30年に渡って打ち上げられてきたスペースシャトルが今年退役する。日本人宇宙飛行士の搭乗は、今回の山崎直子さんが最後となる。地上と宇宙を往復する夢の宇宙船として登場したシャトルだが、コストと安全性の問題から退役が決定。今年1月には、米国はポストシャトルに位置づけていた月の有人探査計画の中止も発表。宇宙開発は大きな曲がり角をむかえている。一方、シャトルの退役後、国際宇宙ステーションへの人員輸送を一手に引き受けるロシアは、民間人を宇宙に運ぶビジネスに乗り出し、月や火星への独自の有人探査計画も着々と進めている。米国に寄り添い世界屈指の宇宙技術を手にした日本は、いまビジョンが打ち出せない状態にある。シャトルの退役で大きな転換期をむかえた宇宙を巡る世界と日本の今を見つめる。
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