北海道洞爺湖サミットで、温暖化や原油の高騰とともに主要議題に上る食糧高騰の問題。新興国の需要増加や投機マネーの流入に加え、食用のトウモロコシが自動車用のバイオ燃料の生産に大量に使われていることも原因だとされている。世界最大のトウモロコシ生産国アメリカでもバイオ燃料政策の見直しを求める声が上がり始めているが、エネルギーと農業の両方の問題を解決するために導入された政策だけに後戻りできず、袋小路に陥っている。こうした中、トウモロコシの収穫量自体を増やせば食糧を脅かさずにすむとして、アメリカ政府が積極的に推進しているのが遺伝子組み換えをした品種の普及だ。しかしその結果、トウモロコシをアメリカからの輸入に頼ってきた日本では、遺伝子組み換えをしていない品種の入手が困難になっている。コーンスターチメーカーの中には遺伝子組み換えをした品種への転換を余儀なくされているところもあり、日本の食卓にも影響を及ぼし始めている。”世界の農場”アメリカで進む食糧をめぐる地殻変動を追う。
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