これまで国家が巨額の予算を投じてきた宇宙開発が、民間企業によって進められる新たな時代に突入した。5月末、民間企業として初めて国際宇宙ステーション=ISSとのドッキングに成功したアメリカのベンチャー企業スペースX社。民間ならではの自由な発想で安全の確保と大幅なコストダウンを両立させて独自のロケットを開発、無事、ISSに物資を送り届けた。スペースX社の成功の背景には、財政難に直面するアメリカ宇宙政策の大胆な方針転換がある。更に、アメリカでは、一般人が宇宙旅行を体験できる宇宙船や、宇宙での長期滞在を可能にする宇宙ホテルの開発を進める企業が次々と登場。民間参入によって、私たちと宇宙の距離がグッと縮まる勢いを見せている。しかし、こうした企業の中には月や小惑星にある豊富な資源を狙う動きもあり、宇宙開発におけるルール作りという新たな課題も浮かび上がっている。民間宇宙開発という新たな時代の可能性と課題を伝える。
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