クローズアップ現代

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2019年4月10日(水)
密着!コンビニ店主24時 便利さの裏で何が?

密着!コンビニ店主24時 便利さの裏で何が?

24時間営業をめぐって揺れるコンビニ業界。ついに先週、国が大手コンビニ各社に経営の改善を要求。最大手のセブンイレブンでは社長が交代し対応に乗り出すことになった。現場では一体なにが起きているのか。これまで、店舗のオーナーたちは本部から契約違反とされるのをおそれ厳しい実情を語ってこなかった。それが今カメラの前で次々と声をあげ始めている。広がる深刻な人手不足と人件費増加。さらに出店戦略によって売り上げが激減する店や1年間ほとんど休まず家族が昼夜交代で働き体を壊すオーナーも。民間の調査ではコンビニの倒産・休廃業は5年で倍増、国の調べでも今の契約に不満を感じているオーナーが4割近くに上っているという。今や “社会インフラ”ともいわれるコンビニ。この先も持続的に運営されて行くには何が必要なのか。徹底的に考える。

出演者

  • 石井光太さん (作家)
  • 宮田裕章さん (慶應義塾大 教授)
  • 武田真一 (キャスター) 、 高山哲哉 (アナウンサー)

密着!コンビニ店主24時 休日も利益もわずか

コンビニはそのほとんどが本部とフランチャイズ契約を交わした個人事業主。オーナーによって経営されています。
兵庫県でコンビニを経営する、酒井孝典さんです。

本部との関係悪化を恐れ、これまで密着取材に応じるオーナーはあまりいませんでした。今回、実情が伝わるならばと、店内の撮影を許可してくれました。かつては、メーカーの技術者だった酒井さん。会社が苦境に立たされた16年前、思い切って脱サラし、オーナーになりました。
朝7時16分。酒井さんへの密着取材をスタート。

酒井さん
「トイレが?」

店員
「小の方。」

酒井さん
「小の方が何?」

店員
「男子トイレ。」

いきなりトラブル発生。

酒井さん
「トイレの小用のところで大便されてます。たまにあるんですよ。」

さまざまな人が出入りするコンビニ。ささいなトラブルは日常茶飯事。

来店客
「荷物を3つ運びたくて。」

次々と舞い込む、さまざまなリクエスト。

酒井さん
「腰やったらあかん。2人がかりでいこう。
(コーヒー)こぼしちゃったん?」

昼ごはん抜きで走り回る。

酒井さん
「ゴミ箱があふれそうやったから。」

午後5時前。朝から9時間の勤務を終え、帰宅。

夜11時。あれっ、酒井さん?一息ついたと思いきや、再び店へ。

酒井さん
「夜勤をすべてスタッフに任せると人件費的な問題もあるので、この時間帯はオーナーが入ったほうが人件費が収まる。」

深刻な人手不足。高いアルバイト料を出さないと、人は集まりません。少しでも経費を浮かせるため、酒井さんは自ら週3回、徹夜勤務をこなします。

酒井さん
「ひざが痛い。」

この日、深夜の売り上げは1万5,000円ほど。アルバイトを雇って経費を引けば、赤字になる額でした。

朝6時前、アルバイトと交代し、酒井さんの勤務は終了…と思いきや、突然大量のお客さんが来店。結局、昼過ぎまで店に残り、前の日からの働いた時間は23時間に及びました。酒井さんの去年(2018年)の月平均の働いた時間は346時間。店の営業の総利益は年間4,000万円ほど。その半分近くは、ロイヤリティーと呼ばれる、看板の使用や経営指導料として本部に支払います。残りが店の収入になりますが、人件費などを引くと、手元に残るのは300万円以下です。

オーナーたちの告白 コンビニ成長の陰で

こうした状況にあっても本部は、顧客の利便性や、店の売り上げアップなどを理由に、24時間営業の原則を守るようオーナーに伝えてきました。

本部が24時間にこだわる理由はほかにもあるという証言があります。今回、大手コンビニの現役の本部社員が、匿名を条件に取材に応じました。

大手コンビニの本部社員
「お店は24時間やることによって人件費もかかりますし、利益が少なくなってしまう。本部はお店の利益よりも本部に入ってくるロイヤリティーを重視しています。だから1時間でも2時間でもやってもらったほうが利益になる。」

本部が受け取るロイヤリティーは営業の総利益で決まるため、売り上げが伸びるほど増えます。一方、人件費などを負担する店側は、アルバイトの時給が高い深夜に営業すると経費がかさみ、かえって利益を圧迫するケースも多いといいます。

大手コンビニの本部社員
「(オーナーが)『夜ずっとは、やめたい』という声を私にあげてきたことがあったんですけれども、契約では24時間365日閉めるということはできないことになっていますから無理です。そうすると『次の契約に関わりますよ』と言って、本部の方針を徹底させる。」

先週、業界最大手のセブン−イレブンに激震が走りました。24時間営業の問題などに対処するため、トップの交代が発表されました。

セブン−イレブン・ジャパン 永松文彦社長
「今のセブン−イレブン・ジャパンの問題が、社内でのコミュニケーション。そして(加盟店)オーナー樣方とのコミュニケーション。ここの部分の改革をはかってまいりたい。」

本部とオーナーとのコミュニケーション不足が表面化したケースがあります。福井県で10年前からコンビニのオーナーをしている、下村俊樹さん。去年2月、ある経験をしました。

下村俊樹さん
「このあたりまで、車が雪に埋まっていた状態。」

例年をはるかに超える積雪。わずかな時間で150センチ近く積もり、交通もまひしました。店を心配した下村さんは、午前3時半に出勤。駐車場で動けなくなったお客さんの車の救助に、6時間以上追われます。

下村俊樹さん
「従業員も私も妻も限界まできちゃったんですね。これじゃ無理だと思って本部のほうに、もう閉めさせてほしいと。」

ところが、本部からの回答は「お店は開けてください」というものでした。

そして、出勤から20時間近くたった夜11時半。早朝から一緒に雪かきなどの対応に当たっていた妻に、異変が起こります。

下村俊樹さん
「(妻が)しゃがみこんで、床に寝転がってしまって、青ざめて唇も真っ青。声かけてもぜんぜん返ってこない。」

救急車を呼んだ下村さん。店を空にするわけにいかず、同行できませんでした。

下村俊樹さん
「『(救急車に)一緒に乗ってください』と言われたんですけど、『すみません、コンビニなので閉められないので、一緒にいけないんです』って言いました。あのときのことを思うと、涙が出てくるくらいつらかった。」

40分後、本部社員が応援に駆けつけ、下村さんは病院に行きます。妻の診断は過労。4日間入院することになりました。その後、本部は「コミュニケーション不足だった」と謝罪しました。

先月(3月)国が発表した、コンビニオーナーへの緊急調査。オーナーたちの不満は24時間営業だけではありません。同じチェーンの店舗が近隣に多すぎるというのです。

私たちは、あるオーナーと北海道で会いました。東京でコンビニを営んでいましたが、先月、閉店が決定。ここへたどりついたといいます。

元コンビニ オーナー
「北海道ならまだ寒いから、表で寝たら病死で亡くなれないかなと思って。生命保険がおりれば、家族に少しでも残せるからという気持ちで。」

コンビニの倒産や廃業は、ここ5年で倍増しているというデータもあります。

この男性の店も、9年前のオープン当初は売り上げが順調に伸びていたといいます。ところが、6年前から、すぐ近くに同じチェーンの店舗が出店しました。

元コンビニ オーナー
「一方的に『ここにお店を出しますから』と。私が『出しちゃだめですよ』ということも言えない立場なので、案の定、売り上げが半分以下に落ちたんですね。」

一定のエリアに集中的に店を出すことは「ドミナント(集中出店)戦略」と呼ばれ、他のコンビニチェーンもこれに対抗してきました。物流の効率が上がり、ブランドの認知度も増すため、全体として売り上げが上がるとされています。

しかし、ある大手コンビニの本部社員によると…。

大手コンビニの本部社員
「店を建てれば建てるほど、本部にとってはロイヤリティーが上がる。本部はもうかると。しかし、お店は100メートル先に同じ店ができたら、それは利益が減りますよね。」

増え続けてきたコンビニ、大丈夫なのでしょうか?

密着!コンビニ24時 便利さの裏で何が

ゲスト 宮田裕章さん(慶應義塾大 教授)
ゲスト 石井光太さん(作家)

武田:こうした現実を知らずに、毎日、本当に何気なく、気軽に利用してきたってことに、すごく胸が痛みます。大臣も対策を要請するような事態ですから、まさに曲がり角に来ていますよね。

高山:実際には、経営がうまくいっていますというオーナーさんも、結構いらっしゃいます。その一方で国の調査では、「加盟したことに満足していない」が、この4年間で倍増。およそ40%。

じゃあ、何に満足してないのかというと、利益の分配です。本部に納めるロイヤリティーは店ごとに違うんですが、およそ3割から7割なんですけれども、実際に、オーナーのもとに残るお金、利益は、たったこれだけという方が少なくないんですよね。

先日、経営のトップが交代したばかりのセブン−イレブン・ジャパン、会見で、新規出店のペースを前年度より抑えます。それから、全ての役員がオーナーと対話しますという、改革の方針を発表しました。

武田:宮田さん、やはり便利さを追求するという、これまでの考え方を変えなければいけないですよね。

宮田さん:おっしゃるとおりですね。オーナーとの対話っていうのは、非常に重要な一歩だと思うんですが、やはり便利さだけではなく、働く人の健康、幸せ、そういった持続可能性だったり、あるいは食品ロスを抑えようとして、店舗が上手に発注したつもりが、本部の利益にならないと。こういった利益のかけ違いを解消する、持続可能性という別の価値を踏まえた上での対話が必要になるんじゃないかなと思います。

武田:そういった新しい価値を考えていかなければいけないということですね。

宮田さん:そのとおりです。

武田:石井さんは、実際にコンビニの店長に取材をしたそうなんですけれども、何と言っていましたか?

石井さん:スポンサーのしがらみがないNHKだからこそ言ってくれというふうに言われたんですけれども、それはどういうことかというと、実態が会社の説明と相当違うんだと。どう違うかというと、コンビニって覚える量がものすごく膨大なんですね。

武田:いろんな業務がありますからね。

石井さん:バイトできている人たちは、お年寄りだったり、外国人だったりが増えてきている。彼らはやっぱり覚えられないんです。覚えられないとどうなるかっていうと、店長に連絡してきたり、直接来てもらったりしますよね。そうすると、店長はずっと詰めてなきゃならない。通常時だったら、それでも店長が頑張ればいいんですけれど、店長が病気になった、あるいは親族が亡くなった時に本部に助けを求めても「人がいないからバイトでやってくれ」と。でも、バイトでできないから店にとどまらざるを得ない。そうすると体調を壊してしまう。ある人は脳腫瘍で手術を終わった後、包帯を巻きながらやっていたというような実態があるんだということを本人たちは言っていました。

武田:とにかく店を開けることが優先されている現状だという声だったんですね。

石井さん:そうですね。

高山:店舗数に対して圧倒的にフォローが足りない。明日お願いと言っても来てもらえない。1か月先だったらって言われる方が多かったというような現状です。

武田:一方で、オーナーの側もこうした状況になるのは、ある程度、予想できなかったものなんでしょうか?

高山:脱サラをして、コンビニは急成長しているから夢をみて経営に乗り出そうという方が圧倒的に多かったんですけれども、やっぱりリスクを考えていなかった。安定・高収入だろうと思い込み過ぎていた。ここ数年は人手不足、それから人件費の高騰など想定外の事態に、皆さん、苦しんでいらっしゃるというような状況なんですよね。

武田:やっぱり自己責任とは、なかなか言いづらいのが現状なんですよね。

石井さん:こういった問題になってくると、フランチャイズになったオーナーの自己責任だろうという声もあります。ただ、実際に聞いてみると、入る前の会社の説明だと、困った時にはオーナーをヘルプする、オーナーヘルプ制度というのがあるんだよと。これを利用すれば海外旅行だって行けるんだよっていうふうに言われるらしいんです。それで契約を結んでオーナーになるんですが、実際にオーナーになったら、やっぱり人手が足りないのでできない、無理だと。それで本人がずっと頑張らなきゃいけないと。そうすると、考えようによっては、本人の自己責任じゃないんですよね。やっぱり会社が約束したことをできていない。そこがきちんと考えなきゃいけないことかなと思っています。

武田:宮田さん、人口減少や人手不足という背景が大きいようですね。

宮田さん:この問題は、やはりコンビニだけではないという側面もあります。昨日(9日)放送のバス会社の件もそうでしたが、人口が減ってきて人件費が高騰してくると、人件費が抑えられている業種を直撃すると。海外の人を連れてきて安く働いてもらうでは、やはり解決しないんですよね。これだけ多彩な業務を担っている人々にどうリスペクトするか。社会の中でこれを考えていかなければ、問題は解決されないと思います。

武田:先ほど石井さんがおっしゃったヘルプ制度は、実際には使いづらいことが多いわけですね。

高山:全く機能していないというオーナーさんの声がとても多かったですね。

武田:オーナーというのは個人事業主ですよね。そういう問題を本部と対等に話し合うということはできないんですか?

高山:情報量と交渉力、これは圧倒的に格差があるのでなかなか難しいと。24時間密着をさせていただいた、姫路の酒井さんなんですけれども、実は一部のオーナーの皆さんとユニオンを結成されていて、その委員長を務めていらっしゃるんです。団体交渉の場を持ちたいと本部に申し入れているんですけれども、オーナーは労働者としては認められていないということで、実現には至っていないんです。

武田:そのコンビニの24時間営業、本部も検討を始めています。

コンビニ激震 便利さの裏で何が

国内1万4,000店、店舗数第3位のローソンでは、オーナーとの対話を強化しています。この日は、女性オーナーと社長の意見交換会が開かれました。

加盟店のオーナー
「24時間営業についてなんですけれども、ローソンは今からどういう方向に行くのか、まだ会社の方針としては出てないんですが。」

ローソン 竹増貞信社長
「基本ベースは、今は24時間でやってますけども、24時間じゃない選択肢をたくさん用意したほうがいいのかどうかを、今、猛烈に考えていかないといけない。」

時短営業に慎重だったセブン−イレブンも取り組みを始めています。先月から全国10か所の直営店で、深夜の営業を停止。時短営業をすることで、どのような課題があるのか、実験で明らかにしようというのです。例えば配送の受け取りなど、深夜の作業をいつ行うのか。朝のかき入れ時までに品出しが間に合わず、売り上げに影響を及ぼさないか。夜中に開いていないことで、日中も客離れが起きないか。実験はこの先、数か月間行い、明らかになった課題を、オーナーたちと共有したいといいます。

セブン−イレブン・ジャパン 永松文彦社長
「最近加盟されたオーナーさんは、24時間から16時間に(短縮)したら、どういうリスクがあるかわからないで選択した場合には、我々としてはオーナーさんの経営を守る責務がありますから、我々のためではなく、加盟店オーナーさんの収益が下がらないためにアドバイスをしている。」

他にはどんな対策が?

高山:大手3社に聞きました。まず24時間営業について、セブン−イレブン・ジャパン。拙速な時短営業はお客様の信頼を毀損。店ごとに柔軟に対応。そしてファミリーマートは、慎重な議論が必要。ローソンは、店ごとの状況を見ながら社会の変化に柔軟に対応としています。そして、基本的な取り組みについても聞きました。まずセブン−イレブンは、時短の実験のほかに、省力化のためにセルフレジを全店に導入。そしてファミリーマートが、時短の実験を大幅に拡大するほか、オーナーへの奨励金を増額。ローソンは、全国の41の店ですでに時短営業を始めているほか、7月から深夜の無人店舗実験なども行うということでした。時短営業を行うと、日中の客離れにつながると本部では懸念しているんですけど、実際にはどうなのか、あるオーナーのケースを取材しました。

コンビニ店主 24時間やめてみると…

東大阪のコンビニオーナー、松本実敏さんです。

取材班
「今日の勤務は、これで(終わり)?」

松本実敏さん
「これで終わりです。」

今年(2019年)2月、独断で24時間営業を止めました。一緒に働いていた妻が去年がんで亡くなり、深夜の営業が重い負担になったためです。時短営業を始めて2か月。意外な結果が出ていました。

松本実敏さん
「これは自分の利益が書かれたものなんですけど、40万円ほど上がっている。」

時短営業を始めた今年2月と、24時間営業をしていた去年2月の売り上げの比較です。

売り上げの合計金額は時短を始めたことで、およそ114万円減少。ところが、松本さん自身の利益は、昨年よりも数十万円上がったのです。最大の理由は人件費の削減。高い時給のかかる深夜に従業員を雇う時間が減りました。時短営業の課題とされる深夜の品出し。前日のうちに多めに発注し、帰る前に棚に並べておくなど、さまざまな工夫で乗り切っているといいます。

松本実敏さん
「利益も出せるし、精神的にも肉体的にも楽だったら、今まで何をしてきたんだろうなという感じなんですよね。自分のお店は24時間じゃなくて時短でやりますという思いがあれば、それは認めてあげるべき。」

24時間営業、あなたはどう思いますか?

高山:松本さんのケースについて、セブン−イレブンの本部なんですが、個別のケースには答えられないという評価でした。もちろん松本さんにも課題がありまして、例えば、これまで夜に入荷していた本や雑誌は、その時間に人がいないので取り扱いをやめました。それから深夜の1時を過ぎて荷物が入ってくることがあるんですが、それに対応するために、閉店後もスタッフを残さなければならないということも課題としては挙げていらっしゃいました。

武田:全部無人にはできないんですね。

高山:しかし、こんなこともおっしゃっています。「以前は忙しくて仕事をこなすだけだった。それが今では、しっかり眠って、経営に力を入れることができる」と。

密着!コンビニ24時 便利さの裏で何が

武田:私も毎日コンビニを利用しているんですけれども、本当にいろんなサービスをやっていますよね。最近では、災害の時の物資の調達ですとか、輸送などを担う役割も求められています。

まさに、社会インフラにもなっていると言ってもいいと思うんですけれども、こういったコンビニが、今後も持続していくためにどうしたらいいんでしょうか?

石井さん:まず一番、オーナーさんに聞いてみて、皆さんがほしがっていたのは、敬意(リスペクト)です。

やはり社会インフラであるにもかかわらず、自分たちは社会の底辺として見られているんだと。初めのVTRでもありましたけれども、酔っ払ったお客さんがトイレに来て戻したり、あるいは、おむつを捨てにきたりですとか、あるいは本当に気に入らないことがあると店員さんを罵倒する。たぶん、普通のお店だったらやらないと思うんですよ。レストランでそれをやるかって言ったらやらないですよね。そういったことを、ずっと店員さんたちは受けています。ものすごくプレッシャーというか、ストレスです。そういったことを我々が考えて、少しでも敬意を示すことが、コンビニの負担を少しでも和らげることになるんじゃないのかな、それも私たちが少しずつでいいからやっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。

武田:もちろん本部にも働きやすい環境を作ってほしいと思いますけれども、私たちがそうやって負担を減らすこともできる。

石井さん:店員さんの名前を覚える、声をかける。それだけでいいと思うんですよね。そういったことをきちんとやりたいなというふうに思います。

武田:宮田さんは?

宮田さん:売り手よし、買い手よし、世間よし、それだけではなくて、やはり働く人たちの未来を作っていくということだったり、あるいは地域の未来を支えていくという時に、1店舗だけで支えるのは非常に重いと。大手のチェーンが連携しながら支えていくことも考えられるのではないかと。

武田:競争関係にあるわけですけれども、できますか?

宮田さん:地域を支えるという意味では、駐車場の共同利用というのが始まっているので、ここからそこを開くこともできるのではないかと。さらには、やはり今までコンビニが作ってきた価値、特に食はすばらしいものがあって、例えば塩むすびというのがあります。これはお米と塩と油、酢、本当に限られた食材でお米の甘みを生かすような、すばらしい食文化を作ったと。ミシュランの三つ星だとか注目されがちなんですが、コンビニが作ってきた食の価値というのは、やはり日本が誇るべきもので、こういった価値を作ってくることが出来た彼らであれば、オーナーと連携して、新しい未来の価値を作れるんじゃないかなというふうに、私からエールを送りたいなと思います。

武田:高山アナウンサーが取材を通じて感じたことはどんなことでしょうか?

高山:皆さん、苦しい中でも、実はコンビニの経営を愛していらっしゃるんですよ。何とかしたいという気持ちで日々過ごしていらっしゃいます。

ですから、とてつもなく大きな愛を、ぜひ本部だけでなくて、我々消費者も受け止める。かつては店が「開いててよかった!」っていう感謝の気持ちがあったと思うんですね。今は「やっていて当たり前」という気分に、我々はなり過ぎているかな。このあたりも反省しつつ、未来にコンビニが続いていく方法というのも、ひと事じゃなく考えていくべきだと思いました。

武田:人手不足の中で、どこまでこれまでのように便利さを追求していくのか。今、本当に立ち止まって考えるべき時ではないかなというふうにも感じます。