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2021年12月15日(水)
「私には帰る場所がない」 家を失う女性たち

「私には帰る場所がない」
家を失う女性たち

都内の公園で行われる炊き出し会場に、最近女性の姿が増えているという。主催するNPOによると、11月末の炊き出しには50人以上の女性が列に並んだ。取材から見えてきたのは、住まいが引き金になっている現実だ。コロナ禍で収入が減り、家賃が家計を圧迫。家賃滞納が続き、家を失った女性もいる。しかも家を失った女性は、危険から身を守るためネットカフェや友人宅などを転々とする傾向があり、行政が把握しづらく支援に繋がるのが難しいという。現状を取材するとともに、解決への道しるべを考える。

出演者

  • 岩田正美さん (日本女子大学 名誉教授)
  • 丸山里美さん (京都大学大学院 准教授)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。

「私には帰る場所がない」家を失う女性たち

東京・池袋の公園。NPOが20年前から週末の炊き出しを行っています。

ことしの夏から、ある光景が見られるようになりました。

ホームレスの男性
「女の人すごいよ、多くて。全然増えているよ」

これまでほとんどいなかった女性の姿が、目立ち始めたのです。この日は、40代から60代と見られる女性が50人ほど並んでいました。

中には子ども連れの女性の姿も。ここに来た理由を尋ねると、家賃の支払いで生活費が底をついてしまったと語る女性たちが数多くいました。

女性
「一番は家賃です。家賃が一番大変です」

女性
「(家賃が)高い、高い。私も厳しい。(家賃は収入の)65%かな」

支援団体 代表
「家賃が払えないから、みんなネットカフェになるわけだし、どうにか家賃払っていた人たちがもう転落寸前で」

先月、横浜市の外郭団体が行った調査では家賃に苦しむ女性が数多くいることが分かりました。収入に占める住居費の割合は平均でおよそ4割。中には、9割近くに達する人もいました。

横浜市男女共同参画推進協会 植野ルナ課長
「収入に対して、家賃が占めている割合が高い。男女の賃金格差が大きくて、本当に女性の賃金の低さがすごく問題」

家賃の負担が重くのしかかり、追い詰められる女性たち。コロナ禍で浮かび上がってきた日本の住まいの問題と解決への道筋を考えます。

家賃に追い詰められる背景に男女の収入格差

保里:家の問題で悩んでいる方、近くに悩んでいる人がいて助けたいという方は、以下のリンクから支援先や支援制度をまとめたホームページをご紹介しています。自分だけで抱え込まずに相談をしてください。

【女性向けの相談窓口一覧】
支援先・支援制度 詳しい情報はこちら

今回炊き出しの現場を取材したのですが、並んでいる女性にお話伺いますと「家賃が厳しい」というのは皆さんおっしゃっていました。それに加えて炊き出しの現場に配布が始まる直前にいらっしゃって、食料を受け取ったら生活相談のカウンターなんかもあるんですが、そうした所には立ち寄らずに足早に立ち去ってしまう女性の姿というのも多く見られました。女性の貧困の実態というのがなかなか見えにくい、その現実の一端をかいま見たように感じました。

井上:困窮した女性たちがここまで家賃に追い詰められる背景には、男女の収入格差があります。去年の平均給与です。男性532万円に対して、女性は293万円。

もともとこうした格差がある中、コロナ禍で女性はさらに大きな影響を受けています。また、この1年で収入が3割以上減ったという女性は21.9%。その一方で民間賃貸住宅の家賃はここ数年ほぼ横ばいで、困窮する女性たちがより追い詰められる状況になっています。その現状を取材しました。

収入減で家賃が払えない… 家を失う女性たち

長年、母子家庭の支援を行っている滋賀県の団体です。

この夏以降、「家賃が払えない」、「自分の家がない」という相談が増えています。相談の件数は1,000件以上に上ります。

滋賀県母子福祉のぞみ会 坂下ふじ子事務局長
「住宅を失って本当に行き場がないんです。見えづらい貧困というか、周りに誰も助けてくれる方がいない。そういうつながりがない」

団体に相談のメールを送ってきた、あかねさん(仮名)。3人の子どもを育てるシングルマザーです。夫から暴力を振るわれ、3年前に離婚。生活費を一切もらえない「経済的DV」も受けていたといいます。水道部品を組み立てる内職と児童手当などで生計を立ててきましたが、コロナで収入が約月15万円まで落ち込みました。子どもが3人いるあかねさんに重くのしかかるのが、収入の半分を占める7万7,000円の家賃です。

あかねさん(仮名)
「悩みごとってお金だけです。毎日それがずっと頭ぐるぐる回って。ご飯もなるべく基本そうめんとか、たぶんみんなそうしている家庭が多いと思うけど」

家賃を支払った残りは約8万円。それでは生活費が足りず、カードローンや知人からの借金で賄っています。

あかねさん
「(娘の)誕生日にご飯に連れて行ってあげたかったときの。1万5千円をリボ払いにして、毎月(1万円)を返さないといけない。これを返して、また借りての繰り返し」

返済期限が迫ると、別の消費者金融からさらに借りる。そんな生活が1年半以上続いています。家賃が安い部屋への引っ越しも考えましたが、敷金礼金などの引っ越し費用が用意できないため、今の場所に住み続けるしかないといいます。

あかねさん
「大変です。まず(審査が)通らないから保証人がついたとしても、収入面とかちゃんとしていないと簡単には貸してもらえない」

この団体から支援を受けている人の中には、離婚した途端に家を失った人もいます。団体が用意した施設に1歳の子どもを連れ、緊急避難してきた、かなさん(仮名)です。

ことし5月に離婚。夫がコロナ禍で失業し、夫婦関係が悪化したことが原因の一つだったといいます。専業主婦で収入がなかったかなさんは家を借りることができず、当初、実家を頼ることにしました。しかし実家は、両親と3人の弟が暮らす5人家族。そこにかなさん親子が同居する余裕はなく、生活が成り立たなくなりました。

かなさん(仮名)
「下に3人、学生の弟がいるので、そんな広い家でもないし、自分と子どもをおいておけるスペースないから『うちでは見れへん』って。子どもいるし、貯金がなかったからどうしようかなって感じでした」

自分たち親子が住める場所や、利用できる制度がないかと行政に相談に行きましたが、断られたといいます。

かなさん
「緊急性がないから(行政の)施設にも『今は入られへん』って断られた」

理由は、かなさんに同居する家族がいるからでした。実家を出たあとはほかに頼るところもなく、この施設にたどりついたのです。

家賃の負担や離婚などで住まいを失い、さまよう女性たち。受け入れ施設が居場所になっています。

坂下ふじ子事務局長
「男性の方が日本はまだ上でしょう。だから別れたときに困るのは女性の方。離婚した妻と子どもは『出てってくれ』となると思うんですけど」

"家賃"が困窮する女性を追い詰める

家賃の負担は、生活に困窮する女性たちをどれほど追い詰めているのか。母子家庭の生活実態を調査している、葛西(くずにし)リサさんです。

NPOと共同で、2020年8月から全国のシングルマザー539人にアンケート調査を行いました。東京都の場合、賃貸住宅の家賃の平均は5万6,000円ほど。それに対し、住居費を支払うと手元に残る金額が5万円未満と答えた家庭は5割近くに達しました。

そして手元に残る金額が0円、もしくは赤字になる家庭は2割を超えました。

追手門学院大学 葛西リサ准教授
「数字で突きつけられると衝撃でした。(行政から)本当に2万円でも1万5千円でも何らかの補助があると、相当楽になるのではないかと思います」

家を失った女性は…

コロナ禍で失業し、半年前に家を失った40代のゆきさん(仮名)です。

取材者
「今、残金っておいくらですか」

ゆきさん(仮名)
「(硬貨が)1個もないですね。ぜんぜんなくて」

取材者
「0円ってことですか」

今は路上生活を送っています。6月まで都営住宅に両親ときょうだい5人で暮らしていましたが、家計を支える父親が仕事を失い、家賃を3か月滞納。家を失ってしまいました。家族は離散し、今はゆきさん一人で公園などを泊まり歩いています。

ゆきさん
「公衆トイレでバケツ(で水を)ぶっかけて、風呂入ったりしないといけなくて」

取材者
「すごい細かく書いていますね」

『夜6時 公園で寝た』

『池袋まで歩いて行った』

手帳に書き込まれた日々の記録。ゆきさんは都内の炊き出し会場を回って、なんとか飢えをしのいでいました。家を失い、携帯電話も持てないゆきさん。ハローワークに通っていますが、仕事が見つからないまま半年が過ぎました。

この生活に限界を感じ、先月行政の窓口に生活保護の申請に行きましたが認めてもらえなかったといいます。

ゆきさん
「住むところと寝るところがないのに、生活保護申請を出して却下されちゃったら、普通に人間なんか成り立たない。死んじゃうじゃないですか」

家を失う女性たち "日本の住宅政策"の落とし穴

保里:通常は、家がない、連絡先が分からないといった理由だけで生活保護の申請が却下されることはありません。区役所に取材をしたところ、生活保護の申請の途中で手続きが中断されてしまったため認められないという結果になったということですが、再申請の手続きをすれば受給できる可能性もあるということです。

井上:今回取材した女性以外にも家について悩む声を集めたところ、このような投稿が寄せられました。まず、22歳の女性。「コロナの影響で派遣の仕事が減収。家賃を2か月滞納中でガスも止められ、寒いのを我慢して水風呂に入っている」。

そして、40代の女性。「ことし4月から失業中。来春、家の契約更新があるが、払えるか不安。電気代が怖くてエアコンを使えない」。

保里:さまざまな声を寄せていただきましたが、ヨーロッパでは家賃や住宅の維持費、光熱費などを合計した金額が収入の4割を超えると生活に支障をきたすとされています。
ただ、今日本では家賃だけで4割近くに及ぶ女性たちが増えていると見られていて、危険水域にあるのではないかと指摘する専門家もいます。
まずは、長年貧困について研究をされてきた岩田正美さんに伺います。岩田さんはこの状況をどう捉えていますか。

岩田正美さん (日本女子大学 名誉教授)

岩田さん:貧困の観点から「住宅」ということを考えますと、一つは家の費用というのは固定的な費用で、今4割というのが出ましたが、なかなか削れないという問題ですね。それからもう一つは、家を失うと社会活動とか社会関係の拠点になる場所を失う。したがって社会との接点が途切れてしまう。そういうことから、多くの人が生活費を切り詰めて家賃を優先してしまうという、そういうことになっていると思います。

保里:それだけ住宅が重要であるにもかかわらず、今家賃を補助する制度というのはないというのが現状なんですね。

岩田さん:そうですね。日本では国による家賃の補助制度というのは今のところ「住居確保給付金」という短期の補助制度と、住宅セーフティネット法による大家さんへの補助による登録住宅という制度と、それから生活保護の3つになります。

ところが「住宅確保給付金」は短期的なものですし、セーフティネット住宅に登録している大家さんはまだ非常に少ないです。

保里:今ある支援の制度というのは、実態としては使いにくい部分が多々あるということですね。

岩田さん:そうですね。日本の場合は、中間層の持ち家に重点を置いた住宅政策で今日まで来ましたので、なかなか家賃を補助する制度を社会保障として確立するということにならなかったと思います。

井上:そして、女性のホームレスを対象にフィールドワークを長年行ってきました丸山里美さんにも聞いていきます。丸山さん、このコロナ禍で貧困に陥る女性たちの問題というのが顕在化したわけですが、実際社会的な環境のどんなところがこういったものにつながっていると思いますか。

丸山里美さん (京都大学大学院 准教授)

丸山さん:まず、女性は男性に比べて収入が少ないことが多いですけれども、最近は単身の女性も増えていますから収入に占める家賃の負担が多くなっていると思います。さらに、まだ見えていないところにも女性の貧困が隠れています。なぜなら、女性の貧困は「世帯の中に隠れがち」という特徴があるからです。女性の中には「経済的DV」に遭っていたり、非正規でワーキングプアだったりして、女性個人の収入が少ない人が多い。生活の基盤がぜい弱なわけですが、そうするとふだんは覆い隠されている状況が離婚したりすると一挙に現れてしまうということになります。でも日本の場合、貧困は一般的に世帯を単位にして把握されていますので、夫や父親に一定の稼ぎがある場合には貧困とは判断されないということになります。

井上:今、貧困は世帯の中に隠れがちということがありましたけど、実際個人の貧困の難しさといいますか。見つけにくさというのはどういったところがあるんでしょうか。

丸山さん:世帯の収入が一定程度あっても、夫から十分に生活費をもらっていない女性というのもいます。実は貧困状態に陥っているわけですけれども、本人すらその状態を自覚していなかったりして、なかなか見えにくいということがあります。ヨーロッパでは20年以上前から使われている「剥奪指標」というものがあります。

井上:剥奪指標。

丸山さん:はい。これは必要なときに医療機関を受診できるかといったような項目に対して、金銭的な理由でそれができないことがいくつあるかということで貧困を見ていくという手法です。

井上:これが多くなってくると、そういうリスクがあるというのが分かってくるわけですね。

丸山さん:そうですね。一般的には、この指標も世帯を単位に使われてきたんですが、これを個人の単位で見ていくことで世帯の中に隠れた貧困を見つけやすくなるというふうに思います。日本でもこういう調査が行われる必要があると考えています。

保里:現状として貧困の実態が見えにくいという中で、安心して生活できる場所を失ってしまった女性たちをどう支えていったらいいのか。ことし8月に始まった支援の取り組みを取材しました。

家賃と光熱費が3か月無料 母子家庭の支援始まる

滋賀県で母子家庭を支援する団体では、家を失った女性たちのためにこの夏からシェアハウスを開設しています。家賃や光熱費は原則無料。ここで3か月間暮らしながら、自立に向けたサポートを受けることができます。

力を入れているのは、子育ての支援です。地元のボランティアが子どもに勉強を教えたり、食事の面倒を見たりします。

保育士
「はい。よーい、ドン」

ベテランの保育士も採用しました。

保育士
「お母さんがほっとする時間も必要だしね。1日大変だろうし」

子どもの面倒を見てもらっている間に、母親たちが就職活動や行政手続きなどを行えるようにしたのです。さらに、母親の心のケアにも取り組んでいます。職員やボランティアが積極的に声をかけ、悩みを打ち明けやすい関係を築くようにしています。

滋賀県母子福祉のぞみ会 坂下ふじ子事務局長
「お母さんは精神的にズタズタちゃいますか。精神的な面で貧困に陥ってしまって、外部とも遮断してしまう。だんだん誰とも関わりがなくなって、仕事にも行けなくなって。だから私たち団体は精神的に支えることです。お母さんが明るく元気になってもらうことです」

この日、一人の女性がシェアハウスを出ることになりました。子どもを連れて緊急避難してきた、かなさん(仮名)です。

取材者
「お引っ越しおめでとうございます」

かなさん(仮名)
「ありがとうございます」

かなさんもシェアハウスに3か月間入居。子どもの面倒を見てもらうことで、就職活動を行うことができました。支援団体の手助けで、生活保護の受給も決まっています。そして、子どもと2人で住める家も無事見つけることができました。

坂下ふじ子事務局長
「変わられましたね。明るくなられました。私たちだけの力では無理なので、いろんな他団体と協力して、行政も一緒になって手を携えてほしい。みんなが手を携えていかないと」

家を失う女性たち 社会保障で支える時代に

保里:こうしたシェアハウスの取り組みは全国各地にあるということですが、見たように3か月無料で住まいを提供して子どもを一時的に預かることで、女性たちを支援につなげるというこの取り組みはまだ珍しいということです。丸山さんどうご覧になりましたか。

丸山さん:こうした民間の取り組みというのは非常に重要だと思いますけど、基本的にはこれは国が主導してやるべきことです。日本の今のセーフティネットである生活保護というのは、やはり審査が厳しすぎるという大きな問題があります。そのせいで明らかに生活保護水準以下の暮らしをしているにもかかわらず、制度になかなかつながれないという人が出ています。

井上:岩田さん、生活保護の在り方についてお聞きしたいのですが、岩田さんも厚労省の部会に長年参加されて検討されてきましたが、どんな対策が生活保護というのに必要だと思いますか。

岩田さん:生活保護の中には「住宅扶助」もありますから、それを先ほどの一体的に活用しているというやり方を進めるのも一つのやり方だと思いますが、いろんな状況を考えますとやはり住宅を切り離して、家賃補助制度というのを国の制度として、つまり社会保障の一つとして作っていくということが大事ではないかと思います。

それは、生活保護の在り方を見直すことによって実現できるのではないかと考えています。

井上:見直すわけですか。

岩田さん:生活保護というのは8つの扶助を一体的にといいますか、全部まとめて扶助を行うという、そういう仕組みでできているんですけれども。

井上:これは単独受給ができないんですよね。

岩田さん:はい、そうですね。この8つの扶助というのはご覧になって分かるように目的が違うんです。生活の違うニーズに対応するもので、住宅ニーズに対応するのが「住宅扶助」なわけです。住宅扶助だけ少し別の制度としてこれを引き延ばして、生活保護基準よりちょっと上ぐらいの層までこれが使える。そういう制度にしていくことによって、生活保護の全体の審査ではなくて、もう少し簡易な審査でこの住宅扶助に該当するような給付を利用できるというふうにしますと、住宅に困っている、このコロナ禍のいろいろな状況にも対応が可能なのではないかと思います。

丸山さん:財源はどうするんでしょうか。

岩田さん:それがいつも社会保障で大きな問題です。もしも低所得層まで拡大するとこれは応募者がかなり多くなる可能性もありますから、財源としては例えば今の倍ぐらい、住宅扶助の倍ぐらいの予算が必要になる可能性もあります。ところが社会保障費全体の割合の中で住宅給付費の割合というのは日本の場合、2017年度の国際比較で見ますと給付費全体の0.5%にしか充てられていないんですね、住宅には。年金や医療、そういうものがほとんどです。ほかの国はもう少し大きくて、例えばイギリスだと6.4%という数字になっています。

0.5%ですから倍にしても1%ぐらいになります。これは、皆さんがどうご覧になるかですね。こういうふうに住宅に困っている人をそのまま見過ごしておくか、それとも全体として0.5%を1%ぐらいにして住宅の安定によって生活を支えるという方向に行くかというのは、やはり国や国民の皆様がよくよく考えて、これからの日本の社会保障の在り方の一つとして検討すべき課題だと思います。

井上:丸山さん、今回は家賃を支払えずに家を失うという女性たちの問題見てきましたが、私たちの社会に今どんなことが問いかけられていると思いますか。

丸山さん:やはり家も社会保障の一つなわけですけど、そのことが社会の中で十分認識されていないというのが貧困状態を悪化させていると思います。女性がこうやって社会からこぼれ落ちてしまうということは、女性はもちろん日本全体にとって大きな損失です。男性は外で働いて、女性は家を守るというそういう社会の構造が男女の賃金格差を生み出していて、それが女性の住居喪失にもつながっているわけで、それを改善していかないと男女平等の社会の実現にはつながっていかないと思います。

保里:あらゆる社会生活の中で基盤となる「住居」を確保していくということがいかに重要な問題であるか、今回浮かび上がってきたように思います。クローズアップ現代プラスとして、引き続き取材して伝えていきたいと思います。お二方、ありがとうございました。


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