クローズアップ現代

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2019年9月24日(火)
解禁!“ゲノム編集食品” ~食卓への影響は?~

解禁!“ゲノム編集食品” ~食卓への影響は?~

生命の設計図を改変して作られる“ゲノム編集食品”。今月、国内で解禁され、近く販売が可能になる。ゲノム編集の技術を使えば、肉厚のマダイや栄養価が高いトマトなどを短期間で開発することができ、私たちの食卓に大きな影響を及ぼす可能性がある。果たしてその安全性は?そして、従来の遺伝子組み換え食品との違いは?日本に先行し、すでにゲノム編集食品の流通が始まっているアメリカの動向も取材。あらたな技術との向き合い方を探る。

出演者

  • 中島春紫さん (明治大学 教授)
  • 纐纈(こうけつ)美千世さん (日本消費者連盟 事務局長)
  • NHK記者
  • 武田真一 (キャスター) 、 栗原望 (アナウンサー)

どう作られる?食を変える最新技術とは

そもそも、ゲノム編集食品はどのように作られるのか。

栗原:ここは佐賀県唐津市です。あちらの海沿いに見える建物が、今日私たちが取材する研究所です。

ゲノム編集を使った魚の養殖技術を開発している、九州大学大学院の大賀浩史助教です。

実験場は、厳重に管理された建物の中にあります。今回、特別にカメラが入りました。

九州大学大学院 大賀浩史助教
「ゲノム編集のサバがこちらに。」

栗原:この水槽ですか?サバがいました。これがゲノム編集のサバ?

九州大学大学院 大賀浩史助教
「これがゲノム編集のサバです。」

栗原:初めて、ゲノム編集サバと対面しているわけですけど、普通のサバとゲノム編集サバの違いが、見たところ全然わかりません。

九州大学大学院 大賀浩史助教
「姿かたちは(通常のサバと)全く同じでして、我々が行っているゲノム編集は、サバの攻撃性を抑える。」

栗原:攻撃性ですか?

実は、サバは強い攻撃性を持っています。通常のサバの稚魚に餌を与えると…。

九州大学大学院 大賀浩史助教
「非常にアグレッシブですよね。」

この攻撃性のためサバの稚魚は共食いをしてしまいます。水槽で飼育すると生存率はわずか1割。これまで養殖は難しいとされてきました。

そこで研究が進められてきたのが、ゲノム編集の技術です。

栗原:この液体、どんな役割のものなんですか?

九州大学大学院 大賀浩史助教
「これは、目的とする遺伝子を探し出して、そこにくっついて遺伝子をチョキっと真っ二つに切ってしまう。いわゆる“ハサミ”の役割をするものなんです。」

大賀さんがハサミと呼ぶのは特殊な酵素です。顕微鏡を使いながら、この酵素を魚の受精卵へ注入していきます。すると、受精卵の内部では遺伝子に変化が起きます。サバの遺伝子にある攻撃性をつかさどる部分を、酵素がピンポイントで切断するのです。すると、攻撃性が抑えられ、共食いをしにくい性質になるといいます。

まだ研究段階ですが、1割だった稚魚の生存率が4割にまで上昇。難しいとされてきたサバの養殖の可能性を広げると期待されています。

九州大学大学院 大賀浩史助教
「日本や世界の水産の未来を救うかもしれない。そういったすごいサバですよね。まさに、革命と言ってもいい技術ですね。」

こうしたゲノム編集食品は、海外から輸入される可能性もあります。日本以上に開発が進むアメリカ。ベンチャー企業がこぞって実用化に乗り出しています。

ペアワイズプランツ ホルヘ・ベネガスさん
「この温室では、トウモロコシや大豆を栽培しています。すべてゲノム編集したものです。」

通常より収穫量が多いトウモロコシやビタミンを多く含むベリーなど、50種類にのぼるゲノム編集食品を開発中です。

ペアワイズプランツ トム・アダムスCEO
「ゲノム編集食品に不安を感じる人もいますが、すぐに受け入れられるでしょう。スマホの仕組みは分からなくても使いますよね。それと同じですよ。もちろん日本にも輸出しますよ。」

遺伝子組み換え食品とどう違う?

ところで、遺伝子を操作すると聞いて遺伝子組み換え食品を思い出した人もいるのではないでしょうか。この両者、いったい何が違うのでしょうか?
例えば、害虫に強い遺伝子組み換えのトウモロコシの場合。害虫を駆除するタンパク質を作るバクテリアに着目。その遺伝子を組み込みました。このように、遺伝子組み換え食品では遺伝子を入れるのに対し、今開発されているゲノム編集食品では遺伝子を切ります。これが大きく違うのです。

新たに遺伝子を入れる遺伝子組み換え食品は、それによって人間に害を及ぼすことがないか、国の安全性審査を受けることが義務づけられています。企業は成分解析や動物実験などを行い、アレルギーの原因物質や発がん性物質などが新たに生み出されていないことを確認します。そのデータを国の食品安全委員会に提出。厳格な審査を受けた上で、許可を得る必要があるのです。

一方、今開発されているゲノム編集食品は、もともとある遺伝子を切るだけだとして、今回国は安全性審査は必要ないと決定しました。

いったいなぜなのか。その背景には遺伝子を“切る”という手法が、これまでの品種改良で使われてきたことがあります。
味がよく病気に強いことで知られる梨。“ゴールド二十世紀”も遺伝子を切ることで生まれた品種の一つです。ここはゴールド二十世紀が作られた実験農場。品種改良は放射性物質を利用して行われました。

農研機構 放射線育種場 森下敏和博士
「この中にあったんです。線量の大きさで言ったら、88.8テラベクレルという、かなり大きなガンマ線を出す線源(放射性物質)がこの中に入っていました。」

実験農場の中心に設置されたタワーから出る放射線によって、作物の遺伝子の一部が切られ突然変異を引き起こしたのです。

農研機構 放射線育種場 森下敏和博士
「(放射線による)突然変異とゲノム編集では、変異の遺伝子が変わる仕組みは同じ部分があるわけですよね。『機能喪失』というところで。長年の突然変異に関係する食品を食べてきたという食経験もありますので、これまでのところ、何か問題が発生したことは聞いていません。」

遺伝子を切る…“未知のリスク”懸念も

一方、ゲノム編集食品には未知のリスクがあるという指摘もあります。

消費者団体 アナリスト ジェイディー・ハンソンさん
「ゲノム編集食品には『オフターゲット』というリスクがあります。食べ物の毒性やアレルギー成分が増えてしまわないか懸念しています。」

オフターゲットとは、ねらった遺伝子を切るはずのゲノム編集のハサミが別の遺伝子を切ってしまうことです。これが起きるとどうなるのか?
例にあげたのはジャガイモです。日光にさらされると、ジャガイモは毒を生成します。緑色に変色することがその印です。もし、オフターゲットによって緑色にする遺伝子が切断されてしまったら…。毒が生成されていても緑色にならず、気づかずに食べてしまう恐れがあるというのです。

消費者団体 アナリスト ジェイディー・ハンソンさん
「ゲノム編集については、まだまだ解明されていないことがたくさんあるのです。科学者の中には『ゲノム編集は世界を飢餓から救う。』『この技術には良いことしかない。』『リスクなどもすべて分かっている』と言う人がいます。そうした人は、まるで自分が神だと勘違いしているように思います。」

日本では、来週火曜日から解禁されるゲノム編集食品。街の皆さんに聞くと…。

「味とか、本当に食べても体に影響がないのか。」

「よく分からないので、ゲノムっていうものがどんなものなのか全く知らないので。」

皆さんの知りたいことにスタジオでお答えします。

どんな技術?安全性は?

武田:私たちの食卓に上る可能性が出てきた「ゲノム編集食品」。現在、開発されているものが、養殖しやすいサバ、血圧を下げる成分が多いトマト、アレルギー物質が少ないタマゴなど…あります。

こうしたゲノム編集食品について国は、1週間後から販売を解禁するとともに、そのルールを決めました。まず、企業には販売を始める前に、どういうゲノム編集をしたのかなど内容の届出を求める。遺伝子組み換え食品には義務とされている安全性審査、これは必要ない。そして、こうしたルールは、輸入品についても同様に課せられるということです。

専門家会議の委員として、ルールの策定にも関わられた明治大学の中島さん。遺伝子を入れるのが遺伝子組み換え食品。一方、今のところは切るだけのゲノム編集食品。この違いで、安全性審査が必要なのかどうかというのが変わってくるわけですね。切るだけとはいえ、ゲノム編集食品というのは本当に安全なんでしょうか。

ゲスト 中島春紫さん(明治大学 教授)

中島さん:実はこれまでの品種改良というのは、天然の放射線などでゲノムが切れることによって起こっているものです。ですが、ゲノム編集というのは、これをピンポイントで起こすことによって品種改良のスピードをアップするというものです。なので、結局のところ辛抱強く品種改良すれば、いつかは取れるものしか取れません。現状で出回っている食品とリスクは変わらないと考えられますので、特段の安全性審査は必要ないのではと考えております。

武田:安全性審査は必要ないんですね。

中島さん:特段の安全性審査は必要ないようです。

武田:ただ、ゲノム編集でも遺伝子を入れるということは原理的には可能ですよね。将来的に、これが食品に使われるようになったらどうなるんでしょうか?

中島さん:実は厚生労働省では、企業への届出を求める前に事前相談のシステムを敷いておりまして、まず事前相談してくれ。そこで専門家の手によって、本当に安全性審査は必要ないのか、本当に品種改良に比べてリスクが上がっていないのかをチェックいたします。そして、安全性審査が必要ありと遺伝子組み換え該当するということになれば、厳密な安全性審査を要求することになりますので、これで安全性は担保できると考えております。

武田:例えばゲノム編集で、遺伝子組み換えのように別の遺伝子を入れる食品が出た場合は、遺伝子組み換えとみなして安全性審査をすると。ここに至る前のチェックもちゃんとやりますということですね。

中島さん:そういうルールになっております。

栗原:今、話に出ました「安全性審査」について、海外では対応が分かれているんです。まず、アメリカは、従来の品種改良と区別できないとして、日本と同じように安全性審査は必要ないとしています。一方のEU=ヨーロッパ連合は、遺伝子組み換えと同じ規制を適用すべきという裁判所の判断が去年出ました。そのために安全性審査は必要という考え方なんですね。

武田:日本消費者連盟の纐纈さんは、現状ではゲノム編集食品の販売には不安が残ると主張されています。アメリカ、日本は同じですが、それとEU対応が異なっています。これ、どうお考えですか?

ゲスト 纐纈(こうけつ)美千世さん(日本消費者連盟 事務局長)

纐纈さん:私たちは販売に不安を確かに持っていますけれども、基本にあるのは、そもそも販売は反対という立場に立っています。なぜかということなんですけれども、EUでは予防原則という考え方をとっています。これは、なかなか日本ではなじみがないんですけれども、簡単に申しますと、例えば白か黒か分からないものがあったとします。黒であれば規制するということではなくて、グレーでも、それは規制すべきというのはとても重要な考え方で、日本もその考え方をとるべきだと考えています。

武田:纐纈さんが懸念されていることというのが、オフターゲット、狙った遺伝子ではない別の遺伝子を切ってしまうことなどをはじめとする「未知のリスク」ということですけれども、具体的にはどんなことを考えていますか?

纐纈さん:ゲノム編集技術そのものがかなり新しい技術です。まだ分かっていないことがたくさんあると思っていますから、まだ分かっていないものを食品に適用して、それを流通させるということに私たちは反対していますし、懸念を持っています。しかも、なぜそこまで食べ物というものに反対するかといいますと、私たち、食経験がないんですね。そういったものを食べるというのは、今の私たちの体だけではなくて私たちの子どもとか、孫とか、未来の世代にもこれは影響するということで、とても重要な問題だと思っています。

武田:そういう懸念を持っているということですね。では実際に販売が始まるとどうなるのか。今年2月からゲノム編集食品の販売が始まったアメリカを取材しますと、消費者の立場から気になる点が見えてきました。

販売始まったアメリカ 何が起きている?

まず訪ねたのは、ゲノム編集食品を生産している農家です。トム・モロッグさん夫婦。

ゲノム編集した大豆を生産しています。食用油の原料として利用されています。この大豆を生産する農家は急増し、栽培面積はこの2年で30倍に増えました。

大豆農家 トム・モロッグさん
「通常の大豆が8ドルほどのとき、ゲノム編集した大豆は10ドルほどで買い取ってもらえます。収入が全然違います。」

肉厚のステーキに塗っている油。モロッグさんが栽培しているゲノム編集した大豆から作られたものです。

大豆農家 トム・モロッグさん
「おいしいよ。」

油は、体に良いとされるオレイン酸が多く、酸化しにくいため、通常より3倍長もちするとされています。油のラベルを見ると、書かれていたのは「Non-GMO」、遺伝子組み換えではないこと。そして、オレイン酸が多いという商品のメリット。ゲノム編集食品であることは書かれていませんでした。

実はアメリカでは、ゲノム編集食品であることの表示は義務づけられていません。消費者は、この商品がゲノム編集食品であるかどうか、ラベルから知ることはできないのです。

取材班
「気付かずにゲノム編集食品を食べていたとしたら、どう思いますか?」

ゲノム編集食品 肯定派
「そうだったとしても、別に気にしないよ。死ぬわけじゃあるまいし。」

ゲノム編集食品 慎重派
「私たちには、どんなものを口にしているのか知る権利があります。」

食用油を開発した企業は、消費者への情報発信のあり方をどのように考えているのか。社長に話を聞くことができました。

カリクスト社 ジム・ブロームCEO
「消費者は、Non-GMO(遺伝子組み換えでない)の商品を求めています。この商品はNon-GMOであり、体にも良いと表示することには何の問題もありません。政府もそれで良いという立場ですし、弊社は正しい手続きをとっています。」

では、ゲノム編集食品かどうか知るすべはないのか。この消費者団体では、企業に頼らず、独自のやり方でゲノム編集食品の表示をしようとしています。現在、アメリカでは遺伝子組み換え食品も表示の義務はありません。そこで、スーパーの商品を独自に調査し、遺伝子組み換え食品でないことが確認できた場合に、独自の認証マークをつけてきました。

Non-GMOプロジェクト広報 ハンス・アイゼンベイスさん
「このマークがついていれば、遺伝子組み換え食品ではありません。消費者にとっての安全地帯です。」

この表示をゲノム編集食品にも拡大しようとしています。そのやり方は、商品の流通経路をさかのぼり、開発したバイオ企業の特許を調べるというもの。

調査には時間とコストがかかりますが、こうすることで消費者の選ぶ権利を守ろうとしているといいます。

Non-GMOプロジェクト広報 ハンス・アイゼンベイスさん
「ゲノム編集食品は、たしかにNon-GMO(遺伝子組み換えでない)かもしれませんが、そう表示するのは消費者を欺く行為です。ゲノム編集食品が本当に良い技術と考えるなら、表示をして、消費者に判断を委ねるべきです。」

表示はどうなる?日本企業の対応は?

日本でも、来週火曜日からゲノム編集食品の販売が解禁されます。日本で最初にゲノム編集食品を販売するとみられる企業です。開発しているのは、血圧を下げるとされる成分「GABA」を多く含んだトマトです。国が決めた販売ルールでは、アメリカと同じようにゲノム編集食品であることを表示する義務はありません。どう対応しようとしているのか聞きました。

サナテックシード最高技術責任者 筑波大学教授 江面浩さん
「必要な情報を提供するという意味では、『ゲノム編集食品です。』『ゲノム編集トマトです。』みたいな表示というのはありかなと。情報を知りたいという皆さんがいるのであれば、それは情報として、ちゃんと提供していくべき。」

いよいよ始まるゲノム編集食品の販売。私たちのもとには、どのように届けられるのでしょうか。

担当記者が見たアメリカの実態

武田:アメリカの現状を取材した水野さん。どんなことが見えてきましたか?

水野記者:まず、ゲノム編集食品の生産というのが、私が取材に入る前に想像していた以上に大規模に行われているなと、進んでいるなと感じました。このままだと、今後日本にも入ってくるだろうなと感じたというのが率直な感想です。2点目には、アメリカでもゲノム編集食品が表示されないということについての懸念が一定程度、大きいなと感じました。先ほどのVTRでもあったように、民間の消費者団体が表示を独自に行うという仕組み。国の制度によらないという点で注目される動きだなとも思いました。ゲノム編集食品が、これから日本で流通していくときに、やはり表示があいまいだと、それを不安に感じる消費者の方も出てくるだろうなとも思います。

表示はどうなる?企業の対応は?

武田:表示するかどうか、企業によって対応が変わってきているようですね。

水野記者:企業は表示するメリットとデメリットについて考えていると思います。メリットというのは、ゲノム編集による付加価値をアピールすることができる。一方、デメリットは不安を感じている消費者が離れてしまうということです。

メリット、デメリットの2つをてんびんにかけて表示する企業、しない企業と分かれると思います。また、収量がアップするというような、消費者に付加価値をなかなかアピールしにくい食品に関しては、表示をためらう企業も出てくる可能性があります。遺伝子組み換え食品というものが出てきたときに、安全性審査ですとか食品表示のルール作りが遅れました。これによって、消費者には不信感というものが残っているというふうに思います。ゲノム編集食品の開発企業は、ゲノム編集食品が遺伝子組み換え食品と同じだと消費者に思われることを懸念しています。なので、今は消費者の受け止めを慎重に見極めている段階だと思います。

武田:中島さん、なぜ日本でも表示義務がないということにしたんでしょうか。

中島さん:それは、ゲノム編集の場合は、ほかの生物由来の遺伝子が含まれるわけではありませんので、科学的にゲノム編集か従来の品種改良か区別することができません。

武田:分析しても分からないと。

中島さん:どうしても分かりません。なので、義務化しても実効性が担保できない。つまり、違反したものの証拠を握ることができないので、摘発することができないというのが大きな理由になっています。

武田:ただ、これはやはり表示義務はしたほうがいいという考えはあるんですよね。

中島さん:ゲノム編集というのは新しい技術ですから、これを皆さんに理解していただくためには、開発した方々が自主的にゲノム編集であるということを表示して、メリットを説明していただくのが望ましいと考えております。

武田:一方、纐纈さん、消費者にとってはどういうことが望ましい状況になるとお考えでしょうか。

纐纈さん:最優先されるべきは、選ぶ権利を保障するということだと思います。つまり、食べたくなければ食べなくて済むような、そういったために表示は必ず必要です。国は表示は義務化しないということにしてしまいましたけれども、義務化をしていただかなければ、私たち消費者は食べたくなくても避けることができない状況なのが問題だと思っています。

武田:ただ、なかなか科学的に区別できない現状があるわけですよね。

纐纈さん:それにつきましては、例えば社会的な検証という方法がありまして、これは流通、生産段階をさかのぼって履歴を見ることによって、それがゲノム編集食品かどうか分かるんですね。こういった、いわゆる社会的な検証ができるかどうかということを国の方でもきちっと時間をかけて議論していないということが非常に問題だと思っています。

武田:国や企業に望みたいことは、例えばどういうことでしょう?

纐纈さん:ゲノム編集が今、最先端の技術として、とても急ピッチで進んでいますけど、ゲノム編集という技術が内包するリスクというのが、日本ではほとんど議論されていないということがとても問題だと思います。やっぱりゲノム遺伝子をいじるということは非常に危険なことですので、きちんと社会的な議論を作っていくということが非常に重要じゃないかと思っています。

武田:議論するということは大事ですよね。