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2019年4月23日(火)

徹底追跡! “アポ電強盗”本当の怖さ

徹底追跡! “アポ電強盗”本当の怖さ

家に現金がいくらあるかを尋ねたあと、強盗に押し入る「アポ電強盗」。全国で相次ぐ事件や犯行グループを取材すると、これまで表に出てこなかった「本当の怖さ」が見えてきた。「受け子」のなり手が減る中、SNSで募集が行われるようになり、従来の詐欺グループとは関係のなかった人物が増加、一部が凶暴化しているとみられるのだ。さらに、個人情報が丸裸にされ、詐欺グループに筒抜けになっている現状も見えてきた。「だまされない」だけでなく「命をどう守るか」という新たなフェーズに入っている、アポ電強盗の実態に迫る。

出演者

  • NHK記者
  • 武田真一 (キャスター) 、 合原明子 (アナウンサー)

続発する凶悪犯罪 命までも…

記者:私の後ろに見えるマンションで、女性が死亡しているのが見つかりました。

今年2月、都内のマンションで80歳の女性が白昼、強盗に襲われました。手足を縛られた上、首を圧迫されて殺害されました。女性のもとには事件の前、自宅に現金がいくらあるか尋ねる電話、アポ電がかかっていました。逮捕された実行犯3人。そのうちの1人、須江拓貴被告。ほかのアポ電強盗にも関わった疑いが持たれています。そして、小松園竜飛被告は、格闘技大会にも出場していた男。
金をだまし取るのではなく、直接危害を加える新たな犯罪に、社会は震かんしました。

追跡!巧妙で暴力的な手口

どのように狙われるのか。
東京・渋谷区で現金400万円が奪われた別の事件では、巧妙なアポ電の手口が明らかになりました。70代の女性のもとに、1本の電話があったのは事件の2日前。息子が歯科医であることを知った上でかけてきた電話でした。

(取材に基づく再現)

「困ったことがあって。患者さんのレントゲンを取り間違えて、治療ミスがあって、転院してもらうのに何百万かかかるんだけど(家に)いくらぐらいある?」

歯科医なら起こりうる巧みな作り話。女性は思わず、「数百万円なら自宅にある」と答えてしまったのです。現金があると分かった2日後、犯行グループは白昼、家に押しかけます。ここでも用意は周到でした。インターホンのカメラを隠した上で、警察を名乗り、架空の話を始めたのです。

「警察の者ですが、外で猫が死んでまして、玄関開けてもらえますか?」

扉を開けた瞬間、押し入られ、多額の現金を奪われたのです。振り込め詐欺の電話と見破っていたのに襲われたケースもあります。去年(2018年)8月、大阪で被害に遭った77歳の男性です。

アポ電強盗の被害者
「いま一番困っているのは、頭殴られてどうなったのか、体がいつも揺れている。」

男性に初めてアポ電がかかってきたのは、事件の1か月前。金融庁の職員を名乗る男から、「自宅にある現金を写真に撮らせてほしい」というものでした。資産の内容を答えてしまったものの、怪しいと感じたといいます。

アポ電強盗の被害者
「金融庁がなんで写真撮るんやろうと思って、いったんそれで切って、警察に電話して。」

詐欺と見破り、警察に連絡して安心していた男性。しかし…。

(取材に基づく再現)

「おい、金出せ。金庫はどこだ。金の延べ棒はどこだ。金庫に入っているんだろう。鍵の場所教えないと、指切るぞ。」

男性は何度も殴られた上に現金を奪われました。そして、同居していた女性は足を切りつけられ、大けがをしました。詐欺と気付いても襲われるアポ電強盗。事件のショックは、今も続いているといいます。

アポ電強盗の被害者
「いまだに(夢で)みるよ。おばあさんを殴っている姿とか、足から血が出てる姿。バッと目が開くね。」

追跡!相次ぐ暴力的犯罪 なぜ?

なぜ、こうした暴力的な犯罪が相次いでいるのか。私たちは、アポ電をかけていると見られるグループへの接触を試みました。手がかりにしたのは、ツイッター。公然と勧誘を行うアカウントが数多く見つかりました。かつて詐欺グループを束ねていて逮捕されたという男に話を聞くことができました。SNSでメンバーを募るようになったことで、今まで犯行に加わらなかったような暴力的な人間が増えていると話しました。

元詐欺グループ 幹部
「明らかにチンピラだったり、借金しまくって、どうしようもない人間がきたり、質が落ちてますよね。なんでもやっちゃうんじゃないですか、せっぱ詰まってたら。」

背景には、特殊詐欺の摘発の強化があるといいます。検挙件数は全国で大幅に増えています。

以前は、知り合い同士で行っていた詐欺。末端の受け子の逮捕者が増えたことで、SNSに頼らざるを得なくなったといいます。

元詐欺グループ 幹部
「(数年前は)ネットとかは、まず無かった。知り合いの知り合いとか、そういう感じ。当時面接があったんです、喫茶店に入って。でも今は(連絡から)2時間くらいで入れちゃうので、簡単になりましたね。人がいないと、どうしてもそうやって使うしかないじゃないですか。」

江東区で女性が殺害された事件。逮捕された須江被告も、実はSNSを通じて詐欺グループに加わり、報酬の少ない末端メンバーをしていたと見られています。
しかし、須江被告の地元で取材すると、大金が手に入る仕事があると、周囲に触れ回っていたことが分かりました。そのやり取りが残されていました。

(須江被告とのメールのやり取り)

須江被告
“少なくても500万
多くて2,000万ですね”

知人
“1回で?笑”

須江被告
“そおですよw”

知人
“やばww
なにすんのw”

須江被告が持ちかけたのは「受け子タタキ」。ほかの振り込め詐欺グループがだまし取った現金を、強引に奪い取ることでした。

須江被告の知人
「タタキ(強盗)の仕事みたいな。受け子のやつをたたいて金を持ち逃げするだけ。見張り役でもいいから手伝ってくれないですか。」

かつて須江被告と同じように詐欺グループのメンバーを襲っていたという男に接触できました。この男はその後、一般人の家に強盗に押し入り、逮捕されたといいます。

取材班
「(須江被告が)タタキをやり、アポ電強盗に変容。どう思う?」

詐欺メンバーを襲っていた男
「(詐欺メンバーの)タタキとかをやっていると感覚がマヒしてきて、人を傷つけることに対して、あまり抵抗がなくなってきちゃう。それでエスカレートして、いまこんな感じ(一般人を襲う)になったのかな。」

いつ襲われるか分からないアポ電強盗。どう身を守ればよいのでしょうか。

新たな犯罪があなたに迫る

武田:私も1人暮らしの親を持つ身として、体に震えが来るような怖さと怒りを感じます。新たな犯罪の続発、驚かされますね。

合原:そう感じた方も多かったと思います。
家に現金がいくらあるかを尋ねる電話「アポ電」ですが、去年、都内では3万5,000件のアポ電がありまして、毎年1万件ずつ増えています。

こちらが、今日(23日)の都内のアポ電の状況です。色が濃い地域ほど多くかかっているんですが、警視庁によりますと、色がついている地域を中心に、今日も198件かかっている。

こうした電話の後で、家に押し入るアポ電強盗が各地で起きています。都内で連続して起きた3件の事件のほかに、神奈川県、さらに埼玉県、静岡県、大阪でも発生しました。

私は、詐欺被害の防止を呼びかけるコーナーを3年間担当してきたんですけれども、このような暴力的な事件を伝えたことがなくて、続発している状況に本当に驚きました。

武田:取材に当たっている間野記者。
怪しい電話と見抜いていても、いったん現金があることを伝えてしまった、あるいは聞き出されてしまった場合は襲われてしまうという、ここがまず怖いところですよね。

間野まりえ記者(社会部):一度狙われたら逃れられないというところに怖さがあると思います。例えば東京・江東区で女性が殺害された事件では、女性の家に、週に3日、ホームヘルパーが来ることになっていたんですが、強盗に押し入られたのは、その合間を縫った時間帯でした。つまり犯人グループは、お金があるということだけでなく、女性の生活実態まで把握していた可能性があるんです。実際に、実行犯と見られる男らが下見をしている様子も防犯カメラに映っていました。

武田:そこまで細かく生活実態を把握している。つまり周到に準備をしているというところも怖さですね。

間野記者:今回、別の詐欺グループにも取材をしたんですが、ターゲットにする相手の家の近くにアパートを借りたり、または探偵を雇ったりして、家族構成や生活実態を調べるとか、または生命保険の営業を装って、事前に家を訪問し、どのような人物か探るとまで話していました。

武田:そして、もう一つの怖さが、とにかく非常に暴力的で、命まで奪ってしまうということにあると思うんですけれども、これまでの特殊詐欺とは状況が変わってきていると言えるんじゃないでしょうか?

間野記者:詐欺グループは、例えば海外に電話をかける拠点を置くなど、どんどん手口が巧妙化、また組織化しています。最近でもタイに拠点を置くグループが摘発された事例がありましたが、そういったグループは、極めて組織的に犯行に及んでいるというのが特徴です。一方で、そういった組織とは別に、暴力化しているグループが現れていて、こういったグループがアポ電強盗などに及んでいると警察は見ています。こういったグループは一見すると雑な犯行にも見えるんですが、詐欺のノウハウを持った新たな強盗団とも言えるわけです。

武田:詐欺のノウハウを持った、新たな強盗団?

間野記者:そういったグループが家にまで来るわけで、新たな脅威となっているんです。

武田:とにかく家に現金があるということを、電話の相手に伝えてはダメだ、ということですね。

合原:まず、「知らない番号の電話には出ない」「怪しいと思ったらすぐに電話を切る」、そして「絶対にお金があることを言ってはいけない」ということですね。

「アポ電」 実際の音声

合原:実際にアポ電の音声がありますので聞いてください。これは警察を装って、電話の相手の息子が交通事故を起こしたという筋書きの電話です。

(実際のアポ電の音声)

詐欺グループ
「先ほどなんですけど、●●さんが運転していた車が接触事故、起こしたんですよ。」

「名字はなんていいます?フルネームで。」

詐欺グループ
「●●さんのご家族のかたじゃないんですか?」

「私、父親ですが。」

詐欺グループ
「車を運転されて、事故を起こされていますので、相手の方もけがをされて。」

「勤務先の会社には言いました?」

詐欺グループ
「私の方で伺っているのが、×××株式会社。」

「ああ、私のところだ。」

詐欺グループ
「お間違えないですね、息子さんで。お父さん、示談ってわかっていますよね。」

「金銭でもって解決するという…。」

詐欺グループ
「よくご存じですね。民法上の和解金…。」

筒抜けになる個人情報

武田:名前はもちろん、勤め先まで把握して電話をかけてきているということですね。

合原:そういうことです。犯行グループは、家族構成ですとか出身校まで把握しているケースもあるということです。

なぜ、詳細な個人情報が犯行グループの手に渡っているのか。以前、振り込め詐欺の事件に関わったとして逮捕された男に話を聞くことができました。

取材班
「情報はどうやって仕入れる?」

詐欺事件で逮捕された男
「お年寄りの方とかですか?リストがあって、そこの名簿に全部かけてやっている。電話する人は銀行に入れているか、タンス貯金をしているか聞くんですよ絶対に。タンス預金なら、最悪窃盗入ればよくない、強盗入ればいいってなると思う。」

摘発された詐欺グループの拠点からは、実際にさまざまな名簿が押収されています。取材を進めると、同窓会や卒業名簿が、都内の名簿業者やインターネット上で販売されていることが分かりました。さらに調べると、こうした業者の一部で、本来、出回るはずのない個人情報が記載された名簿が売買されていることが分かりました。高級マンションの居住者リスト、不動産投資家、そして金融商品の投資家リストなどです。名前や住所だけではなく、携帯電話の番号、さらには投資金額や、今後の投資予定額が記載されています。なぜ、個人情報がここまで記された名簿が存在するのか。こうした名簿を取り扱っていたという男から話を聞くことができました。企業などから流出したと見られる個人情報が、次々と持ち込まれるといいます。

取材班
「例えば金融系の人とか売ってきたりします?」

名簿売買に関わった男
「そういう方は、どういう会社か言わないですが、昼間の方もいる。まっとうな企業の方も。(目的は)ポケットマネー、お小遣いです。おいしいリストは家族構成、趣味とか。一軒家で配偶者に先立たれて、おじいちゃんの方とか、おばあちゃんの方しかいないとか。息子、娘は別で暮らしてて、その名前だったりとか。」

こうした情報は「名寄せ」と呼ばれる作業によって、ひとまとめにされるといいます。かつて発行されていた同窓会名簿や社員名簿などから、同じ名前の人物の情報を抜き出します。さらに、不正に流出した可能性が高い携帯電話番号のリストや、過去の投資履歴などの情報も加え、精度を高めていきます。

こうした情報をもとにターゲットを絞り、現金があるかどうかを確認するアポ電が行われることもあるといいます。

名簿売買に関わった男
「細かいところまで調べる場合は、探偵のふりして知人にかけたり、同窓会を装って個人情報を集めたり。」

取材班
「そういう精巧なリストがあるとだましやすい?」

名簿売買に関わった男
「やる側からしたら、そうなんじゃないですかね。」

「家に現金」 その情報まで売買

個人情報を詳細に把握した上でかけられるアポ電。私たちは、アポ電強盗に関わって服役している男への取材を試みました。すると、手紙で返事があり、驚くべき情報が書かれていました。自宅に多額の現金が置いてあると詐欺グループが聞き出した情報まで売買されているというのです。取材に応じたのは、関東地方で起きたある強盗事件に関わった30代の男。85歳の女性の自宅に押し入り、金庫に保管されていた1億円を奪ったとして逮捕されました。

(刑務所での接見取材より)

受刑者の男
「借金があり、金に困っていた。犯罪の種類は問わない。とにかく金が欲しかった。金がないから何か仕事はないかと、知り合いの暴力団員に頼んでいた。」

借金の返済に追われていたころ、男のもとに1本の電話が入りました。ある家に強盗に入らないかというものでした。

受刑者の男
「詐欺には失敗したが、多額の現金があるという情報が入ってきた。成功したら1割、1,000万円をバックすることが条件だった。」

ある詐欺グループが、アポ電でこの家に1億円があることをつかんだといいます。しかし、詐欺ではだまし取ることができませんでした。そのため、1億円があるという情報が男に売り渡されたというのです。

受刑者の男
「情報が入ってきたのは、金曜日の夜中。金が移される可能性があるので、できるだけ早くやるようにと言われた。」

男は女性宅に侵入。1億円余りを奪ったのです。情報を得てから、わずか数時間後のことでした。

受刑者の男
「情報源はあちこちにある。情報を提供するやつも金が欲しい。金が欲しいやつがいる限り、情報が流れるのは止まらない。」

私たちの情報、どこまで売買されているのでしょうか。

武田:詐欺グループが、お金があるという情報を聞き出す。その情報さえも売買されているという実態、驚きですね。

間野記者:今回取材した受刑者の男は、そういった情報の売買は、犯罪グループの間で日常的に行われているとも話していました。こういった状況に警察も危機感を強めていて、特に強盗事件の捜査では、情報を流す人物の摘発も強化しています。

なぜ?個人情報 売買のルールは?

武田:名簿業者や、個人情報の売買についてのルールじゃどうなってるんでしょうか?

合原:名簿業者は、国への届け出制になっていまして、名簿に載っている本人の同意がなくても、届け出さえあれば、売買はできることになっています。今回、都内の名簿業者をいくつか取材したんですけれども、多くは一般のビジネス、例えば営業用のダイレクトメールを発送する目的などで使われています。ただ、国のルールでは、名簿を販売する場合、相手に使用目的を確認する義務はないことになっていまして、事実上、取り扱う業者任せになっています。

名簿の売買 実際には?

個人情報を扱うコンサルタントの田路和也さんです。

かつて出版された名簿をもとにした、3,000万件のデータを保有。国に届け出を行って営業しています。

合原:どういったものがありますか?リストって。

田路和也さん
「これは全国の高校とか大学の同窓会名簿をデータベース化したものなんです。30代中心に、東京の墨田区にお住まいの方のリストになります。」

不正に使われることがないよう、販売は法人に限定。顧客の開拓以外には使用できないといった、約款も取り交わしています。しかしここ数年、本来なら手に入るはずのない個人情報が欲しいという問い合わせが相次いでいるといいます。

田路和也さん
「過去にリフォームしたことがあるご自宅リストください。そのデータを流出させない限り入手できないデータなので、当然取り扱いしてないんですけれども、弊社の場合は、お客様から手続きが面倒くさい、審査が厳しいみたいなことを言われることが多いので、そういう意味では、他はスルーをしちゃってるんだろうなというのはあります。」

国は、きちんと届け出を出さず、ルールを守っていない業者もあると見て、まずは実態の把握に努めたいとしています。

個人情報保護委員会 企画官 髙木重孝さん
「未届けの方々が把握できないと、社会全体として、水面下でそういった事業者がどんどん増えていく。実態把握のための確認ということで、ヒアリングを含めて対応してきている。」

個人情報の売買 求められるのは?

武田:個人情報が犯罪に使われている可能性も考えると、こうして業者任せになっている実態には、やっぱり不安を感じざるを得ないんですよね。

合原:国は、ルールについての指摘があることについては認識をしています。ただ、全ての事業者が届け出るように法律が改正されてからまだ2年足らず。まずは届け出を増やしていくことに力を入れている段階だと説明をしています。こうした現状について、個人情報の保護に詳しい専門家は、無届け業者に対する罰則の強化、そして名簿業者への立ち入り検査の権限の強化が必要だと話していました。

武田:アポ電強盗から、どう身を守ればいいのか。まず、警察はどう対応をしようとしているんでしょうか?

間野記者:毎年、何百億という多額の被害が出ている振り込め詐欺を撲滅することができずに、そういった中で今回、命まで奪われる事件が起きてしまったことに危機感を募らせている警察幹部もいます。これまでももちろん、詐欺グループの摘発には力を入れてきているところではあるんですが、例えばSNS上で公然と詐欺への勧誘が行われているわけですから、サイバーパトロールを強化して、アポ電強盗につながる芽を摘み取っていくことも必要ではないかと感じました。今回、取材したアポ電強盗の被害者の中には、事件のショックから、当時の記憶を一切失ってしまったと話す方もいました。被害者の心身ともに深い傷を負う、こういった犯罪をなくすためにも、対策は急務だと感じています。

武田:私たち自身で身を守る方法はないんでしょうか?

合原:電話が鳴ったら、アポ電と疑う。そのくらいの心構えで警戒をすることだと感じました。

武田:もうどんな電話でも、ということですね。

合原:個人情報が出回っているという前提で、自分の家にもアポ電はかかってくるという危機感を持つことが大切だと思います。その上で、見知らぬ番号からの電話には出ない。そして、少しでも怪しいと思った電話は思い切って切ることを心がけてください。少しでも詐欺グループと話をしてしまうと、ささいな情報でも利用されかねませんので、自分の情報は電話では話さないと決めてください。また、家族の見守りも大切になってきます。まもなく連休ですよね。遠くに離れて暮らしている場合でも、実家に帰省した際に、アポ電の注意点について確認をしたり、留守番電話や録音機器の設定をしてあげるなど、できることはあると思います。ぜひ家族で話し合う機会を持っていただけたらと思います。

武田:電話ではなく、直接会って話すということですね。

間野記者:大事だと思います。自治体によっては、自動通話録音機を貸し出している所もあります。こうした電話機は家電量販店などでも販売されていますので、ぜひ積極的な活用をお願いしたいと思います。

武田:だまされなかったということだけでは、もはや安心できない現実があります。1本の電話に対する警戒心をいかに高めていくことができるか、しっかりと考えていく必要があると感じます。

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