クローズアップ現代

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2019年5月15日(水)
化学物質“水汚染” リスクとどう向き合うか

化学物質“水汚染” リスクとどう向き合うか

焦げつかないフライパン、水をはじく衣類、消火剤・・・。こうした便利な製品にかつて使われていた「有機フッ素化合物」の一つPFOA。環境への蓄積性や発がん性などがあることが分かり、今月、国際条約で禁止された。いま、日本の各地で河川などから検出されているが、基準がないために対策が遅れている。便利な生活と隣り合わせの化学物質の問題とどう向き合えばよいのか考える。

出演者

  • 宮田裕章さん (慶應義塾大学教授)
  • 石井光太さん (作家)
  • 武田真一 (キャスター) 、 高山哲哉 (アナウンサー)

便利な物質が水汚染 首都圏・近畿でも検出

アメリカのニュース番組 記者
「朝7時から水の緊急配給が始まりました。」

今、ある物質によって飲み水が汚染される事態が世界各地で相次いでいます。今月(5月)開かれた国連の会議。汚染の原因となる物質の製造と使用の禁止が決議されました。

「PFOAの禁止に異議は?
(禁止を)決定します。」

有機フッ素化合物の1つ「PFOA(ピーフォア)」。20年ほど前まで、焦げ付かないフライパンや、水をはじく服など身近なものから、自動車、半導体まで、幅広い用途に使われていました。

自然界ではほとんど分解されないため、工場などから漏れ出したこの物質が、今も環境中に残り、水を汚染。それを長期的に飲んだ人の中に、がんなどの健康被害を訴える人が出てきています。

被害者
「私のような人は、もう二度と出てほしくない。」

国内でも、関東の河川や関西の井戸などから、この化学物質が検出されています。

武田:便利な化学物質が引き起こしている水の汚染。その実態に迫ります。
水や油をはじく性質を持ち、熱に強いPFOA。ご覧のような幅広い用途にかつて使われていました。

こうした製品からの人体への影響は小さいとされていますが、分解されることがほとんどないことから、永遠の化学物質「フォーエバー・ケミカル」とも呼ばれ、今も環境中に残っていることが問題になっています。有機フッ素化合物は数千種類あり、その中で特に毒性が明らかになったPFOAは、今月、国際条約で製造、使用が原則禁止されました。同じような物質には、10年前に禁止された「PFOS(ピーフォス)」というものもあります。今、その影響が国内外に広がっています。

今回の有機フッ素化合物、PFOAの禁止のきっかけの1つとなったのが、2000年にアメリカで起きた健康被害です。大手化学メーカー「デュポン社」。かつて、調理器具などを作るために、大量のPFOAを製造していました。

排水に混ざったPFOAが川に流され、飲み水を汚染。周辺の住民の体内に取り込まれていったのです。
工場の下流50キロの町に住む、アール・ボドキンさんです。およそ10年間、汚染された水を飲み続けていました。22年前、下痢や下血が続く難病、潰瘍性大腸炎を患い、大腸を摘出する手術を受けました。

被害者 アール・ボドキンさん
「病気は、私の人生を完全に変えてしまいました。私はいつもトイレの近くにいなければなりません。食事をはじめ、できることはずっと限られてきました。私のような人は、もう二度と出てほしくない。」

PFOAと健康との関連は、工場周辺の住民7万人の調査から明らかになりました。住民たちの血液中のPFOAの濃度の平均は、アメリカ人全体の20倍に達していました。

中でも、血中濃度が高い人たちでは、低い人たちに比べて、6つの病気の発症率が上昇していました。ボドキンさんが発症した潰瘍性大腸炎や腎臓がんなどです。

ブラウン大学 デビッド・サビッツ教授
「大きな懸念は、血液中に長く残ること。影響が出るまで何年もかかるかもしれません。人々が経験したことのない、新しいタイプの汚染。」

裁判では、6つの病気にかかった3,550人に対して、PFOAによる健康被害を認定。合わせて760億円の和解金が支払われました。
こうした事態を受けて、2016年、アメリカの環境保護庁は、飲料水の健康勧告値を定めました。1リットル当たり70ナノグラム。このレベルの水であれば、1日2リットル70年飲み続けても健康に影響しないとした値です。

この勧告値をもとに、アメリカ各地で調査が行われ、深刻な汚染地が次々と見つかっています。その1つミシガン州ベルモント市。防水加工の靴を作るメーカーが、ここに廃棄物を埋めていました。

PFOAなどの有機フッ素化合物が地下深くにしみ込み、700世帯の飲み水が汚染されていたのです。今、住民をどのようにケアしていくのかが大きな課題になっています。

マクノートンさんの一家は、勧告値のおよそ70倍の濃度の水を飲んでいました。今は、靴メーカーによって設置された高性能の浄水器で有害物質を取り除いています。

しかし、汚染された土壌の処理など、それ以上の対策は義務がないとして、企業は拒んでいます。この日、3歳の誕生日を迎えたジャックちゃん。

両親は、長期にわたる健康調査など、さらなる対策を訴えています。ジャックちゃんの血液中の濃度は、アメリカ人の平均の55倍に上っているためです。

マクノートンさんの妻
「息子はこんなに小さいのに、体の中にたくさん蓄積している。まだ何も理解していないと思うと、胸がはりさけそうでした。息子が健康で居続けられるのか、それが一番の心配です。」

アメリカで深刻な健康被害をもたらした有機フッ素化合物、PFOAによる水の汚染。日本国内ではどうなのか。20年以上前から、全国の水質調査を続けている、京都大学の小泉昭夫さんの研究グループです。

この日、小泉さんが調査したのは、大阪市内の寺の井戸水です。

京都大学 医学研究科 小泉昭夫名誉教授
「2016年に(調査を)したときには、アメリカの(勧告値の)21倍だった。」

参拝した人が誤って飲まないように注意を呼びかけています。

この地域は、基本的に地下水を飲み水に使っていません。しかし、この地区の複数の場所から、地下水の汚染が見つかっています。3年ぶりの調査の結果は、PFOAの濃度は、最大でアメリカの勧告値の125倍を超えていました。

近くには、かつてPFOAを製造していた工場があります。4年前に製造・使用を停止。さらに、汚染物質が漏れ出さないように、地下に鉄板を埋め込むなど、汚染を低減する対策も行っています。しかし小泉さんは、過去に敷地の外に広がった汚染が、今も地下に残り続けていると考えています。

京都大学 医学研究科 小泉昭夫名誉教授
「土壌に対する汚染はなかなか頑固だと思う。やっぱり(元に戻るまでに)数十年はかかると考えたほうがいい。」

水道水にも影響が及んでいる地域があります。沖縄です。浄水場の取水源となっている河川で、PFOAなどの有機フッ素化合物が、最大でアメリカの勧告値の10倍近く検出されています。沖縄県が汚染源の可能性があると考えているのが、アメリカ軍基地。基地の周辺に濃度の高い場所が集中しているからです。

航空機事故に備えて基地に貯蔵されている、有機フッ素化合物を含む消火剤。消火訓練などの際に、環境中に大量に放出されます。さらに、消火剤がタンクから漏れ出す事故も繰り返し起きています。

那覇市などに飲料水を供給する沖縄最大の浄水場。3年前から1億7,000万円をかけて、独自にPFOAなどの除去を行っています。使っているのは活性炭です。

「活性炭というのは、無数の穴があいていて、その穴にPFOS・PFOAが入り込むことで除去される。」

こうして水道水に含まれる2つの有機フッ素化合物を、アメリカの健康勧告値のおよそ半分にまで減らしています。

沖縄県企業局 志喜屋順治配水調整監
「EPA(アメリカ環境保護庁)の健康勧告値(70ng/L)があるが、30ng/Lはそれよりも低い値なので、健康被害は今のところないものだと理解。」

国内に汚染された場所は、ほかにないのか。10年前、関東地方の80か所で調査を行った、益永茂樹さん。全国の実態把握がなかなか進んでいないことに危機感を抱いています。この日、かつて高い濃度が検出された場所を改めて調査したところ、神奈川県大和市の引地川で、アメリカの基準の1.7倍。

千葉県市原市の用水路では48倍と、いまだに高い濃度が検出されることが確かめられました。

いずれも水道水には使われていません。益永さんは、全国的に詳細な調査を行う必要があると考えています。

横浜国立大学 益永茂樹名誉教授
「くまなく国内で調査が行われているわけではなく、まだ(汚染地が)見つかってくるという可能性はある。自治体などの広い調査が重要。」

ゲスト 石井光太さん(作家)
ゲスト 宮田裕章さん(慶應義塾大学教授)

高山:番組では今回、全国の都道府県に、「環境中の有機フッ素化合物の水質調査を行っていますか?」という質問を投げかけました。すると、「継続して行っています」と答えたのは、6の都県にとどまったんです。

環境省も全国調査を行っていまして、調査ポイントが1都道府県当たり1か所から3か所ととても少ないので、これで全体を把握できているのかなという印象を受けました。何より気になるのは、私たちが飲む水、水道水なんですけれど、監督する厚生労働省に聞きました。調査を行っている浄水施設は122か所。ここから情報を得て確認していると答えたんですが、番組が調べると、全国には6,400を超える浄水施設があるので、これだけで十分に状況を把握できているのかなという印象を受けました。

武田:日本では、どの程度、環境中に存在するのか十分に把握されていないというのが現状ですけれども、イタイイタイ病に関する取材をされたこともある、石井さん。こうした状況をどう捉えていらっしゃいますか?

石井さん:イタイイタイ病とはレベルが違う物質なんですが、構造は全く同じかなと思うんです。どういうことかというと、用水路や川などで汚染が分かっていますけれども、汚染源が分かっていないんです。汚染源が分かっていないので、声が上げられないんです。イタイイタイ病のような昔の公害も全く同じで、病気の発生から30年間ぐらい汚染源が分からないで、ずっと苦しんで、たくさんの犠牲者が出た。ようやくそれが分かっても、国や企業がなかなか認めない。それゆえ裁判が長く続いてしまう。そういった問題は、そこから半世紀たった今も同じような構造が続いているのかなという印象があります。

武田:原因となる事例が起きてから問題が起きるまで長い時間ですよね。だから今のうちに何とかしておかないといけないわけですね。

石井さん:もちろんです。

高山:今回、番組では日本の水質の値をアメリカの勧告値と比較してお伝えしているんですけども、じゃあ、日本に基準はないのか調べたら、ないんです。なぜなのか、厚生労働省の担当者に聞きました。まず、「WHOがガイドライン値を設定していない」。さらに、「日本の水道水のPFOS・PFOAの測定値は、アメリカなどの勧告値を大きく下回っており、健康影響上の問題となる可能性は低い」という回答だったんです。

武田:基準が日本にないということをどう見ればいいですか?

宮田さん:担当の行政官としては、手順に基づいた適切な対応だと思います。一方で、世界を安心と安全でリードする、あるいは水ビジネスを打ち出していくという国家であれば、WHOの基準を待つのではなく、提案していくようなポジティブさが必要だと思います。ただ、これも担当官個人で抱えるのは非常に難しくて、データを活用する人材が今、行政には決定的に不足していると。問題を発見して、対策を考えて、その対策を評価していく。こういったデータ駆動型社会における必要人材の教育、専門性の育成が必要になると思います。

武田:調査地点の数だけではなくて、その質を担保することも必要だと。

宮田さん:その通りですね。

高山:長期的な実態の把握が必要だと感じる、こんな研究もあるんです。

化学物質の赤ちゃんへの影響を調べている北海道大学の岸玲子さんです。

札幌市の妊婦500人を対象に、母親と、へその緒の血液などを調べました。有機フッ素化合物、PFOSの母親たちの血液中の濃度は、日本人の平均と変わらない程度でした。

ところが、その分布を詳しく見てみると、母親のPFOSの濃度によって、ある傾向が浮かび上がりました。母親の濃度が比較的高いグループは低いグループに比べ、赤ちゃんの体重が軽くなったり、精子の形成に関わるホルモンの濃度が4割低かったのです。

赤ちゃんが成長しても、こうした影響が続くのか。継続的な調査が重要だと、岸さんは考えています。

北海道大学 岸玲子特別招へい教授
「お母さんのおなかの中にいるとき、予想以上に広い範囲に影響をおよぼしていることはわかりました。(影響が)思春期や成人になるまで続くのか、丁寧に追跡してみないとわからない。リスクがどのぐらいなのか、心配ないのかどうかも含めて研究継続していく。」

高山:ご紹介した北海道大学では、調査の規模を2万人に拡大することにして、子どもが親になるまで調査をしていきたい、長期的に見ていきたいと話していました。さらに環境省も、全国10万人規模の子どもの成長を追跡する調査の中で、数種類の有機フッ素化合物の影響についても調べているんです。

武田:お母さんの血中濃度は平均の範囲内なわけですよね。それで子どもに何らかの影響が出るのだとしたら、これは本当に、継続的にしっかり調べてほしいですね。
リスクが続くこの2つの物質。追跡を続けると、新たな問題も浮かび上がってきました。

アメリカ軍基地周辺で高濃度の有機フッ素化合物が検出され、水道水の対策を余儀なくされている沖縄。先月(4月)基地周辺の地域で、初めて住民の調査が行われました。全国で有機フッ素化合物の調査を行ってきた、京都大学の小泉昭夫さんです。

住民およそ40人に協力してもらい、血液中の有機フッ素化合物の濃度を測定したのです。結果は意外なものでした。PFOS、PFOAの値は、日本人の平均の2倍程度。とりわけ高い値ではなく、心配はないと小泉さんは考えています。

ところが…。

京都大学 医学研究科 小泉昭夫名誉教授
「PFHxSが20.0。PFOAやPFOSはかなり落ちているが、ここは高い値であるのが非常に驚いた。」

「PFHxS(ピーエフ・ヘクス・エス)」という別の有機フッ素化合物が、日本人の通常の値の65倍含まれていたのです。PFHxSは、10年前に禁止されたPFOSの代替物質として使われているものです。
最新の国連の報告書は、肝機能への悪影響や、コレステロールの値を上昇させるなどの健康への影響を指摘。次の国連会議で、使用・製造を禁止すべきか議論が始まっています。

この代替物質は、2つの禁止物質よりも分子が小さく、活性炭による処理で吸着しにくいため、水道水に多く残留する可能性を指摘する専門家もいます。

NHKの取材に対しアメリカ軍は、一部の消火剤にPFHxSを含むことを認めた上で、「任務に支障のない範囲で削減に努めている」と回答しました。一方、沖縄県は、2つの禁止物質の検査は行っているものの、現段階では、PFHxSについては検査そのものを行っていません。

京都大学 医学研究科 小泉昭夫名誉教授
「常に規制されていないものを使おうとする。『規制されていないもの』=『安全』とする。PFOS・PFOAを規制すると、規制されていないPFHxSに走っていく。(健康影響は)まだ十分に検証されていないので、今後さらに深く検討していく必要がある。」

血液の数値を知った住民は…。

宮城達雄さん
「怖いことですね。僕なんか80も過ぎているからあれですが、孫たちはちょっと心配ですね。」

宮城園子さん
「小さい子があんなのだったら、蓄積されていって心配ですね。」

高山:調査に当たった小泉さんによりますと、「PFHxSの血中濃度が65倍高いからといって、健康リスクが上がるとは言い切れない。分からないからこそ、実態の解明が非常に重要である」とおっしゃっていました。

武田:今回、石井さんは、沖縄の地元の方々に直接お話を聞かれたそうですけれども、どんなことをおっしゃっていましたか?

石井さん:地元の住民の方は、「これは倫理の問題だ」と言っていました。沖縄の基地の中で、実際にその物質が使われているのは明らかなんですよね。汚染されているわけです。だけれども、日米地位協定の中では、土地を返還する時に、米軍は元どおりにして返す必要はないということを言っています。つまり、汚染されたまま、元の持ち主に返されてしまうんです。でも、その時に、米軍に文句を言いたくても言えない。じゃあ、日本政府がやってくれるのか。やってくれない。でも、本人たちだって、ずっと「日米地位協定を何とかしてくれ」と言っているんだけれども、立ち入り検査もきちんとやってくれない。そういった矛盾の中で彼らは生きているんですよね。そして、諦めてしまう。もう、言うこと自体も諦めてしまっている。やはり、こういった状況がある以上、我々、外の人間がアメリカに対して、きちんと問題を見つめて正すということを訴えかけていかなければいけないのではないかと思います。

武田:基地の返還の際に、土壌をどう回復していくのかは大きなテーマになると思いますけれど、行政がきちんと対応していく必要があるということですね。

高山:今日ご紹介した化学物質を分子構造で説明します。PFHxSは、ほかに比べると、少し短いという特徴があるんですよね。メーカーは、PFHxSのほうがより分解されやすく、環境への影響が小さいと主張しています。

しかし、京都大学の小泉さんはこんなことをおっしゃっています。「これはイタチごっこである」。というのも、「研究段階ではその有害度が低いとされていても、たくさん使われ始めると、予期せぬリスクがどんどん生まれてくる可能性があるんだ」と。ですから、規制と開発の現状は、まさに「イタチごっこである」ということなんです。

武田:有機フッ素化合物も数千種類に上ると言われる中で、この未知の物質に対して、どう安全性を評価していけばいいんでしょうか?

宮田さん:先輩の科学者たちが行ってきた疫学調査は必須だと思います。どういうメカニズムで人体に影響を及ぼすのか。一方で、有機フッ素化合物の関連物質ということなので、ある程度、影響が想定されるだろうと。そういった時に、この物質を出さないということだったり、あるいは先ほど、どこが出したか分からない状態から始めるよりは、どこが製造しているのかということを視野に入れる。そして我々科学者としても、予防的な対応、例えば環境における暴露量、摂取量をシミュレーションしていくといったことも考えなくてはいけないのかなというふうにも思います。

武田:結果が出る前にできることもあるということですね。

高山:どう向き合っていけばいいのか、専門家に聞いてきました。
まずは、有機フッ素化合物の分解技術を開発されている、堀久男さん。「企業は、なるべく環境中に出さない努力が求められる。分解して無害化する技術開発を進めていきたい」。

さらに、条約の専門家会議のメンバー、早稲田大学の高月峰夫さんは、「安全なものを見極めるためにも、毒性のデータが不足している。官民あげて研究して、情報を共有していくことこそ重要である」と。

武田:暮らしを便利にする化学物質であることは間違いないと思うんですけれども、そのリスクをにらみながら使い続けるのか。あるいは、だからこそ慎重になるのか。これは、やはり我々の選択だと言えると思います。お2人はどう考えますか?

石井さん:よく、てんびんで測るように、「健康」か「豊かさ」かという言い方をします。健康の中には、例えば風評被害によって経済的にもダメージを被る。あるいは、子どもが障害を持ったりすることによって差別を受けてしまうなど、いろんな社会的、複合的な問題があるんですよね。だから、二者択一の中で考えるのではなくて、少しでもリスクがあるということが、どれだけたくさんのリスクを生んでしまうのかを考えた時に、じゃあ、新しい物質にすればいいだろうということではなくて、すぐに停止して、物事を根本から見直していかなければいけないのではないのかなと思っています。

武田:1回、立ち止まったほうがいいということですね。
「日本の水はすばらしい」と多くの方が思っていると思うんですけれども、それをどうやって維持していけばいいでしょうか?

宮田さん:私自身も非常に誇りを感じているんですが、WHOだったり、イエール大学の調査では、日本の水は20位以下のランクになってしまっているという現状もあります。

武田:世界の20位以下?

宮田さん:水のおいしさ、品質だけじゃなくて、生態系、環境への影響も評価軸に入っているんですが、今、医療、介護、交通インフラ、そして水など、こういったものを世界に向けたビジネスとして出していくという日本の動きがある中で、この世界からの評価を受けなくてはいけない。人口減少によって市場が縮小し、多くの分野が世界に出なければいけない状況の中で、日本の品質を客観的に考える必要があるのかなと思います。

※放送後の5月17日、沖縄県はPFHxSの検査を行っていたことを公表しました。
詳しくは県企業局のホームページをご覧ください。