クローズアップ現代

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No.38592016年9月8日(木)放送
「神ってる」広島カープ優勝へ! ~こうしてチームは覚醒した~

「神ってる」広島カープ優勝へ! ~こうしてチームは覚醒した~

“神ってる”広島カープ 25年ぶり優勝へ!

12球団で最も優勝から遠ざかっていた広島カープ。
今シーズンは、圧倒的な強さで優勝までのマジックは、いよいよ1。
打ってよし。
投げてもよし。
さらに、今年(2016年)のチームを象徴するのが、驚異的な粘り強さ。
勝利試合の半分以上が逆転勝ち。
監督が発した「神ってる」のひと言が、25年ぶりの快進撃の代名詞ともなっているんです。

カープ女子に代表される全国の広島ファンのボルテージは最高潮。
イケメン俳優のこの人も。

俳優 熱烈な広島カープファン 谷原章介さん
「これは僕の大好きな前田智徳さん。」

優勝目前、改めて広島への愛をかみしめていました。

俳優 熱烈な広島カープファン 谷原章介さん
「お金をかけないで、自分たちが一生懸命練習をして、選手を指導することによってチームを強くしていこうという、この広島というチームがすごく好きです。」

広島カープ 25年ぶり優勝へ!

ゲスト デーモン閣下(アーティスト)
ゲスト 小早川毅彦さん(NHK野球解説者)

デーモン閣下、ユニフォーム姿で来てもらったが?

デーモン閣下:着たかったんでしょ?
カープ女子だもんね。
(私も着たかったが、少し抑えめにしました。いよいよ目前だが?)
今日ね、兄貴、もうちょっと頑張ってくれればね。
(楽しみは残っています)
残ってるね。

先ほど終わった今日(8日)の試合 1回に3番・丸選手がホームラン

小早川さん:芸術的なバッティングですね。

デーモン閣下:芸術的。
勢いがつきますね。

小早川さん:つきますね。

広島は同点の2回にチャンスで石原選手がヒット その後も打線がつながる

小早川さん:1年に1回あるかないかのいいバッティングしましたね、石原が。

デーモン閣下:石原がね。
こういうときに頑張るキャッチャー。

小早川さん:こうなると止まりませんよね、今年は。
今年のカープはもう、集中力がすごいですね。

4番新井選手もヒット

デーモン閣下:よくつながりますよね。

小早川さん:本当、そうですね。

広島はこの回一挙5点を奪い大きくリード 迎えた9回、リードをしっかり守り広島は4連勝 優勝へのマジックナンバーはついに1となったが?

デーモン閣下:いやぁ、しかし、早いね。
(ここまで早かった)
まだ9月に入ったばっかりなのに。

小早川さん:マジックがどんどんなくなりましたね。

広島カープは1991年の優勝以来、25年間、優勝から遠ざかっていました。
昨シーズンは、かつてチームの投打の中心だった黒田投手と新井選手が戻ってきて、エース、前田健太投手とともに優勝をねらえると大きな期待がかかっていたが、まさかの4位に。
そこからいかにチームは覚醒し、大躍進へとつながったのでしょうか。

25年ぶり優勝へ! 広島 大躍進の秘密

昨日も4打数3安打、うちホームラン1本の活躍を見せた3番・丸選手。
そして、ここまでリーグ最多安打の2番・菊池選手。
さらに3試合連続決勝ホームランを打ち、緒方監督に「神ってる」と言わせた鈴木選手。
今シーズン覚醒した強力打線は、どのように生み出されたのでしょうか。

今シーズンからバッティングコーチになった石井琢朗さん。
通算安打数2,432本の名打者でした。
石井さんが若手選手たちに課したのは、まるで高校野球のような極めて基本的な練習でした。

壁際ぎりぎりで行う素振り。
わきを締め、どんな球にでも対応できるよう、コンパクトなスイングを体に刻みます。

そして、確実にボールを捉えるためのこんな練習も。
ボールに書かれた文字を瞬時に読み取り、打つ練習です。
最後までボールから目を離さない力を養います。

「“E”。」

さらに、限界まで追い込む練習も。
1日およそ1,000本の素振りを行います。
それを3週間のキャンプの間、ひたすら続けました。
選手に自信と粘りを植え付けるのがねらいでした。

打撃コーチ リーダー 石井琢朗
「(プロ野球)選手にとっては量を振るっていうことは、すごい辛い練習かもしれないけど、やっぱりそういうことを乗り越えることによって、ここ一番で腹をくくれる精神状態にもっていける。
いかに粘り強い打席ができるか、集中力を持って打席に立てるかというところを目指している。」

どんな状況でも確実にボールをバットに当てるという愚直とも言える目標。
その意識改革の先頭に立ったのが、あるベテラン選手でした。
今シーズン、2,000本安打を達成した4番・新井貴浩選手。
かつて球界を代表するホームランバッターだった新井選手。
9年前、広島からフリーエージェントで阪神に移籍。
昨シーズン、再び戻ってきました。
新井選手はチームのために自身のスタイルを大きく変え、次につなぐ打撃に徹したのです。

4番 新井貴浩
「とにかくつなげていくことと1点を取りにいく。
とにかく1点ずつ粘り強く取りにいく。
それが内野ゴロでもいいし併殺崩れでもいいし、とにかくそういうシチュエーションになったら1点をみんなで取っていく。」

ボールを確実に捉え次につなぐ粘り強い打線。
その象徴的な場面がありました。
8月、シーズン初めての4連敗を喫した広島。
肉薄する2位巨人との直接対決。
2点を追う7回裏。
ベテラン、新井選手が粘りを見せます。
必死でボールに食らいつき、セカンドゴロ。
なんとかランナーを返し1点差に。
そして、迎えた9回裏。
2アウト、ランナーなし、追い込まれた場面。
若手、菊池選手はボールを捉えることだけに集中していました。
(ホームランで)ついに同点。
そして、サヨナラのランナーを1塁に置いて打席に立ったのは、新井選手。
優勝に向けた重要な一戦をサヨナラ勝ちで制しました。

4番 新井貴浩
「ただ自分は一生懸命がむしゃらにやって、その姿を(若手が)見て何か感じてくれれば。
最後まであきらめない粘り強く野球をやるんだ。」

広島25年ぶり優勝へ! 目覚めた強力打線

今日で81勝、そのうちの41勝が逆転勝ちという驚異的な粘りの野球の背景には、とても基本的なことの積み重ねがあったということだが?

小早川さん:そうですね。
能力の高い若い選手が、今のように本当に厳しい練習をして、それが実力になってきましたね。
それとベテランの新井、黒田、彼らが帰ってきて、そのベテランの背中で引っ張ると言いますか、そういうことも含めて本当にすばらしい集中力で、今シーズンは挑んでますね。

練習のしかたは昔と今、どのように違うか?

小早川さん:私の現役のころは、とにかくスパルタで、自分が球団の練習の方法に合わせていく、今はコーチのほうが個人の選手にいろいろ対話を求めながら、いろいろ練習を工夫して、なんとかそれを選手に合うように、いろいろコーチの工夫をしてますよね。

デーモン閣下:同じ猛特訓でも、ちょっと質が違うってことですか?

小早川さん:内容が変わってますね。

デーモン閣下:広島は昔から猛特訓のイメージですし、小早川さんなんかもあの猛特訓見てても、いや、自分たちの時代はもっととかって。

小早川さん:私たちのころは、もっと量はこなしてたと思います。

ホームランバッターだった新井選手まで愚直につないでいくという姿勢に心を打たれて見ていたが?

デーモン閣下:今年、よりチームに徹して、つなげていくことに集中しようという意識が見られた感じがしますよね。
去年(2015年)、別に新井選手だけのせいじゃないけれども、つながりが、打線がと思うことが何回もあったのに、今年はよくつながるっていうのが、やっぱりすごい印象的なんですけどね。

小早川さん:そうですね。
去年は、新井も自分がとにかく引っ張ってやろうと思う気持ちが多分強かったんですよね。
今シーズンはとにかくつないで、もう全員がつないでなんとか得点を挙げるんだ、それがいい方向にいって、得点力もかなり、去年と比べて100点ぐらい上がっていますよ。

デーモン閣下:ある意味、若手に新井選手が引っ張られたっていう部分もあるんですかね。

小早川さん:そういうこともあると思います、面もあると思います。

(デーモン閣下、一押しの選手は?)

デーモン閣下:菊池かな。
やっぱり攻走守、どれをとっても華がある。
打つのももちろんすごいんだけれども、記録的には。
守備がやっぱりもう動きが派手だからそう見えるのかもしれないけれど、非常に好プレーが目立ちましたね。

新井選手や黒田投手がチームに影響した過程をどう見るか?

小早川さん:チームももちろん実力はついてきたと思います。
それと同時に、球場の雰囲気と言いますか、ファンの熱気、これも強力な後押しになっての今年の快進撃、1つの大きな要因だと思います。

ここで熱気冷めやらぬ広島から中継です

NHK広島 下境秀幸リポーター
「広島市のお好み焼き店です。
ここは、マツダスタジアム、カープの本拠地からすぐ近くの所にある、カープファンがカープファンのために作ったお店です。
皆さん!勝ってマジック1ですよ!」

広島カープファン
「イエーイ!」

NHK広島 下境秀幸リポーター
「今日は、このような家族のような一体感を持って、皆さん、試合中も応援していました。
今日、どんな気持ちで応援したんですか?」

広島カープファン
「もうすごいどきどきで、昨日から眠れませんでした。」

NHK広島 下境秀幸リポーター
「こちらの男性は、カープファン歴40年ということです。
カープ優勝に向けて応援できる、どんな気持ちですか?」

広島カープファン
「もう間違いないんで、もう、いいです。
ありがとうございます!」

NHK広島 下境秀幸リポーター
「まだまだ盛り上がりが続いています。
心躍らせる日々がこれから続いていきます。
広島市のお好み焼き店でした。」

デーモン閣下:あそこに集まっている人たちは、今日、優勝のシーンを見るつもりで行っているから。
気分的にはその気持ちなんだよね。

市民の皆さんとカープの関係性はどうか?

デーモン閣下:やっぱりオーナー会社がない、市民でみんなで設立のときから作り上げてきたっていう意識が、球団の在り方もそうだし、チームのプレーもその形を引き継いでいるよね。
そこにやっぱりみんな引かれるのかなと。
我が輩もそうだけれども。

優勝が目前となった広島ですが、今シーズンが始まる前、この結果を多くの人は予想できていなかったのではないでしょうか。
その理由の1つが、不安視されていた投手陣。
チームの大黒柱だった、マエケンこと、前田健太投手が大リーグに移籍。
戻ってきたかつてのエース、黒田投手も40歳を超え、若手も目立った活躍をしていなかったからです。
しかし、ここまでチーム防御率はリーグトップ。
劇的な変化は、どのようにして生まれたのでしょうか。

“インコース攻め”の極意 伝説・黒田と若手たち

今年の広島の投手陣を象徴するのは、インコース攻め。
通常、インコースへのピッチングはデッドボールになったり、甘いコースに入って長打を打たれたりとリスクが伴う投球です。
しかし、今シーズン広島のインコース攻めの割合は、なんとリーグ1位。
攻めのピッチングによって、去年5勝に終わった若手、野村投手は自己最多勝利。
大瀬良投手をはじめ、去年は負け越しだったリリーフ陣も大きく勝ち越しています。

低迷していた投手陣を大きく変えたのはベテラン、黒田投手の存在でした。
9年前、広島から大リーグ・ドジャースに移った黒田投手。

アメリカで身につけたのが、相手のインコースを際どく突き手元で変化させる投球でした。

広島に戻ったばかりだった去年、若手にとって近寄り難い存在だった黒田投手ですが、今シーズンは互いの距離が近づきました。
黒田投手の投球フォームを若手が観察するだけでなく、黒田投手が直接、若手を指導する機会も増えたのです。

大瀬良大地投手
「インコースをどんどん攻めていく重要性というのが、黒田さんのピッチングを見て感じられたので、よりインコースに対する意識というか打ち取っていく術として大事な要素であるというのは、すごく(黒田投手の)ピッチングを見て感じてる。」

黒田投手の若手への影響は技術面だけではありませんでした。
孤高の存在だった黒田投手が若手に細かな気配りをするようになったのです。
2年前に新人王のタイトルを獲得するも、その後は十分な結果を出せずにいた大瀬良投手。
けがでチームを離れたとき、黒田投手からメールを受け取りました。

黒田投手からのメール
“状態は大丈夫か 今の時間をしっかり使い レベルアップして戻ってきてくれ”

大瀬良大地投手
「良いピッチングとかしたら絶対に声をかけてくれますし、そういうふうにコミュニケーションをとるようにしてくださったりとか。
折れそうな気持ちがしっかりとまた立て直せてがんばれました。」

投手陣の中心として期待された野村祐輔投手。
調子に波があり悩んでいたとき、黒田投手が声をかけてくれたと言います。

野村祐輔投手
「良い時と悪い時が必ずあると思うので、良い時ばっかりを追うわけじゃなくて、その日の状態に常に合わせていく。
気持ちですね、メンタル面で大きく変われたのかなと思います。」

一方、黒田投手自身は40歳を超え、肉体的な限界を感じていました。
昨シーズン4位に終わったとき、引退も頭をよぎったと言います。
そんな黒田投手を引き止めたのが、“まだ一緒に野球がしたい”という若手選手たちの声でした。

黒田博樹投手
「『黒田さんの身体とか、いろんな部分で来年どうなるか分からないですけど、また一緒にやりたいです』と言ってくれたので、そういう部分で今年もう一年なんとかやりたいなって。」

若手投手の活躍に刺激されるかのように黒田投手も力投。
ついに日米通算200勝という偉業を達成しました。
ベテランと若手がしっかりとかみ合い、25年ぶりの大躍進へとつながったのです。

25年ぶり優勝へ! 広島 大躍進の秘密

小早川さんは25年前のリーグ優勝を経験しているが、あのときと比べて今回の優勝をどう捉えているか?

小早川さん:ベテランと若手が、すごく力を出し合っていて、強力な勢いになっていますね。
そういった交わるところが、中小企業という感じがしますね。
カープは12球団の中で唯一、親会社がないですから、そういった資金力も含めて、本当に限られた戦力、そういう資金の中でなんとかやりくりをして。
(ベテランと若手の距離の近さもあると?)
そうですね。

デーモン閣下:家族ぐるみの企業ぐらいの感じもしますよね?

小早川さん:そう思いますね。

黒田投手はシーズン前、引退も考えていたようだが、やはりその存在感は大きい?

デーモン閣下:逆に、小早川さんに伺いたいのは、去年は花開かなかったけれども、今年になって、黒田投手、新井選手の影響がぱーっと開いた感があるのは、これ、どういうことなんでしょうね?

小早川さん:私が思うには、去年は周りの選手が黒田、新井に頼り過ぎたと思うんですね。
その結果、あまりいい成績が新井は残せませんでした。
黒田は頑張ったんですけどね。
でも今シーズンは、自分たちが力をつけてきて、逆に若い選手が2人を引っ張っていってる。
先ほどの新井のインタビューにあったように、本当につなぐ野球をすれば、みんながなんとかしてくれるんじゃないかとか、そういう信頼関係もあのベテランとは築けているような感じがします。

デーモン閣下:オリンピックじゃないですけど、2人に2,000本安打、200勝させてやらないとっていう。

小早川さん:そういうところもあると思いますよ。

“地道な取り組みがやっと花を咲かせようとしている。心に響かないわけがない”“今年ほど広島にいてよかったという年はない”という意見も 大躍進の背景には球団経営の順調さも指摘され、スタジアムの入場者数がこの3年で増加、ファンも全国に広がり、グッズ収益なども伸びているということだが?

デーモン閣下:だって、広島市の人口、超えてるんですよね、スタジアムの動員がね。

(この影響も大きい?)

小早川さん:大きいと思いますよ。
球場の熱気っていうのは、選手は勇気づけられます。
(球場にたくさんの人が訪れている、その雰囲気はどうか?)
選手もね、力になっていますよ。
それだけで相手チームがもう1.5点、ハンディがあるぐらい、そういう感じになってますね。

デーモン閣下も大人になってからカープが好きになったということだが?

デーモン閣下:やはり広島らしい、みんなでこつこつとやっていくという、それがみんなでつないでいく感じが、この風貌に似合わないでしょうけど、発言が。

先に向けて期待も高まるが?

小早川さん:そうですね。

デーモン閣下:だって、25年ぶりのリーグ優勝。
日本一は26年、7年ぶりになるんですか?

小早川さん:日本一は84年以来です。

(再び広島のファンの皆さんです)

広島カープファン
「優勝じゃー!」

今回のグラレコ

番組の内容を、「スケッチ・ノーティング」という会議などの内容をリアルタイムで可視化する手法を活かしてグラフィックにしたものです。

質問
コーナー

Q1

黒田投手や新井選手らベテランがいることで若手をまとめているように見えますが?

黒田投手や新井選手が若手に積極的に話しかけて、垣根を取り除いていることで、チームの輪が作りやすくなっている、と指摘する人はいます。また、新井選手の2000本安打の時に、チーム全員で新井選手をネタにするTシャツを着るなど、世代をこえてチームが一体になっている姿も、数多く見られています。
Q2

マエケンが抜けたことによる選手の危機感、今年は乗り切れたのでしょうか?

Gストの小早川毅彦さんや、デーモン閣下は、前田健太投手がいなくなったことで、チームの中で頑張らなければいけない、という気持ちが高まったのでは、と話しています。また、黒田投手は、「マエケン、マエケンと言っていてもしかたない」といって、他の選手の活躍を鼓舞し、前田投手のいない穴をみんなで埋めていくような発言をチームでしていたといいます。
Q3

ベテラン石原捕手の貢献が光っていると思うのですがどう思われますか?

ゲストの小早川毅彦さんは、『ベテランの石原選手が、投手陣の頑張りを支えている』として、活躍した選手にあげていました。黒田選手が以前カープにいたときから知っており、若い投手陣にとっても石原さんがいることで安心出来る、ということです。

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