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2024年6月12日(水)

追跡“PFAS汚染” 汚染源は?健康リスクは?

追跡“PFAS汚染” 汚染源は?健康リスクは?

自然界でほとんど分解されず“永遠の化学物質"と呼ばれる有機フッ素化合物=PFAS。2023年、高濃度のPFASが水道水から検出されたことが明らかになった岡山県吉備中央町。検査を受けた住民の血中濃度の平均は健康リスクが高まるとされる値の9倍以上に。住民の病歴などから健康への影響を検証。さらに、国が“98%は不明"だとする汚染源を徹底取材。産廃処分場や在日米軍基地など関連が疑われる施設と汚染との関係を追跡。

出演者

  • 鯉淵 典之さん (群馬大学教授)
  • 桑子 真帆 (キャスター)

※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。

追跡!全国“PFAS汚染”発がん性も?汚染源は?

桑子 真帆キャスター:
番組では、2023年4月にも、PFASの健康への影響や汚染源として指摘されている工場、在日アメリカ軍基地などについてお伝えしましたが、その後の取材で、新たな汚染の実態が次々と明らかになっています。

“PFAS”とは「有機フッ素化合物」と呼ばれる、1万種類以上の化学物質の総称です。水や油をはじく効果があり、熱にも強いことから、フライパンや半導体、包装紙など、幅広く使われてきました。

ただ、人への有害性が指摘されているものもあり、現在、こちらの3つについては、国際的に製造・輸入などが禁止されています。この健康リスクについて、2023年12月、WHO=世界保健機関は、「PFOA」と「PFOS」の発がん性評価を引き上げ、「PFOA」に関しては、発がん性が最も高いグループに位置づけられました。
一方、日本はといいますと、指摘されている健康リスクの多くについて、関連を示す証拠が不十分だとしていて、評価は定まっていません。

番組では、これらの2つのPFASについて、2021年度時点の全国の浄水場における検出状況を独自に可視化しました。青は、正確に測定できる下限値を下回った浄水場で、1,029地点です。黄色は、下限値を上回り、一定程度、PFASが検出されたところで、216地点。そして、赤は、国の暫定的な目標値を上回った浄水場です。この2つの地点は、水源を変えるなどして、現在は目標値を下回っています。

ただ、最も高い値が検出された岡山県吉備中央町(きびちゅうおうちょう)では、住民の不安が広がっています。

飲み水に“高濃度PFAS”汚染なぜ?

安全だとされていた飲み水が汚染されていた。
2023年10月。町内の一部で、水道水から極めて高い濃度のPFASが検出されていたことが発覚しました。

1リットルあたり1,400ナノグラム。国が暫定的に定めた目標値・50ナノグラムの28倍です。今は水源が切り替えられ、目標値を下回っていますが、住民に不安が広がっています。

住民
「安全な水道水だと思っていたので、普通に蛇口から出して、麦茶はその水をたっぷり入れて作っていました。まさかですよね」
住民
「私、362.9(ng/mL)」

2023年、女性が住民の有志による血液検査を受けたところ、PFASの血中濃度は1ミリリットルあたり362ナノグラム。アメリカの学術機関が、健康リスクが高まるとする指針値・20ナノグラムの18倍でした。

血液検査を受けた住民は27人。全員がアメリカの指針値を超えていて、その平均は186ナノグラムと、非常に高い濃度でした。

京都大学 原田浩二准教授
「目を疑いました。日本においてこれだけ高い血液中濃度が見られる。それだけ、水道水の汚染の度合いが強かったということと対応している。今後、健康リスクなどを懸念することではないかと思います」

アメリカで、PFASとの関連性を示す十分な証拠があるとされる健康リスクは、「脂質異常症」や「腎臓がん」、「乳児・胎児の発育の低下」など、4つ。

また、日本で健康への影響を評価している国の食品安全委員会がまとめた文書では、「がん」や「流産・早産」など、さまざまな健康リスクとの関連性を指摘する海外の研究が紹介されています。
PFASの健康リスクについて研究を進めてきた、世界的権威、グランジャン教授です。

PFASと免疫低下・がんの関連を研究 南デンマーク大学 フィリップ・グランジャン教授
「私たちは、一部のPFASが、さまざまな臓器に対して有毒であることを明らかにしてきた。病気をどう引き起こすのか、未解明のメカニズムも、今後、数年で明らかになるだろう。簡単には分解できないPFASは“永遠の化学物質”であり、毒性は親から子の世代へ影響し続ける」

血液から指針値の18倍のPFASが検出された女性。4年前に脂質異常症と診断されています。脳梗塞などを引き起こすおそれがあるとして、薬を処方されています。夫は、2023年、すい臓がんと診断されました。

住民
「今も医者に行って抗がん剤治療やっていますけど、これもう本当に水のせいだったら、腹立ちますよね」

なぜ水道から?“真相”は

なぜ、水道水から高濃度のPFASが検出されたのか。
原因として指摘されているのが、水源のダムの上流に放置されていた大量の袋。

入っていたのは、使用済みの活性炭でした。そこに含まれていた高濃度のPFASがしみ出し、水源を汚染したとみられています。
(吉備中央町は汚染されたダムの水を農業用水に利用していないとしています)

実は、この活性炭が置かれたのは2008年。国の呼びかけに応じて、町が水道水に含まれるPFASの検査を始めたのは2020年。その後も毎年、国の値を超える濃度が検出されていましたが、その事実を2023年10月まで公表していませんでした。

住民
「おかしくない?どうして、みんなに言わないの。どうして隠すわけ」
吉備中央町 山本雅則町長
「ご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」

汚染された水道水を利用してきた住民は、およそ1,000人に上ります。
公表が遅れたことを、どう考えているのか。町長に問いました。

吉備中央町 山本雅則町長
「検査はしていたのですが、その数値を軽んじたということが、本当に申し訳なかったなと。あの時(対策を)やれば、少なくとも3年、4年はもっと早めに止められたので、本当に住民の方に悪かったという思いでいっぱいです」

町の第三者委員会は、健康への影響について、“現時点でほかの地域との明らかな差は見られない”としています。

しかし、その説明に、住民たちはやり場のない気持ちを抱えています。

血液検査で、家族全員が100ナノグラムを超えていた、阿部さん一家です。「自然豊かな場所で子育てがしたい」と、13年前、生後半年の息子を連れて、東京から移住しました。水源のダム上流に、PFASを含む活性炭が置かれた後のことでした。

阿部順子さん
「子どもが生後半年でこっちに来たので、幼少期から摂取した場合、影響があったとしたら、すごい困ったな」

また、順子さんは移住後、3度、流産を経験しました。

阿部順子さん
「何度妊娠しても流産してしまう。なんでだろうなっていうふうな、あきらめに近い感じで」

一部の研究では、PFASと流産の関連性が指摘されていますが、現時点で評価は定まっていません。

阿部順子さん
「血中濃度が高いからといって、どんな健康影響が出るかは明確じゃない。そこが、まず、わからないことには、どうしようもないので、今後、10年ぐらいかけたりしながら、ちゃんと見てほしいなと思います。それの因果関係があるのであれば、一刻も早くPFASを規制してほしい」

健康影響は?規制は?

<スタジオトーク>

桑子 真帆キャスター:
吉備中央町は、6月10日、早ければ、2024年10月にも、公費で血液検査を行う方針を示しました。
スタジオには、2023年4月の放送に続いて、PFASの対策を検討する国の専門家会議のメンバーでいらっしゃる、鯉淵典之さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

吉備中央町の水道水、それから、住民の血中からも高い値が検出されたわけですけれども、今、この状況をどういうふうにご覧になっていますか。

スタジオゲスト
鯉淵 典之さん(群馬大学 教授)
PFASの対策を検討する国の専門家会議のメンバー

鯉淵さん:
まさか日本で、これだけ高い値が出るというのは予想もしてなくて大変驚きました。4年以上飲み続けてたというのは大きな問題だと思います。前回、放送してからまたステージが一段上がったなと、そういうふうに思っております。

桑子:
町の第三者委員会は、健康への影響について、現時点で他の地域との差は見られないとしていますけれども、番組で、有志による血液検査を受けた住民27人を対象にアンケートを行いました。

すると、脂質異常症の方は10人、肝機能に問題がある方は4人、腎機能に問題がある方は3人、流産の方は3人という結果が出ました。これ、PFASと関係があるんじゃないかと考えている方もいらっしゃるわけですけれども、因果関係については、どう考えたらいいでしょうか。

鯉淵さん:
因果関係を証明するというのは、大変難しいことになります。例えば、PFASに暴露された方を2,000人とか3,000人調べて、それから、暴露されてない方を2,000人、3,000人、そういう中で、いろんな病気の発症率を比べるというふうにしないと、因果関係というのは分からないということになります。ましてや、お一人お一人に対して、どういう因果関係があるのか調べるのは、ますます難しいということになります。

桑子:
では、この水道水の規制は、どうなっているのか見ていきたいと思います。

国は、一部のPFASについて、4年前、水道水の目標値を1リットルあたり50ナノグラムに設定をしました。ただ、あくまで、これは暫定の目標値なんですね。水道を管理する自治体に対して、法的な規制はありません。一方、アメリカは、規制値として、それぞれ4ナノグラムと定めています。日本では、この明確な規制がない中で、吉備中央町のように対応が遅れる自治体も出てきているわけですよね。なぜ、暫定の目標値のままなんでしょうか。

鯉淵さん:
日本は慣習として、毒性が明らかになってから規制値を作るというのが慣習になっていますが、その一方、欧米というのは、疑わしきは罰するといいますか、毒性が分かった時点で、いちばん予測される毒性に合わせて規制値を作るということになります。その違いがあると思います。

桑子:
低い値ですよね。実際に、アメリカの状況というのはどうなんでしょう。

鯉淵さん:
先週、アメリカへ学会で行ってきたんですけれども、アメリカで、実は検査結果が出まして、45%ぐらいの水道水から何らかのPFASが検出されるという状況になっております。中央値が、だいたい7ナノグラムぐらいということですから、実は、規制値より上になっています。それが、「水道水はなるべく飲まないようにしましょう」、「フィルターをかけましょう」という形で、高濃度地域では、そういうような呼びかけが実際に行われておりました。

桑子:
そうした中で日本はどうでしょう。暫定のままでよいのか。

鯉淵さん:
やっぱり、危機意識というのを高めるためにも、もう少し低めの値を、規制値であろうと、目標値であろうと、設定するべきと思います。

桑子:
では、水道水に含まれるPFASが一体どこから来ているのか、見ていきたいと思います。

水道から、さかのぼって浄水場を通る前に、水源となっているのは河川や地下水などです。そこに、工場や基地・飛行場などからPFASが流れ出ていると見られています。

番組では、2022年度時点の河川や地下水などの検出状況を示したマップも作成しました。青は、報告下限値未満です。黄色は、下限値を上回って一定程度PFASが検出された場所です。そして、赤は、国の目標値を上回ったところを示しています。

例えば、このスタジオがある東京・渋谷区を見ますと、赤くなっていまして、そこをタップしますと、地下水で460ナノグラムが検出されていることが分かります。ちなみに、渋谷区では、地下水は飲み水としては利用していないということです。

これを全国的に見ますと、河川や地下水などで国の目標値を超えていたのは111地点ありました。その汚染源について、国は、98%は分からないとしています。
そこで、私たちは独自に汚染源を取材しました。新たな事実が見えてきました。

汚染源”はどこなのか?

兵庫県明石市で、水道の水源として利用されている明石川です。過去5年にわたって、国の目標値を超えるPFASが検出され続けています。

汚染源はどこなのか。PFASの調査・研究に、長年取り組む、京都大学・小泉昭夫名誉教授と地元の県議会議員が独自に調べています。

京都大学 小泉昭夫名誉教授
「この水路ね」

明石川に通じる二つの水路で、特に高い濃度のPFASを検出。

5月の調査(PFOAの値)
・国の目標値の約45倍   2,234ng/L
・国の目標値の140倍以上 7,068ng/L

一つは国の値のおよそ45倍、もう一つは140倍以上でした。

兵庫県議会議員 丸尾牧さん
「正直、びっくりしました。非常に高濃度のものが出たということで」

そして、水路の先には、それぞれ産業廃棄物処分場があることが分かりました。

京都大学 小泉昭夫名誉教授
「明石川の汚染源の一つとして、かなり有力な候補になる」

今回、そのうち一つの業者が取材に応じました。

汚泥やがれきなどを受け入れている、この産業廃棄物処分場。どの廃棄物に含まれているか、特定は難しいとしましたが、処分場から出る排水にPFASが含まれていることを認めました。業者が、その事実に初めて気づいたのは、地元自治体から排水の調査を依頼された3年前だったといいます。

産業廃棄物処理業者
「びっくりしました。自分のところの排水から(PFASが)出るというのも考えたことすらなかった。社を挙げて真摯に受け止めております。(PFASが)出ているのは確かなので」

PFASが含まれる排水について、国の規制はありません。しかし、業者は自主的な対策を続けているといいます。

以前、排水に含まれていたPFASは、多い月で国の値の28倍にあたる1,400ナノグラム以上。それ以外も、ほとんどの月で超えていました。排水からPFASを取り除くため使っているのが“活性炭”です。

産業廃棄物処理業者
「上から水が入ってきたものを、活性炭を伝わって送られていくという流れ」

活性炭には、水に含まれるPFASを吸着する性質があります。業者は、この活性炭を入れ替える頻度を倍に増やしました。

その結果、PFASの値は減少。しかし、月によってばらつきがあります。対策を続けるには、年間、およそ2,000万円の費用がかかるといいます。

産業廃棄物処理業者
「周辺住民の方はもとより、下流域の市民の皆さまにも安心していただくために、やるしかない。取り組んでいくしかない」

PFAS除去のため、広く使われている活性炭。しかし、その活性炭が新たな汚染源となっている可能性も浮かび上がってきました。
それが、水道水から高濃度のPFASが検出された、あの岡山県吉備中央町。汚染源とみられているのが、使用済みの活性炭だったのです。

使用済み活性炭が雨などにさらされることで、吸着していたPFASが流れ、汚染が広がっていったと、町の第三者委員会は見ています。
この使用済み活性炭を置いたのは、活性炭のリサイクルなどを行う地元の業者でした。なぜ、放置し続けたのか。業者が、取材に書面で応じました。


発注元であるメーカー側で、有害な化学物質を含んでいないか、十分な検査が行われた活性炭を受け入れている
PFASの除去目的のような特殊な状況で使われた活性炭との説明は受けていない

などとしています。
業者が、“危険性を知らされていなかった”とした、今回の事態。同じようなケースは他にもあったと証言する人がいます。
2000年代初頭に化学メーカーに勤務し、PFAS除去を担当していた男性です。

化学メーカー 元社員
「臭いがあるわけでも、色がついているわけでもないので、誰も分からない。分析しないかぎり」

PFASについて国の規制がない中、その危険性を伝えぬまま、処理を委託していた実態があったといいます。

化学メーカー 元社員
「法的に規制もされていない。健康被害だとか危険性も断言されていない。これについて共有する必要があるのかといわれると、恐らく、やられていないことの方が多かったんじゃないかなと思います」

“使用済み活性炭”が原因?今後どう対応すべき?

<スタジオトーク>

桑子 真帆キャスター:
今、見たように、PFASを除去するために使われた活性炭が汚染源となっていた可能性が見えてきたわけですけれども、国は、この活性炭の流通量や利用用途を把握するため、実態調査を始めることを、5月、明らかにしました。今、国の明確な規制がない中で、PFASへの対応というのが業者任せになっているという実態があるわけですけれども、これで果たしていいんでしょうか。

鯉淵さん:
PFASは環境中では絶対に分解されません。活性炭ともしっかりと吸着しているわけではないので、野ざらしにすれば、当然、流れ出てきます。ですから、活性炭の処理も含めて、規制を設けるべきだろうなというふうに思っております。

桑子:
しっかり処理はするべきものですよね。

鯉淵さん:
一方、企業に全部丸投げというのは、やはり企業のほうも、先ほど出ていたように、大変ばく大なお金がかかりますので、倒産の危機というのもある。そうすると、また処理が立ち行かなくなってしまうということになりますので、何らかの公的補助というのは必要だというふうに個人的には考えます。

桑子:
汚染対策について、汚染対策に詳しい京都大学の田中周平准教授は、「PFASを除去する技術は、活性炭の他にも複数ある」と。ただ、「一定程度コストはかかるので、誰が負担するのか議論は必要」だと指摘していました。

先ほどの全国マップを改めて見ていきたいと思うんですけれども、多くがグレーなんですよね。これ、何を表しているかといいますと、報告がない所なんです。そもそも調査すらしていない所も多いようですけれども、今後、どういう対応が求められるでしょうか。

鯉淵さん:
まずは、全国的な調査をするべきだと思います。もちろん、環境省も手をこまねいているわけではなくて、おそらく呼びかけていると思うんですけれども、とにかく情報を収集して、全国的な調査をし、それを速やかに公表するべきだというふうに思っております。

桑子:
実態を明らかにする必要がありますよね。

鯉淵さん:
そうですね。

桑子:
そして、このPFAS、VTRを見て「怖いな」と思われた方は多いと思うんですけれども、私たち、どういう恐れ方をしたらいいでしょうか。

鯉淵さん:
まずは、過度に恐れないということだと思います。PFASは皮膚からは吸収されません。また、因果関係は十分ではないですけれども、健康被害が出るリスクが高まる濃度というのも、ある程度、分かっておりますので、それより高くなった時には、もちろんしっかりと健康調査をしなければいけないんですけれども、それ以下であれば、そんなに過度に恐れる必要はないというふうに思います。ただし、高濃度暴露が分かった地域というのは、また話が別でして、そこはしっかりと健康調査を継続的にしていくべきではないかというふうに思っております。

桑子:
今回、水道水の他にも河川や地下水など、さまざまな所から見つかっているわけですけれども、もっと広い意味で、私たちへの影響というのを、今後、考えていく必要はありますか。

鯉淵さん:
あると思います。先ほど環境省の話をしましたけれども、環境省も手をこまねいているわけではなくて、Q&Aを作ったりとか、それから、基礎研究のための研究費を用意したりして、いろんな対策をしております。そういう上で、危機意識はしっかり高めないといけないですから、そういう点で議論しながら進めていく必要があるというふうに思っております。

桑子:
正しく恐れる。そのために、まずは本当に、実態調査をどんどん進めていただきたいところですね。鯉淵さん、ありがとうございました。
さまざまなリスクが指摘されているものの、具体的な対策はなかなか進んでいない、このPFASの問題。目を背けたり、先延ばしにしたりすることは、もう許されないのではないでしょうか。

米軍基地でなにが?“内部資料”独自入手

東京・多摩地区で、汚染源の一つである可能性が指摘されてきた、アメリカ軍横田基地。

フェンスを隔てたすぐ隣にある畑。その土を取材班が調べたところ、高濃度のPFASが検出されました。

農家
「非常によくないよね。この数値みて、あれだな、(農業を)考えるしかない。将来的なことも含めて。(農業を)専業にやっている人は大変になってくる」

PFASを含む泡消火剤を、長年、使用してきたアメリカ軍。現在は別のものに切り替えたとし、基地が汚染源である可能性を認めていません。

しかし、今回、独自に入手した内部資料によると、2023年1月、基地内で泡消火剤が漏れ出す事案が発生。国の値の5万倍を超えるPFASが検出されたと記されていますが、この事実は公表されていません。取材を続ける中、横田基地の現役職員が汚染の実態を知ってほしいと、初めてカメラの前で証言しました。

横田基地 現役職員
「明らかに米軍基地も汚染源の一つだと思う。誰も気がつかないうちに水が汚染されたり、そういったことがあってはいけない。人の命とか健康にかかわることは、きちんと米軍側にも説明責任を果たしてほしい」

PFASが検出された畑で育った野菜。影響がないか、私たちは、畑の持ち主から、さらなる調査を依頼されました。これからも取材を続けます。

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