10月末、東横イン元社長が廃棄物処理法違反で逮捕された。松江市のビジネスホテル地下に石こうボードを放置した疑い。その石こうボードから猛毒の硫化水素が発生したのだ。石こうボードは天井板や壁材として広く使われる建材だが、水や温度、酸素が無いなどの条件が揃えば”有毒ガス”を発生させる。この硫化水素、実は全国の不法な投棄現場で発生している。例えば、埼玉県のある町では、致死濃度の2倍が発生。県は100カ所近い不法投棄現場の調査を進める事態となっている。背景には、本来、石こうボードを引き取る管理型処分場の費用が高い上、紙などの不純物が混じりリサイクルしにくいという構造がある。今後、高度経済成長期に作られた建物の建て替えに伴い、石こうボードの大量廃棄時代がやってくる。知られざる危険に警鐘を鳴らすとともにその対策を考える。
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