クロ現+
2020年5月2日

アースデイが初のオンライン開催に

新型コロナウイルスの感染拡大でさまざまなイベントが中止や延期になる中、毎年 4月22日のアースデイ(地球について考え行動する日)にあわせて開かれてきたイベントも今年は様変わりしました。例年 10万人以上が参加する大規模なイベントがすべてオンラインで開催されたのです。

アースデイは1970年、いまからちょうど50年前にアメリカで誕生しました。学生運動などがさかんだった時代、環境問題に対して人々に関心をもってもらおうと一人の大学院生が呼びかけたところ、その動きが広がっていきました。
いまでは地球環境のためにすべての人が自由に起こせるアクションとして、 世界各地でイベントが開かれています。
オンラインでも共感し、つながる人々

「地球のミライ」取材チームでは、4月18、19日の2日間に渡って行われたオンラインイベントはいったいどんな様子だったのか、取材しました。
イベントに参加したのは、環境活動を行うNPOやNGOなど約30の団体です。参加者とオンライン上で交流できるオンラインブース、アーティストなどが自宅や自然の中からの映像を届けたり、ライブを行う音楽ステージ、環境や社会課題をテーマに対話を行うトークステージが設けられ、配信番組は約70にのぼりました。
オンラインセッションの中には環境問題やSDGsを話し合うだけではなく、新型コロナウイルスについて考える企画も設けられていました。外出自粛で家庭内で起きている虐待やDVなどの問題に今後どう向きあっていくかについても話し合われていました。

 

こちらの映像は、主催者側から提供されたイベントの様子の一部です。歌っているのはMINMIさんやT-BOLAN森友嵐士さん、Def TechShenさんなどのミュージシャンたちです。歌には自然を象徴する森、里、川、海に関わる⽅々の思いや、⼦どもたちへの思いも込められています。作曲したMINMIさんは、環境省が行う森や里、川や海の恵みを受け続けられる安全で豊かな国づくりを目指すというプロジェクトや、このプロジェクトと連携するチーム、TEAM MOTHER EARTHの活動に共感したといいます。アースデイでは、ミュージシャンたちがそれぞれの場所で歌い、演奏したものを合わせて曲を奏でていました。
若い世代の活動も顕著に



同じ場所に集まれなくても、環境について他の人がどんなことを考えているか、共有できるようにと、「未来の地球へのメッセージ」と題した動画も紹介されました。
スポーツ選手やタレント、環境活動家など幅広いジャンルで活躍している人たちから寄せられた動画の中には10代からのメッセージも目立ちました。
中学3年生のスノーボーダーで、水害で住んでいた家が被害を受けた経験を持つスノーボーダー星更沙さんは、
「異常気象で雪がなくなると大好きなスノボードができない。
災害などもっと困ることがたくさん出てくる」と話していたり、スケートボードで活躍する19歳の中村貴咲さんは、
「地球のミライのために本や洋服はリサイクルし、ゴミを増やさないようにしている」と話すなど環境問題を「自分事」として捉えているのが印象的でした。

世代を越えてつながる思い

一方、今年亡くなった環境保護活動家で、アースデイ東京の実行委員長を務めていたC.W.ニコルさんの軌跡をたどる動画もありました。



ニコルさんは海洋哺乳類の調査研究に携わったあと、1980年代から長野県の黒姫高原に移り住み、執筆活動を続けていました。 長野では「日本の美しい自然環境を取り戻したい」という思いで、放置されていた原生林を自ら買い取り、木が十分に生育できるよう間伐を行ったりして森林の再生に取り組みました。
その一方で、生態系の保護活動も積極的に行いました。環境保護活動家としてテレビ番組やコマーシャルに出演して、自然保護の大切さを呼びかけてきたのです。
しかし、4月上旬、がんで亡くなり、アースデイの50周年に向けたこの言葉が最後のメッセージとなりました。

“平和な暮らしを続けたいという当たり前の願いは、最も大切なことです。
大きな災害、大きな自然に向き合うからこそ、私たちはつながり合い、自然の多様性を守り、人間の多様性を高めるために、生きる刻を共にして活動しなければならないと思うのです。生きる刻を共に歩き始めましょう“

C.W.ニコル


ニコルさんは、アースデイで約10年前から「ニコルズフォレストキッチン」という名前でブースを出展。林業に被害を与える害獣として駆除され、ほとんどが捨てられてきた鹿の肉をソーセージにして提供してきました。ニコルさんは客が「おいしい」と言ったときには、満面の笑みを浮かべ、しかめっ面をするような客にはぶっちょう面で対応していた、と長年一緒にやってきたスタッフが話していました。また、出展する限りは厨房に立ち続けたいと話していたといいます。

2日間で70近くに上った企画や動画などは、こちらのサイトで見ることができます。

https://www.earthday-tokyo.org/2020/04/22/9838(※NHKのサイトを離れます)

初めてオンラインで行われた今年のアースデイのイベント。 改めて、地球のミライについて考えている人が多くいるのだなと感じました。
#地球のミライでは、さまざまな分野で地球のミライのために活動している人たちをつなげる場にしていきたいと思っています。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 ディレクター酒井利枝子)



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