大手企業の賃上げ交渉が、ほぼ終結した今年の春闘。戦後最長の景気回復が続く中、2年連続で賃上げが実現したが、あくまでこれは正社員の話。非正規雇用で働く人たちは依然、取り残されたままだ。今や全労働者のうち、3人に1人が非正規雇用と言われる。連合も、正社員と非正社員との「格差是正」に取り組むよう強く指示しているが、各組合では正社員の待遇改善で精一杯で、非正社員までは手が回らないのが現実だ。一部、非正社員を組合に取り込んで共闘している組合でも、正社員と非正社員の要求をどう調整するか、難しい課題に直面している。こうした中、正社員中心の既存の労働組合にはもう頼れないと、非正規雇用の人たち同士が連帯し、派遣会社や派遣先の企業を相手に、直接、待遇改善を求める動きも出てきた。果たして正社員との賃金格差は縮まるのか。非正規雇用の人たちの目線から、今年の「格差春闘」最前線に密着する。
みんなのコメント