「死んだ親父が会いに来た・・・」など、死を間近に体験すると言われる“お迎え”現象についての日本初の学術調査が進んでいる。在宅医療の専門医と東北大の社会学者たちが、文科省の助成を受けて高齢者や遺族500人あまりを調査、自宅で看取られた人の4割が“お迎え”を体験し、そのうちの8割が死への恐れや不安が和らぎ、穏やかに看取られていったことが分かった。その一方で、「生」を追求する過剰な延命治療が、“お迎え”ばかりか、患者が「死」と向き合う妨げになっている現状も浮かび上がった。調査を行った岡部健医師は、「死を受け止める力」に注目した新たな在宅医療を模索している。自らも末期ガンを患う岡部医師の活動を通じて、自然な看取りをいかに実現していくのか考える。
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