クローズアップ現代

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2020年7月14日(火)
新型コロナで被害拡大  追跡!ネット通販の闇

新型コロナで被害拡大  追跡!ネット通販の闇

コロナショックをきっかけに、売り上げが急増するネット通販。一方で 「マスクを注文したら不良品が届いた」 「体温計を買ったが、いつも同じ温度しか表示されない」 など、不良品をつかまされたとの声も相次いでいる。怪しい商品の中には、 “命に関わる危険” をはらんだものも。中国メーカーなどが製造した 「掃除機用の互換バッテリー」 では、 年間40件近い火災が発生する事態となっている。なぜ不良品の販売が横行し続けるのか?番組では悪質な商品や出品者にどう立ち向かえばいいのか、ネット通販との向き合い方を考える。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから ⇒https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/WV5PLY8R43/

出演者

  • 麻木久仁子さん (タレント)
  • 宮田裕章さん (慶應義塾大学 教授)
  • 武田真一 (キャスター)

被害急増!?コロナ時代のネット通販

追跡は、ネット通販商品の品質チェックから。やって来たのは、専門雑誌の編集部。家電やパソコン製品1万点以上を、実際に使ったり、分解したりして検証しています。購入する際、注意すべき製品を聞いてみると、まず挙がったのがスマホなどで使うモバイルバッテリー。

雑誌社 副編集長 阿部淳平さん
「(モバイルバッテリーは)アマゾンの商品のページに書かれている『iPhone何回充電できます』とかいうのを実際に試してみると、容量どおりの性能が出てないんじゃないかなっていうユーザーさんの書き込みが結構あったりするんですね。」

最近、検証した製品がこちら。

26,800mAh(ミリアンペア)と大容量で、災害時のスマホ充電用に安心、と人気があります。性能を確かめるため分解してみると、2つの電池が入っていました。

「あっ、すごい。ちゃんと消してある。」

なんと、本来書いてあるはずの容量表記が消されています。顕微鏡で拡大すると…。

「10,000に見えますね。」

確かに、10,000mAhの文字が。

「ということは、(電池)2つでいくらの容量?」

担当者
「20,000ミリアンペアですよね。」

阿部淳平さん
「26,800とパッケージには書かれているんで、販売の仕様とは違うバッテリーであると言えるかと思います。」

安いモバイルバッテリーでは、表示偽装がときどき見られるといいます。

続いて検証するのは、水害時などに活躍する防水懐中電灯。アマゾンの売れ筋ランキング上位15製品を、水の中へ。

水深15センチに30分つけても、防水が機能するはずですが…。

(30秒後)
「もうすでに水が入ってきてますね。たまってますね、結構な量ですね。」

(40秒後)
「レンズのところに水が。水位が上がってきてますね。いま、上3分の1くらいが。もうこれで満タンになります。」

検証した結果、15製品中5製品には、記載されていた防水性能はありませんでした。

雑誌社 副編集長 阿部淳平さん
「実際アマゾンとかに書かれている仕様も、分解して分かったとおり、100%信用できるかと言われたら信用できないものも実際に混じってるというのが事実なので、一般の消費者の人が見分けるのは非常に困難だと思いますね。」

玉石混交のネット通販商品。中には、命に関わる危険な製品もあることが分かってきました。
身近な製品が原因で、事故に巻き込まれた夫婦です。


「この辺がすごい真っ黒になってて、こういう照明器具も全部落っこっちゃって。」

去年(2019年)10月、物置部屋から突然、出火。壁や家財などが焼け、被害額は800万円に上りました。消防の調査によって、出火の原因と断定されたのが…。


「ダイソンの掃除機の互換バッテリーですね。」

充電式掃除機に使うバッテリー。メーカー自身が製造した純正品ではなく、中国の業者が製造した互換製品でした。


「3,399円。まあ純正品よりは安いですね。(価格は)半分ぐらいですかね。」


「(安い互換品を買ったので)自分でもしかたがないと思いながらも、悔しい気持ちはどうしても心には残ってしまいますね。」

火災の原因となった互換バッテリーは、すでに販売中止。商品の出品者に連絡しても、一切、返事がありませんでした。
こうした互換バッテリーによる火災事故の報告は、分かっているだけで年間36件。掃除機メーカーや国は、互換バッテリーで火災が相次いでいるとして注意を呼びかけています。


なぜ一部の互換バッテリーが発火するのか。電化製品の事故原因を調査する専門機関を訪ねました。
出火したバッテリーと同じタイプの6製品を分解して、検証します。

カバーを外してみると、6本の電池を組み合わせて作られているようです。

製品評価技術基盤機構 専門官 岡本修さん
「ちょっと問題ですね、これはね。」

専門官が注目したのは、中心の基盤からつながる銀色の部分。実はこれは、充電中に電圧が上がりすぎないようにする安全装置の配線です。

問題は、その配線の数。純正品では、6本の電池すべてに配線がついています。しかし、互換バッテリーでは製造コスト削減のためか、配線の数を減らしていたのです。

岡本修さん
「(互換バッテリーは)1本悪くなったとしても、それを探し出す力は弱い。火が吹きやすいと言えると思います。事故の件数も多い状況なので、非常に危惧しています。」

日本の技術基準では、安全装置を電池1本1本に接続することが義務づけられています。
しかし、今回検証した6つのうち4製品は基準を満たしておらず、発熱したり、出火したりする可能性があることが分かりました。


なぜ、問題のある商品が販売され続けるのか。解き明かす鍵は、ネット通販の仕組みにあります。
私たちがふだん目にする通販サイトは、アマゾンや楽天、ヤフーなど、大手通販サイト運営者が管理しています。しかし、実際に商品を販売するのは、「出品者」と呼ばれる大小さまざまな事業者。どんな商品を販売するかは出品者次第なのです。今回、安全基準を満たしていなかった互換バッテリーでは、4製品中3製品が中国の出品者によって販売されていました。

安全性をどう考えているのか、電話してみます。

中国の出品者
「(このバッテリーを)売り始めたのは2018年から。これまでに750万個売れました。」

「バッテリーの構造は、本当に安全なのですか?」

中国の出品者
「具体的なことはよく分かりません。技術者がそう設計したなら、それなりの理由があるはず。」

後日、技術担当者からメールで返答がありましたが、「安全性は純正品と変わらない」と不備を認めませんでした。

発火の可能性が指摘されたバッテリー。残る1つの出品は、九州からでした。サイトに表示されていた住所を訪ねてみます。

「こんにちは、すみません突然。NHKの者なんですけども。(互換)バッテリーのことを取材していてですね。」

「ちょっと、いま責任者が…。」

出てきたのは従業員。外出中という責任者に電話してみます。

「出火とか、ちょっと熱くなったとか、そういうお話は?」

出品者
「出火ですか?出火はないですね。(発熱して)熱くなりすぎたから、ちょっと怖いから返品というのはありますね。質のいいものをできるだけ提供するようにしてきたつもりですけど、中国企業が作ってたものにこちらからオファーをかけてやっているので、ベース自体はちょっとあまり詳しくは検証できていません。」

中国の製造業者の「安全な製品だ」ということばを信じて販売していたという出品者。今回の取材で危険性に気付き、販売を取りやめました。
玉石混交のネット通販商品。どう付き合えばよいのでしょうか。

玉石混交のネット通販商品 どう付き合う?

武田:大手通販サイトで買ったものなのに、命の危険につながるものもある。ショックですよね。

ゲスト麻木久仁子さん(タレント)

麻木さん:見ていてすごくショックだったんですけど。今、コロナですとか水害などの自然災害が多いということで、つい先日、私、家の備蓄品の見直しをしたんですよ。新しくソーラーバッテリーを買ったんですけど、買って、いざというときに使うものなので、箱のまま押し入れに今あるんですけど。あれ、充電できるかなと、にわかに心配になりました。

ゲスト宮田裕章さん(慶應義塾大学 教授)

宮田さん:備蓄品って、買ったときに一番満足度が高まるので、なかなか確認できないですよね。

麻木さん:いざというときですよね、使えるか、使えないのかが分かるのは。

武田:早速、確認なさったほうがいいかも…。宮田さん、ウィズコロナの時代で今やネット通販は欠かせない存在だと思うんですけど、どういうふうに受け止めていらっしゃいますか?

宮田さん:政府が新しい生活様式の一例としてネット通販も使うということを挙げていますが、コロナと対じする中で、今、全世界で存在が大きくなってきています。
その中で購入の対象というのも大きく広がり始めていて、今までは自分がある程度情報を持っている、しこう品ということだったんですが、これだけではなくて、生活必需品だったり高額なしこう品、あるいは今までネット通販で決して買わなかったようなものも、リアルで購入するリスクとか障壁が上がっているので、ネットで購入するということが広がっています。そういった点から考えても、ネット通販の信頼について今、改めて考えるという大事な時期かなというふうに思います。

武田:サイバーセキュリティーやネット犯罪を多く取材している斉藤記者です。不良品が届いたり、あるいは商品自体が届かない。そういう場合はどうしたらいいでしょうか?

斉藤直哉記者(ネットワーク報道部):出品者に連絡することもできますが、それでトラブルになった場合には、大手通販サイト運営者のほうで救済であったり保証の制度を整えているので、トラブルになっても泣き寝入りせずに、ぜひ相談してほしいと思います。

麻木さん:とはいえ利用者からすると、そこでやりとりするのもハードルが高いし、できれば買う前に見分けたいというのがあるんですけど、見分け方はあるんでしょうか?

斉藤記者:残念ながら、商品ページだけで購入前に見抜くというのは、私たち消費者には難しいのが現実なんですけれども、そこでぜひ注目してほしいのが、出品者の情報なんです。
例えばこちらは、デジタルカメラを売っている商品ページのイメージなんですけれども、この商品を誰が出品しているかというのは、「出品者」のところに情報があります。そこから、この出品者がほかにどんな商品を販売しているかを確認することができます。

例えば、同じカテゴリの商品を多く扱っていたりとか、品ぞろえにこだわっているということであれば、その商品に対してノウハウや専門性があるというふうに考えることができます。

逆に、その品ぞろえに一貫性がなかったり、「新型コロナ関連」などといって急に専門的な商品を取り扱い始めたという場合には、本当に販売資格のある業者なのかをよく確認してほしいと思います。

業者の情報で関連して、もう一つ参考になるのが、同じ出品者がほかの通販サイトで出品しているかどうかです。
ネット通販で出品者が商品を売るには、それぞれの通販サイトで審査を受けて、それをクリアする必要があります。出品者に登記簿の提出などを義務づけて、厳格に身元確認を行っているサイトもありますので、複数のネット通販に出品する出品者であれば、それだけ信頼性が高いと言えます。

麻木さん:星の数とか評判とか、口コミはチェックしていましたけれども、複数のサイトに渡って出品者をチェックするというのは正直したことがなかったので、「そこか」と思いました。

宮田さん:一番基準が高いところに合わせて、評価されているということですね。

武田:だから複数のサイトをチェックするべきということなんですね。その出品者を審査する立場にあるサイト側ですけれども、どう対応しているのか、アマゾン・アメリカ本社に取材しました。

アマゾン バイスプレジデント 不正対策統括 ダーメッシュ・メータさん
「アマゾンでは多くの商品で、出品者に仕入れ先や安全検査資料の提出を求めています。その結果、去年は悪質な出品者250万と、疑わしい商品60億個を販売前に差し止めました。しかし、まだ完全でないと認識しています。今後も技術を開発し、信頼されるサイトを目指します。」

武田:楽天やヤフーでも不正な出品がないかパトロールを行っていまして、不正があれば販売停止にするなどの対策を行っているということです。
それにしても60億個も販売差し止めをしているとは、すごい数ですけれども、頑張っているのか、もっと何とかできないのか…どう受けとめればいいんでしょうか?

麻木さん:どう評価したらいいんですか?

宮田さん:これはネット通販だけに限った話ではないんですが、今までは、多くの企業はデータを使っていかに利益を上げるかということに主眼を置いてきました。
例えば、SNSで言えば、フェイクニュースが多少吹き荒れていても、コミュニティーのやりとりが活発になれば、それで広告が回ると。あるいは通販で言えば、玉石混交だとしても、多くの商品が出品されてマーケットが活発になったほうが売り上げが取れる、こういうことが多少なりともあったと思うんですが、市場における彼らの占有率が上がり、そしてコロナ禍で生活の基盤そのものを支えていくという中で、これまで以上に社会的な役割が高まっているんですね。
そうした中では、プラットフォーマーと呼ばれる彼らは、自社の利益だけではなくて、持続可能な社会への貢献の中でビジネスを成立させなければいけないと。先ほどアマゾンの方がお話されていましたけれども、60億個というのは世界の人口に匹敵するすごい数字ですし、非常に重要な1歩だと思います。
一方で、業者とのイタチごっこというのは続いて、まだまだ対策はこれから行う必要があるかなというところですね。

斉藤記者:ただ、販売差し止めの対策にも、抜け道があることが分かってきました。そもそもアマゾンでどうやって商品が売られているかといいますと、日本で商品を売りたい出品者の多くが、いったん日本国内のアマゾン倉庫に商品を預けます。そして注文が入ると、この倉庫から商品が消費者のもとに届けられるんですけれども、ここで不良品であったり、出品者に不正が見つかった場合には、アマゾン倉庫にある、関係する商品すべてを出品者に差し戻すということをしています。ところが取材をしてみると、この対策をくぐり抜ける手口が見えてきました。

追跡!住宅街の“物流基地”

ネット通販の謎の物流拠点があるとの情報を得て向かったのは、関東郊外の住宅街。

「こんにちは、すみません。NHKの者なんですけども。少し中をのぞいてもよろしいですか?」

「大丈夫ですよ。」

住宅の中には、所狭しと段ボールが積み上げられていました。

「荷物はどこから届く?」

「アマゾンですね。(倉庫からの)返品で来てるみたいなんですよね。ほぼたぶん全部、中国製だと思いますね。」

受け取る商品は家電やブランド品など、多い日で900近く。実は、仕事はそれだけではありません。

「これ、どうされるんですか?」

「上から新しいラベルが来るので貼ります。」

「これから、この上にペタっと。」

「そうですそうです。このまま新しいラベル貼って、またアマゾン倉庫に入れます。」

中国人の知り合いから頼まれ、ラベルを貼り替えていますが、詳しい事情は分からないといいます。
指示が送られてくるのは、中国のSNS、WeChat経由。詳細を聞くため、中国に連絡してもらいました。しかし、送られてきた返信は…。

“私には関係ないことだ。君も関わるな。金がもらえないなら時間の無駄だ。”

追跡!ネット通販の闇

ラベル貼り替えの目的は何なのか?その事情を知る人物がいました。
海外を拠点に年商11億円を売り上げる、ベテラン日本人出品者。出品者どうしのコミュニティでは、ラベル貼り替えはよく聞く手法だといいます。

日本人出品者
「1つ考えられるのは、アマゾンの規約違反みたいなことをすると、アマゾンの出品停止を食らってしまう。アマゾンで出品停止されてしまったら、もうその商品は再出品できないので、別の出品者の別の商品として出すためにアマゾンのラベルを貼り替えているという感じだと思います。」

パッケージに貼られたラベルには、どの出品者の、何の商品かという情報が含まれています。このラベルを貼り替えることで、簡単に、別の出品者の、別の商品を装うことができるのです。

この手法を使えば、問題があって返品されても、全く新しい商品として販売することができるといいます。

「悪意を持った(出品者)がいたとして、出品停止になってしまった場合も、この手法を使えば半永久的に売り続けられるということ?」

日本人出品者
「はい、そのとおりです。現状はそうなっていますね。」

「衝撃が大きいんですが。」

日本人出品者
「バーコードの貼り替え業者というか、1回10円とか20円でやってくれる業者さんというのは世界中にいっぱいありますので、ご自宅で空いた時間にバーコードを貼っているという方も結構いらっしゃるので。そこまで(出品者の意図について)考えずにやられれいるのじゃないかなと。」


悪質な出品者を取り締まることができないのか。今、消費者庁が動き始めています。
4月、アマゾンで偽ブランド品を販売していた悪質な出品者13社を公表、処分しました。並ぶのは、一見日本人のように見える名前の数々。しかしここに、消費者庁の苦悩が隠されていました。

消費者庁 担当者
「事業者(出品者)を追いかけるといいますか、事業者の所在を特定するためにそうとう時間がかかってまして。」

出品者の連絡先として、アマゾンに登録されていた運転免許証の住所をたどってみたところ、なんと、全く関係ない日本人の情報を無断で使っていたことが判明。ほかの出品者も、在留資格やクレジットカードなどの情報はほとんど偽造でした。結局、最後まで出品者を特定することができず、偽名と分かっていながら公表、処分する異例の事態となったのです。

消費者庁 取引対策課長 笹路健さん
「これだけ違法行為を行う詐欺的な販売業者の人が、大手をふって消費者と取引できる状況は非常に危機的だと思いますし、やはりここはきちんと日本政府としては対応しないといけないと思っています。」

私たちは、悪質出品者にどう立ち向かえばよいのでしょうか?

どう防ぐ?ネット通販のトラブル

武田:通販サイトの運営会社には、こうした悪質な出品業者をきちんと排除する仕組みを作ってほしいと思うんですけれども、対応はどうなっているのでしょうか?

斉藤記者:VTRに出てきたラベルの貼り替え業者というのは、あくまでも納品、発送を代行しているだけで、問題なのは彼らの後ろにいて、仕組みを悪用している出品者です。現在、身元を隠して登録をする出品者が絶えないんですけれども、こうした事態を受けて、政府ではネット通販事業者に対して、出品者の身元確認をより厳格に行うことを求める法改正を視野に検討しているということです。正しい身元登録が徹底されれば、悪質な業者も減らせることができると思います。

武田:宮田さん、今や通販サイトはライフラインだと思うんですけれども、その責任をどう問うべきなのか、どう考えますか?

宮田さん:プラットフォーマーに責任と自覚を課す法整備を行う、政府側の対応も重要だと思います。一方で、信頼できるネット通販は何かということを、企業だけに委ねるのではなくて、われわれ消費者も含めて、さまざまな立場で考えていくことも大事だと思うんですよね。
例えば、数か月前に、本来不足していなかったはずのトイレットペーパーが買い占めで不足してしまいました。これを今後どうすれば予防できるかということを企業ともディスカッションしたんですが、例えば巣ごもり消費のニーズをデータで予測して、あらかじめ十分な供給を確保するとか、場合によっては供給数に制限をかけたり、それでも不足した場合には、商品がないことが命や生活の危機に直結する人に優先供給できるようにする。こういったことを検討していたんですが、このとき、信頼できるネット通販を作るために、われわれ消費者もできることがあります。例えば個人で買い占めに走らないということだったり、あるいは価格だけに左右されるのではなくて、信頼できる企業に育てていく、そこから買っていくということですよね。これからの信頼は、企業から消費者への一方通行ではなくて、いろいろな立場で一緒に作っていくことで、それがよりよいものになっていくのかなと考えています。

武田:通販サイトは安くて早い、便利ですけれども、そういった便利さだけではなくて、信頼できるものかどうか、われわれの側からちゃんと求めていくべきだということですよね。

麻木さん:そういうシステムが社会的にできるかどうかを、一人一人の利用者も意識しないといけないと思うんですが、ただ、同時に毎日のように通販するという立場からすると、最新の悪質な業者の手口ですとか、今、リアルタイムにどんな製品が問題になっているのかという、そういう身を守るための情報に、もっとたやすくアクセスしたいという気持ちがあるんですよね。「消費者庁のサイトに書いてあります」じゃなくて、もっともっとリアルに身近に、そういう危険情報みたいなものにアクセスできる。その中で用心しながら、アンテナを鋭くしていくことができるように望みたいという気はするんですよ。

武田:そういう仕組みは大事ですよね。

宮田さん:昔は卸がやっていたんですけれども、プラットフォーマーが連携して、そういう責任を果たしていくということも一つ重要ですよね。

麻木さん:卸がないから、いろいろなリスクが直接来ちゃっているわけですね、

武田:きちんと「目きき」の役割を果たしてほしいと思いますね。