深夜、音もなくしのび寄り人の血を吸う害虫、ナンキンムシ(正式名称トコジラミ)。戦後、DDTの大量散布で一度は駆除されたかにみえたこの虫が今、再び海外から持ち込まれ、その被害が増加している。しかも押し寄せているのは遺伝子を変異させ、市販の殺虫剤にかつての1万2千倍の抵抗性を持つに至った「スーパーナンキンムシ」。アメリカではすでに被害が拡大し、ニューヨークの大型衣料品店が一時、閉店に追い込まれる事態となった。スーパーナンキンムシはいつどこで、なぜ発生したのか。そして殺虫剤の効かない相手をどうやって駆除していけばいいのか。被害の実態と研究の最前線に迫る。
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