クローズアップ現代

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2021年7月14日(水)
大谷翔平 歴史をつくる大旋風

大谷翔平 歴史をつくる大旋風

“二刀流”大谷翔平選手が“歴史”をつくろうとしている。大リーグ史上初の投打でのオールスターゲーム出場、日本選手初のホームラン競争出場、そしてシーズン半ばにして日本選手最多の33号。その規格外の魅力を徹底解明していく。驚異の打法を専門家と解析すると、ホームラン王を4回獲得したあのレジェンド打者との共通点が浮かび上がってきた。さらに、常に笑顔で全力プレーを貫き、女性や子どものファンをひきつけてやまない大谷選手。その原点を辿ると、感謝や礼儀といった“人間性”を磨き続けてきたことも明らかに。唯一無二の存在として愛される、人間・大谷翔平に迫る。

【関連記事】
大谷翔平 データが語る打撃の進化 元ドジャース・斎藤隆さんが投手目線で解説

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから

出演者

  • 斎藤隆さん (NHK大リーグ解説・ドジャースなどで活躍しオールスターゲームにも出場)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

レジェンドも絶賛 驚きの長打力

大谷選手の活躍を、大リーグのレジェンドたちも絶賛しています。通算219勝。殿堂入りを果たしたペドロ・マルティネスさんは…。

ペドロ・マルティネスさん
「大谷は信じられない選手だ。テレビゲームで完璧な選手を作り上げるみたいだよ。完璧な肉体、完璧なメンタル、非の打ちどころがない。大谷は機械が生み出したようだ。人間の理解を超越している」

歴代4位、通算696本のホームランを放ったアレックス・ロドリゲスさん。大谷選手が出場していない試合の解説中にもかかわらず…。

アレックス・ロドリゲスさん
「大谷は人間じゃないですね。きょうのアナハイムでのホームランはありえない飛距離だったよ」

実況
「マジかよ!最上段の通路まで届いたぜ!」

あまりの飛距離にチームメートもこの表情。

日本選手最多ホームラン記録を塗り替えられた松井秀喜さんは、大谷選手をこう評しています。

松井秀喜さん
"彼こそが、真の長距離打者だと感じます。大リーグの常識を変えた、唯一無二の存在です"

徹底分析! ホームラン量産の秘密

ホームラン量産の秘密は何なのか。

データ解析の専門家と共に分析すると、ホームランを打った球のコースが今シーズン、大きく変化していることが分かりました。

データスタジアム アナリスト 小林展久さん
「(ホームランを)まんべんなく打てるようになったのが、ことしの進化した点だと思います」

青の点は、大リーグに移籍した2018年に、どのコースの球をホームランにしたかを示しています。腰の高さが中心で、広がりは限定的でした。

ここに、ことしのデータを重ね合わせると…。インコース高めやアウトコース低めなど、範囲が格段に広がり、難しい球もホームランにしていることが分かります。

小林展久さん
「大谷選手の対応力の高さかなと思います。幅広くホームランが打てる選手はなかなかいないので」

アウトコース低めの球は、すくい上げてスタンドへ。

インコース高めの球も…。

さらに、誰もが驚く一発も繰り出しました。

実況
「なんということだ!なんということだ!ショウヘイに不可能はない!」

明らかなボール球。

今シーズン、大リーグで地面から2番目に高い位置で打ったホームランでした。

大谷翔平選手
「いいコンタクト(当たり)をしたら、勝手にホームランになると自分では思っているので。詰まっても先っぽに当たっても。いいスイングができれば、高くても低くても、内角でも外角でも、ホームランにできるとは思っています」

なぜ、どんなコースでもホームランを打てるのか。対応力の秘密を解く鍵は、ある伝説のスラッガーにあります。

記者
「大谷のような選手を過去に見たことがあるか?」

エンジェルス ジョー・マッドン監督
「打撃に関しては、まさにケン・グリフィー ジュニアだ」

マッドン監督が大谷選手と重ねた、ケン・グリフィー ジュニアさん。1990年代にホームラン王を4回獲得し、殿堂入り。その滑らかなスイングはメジャー史上、最も美しいと評されています。

大谷選手とはどんな共通点があるのか。動作解析が専門の川村卓(たかし)さんに、2人のスイングを比較してもらいました。

筑波大学 体育系 准教授 川村卓さん
「映像を見ていただきたいんですが、すごく美しいですよね」

川村さんが特に注目したのが、左ひじの使い方です。2人とも、ひじを畳みながら、体の内側に引き付けるようなコンパクトな動きになっています。

川村卓さん
「体に巻き付くように振れるということで、コンパクトに振れる。コンパクトに出せることによって、ぎりぎりまでボールをひきつけて、一気にミートポイントまでバットを運ぶっていう、そういうことができるために、いろんなボールに対応が出来る。たとえば高めや低めもそうですし、変化球やまっすぐも。しかも、左右のインコース、アウトコースにも」

さらに川村さんは、大谷選手ならではの特徴も指摘しました。

ボールを打つ瞬間。ケン・グリフィー ジュニアさんの上半身は、腰に対し、ほぼ垂直になっています。一方、大谷選手は後ろに大きく反り返るような姿勢になっています。

そうすることで、より下から振り上げるアッパースイングが可能となり、低めの球にも対応できるといいます。

川村卓さん
「本当に大谷君オリジナルだなと思いますね。背中やお尻、ハムストリング(太ももの裏)といった、このあたりの筋肉がしっかりと体を支えるようにできないと、スイング自体に体が負けてしまうということがあるわけです。最初見たときには、これで打てるのかなと思ったんですけれども、実際やってのけている。そういう意味では、ケン・グリフィー ジュニア以上のものがあるんじゃないかなというふうに思いますね」

こうした体の使い方について、大谷選手自身も今シーズン、より意識していくと語っていました。

大谷翔平選手
「軸足をしっかり使えるように。(軸足に)しっかり乗っていないと、どうしても飛距離を出しにいくときに体のひねりだったりとか、上半身のローテーション(回転)で飛ばしたくなる傾向があるので」

スポーツ医学が専門の馬見塚(まみづか)尚孝医師は、ひねりや回転に頼らない打ち方がホームラン量産につながっていると見ています。

スポーツ医学が専門 馬見塚尚孝医師
「(会見で)上半身のローテーション(回転)で打たないほうがいいとありましたが、上半身の回転で打つ以外の方法としては体を曲げる、"ベンディング(屈曲)"。まず右の脇のラインを縮めて、それから左の脇のラインを縮めて打つ」

脇のラインを曲げることで、軸足となる左足に体重を乗せやすくなるといいます。

馬見塚尚孝医師
「左足に体重がしっかり乗せられることによって、下半身のエネルギーをバッティングに伝える。ローテーション(回転)ではなくて、ベンディング(屈曲)を主にしたバッティングスタイルに変えられたのが、ことしの活躍の要因のひとつだと思っています」

今シーズン、大谷選手の安打に占める長打の割合は、実に67.1%。トップのバリー・ボンズさんに肉薄する、歴代2位を記録。「野球の神様」と言われるベーブ・ルースや、シーズン70ホームランを放ったマーク・マグワイアさんをも上回っています。

川村卓さん
「まねしたいと思っている選手もいると思うんですけど、まねできないくらいの。もうメジャーリーガーの中でも、抜けた存在になってしまっていると。メジャーリーガーに匹敵するのではなくて、もうひとつ上を行ってしまっている」

元メジャークローザーが見る打撃の進化

井上:ドジャースでクローザーを務めるなど、メジャー5球団で活躍され、オールスターゲームにも出場した斎藤隆さんです。よろしくお願いします。

斎藤さん:よろしくお願いします。

井上:14日にもオールスターの解説をしていただきましたけど、大谷選手の活躍、進化というのはどう見ていますか。

斎藤隆さん (ドジャースなどで投手として活躍)

斎藤さん:肉体が一回り、二回りも大きくなりましたね。それに伴って、今まさにわれわれは大谷翔平という選手の覚醒の途中を見させていただいているような。そんな感じを僕は受けています。

井上:今までとどういうところがいちばん違うと思いますか。

斎藤さん:本来、肉体というのは大きくなれば必ずパフォーマンスが上がるというものではないのですが、大谷選手は大きくなった体を持て余すことなく、すべてパフォーマンスに反映させているところは覚醒しているなという感じがしますね。

井上:肉体が大きくなってもパフォーマンスの向上につながるわけではないというのは、どういうことですか。

斎藤さん:必ず脳を経由して動きに反映させますので、大きくなっても普通はすぐには感覚がつかめないのですが、大谷選手は例えば打つことも投げることもそうですが、走ることに関してもそうですね、スピードが落ちることがありません。ただただすごいレベルを上げていってる。これは超人的なことですね。普通ではなかなかできることではないです。

保里:どんどん適応を見せて、脅威となっているわけですよね。大谷選手のホームランコースを示した図をご覧いただきたいと思います。斎藤さん、格段に広がっているわけですよね。

斎藤さん:これだけのゾーンがホームランとして表れているわけで、本当にピッチャーとしては投げるコースがほぼない。若干空いているゾーンはありますが、これを弱点とするかというと、決してそういうことではないような気がしますね。

保里:本来であれば、苦手なコースはあるわけですよね。

斎藤さん:あります、あります。大抵得意なゾーンの近くに、苦手なゾーンがある。紙一重のところでピッチャーとバッターは戦っているのですが、言うまでもなく苦手なゾーンがほとんど見当たらない。

井上:ボール球も打ってしまいますからね。

斎藤さん:どうやって打ったのかという感じですね。

保里:この驚異的な図を見て、斎藤さんだったらどう攻略されますか。

斎藤さん:正直投げるところがないなということなのですが、ずっと見ていると、やはりまだ左ピッチャーが投げる外に逃げるカーブとか、スライダーのゾーンに関してですかね。縦に落ちたり逃げたりというボールに関しては、少しだけまだ弱点として残っているかなという感じはします。大体ピッチャーというのは、ここに投げてはいけないとか、そういう意識をすればするほど、なぜか吸い込まれるようにいいバッターには投げてしまうという。こういう不思議な現象が超一流を相手にすると、ピッチャーはなってしまうのです。

保里:メンタルの部分もあって、最近のホームランでも…。

斎藤さん:このホームランに関しては、なんであんなところに投げるんだと。33号のホームランはみんな思ったのです。これは、ピッチャーがそこについつい行ってしまうのです。

井上:意図せず、そっちに行ってしまうと、なるほど。ホームランもさることながら、もうひとつ興味深いデータがあります。積極性についてなのですが、ファーストストライクスイング率とあります。これは、ストライクゾーンに来た最初のボールをスイングする割合です。今シーズン6割を超えていまして、何と33本のホームランのうち、3分の1にあたる11本をしとめているのです。これも、ピッチャーとしては脅威じゃないですか。

斎藤さん:そうですね。本来ピッチャーというのは、タイミングを外すことに全集中をしているといっても過言ではないわけです。そのため、変化球を投げたり、まっすぐを投げたりするわけですが、駆け引きのタイミングですよね。それをずらすためにやるのですが、初球からあれだけのパーセンテージでバットをフルスイングして、かつホームランも11本という数字になるわけですね。われわれピッチャーとしては、皆さんが思っている以上に脅威的な数字だということです。

井上:およそ10%の違いだと思ったのですが、バッターとしては違うのですか。

斎藤さん:これは全く違いますね。対戦するピッチャーとしてはこういう数字が上がっていくことによって、大谷選手との対戦がよりしづらくなる。投げるところがなくなるといっても過言ではないですね。

井上:大谷選手のデータ解析と、斎藤さんの解説は関連記事からもご覧いただけます。

保里:このように大躍進を遂げている大谷翔平選手ですが、野球の母国、アメリカを熱狂させているのは二刀流というプレースタイルや、成績だけではありません。

アメリカを魅了する"人間性"

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズです。ベーブ・ルース以来、100年ぶりに現れた二刀流、大谷選手の活躍を異例のまるまる1ページを割いて特集しました。

記事を書いた、取材歴30年以上のスコット・ミラー記者です。伝統的に偉大な挑戦には、人種や出自に関わりなく、惜しみない称賛を送ってきたアメリカ。いまこそ、大谷選手のことを広く伝えたかったといいます。

大リーグ取材30年以上 スコット・ミラー記者
「大谷選手の活躍を見ていると、本当にうれしくなるんだ。野球に興味があっても、なかったとしても、彼がやっていることは超人的で、本当に驚くべきことだと気づいてほしい」

近年、人気の低迷もささやかれていたメジャーリーグ。大谷選手に魅せられ、新たにファンになる人が急増しています。今、球場で目立つようになったのが、子どもや若い女性たちの姿です。

ケイリー・リンクさん、25歳。近年の活躍をきっかけに、ファンになった一人です。

13日。ホームラン競争に出場した大谷選手を、両親と一緒に応援したケイリーさん。

ケイリー・リンクさん
「落ち着いて」

大谷選手の最大の魅力は、フィールド上でかいま見える、その人間性だといいます。

ケイリー・リンクさん
「あんなキュートな人、いままで見たことがないわ。性格がいいのね」

特に目を奪われたのが、打者としてたとえアウトになりそうでも全力疾走する姿。そして、落ちているゴミをさりげなく拾う姿でした。

ケイリー・リンクさん
「ベースにいく途中でゴミを拾う選手なんて、初めて見たわ。審判に呼ばれてチェックを受けるときも、ほほえんだりして優しい人なの」

実は、ケイリーさんは今、最も熱烈な大谷選手のファンとして知られています。

「私とデートしませんか」と書かれたプラカードを掲げて応援する姿が、SNSを通じて世界中に拡散されました。

「この日本語はあなたが書いたのですか?」

ケイリー・リンクさん
「そうなの!Googleで一生懸命調べたんです。こんなふうに誰かをデートに誘っても大丈夫なのかなって。日本の文化がわからないでしょ。強引なやつだと思われたくなかったの。ある日、私たちは目が合って、ボードを読んでくれていることに気づいたの。最高だった。忘れられないわ」

看護助手として働く、ケイリーさん。コロナ禍で緊張を強いられる日々、常にひたむきな大谷選手の存在が支えになっているといいます。

ケイリー・リンクさん
「何かで落ち込んだりしても、大谷選手を見ると元気が出るし、『大丈夫、落ち着いて』と考えられるようになるんです。いったん立ち止まって休んだら、また頑張ろうって」

原点は野球を愛する"ひたむきさ"

多くの人を引き付ける大谷選手の人間性は、いつ、どのように培われたのか。母校、花巻東高校の野球部で、一緒に甲子園にも出場したチームメートに話を聞くことができました。

当時から超高校級選手としてプロからも注目されていた、大谷選手。おごり高ぶることはなかったといいます。

チームメート 消防士 一児の父 小向宏樹さん(27)
「人の悪口を言わないですね、いま振り返って聞いたことないんで。だから結構まわりに人が集まるんじゃないかなっていうのは」

チームメート 後輩 甲子園で活躍 千葉翔太さん(26)
「下の人にも優しいです。同級生と話すときと変わらない」

その人柄をうかがい知る、一枚の紙があります。高校1年生のとき、大谷選手が書いた目標設定シートです。

野球選手として成功するために欠かせないことの一つとして挙げていたのが、「人間性」。そしてその人間性を高めるために、「思いやり」や「礼儀」を大切にし、「愛される人間」になると記していました。

チームメート 金融機関勤務 古水将寛さん(27)
「みんなから応援されるのが、自分たちの力につながる。選手一人一人が愛されるというのが大事だと思うので、(周囲への)感謝、それを翔平が率先してやっていたのかなと思います」

14日のオールスターゲームでも見せた、大谷選手のこの行動。

ゴミを拾うことも、シートに書かれていました。

古水将寛さん
「ゴミを拾うと運を拾うみたいなことを(監督は)おっしゃっていたので」

小向宏樹さん
「自分たちが一緒にやってきたときのまま、メジャーでもそういうところもちゃんとやっているというか。そのままやってプレーしているんだな。それが共感を得ているんじゃないかな」

そんな大谷選手にも高校時代、大きな挫折があったといいます。

けがの影響による調整不足で臨んだ、春のセンバツ高校野球。初戦の相手は現在、阪神の藤浪投手を擁する強豪、大阪桐蔭高校。大会屈指の本格派ピッチャー同士の対戦に注目が集まりましたが、後半9失点と打ち込まれ大敗を喫しました。それでも、大谷選手がぶれることはありませんでした。逃げずに自分と向き合い続けていたといいます。

古水将寛さん
「彼自身きつかったと思いますし、悩んでいたと思いますし、苦しかったんだろうなっていうのは、いま思えば思いますね。それで夏、160キロ(の球速を)出せるようになったのかなと」

どんなときも野球と真摯に向き合う、ひたむきさが大谷選手の飛躍につながっている。そう考えるのは、日本ハムに入団した当初から投手コーチとして指導してきた、黒木知宏さんです。プロ入り後、肉離れなど、たび重なるけがや足首の手術に直面しても、大谷選手はメジャーで活躍するという大きな目標を見失うことはなかったといいます。

日本ハム時代の投手コーチ 黒木知宏さん
「うまくいかないことは多いんですけど、うまくいかないことでも、それをプラス材料としてちゃんと捉えているし、常に前向きですからね。スポンジのように、どんどん吸収して外に出していくというのが大谷選手なので」

なぜ大谷選手は、そこまでひたむきになれるのか。黒木さんは迷いなく、こう答えました。

黒木知宏さん
「一番根底にあるのは、野球が大好きでしょうというところ。好きなものに真摯に向き合うし、好きだからこそ雑にしたくないし。やはり彼はニコニコしながらグラウンドを駆け回って、そしてチームを喜ばす。人を喜ばす。野球小僧。『そうです、僕野球小僧です』というふうになると思います」

アメリカが求める"新たなスター"

井上:大谷旋風ですけれども、野球を超えて社会現象になっているといっても大げさではないと思うのですが、斎藤さんはどう見ていますか。

斎藤さん:オールスターでもアニメになったという話もありましたが、スーパーヒーローを扱うような感じで、今取り上げられていますね。もともとFAではなく、ポスティングという形でメジャーに挑戦したわけですが、そのとき2016年、私はパドレスの球団職員として交渉の場につかせてもらったのです。そのときもプレゼンをさせてもらったのですが、われわれ当時のパドレスは交渉の席に着きましたが、ニューヨーク・ヤンキース、あるいはボストン・レッドソックスといった球団が、数億円かけて準備をしたプレゼンテーション、その席にさえつかせてもらえなかったわけです。その状況をニューヨークのファンもボストンのファンも理解した上で、その上で大谷翔平がニューヨークやボストンに来たとき、思わず一挙手一投足に歓喜、声援を送る声を上げてしまったという。そのときにアメリカが、大谷翔平を認めたということになったのかなと思いますけどね。

井上:斎藤さんのプレゼンの話、初めて聞きましたが、実際どういうことが受け入れられたのだ思いますか。

斎藤さん:本当に二刀流できるのかと。我らの野球の神様、ベーブ・ルースのようなことが本当にできるのかという疑いの目しかなかったと思うのですが、それを目の当たりにして、これは認めざるをえないなと思ったのだと思います。

保里:バーチャルの世界も超えるような活躍ですよね。

斎藤さん:そうですね。

保里:現地メディア、ファンからも人種差別など分断が広がっているアメリカで、大谷選手は希望の光だと。そういった声も上がっているわけですが、斎藤さんはどのように感じますか。

斎藤さん:もちろん大谷選手もそういったことを理解してないわけではないと思いますが、むしろ大谷選手は今まさに自分が二刀流で、メジャーでどれだけ通用するのかということを必死でやっていると思うのです。そこに、勝手にわれわれが何かさまざまなことを大谷選手のメッセージとして受け取ってしまっている。そういったものを取り省いて今は、大谷選手にただただ純粋に野球に取り組んでほしいという思いがありますね。

井上:斎藤さんが、スーパースターではなくスーパーヒーローと表現されてもしっくり来ますね。ありがとうございました。