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持続可能な社会へ ”地球のミライは私たちの手に”

持続可能な社会へ ”地球のミライは私たちの手に”

気候変動の影響で各地で気温や海水温が上昇。猛暑日や記録的な豪雨の増加するなど異常気象が相次いでいます。持続可能な社会を作り「地球のミライ」を次の世代に託すために、私たちに何ができるのでしょうか?
「何をしたらいいかわからない」と悩んでいるあなた、何ができるのか一緒に考えませんか?

地球のミライ Vol.2☟




TOPIC㊴のんさん流SDGs「身近なところから始めよう」
TOPIC㊳「サステナブル」やってみました 新型コロナをきっかけに暮らしを考え直す
TOPIC㉘ わたしたちができる「5つのこと」をリメイクしてみた
TOPIC⑱ アクセサリーが地球のミライに貢献!?
TOPIC⑩ 自分にできること 「手軽でおしゃれなエコバッグ」を作る
TOPIC④ 地球のミライのために 私たちができる「5つのこと」


TOPIC㊶目指せ2050年温室効果ガス「実質ゼロ」私たちの声を届けたい

TOPIC㊲ 海が好きな高校生が挑む プラスチックごみ問題
TOPIC㉝ バナナの葉でプラスチックごみ削減!?
TOPIC㉜ 環境に関心を持つ人を増やしたい
TOPIC㉛ "スポーツできない!?" 声をあげるアスリートたち
TOPIC㉚ "環境問題を解決し世界を救うヒーローになる"
TOPIC㉖ 環境について考える人たちをつなぎたい
TOPIC㉔ 広がる輪 つながる若者たちの思い
TOPIC㉓ “持続可能”なファッション業界を目指して
TOPIC㉑ 高校生から消費を変える「エシカル甲子園」
TOPIC⑲ 脱プラスチックへの挑戦 世界の若者たちが動きだした!
TOPIC⑭ 世界中の海からプラスチックをなくす
TOPIC⑪ ”ゴミゼロ” を自分事に
TOPIC⑧ グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2
TOPIC⑥ 地球のミライのために 私たちができること「食品ロスを減らす」
TOPIC② グレタさんの言葉に触れ、立ち上がった若者
TOPIC⑮ 地球のミライを考える展示会に行ってみた


TOPIC㊱ メルカリ?リサイクル? 着ない服、どう処分してますか?
TOPIC㉟ 目指せ!再エネ100% 日本のビジネス界は世界に追いつける?
TOPIC㉞ グリーンリカバリーと“持続可能な”再エネ
TOPIC㉕ 多発する森林火災 知られざる日本との関係
TOPIC⑳ 森林火災の脅威 10億以上の動物が犠牲か…
TOPIC⑰ 2020年日本のエネルギーはどこへ?
TOPIC⑯ 増え続ける"気候難民” その現状は…
TOPIC⑬「練習できない」部活動で感じる地球温暖化
TOPIC⑫ ヨーロッパで広がる"飛び恥”
TOPIC⑨ 地球のミライのために 私たちができること「食料のムダを減らす」
TOPIC⑤ 気候危機を回避せよ!激変する金融の世界
TOPIC③ 最新の科学が警告する地球温暖化
TOPIC① 最近、気候の変化を感じていませんか?

TOPIC㊷世界同時アンケート「未来計画Q」新型コロナ後の社会と環境問題
TOPIC㊵「サステナビリティ(持続可能性)」で企業の生き残りをかける
TOPIC㉙ 世界で同時にミライを考えよう
TOPIC㉗ アースデイが初のオンライン開催に
TOPIC㉒ 国連のトップに聞く「気候変動 これからの10年どう立ち向かう?」
TOPIC⑦ アル・ゴア元副大統領が叱る日本の現状

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クロ現+
2021年1月8日

持続可能な未来へ「わたしたちにできる5つのこと」

新型コロナウイルスの”感染爆発”の中で始まった2021年。
しかしウイルスとの戦いと並んで、私たち人類全体がいま向き合わなければいけないのが<地球温暖化>です。 このまま温暖化が続けば、早ければ2030年にも地球環境は後戻りできない状態になると、世界中の専門家が警鐘を鳴らしているのです。
地球のミライを守るため、わたしたちにできる「5つのこと」をまとめました。
(監修:国立環境研究所・江守正多/イラスト制作:小野りりあん・平山みな美)

※2020年5月に掲載した記事を一部リライトしました







































































ご紹介したイラストは、モデルで環境活動家の 小野りりあんさんが、国立環境研究所の江守正多さんのインタビュー記事を読み、その内容を若い人たちも興味を持ってくれる形で紹介したいと、ビジュアル化してくれたものです。
小野さんが、環境活動を行っている仲間でデザイナーの平山みな美さんに声をかけ、制作してくれました。

小野りりあん さん
わたしが1番よく聞かれる質問は、「気候変動対策で私は何ができるの?」という質問。何かいい答えないかなー?と探していた矢先、その答えに的確にわかりやすく答えてくれているのがこの記事でした。
キャッチーで目が離せなくなるような情報が行き交う世界で気候変動の情報も届けていくには、見やすいポップなグラフィックデザインがとても大事だと思いました。
「わたしに何ができるの?」と聞かれた時にみせてください。


平山みな美 さん
私自身、高校生の頃から環境問題や温暖化をとても不安に感じていました。
でもその深刻さを人に話すと、説教くさく受け取られてしまうことが度々あります。
言葉だけではうまく伝えられないことに、もどかしさもありました。
今回は言葉をなるべく噛み砕いて、わかりやすく、そしてポジティブに伝えるビジュアルづくりを心がけました。
制作したものが気軽に家族や友人にシェアしてもらえるツールとして広がっていけばうれしいです。


この画像は、一枚一枚ダウンロードができます。メッセージをあなたの知り合いに届けるためにTwitterやInstagramなどで投稿するなど、自由に使ってください。
クロ現+
2020年11月2日

世界同時アンケート「未来計画Q」 新型コロナ後の社会と環境問題

NHKの国際放送「NHKワールド JAPAN」が世界の公共メディアやNGOと私たちの社会とミライについて行っているオンラインアンケート「未来計画Q」(☜TOPIC㉙世界で同時にミライを考えようを参照)の中間報告がまとまりました。日本では「”ポストコロナ”の時代にデジタル環境の整備を求める」と答えた人が最も多い結果という結果が見えてきました。
世界50か国で人々の意識を調査 データで未来を予測
「未来計画Q」では、新型コロナウイルスの感染拡大を経験した人々の変化や、持続可能な社会に対する意識を世界同時に調査しようと、新型コロナや経済、環境問題など社会の変革に欠かせないテーマについて130の質問を実施しています。すでに世界50の国と地域から39万人以上が参加し、日本からも約4500人が参加しています。(2020年10月19日時点)

分析を行ったのは「スマートニュース メディア研究所」と、クローズアップ現代+に出演されているデータサイエンティストの宮田裕章さん(慶應義塾大学教授)です。

▶調査方法:インターネット調査 ▶中間報告対象 時期:2020年5月27日~8月31日
▶調査内容:コロナ後の持続可能な社会についての意識調査(130問)
▶調査対象:16歳以上のインターネットユーザー(任意)
▶サンプル数 日本 4,112 フランス 243,272 ドイツ 109,540 アメリカ 3,842
▶条件:空欄、無回答の回答は集計に用いる設問ごとに除外

ポストコロナ ”日本は デジタル環境の整備が急務"

コロナ禍で大きく変化した人々の暮らしや経済活動。これをきっかけとした社会変化はどうなるのか、その期待される変革とはなにかを予測するため、「Q ポストコロナで対策を強化すべきなのは?」の回答結果を日本ドイツフランスアメリカで比較しました。

「Q ポストコロナで対策を強化すべきなのは?」



その結果、 日本の回答者は「デジタル環境」20%以上高い一方、「持続可能な産業」20%近く低い結果となりました。
特に「デジタル環境」を選択した人が40%以上と他国に比べて有意に高いことがわかりました。

慶應義塾大学教授 宮田裕章さん
「日本でアンケートに回答した人の4割がポストコロナの課題として「デジタル環境」を選択しました。これはほかの国と比べても有意に高いです。これは、コロナによってデジタル環境の遅れを日本社会全体が認識した結果だと感じています。

特別定額給付金や雇用調整助成金の給付でオンラインのトラブルが続出したり、遠隔教育がなかなか進まないなど、コロナをきっかけに日本のデジタル化の遅れが露呈しました。
実際、2018年のOECD(経済協力開発機構)調査でも、日本の教育現場での ICT活用の遅れが指摘されていました。デジタル分野の改革は急務です。例えば、教育の分野ではこれまで行ってきた対面式の授業の補完として行うのではなく、ひとりひとりの習熟度にあわせながら個別最適化された学習の機会を提供できるようにするなど、デジタルの力を多様性と包摂を実現した持続可能な社会の実現のために活かしていく必要があります。」

「誰も置き去りにしない社会は可能」 7割以上が回答

各国がコロナショックによる経済の低迷からの立て直しを急ぐ一方、すべての人が豊かさと平和を享受できるようにすることもグローバルな課題です。
「誰も置き去りにしない持続可能な社会の実現」は、2015年に国連が掲げた2030年の社会を見据えたSDGs(持続可能な開発目標)の基本理念です。
この質問にアメリカで80%、フランスで77%、ドイツで75%、日本で69%が「可能だ」と回答しています 。

「Q誰も置きざりにしない 持続可能な社会の実現は?」


さらに、「Q ポストコロナの時代に 対策を強化するべきなのは」との設問をかけ合せて集計を行ったところ、「可能だ」と回答した人は 、「持続可能な産業」「社会的弱者の保護」「国際的な連携」 を重視する傾向にあることがわかりました。一方、「不可能だ」と回答した人は、「デジタル環境」を選択した人が最も多く47. 5%でした 。

「Qポストコロナの時代に対策を強化するべきなのは」



慶應義塾大学教授 宮田裕章さん
「アンケートの性質上、回答者の多くが社会変革に関心をもつ若い世代であることを考慮に入れる必要がありますが、「変えることができる」と考える人が各国で7割近くあることに希望を感じます。
「可能だ」と信じる人たちがいるのであれば一緒にアクションを起こすことで、変わる可能性があります。コロナ以前は想像すらしなかった新しい社会、新しい日常 という目標を 人々が共有できるようになったということです。

日本でこの質問に対して「可能だ」と回答した人たちがポストコロナの課題として「弱者救済」「持続可能な産業」を挙げているのは、「誰も置き去りにしない」ためにはさまざまな社会課題にコミットする必要性の認識が現れています。
一方、「不可能だ」と答えた人たちは、「デジタル環境」を一番の課題としています。 コロナ禍で日本の IT 後進国の認識が共有され、ここを変えなければ未来が開けないと多くの人が感じていることがうかがえます。」

環境問題のキープレーヤー 日本は「19-34歳の女性」?

2019年の秋、若者を中心に地球温暖化対策を求めるさまざまな抗議活動が世界で巻き起こりました。アンケートでは、こうした行動への意識についても聞きました。
「Q環境活動への立場 あなたは…」の質問に対しては「積極的に活動している」「賛成派だ 」という回答が多数を占める一方、日本では「何も感じない」と答える人が15%で4か国のなかで最も多いことがわかりました。

「Q環境活動について あなたの立場は?」


また、日本の回答をそれぞれ性別 年齢別にみると、環境活動に「活動家として参加している」人のなかで 「19-34歳の女性」29%と最も多く、「反対派だ」と答えている人では、「19-34歳の男性」が21%で最も多いことがわかりました。
 

慶應義塾大学教授 宮田裕章さん
「環境問題に関して欧州では選挙の争点になるなど、社会の関心は高いということは前から言われていましたが、この点はこの調査でも明らかになりました。日本の結果については、環境問題に「無関心」という人の割合が欧米に比べて高いことについて、今後 SDGs に取り組んでいくうえで広く共有するべきだと思います。

「環境」は SDGs の 17 の目標の一つであり、人権 教育 健康 などほかのさまざま軸に関心を持ちながらコミットしていくということが求められています。
そういう意味では「無関心」の割合が日本で比較的多いことは要改善ポイントです。
一方、今回の分析では「19 歳から34 歳の女性」 が環境問題のキープレーヤーになりうるという結果が出ました。
社会が変わるとき、一部の集団が最初に声を上げ、その人たちに呼応する人たちが最初のマジョリティーを形成し、変革につながるといわれています。最初に声を上げる人たちが、呼応する人たちとネットワーク を作りながら変革を促していく、そういう流れを作っていくことが大事だと思います。」


ポストコロナの時代一番心配なのは「古い日常」に戻ること

「Qポストコロナの時代 いちばん心配なのは」の質問に「誰も教訓を学ばないこと」と回答した人は、ドイツで58%、フランスで64%、アメリカで75%、日本では42%で 、それぞれの国で一番多い回答でした。
日本では、二番目に多い回答は「大量失業」で28%。ドイツ・フランスでは「気候変動を忘れること」で 、それぞれ 21%、13%でした。



慶應義塾大学教授 宮田裕章さん
「“誰も教訓を学ばないこと”と回答した人の割合が、日本に比べフランス、ドイツ、アメリカで高くなりました。これは、いわゆる第1波が去ったあとの人々の行動にあると見ています。ヨーロッパやアメリカでは、ロックダウン解除後は、マスクを外し、コロナを忘れて生活しようとする人が少なくなく、いま“第2波”が直撃しています。

日本でも緊急事態宣言のころに比べ、8月の段階で人々の感染防止のための行動変容意識は大きく低下しています。在宅勤務をやめて通常勤務に戻す会社や組織がかなりあります。
しかし、「古い日常」に戻るのではなく、コロナを教訓として「新しい日常」を構築しなければ未来はないと多くの人が考えているのではないでしょうか。
コロナが来る前の「未来予想図」はもう消滅してしまいました。世界が退路のない変革に向かって歩み始めるなかで我々もどう変わるのかが、いま問われています。」


「未来計画Q」(https://www.time-to-question.com/ja/intro)(☜※NHKのサイトを離れます)のアンケートは12月17日まで続きます。
引き続き、世界から回答を集め、分析していくこと、ともにコロナ禍を生きる日本と世界の人々が未来に向けていま何が課題だと感じているのかを浮き彫りにし、有効な解決策を探りたいと考えています。
クロ現+
2020年10月26日

目指せ2050年温室効果ガス「実質ゼロ」私たちの声を届けたい

10月26日、菅総理大臣が所信表明演説を行い、脱炭素社会の実現に向けて「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と表明しました。日本政府が排出ゼロを目指す具体的な時期を示すのは初めてのことで、今後どのような政策が打ち出されるのか注目されます。
こうした中、「気候変動の影響を最も受けるのは自分たちの世代」だとして、各地で若者たちが声を上げ始めています。
自分たちの将来のためにいま行動を起こさなくてはいけないーー。
そんな強い思いを持つ若者たちが集ったある会議を取材しました。
(地球のミライ 取材班 ディレクター酒井利枝子)

気候変動何とかしたい! 声を上げる若者たち
10月中旬に2日間の日程で開かれた気候変動について考えるオンライン会議。主催したのは大学生を中心としたネットワーク型のNGO「Climate Youth Japan」です。気候変動問題に関心を持つ国内外の大学生たちが参加し、自分たちの意見をまとめて、環境省や経済産業省などと意見交換を行っています。
今回、地球温暖化対策を進めるため実際に行動を起こす仲間をもっと増やしたいと、SNSで参加を呼びかけたところ、北海道から九州まで2日間であわせて約50人が参加しました。

堺大輔さん(大学2年・埼玉)
「各地域にいる人たちが横でつながることが大事だと思います。今回の会議では情報共有することで自分が何をやっていくべきかしっかりした考えを持ちたいと思います」
宮下諒太さん(大学4年・鳥取)
「会議がオンラインでできるようになったことで、みんながすぐつながることができますし、こうした会議に参加するハードルもグッと下がったと思います」

  会議ではそれぞれの地域にどんな課題があるか話し合いました。何人かの参加者から各地で建設が進む新しい発電所について報告がありました。
宮城県では、化石燃料の代わりに植物由来のパーム油を使うバイオマス発電所がつくられています。
(パーム油を燃料とする発電所 2019年撮影)

「パーム油を大量に使うことは東南アジアなどの森林破壊につながるとして、海外の環境NGOから批判を受けています」

また、神戸市では石炭火力発電所の建設が進められています。
石炭は石油やガスにくらべて安価で供給が安定しており、国は一定程度の活用が必要だとしていますが、二酸化炭素の排出量が多く世界的には敬遠される傾向にあります。菅総理大臣は初めての所信表明演説の中で「長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換する」と述べています。
関西地域のセッションより
「神戸市でも石炭火力発電所建設が進んでいます。とても心配です」

どうする?新型コロナで増えたプラスチックごみ
それぞれの地域が抱える身近な問題についても、報告が相次ぎました。
小柴圭太さん(大学4年・青森)
「東北や北海道は、公共交通機関が限られているためマイカーの利用が多いのと、冬は暖房器具で多くの灯油を使うので、どうしてもCO2の排出量が増えてしまいます」

北海道の大学に通う参加者からは、「雪不足が続いていて、地元のスキー場の経営に影響が出ている。このまま温暖化が進めばスキー場の経営が成り立たなくなるのでは」という声が上がりました。また仙台の参加者からは、「去年の台風19号による記録的豪雨の被災地では、1年たった今も仮設住宅での避難生活が続いている」という報告がありました。



新型コロナウイルスの感染拡大後、プラスチックごみが増えていることについても意見を交わしました。

「プラスチック包装を減らそうといままでやってきたけど、感染対策には必要なものもあり、モヤモヤしています」
「地方には、都心のように食品などの量り売りがないので、プラスチック包装のものを買わなくてはなりません」
「私は野菜はアプリから買うようにしています。 買うときにプラスチック包装はいらないと伝えると、 プラスチックに包まずに送ってくれます」

野菜をアプリから買うようにしているという発言には「そういう方法もあるのか」と多くの参加者がうなずいていました。今すぐ自分の生活に取り入れられるアイデアをみんなで共有し合いました。

大学生が感じる”無力感”
若者たちの意見の中には、思わずハッとさせられる発言もありました。中でも印象的だったのは、ある学生が口にした「活動するなかで無力感を感じることがある」という言葉でした。
 
地方に住む大学生
「私の周りの同世代で気候変動やSDGsに関心を持っている人は、決して多くありません。話を振ってもアルバイトなどで忙しく、考える余裕がない感じです。地元の地方議員の人と接することもありますが、目の前の景気や少子化対策などが話題の中心で、なかなか気候変動の議論までたどり着けません。自分たちの活動は大事だと思っているものの、正直無力感を感じることもあります」

これまでも環境問題を取材する中で、いくら対策を訴えてもなかなか世の中が変わらないことに失望し、“燃え尽き症候群”になる人が少なくないという話を聞いてきました。
気候変動を自分たちの問題としてとらえ、未来のために行動しようとしている若者ですら無力感にさいなまれることがあると知り、複雑な思いになりました。

一方でそうした現実があるからこそ、今回の会議のように、志を同じくする若者たちがつながって議論することはとても大事だと感じました。
実際に会議では、ふだんSNSで情報を調べて一人で気候変動について考えているという参加者が、団体に所属している他の学生に活動内容について、積極的に質問する様子も見られました。

会議の最後に、10年後にどんな社会を目指したいかを、みんなでまとめました。



松本健太さん(Climate Youth Japanのメンバー)
「以前は、首都圏と地方で活動に差がありましたが、いまは地方でも徐々に活動するメンバーが増えてきています。SNSなどで働きかければ、賛同してくれるメンバーはいるのだと再発見できました。横のつながりを築いていくことが大事だと思いました」

太田紘生さん(Climate Youth Japanのメンバー)
「今回の会議では、色々な人の考えに触れることができました。私たちの世代が気候変動に強い関心を持っていることが、世の中に知られるようになってきたので、今後は社会にどういう変化を起こしていくのかなど、活動のねらいをより明確にしていきたいと思います」

会議を主催したNGO「Climate Youth Japan」では、今回出された意見を元に、台湾や韓国マレーシア、フィリピンのアジアの若者たちとも議論したいと考えています。そして来年開催が予定されているCOP26(地球温暖化について話し合う国際会議)に、世界中の同世代とともに意見を届けることを目指しています。
(COP25に合わせて2019年に開かれた若者の国際会議・COY)

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「地球のミライを守りたい」という若者たちの思いを、どうすれば形にできるのか。
国として“排出ゼロ”を掲げたいま、日本社会全体が若者たちの主張に正面から向き合うべきだと強く感じました。みなさんはどうお考えですか?

クロ現+
2020年10月16日
このお題はクローズアップ現代+で番組になりました

「サステナビリティ(持続可能性)」で企業の生き残りをかける

女性誌や消費者、企業も注目「サステナビリティ」

新型コロナウイルスの感染拡大を機にサステナビリティ=持続可能性への関心が高まっています。環境保護団体が今月行った調査によると「買い物への意識や行動が変わった」と答えた人は66%に上っています。 女性向けの人気ライフスタイル誌「FRaU」がこの夏、一冊まるごとサステナビリティについて特集したところ大きな反響があり、年内にも再度サステナビリティの特集号を組む予定とのこと。


一方、世界に目を向けると、コロナ禍で落ち込んだ経済を回復させるために、持続可能な環境や社会をめざした経済復興・グリーンリカバリーに注目が集まっています。ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営を行っている企業が投資対象として注目されています。
【グリーンリカバリーについては☞TOPIC㉞ グリーンリカバリーと“持続可能な”再エネ

日本でもサステナビリティを企業経営に取り入れる動きが始まっています。
新型コロナの影響で小売り部門の売り上げが大きく落ち込んだファションビル大手の丸井は、地球温暖化対策やサステナビリティ重視の経営に思い切って転換したところ株価が上昇。これをさらなる変革のチャンスと捉え、新たなビジネスを立ち上げようとしています。

さらに企業の垣根を越えて、サステナビリティを推し進めようという女性たちのグループも登場。その名も「CSR48」も登場。

詳しい情報はこちらの動画をご覧ください☟
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あなたの会社や周りではサステナビリティに取り組んでいますか?
クロ現+
2020年10月14日
このお題はクローズアップ現代+で番組になりました

のんさん流SDGs「身近なところから始めよう」

“SDGsを実践している人”として、ことし「SDGs People」の第1号に選ばれた俳優・のんさん。最初はSDGsに対して難しそうなイメージを持っていて「自分に何ができるのか分からなかった」そうです。しかし、自身が取り組んでいる洋服のリメイクが、持続可能な世の中を作ることにつながることを知り、「身近なところから始めればいいんだ」と気がつきました。
「頑張らず、できるところから楽しくやる」ーー。
のんさん流のSDGsについて、たっぷり伺いました。
(聞き手:合原明子キャスター)
コロナ禍で「SDGsのことを勉強」

―新型コロナウイルスの影響でステイホームなどを経験されて、のんさんご自身のライフスタイルに何か変化はありましたか?

のんさん
外出自粛が始まって最初の2、3か月は、毎日家にこもって自炊していました。ちょうどその時期に「SDGs people」*に選んでいただいたので、SDGsについての勉強というか、SDGsのことを考える時間がすごく増えました。
(注*「ジャパンSDGsアクション推進協議会」が選出)

―新型コロナをきっかけに環境問題への意識が高まり、エコバッグやマイボトルを使うことが増えたという方も多いようですが、のんさんはいかがですか?

のんさん
わたしも仕事に行く時などは家からマイボトルで飲み物を持っていきます。もともと環境省の「COOL CHOICE」*2という取り組みに呼んでいただいたのがきっかけで、エコバッグやマイボトルなどはふだんから意識していました。

新型コロナの影響でいうと、わたしの場合は仕事自体が減ってしまい、ほとんど家でご飯を食べる生活になったので、マイボトルを使う機会が増えたわけではありません。でも「SDGs people」に選んでいただいたことでより意識が高まり、改めてその大事さを再認識しました。 (注*2 脱炭素社会づくりに向けた「製品への買換え」「ライフスタイルの選択」などを促す運動)

「服のアップサイクル」でSDGsに貢献


(アップサイクルした服と)


―SDGs peopleの第1号ということですが、のんさん自身が取り組んでいることは?

のんさん
服の「アップサイクル」をしています。最初、「SDGs」って聞いた時にすごく難しそうだなと思って、自分に何ができるんだろうと重く受け止めていたんですね。その時にSDGsの17項目の中にある「つくる責任・つかう責任」というのを知って、すごく共感したんです。

と、いうのもわたしの家には着なくなった洋服がたくさん溜まっていたんですが、もったいなくて捨てられなかったんです。それをリメイクしたり、アップサイクル(リメイクによって新たな価値を生み出すこと)をしていたこともあって、わたしにもできることがあるかもしれないというふうに思いました。



―アップサイクルが環境問題の改善に役立つという気持ちがあるのですね?

のんさん
そうですね、それはすごく思います。捨てるのではなく着られるように作り直すことがSDGsにつながるのかもしれないと思うと、すごく誇らしい気持ちになります。以前のわたしは仕事を詰め込んで、休みは終日寝てしまう感じだったのですが、新型コロナ以降、時間ができたことで洋服の整理もするようになり、「アップサイクルしよう!」というモードになりました。

―新型コロナウイルスの影響で、環境問題への意識が高まった人が若い女性を中心に増えているそうなんですが、それについてはどう思いますか?

のんさん
すごいすてきだなと思います。心強いというか「わたしも一緒に頑張りたいな」って、すごく勇気をもらいます。仕事が忙しかったりすると考える時間が減っていくので、環境問題への優先順位も下がってしまうこともあるかもしれないですが、わたしも時間ができて色んなことを考えるようになり、「サステナブルが大事」という思いが高まることはよく分かります。

―コロナ禍で悲しいことやつらいこともたくさんあったと思いますが、これをきっかけに世界をよりよい方向に変えることはできると思いますか?

のんさん
「本当に変われるんだ」と信じていたいと思います。
わたし自身も企画していた音楽フェスが中止になったりして、気持ちがすごく落ち込んだこともあったので、ポジティブに前に進んでいく方たちがたくさんいることで、わたしも"気合いが入る”というか、「こういう方たちもいるから頑張らなきゃ」って思いますね。地球がずっと存在していく中で、次の世代につないでいくことで持続可能な世界が広がっていくのだとも思います。

「地球に恩を売る」 ときには“うぬぼれ”も大事!?




―サステナビリティ(持続可能性)は難しいというイメージを持っている人も多いと思いますが、のんさんが考えるサステナビリティとは?

のんさん
たとえばエコバックを持って買い物に行った時、レジ袋を買っている人をみると「わたしは地球に貢献しているぞ」って何か得した気持ちになるというか、“うぬぼれ”をすごく感じるんです。「地球に恩が売れた」みたいな(笑)。そういう“うぬぼれ”みたいに楽しく始めることが突破口になって、みんなが楽しく「サステナブルなことにつながっていけたらいいな」というふうにわたしは思っています。

自分を“地球と同じレベル”にまで引き上げて、ものごとを大きくとらえれば難しくないじゃん、という気もしていて、自分が地球と同じくらい大きくなれば取り組むことに抵抗がなくなるというか、頑張らないとやれないことではなくなってくるので、サステナビリティへのハードルも下がっていくと思いますね。

最初に「SDGs people」第1号に選ばれると聞いた時に、「いや、わたし背負えないよ」って難しく考えていました。「これから取り組みたい」とか「ちょっと興味がある」という方々と一緒に勉強しながら、楽しくやれたらいいなと思っています。

写真撮影:仁科勝介
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のんさんの考えるSDGs、いかがでしたか?みなさんのご感想をぜひ教えて下さい。
「地球のミライ」 ではアップサイクルなど環境問題について考えています。
クロ現+
2020年10月13日
このお題はクローズアップ現代+で番組になりました

「サステナブル」やってみました 新型コロナをきっかけに暮らしを考え直す

新型コロナウイルスの感染拡大で一変した私たちの生活。
日々の暮らしの中で当たり前だと思っていたことも決してそうではないことに気付き、「価値観が変わった」という人も少なくありません。今回注目したのは、新型コロナをきっかけに【サステナブル(持続可能)】な社会の重要性を知り、自分の暮らしを見つめ直したという女性たちです。
(「クローズアップ現代+」10/13放送 社会を動かす! 女性たちの“ライフスタイルチェンジ”
の取材から)

File No.1 森真悠子さん

☞森さんのチェンジ
▼ペットボトル飲料をやめた
▼再生可能エネルギーを使っている電力会社に切り替えた
▼仕事で環境問題に取り組んだ  など

在宅勤務きっかけに「ペットボトルごみの山」に疑問を持った

教育関係の会社を経営をしている森真悠子さんは、コロナ禍、ほぼ在宅勤務となりました。それまで外食が多かったのですが、もっぱら家で食べるようになりました。自宅で過ごす時間が増えたことで、それまであまり意識していなかった家の中の様子が気になるようになったといいます。例えばペットボトルのごみ。家族が炭酸水が好きで、毎日飲んでいたこともあり、月に数十本もペットボトルがたまりました。その量を目の当たりにし、愕(がく)然とした森さん。自宅で炭酸水を作れる家電を購入するなどして、ペットボトルをほぼゼロにしました。これをきっかけに、気候変動や環境問題により関心を持つようになりました。

もう一つ森さんに影響を与えたのは、教育関係の仕事をする中で知り合った高校生や大学生たちでした。彼らが「気候変動から自分たちの未来を守りたい」とSNSなどで発信しているのを見て、森さん自身「自分ごと」として行動を起こしなくては、と思うようになったのです。



使う電気は自分で決められる

ペットボトルごみに続いて森さんが見直したのは、24時間使っている「電気」。それまで深く考えることもなく使っていましたが、サステナブル(持続可能)な社会を目指すためには避けて通れない問題だと考えるようになりました。
調べたところ再生可能エネルギーに力を入れている電力会社があることを知り、長年契約していた電力会社から切り替えることにしました。いくつかあるプランの中から「二酸化炭素排出ゼロ」を選択。地球環境というと大きな問題でも、自分の選択でできることがあると、実感したといいます。

さらに森さんは、仕事においても、高校生・大学生向けに地球温暖化に関する教材作りを計画しています。

森さん
「大人が若い人の壁にならないように、また消費者として、「いいものに投票していく」気持ちで、生きていけるといいなと思います」


File No.2木股里穂さん(会社員)

☞木股さんのチェンジ
▼自分で考え、情報を調べるようになった
▼プラスチック包装のものを買わなくなった
▼自分で毎日お弁当をつくるようになった  など

自粛中に見た「あるニュース」が転機に

木股里穂さんが、環境問題に強い関心を持つようになったきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大後に、あるニュースを見たことでした。
世界中でロックダウンや外出自粛が続いたことで地球全体の二酸化炭素の排出量が減ったり、空気がきれいになって今まで見えなかった遠くの山が見えるようになった、というニュースを見て、自分自身の暮らしと地球環境が深く関わっていることに改めて気付かされたといいます。



「気候変動ノート」をつけ、行動を起こす

自粛期間中、木股さんは、気候変動について知りたいと、SNSなどで調べ続けました。自分できちんと調べて、情報の出所を確認するよう心がけていました。家族や仲間に根拠のある情報を伝えたいと、確かな情報を見つけたら、ノートに記すようになったのです。そして、高校生や大学生たちが、気候変動に抗議する活動に参加している姿を見て、「私は何もやってきていなかった」とショックを受けました。そして、自ら行動を起こし、若者たちの活動に参加するようになったのです。

木股さん
「大きな岩もたたき続けないと割れない。一人一人の積み重ねが、社会を変えていくと信じています」


写真撮影:仁科勝介さん

10月13日放送の「クローズアップ現代プラス」 社会を動かす! 女性たちの“ライフスタイルチェンジ”では、新型コロナをきっかけにライフスタイルを見直す動きについてお伝えしました。

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コロナ禍であなたの価値観に何か変化はありますか?
暮らしを見直すなど、行動につながったことはありますか?
サステナブルな社会に向けたあなたの“変化”をぜひ教えてください。
クロ現+
2020年10月2日

高校生が挑む 海のプラスチックごみ問題

プラスチックごみによる海洋汚染が大きな問題となっています。とりわけ深刻なのは、魚や海鳥などがエサと間違えて食べてしまったり、マイクロプラスチックと呼ばれる細かい破片が体内に入ってしまったりといった、生態系への被害です。国連のSDGs(持続可能な開発目標)でも「海の豊かさを守ろう」という目標が掲げれていますが、これを達成するためにも、海のプラスチックごみ問題の改善は避けて通れません。
そんな中、川崎市にある洗足学園高校の生徒たちが「魚が食べない」特殊なレジ袋を開発し、注目を集めています。

「魚が食べない」レジ袋とは

海中に漂うレジ袋を魚が食べてしまうと、体内で消化できずに死んでしまう場合もあります。新たに開発したレジ袋には、素材に魚が嫌う成分が混ぜられていて、魚が口に入れてもすぐに吐き出すようになっています。

アイデアを出したのは洗足学園高校2年の渡邉心海さん。地元の海がプラスチックごみであふれているのをみて「何とかしたい」と思ったのがきっかけでした。学校の友達と金魚やメダカなどを使って実験を重ねた結果、半年ほどかけてたどり着いたのが「デナトニウム」という成分でした。

子どもの「おもちゃ誤飲防止」と同じ成分

デナトニウムは人体に影響はありませんがなめると苦い味がする成分で、子どもの誤飲を防ぐため、おもちゃやゲーム機などに使われています。
大学や企業の協力も得てさらに実験を重ねた結果、デナトニウムを4%ほど混ぜると、ほとんどの魚が吐き出すことが確認できました。魚は種類や大きさが違っても、味や臭いの好き嫌いの傾向が同じなのだそうです。

このレジ袋には企業も注目していて、商品化を目指して動き出しています。1~2年後の販売を目指しているそうです。

次は「鹿が食べないレジ袋」にも挑戦!?

さらに渡邉さんたちは、海だけではなく地上の生物に対してプラスチックごみが与える影響についても関心を持っています。次は鹿やいのししが誤飲しないよう、すっぱい味や臭いをつけたレジ袋を開発したいと考えているそうです。

高校生が開発した「魚が食べないレジ袋」。「おはよう日本」で紹介した内容を動画にまとめました。魚が吐き出す瞬間の映像も



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海洋プラスチックごみの問題を解決するためには、プラスチックごみそのものを減らすことが大前提です。しかし生態系への影響を少しでも減らすためには、こうした取り組みも同時に行っていくことが大事だと感じました。
ご紹介した取り組みへのご感想や、海のプラスチックごみ問題へのご意見など、みなさんの声をぜひコメントで欄にお書き下さい。
クロ現+
2020年9月29日

メルカリ?リサイクル? 着ない服、どう処分してますか?

クローゼットの奥で眠る「着なくなった服」。
流行遅れになったもの、サイズが合わなくなったもの、買ってはみたもののイメージと違ったもの・・・色々な理由があると思いますが、みなさんは不要になった服をどうやって処分していますか?
古着屋やリサイクルショップに売る、フリマアプリに出品する、という方もいると思いますが、実は衣料品が再利用される割合はわずか26%で、およそ90%が再利用されているペットボトルなどと比べると非常に低く、ほとんどがごみとして処分されているんです。
これは地球環境にとっては決して良くないこと。
捨てられる服を少しでも減らすにはどうすればいいのか?
朝の情報番組「あさイチ(9/30放送)」でお伝えする、ある取り組みについてご紹介します。
知っていますか?着ない服の「交換会」

(「服の交換会」 映像提供:SDGs.TV  新型コロナウイルス感染拡大前に撮影)

多くの服がごみになり、環境に悪影響を及ぼしている現状をなんとかしたい。任意団体「xChange」代表・丹羽順子さんが、そんな思いから始めたのが「服の交換会」です。あらかじめ決めた場所に、各自が不要になった服を持ち寄り、他の人の服で欲しいものがあったら無料で譲り受ける、というシンプルな仕組みです。
服には値札の代わりに「エピソードタグ」という札がつけられ、「着る機会がなく今日という日が参りました。着こなしてくれる人に是非」「太ったのか小さくなってしまいました。細身の方に」など、持ち主からのメッセージが書かれています。






参加した人に話を聞くと、「メッセージを読んで大切に着ようと思った、すごくいいと思います」との答え。交換会を企画した団体によると、まさにそれが交換会のねらいだそうです。

服の交換会を企画する 丹羽順子さん
「そのお洋服がどこから来てどこへ行くのかというストーリーがわかると、よりお洋服を大事にしていくことができます。永遠に続く、みんなで作るワードローブみたいな感じです」


服の交換会が始まったのは2007年。フリーマーケットのような感覚で大阪、仙台、石川、長崎など全国各地に広がっています。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一時中止になりましたが、徐々に再開し始めているそうです。

多くは焼却処分 服の再利用が難しい理由とは

こうした取り組みの存在とともに、消費者としてぜひ知っておきたいことがあります。 それは、多くの服が再利用されずに焼却処分されているという現実です。



大阪府泉佐野市にある古着や繊維くずを扱う業者を訪ねました。作業場を案内してもらうと、そこにあったのは高く積まれた古着の山でした。70~80トンほどあり、いずれも資源ごみとして自治体が回収したものや、古着を扱う店でも値がつかなかったものです。多いときには、1週間におよそ10トンの古着が運ばれてくるそうです。

例年、暑い時期は古着の回収が少なくなるということですが、ことしは新型コロナウイルス感染拡大で、外出自粛期間が冬服から夏服への衣替えの時期と重なったこともあり、いつもより多くの古着が集まってきたといいます。

この業者が引き取った古着のうち、状態が良いものや需要がある服については東南アジアなどに輸出され、現地で服として再利用されます。代表の東谷さんによるとこちらの業者で再利用されるのは6割ほどに過ぎず、それ以外のものは焼却処分されるそうです。

故繊維業者 代表 東谷泰章さん
「古着を輸出するのは東南アジアなどの暑い国ばかりなので、冬に使う服というのがリユースとしては不向きなものになります。海外で使ってもらえない、買ってもらえないものは、ほとんど焼却処分になってしまいます」


繊維の再利用に詳しい日本繊維機械学会の木村照夫さんに話を聞くと、再利用が少ないのは服の素材にも理由があると、教えてくれました。

日本繊維機械学会 木村照夫さん
「いつも我々が着ている多くの服はいろんな素材が混ざっています。私が着ている服も綿とポリエステルが混ざっています。いろんなものが混ざっていると、次の物を作り出すときに扱いにくいのです」


(古着を選別する東谷さん)

せめて焼却処分する服を減らしたいと、東谷さんは、再利用できない服を別のものに加工する独自のリサイクルに取り組んでいます。繊維に樹脂を混ぜた繊維強化プラスチックを開発し、ジーンズの生地から名刺を作ったりしているのです。

(ジーンズから作った名刺)

かわいい服を買う その先をちょっと考えてみる

ごみになる服を減らすため、私たち消費者にできることはないのでしょうか?
人や社会・環境に配慮した消費行動「エシカル消費」に詳しいエシカル協会の代表 末吉里花さんに話を聞きました。

エシカル協会代表 末吉里花さん
☞服を買って飽きたら捨てるというのではなく、自分が着なくなってもほかの人にとってはほしい一枚になるかもしれないと考えることです。
そうすれば、服を循環させることができます。

☞着なくなった服をNPOやNGOへ寄付する方法もあります。
古着ひと箱分で地雷撤去など社会貢献につながります。
ただ、寄付する際は、新型コロナウイルスの影響などで服の受け入れが止まっていないか、寄付する先に問い合わせることが大事です。

☞一番大事なのは、服を買う瞬間のことを考えるだけではなく、その服を自分が買うことでどんな影響があるかをしっかり考えることです。
そうすることで服のごみを減らすことにつながるかもしれません。


服を買う前に、その先のことをちょっと考えてみる。そのことがごみを減らす一歩につながるのだと感じました。あなたは服をごみにしないために、どんなことをやっていますか?
ぜひ、下のコメント欄で教えてください。

地球のミライではみなさんと一緒に環境問題について考えています。
〈合わせて読みたい〉サステナブルファッションについて↓
TOPIC㉓“持続可能”なファッション業界を目指して
クロ現+
2020年8月31日

目指せ!再エネ100% ビジネス界の挑戦

↑↑上の画像をクリックすると動画(2分25秒)が始まります↑↑

地球温暖化の加速によって各地で相次ぐ異常気象。記録的豪雨で工場や店舗が水没するなど、企業活動へのダメージも深刻です。
海外では、太陽光発電など二酸化炭素を排出しない「再生可能エネルギー」の価格が急激に下がり、発電にしめる再エネの割合が急速に高まっています。企業の動きも素早く、すでに自社で使う電力を「再エネ100%」に切り替えた企業も登場しています。



一方日本はというと、政府の「第5次エネルギー計画」では再エネの比率は「2030年に22~24%」となっていて、欧米などに比べ導入が遅れています。
そうした中、世界のビジネス界の潮流に遅れまいと、「再エネ100%」を目指して動き始めた企業も出てきています。このうち、流通大手イオンや製造大手ソニーの取り組みなどをお伝えします。(※肩書きは2019年取材当時のものです)

〈合わせて読みたい〉
TOPIC㉞グリーンリカバリーと“持続可能な”再エネ
TOPIC⑰ 2020年日本のエネルギーはどこへ?
TOPIC⑤ 気候危機を回避せよ!激変する金融の世界
ーーーーー
こんな再エネの取り組みやっています、とか取り組みをやっているところを知っている方は ぜひ、コメントお寄せ下さい。
クロ現+
2020年8月24日

「グリーンリカバリー」とは? コロナ後の経済復興で注目

8月になっても新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。医療崩壊が心配ですが、 自粛に伴う経済への影響も深刻です。こうした中、コロナからの経済復興のための一つの合言葉が注目されています。「グリーンリカバリー=緑の復興」です。 今回は、「グリーンリカバリー」とは何なのか?
また、そのカギを握る本当の“持続可能なエネルギー”とはどんなものかについて考えていきたいと思います。

(地球のミライ 取材班 プロデューサー 堅達京子)


グリーンリカバリー で経済を立て直せ!

「グリーンリカバリー」というのは、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済に復興するのではなく、この苦難を逆バネにして、脱炭素で循環型の社会を目指すための投資を行うことで復興しようという経済刺激策です。

例えばEUは、「次世代EU」と名付けた90兆円規模の経済復興策を打ち出しました。その要となるのがグリーンリカバリーです。特に再生可能エネルギーの普及や電気自動車への転換のための巨額のインフラ支援などが盛り込まれました。フランス政府は、経営難に陥ったエールフランスに資金を融資するにあたって、列車など代替手段がある2時間半以内の国内路線を縮小することを条件にするなど、脱炭素化を促す方向性が明確になっています。

というのも、こうした方針がないと、2008年のリーマンショックの時のように、目先の経済復興を焦るあまり、二酸化炭素の排出量があっという間にリバウンドして、地球温暖化を加速させてしまう恐れがあるからです。今年は、感染拡大防止のためのロックダウンなどが行われた地域が多かったため、二酸化炭素の排出量が劇的に減っています。
しかし、これを一時的なものに終わらせず、経済を復興させながら、同時に二酸化炭素の排出量を減らし、2050年の実質排出ゼロを実現する起爆剤にしようというのが、グリーンリカバリーの狙いです。

残念ながら日本では、これまでのところ、コロナ対策・経済再生のための補正予算のうち、グリーンリカバリーの概念に入りそうなのは、環境省による脱炭素社会への転換支援事業の50億円だけです。
これは、企業が太陽光パネルや蓄電池などを設置する資金を支援する意義ある事業ですが、欧米の規模にはとても及びません。日本では、今回のコロナ危機と気候危機が実は同じ根っこを持つ問題であり、より持続可能な社会に転換するチャンスだという認識が弱いように感じています。

この夏は、九州地方をはじめとして各地で温暖化型の豪雨による激甚災害が相次ぎ、気候危機を食い止めることは待ったなしです。せっかく巨額のお金を投じるなら、未来世代のために役立つことに先行投資したいと考える人は少なくないはず。今後、日本でもグリーンリカバリーを意識した政策が打ち出されることに期待したいと思います。
カギを握るのは再生可能エネルギー



グリーンリカバリー のカギを握るのは、二酸化炭素を出さない太陽光や風力などの再生可能エネルギーです。最近では、企業自らが事業の使用電力を100%再エネでまかなうことを目指す国際的なイニシアティブ、RE100に参加する企業も増えてきました。
日本では現在、発電に占める再エネの割合は約17%ですが、政府は2030年には22−24%にする目標を立てています。しかしドイツの2020年上半期の発電に占める再エネの割合は、すでに55%を超えるなど海外ではその取り組みが進んでいます。

日本の目標は低すぎるとして、7月、経済三団体の一つで企業経営者の団体である経済同友会が「2030年の再エネ比率40%を目指すべき」だと提言。
こうした動きもあり、日本でも各地で大規模な太陽光発電所や洋上風力発電所の建設計画が進められています。しかし、再エネをグリーンリカバリーの主役となる“持続可能なエネルギー”にするためには、どうしても留意しておかなければならない大切なことがあります。それは、乱開発ではなく、地元で暮らす人々が“誇り”を持って進めていける計画かどうかということです。

本当に“持続可能な”再生可能エネルギーとは?

建設予定地に近い霧ヶ峰高原の湿地(天然記念物 踊場湿原)

そのことを考える上で、示唆に富む事例があります。長野県諏訪市の四賀地区。八ヶ岳中信高原国定公園となっている霧ヶ峰高原のすぐそばで、天然記念物になっている湿原がある地区からも遠くないこの地域に2014年頃からメガソーラーの計画が持ち上がっていました。196.5ヘクタール、東京ドーム約40個分と広大な山林の半分近くを伐採し、そこに太陽光パネル31万枚を設置するという国内でも有数の巨大計画です。
長年、再エネの普及について番組で訴えてきた私にとって、この件はとても気がかりで、 現地を案内してもらったことがありました。案内していただいた現場の沢沿いの一帯は、結構な急勾配の森も多く、正直、ここを切り開いてソーラーパネルを設置するイメージがつかみにくいところでした。

急勾配な山林を含むメガソーラーの建設予定地だった場所

すでにゴルフ場として開発されていた場所など特殊な条件なら別ですが今、目の前にあるこの森を伐採していちからパネルを設置することが本当に地球環境のためになるのか、疑問が湧いてきました。
そして、このところ相次いでいる豪雨の際には果たして大丈夫なのだろうか?という不安も頭をもたげました。いくら二酸化炭素を出さない太陽光発電に切り替えても、建設工事による負荷や、森林伐採によるトレードオフがあれば、元も子もないのではないかという思いにかられたのです。

計画に反対する近隣地域の住民の中には、自慢の水で米作りに精を出される方や諏訪湖半で日本酒の酒蔵を営む方もおられ、みなさん口々に、長年大事にしてきた水源や地下水への影響を心配していました。
霧ヶ峰のメガソーラー計画が撤退へ




つい2か月前の6月19日、このメガソーラー計画の撤退が決まりました。
霧ヶ峰高原がある長野県では、2016年に条例が改正され、太陽光発電所なども、事業者自らが事業の実施に伴う環境影響について評価を行う対象となり、この案件が第一号になりました。環境への悪影響が本当にないのか、専門家の目で審査されることになったのです。
今回のケースでは、事業者側から提出された書類に対し、地元の諏訪市や茅野市の市長からも調査が不十分だとする厳しい意見書が出されました。

さらに、今年4月からは一定規模以上の太陽光発電が国の環境アセスメントの審査対象になり、この案件も5月に適用されることが決まりました。まさにこれから審査という段階で、事業会社が撤退を発表したのです。

この事業会社は、NHKの取材に対し、「本年4月以降の諸制度の改定や今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による影響等により、本計画を取り巻く環境は大きく変化しており、事業化に要する期間の長期化が見込まれ、総合的に勘案して事業化は困難であると判断した」と回答しています。
長期化して着工が遅れれば費用がかさむだけでなく、太陽光発電の買取価格が下落し、採算は見込めません。会社が開いた住民への撤退説明会では、「環境影響評価に対し厳しい意見が出され、国の許可が下りるめどが立たない」ことも、理由としてあげられていたということです。
“誇り”を持てる持続可能な再エネをめざして

個人的には、再エネの普及はとても大切だと思っていますが、それにはまず、乱開発を避けるための徹底したゾーニングをすることが必要です。再エネの普及が喫緊の課題であるからこそ、しっかりしたルールを作って、できればエネルギーの“地産地消”に役立つもので、地元の人々が“誇り”を持って建設し、その収益が地元にかえってくるようなものでなければ、持続可能な開発とは言えないと思うのです。
水源への影響や景観、防災上の問題もあるでしょう。しかし、全てのメガソーラーや風力発電を敵視する考え方では、より一層の気候変動を招いてしまい、違う意味で大切な故郷を失いかねません。よく精査すれば、すでに開発された土地の空いているスペースや、都市の建物の屋上や壁なども含め、まだまだ再エネのポテンシャルはたくさんあるはずです。洋上という新しい可能性もあります。故郷の風景に馴染ませながら再エネを導入していくことは、不可能ではないはずだと信じています。

きちんとしたアセスメントを行い、製造から廃棄までの行程全体で真に“地球に優しい”と言えるものなのかどうかを見極め、地元の住民が合意を形成した上で、地域に活気をもたらす再生可能エネルギーを作っていかなければ、長続きはしません。各地で「ご当地電力」と呼ばれる地元主導の再エネ電力会社も次々誕生しています。

大切なのは、住民との対話地域全体が共有するビジョンです。
メガソーラーの撤退が決まった後も、霧ヶ峰一帯では、荒廃した里山をどうよみがえらせ地域として生かしていくのか、という大きな課題が残されています。
コロナからの経済回復のためにグリーンリカバリーが求められている今だからこそ、より一層、それぞれの地域が目指すべき方向性を徹底的に議論し、地域の個々の状況を吟味しながら、持続可能で愛される再エネを増やす方策を模索してほしいと願っています。
クロ現+
2020年8月7日

バナナの葉でプラスチックごみ削減!?

↑↑上の画像をクリックすると動画(1分52秒)が始まります↑↑

料理が盛り付けられているのはー、バナナの葉で作られた皿。
「自然素材なので安心」「丈夫で持ち運びやすい」と評判です。
この皿を作ったのは、タイでバナナ農園を営むナルポーンさん。
バナナの葉を新たな形で活用することで、
プラスチックごみの削減につなげたいと提案しました。
BS1「国際報道2020」からの動画です。

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みなさんも「これはプラスチック削減に役立つのでは?」というアイデアはありませんか? また、ナルポーンさんの取り組みがおもしろいと思った方は、ぜひ下記にコメントをお願いします。
クロ現+
2020年7月20日

環境問題に関心を持つ人を増やしたい

↑画像をクリックすると、2分の動画が始まります↑

環境問題に関心のある人だけでなく、関心のない人にも触れやすい状況を作りたいと活動する清水イアンさん(28)。NHKワールドのショートドキュメンタリー「ミライをつくるヒト」からの動画です。

「持続可能でないのに、今日がいつまでも持続するかのようにすべてのシステムが設計されている」ことへの驚きが環境問題に取り組み始めた原点だったと言います。

そんな清水さんが取り組んでいるのは、誰でも簡単に森林の再生に貢献できるアプリ。 「いっしょに力を合わせて森を育んでいるほうが、社会として幸せな姿なのでは」という思いで、世界10か国の仲間と開発を続けています。

清水さんの取り組み、応援したいと思った方はコメント欄に応援メッセージをお願いします。
―――
清水さんが動画の中で答えている「未来計画Q」、詳しくはこちら☟
TOPIC㉙世界で同時にミライを考えよう
上のリンクから「未来計画Q」に参加することもできます。
クロ現+
2020年7月6日

"スポーツができなくなる!?”  声をあげるアスリートたち

↑上の画像をクリックすると約2分の動画が始まります↑

今年も大雨による災害が発生している日本列島。 気候変動がもたらす異常気象への危機感を持つ人も増えています。

アメリカなどの専門家グループが発表した報告書では、 夏のオリンピックを安全に開催できる北半球の都市は減少し、2085年にはアジアでは 2都市だけになるという予測も発表されています。

スポーツ選手たちも、いま、気候変動の影響でスポーツができる環境が脅かされている、
と声を上げ始めています。
「おはよう日本」でことし3月に放送したリポートを動画にしました。

あなたの身の回りでも環境に変化を感じることはありますか?

ほかにもー
【声をあげている学生たちの動き】↓↓
TOPIC㉔広がる輪 つながる若者たちの思い
TOPIC⑧ グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2
クロ現+
2020年6月8日

“環境問題を解決し世界を救うヒーローになる”

↑↑上をクリックすると動画が始まります(3分18秒)↑↑

幼いころ、「環境問題を解決して、ヒーローになりたい」と思った小嶌不二夫さん。
その思いを胸に、いまはごみ問題解決のため、みんなが楽しくごみを拾えるようなアプリを 開発したり、生態系へのダメージを与えるとして問題になっているマイクロプラスチックの問題を解決したいと調査も行っています。

新技術や新発想でイノベーションを起こし突破口を開こうと奮闘する人物を追う、 NHK国際放送局の「RISING」からの動画です。

小嶌さんの取り組み、興味を持った方はぜひ、下の欄からコメントをお願いします。

これまで「地球のミライ」で取り上げた、海のプラスチック問題 関連の記事や動画は こちら↓↓
TOPIC⑲脱プラスチックへの挑戦 世界の若者たちが動きだした!
TOPIC⑭ 世界中の海からプラスチックをなくす
クロ現+
2020年6月5日

世界で同時にミライを考えよう

NHKの国際放送「NHKワールドJAPAN」は世界の公共メディアやNGOと私たちの社会とミライについてオンラインアンケート「未来計画Q」を行っています。すでに世界で28万人が回答中です。(7月19日現在)

下の画像をクリック☟すると、「未来計画Q」のページにとびます。

コロナ時代の社会課題と未来予想図を浮き彫りにするため、ヨーロッパと日本の社会学者や研究者が質問を考えました。世界中から集まった回答のビッグデータ分析を通して、いま人々はどんな不安を抱えているのか、どんな未来像を描いているのか、社会変革を起こすのはどんな人たちなのかなどを探っていきます。これらの分析結果はNHKのニュースや番組などでお伝えしていきます。

「未来計画Q」にどんな質問があるのか、一足先に環境活動家の清水イアンさん、#地球のミライにも掲載されている環境活動家の小野りりあんさん(こちら☞ TOPIC㉖環境について考える人たちをつなぎたい)、社会活動家の石山アンジュさんが答えてくれました。



環境活動家の清水イアンさん。国際環境NGOに入り、環境活動を始めました。
環境について誰もが話せるオープンコミュニティを立ち上げたり、森林を守るプロジェクトを行っています。

清水さんを悩ませた質問はこちら☟



“あなたにとって一番大事なのは?っていう質問は難しいですよね。 この質問って何なんですかね(笑)。「自分が一番大切だと思うこと」だったり、大切だと思う人をしっかりと守れるということなんじゃないですかね。 (環境問題に取り組んで)燃え尽き症候群になる人は本当にこの分野では多いです。またこの分野だけでなく日本社会全体でも非常に大きな問題だと思うので、社会のサステナビリティー(持続可能性)もそうですけど「個人のサステナビリティーの部分がすごく大切」だという意識が広まっていくといいなと思います“




モデルで、環境活動家として活動を始めたばかりの小野りりあんさん。
環境問題を考える人たちをつないでいく活動をしています。
地球のミライに掲載されている動画( TOPIC㉖環境について考える人たちをつなぎたい)でも少し質問に答えてもらっていますが、中でも興味深い質問に答えてくれていました☟



“エコな暮らしは金持ちの特権ってめっちゃ思います。でも実際、貧しい人のほうが本当に質素にエコに生きる方法を知ってたりするんですよ。だから、そうとも限らないと思う。 エコに生きるってお金かかんないから、本来はよりお金がかからない生活だから。 全部つながってるんですよね。私は環境っていうところから基本入っているけれど、 人権のこともすごい関わってるし、今までいろんな不平等さに闘ってきた人たちがいると思うんです。結局この気候変動って問題は全ての人がつながっていかないと 解決しない問題だからみんな一緒に考えようって思います。“


 

社会活動家、石山アンジュさん。技術革新で社会変革を目指す一般社団法人の代表理事。
インターネットを通じモノ・場所などを貸し借りする「シェアリングエコノミー」の活動家。2017年に内閣官房シェアリングエコノミー伝道師に任命されました。「シェア」こそがこれからの新しい幸せのキーワードだと話します。

石山さんが答えてくれたのはこちらの質問☟

“より個人がたくさんの選択肢を持って、選択肢を持ちながら生活をしていく、 生きていくことができる社会ができているというふうに思っています。
これだけ不確かで先が読めない時代というのは、これからも続くと思います。しかし、その時代における私が考える幸せ、豊かさのあり方というのは、個人の人が1つのものに依存せず、複数の居場所や複数の仕事を持つといった複数の選択肢を持つことだと思います。それがこれからを生きる豊かさの定義だと私は考えています。
その選択肢を1つでも多く提示し、社会を一緒に作っていくことが私の使命だと思っています“


クローズアップ現代プラスでは、サイト内にある#地球のミライ (https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0008/)で環境問題で奮闘する人や、いまの世界の状況などをお伝えしています。
ぜひご覧いただき、コメントして参加いただければと思います。

また、地球のミライ以外にも番組で取り上げる様々な課題について、みんなで深く考え一緒に作っていく議論のページもどうぞ☟
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/
クロ現+
2020年5月2日

アースデイが初のオンライン開催に

新型コロナウイルスの感染拡大でさまざまなイベントが中止や延期になる中、毎年 4月22日のアースデイ(地球について考え行動する日)にあわせて開かれてきたイベントも今年は様変わりしました。例年 10万人以上が参加する大規模なイベントがすべてオンラインで開催されたのです。

アースデイは1970年、いまからちょうど50年前にアメリカで誕生しました。学生運動などがさかんだった時代、環境問題に対して人々に関心をもってもらおうと一人の大学院生が呼びかけたところ、その動きが広がっていきました。
いまでは地球環境のためにすべての人が自由に起こせるアクションとして、 世界各地でイベントが開かれています。
オンラインでも共感し、つながる人々

「地球のミライ」取材チームでは、4月18、19日の2日間に渡って行われたオンラインイベントはいったいどんな様子だったのか、取材しました。
イベントに参加したのは、環境活動を行うNPOやNGOなど約30の団体です。参加者とオンライン上で交流できるオンラインブース、アーティストなどが自宅や自然の中からの映像を届けたり、ライブを行う音楽ステージ、環境や社会課題をテーマに対話を行うトークステージが設けられ、配信番組は約70にのぼりました。
オンラインセッションの中には環境問題やSDGsを話し合うだけではなく、新型コロナウイルスについて考える企画も設けられていました。外出自粛で家庭内で起きている虐待やDVなどの問題に今後どう向きあっていくかについても話し合われていました。

 

こちらの映像は、主催者側から提供されたイベントの様子の一部です。歌っているのはMINMIさんやT-BOLAN森友嵐士さん、Def TechShenさんなどのミュージシャンたちです。歌には自然を象徴する森、里、川、海に関わる⽅々の思いや、⼦どもたちへの思いも込められています。作曲したMINMIさんは、環境省が行う森や里、川や海の恵みを受け続けられる安全で豊かな国づくりを目指すというプロジェクトや、このプロジェクトと連携するチーム、TEAM MOTHER EARTHの活動に共感したといいます。アースデイでは、ミュージシャンたちがそれぞれの場所で歌い、演奏したものを合わせて曲を奏でていました。
若い世代の活動も顕著に



同じ場所に集まれなくても、環境について他の人がどんなことを考えているか、共有できるようにと、「未来の地球へのメッセージ」と題した動画も紹介されました。
スポーツ選手やタレント、環境活動家など幅広いジャンルで活躍している人たちから寄せられた動画の中には10代からのメッセージも目立ちました。
中学3年生のスノーボーダーで、水害で住んでいた家が被害を受けた経験を持つスノーボーダー星更沙さんは、
「異常気象で雪がなくなると大好きなスノボードができない。
災害などもっと困ることがたくさん出てくる」と話していたり、スケートボードで活躍する19歳の中村貴咲さんは、
「地球のミライのために本や洋服はリサイクルし、ゴミを増やさないようにしている」と話すなど環境問題を「自分事」として捉えているのが印象的でした。

世代を越えてつながる思い

一方、今年亡くなった環境保護活動家で、アースデイ東京の実行委員長を務めていたC.W.ニコルさんの軌跡をたどる動画もありました。



ニコルさんは海洋哺乳類の調査研究に携わったあと、1980年代から長野県の黒姫高原に移り住み、執筆活動を続けていました。 長野では「日本の美しい自然環境を取り戻したい」という思いで、放置されていた原生林を自ら買い取り、木が十分に生育できるよう間伐を行ったりして森林の再生に取り組みました。
その一方で、生態系の保護活動も積極的に行いました。環境保護活動家としてテレビ番組やコマーシャルに出演して、自然保護の大切さを呼びかけてきたのです。
しかし、4月上旬、がんで亡くなり、アースデイの50周年に向けたこの言葉が最後のメッセージとなりました。

“平和な暮らしを続けたいという当たり前の願いは、最も大切なことです。
大きな災害、大きな自然に向き合うからこそ、私たちはつながり合い、自然の多様性を守り、人間の多様性を高めるために、生きる刻を共にして活動しなければならないと思うのです。生きる刻を共に歩き始めましょう“

C.W.ニコル


ニコルさんは、アースデイで約10年前から「ニコルズフォレストキッチン」という名前でブースを出展。林業に被害を与える害獣として駆除され、ほとんどが捨てられてきた鹿の肉をソーセージにして提供してきました。ニコルさんは客が「おいしい」と言ったときには、満面の笑みを浮かべ、しかめっ面をするような客にはぶっちょう面で対応していた、と長年一緒にやってきたスタッフが話していました。また、出展する限りは厨房に立ち続けたいと話していたといいます。

2日間で70近くに上った企画や動画などは、こちらのサイトで見ることができます。

https://www.earthday-tokyo.org/2020/04/22/9838(※NHKのサイトを離れます)

初めてオンラインで行われた今年のアースデイのイベント。 改めて、地球のミライについて考えている人が多くいるのだなと感じました。
#地球のミライでは、さまざまな分野で地球のミライのために活動している人たちをつなげる場にしていきたいと思っています。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 ディレクター酒井利枝子)



クロ現+
2020年4月22日

環境について考える人たちをつなぎたい

”ミライに対する不安がある時に一番いい薬は行動すること”

こう話すのは、モデルで環境活動家の小野りりあんさん(30)です。
環境について不安を感じながらも、なかなか行動に移せなかったりりあんさん。
自分ができることは、「同じような思いをしている人をつなぐこと」と考え、今年から環境活動家として歩み始めました。
環境問題で行動する若い人に焦点をあてたNHKの国際放送局の「ミライをつくるヒト」シリーズからお伝えします。
↑上の画像をクリックすると2分ちょっとの動画が始まります↑

新型コロナウイルスの影響もありますが、#地球のミライでは、環境問題に取り組む人たちを引き続き、取りあげていきたいと思います。

あなたは地球のミライに対してどんな風に考えていますか?
りりあんさんのメッセージに対してどう思いましたか?
下のコメント欄にコメントをお寄せください。
クロ現+
2020年4月10日

多発する森林火災 知られざる日本との関係

世界各地で起きている大火災。
今回紹介するのは、インドネシアの火災現場を訪ね、徹底取材した動画です。
火災が増えている背景には、私たちが毎日のように口にしているお菓子や使っている洗剤などが関係していることも分かってきました。
⇧⇧ぜひ上の画像をクリック⇧⇧してご覧ください。



番組の制作者が今回最も力を注いだのは、
どうやったら「自分事」として見てもらえるのか?でした。
インドネシアなどの熱帯雨林が火災を起こすと、
日本の年間排出量の半分にも当たる二酸化炭素が排出されることもあり、
地球温暖化を加速させてしまう。
けれども、そのことを日本人は「遠い問題」に感じていることが課題だと話していました。

この問題、自分事だなと感じた方はぜひ、下のコメント欄でコメントして下さい。
クロ現+
2020年3月30日

広がる輪 つながる若者たちの思い

2月下旬、全国から高校生・大学生など約100人が東京・渋谷に集まりました。開かれたのは気候変動について情報を共有したり、意見を交換したりする講習会、その名も「学生気候危機サミット」です。
環境問題についていままで個々に活動していた若者たちが集まって、話をすることでどんどん思いがつながっていくのを目の当たりにしました。
その後、新型コロナウイルスの拡大の影響で今後どんな形で活動を続けられるのか、 不透明な部分もありますが、新しいものが生み出されるようなパワーを感じた講習会の様子をお伝えします。

若さあふれる「講習会」




講習会が行われたのは渋谷のビルのワンフロア。
部屋に入ってみると、驚くことに約100人の学生たちが床にマットを敷いて座っていました。衝撃を受けたのもつかの間、講習会が始まるやいなや司会から発せられたのは、「元気ですか~?」という掛け声。会場からは「イエーイ!」という声が返ってきて、ライブさながらの状態になりました。この講習会、一体どんなものになるのだろうか?と思いながら取材してみると、またまたビックリ。明るいながら、本当に内容の濃い3日間でした。


(2日目のスケジュールより)

3日間ともスケジュールは午前9時すぎから午後7時ころまでとびっしり。自分がどんな活動をしているのかという自己紹介から始まり、いま科学的に何が起きているのかなど専門家による知識のインプット、環境問題で実際活動している先輩からのアドバイスもありました。最後には自分たちがいつまでに何ができるのかを具体的に考え、発表する時間まで設けられていました。これらの内容を考え、専門家などを呼んできたのも大学生を始めとする学生たちです。
参加した若者たちは聞いたことを忘れないようにメモを取ったり、隣り合った人と環境問題について活発に意見を交わしたりしていました。その足元には持ってきたマイボトルが置かれていました。



講習会が開催された背景に危機感

しかし、なぜ今このような講習会が開かれたのでしょうか? そこには、学生たちの危機感がありました。去年9月にはグレタ・トゥーンベリさんの影響で、学生たちの有志による集まり「Fridays For Future Tokyo」が呼びかけたデモには2800人が集結。東京都に「気候非常事態宣言」を出すように求めた11月のデモでも600人以上が参加しました。中には学校を休んできた学生やSNSで活動を知って初めて参加したという人の姿も見られ、環境問題に対する若者の動きが顕著となっています。

(11月に行われたデモ)

(初めて参加したという10代の姉妹)

しかし、Fridays For Future Tokyoではデモの参加者が海外のように増えていかず、思うほどに活動が広がっていかないことに焦りを感じていたのです。

どうしたらこの気候変動への関心を高めてもらえるかー。 同じ思いを感じていたのがこの講習会を主催したうちの一人、慶應義塾大学4年の能條桃子さんです。



能條さんは若者の政治参加を呼びかけるためSNSを中心としたネットワークを立ち上げ、活動を行っています。今回、この講習会を開くきっかけとなったのが能條さんが去年参加した元アメリカ副大統領のアル・ゴアさんが主催する講習会(講習会についてはTOPIC⑧ グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2)でした。そこでFridays For Futureのメンバーやほかに環境問題を訴えて活動している人たちと出会いました。話をしていくうちに、行動をしている人たちが全国各地にいることや活動が広がっていかないという同じ思いを抱えていることを知りました。そこで活動を広げていくためにはデモという形だけではなく、情報を共有できる場を作ることが大切だと考えたのです。

(ゴアさんの講習会でFridays For Futureのメンバーらとともに 一番前右から3番目が能條さん)


能條桃子さん
「ゴアさんの講習会に出席した時、同じ情報を共有したことで自信を持って行動できると感じました。何をしたらいいのかと考えている各地にいる学生たちを集め、情報を共有することで若い人たちが連携していくことができると思いました」


そこで開くことにしたのがゴアさんの講習会の学生版、学生気候危機サミットでした。高校生や大学生らを対象にした講習会を開催するとSNSで告知したところ、続々と応募があり100人の参加枠が1週間で埋まったといいます。

つながる若者たち 講習会への参加が自信に!




なかでも興味深かったのが高校生たちです。
講習会の最終日、気候変動に取り組んでもらうためにどこに働きかけるかという議題が与えられました。働きかける先として国会や地方自治体、企業、学校が挙げられた中で高校生たちは自分たちも通っている高校を選んだのです。なぜこの問題に関心を持ってもらえないのかについて話し始めると、高校生からは抱えている悩みが出てきました。

田中まなみさん(千葉県立佐倉高校1年)
「気候変動の話をすると『まじめだね』と言われるのが嫌」
「同じクラスで台風の被害にあった子がいたが、そういうことがあってもその原因について考えることをしていない」


西川優嗣さん(千葉県立船橋高校2年)
「学校では教科の勉強をするけれどテストに関わらない“生きていくための勉強”はしない」


高校生たちの間には、環境問題が自分たちの未来に大きく関わってくるという危機感があります。大きな問題なのになぜ同じ学校の生徒たちが関心を持たないのか、またどうしたらそうした生徒にも考えてもらえるようになるのか。



話し合いの中で田中さんが提案したのが「ランチセッション」でした。
毎週金曜日の昼休みにピクニックを開き、そこでいろいろな話をしていくというものです。 誰が来てもいいような雰囲気をつくることで学年問わずに話ができ、自然と気候変動についての話もできるようになるのではないかと考えました。
田中さんは、別の高校に通う西川さんたちと一緒に、いま、高校生たちでFridays For Future Chibaというグループを作って、同時に活動していくことを考えているといいます。

さらに3月中旬、学校が休校になった期間に、田中さんは同級生7人とごみ拾いを行いました。講習会に誘ってくれた同級生の緒方諒さんの提案で高校の近くの川沿いを4時間かけて散歩をしながらごみ拾いを行う「おさんぽごみひろいマーチ」を行ったのです。
拾ったごみはごみ袋60袋にもなったそうです。





緒方諒さん(千葉県立佐倉高校1年)
「散歩をするということでごみ拾いを楽しく続けることができるのだと思いました。
自分たちが高校でできること、Fridays For Future Chibaとしてできることをこれからも考えていきたいです」


デモから始まった若者たちの動き。
自分たちにできることを考えている若者たちがつながり、大きなうねりになるかもしれません。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 ディレクター酒井利枝子)



↓合わせて読みたい これまでの若者たちの動き↓
TOPIC⑧ グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2
TOPIC② グレタさんの言葉に触れ、立ち上がった若者


取材後、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がる中で、学生たちの行動も、 大きな影響を受けています。 ただ、気候変動に対して、何か行動したいという学生たちの熱量が社会をどう変えていくのか、今後も取材を続けていきます。
クロ現+
2020年3月23日

“持続可能”なファッション産業を目指して

↑上の画像をクリックすると始まります↑

その生産の過程で大量の廃棄物を出しているファッション産業。
業界団体の報告書によると、生産過程だけで年間500万トン超える生地がリサイクルされず廃棄されているとみられています。

そうした生地を集めて、自分たちのブランドの服を作っているのがイタリア在住のデザイナー、アンナ・フィスカレさん。
捨てられるはずの生地に新たな価値を生み出す「アップサイクル」を実践し、環境汚染や温室効果ガスの排出を食い止めることにも貢献しています。 その取り組みを2分12秒の動画にまとめました。
フィスカレさんのこの取り組み、あなたはどう感じましたか?
クロ現+
2020年3月9日

国連のトップに聞く「気候変動 これからの10年どう立ち向かう?」

2020 年からの10 年がミライを決める―。 地球温暖化、食糧や水不足の問題など人類のミライを左右する課題が2030 年に分岐点を迎えると国連などが報告書などで指摘しています。 数ある課題の中でも国連が重要視しているのが「気候変動」。 この問題をどう捉え、どう解決しようとしているのか、 トップのアントニオ・グテーレス国連事務総長に聞きました。



アントニオ・グテーレス氏、70歳
ポルトガルの首相や国連難民高等弁務官を経て、2017年1月、第9代の国連事務総長に就任。2020年で5年の任期の3年が経過


(アメリカ総局 佐藤文隆記者)
Q.国連が掲げたSDGs(持続可能な開発目標)を達成する期限まであと10年です。
これからの10年はどのくらい重要だとお考えでしょうか?

 (グテーレス国連事務総長)
私たちは公平なグローバル化を実現することを主な目標としています。
グローバル化やテクロノジーの進化はとても大きな利益を生み出しましたが、多くの人が取り残されていて、利益がうまく配分されていません。そのため多くの社会で不満がみられ、多くの社会不安が見られます。私たちは誰1人取り残さない、すべての人が貿易や技術による利益を享受できるような、公平なグローバル化を実現する必要があります。これがまさに持続可能な開発のための2030アジェンダの目標(2015年に国連で採択された2030 年までに達成すべき持続可能な開発目標)です。

しかし、世界は私たちが定めた目標からほど遠く、ひどく遅れをとっています。
ですから、いっそうの努力が必要です。持続可能な開発目標を達成のためには、誰もが享受できる公平なグローバル化に合わせて、予算や企業戦略、社会の動きを調整していくには、政府や市民社会、実業界からもっと多くのコミットメントが必要です。
この10年は「気候変動と戦う」

2030年までのこの10年間の行動は、持続可能な開発目標の主要な目標の1つである「気候変動」と戦うことです。気候変動と戦うためには、2030年までにCO2の排出量を劇的に減らす必要があります。現在の最も優れた科学分析によると、2010年の水準と比べて45%減らす必要があり、そのうえで2050年にはカーボンニュートラル(森林などの吸収分をさしひいて、気候変動に影響を与える二酸化炭素などの温室効果ガスを大気中に排出しない)な状態に至る必要があります。

だからこそ、私は世界のすべての国に気候変動のための行動にコミットするよう求めています。炭素に値段を付け、課税を人から炭素に移せるようにするためです。人々の所得に課税するよりも汚染に課税した方がウィン・ウィンの状況を作れます。同時に、持続可能な社会にするためには食料供給体系や都市や輸送のありかた方を具体的な目標にそって、変える必要があります。2020年に新たな石炭発電所の建設や化石燃料への補助金を中止し、私たちの社会を自然、地球に優しいものにする、また気候変動が今よりも早く加速した場合に悲劇的な状況を避けるため変革できるよういくつかの施策を実行します。


Q.去年、グテーレス国連事務総長はアフリカのモザンビークを訪問した際、「発展途上国の排出量は少ないが気候変動による影響は大きい。それは不公平で不平等だ」と言われました。この問題に対処するための次のステップは何だと思いますか?

 (グテーレス国連事務総長)
先ほど言ったように、私たちは気候危機に対処する必要があります。
しかし、私たちは気候に関連するだけでなく、台頭している新たな技術に関連して、公正に利益を享受できるような経済に移行するよう保証する必要もあるのです。
私たちは教育制度や生涯学習制度を見直す必要があり、それらの変革により必然的に悪影響を受ける人々を守るためのもっと優れたセーフティーネットを作る必要があります。そして同時により大きな悪影響を受ける地域や部門?を支えるための努力をすべきです。そのためにはそれぞれの国や国際社会において強い結束が必要です。
不可欠なのは若い世代の役割


Q.気候変動を解決するためにグテーレス事務総長は折に触れ、力や若さ、いま言われたようなイノベーション技術について語ってきました。グレタ・トゥーンベリさんのような若い世代の力が社会に大きな影響を与えていることについてお聞きしますが、若者にはどんな期待を持っていますか?

 (グテーレス国連事務総長)
気候変動の影響を見たり、人工知能や台頭している新たな技術を見たりすれば、これらはいすべて異なる方法で世界を形成していることが分かります。若者はそれらの側面、変革の影響をすべて受けながら生きることになるのです。
ですから私たちは、彼らのために地球を守り、技術革新が彼らにとって良い力になるようにするためには、発言力を持ち、リーダーシップを持たなければなりません。だからこそ私は技術革新においてだけでなく、社会運動、啓発活動を通じて、私たちの世代に圧力をかけてほしいと期待しています。若い世代の役割は絶対的に不可欠です。


Q.国連は創立75年を迎え設新たな取り組み、グローバル・コミュニケーション(人々との未来に関する対話)を開始するということですが、なぜいま始めるのでしょうか?

(グテーレス国連事務総長)
私たちが言う「コミュニケーション」とは、私たちが人々とコミュニケーションをとるということではなく、人々が主導して私たちと対話していくことです。
世界の国際組織や政党、その他の団体は、自分たちは多く話しをする一方で相手の話に耳を傾けていないということがあります。いまこそ会話を始める時なのです。人々が何を恐れているか、どんな願望を持っているかを聞きたいと思っています。
私は、より多極化した世界に進むべきだという考えを強く支持しています。
しかし、それは単一の国際法の枠組みがあった上で、多国間の統治の仕組みがあるような世界です。これらはすべて、私たちが世界で目にしているすべての変革により形成される必要があります。どのようにしてこれができるのか厳密には分かりませんが私たちは国連を改革し、私たちが資するべき人々の願望に対応できるようにするために人々の声や人々が求めているもの、そして懸念にも耳を傾ける必要があります。


Q.2030年以降は、どんな世界になると想像していますか?

(グテーレス国連事務総長)
未来を想像するのはとても難しいです。状況はとても急速に変化しています。ことしは国連創立75年を迎えましたが、75年を見た時に100年について考えることが大事です。私たちは25年後の2045年(AIが人間の能力を超える技術的特異点で2045年に起きると予測されている)の世界の課題に対処するための国連の動き、変革、近代化をどうみるのか?私たちは自分たちが大きく変わる必要があると理解しています。私たちは人々の願望、ニーズ、恐怖や不安に寄り添い、新たな技術が私たちの生き方やコミュニケーションに与える影響と合わせて、自分たちが大きく変わる必要があります。
世界は急速に変化するでしょう。私たちはその変化に苦しむのではなく、その変化を予測できるようにしたいと考えています。これが2020年の私の主な目標です。

どうもありがとうございました。

取材した佐藤記者は、インタビューを通じて、世界の現実と未来に楽観も悲観もしないグテーレス氏の胆力を感じ、ミライへの希望を見たような気がしたと話していました。
あなたにはグテーレス氏の言葉、どう響きましたか?
クロ現+
2020年2月24日

高校生から消費を変える「エシカル甲子園」

↑↑上の動画をクリックすると「エシカル甲子園」がわかる動画が始まります↑↑

地球のミライを考えるうえで大事なポイントとされる、持続可能な社会の実現。 今回、取り上げるのはSDGsTOPIC⑮ 地球のミライを考える展示会に行ってみたの中でSDGsについては触れています) で掲げられた17の目標の1つにあたる取り組み、「エシカル消費」です。

「エシカル消費」
消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと(出典:消費者庁HP)


エシカル消費について考えようと、去年12月には全国の高校生が集まり、取り組みを発表する場も開かれました。ミライを見据えて高校生が考えた消費には目を見張るものも。
高校生が頑張る姿をみて、応援したいと思った方は下のコメント欄からコメントをお願いします。
クロ現+
2020年2月17日
このお題はクローズアップ現代+で番組になりました

森林火災の脅威 10億以上の動物が犠牲か…

↑↑上の画像をクリックすると動画が始まります↑↑

森林火災による被害が広がったオーストラリア。
10億以上もの動物が犠牲になっているとみられています。
どうして、こんな大規模な被害が出る火災となったのか。
背景にある「ダイポールモード現象」とは何なのか?


クロ現+で放送した内容を2分ちょっとの動画にまとめました。
異常気象で何が起きているのか知りたい方は上の画像をクリック!


【あわせて知りたい】
TOPIC⑯ 増え続ける"気候難民” その現状は…
TOPIC③ 最新の科学が警告する地球温暖化


多くの動物たちが犠牲になっている現実・・・
あなたは何を感じましたか?
ご意見お寄せ下さい。
クロ現+
2020年2月10日

脱プラスチックへの挑戦 世界の若者たちが動きだした!

いま、海洋プラスチック問題が深刻化していますが、TOPIC⑭世界中の海からプラスチックをなくすで海のごみをなくすために奮闘している青年をご紹介したのを覚えていますか?

そうです、全長600メートルという巨大な装置を使って、膨大なプラスチックごみが集まる「太平洋ごみベルト」からごみを回収するプロジェクトに世界で初めて成功した25歳のオランダ人ボイヤン・スラットさんです。

注目が高まっているボイヤンさん、実は新たなプロジェクトを始めています。
ボイヤンさんが次に挑戦しているものは何なのか?
そこにかける思いと世界のプラスチックを取り囲む状況がどうなっているのかお伝えします。

ボイヤンさん次なる挑戦は「川」
世界中からプラスチックごみをなくしたいと宣言し、約44億円もの資金を集めてプロジェクトに挑むボイヤンさんとは一体どんな人物なのか?
去年10月、ボイヤンさんが設立したNPOオーシャン・クリーンアップの本拠地があるロッテルダムを訪ね、ボイヤンさん本人にインタビューしました。

素顔のボイヤンさんはちょっとボサボサの髪にTシャツ姿の一見どこにでもいそうな、物静かな若者です。去年ついに世界で初めてプラスチックの大量回収に道筋をつけたことを受けて、「太平洋での成功おめでとう!」と声をかけると、「サンキュー」とはにかんで答えました。どちらかというとシャイな青年です。

ところが、記者発表の場になると、まるで人が変わったよう、大きな身振りを交えて大勢の支援者を前に力強く語り出しました。 そのボイヤンさんの驚きの新プロジェクトが海からのプラごみ回収にとどまらず、ごみが海に流れ出すのを防ぐために、世界1000の川の河口に新しく開発したボートを浮かべ、自動でプラごみを回収するという挑戦です。

(オーシャンクリーンアップの記者会見)


プラスチック問題を解決するためには、海にごみが出てしまってから回収するだけでは大きな限界があり、手遅れになってしまいます。
ボイヤンさんたちは、太平洋での挑戦を続けながら、プラごみの発生源に近い1000の川にまるで「栓」をするように回収する計画を密かに準備してきました。こうすることで、世界の川のプラごみの80%を一網打尽にできる可能性があるからです。

ボイヤンさんは、マレーシアやインドネシアなどアジアの国々の政府に呼びかけ、どの川に優先してボートを設置するかや集めたプラごみの取り扱いなどを協議、さまざまな連携を強めながら現地でプラごみの回収を始めています。
この日は、マレーシア政府の関係者も来ていましたが、満面の笑顔でプレゼンを聞いていました。ボイヤンさんたちの「海をきれいにしたい!」という本気の思いが“国”をも動かしたことに、私は大きな勇気をもらいました。

ことしの元日のNHKスペシャル「10 Years After 未来への分岐点」ではボイヤンさんと中継を結んで、あらためて脱プラスチックに挑む新年の決意を聞きました。

(武田真一アナウンサー)
ボイヤンさんはこれまで取り組みの中で、失敗したこともありますよね。それでもこのプロジェクトを信じている。それはなぜ信じられるんですか?」

(ボイヤンさん)
確かに「不可能だ、到底無理だ」という人もいますが、困難でも取り組むことが大切です。何もしなければ悪くなるばかりですから。たしかにこれまで失敗もありましたが、その体験から人は学ぶことができます。だから恐れてはいません。

(武田アナウンサー)
この番組をご覧になって、自分も何かやりたいと思う人が1人でも出てくるといいなと思うんですけれども。

(ボイヤンさん)
1つのアクションが次のアクションにつながると信じています。小さなことでもかまわないので、まずは何かを始めることです。皆さんが起こした行動が、周りの人々の行動を後押しします。言葉で指図するのではなく、行動で示すことがとても重要だと思います。そうすればみんなが自分の頭で考えられるようになるからです。

(女優・清原果耶さん)
自分がもしボイヤンさんみたいな活動が今すぐ行えるかと言われると、やっぱり不安とかプレッシャーとか責任感が大きく感じてしまったりして、なかなか動き出せないと思うのでそういう強い意志の下、こういう活動をされているのは本当に尊敬します。

(ボイヤンさん)
ありがとうございます。世界を変えるために最も重要なことは意見が異なる人と争うのではなく、互いに合意できる未来を一緒に築き上げていく姿勢です。私たちの取り組みがそのモデルになりたいと思っています。人間は協力して新しいことを生み出すのが得意です。その能力を人類のために活用していきましょう。1人1人は何ができるでしょうか。自分の時間を世界をよりよくするために使いましょう。それが、どんな問題に取り組むにせよ、最も重要だと思います。


このボイヤンさんの言葉、どう受け取りましたか?
私は「1つのアクションが次のアクションにつながる」という言葉を聞いて、あきらめないで一歩を踏み出そうという気持ちになりました。ボイヤンさんを密着した様子や世界の脱プラスチック最前線については、NHKのBS1スペシャル取材班で「脱プラスチックへの挑戦」という本にもまとめています。ボイヤンさんから、勇気をもらったという方はぜひ下のコメント欄でシェアしてください。

ダボス会議でも若者たちが大活躍!
“本気”で持続可能な地球をめざしているのはボイヤンさんだけではありません。
まさにいま、世界を動かそうとしているのは10代の若者たちです。
1月21日に開幕した世界経済フォーラムの年次総会であるダボス会議でも、ことしはグレタ・トゥーンベリさんだけでなく、世界の10代の若者リーダー10人が招待され、大人たちに、「私たちはいつまで待てばいいのか!」と直ちに変革を求める声を発信しています。

(環境NGO代表メラティ・ワイゼンさん)


その一人、インドネシアのバリ島でプラスチックごみをなくすNGO「Bye Bye Plastic Bags」を率いている19歳のメラティ・ワイゼンさんです。 メラティさんは環境問題が最大のテーマとなったことしのダボス会議に招かれました。
「プラスチックの削減」のセッションに参加し、「スーパーマーケットの棚に何を並べるかは私たちが決めなければならない。市民の力で変えていこう」と呼びかけ、会場からは大きな拍手が起きました。
メラティさんが妹とともにNGOを創設したのは、なんと12歳のとき。浜辺でプラスチックごみを回収しながら署名活動を行い、あるときはハンガーストライキまで実施して、活動を広げていきました。2015年にはバリ島の州知事と面会。ついに「2018年までにレジ袋を撤廃する」という覚書を交わし、実際に去年、使い捨てプラスチックの袋やストローの使用が禁止になりました。

今回のダボス会議に招かれていたもう一人の10代、アイルランドのフィオン・フェレイラさん、18歳です。フィオンさんはマイクロプラスチックといわれる5ミリ以下のプラスチックのかけらを水中から取り除く新たな方法を考案しました。その画期的な方法が評価され、世界中の 13~18 歳の若者を対象に科学の力で社会問題の解決を目指すコンテスト「グーグル・サイエンスフェア2019」で優勝したのです。
このように10代の若者たちは、いまやイノベーションの分野でも世界を変える主役に躍り出ています。

中国もインドも、脱プラスチックに動きだした!
こうしたなか1月19日、驚くべきニュースが飛び込んできました。
世界の海洋プラスチックごみ排出量ワースト1位の中国政府が、自然に分解されないプラスチック製品の生産や消費を大幅に減らす方針を発表したのです。具体的には、ことしの年末までに、全国の飲食店で使い捨てのプラスチック製ストローの使用を禁止するほか、北京や上海など大都市ではスーパーで使われているレジ袋の使用を禁止するということです。
さらに2025年までに、都市部で料理の出前に使われるプラスチック製容器の使用を30%減らすほか、全国のホテルで使い捨てのプラスチック製品の提供を控えるよう求めています。

人口の急増や経済成長に伴いプラスチックごみが深刻な問題になっているインドも動きだしています。ナレンドラ・モディ首相は、2019年10月2日、独立の父マハトマ・ガンジーの誕生日であるこの日に国民に向けて演説を行ない、インドを使い捨てプラスチックから解放するための大きな一歩を踏み出すよう呼びかけました。具体的には、2022年までにポリ袋やプラスチック製のカップ、小型ペットボトル、ストローなど6品目の製造・使用・輸入を全国的に禁止にすると宣言したのです。

ひるがえって、日本の脱プラスチックへの取り組みは、どうでしょうか? ことし7月にレジ袋の有料化がようやく始まりますが、使い捨てプラスチックへの本格的な規制は、まだほとんど進んでいません。中国やインドのほうが厳しい規制を先に打ち出しているのです。日本も若い世代を巻き込んで、そろそろ“本気”を示さないと、脱プラ先進国とは言えないのではないでしょうか。世界の急速な動きに追いつけるよう、2020年をみんなで一緒にチャレンジを始める年にできたらと思います。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 プロデューサー 堅達京子)


クロ現+
2020年1月27日

アクセサリーが地球のミライに貢献!?

プラスチックごみと聞くと何を思い浮かべますか?
「いらないもの」「価値のないもの」と思う人が多いと思いますが、 この4人の女性グループはこのプラスチックごみからかわいいアクセサリーを作り、 プラスチックごみを再活用しています。。 また、プラスチックごみを扱っていることで多くの人にその現状を考えてもらう機会にもなっています。
「かわいいで地球を守りたい」という女性たち。 取り組みを1分43秒の動画にまとめました。
↑↑上にある画像をクリックすると動画が始まります↑↑

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クロ現+
2020年1月20日

2020年日本のエネルギーはどこへ? 石炭火力と脱炭素への道

不名誉な「化石賞」2度受賞 日本の状況は

日本が2度"化石賞”を受賞した時の様子


2020年、地球温暖化による異常気象の頻発などを食い止めるために世界各国が二酸化炭素の排出量を削減する「パリ協定」が本格スタートしました。脱炭素への道は、“待ったなし”です。日本のエネルギー政策は、果たして世界の期待にこたえられるでしょうか? しかし、去年12月にスペインのマドリードで開かれた温暖化対策を話し合うCOP25では、日本は残念ながら1300の環境NGOでつくるグループが温暖化対策に消極的だと判断した国や地域を選ぶ不名誉な“化石賞”を2つも受賞してしまいました。 なぜ日本に、この皮肉な賞が贈られたのでしょうか?
1つめは梶山経済産業大臣が「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残していきたい」と述べたことがあります。国連のグテーレス事務総長がCOPの開幕にあたって温暖化対策の強化と石炭火力発電の利用をやめるよう各国に求めたその翌日に、化石燃料を継続していくことに言及したのが理由です。
2つめは、閣僚級会合で小泉環境大臣が行った演説で石炭火力発電からの脱却や温室効果ガスの削減目標を引き上げる意思を示さなかったためです。



今の日本の電源構成を見てみると、国内の石炭火力発電所による発電が約3割を占めていて、さらに石炭火力発電所の新設計画や海外への輸出の計画もあります。そうしたことから世界の環境NGOはこうした計画を見直すよう、繰り返し求めてきました。そんな中で日本の閣僚の発言に、「化石賞」が贈られたわけです。
石炭ではなぜダメか?


どうしてこれほど石炭火力に対して厳しい目が向けられるのでしょうか?
実は、石炭は石油や天然ガスなど化石燃料の中でも最も炭素集約度(エネルギー消費量単位あたりの二酸化炭素排出量)が高く、効率の悪いエネルギーだからです。国際社会は、パリ協定で気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度未満に抑えようと努力しています。その目標達成のために、世界が共通の指標としているのが「カーボン・バジェット(炭素予算)」という考え方で、今後出せる二酸化炭素の量の上限が科学的に明らかになっています。すでにその上限まで、もう残りわずかしかありません。もし効率の最も悪い石炭をガンガン炊けば、化石燃料全体の炭素予算をあっという間に使い果たしてしまいます。しかも、石炭は大気汚染への影響も大きいのです。もちろん一気に再生可能エネルギーなど二酸化炭素を出さないエネルギーに転換できればベストですが過渡期がありますし、文明を維持するためには一定量のエネルギーが必要です。ですから、まずは石炭から卒業することで、限られた炭素予算を大事に使って過渡期を乗り切ろうと、世界は動いているのです。
日本は東日本大震災が起きたこともあり、原子力発電所も一部しか稼働していないし、再生可能エネルギーが高いので火力発電に頼るのは仕方ないのでは?という声もあるかもしれません。しかし、震災からまもなく9年です。この間、世界の再生可能エネルギーの発電コストは劇的に安くなり、新設案件ではなんと石炭火力や原子力発電よりも安くなっているのです。火力や原子力に頼らなくてもエネルギー転換を進めることが可能な時代になっています。



世界では“脱炭素”への流れは加速しています。
日本と同じようにこれまで石炭に頼っていたドイツも、2019年に発電量に占める再生可能エネルギーの比率が初めて化石燃料と逆転しました。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは2018年から5.4ポイント上昇して46%となり、石炭など化石燃料の40%を上回ったのです。
イギリスでは、2050年の脱炭素(二酸化炭素排出量の実質ゼロ)を法律で定めていますが、去年の第3四半期(7~9月)、最初の発電所が稼働し始めた1882年以来初めて、再生可能エネルギーによる発電が化石燃料による発電を上回りました。大規模な洋上風力発電などによる効果が大きかったとのことです。
また、石炭火力発電は経済の観点からみてもリスクがあると言われています。専門家たちの試算によると、日本では再生可能エネルギーのコスト低下によって、石炭火力発電関連施設には最大710億ドル(約7兆円)相当の「座礁資産(市場・社会環境激変により価格が大幅に下落する資産)化リスク」があるというのです。いったん石炭火力発電所を作ると数十年運転しないと元が取れないのですが、このままでは7兆円以上をドブに捨てることになると警告されています。

「環境先進国」の日本になるために

ことし元日のNHKスペシャルでもお伝えしましたが、温暖化がさらなる温暖化を招く悪循環に陥らないために多くの科学者が人類の防衛ラインを+1.5度に設定しています。このためには2030年までに二酸化炭素の排出量をほぼ半減し、2050年には実質ゼロにしなければなりません。しかし、世界の排出量は2018年も増えてしまいました。2020年には、排出削減に転じなければ間に合いません。箱根駅伝でいえば、今すぐ山登りを終えて、山下りをしなければならないのです。
こうした状況で、石炭火力に頼り続ける日本の政策は、ガラパゴス化しているといえると思います。一刻も早く見直さなければ、とても「環境先進国」とは名乗れません。2020年は、脱石炭への移行を実現するための具体的なロードマップを立てることが必要です。そうすることで「化石賞」ではなく、地球を救う道筋を開いたことに胸を張れる素敵な賞をめざしていきたいと思います。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 プロデューサー 堅達京子)


日本のエネルギー政策についてはあなたはどう思いますか?
クロ現+
2019年12月29日

増え続ける"気候難民”その現状は…

↑↑上の画像をクリックすると1分44秒の動画が流れます↑↑

世界の人々の暮らしに深刻な影響を与え始めている気温の上昇。 気候変動などが原因で住まいを追われる"気候難民”の数は年間2000万人に上っています。NHKスペシャルではバングラデシュで”気候難民”となった一人の女性を取材しました。

現在、地球の平均温度は人類が出した温室効果ガスによって産業革命前から1℃上昇していて、早ければ10年後には+1.5℃に達する可能性があるのです。
この1.5℃を超えてしまうかどうかで地球と人類のミライが大きく変わってくると警鐘を鳴らしている科学者もいます。
これからの10年の間に地球のミライのために何から取り組んでいけばいいのか、あなたはどう思いますか?
クロ現+
2019年12月23日

地球のミライを考える展示会に行ってみた

流れはエコから持続可能社会へ


回収したペットボトルから作ったバッグや女性用のコート、植物を原料とするバイオプラスチックで作った紙コップやストロー。12月上旬、東京都内で3日間に渡り、環境に配慮した製品やリサイクルの最新の技術などを紹介する大規模な展示会、「エコプロ2019」が開催されました。展示会には500以上の企業や団体が参加。近年、プラスチックごみの問題で海洋汚染が引き起こされ関心が高まっていることなどから、海洋プラスチックごみをテーマにしたコーナも設けられていました。

「SDGs」知っていますか?


この展示会、もともとは環境に特化していたということですがここ数年、企業は環境という観点だけではなく、社会の課題解決に向けたものを出展するようになったと主催者は話していました。会場でしばしば目についたのが「SDGs」という言葉。この言葉、聞いたことはありますか?SDGsとは、Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標という意味です。4年前の国連サミットで採択され、2016年から2030年までに達成すべき17の目標として掲げられました。目標は気候変動や海洋資源、教育、ジェンダーなどがあげられ、先進国を含めたすべての国が行動し、誰一人取り残さない持続可能な社会を実現することが求められています。 会場ではあまり知られていないSDGsを知ってもらおうと、SDGsを題材にお笑い芸人による漫才やコントも披露されていました。

10代のユニークなアイデアで持続可能な社会を実現


会場を歩き回っていると、「Sus(サス)ガチャしませんか?」という声が聞こえてきました。何だろうと思って行ってみると、そこにあったのは巨大なカプセル入りのおもちゃ。しかも、出展していたのは学校でした。名古屋国際中学校・高等学校の生徒たちです。生徒たちは、持続可能な社会を目指したいとSus-Teen!〈=Sustainable-Teen、持続可能な10代の略〉という部活動を作って活動しています。このおもちゃ入りのカプセル、ボタンが17つあるのですがひとつひとつはSDGsの達成すべき目標になっていました。自分がすでに実践していたり、特に大事だと思う目標を選んで押すと景品が出てくるという仕掛けです。何が出てくるのかワクワクしながら、13の気候変動に具体的な対策を と書かれているボタンを押すと“私は持続可能な10代!”と英語で書かれたクリップが入っているカプセルが出てきました。

名古屋国際中学校・高等学校のSus-Teen!のみなさん

この学校のブースには大きくてカラフルなおもちゃ入りのカプセルにひかれて、3日間でおよそ1000人が訪れたといいます。生徒たちはブースを訪れた人とSDGsについて話をしたり、学校での活動についても話す機会にもなり、新たに交流も生まれていました。しかし、なぜおもちゃ入りのカプセルを作ろうと思ったのでしょうか。聞いてみるとそこには生徒の思いがありました。学校では毎年、文化祭が開かれるそうですが開催後、いつもごみでいっぱいになるといいます。“散らかるごみをなんとかしたい”と考えた生徒が思いついたのが、ごみを持ってくることで何か特典を得られるというアイデアでした。そのためにカプセル入りのおもちゃという形にし、ごみを入れると景品が出てくるようにしたといいます。景品はリサイクルを意識して、生徒や先生たちからいらなくなったキーホルダーや文房具、ゲームカードなどを集めました。すると、この企画が大当たり。カプセルをやりたい人が次から次へとごみを持って来て、学校はすっかりきれいになったといいます。生徒はこうした活動などを通じてSDGsに興味を持つようになりました。

どの目標が押されたのかシールを持つ石川愛子さん

後日、生徒がSDGsの17の目標のうちどれが関心が高かったかを集計した結果、14の「海の豊かさを守ろう」と6の「安全な水とトイレを世界中に」という水に関する目標が高かったということでした。現在、学校では、近くを流れている天白川の水系から市町村や産業界などと一緒に持続可能な街作りを考えるというプロジェクトを行っているということですが、今回の集計結果とからめて、今後調査したことを発表していきたいと話していました。

みんなのアイデアを共有
地球のミライに寄せていただいたコメントでも、自分が環境のために取り組んでいることを書いてくださった方がいたのでご紹介します。コメントで多かったのは、プラスチックを減らすことでした。使い捨てのプラスチックを買わないようにするなどみなさん、普段から買うものや使うものを「意識」されているようでした。













ご意見をくださったみなさんのように意識して生活するようにしたり、名古屋国際中学校・高等学校のように何ができるかアイデアを出しあってやってみようということが地球のミライにつながるのだと感じました。
みなさんは、何かSDGsで実践していること、考えているアイデアはありますか?
下のコメント欄でぜひ、教えてください。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 ディレクター 酒井利枝子)

クロ現+
2019年12月16日

世界中の海からプラスチックをなくす

「世界の海からプラスチックをなくしたい」
旅行先でみた海の光景に衝撃的を受け、世界の海からプラスチックを取り除く活動を始めた25歳のボイヤン・スラットさん。 巨大な装置を使って、世界で最もプラスチックごみが集まる海域として知られる“太平洋ごみベルト”でごみの除去に挑みました。

↑↑上の画像から3分12秒の動画が見られます↑↑

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海洋プラスチックの問題を解決したいという思いから、一見、実現不可能にも思えるアイデアを実行に移したボイヤンさんの行動を見ると、思いをまっすぐ行動に移していくことの積み重ねが地球のミライを変える原動力になると感じました。あなたの周りにも、強い思いで環境問題に取り組んでいる人はいますか?また、あなたがやっている取り組みは何ですか?
下のコメント欄で、教えてください。
クロ現+
2019年12月9日

「練習できない」 部活動で感じる地球温暖化

COP25が開かれているスペインではグレタ・トゥーンベリさんも参加して6日、地球温暖化対策の強化を求めて大規模なデモが行われました。同じ日、日本でも中高生たちが温暖化対策を求めてデモ行進を行いました。生徒たちは部活動を通して、身近に温暖化の影響を感じたようです。

↓「温暖化対策求め中高生がデモ行進 浜松」記事はこちら↓
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191207/amp/k10012206141000.html

確かに外で部活動をすると、温暖化の影響を実感しますよね。地球のミライのTOPIC①【意見募集】最近、気候の変化を感じていませんか?にも温暖化を身近に感じているとのご意見をいただいています。
●40年前は30℃を超すと「わ~!暑いね~」という感じでした。今は35℃を越えることが当たり前(むさまめ さん)
●室内でも熱中症なる人が年々増えている。今年は特に多く感じた(ルミちゃん さん)
●今年の夏はエアコンを設置して22年になりますが、夜暑くて初めてエアコンをつけて寝る日が数日ありました(美桜 さん)
●私が小さかった30年ほど前は、もっと雪が積もっていました。今はそんなに積もりません(かなこ さん)

あなたの日々の生活の中で地球温暖化の影響では?と感じるのはどんなときですか。
コメント欄に書き込みお願いします。
クロ現+
2019年12月3日

ヨーロッパで広がる"飛び恥”

温暖化対策に関する国際会議、COP25に参加するため、アメリカのバージニア州からスペインに向け、大西洋を渡ったグレタ・トゥーンベリさん。グレタさんは、飛行機を使わず、鉄道や、船で移動しています。グレタさんがきっかけで、ヨーロッパでは、「Flygskam(スウェーデン語)=”飛び恥“」、飛ぶのは恥だという言葉まで生まれ、若者を中心に鉄道で旅行しようという動きが広がっています。

パリのリヨン駅。7月に取材すると、バカンスの時期を迎えて、南方面に向かう人たちで賑わっていました。飛行機ではなく、あえて鉄道を選んだ人たちの姿も多いようでした。



旅行者の男性
「環境への影響を抑えることはとても大事だと思います」
旅行者の女性
「国内では飛行機には乗りません。この夏はそれでも行けるとこにしたんです」

EUの試算では航空機が排出する温室効果ガスは鉄道の20倍、航空機は環境への負担が大きいとされているのです。

この「飛び恥」運動が盛んな国の一つがグレタさんの母国でもある北欧のスウェーデンです。 都市環境プランナーのエルフォーシュさんは、5年前、休暇には鉄道を使おうと呼びかけるため、フェイスブック上で、情報交換のためのページを立ち上げました。

(都市環境プランナーのエルフォーシュさん)


ヨーロッパでは、国ごとに、鉄道を運営する会社が違い、チケットの予約や購入の手続きが煩雑です。サイトでは、そうした問題を解決するための、具体的なノウハウが活発にやりとりされていて、次々と投稿される旅行の体験もページの大きな魅力となっています。



鉄道を使おうと呼びかけるフェイスブック上のメンバーは、去年の3000人ほどから一気に急増、いまや10万人を超えるほどになりました。こうした動きに触発され、フランスでは、鉄道で2週間あまりかけて、日本を目指そうという若者も出てきています。



フランスから日本を目指す若者
「飛行機では見られないものが見られるはずです。とてもおもしろい出会いもあると思います」

ヨーロッパ全土に広がる運動は、鉄道会社にとって追い風となっています。 スウェーデン国鉄では、ことし初めの3か月間の利用者が、去年に比べて、8%以上増えました。航空機の国内線の利用者が5%減ったのとは対照的です。



スウェーデン国鉄 トッベ・ルンデル広報部長
「利用者が増えるのはありがたいです。需要に応えるのは我々にとっても挑戦です」

この運動は、環境問題に積極的に取り組むスウェーデン政府も後押ししています。 鉄道による移動が、より便利になるようにヨーロッパ各国に働きかけていく考えです。



スウェーデン イザベラ・ロビン環境相
「国民が気候に配慮した生活を容易にできるようにすることが政府の優先事項です。 例えば、ストックホルムとベルリン、もしくはストックホルムとパリを結ぶ夜行列車を増やすのもその1つです。ほかのヨーロッパの国々との間でどう解決できるか模索しています」

(ヨーロッパ総局 記者 藤井俊宏)



フランスでは国内を出発する航空機の運賃を来年から課税する方針が発表されたり、オランダの航空会社が短距離路線を鉄道に置き換えることを検討していて、“飛び恥”運動の広がりは、国や企業を動かすものになっています。
移動にかかる時間のことを考えると国内の移動でも飛行機を使ってしまいますが、日本でもできるだけ飛行機に乗らないとことを実践している方いらっしゃったら教えてください。また、ご意見、ご感想なども下のコメント欄に書き込みお願いします。

あわせてこちらも☞地球のミライ
いままで掲載された「環境」についての動画や記事がみられます。
クロ現+
2019年12月2日

”ゴミゼロ” を自分事に

環境問題で、いま世界から注目を集めている日本の若手リーダーを知っていますか? 世界的な課題について話し合う、あの「ダボス会議」の共同議長にも選ばれた坂野晶さんです。坂野さんは、いまリサイクル率80%に達する徳島県上勝町で、 「ゴミゼロ」を目指し、さらなる取り組みを進めています。
(↑↑上の画面をクリックすると2分36秒の動画が流れます↑↑)
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リサイクルしやすいという視点で製品を「作ったり」、「買ったり」することは、環境を「意識」して地球のミライを考える第一歩かもしれない、と感じました。
この坂野さんの取り組み、あなたはどう思いましたか?
そのほか、自分が気をつけていることや、取り組んでいることがあったら、ぜひ、コメント欄で教えてください☟
クロ現+
2019年11月25日

自分にできること 「手軽でおしゃれなエコバッグ」を作る

使い捨てプラスチックをなるべく使わないなど地球温暖化対策に取り組んでいても、 ふと「これって自分だけ?」という思いにかられることはないですか?
地道に、環境対策に取り組んでいる人は、おおぜいいます。 今回、取り上げるのは富山の高校生。美しい海を守りたいと、環境への意識を変えるための取り組みを始めています。
(↑冒頭の画像をクリックすると、2分00秒の動画が始まります)

みなさんは高校生の思いをどう受けとめましたか?
この高校生たちのように、#地球のミライ のために頑張っている人をご存じでしたら、下のコメント欄で教えてください。
また、あなたがいま、環境のためにやっていることもぜひ、教えてください。
クロ現+
2019年11月18日

地球のミライのために 私たちができること「食料のムダを減らす」

先日、「食品ロス」をなくしたいと奮闘する小さな洋菓子店の取り組みを TOPIC⑥地球のミライのために 私たちができること「食品ロスを減らす」 でお伝えしましたが、今回は、食料のムダをなくすことがなぜ地球温暖化対策になるのか、世界中の科学者たちが作った最新の報告書から考えます。

最新の科学が注目!食料は温室効果ガスの大きな排出源に

世界中の科学者たちが作る組織、 国連気候変動に関する政府間パネル( Intergovernmental Panel on Climate Change)では、その時、特に重要なテーマを選んで報告書をつくっています。今年8月に発表されたのは世界52か国から100人以上の専門家が参加して作られた「Climate Change and Land」(土地関係特別報告書)です。IPCCが注目したのは、「食料からも温室効果ガスが排出されている」という点。食料からなぜ?と思われるかもしれませんが、食料と一口でいっても、私たちの口に入るまでには一連の流れがあります。農畜産業を行うこと、そして農畜産業を行うために森林を切り拓くことなどによる土地利用変化、そして、食料を加工し、流通させ、消費するなどの流れです。こうした一連の流れの中でも温室効果ガスが発生しています。これは、人間が産業活動を行うことで排出した温室効果ガス総排出量の21~37%にものぼると推定されています。

《食料システムからの温室効果ガス排出量 CO2換算(2007-2016年)》
農業および畜産業 約62億トン
土地利用変化 約49億トン
食料加工、流通、調理、消費など 24~48億トン
合計 107~191億トン

出典:IPCC土地関係特別報告書政策決定者向け要約



意外に!?多いのは牛や羊などからの排出

食料が生産され、消費されるまでの一連の流れのなかで一番、排出が多いのは、実は、農畜産業です。中でも約40%を占めているのが腸内発酵。これは、草を食べる牛や羊などの動物が消化の過程でメタンガスが放出されることを示しています。メタンガスは二酸化炭素に比べて25倍の温室効果があり、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響を及ぼします。ですから、重要な発生源として考えられています。また、堆肥などの肥料も温室効果ガスの排出源となっています。

世界の農・畜産業からの温室効果ガス排出源CO2換算(2014年) FAO(2016年)より作成

一方、報告書では、2010~2016年に世界で生産された食料の25~30%廃棄され、その量は温室効果ガス総排出量の8~10%に相当するとも推定されるという調査も報告されました。日本では、食料が生産され、私たちの口に入るまでの一連の流れの中で発生する食品廃棄物などが約2,759万トン(2016年度)。そのうちの約4割は、いま問題になっている売れ残ったり、食べ残ったりして、本来は食べることができたはずの食品が廃棄される「食品ロス」です。ですから、TOPIC④地球のミライのために 私たちができる「5つのこと」で、国立環境研究所の江守正多さんも触れていたように、牛肉を食べすぎないことなど食生活を見直すことは大切なことです。この報告書は、私たち一人一人が必要な分だけ買ったり、食べたりすることが温室効果ガスを減らすことになるということを教えてくれています。
あなたもきょうから、地球のミライのために食品のムダをなくすことを、意識してみませんか?

地球のミライのために、あなたがやっていることはありますか? また、私たちにできること、ぜひ教えてください
クロ現+
2019年11月11日

グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者たち2

先月、アメリカの元副大統領で、環境活動家のアル・ゴアさんが主催した地球温暖化対策の講座が開かれました。およそ800人が参加した講座の中に、9月20日に気候マーチを企画した「Fridays For Future(FFF)」のメンバーを始め、多くの若者の姿がありました。TOPIC②でグレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者を紹介しましたが、講座に参加したことで、若者たちは気候変動を訴えるデモをするだけではなく、次に何をしていくべきかの大きなヒントを得られたようです。

アメリカ元副大統領 アル・ゴアさん




10月、都内で開かれた「地球温暖化対策に取り組むリーダー養成講座」。
Friday For Future(FFF)のメンバーたちは気候変動に対する科学的知識や世界の最新の対策などを丸2日間かけて、学びました。この講座は、その名の通り、世界各地で、地球温暖化に対して声を上げ、組織や企業、人々に影響を与えるリーダーを養成することが目的です。すでにインドや中国を含む世界13か国で開かれ、延べ2万人以上が参加しています。

主催したアル・ゴアさんは、500枚を越えるスライドを駆使して、豪雨や山火事、干ばつなどの気候危機の現状や、世界で進むエネルギーの脱炭素化の最新動向などをプレゼンしました。さすがはアメリカの元副大統領。時にユーモアを交えながら、水も飲まず3時間近くにわたって熱く語り続けました。その姿にFFFのメンバーたちは圧倒されるとともに、「変えなくてはならない、変えることはできる、私たちは変える」という力強いスローガンに強く触発されたようでした。


「日本は世界と比べて桁が違うくらい意識が低い国だけど、それをネガティブに考えずに、今回集まった800人が気候変動に意識があるのだとポジティブに捉えたい。日本独自のFFFの活動のあり方を考えていきたい。」



年金積立金管理運用独立行政法人の理事


講座は、ゴアさんのプレゼンだけではありません。行政、企業、NPO、専門家、それぞれの立ち場でどう気候変動対策に取り組んでいるのか。プロフェッショナルたちによる白熱したパネルディスカッションも行われました。「変化をもたらす企業」と題したディスカッションでは、公的年金の積み立て金を運用して、運用資産が総額160兆円と世界最大級の年金積立金管理運用独立行政法人の理事が参加。「株主として企業と対話をすることで気候変動対策を取るよう促している」として、金融が企業の気候変動に対する行動を変えられる可能性を強調していました。若者たちは、年金という自分たちに身近なお金が気候変動対策とつながっていることも学んだようです。


特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長


NPOが参加するパネルディスカッションでは、徳島県上勝町でゼロ・ウェイスト(ムダ・ゴミ・浪費をなくす)に取り組むNPOの理事長が「多くの人は、活動に賛成も反対もしない“無関心”。そして、無関心な人は、仕組みが整っている方に流れる。その仕掛けをどうやって作るか、戦略と地道な活動が必要」とアドバイス。「自分が住む地域や所属する組織など足下からまず変えていくことが大切」というメッセージは、FFFのメンバーにも響くところがあったようです。


「気候変動対策に反対している人は少ないけど、賛成している人も少ない、知らない人が一番多い。マーチだけでなく、大学やサークルなどまずは身近な場所で今回知った知識を伝える活動を始めていきたい。」

「企業やNPOなど非政府セクターの役割も重要だと知った。政府に気候変動対策を働きかけるだけなく、そうしたNPOや企業とFFFが連携して何かしていきたいと感じた。」

「NPOのパネリストの一人が言っていた“頑固な楽観主義”という言葉が 胸に響いた。活動をやっていくなかで難しいと思うこともあったが、 頑固に続けていくことの大切さを学んだ。」


広がった若者たちの輪

右・中村さん


ゴアさんの講座は、若者にとって、新しい仲間との出会いの場にもなっていました。学生の参加者だけが集められ今後の協力について話し合う分科会です。名古屋市から参加した高校3年生・中村涼夏さん。地元でFFFとして、温暖化対策の活動を行っていますが、協力してくれる学生が少なく悩んでいました。しかし、同じ名古屋から参加していた大学生が活動に協力してくれることになりました。


「マーチを地元でやっても、嬉しいことでもあるけど外国人が多く、日本人の参加者がなかなか増えなかった。大学生が仲間に入ってくれてとても嬉しい。興味を持つ若者同士が直接つながることができて良かった。」

「これまでは情熱だけで活動をしていたところがあったけど、今回の講座を通じて、新しい知識や考え方が身についた。 パワーアップした、今までと違うFFFになりそう。」


講座が終わると、ゴアさんが署名した修了証書が授与され、世界150か国以上で活躍する約2万人のネットワークの正式なメンバーとして認められました。ゴアさんも期待している日本の若者たち。学んだことをどうこれからの行動に活かしていくのか、若者たちのその後も取材したいと思います。

(地球のミライは私たちの手に 取材班 ディレクター 山下健太郎)



若者たちの姿はあなたにどう映りましたか?ご意見お待ちしております。 また、私たちができること、いまあなたがやっていることもぜひ、教えてください。

【関連のトピック】
TOPIC⑦アル・ゴア元副大統領が叱る日本の現状
TOPIC⑤気候危機を回避せよ!激変する金融の世界
TOPIC②グレタさんの言葉に触れて、立ち上がった若者
クロ現+
2019年10月31日

アル・ゴア元副大統領が叱る日本の現状

先月、800人以上の政府関係者や学生らを前に、地球温暖化対策に取り組むリーダーの養成講座が開かれました。この講座を開いたのは、30年以上環境問題に取り組み、ノーベル平和賞を受賞したアメリカの元副大統領アル・ゴアさんです。そのゴアさんが繰り返し語ったのは、日本の環境政策への痛烈な批判でした。なぜ、ゴアさんが日本に対して怒っているのか、直撃しました。(10月のニュース記事を再掲)↓↓

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191015/k10012132281000.html

ゴアさんの言葉、あなたはどう受け止めましたか?感じたこと、私たちができることぜひ、教えてください。
クロ現+
2019年10月28日

地球のミライのために 私たちができること「食品ロスを減らす」

10月30日は、「食品ロス削減の日」です。日本では毎日、大型の10トントラック約1,760台分が食べられるのに廃棄されている現状があります。食品ロスを減らすことはムダを減らすという意味でも重要ですが、気候変動にとっても、放出される温室効果ガスを減らすうえで重要な問題の一つです。食品ロスを減らしたいと、奮闘する町の小さな洋菓子店の取り組みを2分16秒の動画にまとめました。
あなたの周りにも1人1人にできる食品ロス削減のための取り組みをしている人がいたらコメント欄で情報をシェアしていただけませんか?
クロ現+
2019年10月21日

気候危機を回避せよ!激変する金融の世界

台風19号では東日本各地で多くの方が犠牲となられ、日々の暮らしが奪われました。新幹線車両の水没や物流の切断、甚大な農業被害など経済への影響も深刻です。心よりお見舞い申し上げます。台風がここまで勢力を増強している大きな理由の一つが、地球温暖化による海水温の上昇です。このまま温暖化が進めば、世界経済に与える影響はリーマンショックを上回るものになりかねない。そのことを重く受け止めた金融業界はいま、真剣に変わろうとしています。

記事はこちら
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/173/index.html
クロ現+
2019年10月14日

地球のミライのために 私たちができる「5つのこと」

今年の夏、猛暑や豪雨に見舞われた地域も多かった日本。地球温暖化の影響で、今後も世界的に猛暑や豪雨が増え続けるとみられています。
気候変動に対して私たちができることは何なのでしょうか?
クローズアップ現代+の放送「16才の少女が訴える温暖化非常事態」にもご出演いただいた国立環境研究所 地球環境研究センターの江守正多副センター長に、明日からでもできる「5つのこと」を教えていただきました。

記事はこちらから
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/172/index.html
クロ現+
2019年10月4日
このお題はクローズアップ現代+で番組になりました

最新の科学が警告する地球温暖化

9月26日に放送した 「16歳の少女が訴える温暖化非常事態」を、1分41秒の動画にまとめました。グレタ・トゥーンベリさんが訴えている地球温暖化の危機。その背景に何があるのか、最新の科学が突きつける事実から考えます。

「16歳の少女が訴える温暖化非常事態」の放送ダイジェストはこちらから
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4333/

温暖化研究の世界的権威が鳴らす警鐘を、みなさんはどう受け止めますか。ぜひ、ご意見をお寄せ下さい。
クロ現+
2019年9月27日

グレタさんの言葉に触れ、立ち上がった若者

国連の温暖化対策サミットで世界の首脳を前に、堂々と気候変動対策を訴えた16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさん。グレタさんの姿は、世界の若者に勇気を与え続けています。グレタさんの言葉に触れ、立ち上がった大学生を取材しました。

記事はこちらから
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/166/index.html

みなさんは、こうした若者たちの行動にどんなことを感じましたか?ぜひコメントをお寄せください。
クロ現+
2019年9月19日

【意見募集】最近、気候の変化を感じていませんか?

ごう音とともに崩れていく氷河、氷が溶けて、滝のように流れ落ちる水。
地球温暖化の影響を最も強く受ける地域のひとつ、グリーンランドを訪ねた取材班は”待ったなし”の現実を目の当たりにしました。

「かつてないほどの大雨が降った」「竜巻におそわれた」など、あなたの周りでも気候の変化は起きていますか?最近の気候の変化について、感じていることや疑問に思っていることなどをコメントでお寄せください。