今年3月、福岡県古賀市で6世紀後半頃の古墳から朝鮮半島の新羅(しらぎ)産と見られる金銅製馬具が出土し、大きな注目を集めている。教科書の記述など一般的には、この時代、倭と呼ばれた日本と新羅は緊張状態が続いたとされてきた。しかし出土した馬具は新羅の権力者が装備するほどの豪奢な物。これが当時の九州に贈られたとすると、これまでの常識とは異なる朝鮮半島との交流の姿が浮かび上がるという。さらに近年、日本式の前方後円墳が韓国で多数見つかった。古代日本文化の半島への移入の可能性を示すものだが、韓国の専門家の中には日本からの影響を認めない意見もあり、議論となってきた。しかしこれらの発見を機に、両国研究者が協力して古代の日韓の交流史を解き明かそうという動きが強まっている。研究者たちの最新の成果から、古代の謎に迫る。
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