外国人犯罪の増加に伴い、外国人受刑者の数が急増、全国の刑務所がパンク状態に陥っている。この10年ほどの間に、外国人受刑者の数は4倍の3940人に急増。就労・就学目的で来日したものの、失業や地域からの孤立などをきっかけに犯罪に手を染めていくケースが目立つ。日本最大の刑務所、府中刑務所では受刑者の2割が外国人となる中、国際対策室を設置、30言語に対応できる体制を組んだ。しかし言葉、文化、生活環境の違う外国人受刑者を矯正させるのは容易ではない。精神に変調をきたし独房から出ようとしない者、外国人受刑者同士のトラブル、犯した罪を反省させることの難しさ・・・処遇困難な受刑者への対応は限界に近づいている。政府は外国人受刑者を本国に送り返し、服役させる「受刑者移送条約」に活路を見出そうとしているが、受刑者の半数近くを占める中国などアジア諸国が未加盟で、大きな効果を上げるには到っていない。府中刑務所の国際対策室に密着取材し、増え続ける外国人犯罪と日本社会がどう向き合うのか、探っていく。
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