クローズアップ現代

毎週月曜から木曜 総合 午後10:00

Menu
2020年10月1日(木)
コロナ禍なのになぜ購入? 追跡!都心の不動産売買

コロナ禍なのになぜ購入? 追跡!都心の不動産売買

新型コロナウイルスの感染拡大で、都心離れ・郊外志向が加速するかと思いきや、いま、都心の不動産の購入や投資が活発化するという意外な動きが広がっている。家賃やローンが払えず自宅を手放す人がいる一方、「在宅勤務を経験し、通勤時間の無駄に気づいた」という高所得者層を中心に、都心の好立地のタワマンなどの人気が再燃しているのだ。さらに、都心の商業施設やオフィスではテナントの撤退が相次ぎ、空室率が上昇。それでも、コロナ禍で価格が乱高下している世界の他都市に比べ、東京の不動産価値は底堅いとして、海外の巨大ファンドが金融緩和であふれた投資マネーを注ぎ込むという“いびつな”実態も明らかになってきた。一体何が起きているのか、最前線の現場に迫る。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから ⇒https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/WV5PLY8R43/

出演者

  • 長嶋修さん (不動産コンサルタント)
  • 野澤千絵さん (明治大学政治経済学部教授)
  • 武田真一 (キャスター) 、 小山 径 (アナウンサー)

高まる都心人気はなぜ?

今、都心に家を購入しようという動きが過熱しています。先月(9月)、東京・湾岸エリアにある駅直結のタワーマンションで行われた見学会です。

マンション 仲介会社 藤田祥吾さん
「湾岸らしい眺望ですよね。」

売りに出された部屋は都心が一望できる築13年の2LDK。分譲されたときの価格は4,500万円ほどですが、今回、8,100万円という2倍近い値段で売りに出されました。にもかかわらず…。

藤田祥吾さん
「どうぞ。」

「どんどん来られますね。」

藤田祥吾さん
「すごいですね、ちょっと追いつかないですね。もう2人ぐらい営業は必要でしたね。」

この日は、不動産会社が想定していた倍以上の13組が見学に訪れました。

見学に来た客
「新型コロナでいろんな考え方が変わった部分もあって、これを機に(家を)探そうかって。」

藤田祥吾さん
「対応しきれないくらい購入相談が多い。驚いている状況です。お金が余っている方と、そうではない方の差がすごい多い。」

新型コロナの影響で地方移住が進むという見方もある中、なぜ都心の家が人気なのか。7月、大手人材情報会社が在宅勤務を経験した人に行ったアンケートでは、およそ60%の人が「都心に住みたい」と回答。その理由は、「通勤時間の短縮」などの利便性を重視したものでした。

2人共フルタイムで働く30代の夫婦は、7月に有明の新築マンションを5,000万円台後半で購入しました。


「ここはテレワークで使う部屋になります。」

東京駅近くに通勤する夫は、感染が拡大し始めた2月以降、在宅勤務になりました。そのとき、郊外への移住も考え、千葉県や埼玉県などの物件もいったんは検討しました。しかし、緊急事態宣言の解除で出勤を再開すると、在宅勤務に慣れた分、通勤に費やす時間を負担に感じるようになったといいます。夫は大手コンサルティング会社に勤め、新型コロナによる収入への影響は受けていません。価格は高くても、自転車で通勤できる場所に思い切って家を購入したのです。


「週に1・2回とはいえ職場に行かないといけないので、やっぱり郊外よりは通勤に時間がかからないところがいい。新型コロナとの共存という意味では、いい街なのかなと。遊びに出る機会も増えてきたし、やっぱり(都心に)近いに越したことはない。」

都心の人気急騰を支えているのは、一定の収入がある人たちです。新型コロナの収入への影響を調べた調査では、所得が低ければ低いほど、収入が減少した人の割合が高くなっていました。

収入が減った人の中には、家賃やローンを払うことができなくなり、住まいを失う人たちも少なくありません。

コロナ禍で住宅への投資 過熱

こうした中、新型コロナの影響で手放された物件を購入しようという動きも出てきています。
不動産投資家の李天琦さんが、契約を即決するために用意した現金で購入したのは、相場より割安だと考えたマンションでした。

不動産投資家 李天琦さん
「世の中がパニックなときほど、市場のボラティリティ(価格変動)は高い。市場のひずみを取れるので、非常に投資家にとってチャンス。」

李さんが駆使するのは、みずから作ったAIシステム。家主などが手放して売りに出されたマンションの情報を自動的に集めて分析し、AIがはじき出した価格より安くなっている物件を探し出します。

李天琦さん
「相場よりは2割ほど安いといったような物件ですかね。実際にこちらの物件に電話してみます。」
「(居住者は)新型コロナの時期に退去された感じですか?」

李さんは、コロナ禍に見舞われたこの半年で、1億円以上を投じて都心の物件を8件購入しました。
この日、AIが1件のマンションを勧めてきました。新宿区にあり、駅から徒歩5分の好物件です。迷うことなく購入を決めた李さん。早速、不動産会社を訪ねました。値引き交渉の結果、即金で支払うと伝えて700万円に値引きして購入。AIが査定した1,100万円の相場価格より、4割ほど安く入手しました。

不動産仲介会社
「あり得ないくらい、いい場所。最近(問い合わせの)電話じゃんじゃん鳴ってる。李さんが早かったし、買い付けが早い者が勝ちなので。」

ところが、これで終わりではありませんでした。李さんはすかさず、この物件を売りに出しました。購入金額に300万円を上乗せして1,000万円で募集をかけたところ、即日、別の投資家から購入したいと連絡が入ったといいます。

李天琦さん
「新型コロナの影響で、本来であれば非常に割高な物件でも安く売らざるをえない理由があると思うので、(物件の)買い付けをどんどん入れていきたい。」

コロナ禍で進む都心の不動産売買。その背景をさらに考えます。

今も高い都心人気 なぜ?

武田:首都圏の不動産事情に詳しい長嶋さん。コロナ禍で厳しい暮らしを余儀なくされて、家を失う人が増えている実態。この番組でも再三お伝えしてきたんですが、一方で、そうした物件を買う人もいて、都心の高級物件の人気は衰えていない。東京の不動産を巡る状況をどう捉えたらいいのでしょうか?

ゲスト長嶋修さん(不動産コンサルタント)

長嶋さん:今ひと言で言うと、非常に活況と言っていいでしょうね。一時は緊急事態宣言中、4月、5月辺りは取引が半分になってしまってどうなるかという状況もあったんですけれども、緊急事態が明けて以降、6月、7月、8月、そして9月あたりになると、その抑えられていた需要が特に都心部を中心として噴き出すような形で、比較的、いわゆる“パワーカップル”と言われる共働きの世帯とか、所得にあんまり影響を受けていない人たちを中心として、大活況を呈していると言っていいでしょうね。ただ、こういう動きというのは、新型コロナの状況がこの程度だったからということもあって、特に緊急事態宣言中は、不動産の物件検索サイトの中では鎌倉とかさいたま、千葉みたいな郊外を探す人も多かったんですが、今はまた元に戻ったという状況です。

武田:テレワークなどが進んで、郊外に住みたいという人が増えているかと思いきや、都心に住みたい人がやっぱり6割ぐらいいて、郊外がいいという人は25%近くという状況なわけですね。なかなかやっぱり、皆さんの意識はそんなに変わってない?

長嶋さん:これも7月にアンケートを取るとこういう状況、元にほぼ戻ったということで。新型コロナの影響が長引けば、この限りではなかったと思います。

小山:東京の新築のマンションは、好調な売れ行きが続いています。
ことし(2020年)1月は、超高額のマンションが販売されたために、平均価格がぐっとこの月だけ押し上げられているんですけれども、感染が拡大した後も7,000~8,000万円ということで、以前と変わらず高い価格を維持しているというわけなんです。

一方で、コロナ禍で収入の格差が広がっていることもうかがえるデータが先ほどもありました。
3月~6月の間、新型コロナの影響で「収入が減った」と答えた人の割合は、年収1,000万円以上では21%なんですが、年収が低くなるほどその割合が高くなっています。どの層でも収入が減った人はいるわけなんですが、年収が高いほど影響を受けた人は少ないということなんです。

そして、土地の価格も二極化してきています。住宅地のデータで見ていきます。

去年はピンクやオレンジ黄色で示した地域で価格が上昇していました。一方、おととい(9月29日)発表されたばかりの、ことしのデータです。青く示された、価格が下がった地域が全体では確かに増えているんですが、都心部に注目してください。上昇幅が縮小しているとはいえ、黄色やオレンジ。地価は上がり続けています。

武田:都市政策が専門の野澤さん。東京で地価がこのように二極化している、あるいは収入格差が広がっているんじゃないかと。そういう状況が見えてきているわけで、何となく、東京の不動産の状況がいびつなんじゃないかという気もするんですけれども、どうご覧になっていますか?

ゲスト野澤千絵さん(明治大学 教授)

野澤さん:こういった状況になって、新型コロナの影響が出ている中ですので、まだちょっと結論を出すのは時期尚早かなと思っています。実需、要するに家を実際に住むということで購入する場合と、投資というものは話を分けて考えるべきかなと思っているんですけれども。ただ、世界中からマネーが集まってきているという中で、投資が過熱化することによって、本来住みたかった人が東京に住めない。家賃が上がったり、あるいは物件価格がどんどん上がっていくというようなことに対しては、きちんと対応していかないといけない。特にコロナ禍で家を追われてしまったような方に対して、きちんと手当てをするということが非常に大事かなと思っています。

武田:ここまでは居住用の不動産の動きを見てきましたが、商業用ビルを巡っても意外なことが起きていました。

都心の1等地で空室ラッシュ

商業ビルが立ち並ぶ都心の1等地にも異変が。不動産仲介業者によると、銀座で今、空室が急増しているといいます。

小山
「ここ?このテナントですか?1階ですよ。」

不動産仲介 ピュアジャパン 小松原勇部長
「新型コロナになってから、まだ次のテナントが決まらないことが増えてきています。リーマンショックのときより、1階の店舗の空き、解約が多いですね。」

しかし、本当の空室ラッシュが起きるのはこれからだといいます。

小松原勇部長
「こちらもお店は営業中ですけど、10月中旬には閉店予定。」

テナントが退去する場合、銀座ではオーナーに3か月から半年前に予告する契約が一般的です。このため、今は営業していても実は退去が決まっている、“隠れた空室”が増えているのです。銀座で11年営業してきたこの飲食店は、月額100万円余りの家賃が重くのしかかり、出ていくことを決めました。

飲食店 経営者
「賃料がいちばん重いですね。(銀座は)いいときはすごくいいんです。でも悪いときは非常に怖いぐらい。その怖さを半年以上経験している。」

不動産仲介業者の調査によると、こうした“隠れた空室”は分かっているだけで214室。すでに空いている部屋とほぼ同数に上ります。

小松原勇部長
「新型コロナの状況にもよりますが、これから10月、11月、12月、年内さらに解約が増えることは予想できます。」

空室の増加に、ビルのオーナーたちは危機感を強めています。去年、15億円をかけビルを建てた、十亀英史さん。感染拡大の影響でテナントが退去し、9フロアのうち3フロアが空いています。

銀座のビルオーナー 十亀英史さん
「新型コロナがドッカーンときましてね。それからお客さんを案内したことが全くないくらいに困っている状態。」

ビル建設のため、多額の借金を抱えている十亀さん。最悪の場合には、ビルの一部を売却することも考えているといいます。

十亀英史さん
「しょうがなかったら1フロアずつ処分していく。(入居率が)いまの状態が続けばなんとかなると思いますけど、あと2つか3つ退去されると考えなければいけません。」

世界の投資マネーが東京に

銀座で空室が相次ぐ一方、都心の一部の大規模物件には巨額の投資マネーが流れ込んでいることが分かりました。
海外の投資ファンドを専門に不動産取引の仲介をしている賣間正人(うるま・まさと)さんは、アメリカやシンガポールなどの投資家の依頼で、これまでに1兆円の取り引きを手がけてきたといいます。

不動産運用会社 賣間正人代表
「これは6年ぐらい前に約180億円で買いました。僕からしてみれば、この道は宝の山です。」

数十兆円規模の資金を運用する顧客のターゲットは、100億円以上の物件。1棟丸ごと購入し、テナントからの賃料収入で利益を生み出します。感染拡大後、賣間さんのもとには中東の投資ファンドやアジアのプライベートバンクなど、およそ20社から問い合わせがあったといいます。
この日も賣間さんは、ドイツの大手ファンドの責任者と会議に臨みました。

賣間正人代表
「ドイツ本国から運用を任されている資産はどれぐらいですか?」

ドイツ大手ファンド アジア部門 責任者 エリック・チアーさん
「不動産へ約5兆円以上。」

感染拡大後、東京は海外の投資家たちにとって、より魅力的な市場になったといいます。

エリック・チアーさん
「(東京の不動産市場は)よく持ちこたえています。いま世界の投資家は、リスクをとらなくなっています。だからリスクが低いところ(東京)に強い需要があるのです。」

なぜ東京が今、買いなのか。背景には、新型コロナによる世界の不動産市場の激変がありました。
世界の市場を分析している、大手不動産サービス会社です。アメリカやヨーロッパがロックダウンし、経済が大きな打撃を受ける中、東京の投資対象としての魅力が高まったといいます。

JLL リサーチ事業部 大東雄人さん
「経済への影響がニューヨーク、ロンドンと比べて東京は比較的、軽微であったと考えられますので、世界からの注目も集まっている状況です。」

注目されている指標の一つが、オフィスビルの空室率です。世界の主要都市はテナント離れが進み、軒並み上昇。一方、東京は、投資対象となる大規模物件については空室率がもともと低い上、感染拡大後もほとんど変化はありません。安定した賃料収入が見込めるといいます。

その結果、世界的な金融緩和で行き場を失った巨額の投資マネーが、東京に流れ込んだというのです。ことし上半期の不動産投資額は、1兆6,000億円。ロンドン、ニューヨークを抜き、世界一に躍り出ました。

大東雄人さん
「多くの投資資金が、より安定的な投資先を求めているなかで、東京というのはホットスポット、マーケットサイクルのなかで見ても、いち早く世界的にも今回の危機を抜け出す先頭集団にいると考えています。」

海外の投資ファンドを顧客に持つ賣間さんは、依頼を受けて物件のリサーチを続けています。

不動産運用会社 賣間正人代表
「僕らがいちばん狙うのは港区。ここらへんも入っている。」

この日、売り先を探しているとの情報が入った、港区のオフィスビルを見に行きました。

賣間正人代表
「これなんですよ。これなんかは僕らにとって非常にかぶりつきやすい案件。」

1等地にある150億円規模のビル。賣間さんは、契約がまとまれば顧客の希望どおりの安定した収益が見込めると考えています。

賣間正人代表
「日本はもう駄目だと言っている(海外の)投資家はいないですね。これはチャンスであり、すごく熾烈(しれつ)な戦い、両方だと思います。」

投資マネーが押し寄せる東京。今後どうなっていくのでしょうか。

なぜ?世界の投資マネーが東京に

武田:上半期に商業用ビルの投資額が世界一になった、一方で銀座のビルは空室が目立つということですけれども、こういった状況をどう捉えたらいいんでしょうか?

長嶋さん:この新型コロナの影響で、金融システムを破綻させないために日米の同時的な金融緩和は一転おさまったんですね。終わってみれば、手元に現金マネーが大量に残ったと。これはどこかに投資しないといけないんですけれども、世界を見渡すと、新型コロナの影響が比較的軽微だった、相対的によかった日本に注目が集まる。その中でも空室率の低い日本の不動産ということなんですが、このマネーというのは小規模に投資はできないので、数百億円単位というロットになりますから、そうすると、やはり東京、大阪、福岡とか大都市が中心になるんですね。

武田:銀座の小さい物件ではなくて、大きなオフィスビルに集まってくるということなんですね。野澤さんは海外の都市政策についても研究されていますけれども、世界の都市は今どんな状況なんでしょうか?

野澤さん:東京とよく比べられるニューヨークでも、多くの人が郊外に流出してしまって、空洞化が進んでいると捉えられています。例えばスマートフォンのデータを基にした調査で言うと、2020年3月~5月、市の人口の約5%、42万人もの人が郊外に引っ越したという数字もあって、それを受けて、郊外のほうの物件の成約件数が伸びていたりということで、東京は新型コロナの影響が少なかったと。今の段階ではそうなんですけれども、東京は都心、ニューヨークやロンドン、パリなどでは郊外のほうに人が流出しているという状況にあるとみています。

コロナ禍の先に何が…

小山:投資熱は高まっているんですけれども、よく見てみますと、都心の商業用のビルの空室率が上昇しているのも気になるんです。オフィスが集中している都心の5つの区の去年とことしの値を比較しますと、これから空室になるところも含めて、銀座がある中央区が2.12%だったのが、ことしは3.63%。渋谷区は1.75%だったのが5.52%ということで、3倍以上に上昇しているんです。長嶋さん、この都心のオフィスの動きは、今後どうなっていくと考えていますか?

長嶋さん:この中でも、とりわけ渋谷区の空室率が予定のものも含めて大きく上がってしまったのは、比較的、小さいオフィス、とりわけIT企業が借りているものが多かったんですよね。なので割と機動的に動けましたし、在宅勤務みたいなこともやりやすい状態でもあったということなんです。一方で、ほかの一般的な大企業、大きいオフィスを借りているところは、在宅勤務ということも今実験的な取り組みということもありますし、あと賃貸契約が3年、5年みたいな長期契約をしているので、すぐに動くということではないんです。なので、もう少し時間がたつと、数年をかけて空室率が上がっていくという可能性はあると思います。

武田:居住用のマンションや戸建てというのは、今後どういうトレンドにあるんでしょうか?

長嶋さん:居住用については、もともと人口減少、世帯数減少の局面の中で、着工戸数、発売戸数はずっと減らしているという状況だったんですね。このときには、より駅前に、より駅近に、より都心部にということで、利便性の高いものの割合がずっと高まってきたということもあって、この傾向は今後も恐らく変わりませんので、価格は恐らく落ちないというか、結果的に高止まりのように見えるような状況が、低金利である限りは続くと思います。

武田:オリンピックがあっても?

長嶋さん:オリンピックと不動産の関係というのは、先進国においてはほとんど見られませんから、そこはあまり関係ないと思います。

武田:野澤さん、コロナ禍であっても、東京の不動産に多額のマネーが集まってきているという実態が見えてきたわけですけれども、ただ、本当に効率的に住みやすい東京にするには、いろいろな課題がまだあると思うんですよね。何が求められているんでしょうか?

野澤さん:やはり東京が新型コロナであまり影響が無くて、元に戻ってよかったねということで終わってはいけないかなと思っています。東京がこれまで積み残してきた都市の問題、例えば災害の問題。あるいは過密な都市環境であったり、交通問題、通勤環境、そういったようなものを、きちんと対応していくことが大事なんですね。
そのためのキーワードとしては、やはり“ゆとりと分散”ということが非常に、それは空間としても時間としても大事かなと。そういう中で忘れてはいけないのは、地方や郊外に対して、地方回帰、郊外回帰というものを、どういうふうに流れを作っていくかということだと思っています。その中で、やはりこれからは地方や郊外がチャンスということですので、そのチャンスを生かしていくということが非常に大事なので。問われているのは、地方や郊外のやる気ということかと見ております。

武田:都心に住みたいという人が6割という状況なわけですけれども。もうちょっとこれは、みんながいろんなところに住みたいと思えるような社会の仕組みを…?

野澤さん:都心とか東京がというよりも、地方や郊外側が、これからいかに頑張っていくかということが問われているんではないかなと思っています。