福島第一原発の事故を受けて、福島県内で行われている除染で出た土などの放射性廃棄物をどこに置くのか。大きな「決断」を被災地に迫る要請が昨年末、国から出された。「中間貯蔵施設」の建設要請だ。国は地元が受け入れれば、放射線量が高く長期間帰還が見込めない帰還困難区域を抱える双葉町や大熊町など周辺3町に、19平方キロメートルに及ぶ土地を国有化すべく用地買収の交渉を開始する。住民たちに、真の意味での故郷喪失の決断を迫る初めての事態となる。地元が最も懸念しているのが、貯蔵施設が本当に“中間”なのかどうかだ。国は「貯蔵開始後、30年以内に県外で最終処分を完了する」としているが、いまだ具体的な処分場の検討は進んでいない。建設受け入れをめぐって揺れる地元住民に密着。住民が直面する課題や疑問を浮き彫りにし、中間貯蔵施設に関する国の計画を検証する。
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