9月、文化庁が衝撃的な調査結果を発表した。調査した2000人のうちおよそ半数(47.5%)が、「1か月に1冊も本を読まない」と回答したのだ。勉学に勤しんでいるはずの大学生でも、40%が1日の読書時間が“ゼロ”という別の調査結果もある。“読書ゼロ”は何をもたらすのか―。人と情報の関わり方を研究している筑波大学の逸村裕(いつむら・ひろし)教授は、学生の小論文の変化に注目している。近年、ほとんどの学生がインターネットの検索サイトに頼って論文を執筆、情報を羅列するものの、持論を展開するのが苦手になっているという。その一方、検索スピードは格段に向上し、閲覧する情報量は急増。わずか1秒で、表示された情報が有用かどうかの判断を下しているという。元来、働きながらでも本を手放さない二宮金次郎(金治郎)を敬ってきた日本人。本との関わり方はどう変わるのか。最新の研究成果も交え、読み解く。
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