クローズアップ現代

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2021年12月14日(火)
民間人が宇宙へ 新時代の幕開け

民間人が宇宙へ
新時代の幕開け

12月、実業家・前澤友作さんらが、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在。今、80代の高齢者やがん克服者まで一般人の宇宙旅行が次々と実現している。カギを握るのが、常識にとらわれない民間による宇宙開発の進歩だ。宇宙開発市場はすでに40兆円、20年後には100兆円になると試算。日本でも既存技術を生かしたロケットや月面探査車の開発など世界的に注目される企業も現れている。誰にでも開かれはじめた宇宙の未来を見つめる。

見逃し配信はこちら ※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。

出演者

  • 山崎直子さん (元・JAXA宇宙飛行士)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

宇宙ステーション滞在中 前澤友作さん独占インタビュー

13日の夜、国際宇宙ステーションに滞在する前澤友作さんに単独インタビューを行いました。

保里:どうぞよろしくお願いいたします。

前澤友作さん(実業家)

前澤さん:本当にリアルに宇宙ってあるんだと。そして、ステーションっていうサッカーコートぐらいある大きな鉄の塊が上空400キロをぐるぐる地球上の軌道を回って、実在するんだっていうそのリアルなものを見たときに、本当に感動しました。

前澤さんは今回の旅行を実現するために、3か月以上の訓練を重ねました。無重力環境での水の飲み方や、宇宙服の着脱。さらに、打ち上げ時にかかる重力に耐えられるようにするため、巨大な装置を使った訓練など多岐にわたります。

保里:実際の打ち上げ、体にかかる負荷とか不安、恐怖はどんなものでしたか。

前澤さん:実際のロケットのローンチ(打ち上げ)は全く体に負担もなく、揺れたり大きな音がしたりほとんどないんですよ。ただ当然重力加速度、Gはかかりますので、それはもうさんざん訓練でやってきていたので、別に何の恐怖感もなかったですね。もう終わっちゃったって感じで、もっともっと何か絶叫マシンみたいなものを想像してたんですけど、意外と静かでスムーズでびっくりしました。宇宙空間、ステーションに入ってからは皆さんおっしゃるとおりモーションシックネス、宇宙酔いが若干ありまして、最初の2、3日はそれに慣れるまで少し気持ち悪い状態が続きましたけど、きょう(13日)あたりは全然違和感ないです。

保里:出発前の会見でご自身の考え方とか価値観、どう変わるのかというふうにお話しされてましたけれども、実際どうでしょうか。

前澤さん:すでに学んだこととしてはやはり、ステーションの中には最先端技術が積み込まれていろんな実験が繰り返されますので、数十年後の人類の歩むべき道の一片を見たというか、そこで真剣に実験を繰り返す飛行士の皆さんたちの真剣なまなざしもすごく印象的で。これが未来の人類の進んでいく姿なのかな、みたいにちょっと見てます。

保里:これから地上に戻った前澤さんが今回の経験を生かしていった未来、どんなことを実現されていくんでしょうか。

前澤さん:ここに来て思うことは、例えば水一つとっても大変なんですね、水を調達するのが。あと、例えばゴミが出たらそのゴミを捨てる場所もないわけじゃないですか。そういう意味で人間の新しい暮らし方、サスティナブルな暮らし方というものについて、世界全体で本当に考えていくタイミングだなと思ってますし、宇宙に来て、その考え方がより強くなりました。何か地上でも自分の暮らし自体も改めて考えたいなとは思いました。

およそ12日間の宇宙滞在。費用は1人当たり数十億円かかるといわれています。

ビリオネアが開拓した宇宙旅行 背景に資金力と革新的アイデア

ことし多くの宇宙旅行を実現させたのは、世界経済を牽引するビリオネア(大富豪)たちです。

イギリス人実業家、リチャード・ブランソン氏が創設したヴァージン・ギャラクティック社は7月、創業者自らが宇宙船に乗り込み、高度85キロまで飛行。数分間の宇宙滞在を成功させました。

ヴァージン・ギャラクティック創設者 リチャード・ブランソン氏
「美しい地球を見下ろしている。次世代の夢を見る者たちよ。私たちにこんなことができたんだ。君たちに何ができるか、想像してみてくれ」

この宇宙行きのチケットは、およそ700人が予約しています。

そのうちの1人、都内のコンサルタント会社に勤める稲波紀明さんです。子どもの頃から宇宙にあこがれ、大学でも宇宙物理学を専攻していました。宇宙旅行のチケットを手に入れたのは、16年前。学生のころからの貯金などを使い、およそ2,000万円で購入しました。

稲波紀明さん
「最初にリチャード・ブランソンが飛ぶよと言われていたので、リチャード・ブランソンが宇宙に行ったということは本当にすごく大きなことで、宇宙が近づいたなというのを本当に感じました」

すでに宇宙旅行に必要な3日間の訓練を終えた、稲波さん。1年後には、数分間の宇宙滞在が実現する見込みだといいます。

稲波紀明さん
「具体的に今の機体の状況とか、テストフライトの状況とかを教えられて、わくわくというか好奇心ですね。宇宙に行って何をしようかなとか、何が見えるんだろうみたいな。本当にもうすぐなんだというのは、すごく実感しています」

さらに、ことし新たな記録を打ち立てたのが、イーロン・マスク氏が率いるスペースX社です。民間人4人だけで、国際宇宙ステーションよりも高い軌道に送り届けました。

3日間にわたって、地球を40周以上回る偉業を成し遂げました。こうした技術の進歩を支えているのは、ビリオネアたちの豊富な資金力と革新的なアイデアです。

これまでのロケットは、役目を終えると宇宙のゴミになっていました。そこでマスク氏が考えたのが、ロケットの再利用です。打ち上げたあと再び着陸させるという、前代未聞の挑戦。実験は幾度となく失敗します。

それでも実験を繰り返し、6年前、ついに着陸に成功。1回の打ち上げコストを、100億円から60億円に大幅に減らすことができたのです。

NASAの諮問委員も務めた宇宙研究の権威、ジョン・ログスドンさんは、民間企業を中心に宇宙開発が進むことに期待を寄せています。

ジョージ・ワシントン大学 ジョン・ログスドン名誉教授
「民間企業は資金力や革新的なアイデアをもっており、リスクを恐れないという特徴があります。今後20年から30年の間に民間企業による宇宙ビジネスは100兆円規模になるでしょう。宇宙旅行ビジネスは、まさにこれからです」

民間人が宇宙へ 新時代の幕開け

保里:今、宇宙から何を思い、描いているのか。前澤友作さんインタビューの詳しい内容や動画は、以下のリンクからもお伝えしています。ぜひご覧ください。

井上:スタジオには宇宙飛行士の山崎直子さんにお越しいただきました。現在は内閣府の宇宙政策委員会の委員を務めています。山崎さん、ことしは宇宙旅行時代の到来、幕開けと言われていますけれども、これはどう捉えていますか。

山崎直子さん (宇宙飛行士)

山崎さん:ことしは宇宙に到達した民間人の数が、国の職業宇宙飛行士の数を上回るというこれまでにない年だったんです。

井上:ことし、どうしてこれほど多くの挑戦というのが重なったのでしょうか。

山崎さん:アメリカで2000年以降に生まれた数々のスタートアップの企業の技術がここに来て開花をしたということと、民間ならではの競争が働いて、1社が成功すると次々に加速をするという流れが来たのだと思います。

井上:本当にわくわくしますけれども、山崎さんの実感としてはもう来たのか、それともようやくこういう時代が来たのか。どちらでしょうか。

山崎さん:ようやくだなと思いましたけれども、こうして一気に開花したことに私も驚いています。

井上:あとはやはり前澤さん、日本人、民間人として行ったインパクトがあったと思うんですけれども、山崎さんから見てどういう意義があったと思いますか。

山崎さん:前澤さんは7年越しの構想で100日の訓練を経て宇宙に行かれたということで、私としては同志というふうに感じています。一方ですね、宇宙に到達されたときに「本当にあったよ、宇宙は」という本当に素直な感情を発せられていたり、カメラにも精通した平野さんも同行されていろんな発信をされているということで、宇宙が民間に開かれたということを強く印象づけてくれていると思います。

井上:やはり宇宙空間で情報発信はしにくいものですか。

山崎さん:私たち職業宇宙飛行士の場合だといろんな作業に追われてしまうので、こうした数々の発信はとても貴重だと思います。

井上:あとは宇宙飛行士のイメージを変えたと思うんですが、発信の中でどんなところがいちばん印象に残ってますか。

山崎さん:ソユーズ宇宙船が打ち上がったあと、国際宇宙ステーションに近づくときに交信にまじって前澤さんの「でかい」とか「やばい」とか、本当に素直な声が聞こえてきたのが本当にすばらしかったです。

井上:山崎さん、なかなかそのリアクションはしにくかったですか。

山崎さん:しにくいですよね、私たちはね。

保里:どの発信も魅力的で、本当に前澤さんがよりぐっと身近に感じさせてくれているなと感じました。さあ、ことし各社が実現した宇宙旅行、改めてどういったものなのかご覧いただきたいと思います。

前澤さんが滞在している、国際宇宙ステーション。高度400キロ付近で地球を回っています。スペースX社は、これよりも200キロほど高い軌道を3日間周回する宇宙旅行を実現。費用は1人当たり数十億円とみられています。そして、ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙旅行は高度85キロ。さらにアマゾン創設者ジェフ・ベゾス氏のブルーオリジン社は高度100キロ以上で、数分間の無重力体験ができます。ことし20人ほどが参加したということです。その価格はそれぞれおよそ5,000万円のヴァージン社、そしておよそ3,000万円のブルーオリジン社と見られています。
まさに各社、しのぎを削っているというような感じですが、山崎さん、宇宙旅行は将来的に私たちにどれほど身近なものになっていくと見ていますか。

山崎さん:数分間宇宙に滞在するという宇宙旅行であれば、恐らく10年20年後ぐらいには数百万円レベルに下がるでしょうし、その後ももっと下がるでしょうから今の海外旅行に近い感覚になっていくと思います。一方ですね、数日間宇宙に滞在をするという宇宙旅行ですと、まだしばらく億単位の費用がかかるとみられています。しかし、職業宇宙飛行士だけでなく、例えば民間の企業から出張で派遣されるというケースも出てくると思います。

保里:年齢も含めて、さまざまな方が挑戦を実現してますね。

山崎さん:幅が広がってきていますね。

保里:そうした挑戦には訓練は必要になってくるということですね。

山崎さん:はい。安全のための訓練であったり、また日本では人工衛星を打ち上げる宇宙活動法がありますけれども、人を宇宙に運ぶ法律はまだないので、いろいろな環境整備も必要になると思います。

保里:そうした中で今、開発が進められているのが未来の驚きの交通手段です。こちらはニューヨーク。100人の乗客がボートで向かうのは、ロケットの打ち上げ場です。

ロケットが打ち上がり、宇宙空間へ。時速2万7,000キロで向かった先は、日本を通り越して上海。僅か39分で到達しました。

井上:ずいぶんダイナミックな時短ですね。

山崎さん:そうですね。宇宙船が宇宙に行くためだけではなくて、こうして地上の輸送手段として使われると時間と空間の考えがまさに覆ってくると思います。

井上:今見ると、観光だけではなさそうですね。そういう意味では産業の広がりが。

山崎さん:ええ。ビジネスの出張としてももちろん使えると思います。

井上:先ほど見た未来は、実際どれくらいで実現できそうなんですか。

山崎さん:先ほどビデオに出ていたスターシップという宇宙船は、NASAから人を月面に送る月面着陸機としても選定されていて、2025年以降着陸というタイムスケジュールなんです。ですから、このスターシップが地上の輸送としても10年以内に使われる可能性があると思っています。

保里:この宇宙旅行の時代が本格化することを見据えて、日本の企業も独自の技術でビジネスチャンスをつかもうとしています。

宇宙旅行新時代 "全自動制御"で挑む日本企業

この飛行機のようなロケットは今、開発が進んでいる宇宙船です。乗客6人を乗せ、高度100キロ付近まで飛行し、数分間の宇宙を楽しむことができます。

世界の主要都市を1時間以内に結ぶ、世界初の旅客機としての使用も視野に入れています。

手がけるのは日本のベンチャー企業。先行している海外企業に追いつこうと実用化を急いでいます。開発を率いる米本浩一さん。

SPACE WALKER 米本浩一取締役CTO
「これが実際に打ち上げた有翼ロケット実験機の機体になります」

米本浩一取締役CTO
「2030年までに(宇宙旅行を)実現したいです」

鍵となるのは自動制御技術。大手重工メーカーに勤めていた米本さんが、35年前から開発を続けてきたものです。オートパイロットと呼ばれ、打ち上げから着陸まで全自動で飛行することを可能にします。

およそ10年をかけ、無人機を上空1.5キロから投下し、着陸させることに成功。実用化に向け、着実に開発を進めていました。

ところが。日本の主力ロケットだったH2が打ち上げに失敗したことで、宇宙開発予算が大幅に見直されます。米本さんのプロジェクトは、宇宙空間にたどりつく前に打ち切りに追い込まれました。

米本浩一取締役CTO
「簡単に諦められないような悔しい思い。人が新大陸を発見して、そこに移り住んで、次はどこかというと宇宙なので、そこを目指した移動手段、乗り物というのをみんなの手で造りたい」

その後も米本さんは、大学の研究者として開発を続け、打ち上げから着陸までオートパイロットで実現するめどをつけました。

開発は今、最後の仕上げの段階。さらに、コストの面でも優位に立とうとしています。

米本浩一取締役CTO
「これ、2年後にヨーロッパで飛行実験するためのダミーの機体です」

この機体に使おうとしているのが、鉄より強度があり、軽量なカーボンを材料とした素材です。

機体を軽くすれば燃料費を抑え、打ち上げコストをさらに下げることができます。

米本浩一取締役CTO
「アメリカはもうすでに有人宇宙輸送を始めた。日本のこれまでに培った技術をもってすれば、そこに負けないようなものができる」

今、世界の宇宙開発はさらに拡大しようとしています。2019年、NASAが発表したアルテミス計画。2030年以降、月面に基地を建設し、人が生活できることを目指しています。

こうした動きの中で、日本のベンチャー企業も動き出しています。

「こちらが今まさに開発中の月面着陸船になります」

この会社では、月の探査や建設に必要な物資を運ぶ宇宙船を開発しています。

成功を引き寄せるために積極的に取り入れているのが、さまざまな分野の日本企業が持つ先端技術です。

「シチズン時計さんの場合は、技術をこのランダー(着陸船)の脚の部分に使わせていただいています」

脚の付け根には、シチズンの軽量で硬い素材を使った効果的に衝撃を吸収する技術。さらに、内部の配管には無駄な抵抗を減らす、日本航空の溶接技術。そして、構造には自動車やバイクの衝撃テストを繰り返し、実績を積むスズキの解析技術が使われています。

ispace 袴田武史CEO
「日本は加工技術とか、組み合わせの技術は強い。そういった特性を航空宇宙業界でさらに活用するということはできるんじゃないかなと思っています」

打ち上げ時の振動に耐えるための検証などを繰り返し、来年、民間企業初の月面で実証実験を行う予定です。

小型衛星開発の第一人者で31年間宇宙開発に携わる中須賀さんは、日本の技術を生かせば後れを取り戻せる可能性は十分あると指摘します。

東京大学 航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授
「アイデアもあるし、技術開発において日本はそれなりに頑張れる力を持っている。これは世界中で認めている。宇宙以外の分野の人たちのコラボレーションをいかに使うか、過去の技術をいかにもう一回復活させるか。こういったことを組み合わせていけば、宇宙開発の分野ではアメリカなどに後れを取っているけれども、キャッチアップできる可能性は十分にあると思います」

宇宙旅行新時代 私たちに何をもたらすのか

保里:番組を最初からご覧になりたいときは、以下のリンクからご覧いただけます。

井上:山崎さん、ここまで見てきた宇宙競争の中で日本は今どこに立っていると思いますか。

山崎さん:例えば小惑星リュウグウから探査機はやぶさ2がサンプルを持ち帰るなど、世界最先端の技術を日本は持っています。また、国際宇宙ステーションの信頼ある技術が評価されて、NASAのアルテミス計画にも参画しています。片や有人輸送機に関してはアメリカに比べて後れを取っている現状ですけれども。

井上:人を運ぶ技術ですね。

山崎さん:そうなんです。ただ、有人輸送機も1種類ではなくて大型、中型、小型、垂直、水平いろいろな種類が今後必要になりますし、日本が開発中のH3ロケットであれば、電子部品の9割が自動車の部品を使用しているんですね。そういう形でたくさんの技術を連携して組み合わせていくことで、人が乗る有人輸送機だけではなく、たくさんの宇宙開発が活性化していくことを期待しています。

井上:その点ですが、VTRで見たような日本企業とかベンチャーも含めてですけど、オールジャパンで臨む可能性はどんなことがあるんですか。

山崎さん:日本が持っている素材、材料、電子部品、たくさんの技術を結び付けていくと。それによって今まで宇宙と関わっていなかった企業さんがたくさん入ってくることによって、さらにエコシステムが広がっていくという循環ができてくると思っています。

井上:あと、どうしてもアメリカの勢いだったりスケールを見てしまうと、日本はまだまだなのかなと思うんですが、どんな課題があると思いますか。

山崎さん:まず1つがスピード感と、あとリスクを許容することだと思っています。アメリカのスペースXに見られるように、たくさん失敗を繰り返しながらリスクをとって、前に進んできています。それを支えるための国の支援などもあったりします。日本でも、失敗をしてもきちんと後押しできるようなリスクマネーの供給であったり、初期需要を支える制度だったり、社会的に風潮が出てくるといいなと思っています。

井上:何がいちばん必要ですか。

山崎さん:まずスピード感を持って、目標をきちんとみんなで共有するということだと思っています。

保里:これからを考えていく上でも、今私たちが暮らす地球上に環境問題だったり格差だったりさまざまな問題があるという中において、いろんな見方があるわけですね。例えばジェフ・ベゾス氏が宇宙に行った際には宇宙から帰らないでという署名が10万以上集まったということで、宇宙旅行が金持ちの道楽だという見方もある、そういった中において山崎さんはこの宇宙開発の意義、どのように考えていますか。

山崎さん:地球の課題解決と宇宙への投資はゼロ-1(ぜろいち)ではないと思っているんです。例えば、地球環境の課題解決に必要なデータも半分くらいは人工衛星のデータを使ったりしています。また、通信衛星を使いながらインターネットを世界に普及させることで、今までインターネットが普及していなかった地域の情報格差、教育格差をなくそうという動きもあります。

保里:本当に宇宙に行くことでかえって地球を考えられるきっかけにもなるのかもしれないわけですが、今月はそのJAXAが新たな宇宙飛行士の募集を始めたりですとか、アメリカやヨーロッパでも宇宙飛行士を増やそうとしている。世界が有人探査を目指していく意義はどんなところにあるんでしょうか。

山崎さん:人が行くということで衣食住すべて関わってくるので、産業のすそ野が広がります。また、前澤さんも話されていたように宇宙船の中、水、空気、ゴミ、すべてがとても大切に考えないといけない。そうしたイノベーション、考え方が地球の持続可能性にもつながってくるはずです。人類が本当に宇宙に行くべきかどうか賛否両論ある中ですけれども、宇宙から地球の課題を解決するという可能性を広げるということは未来に対する選択肢の1つだと、可能性の1つだと考えています。

保里:まさに分岐点にあるということですよね。

山崎さん:はい。

井上:実際どうですか。この先どんな可能性をいちばん期待されていますか。

山崎さん:私も宇宙に行くまで宇宙が特別と思っていましたが、実際に行ってみて地球のほうが特別だと思いました。そうして“宇宙船地球号”という考え方をきちんと広めていく。そのためにみんなで協力をしていくことが大切だと思います。

井上:また宇宙には行かれますか?

山崎さん:行きたいですね。

井上:ありがとうございました。


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