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2019年7月2日(火)

“老後2000万円” 将来不安につけ込まれるな! 現役世代に落とし穴も…

“老後2000万円” 将来不安につけ込まれるな! 現役世代に落とし穴も…

「老後30年間でおよそ2000万円が必要」などとした報告書が大きな波紋を呼んでいる。現役世代に広がる不安。いま、老後に備え少しでも収入を増やそうと、投資や副業に乗り出す人も少なくない。しかし、知識も経験もない中で失敗し、苦境に陥る人も続出している。専門家は「不安があおられ、甘いもうけ話の餌食になっている人たちがいる」と警鐘を鳴らす。現役世代は何をするべきか、“将来不安”につけ込まれない術を掘り下げる。

出演者

  • 山崎元さん (経済評論家)
  • 深田晶恵さん (ファイナンシャルプランナー)
  • 武田真一 (キャスター)

老後資金の不安から…不動産投資の落とし穴

老後資金への不安から、不動産投資に手を出し、多額の負債を負った人がいます。都内のサービス業で働く、54歳の男性です。

4人家族の、この男性。2人の子どもは私立の大学に行ったため、貯金を取り崩し、毎月20万円の教育費を賄うようになりました。教育費を除くと、手元に残るのは月30万円。一方、支出は生活費や携帯代、生命保険など、29万円に上ります。

そのため、老後に回す貯金ができず、将来への不安が大きかったといいます。

サービス業勤務(54)
「(老後)2,000万、3,000万必要だ。イコール、それがほぼ退職金だな。ただ何歳まで生きるか分かりませんし、健康ならばいいですが、病気になった場合は、きっともっとお金がかかるだろうと思ったときには、それだけで本当に足りるの?というところもありました。
紹介をされたのが、この会社ですね。」

そんな中、1本の電話がかかってきました。アパートを経営する不動産投資の勧誘でした。勧められたのは、関東近郊や金沢のアパート4棟、合計で2億6,000万円。勤務先の信用があるため、全額ローンで借りられると説明されました。

サービス業勤務(54)
「満室だという説明資料はこれをもって。」

資料によれば、アパートが現在満室となっていて、ローンを支払っても月の収支では30万円のプラス。

さらに、「将来の年金不安に対し、投資で自分の身を守ることができる」「家賃保証もあるため、空室のリスクも抑えられる」と言われました。子どもが独立し、老後の資金がたまるまでと考え、投資を決めました。

サービス業勤務(54)
「ローンの支払いの金額を見ると、月々プラスなんですね。返せる見込みの借金だなと。特段その辺の不安は、実は、今思うとぞっとしますけど、その当時は何も思わずに、5年とか10年しか持つつもりはなかったので、それぐらいの年数だったらいいかな。」

しかし実際は、説明とは異なるものでした。このアパートでは7部屋中5部屋が空室。家賃保証はされず、全体で月46万円の赤字となってしまったのです。

この不動産会社に話を聞こうと訪ねてみると…。

取材班
「違う会社みたいですね。」

すでに移転していて、所在がつかめなくなっていました。結局この男性はアパートを売却し、2億円余り残ったローンの返済に充てることにしました。しかし、その見込みはまだ立っていません。

サービス業勤務(54)
「このままずっと借金を背負って、退職して、まさに年金と退職金だけになってしまったら、かつそこに、それを上回る借金があると、本当に日々の生活すらできない状況になるので、なんでそうなってしまったんだろうという後悔ですね。」

老後の不安を語り、投資を勧誘していたという、不動産会社の元営業マンに話を聞くことができました。

この男性が販売したアパートやマンションです。その数、年間100棟以上に上るといいます。

元不動産会社 営業
「アプローチの切り口としては、将来の老後の資金計画はどうなってますかというところから入って、将来、今30代40代の方が年金をもらえるとしたら、多分これぐらいになりますよ。この金額で家族みんなでやっていけるかどうか不安に思っていないか。それを解消するために何か資産形成しませんかと、きちっと説明すると、ああどうしようという感じになる。」

将来への不安が投資のリスクを見えにくくしていると指摘するのが、消費者トラブルに詳しい、荒井哲朗弁護士です。

荒井哲朗弁護士
「投資というのは、お金を預けたらなんか増えて戻ってくる。なんか預金のちょっと得なバージョンみたいに思っておられるんだと思いますが、そうではなくて、リスクを引き受けるという行為です。投資に対するその意識の低さと、その低さを知りつくした加害者の存在と。こういうスパイラルで被害が増えていっているんだと思います。」

リスクの高い投資を勧められ…増えるトラブル

投資を巡るトラブル、将来に不安を抱く若い世代の間でも急増していることが分かってきました。去年(2018年)友人を通じて、ある投資ツールを購入した20代の男性です。

20代 男性
「こちらのUSBですね。」

取材班
「これをいくらで買ったんですか?」

20代 男性
「53.4万円で購入したものです。」

代金は消費者金融で借金して工面しました。「バイナリーオプション」と呼ばれる、金融取引に役立つと説明されたといいます。「バイナリーオプション」とは、外国為替の相場が現在より高くなるか低くなるかを、二者択一で予想する金融取引です。例えば、高くなると予想し、その通りになれば、決められた金額を受け取ることができますが、外れれば投資した全額を失うため、リスクが高いとされています。

USBの中には、為替相場の値動きを予想するシステムが入っていて、月に20万ほどの利益が出ると説明されたといいます。

20代 男性
「矢印が上だとか下だとか出てきて、その矢印のとおりに取り引きボタンを押す形です。ツールどおりにやっても、聞いていた話どおりにはもうからなかった。30分しないうちに10万円くらい溶かして(負けて)しまったことがあります。」

当時フリーターだった、この男性。USBを購入するまでの間、業者から繰り返し、年金不安などを語られたといいます。

20代 男性
「年金が将来もらえないだとか、いま始めないと将来やばいから、いま始めて一緒に楽しい人生にしたいんだよね、みたいな話をされます。やらないと将来やばいという不安感を植え付けられて。」

高額で販売されたUSBは、一体どれほどの価値があるのか。国民生活センターの担当者に、中身を分析してもらいました。

国民生活センター 相談情報部 飯田周作さん
「過去にトラブルになった事案などで、同じようなバイナリーソフトのチャート画面を見たことがあります。フリーのソフトなどがベースになっていることも考えられます。」

結局、男性は投資で利益を出すことはできませんでした。業者からは、USBを買う人を紹介すれば、1つあたり6万円の紹介料を得られると勧められました。男性は友人や知人たちを業者に紹介。いわゆる「マルチ商法」に巻き込んでしまったといいます。

20代 男性
「縁が切れてしまった人も何人もいます。人を裏切ってしまったり、人に借金を背負わせてしまった。人生を変えてしまったと言っても過言ではない。多くの友人も失いましたし、結果として後悔している。」

国民生活センター 相談情報部 小池輝明さん
「バイナリーオプション全体では、(相談件数は)400件くらいで推移してきた。昨年度は800件台と2倍になっております。若者がターゲットにされているからだと思います。若い人の交友関係、学生の間のつながりとかを利用して、マルチ取引的な勧誘でどんどん友人知人へ勧誘が広がっている。」

要注意!SNSのもうけ話 違法性の指摘も

業者はどのように甘いもうけ話に誘い込むのか。今、SNS上では、将来への不安を語り、簡単に稼げると勧誘する内容があふれています。中には、消費者庁が誇大広告などと違法性を指摘したものも現れています。その1つ、「真似っこビジネス」と称する情報商材です。1万5,000円でマニュアルを販売。真似をするだけで稼げるなどとうたって、さらに高額な契約に誘導していました。

半年ほどで3億円を売り上げ、違法性を指摘された業者のもとを訪ねました。記載された住所は都内にあるマンションの1室。

「用件は?」

取材班
「『真似っこビジネス』について、話を聞かせてほしい。」

「申し訳ない。勘弁してもらっていいですかね。本当に僕は関係ないんで。(経営者の)かなり後輩。」

応対した人物は会社とは無関係で、経営者は不在だといいます。
消費者庁の調査に基づいた、この業者の手法です。初めにフェイスブックなどのSNSに「やることは真似をするだけ」「毎月150万円以上を狙う」などと記した、虚偽の広告を掲載。さらに、電話相談するよう求め、巧みに勧誘していたのです。

(再現)
「お金を支払わなくてもできますけど、コースにあるサポートが付かないので、売り上げを見込むのは絶対、難しいですよ。35万払っても、目安ですが最低の額で60万なんですよ。絶対、稼げます。みなさん、続々と利益出てますよ。」

業者は電話を切らせず、その場で契約まで押し進めていたといいます。この業者からマニュアルを購入した人はおよそ2,900人。そのうち数十万円もの代金を支払った人は1,200人に上りました。

50代 女性
「電話はビジネスの指導で勧誘と思わなかった。1か月やっても収入は全く得られなかった。」

30代 女性
「夫から家計のために働くよう求められ、家事・育児で忙しく、警戒のハードルが下がっていた。」

消費者庁は、似たような手口を行う業者を30社以上確認しており、注意を呼びかけています。

消費者庁 財産被害対策室 小泉勝基室長
「事業者から『詳しいことを知りたければ、LINEの友達登録を』という手口が一番多い。スマホをピポパとするだけで、一日、何万も稼げている動画とか、そういった人が優雅な生活をしている動画で、なおかつ顔を出しているので、消費者の人は顔まで出しているのだから嘘はないだろうと信じている人が多く見受けられます。」

老後不安につけ込まれないようにするには、どうすればいいのか。スタジオで、さらに詳しく見ていきます。

不安につけ込まれないポイントは?

ゲスト 山崎元さん(経済評論家)
ゲスト 深田晶恵さん(ファイナンシャルプランナー)

武田:消費者庁や国民生活センターに取材を続けますと、違法性があるとしたケースの勧誘手口に共通の特徴があることが分かってきました。まず、「簡単にもうかる」「大金を稼げる」など、何もせずに大金が入るかのようにうたう。そして、最初は具体的な手段、つまり、どのように稼げるかというようなことをあえて説明しない。今なら無料、あるいは割引しますよと言って、今すぐの契約を求める。その後、高額な商材などを販売する。「もうからなければ、返金しますよ」と安心させるということです。

その上で、どういうことに注意したらいいのか、投資に詳しい経済評論家の山崎さん。「不安喚起は常とう手段!」ということですが、これはどういうことでしょうか?

山崎さん:いろんな商品やサービスを売る時に、まず心配させておいて、「老後の生活が心配じゃないですか?」ということで、それを安心して解決できるようなイメージで商品を売るというのは、パターンとして常とう手段なんです。VTRで取り上げた金融商品ほどひどくないと思いますけれども、それでも「人生100年時代です」「資産の寿命も延ばさないと大変ですよ」「では、資産形成のために投資しましょう」というような形で、手数料が高い投資信託だとか、外貨建ての保険だとか、そういうようなものを勧誘するパターンが多いので。「人生100年時代」というのは、実は金融業界がとっても大好きな言葉で、要するに「寿命が長いので、お金が足りなくなりますよ」というイメージを喚起できる上品な言い回しなんです。この言葉が出てきている広告は、ちょっと疑って考えたほうがいいですね。

武田:ただ、言葉巧みに勧誘するんだと思うんですけれども、どういう心構えでいればいいんですか?

山崎さん:そもそも、その情報をくれている人が何でもうけている人なのかと、その人の立場を考えるということ、それから、その情報がもし本当の情報なら、例えば「バイナリーオプション」でもうかるんだったら、それでどんどんお金を増やしていけばいいだけのことで、人に教える必要がないのに情報を教えてくれているっていうことは不自然じゃないかって、この2点を疑うと、大体、防げるはずです。

武田:そして、ファイナンシャルプランナーの深田さんは、こうした不安を感じてしまう私たちの心理を「お化け屋敷理論」と呼んでいらっしゃいます。このことを、まず知っておくほうがいいということですね。

深田さん:お化け屋敷って、どこでどんなお化けが驚かせてくるのか分からないから怖いのであって、分かればそんなに怖くない。老後不安も同じで、どこでどんなお金のお化けが出てくるのか分からないから怖いのであって、それを具体的にお金のお化けが分かれば、それほど漠然とした不安ではなくなると思います。

武田:どんなお化けですか?

深田さん:老後不安でいうと、まず、60歳で定年になった時に、そのあと、再雇用で働いたとしても、多くの場合は収入が大幅にダウンします。これを私は「収入ダウンの崖」と呼んでいるんですが、5年間、無事、再雇用で働いたとしても、65歳で年金生活に入った時に、もう1回、収入ダウンの崖があって、そのあと年金だけになると、また収入がダウンするんですね。それに備えて、具体的に何をしていけばいいのかということを考えていかなくてはいけないです。

武田:こうしたトラブルに陥らないということはもちろんなんですけれども、投資で老後の資金を増やしたいと考えている人は、どんなことに気をつければいいんでしょうか。投資にまつわる訴訟などを手がけている荒井弁護士は、このように言っています。「投資しなければという強迫観念にとらわれていないか」。そして、「常にリスクを伴うことを念頭にしなければならない」というふうに言っています。

ただ、老後のお金はやっぱり不安があると思います。ここからは私たちに何ができるのか、具体的に考えていきたいと思います。

老後資金の不安 何をしたらいいのか?

この日、家計コンサルタントのもとへ相談に訪れたのは、50代の主婦。家族は、会社員の夫、大学生と高校生の子どもです。

主婦(50代)
「老後のことなんですけど、全く想像がつかない状態なんです。実際どれぐらい(老後資金が)あったら安心かというのが1つなんです。」

コンサルタントが提案したのは、夫が定年退職するまでにためられる老後資金を計算すること。どれくらいの貯蓄で、老後の年金生活をスタートできるかを把握することが狙いです。
その計算方法です。夫の収入から1年間にためられる額を算出。その貯金を定年退職するまで続けると仮定します。そこに、退職金や財産を合わせたものが老後資金。これが分かれば、不安の解消につながるといいます。

家計コンサルタント 八ツ井慶子さん
「ベースが今になっているので想像しやすいのと、ご自身でいくらぐらいためられそうかという数字になるので、いま、これで足りなそうだったら何をしたらいいのかという次のステップにつなげていける。」

次のステップとしてコンサルタントが提案したのは、日々の支出の見直しです。

家計コンサルタント 八ツ井慶子さん
「日々の支出を見直す余地がないかな。」

レシートを点検し、本当に欲しくて買ったものや、必要だった買い物には「○」を。なくても困らなかったものや買って後悔したものには「×」を記入していきます。例えば、このレシート。ホワイトチーズのオイル漬けには「×」、アールグレイの紅茶には「○」をつけました。

主婦(50代)
「これは紅茶を買いに行ったんです。これ(紅茶)はいつも飲んでいるんですけど、切れてやむなく買いに行ったんです。ただ、これ(チーズのオイル漬け)はなくてもいいものかなと。」

家計コンサルタント 八ツ井慶子さん
「なぜ買ってしまったと思います?」

主婦(50代)
「わりとレジの近くにあって、結構おいしそうだったんですね。まだ買ったことがなくて、なんとなく試してみるにはいい金額だった。」

こうした必要のない買い物をやめるだけで、食費を2割削減できるとアドバイスされました。

主婦(50代)
「少しずつ数字を積み上げていくことによって、はっきりした輪郭ができあがってきたので、これをベースに考えたらいいのかなと、そういうのを教えていただけたので、すごく私の中では安心した。」

家計コンサルタント 八ツ井慶子さん
「具体的にどれぐらいためられそうか、大体皆さん1回も計算したことがないので、それを聞いただけで、結構驚かれたり、まとまった資金を見て単純に安心されたり、それをもってして初めて老後を想像できるようになる。」

老後のお金の不安をどう解消すればいいのか。このあとのスタジオでも専門家に教えてもらいます。

武田:つまり、老後にいくら必要かということを気にするよりも、現役時代にどのくらい資金を準備できるかということを考えるべきだ、イメージするべきだということなんですが、山崎さんはどういうふうにお考えになっているか、こちらです。「1人1人違う。個別に計算を!」ということなんですが、これはどういうことですか?

山崎さん:高所得の人はたくさん使うし、老後もたぶん、そういうことでしょうし、低所得の人は逆だと思うんですよね。自分の数字で平均値とかということではなくて、自分の数字で計算してみるということが大事だということですね。

武田:1人1人?

山崎さん:個別に違うので、個別の数字で計算してみるということが大事です。

武田:深田さんは、どういうことに気をつけて、例えば何割ぐらいイメージすればいいんですか?

深田さん:皆さん、「50代の時に何割ぐらいをイメージすればいいんですか?」と聞かれるんですけれども、何割っていうのは結構危険で、まず50代の時は住宅ローンもありますし、子どもの養育費もありますけれども、それが年金生活になったらかかんないですよね。お付き合いも、飲み代もかからなくなるので、まず、今かかっているお金を書き出してみて、「あっ、これは年金生活になったらなくなるな」っていうのを省いていくと、自分の年金生活になったときの支出のサイズが予想しやすくなるので、手を動かしてみることが大事です。

武田:では、どうやってその資金をためていけるのかということなんですが、深田さんは「ためる力を高める」。そのために「数千円をあなどるな!」「足し算とかけ算が重要!」とありますが、これはどういうふうにすればいいんでしょうか?

深田さん:毎月の貯蓄額をアップしたいと思った時に、なかなか1つだけ見直して、2万円という支出減ってないんですよ。なので、固定費、つまり生命保険とか、携帯電話の見直しなどで、1回やったら、来月からはもう努力が不要の固定費の見直し、それを数千円のものを積み上げていって、初めて2万円になるので、まず、ここで足し算をします。例えば月2万円、1年でかける12で12万円、50歳から60歳までの間の10年で240万円の老後資金をアップすることができます。なので、数千円の支出を積み上げて足し算をするということをあなどってはいけないということですね。

武田:固定費のほうがいいんですね。例えば食費とか光熱費ではなく?

深田さん:それは次の段階で。固定費を見直すことによって、努力をしなくても、ちゃんとお金がためられる成功体験を身につけると。

武田:そして山崎さんは、「計画的な貯蓄・取り崩し」。

山崎さん:「資産の寿命を延ばす」という目的に対して、お金を運用して、増やして、それで寿命を延ばそうっていうふうに考えるのではなくて、あくまでも、そこにあるものを計画的に取り崩すっていうことで延ばす。そういう手段の割り当てが大切だと思うんですね。あるお金自体は、自分が取れるリスクの中で運用することはかまわないんですが、「これは適切に」というか、できるだけ商品の手数料の小さいもので運用していただくのがいいと思います。年間の手数料0.5%を下回るもの、というふうに考えていただくのがいいと思います。

そうすると、コストが高すぎる商品を避けることができますし、それからコストが高い商品を売りに来る人間の悪い影響、現実のお金の運用というのは、株価の変動みたいな市場のリスクのほかに、悪い人間がいろんなアドバイスだとか、セールスだとかをしてくる、そういうリスクがあるので、この0.5%っていうのを意識していると、そういう人間を近づけないというようなことができます。

武田:見極める1つの目安が「手数料0.5%」と。

山崎さん:前回、この番組に出させていただいた時に、控室で思いついたんですけれども、これは、いろんなところで当てはめてみると、なかなか具合がいいかなと思うので、また紹介させてもらいました。

武田:そして、計画的に老後も取り崩していくと。

山崎さん:あくまでも自分の条件に従って、計画的に取り崩していくということが、お金をもたせるための確実な手段です。リスクを取って足りなくなったからといって誰かがカバーしてくれるということがないので、そこは慎重に取り崩していくということを割り当てるべきですね。

武田:定年後の生活のイメージがつきにくいんですけれども、やっぱり月々、計画的に使っていくことも大事だということですね。

深田さん:割り算ですね。

武田:これは割り算ですか。足し算とかけ算から、引き算と割り算にどう移行できるかということですね。

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