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2019年11月11日

グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2

先月、アメリカの元副大統領で、環境活動家のアル・ゴアさんが主催した地球温暖化対策の講座が開かれました。およそ800人が参加した講座の中に、9月20日に気候マーチを企画した「Fridays For Future(FFF)」のメンバーを始め、多くの若者の姿がありました。TOPIC②でグレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者を紹介しましたが、講座に参加したことで、若者たちは気候変動を訴えるデモをするだけではなく、次に何をしていくべきかの大きなヒントを得られたようです。

アメリカ元副大統領 アル・ゴアさん




10月、都内で開かれた「地球温暖化対策に取り組むリーダー養成講座」。
Friday For Future(FFF)のメンバーたちは気候変動に対する科学的知識や世界の最新の対策などを丸2日間かけて、学びました。この講座は、その名の通り、世界各地で、地球温暖化に対して声を上げ、組織や企業、人々に影響を与えるリーダーを養成することが目的です。すでにインドや中国を含む世界13か国で開かれ、延べ2万人以上が参加しています。

主催したアル・ゴアさんは、500枚を越えるスライドを駆使して、豪雨や山火事、干ばつなどの気候危機の現状や、世界で進むエネルギーの脱炭素化の最新動向などをプレゼンしました。さすがはアメリカの元副大統領。時にユーモアを交えながら、水も飲まず3時間近くにわたって熱く語り続けました。その姿にFFFのメンバーたちは圧倒されるとともに、「変えなくてはならない、変えることはできる、私たちは変える」という力強いスローガンに強く触発されたようでした。


「日本は世界と比べて桁が違うくらい意識が低い国だけど、それをネガティブに考えずに、今回集まった800人が気候変動に意識があるのだとポジティブに捉えたい。日本独自のFFFの活動のあり方を考えていきたい。」



年金積立金管理運用独立行政法人の理事


講座は、ゴアさんのプレゼンだけではありません。行政、企業、NPO、専門家、それぞれの立ち場でどう気候変動対策に取り組んでいるのか。プロフェッショナルたちによる白熱したパネルディスカッションも行われました。「変化をもたらす企業」と題したディスカッションでは、公的年金の積み立て金を運用して、運用資産が総額160兆円と世界最大級の年金積立金管理運用独立行政法人の理事が参加。「株主として企業と対話をすることで気候変動対策を取るよう促している」として、金融が企業の気候変動に対する行動を変えられる可能性を強調していました。若者たちは、年金という自分たちに身近なお金が気候変動対策とつながっていることも学んだようです。


特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長


NPOが参加するパネルディスカッションでは、徳島県上勝町でゼロ・ウェイスト(ムダ・ゴミ・浪費をなくす)に取り組むNPOの理事長が「多くの人は、活動に賛成も反対もしない“無関心”。そして、無関心な人は、仕組みが整っている方に流れる。その仕掛けをどうやって作るか、戦略と地道な活動が必要」とアドバイス。「自分が住む地域や所属する組織など足下からまず変えていくことが大切」というメッセージは、FFFのメンバーにも響くところがあったようです。


「気候変動対策に反対している人は少ないけど、賛成している人も少ない、知らない人が一番多い。マーチだけでなく、大学やサークルなどまずは身近な場所で今回知った知識を伝える活動を始めていきたい。」

「企業やNPOなど非政府セクターの役割も重要だと知った。政府に気候変動対策を働きかけるだけなく、そうしたNPOや企業とFFFが連携して何かしていきたいと感じた。」

「NPOのパネリストの一人が言っていた“頑固な楽観主義”という言葉が 胸に響いた。活動をやっていくなかで難しいと思うこともあったが、 頑固に続けていくことの大切さを学んだ。」


広がった若者たちの輪

右・中村さん


ゴアさんの講座は、若者にとって、新しい仲間との出会いの場にもなっていました。学生の参加者だけが集められ今後の協力について話し合う分科会です。名古屋市から参加した高校3年生・中村涼夏さん。地元でFFFとして、温暖化対策の活動を行っていますが、協力してくれる学生が少なく悩んでいました。しかし、同じ名古屋から参加していた大学生が活動に協力してくれることになりました。


「マーチを地元でやっても、嬉しいことでもあるけど外国人が多く、日本人の参加者がなかなか増えなかった。大学生が仲間に入ってくれてとても嬉しい。興味を持つ若者同士が直接つながることができて良かった。」

「これまでは情熱だけで活動をしていたところがあったけど、今回の講座を通じて、新しい知識や考え方が身についた。 パワーアップした、今までと違うFFFになりそう。」


講座が終わると、ゴアさんが署名した修了証書が授与され、世界150か国以上で活躍する約2万人のネットワークの正式なメンバーとして認められました。ゴアさんも期待している日本の若者たち。学んだことをどうこれからの行動に活かしていくのか、若者たちのその後も取材したいと思います。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 ディレクター 山下健太郎)



若者たちの姿はあなたにどう映りましたか?ご意見お待ちしております。 また、私たちができること、いまあなたがやっていることもぜひ、教えてください。

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TOPIC⑤気候危機を回避せよ!激変する金融の世界
TOPIC②グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者

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