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2020年4月1日(水)

感染爆発の重大局面② 治療の現場で何が起きているのか

感染爆発の重大局面② 治療の現場で何が起きているのか

感染爆発するかどうか重大な局面を迎えている中、誰もが感染のリスクに直面する状況が迫ってきている。感染した人や、治療に当たる医師の証言から、症状の進行、そして治療の実態を浮き彫りにする。感染しても8割が無症状である一方、症状が悪化する人は発熱がしばらく続いたあと、一気に悪くなるという特徴が見えてきた。一方、懸念されているのが「医療崩壊」。現場はすでに危うい状況にある。指定医療機関に患者が集中し、医師や看護師たちはギリギリの対応を迫られている。どうすればいいのか、深めていく。

出演者

  • 大曲貴夫さん (国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)
  • NHK記者

“どこで感染したか分からない”

思い返してみても、どこで感染したのか全く分からない。

そう語る元患者がいます。
消毒やマスクを着用するなど感染のリスクに十分配慮し、50代の男性に話を聞きました。

高知市在住 50代男性
「まさか新型コロナウイルスにかかっているとは夢にも思っていませんでした。(感染の)原因が不明だったので。」

男性は1年前から仕事をしておらず、アパートで一人で暮らしています。外出は週に数回、主に近所のスーパーでの買い物。訪れる時間は、専ら客の少ない昼過ぎでした。

高知市在住 50代男性
「2月の行動を振り返っても、かかるような行動はしていないんですよね。たいがい部屋におりましたし、、外へ出ても買い物程度なんでね。だから、どこで(ウイルスを)もらったか分からないから、正直言ってつらかったです。」

男性に異変が現れたのは、別の病気で入院していたとき。37度2分の微熱が出ました。しかし、新型ウイルスに感染しているとは思いもしませんでした。その後、熱は下がらず、39度まで上昇。病院からの指摘でPCR検査を受けたところ、感染が判明したのです。

高知市在住 50代男性
「みそ汁を飲んでも全然、味もしません。だしの味も1ミリもしません。においなんかも感じません。リスクは少ないけど、ゼロじゃないということですよね。」

陰性になったのに再び陽性に…

先週土曜日、北海道で初めて、再び陽性になるケースが報告され衝撃が走りました。

旭川市に住む70代の男性です。陰性が確認され、退院して2週間後、陽性反応が出たと言います。
先月中旬には、この病気の恐ろしさを知ってほしいと、多くの患者が口を閉ざす中、私たちの取材に応じていました。

旭川市在住 70代男性
「せきこみがひどくて、ほとんど寝ていない状況。1時間とか、そんなもので起きちゃいますので、つらかったですね。」

入院生活は19日間に及びました。
退院の2日前と前日の2回にわたってPCR検査を受け、いずれも陰性が確認されていました。
自宅に帰ってからも男性は万が一のことを考え、人との接触を避けてきました。家族以外とは誰とも会わず、買い物も親戚に頼み、運んでもらっていました。

旭川市在住 70代男性
「トイレから出てきたときに手を洗って、ここで消毒をする。」

さらに、小まめに消毒を行い、換気も徹底。退院から2週間後に受ける診察で問題がなければ、以前のような生活を送れることになっていました。

旭川市在住 70代男性
「体調はすこぶる良好です。食欲もありますし、夜はぐっすり眠れますし、少しずつ体力を回復する状況になっておりますので。早く3月26日(診察の日)がきてくれたらいいなと思っています。」

迎えた受診の日。
診察を終えた後、男性に話を聞こうと、私たちは病院に向かいました。
ところが…。

合原:もしもし、結果いかがでしたか?

旭川市在住 70代男性
「きょうはCTを撮って、そのCTの中で若干の影があるので、ちゃんとしっかり、もう1回(PCR検査を)やってみましょうということで。」

PCR検査の結果、翌日に陽性が判明し、入院。

再び感染したのか、体内に残っていたウイルスが増殖したのか、分かっていません。

合原:本当にちょっと思わなかったので、正直驚きましたし、未知のウイルスってそういうことなんだなっていうのを感じました。


武田:きのうに続いて、新型コロナウイルスの患者の治療に当たっている、医師の大曲さんです。

合原:今回の旭川の男性は一度退院したのに、再び陽性になったということを聞きまして、始まりだけではなくて、終わりも見えないウイルスだという恐ろしさというのを改めて感じたんですが、どうしてこういった経緯になったとお考えですか。

ゲスト 大曲貴夫さん(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)

大曲さん:コロナウイルスの感染者の場合は、実は体の中には、かなり長い間、3~4週間はウイルスがいるということが分かっているんですね。

合原:3、4週間。

大曲さん:すごく長いんです。ですので、今回最後の検査で陽性になったというのは十分に起こり得ることなんですね。

武田:でも、途中では陰性になったんですよね。

大曲さん:そうですね。それは恐らく、出ているとはいっても、体の中のウイルスの量は少なかったんじゃないかと思うんですね。あまりにも少ないと、検査をやって、本当は陽性が出なければいけないんだけども、陰性になってしまうというのは偶然で起こります。恐らく、そういうことが2回重なったのではないかなと思います。

武田:また後ほど詳しく伺います。

入院期間が“想定”以上に長期化

これまでに経験したことのない、新たなウイルスとの闘い。
「想定外に入院が長期化する」という事態も起こり始めています。

感染症の専門病棟のあるこの病院では、新型コロナウイルスの感染者に対し、当初は1週間程度の入院期間を想定していました。

国立国際医療研究センター 国際感染症対策室 忽那堅志医長
「普通はインフルエンザだと3~4日すればよくなりますけど、それよりも長い期間続くというのが特徴であるということですね。なかなかベッドが空きにくいので、インフルエンザと同じくらいの数のベッドだと足りなくなる。」

新型コロナウイルスの患者は現状、PCR検査で陽性反応が出た場合、重症・軽症に関わらず入院を余儀なくされます。また、PCR検査で2度陰性の結果が出ないと退院できないため、入院期間が平均で3週間もかかってしまうといいます。こちらの病院では、長期化に備え、結核患者用のベッドも転用し、40床に増やしました。ところが、3月中旬以降、患者が急増。ほぼ満床の状態がおよそ10日続いています。

国立国際医療研究センター 国際感染症対策室 忽那堅志医長
「こういうベッド状況なので、重症な患者さんだけお引き受けして、ちょっとあとは『すいません、ほかをあたってください』とお伝えしていることもある。皆さん、うちの病院でお引き受けすることが一部できない状況が続いています。」

“非常に疲弊”医療現場の訴え

きのう、2000人を超えた全国の感染者。
地域の専門病院である感染症指定医療機関では、瀬戸際の対応を強いられています。

この病院では、感染を心配する相談が、多いときには1日10件にのぼります。訓練を受けて感染症対応を専門的にできるのは、医師や看護師含めわずか7人です。

保健所からの連絡は24時間いつ来るのか分かりません。夜間や休日の呼び出しも、この7人で対応するほかありません。

愛媛県立中央病院 呼吸器内科 感染制御部 本間義人医師
「非常に疲弊しています。この状況が半年、1年続くとなると現場はもたない。今のスタッフだけでは、おそらく抱えきれなくなる。」

どう闘う“手ごわいウイルス”

武田:厳しい医療現場の現実が見えてきたわけですけれども、きょうの専門家会議ではこのように言っています。“爆発的感染が起こる前に”、つまり爆発的感染が起きた後ではなく、その前に、“医療現場が機能不全に”陥ることが予想されるという状況分析なんですが、きょうもこれまでで最も多い感染が確認されたというニュースが先ほど入ってきました。機能不全ってどうなんでしょうか。どこまで迫っているんでしょうか。

大曲さん:日本の状況からすると、機能不全はかなり近いところには来ていると思います。

武田:近い。

大曲さん:はい。こちらに書かれていることの意味に関してはですね。

武田:“前に”ということですね。

大曲さん:これで見ていきますと、患者さんがわっと増えていますけれども、地域で、周りを見渡して、たくさん患者さんがいらっしゃるという状況で、医療現場が機能不全になるというイメージを多くの方々は持っていらっしゃいます。でも、実際にはそこに行くずいぶん前に、例えば地域に患者さんがいらっしゃらないような状況で、1人患者さんが出たと。でも、その患者さんから例えば20人、30人集団感染を起こすということが起こると、感染症指定医療機関だけでは対応できなくて一般医療機関でも対応するんですが、それを一気にやらなければいけなくて、医療現場が機能不全になるということは実際に起こっています。

武田:もうすでに地域によっては起こっているということですね。

大曲さん:起こっています。

武田:大曲さんの国際医療研究センターでは、これまでに出た症例のうち11例を詳しく分析しています。そこからも感染確認の難しさであるとか、ウイルスが長期間体内に残るということが見えてきました。
こちらの40代の女性。初めは検査で陰性だったんですが、5日目に陽性が分かりました。初めは陰性だったのに、陽性が後で分かったと。

こちらは30代の女性ですけれども、比較的軽症のまま入院を継続していたんですが、21日たって陽性が確認されたと。

こういうことがあるんですね。

大曲さん:そうですね。本当にこの病気は長いですね。

武田:21日たっても陽性ということなんですね。

大曲さん:そうなんです。

武田:ずっと陽性だった。

大曲さん:ウイルスが長い間、体の中にいるという話をしましたけれども、本当にそうですし、だからこそなんでしょうけれども、症状も長く続きます。普通のかぜは初めの3~4日目がピークでよくなっていきますよね。でも、この感染者の場合はピークが来ないといいますか、だらだら続くんです。それが2週間とか3週間続くというのがこの病気の特徴かなと思います。

武田:その分、ベッドや病院もやはり長期間にわたって診なければいけなくなるということですよね。

大曲さん:やっぱり広げないためには、入院していただく必要がありますので、その間ずっと入院ということになりますと当然ベッドは埋まりますから、どんどん病院のベッドが埋まっていくということになります。

武田:そのほかにも、治療後に陰性になったけれども再び陽性になったというケース。あるいは、高齢でも無症状だというケース。それから、味覚や嗅覚に障害が出たというケースもあります。

さまざまな形が報告されているわけですけれども、病気の姿がなかなか捉えにくい中で、やはり現場の対応というのは難しさを増しているということはありませんか。

大曲さん:そうですね。これは私たちも経験したんですけれども、やっぱりこういうことが出ると非常に困惑します。例えば、味覚、嗅覚の障害というのが最近言われていますけども、こういうのは最初、私たちも驚きましたが、逆に最近はいいほうに捉えております。新型コロナにかかっているか、本人さんはなかなか分かりにくいですよね。軽いですし。こういった味覚・嗅覚の障害が出るということを皆さんが知るようになると、自分がかぜを引いたときに、こういうことが出たという場合に、ひょっとしたら新型コロナかもと思っていただけます。それで、医療機関に適切なタイミングで受診していただければ早く見つかりますし、感染対策も治療もうまくできるというふうにつながる。そういう意味では、僕はこういう情報が出たのはいいことじゃないかなと思っています。

合原:そうしたさまざまな症状で感染者が増加する中で、どういった医療体制で臨んでいくかということですけれども、今、新型コロナウイルスの患者の入院を受け入れているのは、全国にある「感染症指定医療機関」です。ですが、地域によっては病床数が限界に近づいていまして、一般病院でも受け入れを始めているところがあります。

ただ、現場を取材しますと、さまざまな課題が見えてきました。

簡単ではない一般病棟の受け入れ

一般病院での入院患者の受け入れ。
しかし、その体制作りは簡単ではありません。

国からの要請で、クルーズ船の感染者が入院した地域の中核病院。
感染症専門の看護師の指導の下、軽症患者10人の入院を受け入れました。その準備には、大変な労力が必要だったと言います。

まず、感染者専用病棟を設け、専属スタッフを募る必要がありました。そして、決められた場所と手順でマスクや防護服などを着脱する訓練を実施。スタッフ全員が専門的な感染防護策を習得し、体制を整えるまでには1週間近い時間を要しました。

葉山ハートセンター 田中江里院長
「これは空気が漏れていないかどうかをチェックするための方法です。これを脱いだりするときも大切なんですけど、その後の手洗いやうがいをすることとか、そういったことにちょっと隙が出てしまう。そういうときにウイルスにかかってしまう可能性があるんじゃないかなというのを危惧していました。」

さらに、感染者専用病棟を完全に隔離し、感染していない患者と接触しないための壁を作るなど、病院内の導線の徹底的な見直しも迫られました。
今回は院内感染もなく、全員無事に退院しましたが、今後、重症者も含めた受け入れ体制を整えるのは簡単ではないと考えています。

葉山ハートセンター 田中江里院長
「ある程度具合の悪い方を何人も(受け入れる)となるとスタッフが必要となります。それをするためには、どこかに要請しなくてはいけません。だから、私がまた患者さん来たら『はいやります』とすぐには言えないところがあります。」


一方、感染の疑いがある外来患者を一般の病院はどこまで受け入れられるのか。規模の小さなクリニックなどからは、対応できないという声が上がっています。
開業医を中心とする団体によるアンケートです。
「マスクなど衛生用品の不足」「職員の防止対策が十分でない」
こうしたことから感染が疑われる症状がある場合、患者を受け付けない病院も少なくありません。

全国保険医団体連合会 住江憲勇会長
「限られたスペースの中で、発熱患者と一般患者を区別すること自体が困難で、そこで感染拡大してしまうことがいちばん心配、懸念されることです。」

現場からは、新たな仕組みが必要ではないかという声が上がっています。
こちらの医師は感染が疑われる患者を診察する際、飛まつを防ぐためのシールドとマスクを着用。

さらに…。

中村診療所 中村洋一医師
「隔離するのは、こちらのレントゲン(エックス線)室。ここに座ってもらって、ここで診察をしています。」

他の患者とは分けて診察しています。
しかし、対応には限界があるといいます。

中村診療所 中村洋一医師
「どなたがコロナか風邪かわからないので、呼吸器を診られる医者が協力して、発熱センター(外来)みたいなものを地域でつくって、そこに交代で出て(疑いのある)患者対応にあたるというのが、いちばんいいんじゃないかと思う。」

医療現場を脅かす偏見・差別

医療崩壊をどう食い止めるか。
今、医療従事者が強く訴えているのが、スタッフに向けられる偏見や差別をなくすことです。
入院患者が新型ウイルスに感染していることが分かった、こちらの病院。

南生協病院 総看護課 福島みさ代課長
「風評被害の報告はこちらに。」

現場の対応に奔走した総看護課長の福島みさ代さんは、スタッフが受けた被害を聞き取り、まとめてきました。

きっかけは、2月末。
細菌による肺炎と診断されていた患者に、新型ウイルスの感染が見つかったことでした。病院はその直後、濃厚接触者となった主治医やスタッフだけでなく、同じフロアで働いていた職員40人全員を自宅待機にしました。不足する人員は他のフロアからかき集め、院内感染を防ぐための対策を徹底的に行うことで封じ込めに成功しました。

その後も新たな感染を防ぐため、外来患者には必ず問診を行い、リスクごとに病棟を分けるなど徹底した予防策を行ってきました。

しかし、この病院に勤務するというだけで、職員には思いもかけない冷たい目が向けられました。

家族が職場から「出勤禁止」と言われた。
家族が病院の受診を断られた。
さらに、働きに出る際に欠かせないにも関わらず、保育園が子どもを預かってくれなかったり、保育園内で一人隔離されたりするなどのケースが相次いだのです。

南生協病院 総看護課 福島みさ代課長
「そもそも病院の中も、もう通常ではない状態になっていて、そういった中で勤務を終えて、子どもを迎えに行ったときに独りぼっちで子どもがいるっていうような状態を見てね、親の気持ちって本当につらかっただろうなと思って。子どもさんは普通の顔していたけれど、抱き締めてあげたら、すごく泣きだしたというのを聞いて、本当にスタッフもつらい思いしながらだけど、その翌日からもきちんと出勤して下さって。」

このままでは医療の存続が危ぶまれると考えた病院では、職員の安全性を示すために接触歴などの証明書を発行。それでもまだ、完全に偏見や差別は払拭し切れていないと言います。

南生協病院 総看護課 福島みさ代課長
「わざと意地悪しようとか、差別しようとか、そういったつもりではなかったと思うんです。ただ不安っていうか、わからないので、そういったことになってしまった。医療者はみんなきちんとやろうって思っていますから、もちろん医療者はきちんとするということは大事だし、みんなそれを信頼してほしいなと思います。」

医療崩壊を招かないために今、何をすべきか。
スタジオでさらに深掘りします。

医療崩壊をどう防ぐ

合原:誤解のないようにお伝えしますが、名古屋の南生協病院の皆さんというのは、無理解な言動をする人たちを非難しているわけではないんですね。ウイルスは目に見えないものなので、不安になる気持ちも理解できると言います。ただその上で、地域の人たちには職員のことを信頼し、一緒に医療を支えてほしいと話していました。大曲さん、この問題というのは医療体制そのものにも影響しかねないことかと思うんですけども、どういった懸念がありますか。

大曲さん:僕もすごく気持ちが分かります。やっぱりああいう差別があればつらいですし、傷つきますし、ただ、いちばん問題なのは士気が下がっていきますよね。そうすると、それを見ていた周りの医療機関も、協力しよう、自分たちも前向きに捉えようという気持ちになかなかなりにくくなりますよね。

合原:体制整備の動きを止めかねないと。

大曲さん:もう一つは病院の業務自体にも影響が出ていて、例えば僕もあったのが、病院にはいろんな業者さんが入ってくれています。病院の仕事をやってくれています。そこで仕事をお願いすると、「いや、この仕事は患者さんに触れたものを扱うものだから危ないからできません」って言われたことがありました。スタッフはすごく困りました。あと、新たに業務をお願いしようとしたら見積書が来たんですけど、びっくりする額で、理由を問いただしたら「安全な業務とは言えないので、その分を勘案しています」ということを言われました。そうやって、ふだんやれていた仕事がだんだんやれなくなっていくということ自体が医療現場を追い詰めていくというところはあると思います。

武田:そこはやはり、どういうふうに医療の現場の業務がなされているかということをしっかり理解した上で、ともに協力していく、支えるという意識ですね。

大曲さん:そうですね。ぜひ協力してほしいですね。

武田:VTRにもありましたけれども、患者の立場で言いますと、熱があったら一体どこに行ったらいいんだろうというふうに不安を抱えていらっしゃる方も多いと思うんですね。そこで、こういった「発熱外来」みたいなものを作ってはどうかという提言もあったんですが、これについてはどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。

大曲さん:今、中村先生の話を伺っていて、本当にそうだなと思いました。1つは、患者さんにとって分かりやすいということもすごく大事ですし、そういう場を作ることは大事ですし、あと例えば診療所で、少ないスタッフで仕事をしていると、じゃあ誰かが感染したら、その診療所を止めなきゃいけないんじゃないかと不安も多いと思うんですよね。道具もないかもしれないと。そこで新たな場を、この「発熱外来」を作って、そこにみんなが交代で行くと。交代で行けば、自分たちが感染するようなリスクも最低限にできますし、ちゃんと場もあるし、道具もあるし、ということで円滑に診療ができると思います。

武田:私たちが、いざというときにどこに行けばいいのかということを明確にするということですよね。
医療崩壊が起きてしまうと、本当に救える命も救えなくなってしまいます。最後にひと言。私たちが、一体どういうことに気をつけたらいいのか。

大曲さん:まずは感染をしないということですね。3つの密を避けていただきたい。あとは、かぜを引いても3日ぐらいは様子を見ていただければと思います。それでも悪ければ病院に行くと。あと、やはり病院のスタッフをサポートしていただければと強く思います。

武田:ありがとうございました。