見は要注意
本やテレビなどで紹介される「ある医師が太鼓判を押している」という情報も鵜呑みにしないで!他の専門家のチェックを経た論文や学会のガイドライン、公的機関からの声明など出典を示さないまま持論を展開しているときは注意。

③ 一般的には“権威のある”ところが出す情報が信頼できる
厚生労働省やWHOなどが発信している医療情報は、複数の専門家によるチェックを経てエビデンスがしっかりしているのが一般的で、信頼できる最新の情報に常にアップデートされている。参考にするなら、まずこうした情報から。

そして、不安や疑問は直接医師に納得いくまで聞いてほしい。直接は聞きにくいと感じる人もいるかと思うけれど、命に関わることもあるので遠慮せずに確認してほしいと話します。
深夜、手術のあとにネットパトロール
11月某日、私たちはけいゆう先生の一日に密着させてもらいました。この日は、大阪の病院で午前9時から外来患者の診察、その後、午後にかけてがんの手術などを2件行いました。さらに、京都大学の医学部に戻り、がんの治療研究。自宅に帰ったのは、夜11時過ぎでした。ひと休みするのかと思いきや、すぐにパソコンを開いたけいゆうさん。ツイッターを立ち上げると、他の医師のアカウントなどの投稿を確認、SNS上で明らかに間違った情報や根拠の不確かな情報が出回っていないかを確認します。けいゆうさん曰く、ネット上の“パトロール”。他にも、たとえば、有名人が病気で亡くなったときなどは、すぐにネット上で検索し、その病気に関する誤った情報が出ていないかチェックするとともに、ニュースサイトなどでの原稿執筆に取りかかるといいます。



同じようにユーチューブも検索します。若い世代は動画で情報収集する人が増えている一方、最近はフェイク情報も多く出回っているといいます。もし、不確かな情報や気になるテーマを見つけると、それについて医学論文などを調べた上で、最新の医学的根拠に基づいた“正しい情報”を分かりやすい言葉で発信しています。

けいゆうさんのブログには、こんなタイトルが並びます。

「がんにまつわる3つの誤解」
「がんの標準治療に疑問を感じる人はなぜ多いのか」
「医療ドラマでは描かれない真実」
(ブログ「外科医の視点」より)
根拠ある情報を知ってもらうために やさしい言葉とSEO対策
ネット上では、“フェイクニュース”のほうが正しい情報よりも拡散されやすいとも言われています。けいゆうさんは、自分が発信した情報ができるだけ多くの人に届くよう、試行錯誤しています。そのうちの一つが、やさしい言葉を使うこと。「やさしい」には2つの意味があるといいます。

まずは、難しい医療の話に耳を傾けてもらうために「易しく」伝えたい。
そして、「優しく」あることで患者さんとの距離を少しでも縮めたい。

5万人のフォロワーを抱えるツイッターでは、毎日のように新しい情報を投稿し、フォロワーの質問にもできるだけ答えています。今年始めたユーチューブチャンネルでは、「胃カメラは痛い?」「点滴のしくみ」「CT、MRI、エコーの違い」など、“今さら聞けない”基本的な情報を手作りのスライドを使って解説しています。

「医者って基本怖いじゃないですか。病院に行っても、しかめ面してたり、結構言葉にとげがあったり。もともとそういうふうにちょっと怖い、とっつきにくい、少し距離感がある存在の人が、より正論で冷たい話し方をしていると、より距離を感じてしまう人がいると思うんですね。とにかく優しさが、ふだん診察では見せることのできないような優しさが伝わるといいなという感じに思ってますね。」

届けるためのもう一つの工夫がSEO対策。多くの人は、医療のことで疑問を持ったらまずGoogle検索するため、自分で書いた記事を検索で上位に表示させることが重要になります。けいゆうさんは、検索で上位に表示させる方法、すなわちSEO対策を、200以上のサイトを研究して独自に分析。キーワード設定などを工夫し、専用のソフトを用いて詳細なアクセス解析を行い、多くの人に読まれるための施策を試みています。その結果、ブログを開設してから2年間で、アクセスとして800万PVを記録しました。
同じ思いの医師が集結

(左から堀向健太医師、大塚篤司医師、けいゆうさん)


最近では、同じような問題意識を持ち、発信している他の医師とのネットワークも生まれつつあります。ツイッター上で、お互いの投稿をチェックし合い、必要だと思った情報はシェアしあっています。2018年12月には、思いを同じくする2人の医師と、医療情報の見極め方に関するイベントを大阪で開催。その後、東京、札幌、京都と全国各地で開催を繰り返し、毎回100人以上が参加しています。今後も、各地で開催していく予定です。

けいゆうさんへのメッセージや聞いてみたいことなどがあったら、ぜひコメント欄にお書きください!

★けいゆうさんが出演する「フェイク・バスターズ」は12月19日(木)夜10時半から放送します。 詳しくは「番組の放送予定」 をご覧ください。
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2019年12月13日
リツイートしただけで訴えられる!?ネットデマ訴訟の最新事情
弁護士の神田知宏さん。ネット炎上に関する訴訟を数多く担当する、まさに“フェイク・バスターズ”です。弁護士になる前はIT社長としてプログラミングやウェブデザインもこなしていた異色の経歴を持ち、ネットやITの世界に精通しています。これまで1500~2000件ほど、ネットトラブルの裁判手続を扱っていますが、もっとも多いのは、デマやひぼう中傷を拡散された被害者からの相談だといいます。

さっそくですが、もし、自分が悪質なネットデマの被害にあったらどうしたらいいのか、神田さんに聞きました。

Q 弁護士には何をお願いできるの?
デマを書き込んだ人や拡散した人に関する情報開示を請求し、特定できた場合は慰謝料を請求する訴訟を起こします。サイト運営会社などへの削除要請も行います。

Q 相談するときにどんな準備が必要?
アクセスログと呼ばれる通信記録は3ヶ月から6ヶ月しか保存されないことがほとんどなので、訴訟を起こすにはスピードがとても大事です。とにかく早く弁護士に相談してください。また、デマやひぼう中傷の書き込みは、必ずプリントアウトしておいてください。自分で削除請求する人も多いのですが、それだと裁判官に見せるための証拠がなくなってしまい、発信者を特定できないことがあります。

Q 相談したらすぐに解決するの?
開示請求をしても、プロバイダなどから情報が出るまで時間がかかることが多く、手続きがスムーズに進まない場合もあります。個人情報を開示させるまでに裁判が1~3回必要となり、さらに慰謝料請求の裁判も半年~1年くらいかかるため、少なくとも1年以上、たいていは2年以上の長期戦になります。

Q どれくらい慰謝料を請求できるの?
もちろんケースによりますが、これまでの裁判例では、悪質なデマをリツイートした人に対し、数十万円の慰謝料支払いを命じたものがあります。ネットの投稿による慰謝料は30万、50万、70万というのが相場です。これに開示にかかった弁護士費用が加わり、100万円を超えるケースもあります。

一方で、神田さんは被害者だけでなく、デマを拡散した“加害者”の弁護をすることもあります。ほとんどの人は、まさかリツイートしただけで訴えられるとは夢にも思っておらず、「おもしろい」からと深く考えずリツイートしたり、「許せない」といった正義感でリツイートした人が多いといいます。

「拡散する際にウソの情報なのかどうか一度立ち止まって考えてほしい。特に誰の個人情報なのかがわかる表現や中傷的な言葉など刺激的なコメントがある投稿はリツイートする際に注意が必要です。」



IT社長からIT弁護士へ 異例の経歴
神田さんは、中学生の頃パソコンにのめり込み、大学卒業後は起業して、プログラミングやパソコンの入門書を書く仕事をしていました。

その後、司法試験に合格したのは39歳のときでした。初めてネットに関する訴訟を担当したのは、弁護士になって2年目。ネットの掲示板にひぼう中傷を書き込まれた被害者からの相談でした。掲示板の運営会社に情報開示請求をし、書き込んだ人を特定しました。この時期を境に、ネットトラブルに関する相談が相次ぐようになりました。
ネット社会の法整備を進めたい
2017年、神田さんは大きな注目を集めた訴訟を担当しました。ある男性が、自分の個人情報が検索結果に表示されないよう、グーグルに対し検索結果の削除を求めた裁判です。最高裁まで争い、結果として棄却されましたが、決定の中で「表現の自由より、プライバシーの保護が明らかに優先される場合は検索結果を削除請求できる」という基準が初めて示されました。これは、その後のネットトラブルに関する裁判に大きな影響を与えています。

IT 分野に注力する弁護士として、数多くの案件を扱ってきた神田さん。日本はネットに関する法整備が現実に追いついていないと感じています。たとえば、アクセスログの保存期間が現在、3ヶ月から6ヶ月ですが、被害者救済のためには、より長期間の保存を法律で定めるべきだと考えています。

「人の社会にルールを作るのが“法”です。人の集まるところにはルールがないとうまくいきません。色々な訴訟や判例を積み上げていくことで、もっとネット社会がうまく回るようにしたいと思っています。」

神田さんに聞きたいことや、メッセージがあれば、コメント欄に書き込んでください!

★神田さんが出演する「フェイク・バスターズ」は12月19日(木)夜10時半から放送します。 詳しくは「番組の放送予定」 をご覧ください。
#SNS#フェイクバスターズ
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2019年12月13日
もしSNSで“なりすまし”の被害にあったら・・・
ネット上のデマやフェイク情報についての情報を募集したところ、複数の方からSNSで偽アカウントを作られる“なりすまし”の被害にあったという投稿が寄せられました。番組出演者のひとり、ITリテラシー専家の小木曽健さんによると、こうした被害は10代を中心に全国で起きているといいます。もし、被害にあったらどうすればいいのか?小木曽さんと一緒に対策を考えました。同じような体験をした方や、小木曽さんに聞いてみたいことがある方は、ぜひコメント欄に書き込んでください。

(フェイク・バスターズ取材班)



ある日突然 同姓同名の偽アカウントが・・・
投稿してくれた一人、大学4年生の浜田雄介さん(仮名)。コンタクトをとったところ、直接会って体験を聞かせてくれることになりました。待ち合わせたのは、浜田さんがアルバイトをしているNPO団体の事務所。活動の内容や、大学での専攻などについて明るく話してくれました。そんな浜田さんが“なりすまし”の被害を受けたのは2年前。まさか自分がこのような目に遭うとは思いもしなかったといいます。



2017年6月。被害に気づいたのは、友人からのメッセージがきっかけでした。
「ツイッターで変なことばかりつぶやいているけど、これって浜田なの?」

浜田さんが慌ててツイッターを検索すると、なんと自分の本物のアカウント以外に、同姓同名のアカウントが現れたのです。しかも、アイコンには浜田さんの高校時代の卒業アルバムから切り出した写真が使われていました。

その偽アカウントは、「○○ちゃん(実名)と遊びたい」「ホテルに行きたい」といった下品な内容を、毎日のように投稿していました。フォロワーはわずかでしたが、浜田さんの本物のアカウントをフォローしていた友人たちに対して、メッセージを書き込んでいました。20人以上の友人に対し、「お前しょうもねえな」「暇そうだな」といった馬鹿にするような内容を送っていたのです。

「びっくりしました。全く同じ名前だし、僕の写真が使われているし。信じ切って偽アカウントとツイッター上でやりとりしている友人もいたので…」


  偽アカウントによる実際の投稿画面

突然の偽アカウントによる嫌がらせに、戸惑いつつ何もすることができなかった浜田さん。その一方で偽アカウントの投稿は過激さを増していきました。浜田さんが過去に付き合っていた人によく似た女性が上半身裸になった写真を載せ、「俺の彼女」と紹介していたのです。写真は合成したように見えました。

「本当に不気味でした。毎日朝から晩まで偽アカウントのことが頭から離れず、授業中もチェックしながら『次は何をつぶやかれるのか・・・』と監視しているような状況で。当時はテスト中だったので、学業にも支障が出ていたと思います。」
警察に相談に行くも・・・
偽アカウントによるなりすましが始まって1ヶ月。浜田さんは、まず高校の先生に相談しに行きました。卒業アルバムの写真が使われていたことから、高校時代の同級生に犯人がいるのではないかと考えたからです。しかし、先生から返ってきたのは、「力になりたいけど、誰がやっているか分からず、対応は難しいかもしれない」という言葉でした。

ネットトラブルについてのテレビ番組で警察の相談窓口が紹介されていたのを見て、地元の警察署のサイバー課にも電話をしました。なりすましの犯人を捜査してもらえないかと聞いたところ、「名誉毀損の条件には達していないと思う。様子を見てさらにひどいことをされたらまた相談してほしい」と言われたといいます。

「あとはとにかく耐えるしかなかった。日常の活動を一生懸命やることで、なりすましの犯人のことは考えないようにして。誰が犯人だろうと考え出すと、周りに対する人間不信にもつながってしまうので…」

しかたなく浜田さんは、自分のアカウントに鍵をかけ、しばらく投稿するのをやめました。さらに、偽アカウントがコメントを書き込んでいた友人に一人一人連絡をとり、「これは自分じゃないから信じてほしい」と訴えました。友人の中には、自分のツイートで浜田さんがなりすましの被害にあっていることを広めてくれた人もいたといいます。


  浜田さんが友人に送ったメッセージ

日ごろから接している大学の友達や、バイト先のNPOの仲間は浜田さんを心配してくれる人がほとんどでした。一方で、しばらく会っていない中学や高校時代の友達の中には、偽アカウントの投稿を信じ、「あいつ変わっちゃったな」と受け取った人もいたそうです。

なりすましの被害が始まってから半年ほどたった頃。偽アカウントの投稿は突然、止まりました。しかし、誰が偽アカウントを作ったのか、犯人はいまだに分かっていません。浜田さんはいつまたこうした偽アカウントが現れるか、心配でならないといいます。

浜田さんは当時を振り返り、もっとできることはなかったのか、今でも時々考えるそうです。

「弁護士に相談するとか、訴えるっていうのは学生にとってはハードルが高いです。もっと自分の力や友達の助けを借りてできる対処法はあるのか知りたい。もしまた、こういうひどいことをする人が現れても、色んな対応を知っているだけで支えになると思うんです。」

すぐにできる「偽アカウント」対策とは?
浜田さんのような被害にあった場合、身近なところで何ができるのか。私たちは、ITリテラシーの専門家で、全国の学校や企業で年間300件を超える講演を行っている小木曽健さんにアドバイスをお願いしました。



Q もし“なりすまし”の被害にあったらまず何をすれば?
SNSで、自分の偽アカウントを勝手に作られ、友人への暴言や、炎上するような投稿がされる。また女性の場合、わいせつなコメントや捏造されたポルノ画像がばらまかれる……残念ながら、犯人はほぼ100%身近な人間です。今回はそれを逆手に取った対処法をご紹介しましょう。

犯人には「被害者が困っている様子を見たい」という心理があるので、被害者本人のSNSアカウントも頻繁に見に来ているはずです。そこで「情報戦」を仕掛けます。例えばツイッターなら、特定のメッセージを常に最上位に表示する「ツイートの固定」という機能があるので、そこに次のようなコメントを投稿してください。

●●というアカウントはニセモノです。発言や行為は全て無視してください。
現在、法的措置を取るために関係機関と協議を進めています。●●という
アカウントから迷惑行為を受けた場合はすぐにお知らせください

どの投稿のどの部分が問題なのか、具体的に記載すると、より効果的です。たいていの犯人はすぐに、恐らく大慌てで偽アカウントを削除します。

小木曽さんの著書より引用


Q メッセージを上部に固定表示する機能がない場合は?
フェイスブックなど、メッセージを上部に固定表示する機能がない場合は、トップの「画像」にメッセージを入れた画像にすることで、同じような効果が得られます。もし、これでも嫌がらせが続くようならば、その時はお望み通り法的な対処を検討しましょう。

Q SNSの運営会社に削除は頼める?
こんな面倒なことをしなくても、SNSの運営会社に通報すればいいのに、と思われるかもしれませんが、通報したからと言って必ずしも偽アカウントが削除される訳ではありません。削除まで相当な時間がかかる場合もあります。また偽アカウントが削除されても、犯人にまた同じような偽アカウントを作られたらキリがありません。通報は「削除されたらラッキー」くらいの気持ちでしましょう。

大切なことは、被害者が偽アカウント被害をしっかりと公表し、自分に非がないことを伝え、堂々と振る舞うことです。もし偽カウントが削除されても「ニセモノだから削除された」という情報はどこにも残らないし、何より「誤解」や「デマ」を独り歩きさせない為にも、事実はしっかり伝えるべきです。

※自宅の住所、電話番号を拡散されたり、自身の身に危険が及ぶ可能性があれば、迷わず警察など関係機関に相談して下さい。
#SNS#フェイクバスターズ#なりすまし
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2019年11月29日
番組のお知らせ!
ネット上に出回るフェイクニュースやデマの実態を取材し、どう向き合っていくかを考える番組を12月19日(木) 夜10時半からNHK総合テレビで放送します。
「フェイク・バスターズ」
「フェイク・バスターズ」―それは、現代社会を蝕むフェイク情報を駆逐するため、人知れず戦っている勇者たちのこと。 この番組では、司法、医学、IT、メディアなど様々な分野で、“正しい情報”を伝えようと孤軍奮闘しているバスターズたちとともに、フェイク情報から自分の身を守る方法を考えていきます。

MCは、ユーチューバーとしても大活躍中の中田敦彦さん。「デマを拡散した人を訴えられる?」「フィルターバブルから抜け出すには?」「フェイク動画を見破るには?」など、最新事情をもとに徹底討論します。

いまや誰もがフェイク情報の被害者になるかもしない時代。番組では、「朝起きたら、ネット上で自分が“犯人”になっていた」「SNSで見た治療法を試したら病状が悪化した」など、実際にデマや不確かな情報に振り回された人たちを直接取材。

さらに、いま世界中で大問題となっている“究極の合成動画”=「ディープフェイク」を追跡、その恐るべき被害の実態が見えてきました。フェイク情報に負けない社会を作るにはどんな制度や取り組みが必要なのか?中田さんとバスターズたちの答えは!?

番組では、出演者の方々をキャラクター化。今回、そのイラストが完成しました!

中田 敦彦さん
芸人だけなくユーチューバーとしても大活躍。 社会問題やビジネスの最新事情を日々勉強し、発信している。

葉山 潤奈さん
芸能事務所社長 10~20代に人気のユーチューバー
身に覚えのないデマをネット上に拡散された被害経験を持つ

山本 健人さん
外科医 「外科医けいゆう」のペンネームで、“正しい医療情報”をSNSやイベントなどで発信している

小木曽 健さん
ITリテラシーの専門家 全国の学校や企業などで年間300回を超える講演を行う
大手IT企業勤務

神田 知宏さん
弁護士 ネット炎上に関する案件を年間200件近く扱っている
被害者・加害者双方の事情に詳しい

平 和博さん
桜美林大学教授 専門はメディア・ジャーナリズムの研究
国内外のフェイクニュースの最新事情に詳しい

このページでは、出演者の方々にも協力してもらい取材した記事や動画のコンテンツを掲載していく予定です。皆さんに聞きたいことやご意見など、ぜひコメント欄に書き込んでください!取材したディレクターやフェイク・バスターズのメンバーも参加し、議論を深めていきたいと思っています。

★過去のトピック一覧はこちら
④ “デマいじめ”やネットトラブルに巻き込まれていませんか?
③ その拡散 ちょっと待って!【動画2分19秒】
② 突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【後編】
① 突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【前編】
#SNS#フェイクニュース#フェイクバスターズ
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2019年11月22日
“デマいじめ”やネットトラブルに巻き込まれていませんか?
ネット上のデマが原因でいじめや友人関係のトラブルなどにつながるケースについて、実態を調べています。ネットやスマホのトラブルに関する相談に対応している全国の自治体窓口やボランティア団体などに取材をしたところ、中学生や高校生など若い世代が様々な事例に巻き込まれていることが分かりました。

自治体やボランティア団体に寄せられた相談内容





あなたは、同じようなトラブルに巻き込まれた経験はありませんか?また、自分の家族や友人から見聞きしたケースを聞かせてくれませんか?皆さんからの声を集めて、取材の参考にさせていただきたいと思っています。コメント欄もしくはご意見募集フォームにお寄せください。

(フェイク・バスターズ取材班)

#SNS#フェイクニュース#フェイクバスターズ
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2019年11月22日
その拡散 ちょっと待って!【動画2分19秒】
先週、「突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い」の記事を公開しましたが、デマ情報を拡散され今も戦い続けている人が他にもいます。

今年8月、茨城県の高速道路で男があおり運転をしたうえ、相手の男性を殴った事件で、男の横でガラケーを構えていた容疑者の女と間違われ、全く関係のない女性がネット上で悪質なひぼう中傷を受けました。女性は今、情報の真偽を確かめずに拡散した人も含めて法的措置をとる手続きを進めています。

ネット上のデマについては、情報を流すだけでなく、拡散させた人も責任を追及される可能性があります。悪意のない「リツイート」や「シェア」が誰かを気づけてしまわないように、SNSとどう向き合っていったらいいのでしょうか。また、どのようなシステムやルール作りが必要だと思いますか?

あなたの意見や体験をコメント欄に寄せてください。

↓↓詳しい記事はこちら↓↓
未来スイッチ「その拡散 ちょっと待って」
#SNS#フェイクニュース#フェイクバスターズ
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2019年11月15日
突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【後編】
ネット上で突如、いわれのないひぼう中傷を拡散され、個人情報までさらされた石橋秀文さん。書き込みをした人物との戦いは2年たった今も続き、法手続きの過程では予想外の壁にぶつかってきました。

(フェイクバスターズ取材班)

突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【前編】

悪質な投稿 11人を刑事告訴

2017年10月。あおり運転がきっかけで一家4人が死傷した事件で、「容疑者の父親だ」というデマを流され、ネット上で炎上した秀文さん。1日100件近くの嫌がらせの電話だけでなく、襲撃予告などもあり身の危険を感じたため、すぐに警察に相談。刑事事件として、悪質な投稿をした人物を訴えようと考えていました。

しかし、投稿をした人物の特定は期待していた通りには進みませんでした。炎上から5か月後。警察による家宅捜索などを経て、告訴までこぎつけられたのは、11人だけでした。

「アクセスログの保存期間」が捜査の壁に

実は、投稿した人物の特定には“タイムリミット”があります。特定するため必要なのは、「○月○日○秒に●●社の携帯電話回線でツイッターにログインしていた人物」などといった、携帯電話会社やインターネット回線会社などが持っている「アクセスログ(履歴)」。このわずかな情報だけを頼りに、人物を割り出していきます。

しかし、唯一の手がかりでもある「アクセスログ」の保存期間は、各携帯電話会社やインターネット回線会社によって異なるものの、ほとんどが3か月~6か月。個人情報保護の観点や、サーバーのデータ保存容量の観点から、その期間を過ぎてしまうと、自動的に消去されてしまうのです。

警察による捜査であっても、弁護士をたてた民事訴訟であっても、データ自体が消えてしまっていれば、手の打ちようがありません。ネット上の人物の特定は、迅速に進められなければ、時間切れとなってしまうのです。

「警察の方に、『他にも(書き込んだ人が)たくさんいますよね?その人たちもお願いします』と言ったんですが、『ログが消えてしまうので、これ以上は捜査できません』と言われました。」

「納得できない」 全員不起訴に

わずかながら特定できた11人は、その後書類送検され、いずれも容疑は認めていました。ところが、事件から10か月が経った2018年8月。検察の判断は、11人全員不起訴。「別の投稿内容をコピーして掲示板に投稿したにすぎない」「起訴するに足りる十分な証拠が得られなかった」などという検察の判断でした。

「(被告は)当然、私の息子でもないし、身内でもないし、うちの社員でもない。どこを誰がどう調べてくれてもいいよって言う状態。その人間がいきなり、ひぼう中傷されて、個人情報の漏えいまでされて、司法は不起訴って言う判断で。納得いかないですよね。書き込みは残り続けますからね、一生消えないですからね。」



「泣き寝入りはしない」検察審査会に申し立て

不起訴という処分結果は、報道などを通じて、すぐに話題となりました。秀文さんが見た、不起訴を伝えるウェブニュースのコメント欄には、「やっぱり不起訴か」などといった内容のコメントが、いくつも書き込まれていました。

「このまま、泣き寝入りしていいのか・・・。」
秀文さんは、不起訴は不当だとして、検察審査会に審査を申し立て。その間、民事訴訟で徹底的に戦いながら、検察審査会の判断を待つ覚悟をしました。

「本当に、長い戦いですよ。いろんな方には相当な心配をかけていると思います。ただ、とにかく、前例を作っちゃいけないなと思ったんです。その前例を作ってしまうと、これと同じような事件があったら、全部不起訴になるだろうし。だから、迷いもなく検察審査会にあげました。」

デマ被害から2年 ようやく光が見えた

そして、不起訴となってから1年2か月が経った、ことし10月。秀文さんのもとに、検察審査会から連絡が来ました。検察審査会による議決は、「起訴相当」。「不起訴とすれば、同じような犯罪への社会の認識にも多大な影響を及ぼす。刑罰による抑止力でインターネット社会に警鐘を鳴らす必要性は決して小さくない」などとして、検察庁に捜査のやり直しを求める内容だったのです。

「正直、半分くらいは『もう不起訴で変わらないんだろうなぁ』っていう気持ちはあったんですよ。なので、今回の議決はすごくありがたかったです。ちょっと光が見えた気がしました。」



デマの被害者になってから2年。今なお戦い続ける秀文さんが、ネットを使う人に強く伝えたいことがあると話してくれました。

「悪質なコメントを流すこと、それがデマであろうが何であろうが、それを流すことによってどれだけ人に心配や迷惑にかけるのかをわかってやってほしい。ネットやSNSって、正しい情報が流れていればすごく便利なツールだと思うんですよね。だからこそ責任を持って、絶対に間違った情報っていうのは流しちゃだめだし、ちゃんと責任感を持って使って欲しいです。」

(終わり)

#SNS#フェイクニュース#フェイクバスターズ
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2019年11月15日
突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【前編】
インターネットの投稿や記事などに対して、非難や中傷が多数寄せられる「ネット炎上」。 中には、全くのデマ情報を拡散されたことで、身に覚えのないバッシングを受け、実生活にまで影響が及んだ被害者もいます。いま、誰もがこうしたデマの被害者になったり、軽い気持ちで拡散することで加害者となったりする可能性があります。「同じような経験をしたことがある」「被害者や加害者にならないためには」など、あなたのご意見をコメント欄かご意見募集フォームにお寄せください。

(フェイクバスターズ取材班)

「犯人の父親」身に覚えのないひぼう中傷が1日100件

今回、取材に応じてくれた、石橋秀文さん(49)。福岡県北九州市にある従業員およそ10人の電気設備工事会社を経営しています。異変が起きたのは、おととし10月11日のことでした。この日、秀文さんは、出張で東京に来ていました。会社の事務所には、妻が一人。すると、事務所に突然、身に覚えのない電話が殺到したのです。

「おやじを出せ」「なめるな」と罵声を浴びせるものや無言電話など、1日に100件近くかかってきました。妻は慌てて出張中の秀文さんに連絡。中傷の電話が始まって6日後、ようやく会社に戻ってきてみると、依然として中傷の電話は鳴り続けていました。

「夜中の2時とか3時とか朝方まで着信がありました。もし、会社にきた電話が自宅や携帯電話に転送されるように設定していたら、気が狂っていたと思います・・・。」

原因は、その4か月前に起きた事件。神奈川県の東名高速道路で、あおり運転をきっかけに一家4人が死傷した事故でした。電話がかかり始めた前日の10月10日、事故の原因は、別の乗用車が一家が乗るワゴン車の進路を妨害して停車させたことだとして、乗用車を運転していた男が逮捕されました。逮捕されたのは、秀文さんの会社の隣の市に住む、建設作業員の石橋和歩容疑者(現在は被告)。「石橋」という名字が同じで、容疑者の住所が会社に近いという理由で、関係のない2つがネット上で結びつけられ、秀文さんが「容疑者の父親だ」というデマが広がったのです。

襲撃予告も・・・ 見えない相手からの攻撃

デマは、ツイッターや匿名掲示板、そしてそれらの内容を引用する形で掲載する「まとめサイト」によって拡散されていました。11日の昼頃に、会社の住所や電話番号がネット上に書き込まれ、その翌日には、公開していない秀文さんの自宅の住所までもが明らかにされました。さらに書き込みの文言も、時間の経過とともに過激さを増します。

「親も親。いっしょに死んでくれ」「自殺に追い込め」
「石橋建設の社員、石橋の親族を徹底的につぶす」

危害を加えるようなことを匂わせるものまで出てきはじめ、ついには、自宅の前に不審車両が停まっているのを見かけるようになりました。身の危険を感じた秀文さんは、事務所を閉鎖し、4人の子供たちには学校を休ませました。

「襲撃予告などもありました。実際はそこまではやり切らないと思いますけど、もしそれが本当にあったりしたら恐ろしい。向こうからは我々が見えているけど、我々からは相手が見えないので・・・。」



ネットで反論も ますます炎上

当時、秀文さんは、ネット上にまん延する疑惑を晴らすことは、簡単だと思っていました。 石橋和歩容疑者(現在は被告)とは無関係であることを、証明することができたからです。

秀文さんが調べたところ、確かに2人の住所は近いものの、出身地は異なりました。また容疑者と妻の年齢を照らし合わせると、妻が13歳の時に出産していないと計算が合いませんでした。さらに秀文さんは戸籍謄本まで取り寄せて、容疑者とは遠い血縁すらないことも確認できていました。

ネット上で「容疑者とは無関係である」と、デマ情報を打ち消すための投稿を始めた秀文さん。しかし、反応は想像を絶するものでした。

「このコメントをしているやつは偽物だ」「こいつ、犯人か?」
「離婚歴がある。前の奥さんとの子供だ」

「反論して、さらに炎上したのにはビックリしました。違うって言っているのに、信じないわけですからね。当の本人が『私の息子でもないし、うちの社員でもない』って言っているのに。僕は離婚歴なんてないので、ねつ造ですよね。そうやってストーリーを作り上げるんですよ、勝手に想像して。」

効果を発揮しなかった打ち消しの投稿。秀文さんを中傷するネット上の書き込みはどんどん増え、嫌がらせの電話も鳴り続けました。

家族や社員だけは守りたい



身に覚えのない中傷にさらされながらも、秀文さんはせめて自分の家族と会社の社員の安全だけは守ろうと考えました。ネットで炎上しはじめてすぐに、秀文さんは、子供達の通う学校の校長に電話。子供がいじめの対象とならないように、ネットの書き込みは全て嘘であることを学校内で周知してもらうようお願いしたのです。

また、近所への挨拶回り、会社の取引先への事情説明も、即座に行いました。ネット上で出回っているデマを目にするよりも先に、自らが行動することが、信用してもらう上で大事だと考えたからです。

「中傷が自分に来るだけならいいけれど、子供だとか、うちの会社の社員に向く可能性もある。弱い者の方に行くのが怖いんですよ。会社だって、取引先から仕事を止められるというのは一番致命傷なので、全てにおいて、まず手は打ちました。」

さらに秀文さんは、メディアからの取材依頼にも全て応じるようにしました。すると、中傷する書き込みは減り始め、反対に、擁護するコメントが増えたと言います。秀文さんのとっさの対応。そのおかげもあり、実生活への影響は最小限に留めることができたのです。

突然、“フェイクニュース”の被害者になってから2年。秀文さんは、書き込みをした人を相手に、刑事告訴と民事訴訟を続けてきました。後編では、秀文さんの2年におよぶデマ投稿との戦いについてお伝えします。

突然の炎上から2年 今も続くデマ情報との戦い【後編】

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