慢性の肩こり・腰痛は男女とも最も数の多い健康障害だ。マッサージや整体、リラクゼーション等はブームと言われるほど施術を受ける人が増えており、市場規模は1兆円に迫るとみられている。ところが今、健康被害が全国で相次いでいる。国民生活センターへの相談はこの9年間で9000件以上、特に、脊髄損傷や肋骨骨折といった重篤なケースが増えている。背景には、整体やリラクゼーションなどには国家資格が存在しないため基礎的知識が足りない人でも施術ができること、免許が必要な接骨院などでも規制緩和で店舗が13万か所まで拡大、技量不足の施術者の増加を招いていること、などがあることがわかってきた。日本社会の高齢化も健康被害の拡大を加速させている。骨の状態や持病を見抜けないまま施術をしてしまい、骨折や病が重症化してしまうのだ。医療・介護に続く第3の分野として拡大が見込まれている「慰安」の分野。業界自身の改善の取り組みなども紹介しながら、手技による被害から我が身を守るにはどうすればいいのか考える。
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