飽食の時代と言われて久しい今、実は日本国民の栄養状態は終戦直後よりも悪化している。特に、栄養不足が即切実な健康問題に直結する高齢者。その状況が深刻だとして、厚生労働省は今年、13年ぶりに健康づくりの指針を見直した。健康寿命の延伸を最優先とし、肉などのたんぱく質を高齢者がしっかり食べるよう指導に乗り出したのだ。その背景には、栄養不足によって筋力低下や脳梗塞の増加、認知症になりやすいなどのさまざまな影響が出ることがわかってきたことがある。しかし、従来のメタボ対策との兼ね合いが難しく、栄養指導の現場では混乱も起きている。原因のひとつが“肉嫌い”。長年メタボを気にし「肉は体に悪い」と信じてきた高齢者は肉をすすんで食べようとしない。一見元気な高齢者の見えないリスクー栄養失調。高齢者の健康長寿を実現するには何が大切かを考える。
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