クローズアップ現代

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2019年11月27日(水)
まさか家族が性暴力に・・・ 身近に潜む被害

まさか家族が性暴力に・・・ 身近に潜む被害

もし、自分の家族が、知らないうちに性暴力の被害に遭っていたら…。番組が取り組んできた「“性暴力”を考える」。寄せられた声で目立つのが、被害のことを誰にも話せずに人知れず苦しんでいるというもの。国の調査でも被害者の6割が「誰にも言えない」と答えている。誰もが直面する可能性がある「家族の性被害」。被害当事者、家族、支援者・・・さまざまな立場の声に耳を傾け、どう受け止めればよいのか、考える。

クロ現プラスでは性暴力について継続取材しています。
こちらの「性暴力を考える」の掲示板からあなたのご意見・ご感想をお寄せください。

出演者

  • 三浦瑠麗さん (国際政治学者・著書で自らの性被害を公表)
  • 信田さよ子さん (日本臨床心理士会 理事)
  • 武田真一 (キャスター) 、 高山哲哉 (アナウンサー)

まさか家族が性暴力に…深まる親子の溝

“親は信頼できる相談相手にならない”

都内に住むマホさん。高校3年の春、家族ぐるみでつきあいのある8歳上の男性から体を触られ、相手の性器を触らされる被害に遭いました。

マホさん(仮名・19歳)
「急に、少し眠たくなってきたねって、電気を消されて。『やめて』って言えなくて、このまま何もしないと本当に襲われてしまうかもしれないと思って。」

マホさんは、唯一受け止めてもらえると思った母親に相談しました。
しかし…。

マホさん(仮名・19歳)
「『え?マジか』と言われました。警察に行ったところで、証拠も何もないから、あなたが悪いですよと言われて終わりだよと。親に追い詰められている感覚になってしまいました。」

孤立したマホさんは、フラッシュバックや不眠に悩まされ、成績が急降下。大学進学も断念しました。気持ちが、ますます不安定になっていったマホさん。

追い詰められ、警察に相談したところ、さらに、そのことを親から責められました。

マホさん(仮名・19歳)
「『もし相手の人が捕まったりしたら、報復が怖いから、引っ越さなきゃいけない』という話をされて、私はここまで迷惑をかけちゃったんだなと思って。私が全部そこで、ぐっとこらえて、何もなかったですと思っていたら、それで全部終わっていたのかなと。」

いま、母親とは以前と変わらぬ態度で接していますが、気持ちは離れたままです。

マホさん(仮名・19歳)
「本当だったら、お母さんとして、心に寄り添ってほしかったし、ただ、そんなことは全然なかったし。つらいことがあったときでも、絶対に相談はしたくないし、まったく信頼はしていない。」


なぜ親は、被害を受けた子どもを追い詰めてしまうのか。
SNSで知り合った男性から、中学生の娘が被害を受けたエツコさんです。
去年の夏、中学生の娘と映画を見た帰り道。突然、「危ない目にあった」と告げられました。
昔から、仲よし家族だったエツコさんの一家。娘の思わぬ告白に動揺したといいます。

エツコさん(仮名)
「うちの子はすごくいい子で、(娘に)裏切られたみたいな気持ちが大きかった。ものすごく叱ってしまいました。なんで守ってあげられなかったんだろうと、自分を責める気持ちと、子どもを責める気持ち。ものすごく追い詰められましたね。」

母に責められた娘は、部屋に閉じこもるように。
しかし、エツコさんは夫には相談できませんでした。

エツコさん(仮名)
「父親も、思春期の女の子の気持ちがなかなか理解できないし、きっと言うと、怒ってしまったり、叱り飛ばすみたいな感じになっても逆効果なので、ずっと話せなかった。」

孤立し、ひとり、娘と向き合うしかなかったエツコさん。
2人のやりとりは、すさんでいきました。

エツコさん(仮名)
「私自身、すごくつらくなって、うつ状態になってしまったりとか。すごく娘の不安が強くなってしまって、よけい執着心みたいなのが、『一緒に死んで』みたいな。2人ですごく苦しみ続けた。」

高山:もどかしかったでしょうね。

エツコさん(仮名)
「どうにかしたかったんですね。どうすればいいのか全然分からなかった。」


武田:被害を受けた方。そして、その親。苦しむ声に心が痛みます。そして、加害者に対して、改めて怒りを感じます。国の調査によりますと、男女問わず20人に1人が性暴力を受けた、無理やり性交をされたというデータがあります。
三浦さんも、中学生のとき、下校途中に性暴力の被害に遭われたということですが、そのときは、ご両親に話せなかったそうですね。どんな思いでしたか?

ゲスト 三浦瑠麗さん(国際政治学者・著書で自らの性被害を公表)

三浦さん:言えなかったんです。わりと幸せな家庭で、兄弟も多くて。自分が家に帰ると、いつも通りの光景があるわけですよ。帰ってきて、いつも通りの光景に、いきなり爆弾を投下することはできないって思ったし。このまま自分が抱え込んでいれば、幸せな家族を苦しめることもないだろうとか。ようは、愛しているからこそ言えなかったというのがあるし、同時に娘が汚されたとか、結婚できなくなるんじゃないかみたいな、そういう取り越し苦労でもあるんだけど、不安を彼女が覚えるんだろうなと幼心に思ったんです。それが、きっと傷つくだろうなと思うからこそ言えないというのがありますね。

武田:当然、助けてもらいたいと思っていたと思いますが、それよりもそういうことが気になるんですか。

三浦さん:つまり、母親が見ていない光景を自分で知ってしまった、見てしまったものとして、見えてくるものがあるんです。その見えている光景を共有できないんだろうといったときに、彼女を混乱に陥れることができるだろうか。それで、私が本当は何が欲しかったかというと、つまり、受け入れてほしいんです。変わらずに、大好きな娘として受容してほしいということだけだったんですが、それをたぶん得られないんじゃないかなって思ってたってことですね。

武田:三浦さんのように、被害に遭ったことを誰にも言えないっていう人が6割に上る。これも驚きの数字ですよね。

高山:残り4割の皆さんが誰に相談したのかというデータもあります。家族、親などに相談できたという人は13.4%。こんなに少ないんです。

相談したことで、苦しみが倍増した、消えなかったという声も寄せられています。
16歳のときに被害に遭った女性です。
打ち明けたのですが…。
“母親が気にしたのは世間体。『他の人にばれたら結婚できなくなる、就職も不利になる』と言われた”

さらに、三浦さんのように、親に言えなかったという声も。
小学生のときに男から性暴力を受けた40代の男性。
“『被害を受けたことを恥』と思い、家族に相談できなかった”

武田:本当は受け入れてもらいたいんだけど、それを1人で抱え込まなければならない。その心境っていうのは、苦しみというのはどういうことでしたか?

三浦さん:1人で、世界中が自分にとっては他者。自分だけが、それを抱え込んで生きていくと、例えばものすごい絶望に襲われることもあるし、二面性を持つことになるわけです。平穏な生活をしている私と、それからそれを抱え込んで生きている私と、どんどんかい離してきて、自分を追い詰めてしまったりとか。そのなかで、家族に対して言えなかったことによるつらさみたいなものが、家族に向かうこともあるわけですよね。言えなかった自分の恨みみたいなものが、家族に対して向かう場合もある。

武田:それで、さらに、また傷ついてしまう。

三浦さん:心を閉ざすってことですね。心を閉ざして、本当は話したら、もしかしたら受け止めてもらえたのかもしれない。でも、結局のところ、そこは自分はリスクをとらずに、一人でその経験を見つめ続けることを選んだんですね。

武田:それは、当然つらいことですよね。

三浦さん:そうですけれども、それによって私の強さみたいなものが四半世紀かけて形作られたというのがあるので、だからといって人生が終わるとか、そういうことではないんですけどね。

高山:どうすれば親も子も受け止めることができるようになるのか。被害者本人はもちろんなのですが、親も支援している施設を取材しました。

性暴力を告白された時 親は…

「性暴力のことで、心配なことがあるんですか?」

名古屋市内の病院にある、性暴力救援センター「日赤なごや なごみ」です。
ワンストップ支援センターとして、被害に遭った本人だけでなく、親からの相談も受け付けています。

「お父さんから、ご相談ということでした。」

“娘はどうなってしまうのか?治療する方法はあるのか?”

夜中の3時に電話をかけてきた父親もいます。
相談には、専門の看護師や医療ソーシャルワーカーなどが24時間体制で対応。丁寧に話を聞き、寄り添うことで、親の不安を取り除いていきます。

娘が被害に遭った母親
「(子どもに)かける言葉が見つからなくて。」

医療ソーシャルワーカー
「何が正しいか、何が間違っているか、わからなくなっちゃいますよね。ちょうど難しい年頃だと本当に思うので、娘さんが自分から、いろんなことをしゃべってくれたんでしょうか。」

娘が被害に遭った母親
「違いますね。最初は話すのをずっとためらって、ただずっと泣くばかりで。」

4年前に開設されてから、親や家族からの相談は900件を超えています。

去年から、なごみに相談に来ている40代の母親です。娘は、SNSで知り合った男性から被害を受けました。その後、しばらくどう接すればいいかわからなかったと言います。

母親(40代)
「腫れものに触るように接してみたり、急に怒りがこみ上げてきて、娘が悪くないことはわかっているんですけれど、怒りをぶつけそうになってしまった。」

娘の被害を知った当初、母親は直ちに警察に被害届を出し、弁護士に連絡するなど、次々と対応に走ります。しかし、娘の気持ちを確認したことはありませんでした。次第に、気持ちがすれ違っていきました。

性暴力救援センター 日赤なごや なごみ 片岡笑美子センター長
「お嬢さんのことも聞きたい。」

そんな母親に、センター長の片岡さんは、まず娘がどうしたいのか気持ちを聞いて受けとめるよう、繰り返しアドバイスしてきました。いま、母親は娘の思いに耳を傾けるようになっています。

母親(40代)
「娘に、今後どういうふうに親として接してほしいか尋ねました。聞いたところ、本人からは『事件の前と変わらない態度で接してほしい』と。娘の意見を聞いて、よかったなと思いました。うれしそうで。」

性暴力救援センター 日赤なごや なごみ 片岡笑美子センター長
「だいぶ、お母さんも変わったからね。娘さんも、自分が認められているんだ、聞いてくれるっていうのは、すごくうれしい。」

さらに、もうひとつ、なごみが母親に伝えたアドバイスがあります。
それは、“あなたは悪くない”と子どもに伝え続けること。

母親(40代)
「『絶対悪くない』ってメッセージを送り続けないとダメよって、心構えを教えてもらって、そうだよなと。自分を見失いそうになることがある、(子どもが)被害に遭ってしまうと。母親自身が。アドバイスをもらうことで、娘にメッセージを伝えることができました。」

性暴力救援センター 日赤なごや なごみ 片岡笑美子センター長
「(親が)不信を持ちながらやっていると、子どもも非常に不安定になるし、被害に遭ったのは当事者なので、その子をどう支援していくかが一番大事。」


高山:ご紹介した、なごみのようなワンストップ支援センターは全国各地にあります。被害を受けた家族を、最適な機関と結ぶサポートも行っています。

武田:これまで、多くの性暴力の被害者や家族を見て来られた信田さん。子どもがどうしたいかを聞くということですけども、子どもも親も混乱している中で、どうしたらいいのか分からない状態じゃないかと思いますが、どうですか?

ゲスト 信田さよ子さん(日本臨床心理士会 理事)

信田さん:気持ちも混乱していますし、考えも混乱しているときに、親がまず第一に言うことは、母親である私に打ち明けてくれたというか、相談してくれたことに対して「ありがとう」と伝えるということだと思います。つまり、親を信頼して自分に伝えてくれた。それに、「ありがとう」と言って、あとは被害者であるお嬢さんをハグするとか、背中をさすったりして、しばらく何も言わないとか。次から次へ方法論に走ることより、まずおっしゃったような気持ちを受け入れて、考えがまとまらなかったら一晩置いて、またあした聞くね、みたいな。そんな対応がいいと思います。

武田:ただ、親のほうもショックを受けて、混乱していると思うんですよ。できますか?

信田さん:やっぱり同じ女性として、娘が性被害を受けるってことは、半分、自分も被害を受けた感じになるんですね。ついついショックのあまり、目の前にいる子どもを責めてしまう。叱ったり、あなたが悪いんじゃないの?といったことを言ってしまったりする危険性もあるので、そこは頑張ってそれを言わないでほしい。やっぱり言いたくなっても、そこは親として絶対に言わない。感情もぶつけないということは、やっぱり頑張っていただくしかないと思います。

高山:ほとんどの場合、子どもから相談することはないというのが現状だと思いますが、親は気付くことができないのか。先ほどの支援センターで、いくつか兆候が現れたら要注意と聞きました。「眠れなくなる」、「食べられなくなる」、「成績が下がる」、小学校の低学年までは「性的なしぐさ・言動が多くなる」と。

武田:三浦さんの場合はどうでしたか?サインを出していましたか?

三浦さん:日常、黙っている分だけ夢にみる、眠りが浅くなる、人前で口を開けたり、ものを食べることができなくなる。そして、学校を高校になるとサボりだしたりとか。あるいは、4番目にあたるんですかね。次から次へと違う男性とつきあったりとか、素行が悪くなるっていうか。悪くないのかもしれないですけど、それを同級生や親に非難されたりすると、自分としては性被害の副反応が出ているんだけど、それを責められることで、自分をまた責めてしまったりとか、混乱したりして、また孤立するというような、負のサイクルがありました。

高山:家族には打ち明けることがなかった三浦さんですが、実は大学時代、当時の交際相手で、夫の清志さんには受け入れ続けてもらっているということです。当時、どんな様子だったか伺ってきました。

性暴力 三浦さんを受け止めた夫・清志さん

三浦清志さん
「『こうすればいい』『ああすればいい』よりも、聞いてあげることに、一番役割があった。黙って聞くというのは意識した。本人が一番大変なので、周りが勝手にジタバタしない。人生が進んでいくのを、代わりに生きてあげることもできない。応援する、いつも味方だよ、伝わるようにする。」

性暴力被害 受けとめるには…

武田:というふうに清志さんはおっしゃっているんですが、何が三浦さんにとってよかったのか。そして、どうやって日々を歩んでらっしゃるのか。

三浦さん:ジタバタしないという言葉に象徴されているように、この事件を、告白を利用して、例えば、彼が私に対して支配を及ぼしたり、行動を制限したり、責めたりすることは一切なかった。これが一番よかったですね。それに加えて、自分が人生を送っていかなきゃいけないのに、もちろん支えは必要だけども、それを代わりに生きてあげることはできない。つまり、私自身が自分で道を探していかなきゃいけないということを示してくれたと思います。だから、日常的な、温泉に行くとか、外食に行くとか、そういう小さなことですが、やっぱり私が日々、1日1日生きやすくできるように、常に臨機応変にそばにいてくれたっていうことですね。

武田:そうやって1日1日回復していったということですね。

三浦さん:それを通じて、私は、自分が大事な存在で、自分の意思を持って自由に行動していいんだっていう気持ちを育てることができたと思います。

武田:父親、夫、パートナー、こういった立場の人はどういうふうに受け止めたらいいんでしょうか。

信田さん:ついつい、前向きに生きなさいとか、過去のことは忘れましょうとか、そういうふうに言いがちですが、後ろ向きであることをいとわないというか。性被害って過去のことですから、被害を受けるってことは過去から引っ張られるということです。だから、そういうときにご本人が後ろ向きである。私たちもそれに引きずられることも、あまり否定しちゃいけないなって思います。

武田:過去を見つめるということを否定しない。

信田さん:過去を整理しないといけないんですよ。混乱しているので。そのことを私たちは応援していくというか。それは、過去を扱うってことになりますよね。

武田:難しいですが、傍らにいて、ご本人が過去と向き合うことを一緒に伴走していくという態度なんですかね。

高山:大切なのは関係性だと思いますが、親子がそういった関係性を築くためには参考になる、こんな取り組みがありました。

性暴力被害を受けとめる関係づくり

先月、東京都内で開かれた、親を対象にした性教育のイベントです。
幼い子どもをもつ母親たちが集まりました。

参加者
「性のことになると、自分があわあわしちゃって。」

「子どもに性教育しなきゃと思うけど、どう切り出したらいいか。」

この会を企画したNPOの代表、染矢明日香さんです。

親子で性について話せる関係を築いておくことが、いざという時に大切だと考えています。

ピルコン 理事長 染矢明日香さん
「私も実は幼い頃、性被害の経験があって、いまだに親に言えていない。(親子で)真面目に性の話をちゃんとする関係性があんまりなかった。自分自身の経験を通して、もっと小さい頃から性に対して、自分の体を守ることについて、話し合える関係性を築けたら。」

子どもと性を語るときのヒントになればと、染矢さんは、アメリカの専門家たちが制作したアニメーションを紹介しました。

アニメを見たあと、実際に親子で話すことができるのか意見を交わします。

参加者
「性に関する言葉は単なる言葉で、口に出していいというのが、言われてそうなんだと思っても、実際に言えるかどうか、ちょっとわからない。」

「本当にすごい大事なことで、全然おかしなことじゃないとわかってきたからと、話してみてもいいのかな。」

「旦那さんにも協力してもらわないといけない。」


ピルコン 理事長 染矢明日香さん
「(性について)話せる関係性ということが、1日とか、少しの時間ですぐできるものじゃなくて、毎日の積み重ねのなかで築いていってほしいと思います。」


武田:三浦さんも、小学生のお嬢さんがいらっしゃるということですが、性に関して話せる関係性っていうのは、何か取り組んでいらっしゃることはあるんでしょうか?

三浦さん:私の場合は、今年の5月に自伝的エッセーの中で性被害を告白しているので、それは、彼女の人生にも影響を与えてしまいますよね。だから、一般に出す前に彼女に話さなきゃと思ったんです。彼女が1年生の冬、温泉につかりながら、まず性に関する基本的な知識を教えて。それに加えて、自分の経験を教えたんですね。本の内容も音読して聞かせました。全部分かったと思いませんが、基本的な仕組みを伝えることで、偏見とか恐れが入ってくる前に、私の言葉で伝えたいと思ったというのが、直接のきっかけですけども、それによって、やっぱり自分の被害とか悲劇みたいなものを世代を通じて受け継がないように。ここは偏見を断ち切ったりしたいなと思って、教えた部分があるんですね。

武田:娘さんは、どういうふうに受けとめていらっしゃいますか?

三浦さん:彼女は、ママがつらい思いをしたんだねっていうことを、よく理解してくれているし、恐れっていうのはもちろん消えるわけじゃないけど、すごく包み込むように聞いてくれたし、それによって彼女自身が、性の問題で何か将来あったときに、私に相談してくれるだろうなという信頼にはなったと思いますね。

武田:親に相談できないという方もいらっしゃるでしょうし、家庭内で性暴力に遭っている方もいると思いますが、私たち社会が心に留めておく点。

信田さん:性被害の深刻さ。これは想像以上なので、みんなに分かっていただきたいということと、逆説的ですが、私たちに関わる社会の人たちは、性被害を特別扱いしないというか。ごくごく当たり前に、日々、一緒に生きている人なんだという対応を心がけていただきたいと思います。

武田:本当に多くの性被害があるなかで、難しいと思いますが、そういう人たちとともに私たちは生きているし。

信田さん:悲劇のヒロインみたいに扱っちゃうのは、しないほうがいいと思いますね。

武田:ごくごく普通に、ありのままに接して支える。それが支えるということなんですね。